JPH08100429A - 人工浮体緑化地盤 - Google Patents

人工浮体緑化地盤

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JPH08100429A
JPH08100429A JP6237051A JP23705194A JPH08100429A JP H08100429 A JPH08100429 A JP H08100429A JP 6237051 A JP6237051 A JP 6237051A JP 23705194 A JP23705194 A JP 23705194A JP H08100429 A JPH08100429 A JP H08100429A
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泰三 藤岡
Masayuki Taniguchi
雅之 谷口
Kohei Ueda
耕平 上田
Yukitaka Kadowaki
幸孝 門脇
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 合成樹脂発泡体の成形品よりなる浮体層と、
該浮体層上に配置された保水層と、該保水層上に配置さ
れた土壌層である植生層とよりなる緑化地盤であって、
上記保水層は、それぞれ矩形形状の外周枠状部を有し,
かつその底部に凹部を有する単位保水層を、その縦,横
に複数個,全体が矩形形状をなすよう配列してなり、こ
れを網でくるんで単位緑化地盤を形成し、その一端を、
高水位時において該緑化地盤が水面上に浮上し、低水位
時において該緑化地盤が地面の法面上に搭載載置される
ような上記法面上の位置に固定したものである。 【効果】 単位保水層により浮上状態においても傾斜載
置状態においても、水分を保水でき、植物栽培用の人工
浮体緑化地盤を全体にわたって定常的に良好な含水状態
に保つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダム湖周囲等の斜面地
盤に対して人工的に緑化を促進させる人工浮体緑化地盤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダム湖周囲等の地盤では水位の急激な変
動によって、土壌が洗い流されたり、あるいはその土壌
の含水率が変化して植物が育つのに適正な環境になりに
くい。そのため植物が生育せず、従来からあった植物が
枯れるといった自然環境上の問題が発生する。また上記
のように、一般に植物の生育が困難であるので、地盤が
露出した状態になることが多く、周辺の景観を損ねるこ
とが多かった。
【0003】これらの問題を解決すための緑化手段とし
て、植物の種子等を地盤に直接吹きかける方法が用いら
れていた。しかし、水位の急激な変動により種子が脱落
し成育する確率は低かった。また、これを解決するため
に、草木を地盤に直接張り付ける方法や、地盤に直接移
植する方法が用いられてきたが、水位の上昇により植物
が水浸したり、水位の低下により乾燥して枯れてしまい
充分な効果を上げることができなかった。
【0004】従来のこのような問題を解決する為に、実
開平4−26237号公報には、図7に示すように、広
い平面の3層よりなり、種子を封入した植生層91とな
る最上の層と、難透水層となる中間層92と、浮上層9
3となる下部層と、前記3層を覆い、一体化する袋94
と、前記袋の一端に地盤に固定する固定具95とを有す
る人工浮体緑化地盤90が開示されており、これによれ
ば、その人工浮体緑化地盤90の下部層が浮上層93と
なっていることにより、これは水位の変動に併せて浮
上,または下降することとなり、生息する植物が水浸し
てその影響を受けるということがなく、植物は常に水面
上に生息することができるとされている。また、水上に
この人工浮体緑化地盤90があるとき、水分は難透水層
である中間層92により直接水が植物の根に触れないよ
うに働き、岩盤上にあるときは、おもに降雨水により生
育するようになる。さらに袋に不織布よりなるものを用
いその毛細管現象を利用して水分を補給することもでき
ると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は上記のような手
法により緑化を行っていたが、以下に示すような問題点
があった。上記実開平4−26237号公報では、広い
平面の3層よりなるので緑化面積の調整や変更が難しい
という問題があった。
【0006】また人工浮体緑化地盤90が水面上に浮い
ている状態において、水分の吸い上げ量は透水層である
中間層92の透水係数によって決まり、吸い上げ水分量
の調整が難しいという問題があった。
【0007】また、水面の低下により人工浮体緑化地盤
90が岩盤上に在る状態においては、上記広い面積の3
層中で、岩盤の傾斜の低い方に水分が移動してしまい、
傾斜の上部分と下部分とで含水率が大きく異なるという
問題があった。
【0008】また、同様に人工緑化地盤90が岩盤上に
在る状態において、降雨水により水分が補給された場
合、一時的には植生層91は潤うが上述したように傾斜
により上記広い面積の3層の斜面の下方へ水分が移動し
てしまい、雨水を充分に貯水すること、特に人工浮体緑
化地盤90全体にわたって均等に貯水することができな
いという問題があった。
【0009】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたもので、ダム湖周囲の地盤等の法面に設置するの
により適切な貯水機能と含水率調整機能とを備えた、人
工浮体緑化地盤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる人工浮
体緑化地盤は、独立気泡の合成樹脂発泡体の一体成形品
よりなる浮体層と、該浮体層上に配置された水を貯水す
る成形品よりなる保水層と、該保水層上に配置された、
種子を封入した土壌層である植生層とよりなる緑化地盤
であって、その一端が、上昇した水面位置において該緑
化地盤が水面上に浮上し、下降した水面位置において該
緑化地盤が地面の法面上に搭載載置されるような上記地
面の法面上の位置に固定されていることを特徴とするも
のである。
【0011】またこの発明は、上記人工浮体緑化地盤に
おいて、上記保水層は、それぞれ矩形形状の外周枠状部
を有し、かつその底部に凹部を有する単位保水層を、上
記浮体層上に、その縦,横に複数個,全体が矩形形状を
なすよう配列してなるものとしたものである。
【0012】
【作用】この発明にかかる人工浮体緑化地盤において
は、独立気泡の合成樹脂発泡体の一体成形品よりなる浮
体層と、該浮体層上に配置された水を貯水する成形品よ
りなる保水層と、該保水層上に配置された、種子を封入
した土壌層である植生層とよりなる緑化地盤であって、
その一端が、上昇した水面位置において該緑化地盤が水
面上に浮上し、下降した水面位置において該緑化地盤が
地面の法面上に搭載載置されるような上記地面の法面上
の位置に固定されているものとしたので、以下のように
作用する。
【0013】即ち、水面の高い時には、浮体層の浮上作
用によって水面上に浮上し、植生層は定常的に水面上に
ある状態に保たれ、該植生層が水位の変動によって水中
に浸ることによって、植生層中の種子が流出したり、ま
た植物自体が水に漬かることによりその生育に害を受け
ることをなくすことができる。一方、水位が低下した際
には、水が各単位保水層内に保水されており、さらに降
雨水を保水層内に貯水し、あるいは降雨時に岩盤上を流
れる流水を、給水シートにより吸い上げて保水層内に取
り入れ、貯水する。これにより、該保水層内には常に水
を溜めておくことができ、植生層の植物は常に水分の供
給を受けることができ、植生層の良好な生育,維持を行
うことができる。このため、緑化地盤による長期間にわ
たる緑化の維持を達成できる。
【0014】またこの発明においては、上記人工浮体緑
化地盤において、上記保水層は、それぞれ矩形形状の外
周枠状部を有し、かつその底部に凹部を有する単位保水
層を、上記浮体層上に、その縦,横に複数個,全体が矩
形形状をなすよう配列してなるものとしたので、該単位
保水層は確実な保水のできるものとすることができる。
【0015】
【実施例】
実施例1.以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1は本発明の第1の実施例による人工浮体緑化地
盤1000を示す斜視図であり、図2は本発明の第1の
実施例による単位緑化地盤100の斜視図(図2(a) )
と、該単位緑化地盤100の植生層10を取り除いた状
態の上面図(図2(b) )である。また、図3(a) は上記
植生層10を示す断面模式図、図3(b) は上記単位緑化
地盤を横から見た側面図である。
【0016】図1において、10は植生層、20は単位
保水層、30は浮体層、40は給水シート、60は連結
ロープ、61はネットである。23は単位保水層20の
外周を矩形形状に囲む枠状部で、この単位保水層20が
3×3の正方形状に配列されて単位緑化地盤100を形
成している。また、これが縦方向に2列,横方向に3列
接続されて人工浮体緑化地盤1000が形成されてい
る。図2において、31は浮体層30に設けられたスリ
ットである。図3においては、11は軽量人工土壌、1
2は種子付土のう袋、13は不織布、21は単位保水層
20の底面に形成されたESP保水パッドであり、図に
おいて同一符号は同一または相当する部分を示してい
る。
【0017】この単位緑化地盤100の構成について図
を用いて説明すると、これは、EPS(発泡スチロー
ル)成形品よりなる一体型の浮体層30と、その上部に
配置した同じくEPS成形品よりなる皿状の単位保水層
20と、その単位保水層20の皿状部分に載置される植
生層10とよりなり、以下のように作製されている。
【0018】浮体層30は、EPS成形品を2000m
m×2000mm×165mmに形成し、給水シート4
0を通すための幅2.5mmのスリット31を図2(b)
に示すように設けてなる。単位保水層20は、同じくE
PS成形品よりなり、665×665の底面積を有する
皿状のものであり、スリット31を塞がないように上記
浮体層30上部に配置される。本実施例1の単位緑化地
盤100では、上記単位保水層20を、3×3の正方形
状に配列してなり、EPS樹脂を保護するためにウレタ
ン塗装を全面に施したものを用いた。
【0019】このように形成された上記浮体層30及び
上記保水層には、図2(b) に示すように、上記各単位保
水層20毎に、その上記浮体30層に設けられたスリッ
ト状透孔31,或いはその一側面の下方外側から該側面
を登り該単位保水層20の枠状部23を越えて該単位保
水層20底面の上記凹部上面上を渡り、さらに該単位保
水層20の反対側の枠状部23を登り該枠状部23を越
えてその側面部外面に沿って該側面部の下方外側まで下
り、さらに上記浮体層30に設けられた他のスリット状
透孔31,あるいはその他側面を通って、その両端を上
記浮体層30下まで延在してなる給水シート40が配置
されており、かつこれを上記矩形形状の単位保水層20
の直交する2つの方向に備えている。
【0020】また、植生層10は図3(a) に示すよう
に、軽量人工土壌11上に種子付の土のう袋よりなる種
子の層12を載せ、これを不織布13よりなるソイレン
フィルターA(商品名)でくるんでなる。ここで軽量人
工土壌11はは天然の土壌でもよいが、本実施例では浮
力を調整する為に軽い人工の土壌を用いた。
【0021】上記のように形成された各単位保水層20
の枠状部23に囲まれた部分に上記植生層10を図2
(a) ,図3(b) に示すように載置する。
【0022】このような単位緑化地盤100が水面上
に、植生層10が水面から露出する程度に浮上するよう
にするためには、各単位緑化地盤100の植生層10の
重量,あるいは浮体層30の厚みを適宜設定すればよ
い。
【0023】このようにして得られた単位緑化地盤10
0の全体を覆うようにネット61をかけて1つの単位緑
化地盤100を構成する。
【0024】次に、本実施例1の人工浮体緑化地盤の組
み立て方法,設置方法,及び作用について説明する。
【0025】図4ないし図6は、本人工浮体緑化地盤1
000を設置し緑化を行っている状態を示す断面図であ
り、図4は水面の低い状態のとき、図6は水面の高い状
態のとき、図5はその中間の水位のときをそれぞれ示し
ている。図において、62はナイロン結束ベルト、70
は上記単位保水層20に設けられた保水パッド21中の
水、80は法面、81は該法面上に打ち込まれた固定具
であり、図中の図1と同一符号は同一または相当する部
分を示している。
【0026】本実施例の人工浮体緑化地盤1000の組
み立て方法は、緑化したい面積にあわせて上記のように
構成された単位緑化地盤100を、その縦方向,横方向
に所定個数ずつの矩形形状に複数配置して緑化地盤体を
構成し、その緑化地盤体の各単位緑化地盤100の端辺
を結ぶ縦方向,横方向の線に沿って、縦,横方向の各々
に該緑化地盤体の各々全長にわたって図1に示すように
ロープ60を配設し、上記各単位緑化地盤100の側面
上部の端辺の数箇所において、上記縦,横方向のロープ
60と該各単位緑化地盤100のネット61とをナイロ
ン結束ベルト62でタッキングする。このように結束さ
れた人工浮体緑化地盤1000の側面の断面図は図4な
いし図6に示したようになる。
【0027】また、このような複数の単位緑化地盤10
0よりなる人工浮体緑化地盤1000は、上述したよう
に、各単位緑化地盤100の上面の端辺のネット61と
連結ロープ60とをナイロン結束ベルト62で結束して
なるので、所望の緑化面積にあわせて人工浮体緑化地盤
1000の大きさを自由に調整でき、かつ水面が低下し
ていく際に図5に示すように斜面上部の固定具81に近
い単位緑化地盤100から順次岩盤の法面上に載置さ
れ、単位緑化地盤100同士の結束部がヒンジ部として
作用する。これにより各単位緑化地盤100をより適正
な状態に保つことができる。
【0028】次に、本実施例1の人工浮体緑化地盤の設
置方法,及び作用について説明する。本人工浮体緑化地
盤1000の設置位置は、その一端を固定する固定具8
1の位置が、該緑化地盤の植生層10が増水時にも水面
に露出した状態になるような法面上の高さ位置となるよ
うに設定する。そして、本人工浮体緑化地盤1000を
設置するとき、水面が低いとすると、上記緑化地盤10
00を法面の図4に示すより上方から法面上を降下さ
せ、その上端が図4の上記固定具81の位置に来るよう
にする。このとき、水面が低いことにより、3つの単位
緑化地盤100はすべて法面80上に位置しているもの
である。
【0029】そして、この図4のように本人工浮体緑化
地盤1000が法面上に搭載載置されている場合におい
ては、各単位保水層20は図に示すように傾斜した状態
にあるが、上方から降り落ちて来る雨により、該傾斜し
た各単位保水層20の保水パッド21内に水が貯水され
る。このため、該単位緑化地盤10の植生層10の下の
空間は常に湿潤状態にあり、雨が降らない期間が長くつ
づいても、該植生層10の植物が枯れ死んでしまうこと
もない。
【0030】さらには、該人工浮体緑化地盤1000の
位置する場所においては局所的に降雨のない場合におい
ても、川水等の分岐水等が法面80上を流れ落ちること
があるが、本実施例の毛細管現象を呈する給水シート4
0はこの水を拾い上げ、該水が各単位保水層20にかぶ
さるように設けられた給水シート40を伝って該単位保
水層20の上方にまで供給され、これにより、植生層1
0の底部、すなわち保水パッド21の上面は定常的に湿
潤状態に保たれることとなる。
【0031】特に、上記人工浮体緑化地盤1000が岩
盤上にある図4,5の場合では、降雨等により補給され
た水分は、小さく区切られた各保水層20,及び各保水
パッド21に保水され、図7に従来例として示した人工
浮体緑化地盤90に比べ本発明の人工浮体緑化地盤10
00の全体に均等に、かつより多く保水することができ
る。
【0032】次に、この図4に示す状態から、水位が上
昇すると、その水面の上昇に伴って、図5に示されるよ
うに、一番下方に位置する単位緑化地盤100のみが、
その上端側を中心に回動して水面上に浮上するようにな
り、他の2つの単位緑化地盤100は、まだ地面の法面
上に載置されたままの状態となる。これは隣接する単位
緑化地盤100がロープとネット61とをタッキングし
てなることにより、相互に折り曲げ可能となっているか
らである。
【0033】この図5に示す状態から、水位がさらに上
昇すると、その水面の上昇に伴って他の2つの単位緑化
地盤100も隣接する単位緑化地盤が相互に折り曲げ可
能となっていることよりそれぞれその上端側を中心に回
動しながらさらに上昇し、これにより、図6に示される
ように、すべての3つの単位緑化地盤100が水面上に
浮上するようになる。この図6に示す状態においては、
該人工浮体緑化地盤1000はその各単位緑化地盤10
0が水面上に浮上し、かつその状態で各単位緑化地盤1
00の側面上端の端辺でロープ60とネット61とが、
数箇所でナイロン結束ベルト62により結束されて相互
に連結されて、水面上に浮上している。
【0034】このように本人工浮体緑化地盤が水面上に
浮上している状態では、水面の変動に伴って各該単位緑
化地盤100は上昇,又は下降することとなり、該単位
緑化地盤の植生層の植物が,水面変動の影響を受けて水
浸してしまうことはなく、植物が枯れ死んでしまうこと
もない。
【0035】また、該人工浮体緑化地盤が水面上にある
場合においては、上方から降り落ちて来る雨により、各
単位保水層20中に水が貯水されるとともに、降雨のな
い場合においても、水面からの水が、毛細管現象を呈す
る給水シート40により各単位保水層20上に供給さ
れ、植生層10底部、すなわち保水パッド21上面は定
常的に湿潤状態に保たれる。従って、本人工浮体緑化地
盤1000の植生層10の植物が水面上に浮上している
状態で枯れ死んでしまうことはない。
【0036】この図6に示す状態から水面が下降する
と、上記で説明したのと逆の動作により、同様の作用を
するとともに、単位緑化地盤100が地盤の法面80上
に載置された図4,図5の状態となった場合にも、上記
作用に加えて、水面が高い位置の状態のときに単位保水
層20に保水された水により植生層10底部、すなわち
保水パッド21上面を定常的に湿潤状態に保つことがで
きる。
【0037】なお、湖面の位置は季節等によっても変わ
るので、本人工浮体緑化地盤1000を設置しようとす
るときには、湖面が高い場合もあるが、この場合に本人
工浮体緑化地盤1000を設置することも勿論できるも
のであり、この場合には、本人工浮体緑化地盤1000
を法面80の上方よりその他端を湖方向に向けて直接湖
方向に押し出す等して浮上させ、その全体が湖上に浮上
した時点で、該人工浮体緑化地盤1000の手前側の一
端を、固定具81を打ち込んで法面80上の所定位置に
固定する。このような上記実施例の変形例として、各部
分の形状,材料を代えて以下のように構成することもで
きる。
【0038】変形例1.上記実施例では人工浮体緑化地
盤1000は、複数個の単位緑化地盤100を緑化すべ
き面積に合わせて設けて使用しているが、1つの大きな
面積の人工浮体緑化地盤を形成して、単体の人工浮体緑
化地盤により本発明による緑化を実施することも可能で
ある。
【0039】このように形成された単体の人工浮体緑化
地盤を用いた場合には、単位緑化地盤100同士をロー
プで結束する手間を省略することができ、その製造コス
トを下げることができる。
【0040】変形例2.上記実施例では、植生層10
は、軽量人工土壌11と種子付土のう袋12とを不織布
13よりなる袋を用いてくるんで形成したが、使用する
袋の全体又は、部分的に毛細管現象を呈するものを使用
することもできる。
【0041】このように上記植生層10を形成した場
合、植生層自体にさらに良好な水の吸い上げ効果を期待
することができる。
【0042】変形例3.上記実施例では保水パッド21
は円柱形状の凹所を単位保水層あたり18個設けた例を
示したが、これは矩形形状でもよく、またもっと多く設
けてもよい。
【0043】以上のように本発明の実施例1では、独立
気泡の合成樹脂発泡体の一体成形品よりなる浮体層30
と、該浮体層30上に矩形形状に配置された、外周枠状
部を有し,かつその底部に凹部を有する単位保水層20
と、該単位保水層20上に配置された、種子を封入した
土壌層である植生層10とよりなる緑化地盤体をネット
61でくるんでなる単位緑化地盤100を、所要の面積
になるよう複数矩形形状に配列しロープ60により各単
位緑化地盤100の端辺側面上部をタッキングして人工
浮体緑化地盤1000とし、その一端が、上昇した水面
位置において該緑化地盤が水面上に浮上し、下降した水
面位置において該緑化地盤が地面の法面上に搭載載置さ
れるような上記地面の法面上の位置に固定してなるの
で、本人工浮体緑化地盤1000は、湖沼における水量
の多いときには、上記図6のように浮体層30の浮上作
用によって水面上に浮上し、植生層10は定常的に水面
上にある状態に保たれ、該植生層10が水位の変動によ
って水中に浸かることによって、植生層中の種子が流出
したり、また植物自体が水に浸かることによりその生育
が阻害されることをなくすことができる。
【0044】また、水位が低下した際も、図4,図5に
示すように水がそれぞれ小さく区切られた各単位保水層
20内に保水さており、さらに降雨水、あるいは給水シ
ート40から吸い上げた降雨時に岩盤を流れる水を保水
層20に取り入れる貯水作用により、短期のうちに水が
無くならず、上層部の植物は、良好な植生層10の生
育,および良好なこれによる緑化を行うことができる。
【0045】このような浮上作用,及び保水作用によ
り、水位の変動を原因とする上記植生層10の含水率の
変動,さらにはこれによる植生層の枯れを抑制でき、ダ
ム湖の水位の変動に左右されず、常に水面上に緑化地帯
を造成することができる効果がある。
【0046】なお、本発明のさらに他の請求項としては
以下のものが考えられる。 〔請求項3〕 請求項2に記載の人工浮体緑化地盤にお
いて、上記浮体層及び上記保水層には、上記各単位保水
層毎に、その上記浮体層に設けられたスリット状透孔,
或いはその一側面の下方外側から該側面を登り該単位保
水層の枠状部を越えて該単位保水層底面の上記凹部上面
上を渡り、さらに該単位保水層の反対側の枠状部を登り
該枠状部を越えてその側面部外面に沿って該側面部の下
方外側まで下り、さらに上記浮体層に設けられた他のス
リット状透孔,あるいはその他側面を通って、その両端
を上記浮体層下まで延在してなる給水シートが配置さ
れ、かつこれを上記矩形形状の単位保水層の直交する2
つの方向に備えたものであることを特徴とする人工浮体
緑化地盤。
【0047】
【発明の効果】この発明にかかる人工浮体緑化地盤によ
れば、独立気泡の合成樹脂発泡体の一体成形品よりなる
浮体層と、該浮体層上に配置された水を貯水する成形品
よりなる保水層と、該保水層上に配置された、種子を封
入した土壌層である植生層とよりなる緑化地盤であっ
て、その一端が、上昇した水面位置において該緑化地盤
が水面上に浮上し、下降した水面位置において該緑化地
盤が地面の法面上に搭載載置されるような上記地面の法
面上の位置に固定されているものとしたので、以下のよ
うな効果を奏する。
【0048】即ち、水面の高い時には、浮体層の浮上作
用によって水面上に浮上し、植生層は定常的に水面上に
ある状態に保たれ、該植生層が水位の変動によって水中
に浸ることによって、植生層中の種子が流出したり、ま
た植物自体が水に漬かることによりその生育に害を受け
ることをなくすことができる。一方、水位が低下した際
には、水が各単位保水層内に保水されており、さらに降
雨水を保水層内に貯水し、あるいは降雨時に岩盤上を流
れる流水を、給水シートにより吸い上げて保水層内に取
り入れ、貯水する。これにより、該保水層内には常に水
を溜めておくことができ、植生層の植物は常に水分の供
給を受けることができ、植生層の良好な生育,維持を行
うことができる。このため、緑化地盤による長期間にわ
たる緑化の維持を達成することができる効果がある。
【0049】またこの発明によれば、上記人工浮体緑化
地盤において、上記保水層は、それぞれ矩形形状の外周
枠状部を有し、かつその底部に凹部を有する単位保水層
を、上記浮体層上に、その縦,横に複数個,全体が矩形
形状をなすよう配列してなるものとしたので、該単位保
水層は確実な保水のできるものとすることができ、上記
人工浮体緑化地盤全体にわたって均等に、かつより多く
の水を保水することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例による人工浮体緑化地
盤1000の斜視図である。
【図2】 本発明の実施例1の単位緑化地盤100の斜
視図(図2(a) ),及びその植生層10を除いた上面図
(図2(b) )である。
【図3】 上記実施例1の植生層10を示す断面図(図
3(a) ),及び単位緑化地盤100の側面図(図3(b)
)である。
【図4】 上記実施例1の人工浮体緑化地盤1000が
設置されている状態を示す断面図である。
【図5】 上記実施例1の人工浮体緑化地盤1000が
設置されている状態を示す断面図である。
【図6】 上記実施例1の人工浮体緑化地盤1000が
設置されている状態を示す断面図である。
【図7】 従来の人工浮体緑化地盤を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
10 植生層、11 軽量人工土壌、12 種子付土の
う袋、13 不織布、20 単位保水層、21 ESP
保水パッド、23 枠状部、30 浮体層、31 スリ
ット、40 給水シート、60 連結ロープ、61 ネ
ット、62 ナイロン結束ベルト、70 水、80 法
面、81 固定具、90 人工浮体緑化地盤、91 植
生層、92 中間層、93 浮上層、94 袋、95
固定具、100 単位緑化地盤、1000 人工浮体緑
化地盤。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 独立気泡の合成樹脂発泡体の一体成形品
    よりなる浮体層と、該浮体層上に配置された水を貯水す
    る成形品よりなる保水層と、該保水層上に配置された、
    種子を封入した土壌層である植生層とよりなる緑化地盤
    であって、 その一端が、上昇した水面位置において該緑化地盤が水
    面上に浮上し、下降した水面位置において該緑化地盤が
    地面の法面上に搭載載置されるような上記地面の法面上
    の位置に固定されていることを特徴とする人工浮体緑化
    地盤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の人工浮体緑化地盤にお
    いて、 上記保水層は、それぞれ矩形形状の外周枠状部を有し、
    かつその底部に凹部を有する単位保水層を、上記浮体層
    上に、その縦,横に複数個,全体が矩形形状をなすよう
    配列してなるものであることを特徴とする人工浮体緑化
    地盤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08291522A (ja) * 1995-04-22 1996-11-05 Nisshoku Corp 水際緑化工法
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CN109853471A (zh) * 2019-03-06 2019-06-07 新昌县以琳环保科技有限公司 适于河道岸坡生态环境修复方法

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