JPH08252036A - 植栽浮体マット - Google Patents

植栽浮体マット

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JPH08252036A
JPH08252036A JP7084689A JP8468995A JPH08252036A JP H08252036 A JPH08252036 A JP H08252036A JP 7084689 A JP7084689 A JP 7084689A JP 8468995 A JP8468995 A JP 8468995A JP H08252036 A JPH08252036 A JP H08252036A
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    • Y02P60/60Fishing; Aquaculture; Aquafarming

Landscapes

  • Artificial Fish Reefs (AREA)
  • Hydroponics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 湖沼の水面や法面等に、植物の生育を図り、
また野鳥や魚介類、水生昆虫等の棲息場所を確保すると
共に、植物の育生による水質改善効果と併せて自然環境
の向上を図る。 【構成】 内部空隙を有する立体網状マット骨体2の空
隙に植栽用土3を充填し、その全周面を植栽用土流出防
止シート4により囲繞する。植物の根張りが可能な発泡
性浮板5をその下面に沿設し、合成樹脂繊維被覆シート
6によって囲繞一体化したものであり、必要によって、
植栽用土流出防止シート4の下面と発泡性浮板5間に植
物の根の通過を阻止する根止めシート14を介在する構
造にしたことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダム湖等の人工貯水
池、或は自然湖沼における水面や護岸及び水位変動によ
り生じる湖岸法面等に、植物の生育を図るための植栽浮
体マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ダム湖の水資源やダム湖自体の景
観について、種々の問題が提起されている。即ち、ダム
湖等においては、満水時に湖岸の法面に生育した植物が
水を被って枯れてしまうことから、渇水期には、ダム湖
水際の法面の露出は茶褐色の地肌が現れて、その景観が
著しく損なわれるばかりでなく、降雨時には該法面部地
肌の侵食が生じて湖底に土砂が堆積する問題を有してい
る。
【0003】更に渇水期にはこうした地肌の露出と相俟
って微生物が棲息するための水際の自然環境が変わって
しまい、水質浄化能が低下するためアオコが発生するな
どの問題も生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
みてなされたものであり、ダム湖等の人工貯水池、或は
自然湖沼における水面や護岸及び水位変動により生じる
湖岸法面等に、植物の生育を図り、また野鳥や魚介類、
水生昆虫等の棲息場所を確保すると共に、植物の育生に
よる水質改善効果と併せて自然環境の向上を図ることが
できる植栽浮体マットを提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の植栽浮体マット
は、合成樹脂により充分な内部空隙を有するように適宜
厚さに成形し、面方向に一定の広さをもった立体網状マ
ット骨体と、通気及び通水性を有すると共に植物の根及
び茎の生育を妨げない不織布または織布或は編布等から
なり、前記立体網状マット骨体の全周面を囲繞してなる
植栽用土流出防止シートと、植物の根張りを可能にする
合成樹脂発泡体の板材からなり、前記植栽用土流出防止
シートを囲繞した立体網状マット骨体の下面に並設した
発泡性浮板と、合成樹脂繊維を網状または布帛状に編成
または織成たシート材からなり、前記浮板と植栽用土流
出防止シートを囲繞した立体網状マット骨体を囲繞一体
化してなる合成樹脂繊維被覆シートとからなり、前記立
体網状マット骨体の内腔間隙に植栽用土を充填した構造
にしたことを要旨とするものである。
【0006】また、前記植栽用土流出防止シートの下面
と発泡性浮板間に植物の根の通過を阻止する根止めシー
トを介在した構造にすることもできる。
【0007】上記植栽浮体マットの側面及び/または底
面に合成樹脂繊維を梯子状または帯状に編成した連繋構
造を縫着し、相互のマットを連繋したり、着脱自在にな
る重鎮を設け、浮遊時の吃水高を調節可能にしたり、或
は網状立体漁礁及び/または合成樹脂繊維を編成または
織成した微生物棲息ネットを着脱自在に取り付けること
を要旨とするものである。
【0008】
【作用】上記植栽浮体マットによれば、合成樹脂繊維を
立体網状体に成形した立体網状マット骨体を骨格とし
て、該内部空隙に植栽用土を収容した構造になるため、
該部からの変形荷重に対して充分な剛性を持つようにな
り、植栽浮体マットを水面に設置した場合の波浪や湖岸
の法面に設置した場合の重力による形崩れが生じること
がない。また、用土の空隙が植物の根の伸長を適切な状
態に保持し、植物の根の成長阻害を解消するように作用
する。
【0009】根止めシートを設けた構造では、植物の根
の発泡性浮板下方への伸長を該根止めシートによって阻
止する構造になるため、植栽浮体マットが置かれた状態
で、植物の根が伸長して法面に固定されることを防止す
る。
【0010】上記植栽浮体マットは、湖底のアンカーと
ロープによって結索して移動流失を防止するものである
が、該ロープの長さを適当に設定することにより、水面
の上昇または下降に追従させることができる。また、底
面に一体化した発泡性浮板の体積を変えるか、または重
鎮の重量を変えることにより、植栽浮体マットの吃水高
を変更したり、水中の任意の位置に設置することが可能
である。
【0011】上記植栽浮体マットは、連繋構造を使用し
て複数個を面方向に連繋して使用することが可能であ
り、湖岸の法面から水面までの間を連続して覆うことに
よって法面の地肌の露出を解消することができる。そし
て、水位の変動によって低水位期に生じる法面の裸地に
連続して設置することで、法面の植栽を回復することが
できる。高水位期には植栽浮体マットが水面に浮上する
ため、従来のように植物が水没して枯れることがなく生
育が保持される。
【0012】また、上記植栽浮体マットを水面に設置し
た場合、植栽による水中の栄養塩類の吸収作用により、
水質改善を図ることができる。更に、網状立体漁礁を取
り付けることによって魚類の産卵に適した環境を構成す
ることができると共に、微生物棲息ネットを取り付ける
ことにより、微生物による水質改善を期待することが可
能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る植栽浮体マットの一実施
例を図面に従って説明する。図1は植栽浮体マット1の
一部切欠した斜視図、図2は同縦断面図を示すものであ
り、符号2は、合成樹脂繊維により充分な内部空隙を有
するように適宜厚さに成形すると共に面方向に一定の広
さをもった立体網状マット骨体である。該立体網状マッ
ト骨体は、ポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂を加熱
溶融してノズルより押し出し、線状としたものをカール
させたまま積み重ね、線状の相互接点を用着成形して一
定の厚さと線状密度を持つように一体化したポーラス材
である。
【0014】上記立体網状マット骨体2の内部空隙に
は、植物の根の伸長を妨げることがなく、且つ植物体を
支承するに充分な支承力を発揮する非水溶性の植栽用土
3を充填すると共に、該立体網状マット骨体2の全周面
を、通気及び通水性を有すると共に植物の根及び茎の生
育を妨げない不織布または織布或は編布等からなる植栽
用土流出防止シート4によって囲繞してなる。
【0015】また符号5は、植物の根張りを可能にする
合成樹脂発泡体の板材からなり、上記植栽用土流出防止
シート4を囲繞した立体網状マット骨体2の下面に並設
した発泡性浮板であり、植物の根張りを可能にするため
に、例えば図3に示すように面方向に多数の透孔51,
51…(実施例では矩形孔であるが孔の形態は種々に変
えることができる)が穿設してある。
【0016】該発泡性浮板5は、発泡スチロール樹脂等
の非連通性発泡樹脂材によって構成されており、全体の
体積を変え(板厚を変えることによって実施することが
できる。)て、水上に設置した場合の吃水高を調整する
ことができる。
【0017】上記発泡性浮板5と植栽用土流出防止シー
ト4の囲繞体は、合成樹脂繊維を網状または布帛状に編
成または織成たシート材からなる合成樹脂繊維被覆シー
ト6によって全体を囲繞一体化して構成される。
【0018】符号7は、植栽浮体マット1の側面に位置
して、合成樹脂繊維被覆シート6に縫着した連繋構造で
あり、該連繋構造7は、合成樹脂繊維を梯子状に編成
し、各側面に複数の連繋部を構成してなるもので、面方
向に植栽浮体マット1を連繋して使用する場合、該連繋
構造7,7間をロープまたはチェーン等によって結索す
る。
【0019】また該連繋構造と同種の連繋構造8が、植
栽浮体マット1の底面にも構成してある。符号9は、上
記連繋構造8に対して連繋鎖10を介して着脱自在に取
り付けたアンカーであり、湖底に置いて植栽浮体マット
1の移動流失を防止してなる。
【0020】前記連繋構造7,8は、図4に示すような
梯子状だけでなく、植栽浮体マット1の側面と底面に対
して、図5に示すように、合成樹脂繊維を帯状に編成或
は織成したものをループを形成するように縫着したもの
であっても、前記梯子状のものと同様に使用することが
できる。
【0021】上記連繋構造8または9には、必要に応じ
て、充分な内部空隙を有するように適宜厚さに成形した
合成樹脂線状ポーラス材等からなる魚類産卵用の網状立
体漁礁11や合成樹脂繊維を編成または織成し、微生物
の棲息を容易にする微生物棲息ネット12を着脱自在に
取り付けることができる。
【0022】更に、符号13は水面に設置した植栽浮体
マット1の上記連繋構造9に垂下した重鎮であり、該重
鎮の荷重を変えることによって前述した発泡性浮板5の
体積変更と同様に、水面WLとの吃水高を調節したり、
または水中に設置した植栽浮体マット1の水面WL下位
置の調節を行うことができる。
【0023】尚、前記実施例の説明では、水面に浮遊さ
せて使用する植栽マット1について述べたが、ダム湖の
法面等と水面の両用に設置して使用する植栽マット1の
場合は、上記植栽用土流出防止シート4の下面と発泡性
浮板5の間に植物の根の通過を阻止する可撓性の合成樹
脂シートからなる根止めシート14(図1に二点鎖線で
示す)を介在した構造にすることが必要である。
【0024】図6は本発明の植栽浮体マット1を水面に
設置した場合の種々の態様を示すものであり、これを説
明する。 (a)低水位期の状態を示すものである。 (b)高水位期の状態を示すものである。 (c)発泡性浮板5の体積または重鎮13の荷重を調整
して水中設置した状態を示すものである。 (d)魚類産卵用の網状立体漁礁11と、微生物の棲息
を容易にする微生物棲息ネット12を植栽浮体マット1
に取り付けた状態の仕様を示すものである。
【0025】図7は本発明の植栽浮体マット1をダム湖
等の法面の裸地に設置した場合の態様を示すものであ
り、これを説明する。尚、符号15は法面設置用アンカ
ー杭である。 (a)低水位期の状態を示すものであり、連繋した植物
浮体マット1は法面に沿って敷設状態にあり、該植物浮
体マットに繁茂した植物によって法面が覆われる。 (b)高水位期の状態を示すものであり、植物浮体マッ
ト1に繁茂した植物は根止めシート14によって法面へ
の着根を阻止されているから発泡性浮板5の浮力によっ
て水面方向へ浮遊するようになる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように本発明になる植栽浮体
マットは、浮体構造の平板に植物の繁茂を可能ならしめ
たことにより、また必要に応じて該浮体構造の下面から
繁茂した植物の根が伸長しない構造としたことにより、
ダム湖等の法面から水面に亙って複数個を面方向に連繋
した構造物を設置した場合、水面の昇降に応じて該法面
を覆った植栽浮体マットが水面側または法面側に自在に
設置して植物が繁茂した湖岸の景観を保持するようにな
る特徴を有する。
【0027】また、該植栽浮体マットは、該マット上に
繁茂した植物によって水中の栄養塩類の吸収が促進さ
れ、水質の改善効果が促進されるだけでなく、魚類産卵
用の網状立体漁礁や微生物の棲息を容易にする微生物棲
息ネットを該植栽浮体マットに取り付けて設置すること
ができるため、魚介類や水生昆虫等の棲息場所を確保す
ると共に、水質改善効果と併せて自然環境の向上を図る
ことができる等の優れた特徴を有するものであり、本発
明実施後の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植栽浮体マットの一実施例を示す
一部切欠した斜視図である。
【図2】同縦断面図である。
【図3】同発泡性浮板の斜視図である。
【図4】同連繋構造を示す拡大斜視図である。
【図5】連繋構造の他の実施例を示す要部斜視図であ
る。
【図6】本発明の植栽浮体マットを水面に設置した場合
の種々の態様を示す説明図である。
【図7】本発明の植栽浮体マットをダム湖等の法面の裸
地に設置した場合の態様を示す説明図である。
【符号の説明】
1 植栽浮体マット 2 立体網状マット骨体 3 植栽用土 4 植栽用土流出防止シート 5 発泡性浮板 6 合成樹脂繊維被覆シート 7 連繋構造 8 連繋構造 9 アンカー 11 網状立体漁礁 12 微生物棲息ネット 13 重鎮 14 根止めシート 15 法面設置用アンカー杭

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂により充分な内部空隙を有する
    ように適宜厚さに成形し、面方向に一定の広さをもった
    立体網状マット骨体と、 通気及び通水性を有すると共に植物の根及び茎の生育を
    妨げない不織布または織布或は編布等からなり、前記立
    体網状マット骨体の全周面を囲繞してなる植栽用土流出
    防止シートと、 植物の根張りを可能にする合成樹脂発泡体の板材からな
    り、前記植栽用土流出防止シートを囲繞した立体網状マ
    ット骨体の下面に並設した発泡性浮板と、 合成樹脂繊維を網状または布帛状に編成または織成たシ
    ート材からなり、前記浮板と植栽用土流出防止シートを
    囲繞した立体網状マット骨体を囲繞一体化してなる合成
    樹脂繊維被覆シートとからなり、 前記立体網状マット骨体の内腔間隙に植栽用土を充填し
    た構造になることを特徴とする植栽浮体マット。
  2. 【請求項2】 前記植栽用土流出防止シートの下面と発
    泡性浮板間に植物の根の通過を阻止する根止めシートを
    介在したことを特徴とする請求項1記載の植栽浮体マッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記植栽浮体マットの側面に合成樹脂繊
    維を梯子状に編成した連繋構造を縫着したことを特徴と
    する請求項1または2記載の植栽浮体マット。
  4. 【請求項4】 前記植栽浮体マットの底面に縫着した合
    成樹脂繊維を梯子状または帯状に編成してなる連繋構造
    に対して、着脱自在になる重鎮を設け、浮遊時の吃水高
    を調節可能にしたことを特徴とする請求項1または2記
    載の植栽浮体マット。
  5. 【請求項5】 前記植栽浮体マットの底面に縫着した合
    成樹脂繊維を梯子状または帯状に編成してなる連繋構造
    に対して、合成樹脂により充分な内部空隙を有するよう
    に適宜厚さに成形した網状立体漁礁及び/または合成樹
    脂繊維を編成または織成した微生物棲息ネットを着脱自
    在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の植栽浮
    体マット。
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