JPH081000B2 - 塗装ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

塗装ステンレス鋼板の製造方法

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JPH081000B2
JPH081000B2 JP15070986A JP15070986A JPH081000B2 JP H081000 B2 JPH081000 B2 JP H081000B2 JP 15070986 A JP15070986 A JP 15070986A JP 15070986 A JP15070986 A JP 15070986A JP H081000 B2 JPH081000 B2 JP H081000B2
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昇 木下
正明 石川
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川崎製鉄株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗装ステンレス鋼板の製造方法に関し、さ
らに詳しくは研磨仕上したステンレス鋼板の表面性状を
改善し、焼付塗装時にテンパーカラー(可視的酸化)が
発生するのを回避することにより、塗装後の塗膜損傷を
きたしても高耐食性を維持することができる塗装ステン
レス鋼板の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
#180ヘアライン、No.4、#320研磨などの番手で仕上
られたステンレス鋼板研磨仕上板は近代的感覚および清
潔感を与え、意匠性にも寄与することから建材、業務用
厨房器、業務用冷蔵庫の扉等に広く使われている。
しかしながら、これらの研磨仕上面には研磨で生じた
細い溝があるため、たとえば手で触ったときに付着する
汚れなどが除去し難く、このため却って清潔感を損うと
いう不利な側面を有している。そこでこの汚れ易い、あ
るいは汚れが除去し難い欠点を回避するため、研磨面に
無色透明に近い焼付塗装を施して用いられる例が多い。
このような塗装に用いられる塗料の一般的なものは顔
料を添加していないアクリル系樹脂、フッ素樹脂などで
ある。このような樹脂が塗装され、実用に耐える塗膜と
されるためには一般には180℃以上での硬化処理、すな
わち焼付を行うことになる。
さて、本発明者らは、研磨のままの状態では耐食的で
あったSUS430冷延焼鈍鋼板が、アクリル系塗料を焼付塗
装した後では、その塗膜の損傷部において塗装前に比べ
耐食性が低下するという現象を知見した。
例えば、0.7mm厚のSUS430冷延焼鈍鋼板をSiCを研磨剤
にしたベルトで研削油を注油しながら#180ヘアライン
の番手に研磨し、アルカリ洗浄、温水洗浄処理した面に
ついて、JIS Z2371に準じて35℃で16時間の塩水噴霧を
施した。この面はこの試験により全く発錆しなかった。
しかしながら、この仕上面を有する鋼板にアルカリ系透
明樹脂を塗布し、230℃で焼付、硬化させ、約15μm厚
の塗膜を形成させた後、塗膜面にSUS430の鋼板小板の角
で傷を付け、上述の塩水噴霧を施すと傷部に発錆を生
じ、著しい個所では鋼板と塗膜の界面に沿って腐食が進
行することを認めた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、この原因を追求した結果、この研磨仕
上面が230℃で塗料の焼付・硬化処理を受けたときに、
テンパーカラー(可視的酸化)を生じ、極く淡い黄色を
呈する程度の酸化を受けたことによって耐錆性低下を惹
起したとの結論を得た。
本発明はこの知見に基づき、研磨仕上面が塗料の焼付
・硬化処理を施す温度域に加熱されてもテンパーカラー
を生じないような不活性な状態にする方法を提起すると
同時に、このように表面が不活性な状態にあるように処
理した研磨仕上ステンレス鋼板に塗装をする技術を提供
するものである。
以下に発明に至った経緯を説明する。
SUS430の0.7mm厚の冷延焼鈍鋼板を上述の公知の方法
で#180ヘアライン研磨面に仕上げ、脱脂、洗浄した50m
m×100mmの鋼板を無塗装状態で160℃から280℃までの20
℃間隔の7温度に大気中で加熱した試片を製造した。一
方これらの7温度で15μm厚にアクリル樹脂を焼付・硬
化させた別の試片を準備した。アクリル樹脂を塗装した
試片には対角線に沿ってSUS430鋼板の角で塗膜を傷つけ
た。以上の両方の試片(14枚)にJIS Z2371に準じて35
℃で16時間塩水噴霧を施した。
これらの試片の発錆状況を第1表に示した。
SUS430 #180ヘアライン仕上の鋼板では180℃に大気
中で加熱されると耐錆性が低下し始め、220℃以上に加
熱されるとその低下はいっそう著しくなり、一方180℃
以上での焼付・硬化を受けた試料では塗膜損傷部近傍で
の発錆が起こることが明らかとなった。
他方、2B仕上と呼ばれている焼鈍・酸洗仕上後にスキ
ンパス圧延を施した面では280℃までの大気下加熱によ
っても発錆性は殆ど発現せず、また280℃までの焼付温
度で塗装した面の塗膜損傷部およびその近傍においても
耐錆性の低下はほとんど認められなかった。このことは
研磨仕上面にテンパーカラーを生じさせ、生成した酸化
被膜を除去した面では、塗料焼付処理に関わる温度域に
加熱を受けても耐錆性の低下を来たさず、ひいては塗装
鋼板の塗膜損傷部においても耐錆性低下を防止できるこ
とを示唆するものと考えた。
さて、ステンレス鋼板の耐食性を向上させる方法とし
て、光輝焼鈍鋼板を硝酸電解するのが有効であること
が、たとえば特公昭59-6398、特公昭60-218498に開示さ
れている。しかしながら光輝焼鈍鋼板にはテンパーカラ
ーは生じておらず、従って電解条件は低電流密度であ
り、硝酸水溶液の濃度も低いのが適している。
一方、冷間圧延による加工歪を除去する焼鈍を炭化水
素系燃料の燃焼雰囲気中で施された鋼板の脱スケール
は、たとえばステンレス鋼便覧(昭和48年8月30日初版
発行、日刊工業新聞)P842、表9・1および表9・2に
いくつかの例が示されている。特に脱スケールを短時間
に完了させる必要がある鋼帯の処理では、焼鈍温度が約
800℃以上の高温であることにより比較的厚い酸化被膜
を除去することの必要性から、強い処理条件が採用され
ている。
本発明は以上の試験および知見に基づいて完成された
ものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、研磨仕上面を160℃以上550℃以下の大気雰
囲気下で加熱して研磨仕上面にテンパーカラー(可視的
酸化)を生ぜしめた後、7〜15重量%、40℃〜60℃の硝
酸中で電流密度5〜20A/dM2、電解時間1〜12秒の電解
酸洗を施して該テンパーカラーを除去し、水洗、乾燥し
た後、有機樹脂塗料を焼付塗装することを要旨とする塗
装ステンレス鋼板の製造方法である。
なお、上記テンパーカラーの除去を一層容易にするた
めに、上記電解酸洗工程の前段に苛性ソーダおよび硝酸
ソーダからなる混合溶融塩中に浸漬する工程を加えると
好適である。
〔作用〕 研磨仕上した面を160℃以上550℃以下の大気雰囲気中
下で加熱してテンパーカラー(可視的酸化)を一旦生ぜ
しめ、そのテンパーカラーを除去して表面を不活性化す
ると、塗装の焼付・硬化に際してテンパーカラー(可視
的酸化)を生じさせないことに有効である。この条件
は、加熱雰囲気および加熱温度において従来公知の処理
方法とは異なるものとなっている。
また、脱テンパーカラーすなわち可視的酸化被膜を除
去するための硝酸電解酸洗条件は、光輝焼鈍鋼帯の硝酸
電解条件よりは硝酸濃度および電解電流値において高
く、他方、通常の焼鈍後に施される脱スケールの場合に
比べると、たとえば上述のステンレス鋼便覧、842頁表
9・1に示されている硝酸電解酸洗の条件より低電流密
度である。
次に本発明の限定理由について述べる。
(1) 研磨仕上を施した鋼板(および鋼帯)の大気雰
囲気下における加熱温度の下限を160℃としたのは、こ
の温度以下では研磨面にテンパーカラーを生じないし、
また塗装・焼付温度を180℃未満とした場合には塗膜の
物性が所要の能力を発揮しないから、そのような温度で
の塗膜の焼付が行われないからである。
他方、加熱温度の上限を550℃としたのはこの温度以
上まで加熱すると研磨面に生成するテンパーカラーの被
膜が厚くなり、これを硝酸電解除去した面が白濁し、金
属光沢が減少すると同時に、これ以上の温度でテンパー
カラーを発生させても、耐食性向上の効果が増加しない
からである。
(2) 硝酸電解酸洗によりテンパーカラーを除去する
条件として硝酸濃度を7〜15重量%、液温40℃〜60℃、
電流密度を5〜20A/dM2、電解時間1〜12秒と限定した
のは、各下限未満ではテンパーカラーの除去が不十分と
なり、各上限を超えると光沢面が白っぽくなり経済的に
も不利になるからである。
(3) また有機塗料を焼付塗装する際の焼付・硬化温
度の下限を180℃としたのはアクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂あるいはフッ素系樹脂をベースとする焼付塗
料にあっては、この温度未満で焼付た塗膜は所要の性能
を発揮しない場合が多いことによる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例について述べる。
実施例1 SUS430の0.6mm厚の冷延焼鈍鋼板を公知の方法で#180
砥粒番手のヘアライン研磨を施し、アルカリ脱脂、水
洗、乾燥した鋼帯を商用の連続焼鈍酸洗設備の焼鈍炉の
バーナーを消火し、480℃まで炉温を下げた状態にし
て、同炉内に2.6分滞炉させ、生じたテンパーカラーを4
20℃の苛性ソーダ、硝酸ソーダ混合溶融塩に約0.6分浸
漬後、14重量%、45℃の硝酸水溶液中で10A/dM2の電流
密度で6秒電解し、水洗・乾燥した。
この鋼帯から採取した100mm×150mmの試片の#180ヘ
アライン研磨面にJIS Z2371に準じて35℃以下、16時間
の塩水噴霧を施した。また同寸法の試片2枚を1枚はエ
アバス中で240℃に加熱し、他の1枚はアクリル樹脂塗
料を研磨面に塗装し、240℃で焼付けした。他方、#180
ヘアライン研磨を施し、脱脂、洗浄した鋼板についても
同様に加熱および塗装焼付を行った。
これら4種類の試片についてJIS Z2371に準じて、35
℃で16時間塩水噴霧を施した。塗装した試片では対角線
に沿って塗膜に傷を付け、鋼を露出させて試験した。
その結果、本発明によって準備した試片はいずれも全
く発錆を見なかったが、従来の方法で準備した試片はい
ずれも発錆した。
実施例2 実施例1で用いたヘアライン研磨鋼帯を250℃の炉内
に2.6分滞炉させ、生じたテンパーカラーを8重量%、5
0℃で硝酸水溶液中で6A/dM2の電流密度で6秒電解し、
テンパーカラーを除去した後、水洗、乾燥した。この鋼
帯から採取した鋼板の研磨面に塗装を施し、257℃で焼
付した。この鋼板から採取した100mm×150mmの試片を実
施例1と同様に塩水噴霧した。16時間噴霧、8時間試験
槽内で保持するサイクルを3サイクル繰返したが全く発
錆しなかった。
実施例3 SUS430の0.7mm厚の冷延焼鈍鋼板を公知の方法でNo.4
研磨面に仕上げた鋼帯を実施例2に準じて処理し、エポ
キシ系クリヤ塗料を約15μm厚に塗装焼付した。
この塗装板を実施例2の塩水噴霧試験条件に準じて耐
錆性を試験した。試験損傷部およびその近傍も全く発錆
しなかった。
〔発明の効果〕
実施例に示したように本発明になる塗装鋼板は、最終
成品への加工工程および使用時に損傷を受けても耐錆性
を維持し、特に鋼板端面での塗膜、鋼の界面からの発錆
に対しても著しく高い耐錆性を有するものである。
特に透明樹脂塗装を受けた鋼板では、その用途上から
も美観、清潔感を重視されるものであることから、本発
明は非常に有意義である。
なお、実施例においては透明樹脂塗料による塗布、焼
付した鋼板のみを開示しているが、顔料を添加した塗料
による塗装鋼板についても本発明によって同様の効果を
発揮することは論を持たない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】研磨仕上面に有機樹脂の焼付塗膜を有する
    ステンレス鋼板の製造工程において、研磨および洗浄さ
    れた鋼板を160℃〜550℃の大気雰囲気中で加熱してテン
    パーカラーを生ぜしめた後、7〜15重量%、40℃〜60℃
    の硝酸中で電流密度5〜20A/dM2、電解時間1〜12秒の
    電解酸洗を施して該テンパーカラーを除去、水洗、乾燥
    の後、有機樹脂を焼付塗装することを特徴とする塗装ス
    テンレス鋼板の製造方法。
JP15070986A 1986-06-27 1986-06-27 塗装ステンレス鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JPH081000B2 (ja)

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