JPH08100081A - 加硫性ゴム組成物 - Google Patents

加硫性ゴム組成物

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JPH08100081A
JPH08100081A JP26105994A JP26105994A JPH08100081A JP H08100081 A JPH08100081 A JP H08100081A JP 26105994 A JP26105994 A JP 26105994A JP 26105994 A JP26105994 A JP 26105994A JP H08100081 A JPH08100081 A JP H08100081A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型離型性に優れ混練温度などの製造条件に
よって強度特性が左右されず、安定的に高強度特性を発
現する加硫性ゴム組成物を提供すること。 【構成】 エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共
重合ゴム100重量部に対して、(a)亜鉛化合物10
〜60重量部、(b)α,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸20〜60重量部、(c)周期表2A族金属の化合
物0.5〜20重量部、(d)キノン系化合物0.5〜
8重量部、(e)有機過酸化物0.2〜10重量部を配
合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム成分としてエチレ
ン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムを含有す
る加硫性ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、加硫成型
時の金型離型性が改良され、製造条件に左右されず安定
的に高強度特性を発現する加硫性ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムにジメタクリル酸亜鉛または塩基性
メタクリル酸亜鉛を混合して、有機過酸化物で加硫する
ことにより、諸物性の改善された加硫ゴムの得られるこ
とは、従来より良く知られている。これらのメタクリル
酸の亜鉛塩は、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛等の亜
鉛化合物とメタクリル酸とを反応させることにより得る
ことができる。メタクリル酸の亜鉛塩は、予め調製した
ものをゴムに混合してもよいが、該亜鉛塩粉末の混合機
やロール面等への粘着が著しいため、均一なゴム組成物
を得ることが困難である。他の混合法として、メタクリ
ル酸と亜鉛化合物とをゴムに添加し、ゴム中で反応させ
てメタクリル酸の亜鉛塩を調製する方法がある。この方
法によれば、メタクリル酸の亜鉛塩粉末の粘着性の問題
が軽減され、均一なゴム組成物を容易に得ることができ
る。
【0003】例えば、特開平1−306441号には、
エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム
に、メタクリル酸、亜鉛化合物、及び有機過酸化物を混
合した加硫性ゴム組成物が、高い引張強さを発現するこ
とが開示されている。特開平1−306443号には、
重合体鎖中の共役ジエン単位の含有量が30重量%以下
であるエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系高飽和
ゴムに、メタクリル酸、亜鉛化合物、及び有機過酸化物
を混合した加硫性ゴム組成物が、従来のゴムに比べ極め
て高い引張強さを発現することが開示されている。
【0004】ところが、本発明者らの研究結果によれ
ば、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴ
ムに、メタクリル酸、亜鉛化合物、及び有機過酸化物を
混合した加硫性ゴム組成物は、引張強さなどの強度特性
が混練温度などの製造条件によって変動するという問題
のあることが分かった。
【0005】一方、ゴルフボールのコア用ゴムの共架橋
剤として、メタクリル酸の亜鉛塩が用いられている。メ
タクリル酸の亜鉛塩には、亜鉛化合物1モルに対して2
モルのメタクリル酸が反応したジメタクリル酸亜鉛(以
下、正塩という)と、亜鉛化合物1モルに対して1モル
のメタクリル酸が反応した塩基性メタクリル酸亜鉛(以
下、塩基性塩という)の2種類がある。ゴム中で亜鉛化
合物とメタクリル酸を反応させる(以下、直接混合法と
いう)と、通常、正塩と塩基性塩とが混在して生成す
る。しかしながら、高反発性を要求されるゴルフボール
の用途には、正塩が適している。そのため、直接混合法
では、正塩を効率よく生成させる各種の方法が提案され
ている。
【0006】例えば、特開昭57−37459号には、
ポリブタジエンゴムに少量の天然ゴムまたはポリイソプ
レンゴムを混合したゴム中で、メタクリル酸と酸化亜鉛
とを反応させる時に、酸化カルシウムや活性酸化アルミ
ニウムなどの脱水剤を添加して、反応水を吸着脱水する
方法が開示されており、この方法によれば、高反発性を
有し、ゴルフボールに適した加硫ゴムを得ることができ
る。
【0007】特開昭58−19344号には、ポリブタ
ジエンゴム中で、メタクリル酸と酸化亜鉛を反応させる
時に、水酸化カルシウムを存在させて、塩基性メタクリ
ル酸亜鉛の生成を抑制すると、高反発性を有するゴムの
得られることが開示されている。
【0008】特開昭58−87140号には、ポリブタ
ジエンゴム中で、メタクリル酸と、酸化亜鉛の代わりに
亜鉛粉末とを60〜130℃で混練すると、ジメタクリ
ル酸亜鉛のみが生成することが開示されている。
【0009】特開昭58−101131号には、ポリブ
タジエンゴム中で、メタクリル酸と酸化亜鉛を反応させ
る時に、メタクリル酸のカルシウム塩を存在させること
によって、ジメタクリル酸亜鉛を生成させ、それにより
高反発性を有する加硫ゴムの得られることが開示されて
いる。
【0010】しかし、これらの先行技術は、いずれもゴ
ルフボールに関するものであり、対象としているゴムも
ポリブタジエンゴムが主体である。これらの先行技術文
献に開示されている方法は、ゴルフボールに高い反発係
数を与えるためのものであって、高強度性に関する認
識、及びエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合ゴムに関する認識はない。
【0011】本発明者等は、製造条件によって強度特性
が左右されず、安定的に高強度特性を発現する加硫性ゴ
ム組成物を開発し、既にこれを出願した(特願平5−9
7158号)。しかし、かかるゴム組成物は加硫成型時
の金型離型性の点でさらに改良する必要があった。
【0012】金型離型性を良好にする手法としては、た
とえばステアリン酸などの高級脂肪酸を配合することが
知られているが(特開平4−298546号公報)、成
型品の機械的強度が低下するなどの問題点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加硫
成型時の金型離型性が改良され、混練温度などの製造条
件によって強度特性が左右されず、安定的に高強度特性
を発現する加硫性ゴム組成物を提供することにある。
【0014】本発明者らは、鋭意検討した結果、エチレ
ン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム中に均一
分散した亜鉛化合物とα,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸を混練機中で反応させる時に、該組成物中に酸化カ
ルシウム及び/または水酸化カルシウムを添加し、さら
に、特定のゴム用配合薬品を添加することにより、金型
離型性に優れ、混練温度などの製造条件に左右されず、
安定的に強度特性に優れた加硫性ゴム組成物の得られる
ことを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴ
ムに対して、(a)亜鉛化合物、(b)α,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸、(c)周期表2A族金属の化合
物、(d)キノン系化合物、チラウム系化合物、チアゾ
ール系化合物及びニトロソアミン系化合物からなる群よ
り選択される少くとも1種の化合物、(e)有機過酸化
物を配合してなることを特徴とする加硫性ゴム組成物が
提供される。
【0016】以下、本発明について詳述する。本発明で
使用するエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合ゴムとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、α−クロロアクリロニトリルなどのエチレン性不飽
和ニトリルと、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,
3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジ
エンなどの共役ジエンとの共重合ゴム;これらの共重合
ゴムの共役ジエン単位を水素化した水素化共重合ゴム;
エチレン性不飽和ニトリル及び共役ジエンの2種の単量
体、及びこれと共重合可能な単量体、例えば、ビニル芳
香族化合物、エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエス
テル、エチレン性不飽和カルボン酸アルコキシアルキル
エステル、エチレン性不飽和カルボン酸フルオロアルキ
ルエステル、(メタ)アクリル酸シアノ置換アルキルエ
ステルなどの少なくとも1種との多元共重合ゴム;これ
ら多元共重合ゴムの共役ジエン単位を水素化した水素化
共重合ゴム;等を挙げることができる。
【0017】具体例としては、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合ゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−イソプレン共重合ゴム(NBIR)、アクリロ
ニトリル−イソプレン共重合ゴム(NIR)、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−アクリレート共重合ゴム、アク
リロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合ゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエン−アクリレート−メタクリ
ル酸共重合ゴムおよびアクリロニトリル−ブタジエン共
重合ゴムの水素化物(HNBR)などの前記各共重合ゴ
ムを水素化した共重合ゴムなどが挙げられる。これらの
共重合ゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組
み合わせて使用することができる。
【0018】これらの共重合ゴムは、重合体鎖中にエチ
レン性不飽和ニトリル単位を通常10〜60重量%、好
ましくは20〜50重量%の割合で含有している。エチ
レン性不飽和ニトリル単位の含有量が10重量%未満で
は耐油性が十分ではなく、逆に、60重量%を越えると
弾性が低下するので好ましくない。
【0019】なかでも、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴムを水素化した高飽和型ゴムが好ましく、その
場合、結合アクリロニトリル量は10〜60重量%、ヨ
ウ素価80以下、ムーニー粘度50〜150である。
【0020】亜鉛化合物としては、例えば、酸化亜鉛、
炭酸亜鉛、水酸化亜鉛等を挙げることができる。
【0021】α,β−エチレン系不飽和カルボン酸とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、3−ブ
テン酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;マレイン
酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメ
チルなどの不飽和ジカルボン酸のモノエステル;前記以
外の不飽和多価カルボン酸;少なくとも一価のフリーの
カルボキシル基を残した不飽和多価カルボン酸のエステ
ル等を挙げることができる。これらの中でも、物性及び
入手の容易さ等の観点から、特にメタクリル酸が好まし
い。
【0022】α,β−エチレン系不飽和カルボン酸の亜
鉛塩は、亜鉛化合物とα,β−エチレン系不飽和カルボ
ン酸とをエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合ゴムに添加し、該共重合ゴム中でin situで反
応させることにより生成させる。この場合、亜鉛化合物
として、予め粒径20μm以上の粗大粒子を分級により
除去しておき、粗大粒子の含有率を5重量%以下とした
ものを使用することが、加硫ゴムの引張強さなどの強度
特性を改善する上で好ましい。
【0023】亜鉛化合物の配合割合は、エチレン性不飽
和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム100重量部に対
して、10〜60重量部である。また、α,β−エチレ
ン系不飽和カルボン酸の配合割合は、エチレン性不飽和
ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム100重量部に対し
て、20〜60重量部である。α,β−エチレン系不飽
和カルボン酸の分子量と亜鉛化合物の式量とを基準にし
て算出したα,β−エチレン系不飽和カルボン酸と亜鉛
化合物とのモル比は、通常、1:0.5〜1:3.2、
好ましくは1:0.5〜1:2.5の範囲である。
【0024】本発明において、周期表2A族金属の化合
物を配合することにより、引張応力が顕著に向上した加
硫ゴムを提供することができる加硫性ゴム組成物を得る
ことができる。また、周期表2A族金属の化合物を配合
することにより、混練温度等の製造条件によって強度特
性が変動することなく、安定適に高強度の加硫ゴムを提
供することができる加硫性ゴム組成物を得ることができ
る。
【0025】本発明で使用する周期表2A族金属の化合
物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、バリウム等の周期表2A族金属の酸化
物、水酸化物、過酸化物、炭酸塩、炭酸酸化物、炭酸水
酸化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ホスフ
イン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素化物お
よびアンモニウム塩等を挙げることができる。
【0026】上記化合物の具体例としては、ベリリウム
化合物としては、酸化ベリリウム、炭酸酸化ベリリウ
ム、硝酸ベリリウム等;マグネシウム化合物としては、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、過酸化マグネ
シウム、炭酸マグネシウム、炭酸水酸化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウ
ム、シュウ酸マグネシウム、ホスフイン酸マグネシウ
ム、ホスホン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リ
ン酸水素化マグネシウム、リン酸アンモニウムマグネシ
ウム等;カルシウム化合物としては、酸化カルシウム、
水酸化カルシウム、過酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウ
ム、シュウ酸カルシウム、ホスホン酸カルシウム、リン
酸カルシウム等;ストロンチウム化合物としては、酸化
ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、過酸化ストロ
ンチウム、炭酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、
硝酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、シュウ酸ス
トロンチウム塩、リン酸ストロンチウム等;バリウム化
合物としては、酸化バリウム、水酸化バリウム、過酸化
バリウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウ
ム、酢酸バリウム、シュウ酸バリウム、ホスフイン酸バ
リウム、ホスホン酸バリウム、リン酸バリウム等を挙げ
ることができる。これらの2種以上の混合物を挙げるこ
とができる。
【0027】これらの金属化合物の中でも、マグネシウ
ム及びアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物が好適で
ある。なかでも、とくに酸化マグネシウム及び水酸化マ
グネシウムを使用すると、引張応力が顕著に向上した加
硫ゴムを得ることができる。酸化カルシウム及び水酸化
カルシウムを使用すると、引張強さなどの強度特性が、
混練などの製造条件によって変動することがなく、安定
して高強度の加硫ゴムを得ることができる。したがっ
て、加硫ゴムの使用目的や所望の物性等に応じて、これ
らの金属化合物を選択し、あるいは2種以上を組み合わ
せて使用することが好ましい。
【0028】周期表2A族金属の化合物は、エチレン性
不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム100重量部
に対して、通常、0.5〜30重量部、好ましくは0.
5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部であ
る。この配合割合が小さ過ぎると、引張応力改善効果が
少なく、逆に、大き過ぎると、強度特性が低下する傾向
を示すため、いずれも好ましくない。また、酸化カルシ
ウム及び水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物
を使用する場合には、2重量部以上配合することが、安
定的に高強度の加硫ゴムを得るうえで好ましい。
【0029】本発明の加硫性ゴム組成物は、ゴム用配合
薬品として知られているものの中、特定の化合物を配合
することによって、加硫成形時の金型離型性が飛躍的に
改良される。使用する化合物としては、キノン系化合
物、チラウム系化合物、チアゾール系化合物、及びニト
ロソアミン系化合物である。これらはそれぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。化合物の具体例は以下のとおりである。
【0030】キノン系化合物としては、p−ベンゾキノ
ンの2,3,5,6位の水素原子がそれぞれ独立にハロ
ゲン、フェニル基またはアルキル基で置換されたものを
挙げることができる。具体例としては、p−ベンゾキノ
ン;2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−
ジクロロ−p−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−p−
ベンゾキノン、2,5−ジフルオロ−p−ベンゾキノ
ン、2,3,5,6−テトラフェニル−p−ベンゾキノ
ン、2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾキノ
ン、2,3,5,6−テトラブロモ−p−ベンゾキノ
ン、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−ベンゾキノ
ン;メチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−p
−ベンゾキノン、2,5−ジブチル−p−ベンゾキノン
等である。
【0031】チラウム系化合物としては、分子内に炭素
数1〜5のアルキル基を有する化合物を挙げることがで
きる。具体例としては、テトラメチルチラウムジスルフ
ィド、テトラエチルチラウムジスルフィド、テトラブチ
ルチラウムジスルフィド等が挙げられる。
【0032】チアゾール系化合物としては、例えば、
2,2′−ジチオビス(ベンゾチアゾール)、2−メル
カプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロ
ヘキシルアミン塩、2−(2′,4′−ジニトロフェニ
ルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチ
オカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−
モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
【0033】ニトロソアミン系化合物としては、例え
ば、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソジメ
チルアミン等が挙げられる。
【0034】これらの化合物は、1種または2種以上を
使用し、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合ゴム100重量部に対して、通常0.05〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部の割合で使用され、適
宜最適量を選択することができる。
【0035】本発明で使用する有機過酸化物としては、
例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0036】これらの有機過酸化物は、1種または2種
以上を使用し、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン
系共重合ゴム100重量部に対して、通常0.2〜10
重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用さ
れ、要求される物性値に応じて、適宜最適量を選択する
ことができる。
【0037】各成分を配合するには、通常、エチレン性
不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム、亜鉛化合
物、α,β−エチレン系不飽和カルボン酸、周期表2A
族金属化合物及びキノン系化合物等を、ロール、バンバ
リー、ニーダー、二軸押出機等により混練し、次いで、
有機過酸化物が分解しない温度で、有機過酸化物を添加
し混練する。得られた加硫ゴム組成物は、所望の形状に
成形してから加熱して加硫する。亜鉛化合物とα,β−
エチレン系不飽和カルボン酸とは、加硫性ゴム組成物を
調製する段階で反応して、α,β−エチレン系不飽和カ
ルボン酸の亜鉛塩を形成するものと考えられる。
【0038】本発明の加硫性ゴム組成物には、所望によ
り、カーボンブラック、シリカ等の補強剤、炭酸カルシ
ウム、タルクなどの充填剤、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、m−フ
ェニレンビスマレイミドなどの架橋助剤、可塑剤、安定
剤、加硫助剤、着色剤等の通常ゴム工業で使用されてい
る各種添加剤を配合することができる。
【0039】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例
及び比較例中の部および%は、特に断りのない限り重量
基準である。
【0040】実施例1〜21、比較例1〜14 有機過酸化物を除く表1〜表3に記載の配合処方のゴム
組成物をニーダーにより調製した。これに、有機過酸化
物が分解しない温度で、表1〜表3に記載の有機過酸化
物を添加し、さらに、キノン系化合物等を加えて加硫性
ゴム組成物を調製した。次いで、得られた加硫性ゴム組
成物を170℃、20分間の加硫条件でプレス加硫し、
1mm厚みの加硫シートを得た。このシートを用いて、
引張強さ(TB )、伸び(EB )、100%モデュラス
(M100 )などの加硫物性(JIS K−6301)を
測定し、さらに金型離型性を評価した。その結果を表1
〜表3に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】なお、金型離型性の評価方法は以下のとお
りである。未加硫ゴム組成物から縦約150mm、横約
80mm、厚み約2mmの試験片を作成する。これを1
50×80×2mmシート用金型に挟む。180℃にお
いて100kg/cm3 の圧力で10分間プレス加硫
後、加硫ゴムを引張り、その最高剥離力を読み取る。こ
の操作を5回行い、平均値を剥離強度とする。また5回
繰り返し後の金型表面の汚れ(付着ゴム、ゴム配合剤に
よる金型汚染状況)を目視により判定する。 ◎ : 汚れがない ○ : 汚れがほとんどない △ : 汚れがある × : 汚れがひどい
【0045】また、表1〜3中のポリマー等は以下のと
おりである。 HNBR:水素化NBR;日本ゼオン社製Zetpo
l 2020 結合アクリロニトリル量36%、水素化
率90%、ヨウ素価28 MAA:三菱レーヨン社製メタクリル酸 ZnO:正同化学社製 1号亜鉛華(粒径20μm以
上の粗粒子の含有量を5重量%以下に低減させた分級
品) 過酸化物:日本油脂社製ペロキシモンF−40;α,
α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン(40%品)
【0046】表1〜3から、本発明のゴム組成物は、キ
ノン系化合物等の各種添加剤を配合することによって、
金型離型性が大幅に改良されることがわかる。すなわ
ち、カルシウム化合物およびキノン系化合物等を配合し
た場合(実施例1〜13)は、広い範囲の組成に亘り、
高強度の加硫ゴムが得られ、かつ、剥離強度の低下が大
きく、また、金型汚れ性が良好である。同様にマグネシ
ウム化合物とキノン系化合物等を配合した場合(実施例
14〜21)は、広い範囲の組成で、とくに高応力の加
硫ゴムが得られ、かつ、剥離強度の低下が大きく、ま
た、金型汚れ性が良好である。
【0047】これに対して、ステアリン酸ナトリウムな
どの高級脂肪酸金属塩やシリコーン等の従来使用されて
いる離型剤を配合した場合(比較例1〜4、7、8)
は、剥離強度を低下させることはできても、金型汚れ性
が改良されない。また、離型剤を使用しない場合(比較
例5〜7)は、剥離強度が極めて大きく、金型汚れ性が
不良であることが分かる。
【0048】なお、本発明の具体的な態様は以下のとお
りである。(請求項1)エチレン性不飽和ニトリル−共
役ジエン系共重合ゴムに対して、(a)亜鉛化合物、
(b)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、(c)周
期表2A族金属の化合物、(d)キノン系化合物、チラ
ウム系化合物、チアゾール系化合物、及びニトロソアミ
ン系化合物からなる群より選択される少くとも1種の化
合物、(e)有機過酸化物を配合してなることを特徴と
する加硫性ゴム組成物。 (1)エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合
ゴム100重量部に対して、(a)亜鉛化合物5〜80
重量部、(b)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸5
〜100重量部、(c)周期表2A族金属の化合物0.
5〜30重量部、(d)キノン系化合物、チラウム系化
合物、チアゾール系化合物、及びニトロソアミン系化合
物からなる群より選択される少くとも1種の化合物0.
05〜5重量部、(e)有機過酸化物0.2〜10重量
部を配合してなる請求項1の加硫性ゴム組成物。 (2)エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合
ゴム100重量部に対して、(a)亜鉛化合物10〜6
0重量部、(b)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
20〜60重量部、(c)周期表2A族金属の化合物
0.5〜20重量部、(d)キノン系化合物、チラウム
系化合物、チアゾール系化合物、及びニトロソアミン系
化合物からなる群より選択される少くとも1種の化合物
0.1〜3重量部、(e)有機過酸化物0.2〜10重
量部を配合してなる請求項1の加硫性ゴム組成物。 (3)周期表2A族金属の化合物が、周期表2A族金属
の酸化物、水酸化物、過酸化物、炭酸塩、炭酸酸化物、
炭酸水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、
ホスフイン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素
化物またはアンモニウム塩である請求項1の加硫性ゴム
組成物。 (4)周期表2A族金属の化合物が、酸化マグネシウム
及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なく
とも1種のマグネシウム化合物である請求項1の加硫性
ゴム組成物。 (5)周期表2A族金属の化合物が、酸化カルシウム及
び水酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも
1種のカルシウム化合物である請求項1の加硫性ゴム組
成物。 (6)シール用ゴム材料である請求項1の加硫性ゴム組
成物。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム材料としてエチレ
ン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴムを用い
て、金型離型性が良好で、混練温度などの製造条件によ
って強度特性が左右されず、安定的に高強度特性を発現
する加硫性ゴム組成物が提供される。本発明の加硫ゴム
組成物は、強度特性および金型離型性が要求されるパッ
キン、ガスケット、O−リング等のシール材用途に限定
されず、さらに、ロール、ベルト、ホース等に好適なゴ
ム材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/32 KDL 5/47 KDS C08L 33/18 LJJ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン
    系共重合ゴムに対して、(a)亜鉛化合物、(b)α,
    β−エチレン性不飽和カルボン酸、(c)周期表2A族
    金属の化合物、(d)キノン系化合物、チラウム系化合
    物、チアゾール系化合物、及びニトロソアミン系化合物
    からなる群より選択される少くとも1種の化合物、
    (e)有機過酸化物を配合してなることを特徴とする加
    硫性ゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020105531A (ja) * 2014-12-09 2020-07-09 アーケマ・インコーポレイテッド 大気酸素の存在下でポリマーを架橋させるための組成物および方法

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