JPH0797492A - 動力伝動用ベルト - Google Patents

動力伝動用ベルト

Info

Publication number
JPH0797492A
JPH0797492A JP24277293A JP24277293A JPH0797492A JP H0797492 A JPH0797492 A JP H0797492A JP 24277293 A JP24277293 A JP 24277293A JP 24277293 A JP24277293 A JP 24277293A JP H0797492 A JPH0797492 A JP H0797492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
olefin copolymer
rubber
copolymer rubber
chlorinated ethylene
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP24277293A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Okada
圭司 岡田
Muneyuki Matsumoto
宗之 松本
Yoshiharu Kikuchi
義治 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP24277293A priority Critical patent/JPH0797492A/ja
Publication of JPH0797492A publication Critical patent/JPH0797492A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温雰囲気下でも寿命の長い、耐久性の優れ
た動力伝動用ベルトを提供すること。 【構成】 低分子量塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムと高分子量塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムからなり、重量基準で、低分子量塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴム/高分子量塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴム=90/10〜10/9
0の割合で含有されている塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム組成物からなる動力伝動用ベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム組成物からなる動力伝動用ベルト
に関する。さらに詳しくは、屈曲疲労性、強度特性、耐
熱老化性、耐油性、耐寒性、耐退色性、耐候性に優れ、
永久伸びが小さく、成形加工性の良好な塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム組成物からなる高温雰囲気
下でのベルト走行寿命が著しく向上した動力伝動用ベル
トに関する。
【0002】
【従来の技術】近年省エネルギー化、コンパクト化の社
会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰囲
気温度は従来に比べて上昇してきている。これらにとも
ない動力伝動用ベルトの使用環境温度も高くなってき
た。従来、動力伝動用ベルトは主として天然ゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムが使用されて
きたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早期
にクラックを生じるという問題が生じた。
【0003】このようなベルトの早期破損現象に対し、
従来よりもクロロプレンゴムの耐熱性の改良が検討さ
れ、ある程度の改良が行われてきたもののクロロプレン
ゴムを使用している限り限界があり、現在の所充分な効
果を得るには至っていない。このため耐熱性に優れるク
ロロスルホン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴ
ム、フッ素ゴム等のように主鎖が高度に飽和され、又は
完全に飽和されているゴムの使用が検討されている。
【0004】しかしながら、クロロスルホン化ポリエチ
レンゴムでは耐熱性が充分ではなく、また水素化ニトリ
ルゴムでは、ポリマーの価格が非常に高く、また加工性
が悪いという問題点があった。その他、耐熱性の優れた
ポリマーとしてフッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴ
ム、ブチルゴム等があるが、何れも通常の配合処方で
は、動的疲労性、接着性、耐油性等が悪く、動力伝動用
ベルトとしての基本的機能を満足させることは困難であ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
問題点を解決し、高温雰囲気下でも寿命の長い、耐熱性
に優れた動力伝動用ベルトを提供することにある。本発
明の他の目的および利点は以下の説明から明らかになろ
う。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、低分子量塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムと高分子量塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムからなり、重量基準で、低分子
量塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム/高分子
量塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム=90/
10〜10/90の割合で含有されている塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴム組成物からなることを特
徴とする動力伝動用ベルトによって達成される。
【0007】上記発明に係わる動力伝動用ベルトの形態
としては、例えば歯付ベルト、Vリブドベルト、Vベル
ト等がある。図1に示す歯付ベルト1は、ベルト長手方
向に沿って複数の歯ゴム層2とアラミド繊維コード、ガ
ラス繊維コード等の心線3を埋設した背ゴム層4とから
なり、上記歯ゴム層2の表面にはカバー帆布5が貼着さ
れている。
【0008】また、図2に示すVリブドベルト6は、ポ
リエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を素材とす
る高強度で低伸度のコードよりなる心線3を接着ゴム層
7中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層8
を有している。この圧縮ゴム層8にはベルト長手方向に
伸びる断面略三角形の複数のリブ9とベルト背面に付着
したゴム付帆布10が設けられている。
【0009】また、図3に示すVベルト11は、心線3
を埋設した接着ゴム層7と圧縮ゴム層8とから構成さ
れ、さらにに上記接着ゴム層7、そして圧縮ゴム層8の
各表面にゴム付帆布10を積層している。
【0010】しかして、本発明の動力伝動用ベルトで
は、上記のとおり、ゴム層に塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴムが使用されており、このゴムは主鎖に
二重結合がないため耐熱性に優れ、また塩素化してある
ため耐油性も有している。
【0011】しかしながら、ゴム層が低分子量塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴムのみからなると、屈
曲疲労性、加工性に優れるものの強度特性、永久伸びが
悪くなり、一方高分子量塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴムのみからなると、強度特性、永久伸びは改
良されるものの、屈曲疲労性、加工性が悪くなる。従っ
て、本発明の目的を満足せしめるためには、低分子量成
分および高分子量成分からなり、分子量分布が二様分布
を示す塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムを含
み、低分子量成分と高分子量成分とが重量基準で、低分
子量成分/高分子量成分=90/10〜10/90の割
合で含有されていることが必要である。
【0012】すなわち、本発明においては、低分子量成
分と高分子量成分とが重量基準で、低分子量成分/高分
子量成分=90/10〜10/90の割合が両者の特徴
を活かし欠点を補い相乗作用効果として本発明の目的を
達成させることを可能としている。
【0013】
【発明の好適な実施態様】本発明に使用される塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴムの詳細は、次のとお
りである。本発明に使用される塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムの、塩素化前のエチレン・α−オレ
フィン共重合体のα−オレフィンは、炭素数3〜10の
ものが好ましい。とりわけ、プロピレン、1−ブテン、
4−メチルペンテン−1、ヘキセンが好ましい。エチレ
ンとα−オレフィンの割合が、モル基準で、エチレン/
α−オレフィン=75/25〜95/5であることが好
ましい。
【0014】エチレン・α−オレフィン共重合体は上記
の成分の他に、他の共重合可能な成分を共重合して含有
していてもよく、特にエチレン/α−オレフィン単位の
総重量100gに対し、5−ビニル−2−ノルボルネン
を最大30ミリモル共重合して含有しているのが好まし
い。エチレン・α−オレフィン共重合体は、上記各成分
をランダム重合させて得られたゴム状重合体である。
【0015】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムは上記の如きエチレン・α−オレフィン共重合体を塩
素化することにより得られる。
【0016】上記共重合体の塩素化は、例えば共重合体
を粉砕して細粒化し、この細粒を水性懸濁状態にして、
約70〜90℃の温度で分子状塩素と接触させる方法;
四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエチレンのよ
うな塩素に対して安定な溶媒中に共重合体を溶解し、均
一な溶液状態として分子状塩素と接触させる方法;ある
いはN−クロロアセトアミド、N−クロロサクシニイミ
ド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインの
ような塩素化合物をロ−ルやバンバリ−などで共重合体
中に均一に練り込み、塩素を遊離する温度に加熱する方
法などによって行なわれる。特に、四塩化炭素、クロロ
ホルムなどのハロゲン系溶媒中で、ラジカル開始剤の存
在化に塩素を吹き込む方法が好ましい。
【0017】塩素化反応後は、次のようにして処理され
る。得られた反応混合物が水性懸濁状態の場合、塩素化
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは、水洗を行なう
ことにより分子状塩素、副生した塩化水素を除き、乾燥
させる。また、得られた反応混合物が溶液状態の場合に
は、反応溶液を過剰のメタノ−ルなどの塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴムの貧溶媒中に投入し、沈澱
物を濾過し、この貧溶媒で洗浄し、乾燥させる。
【0018】本発明に使用される低分子量塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴムは、好ましくは上記の如
くして得られた塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴムであり、塩素含量が20〜45重量%であり、ム−
ニ−粘度[ML1+4(100℃)]が1〜70のもので
ある。
【0019】また、本発明に使用される高分子量塩素化
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは、好ましくは上
記の如くして得られた塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムであり、塩素含量が20〜40重量%であ
り、ム−ニ−粘度[ML1+4(121℃)]が50〜1
90のものである。
【0020】本発明における塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴム組成物は、例えばそれぞれ別々に塩素
化して製造した低分子量塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴムと高分子量塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴムとを、所定割合でブレンドすることによっ
て、あるいは低分子量塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムに対応する塩素化前のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体と高分子量塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴムに対応する塩素化前のエチレン・α−オレ
フィン共重合体を、所定割合でブレンドし、そのブレン
ド物を上記方法で塩素化することによって、さらには分
子量分布が二様分布を示すエチレン・α−オレフィン共
重合体を上記方法で塩素化することによって得ることも
できる。
【0021】次に本発明における可硫可能ゴム組成物に
ついて説明する。本発明における可硫可能ゴム組成物
(以下、単にゴム組成物という)において、塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴムの低分子量成分と高分
子量成分の比率は、重量比で、低分子量成分/高分子量
成分=90/10〜10/90の範囲内にある。この組
成割合は本発明の目的を達成する上で必要であり、より
好ましくは低分子量成分/高分子量成分=80/20〜
20/80の範囲が選択される。
【0022】上記低分子量成分/高分子量成分の比率に
おいて、低分子量塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴムが90を越え、従って高分子量塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴムが10を下まわると、ゴム組
成物の永久伸びが大きくなり、強度特性が劣る恐れがあ
る。
【0023】また、逆に高分子量塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴムが90を越え、従って低分子量塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムが10を下ま
わると、永久伸びが大きくなり、強度特性が劣る恐れが
ある。
【0024】本発明におけるゴム組成物は、塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴムに加えて、ゴム製品を
製造する上でのそれ自体公知の配合剤、例えば加硫剤、
加硫助剤、ゴム用補強剤、顔料、充填剤、軟化剤、金属
活性化剤、スコ−チ防止剤、塩酸吸収剤、老化防止剤、
加工助剤などを配合することができる。
【0025】ゴム組成物中に占める塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムの配合量は、通常30重量%以
上、好ましくは40重量%以上である。
【0026】また、本発明の目的を妨げない範囲内にお
いて塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム以外の
ゴムを加えて使用することもできる。
【0027】本発明におけるゴム組成物の加硫方法とし
ては、トリアジン加硫、有機過酸化物加硫が適当であ
る。トリアジン加硫を行なう場合、加硫剤としては、例
えば下記一般式
【0028】
【化1】
【0029】(式中、R1は−NR23、−OR2または
−SR2を表わし、ここでR2、R3は、それぞれ水素原
子、未置換もしくは置換アルキル基、または未置換もし
くは置換アリ−ル基を表わす)で表わされるトリアジン
化合物が有利に使用される。
【0030】上記一般式で表わされるトリアジンチオ−
ル類としては、例えばトリアジン−2,4,6−トリチオ
−ル、2−ジブチルアミノトリアジン−4,6−ジチオ
−ル、2−フェニルアミノトリアジン−4,6−ジチオ
−ル、2−ヘキシルアミノトリアジン−4,6−ジチオ
−ル、2−ジエチルアミノトリアジン−4,6−ジチオ
−ル、2−ブトキシトリアジン−4,6−ジチオ−ルな
どを挙げることができる。
【0031】可硫剤は塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム100gに対して1×10-3〜2.5×10
-2モル、好ましくは1.5×10-3〜2.0×10-2
ル、さらに好ましくは3×10-3〜1.3×10-2モル
の割合で配合される。
【0032】加硫剤の配合量が上記範囲よりも小さい場
合には、好適なゴム弾性を有する加硫物が得られず、ま
た上記範囲よりも多量に配合すると伸びが低下し、実用
に供し難くなる傾向がある。
【0033】加硫剤としてトリアジン化合物を使用する
ときは、有利には加硫助剤が添加される。加硫助剤は加
硫速度を加工成形上実用的なものとするために添加され
る。加硫助剤としては、酸解離定数(pKa)が7以上
の有機塩基、あるいは有機塩基を発生しうる化合物が使
用される。
【0034】これらの加硫助剤としては、例えば1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ラウリ
ルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メ
チルモルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジブチル
ジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバ
ミン酸ピペリジン塩、N−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアゾリルスルフェンアミド、安息香酸・ピペリジン
塩、安息香酸・ジシクロヘキシルアミン塩、ジフェニル
グアニジン、ジオルトトリルグアニジン、ジペンタメチ
レンチウラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラム
ジスルフィド、ヨウ化テトラメチルスルフォニウム、塩
化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホ
ニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ジステアリル
ジメチルアンンモニウムクロライドなどのオニウム塩が
例示できる。
【0035】加硫助剤は、塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム100gに対して、好ましくは5×10
-4〜2×10-2モル、より好ましくは1×10-3〜1×
10 -2モルの割合で使用される。かかる加硫助剤は1種
単独であるいは2種以上混合して用いられる。
【0036】有機過酸化物加硫を行なう場合、加硫剤と
しては、例えばジクミルペルオキシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペル
オキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ
第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、第三ジブチルヒドロペルオキシドが有利に用い
られる。なかでもジクミルペルオキシド、ジ第三ブチル
ペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンが好ましく使用される。
【0037】有機過酸化物の使用量は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100gに対して、好まし
くは3×10-3〜5×10-2モル、より好ましくは1×
10 -3〜3×10-2モルの範囲から選ばれる。
【0038】加硫剤として有機過酸化物を使用するとき
は、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としては、例
えば硫黄、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシ
ム系;エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチ
ロ−ルプロパントリメタクリレ−トなどのアクリル系;
ジアリルフタレ−ト、トリアリルイソシアヌレ−トなど
のアリル系;その他マレイミド系;ジビニルベンゼンな
どが挙げられる。
【0039】このような加硫助剤は、使用する有機過酸
化物1モルに対して、好ましくは0.5〜2モル、より
好ましくはほぼ均等モルで使用される。
【0040】ゴム用補強剤としては、例えばSRF、G
PF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT
などの各種カ−ボンブラック、微粉けい酸などが適宜用
いられる。
【0041】顔料としては、公知の無機顔料(例えばチ
タンホワイト)、有機顔料(例えばナフトール・グリー
ンB)が使用される。
【0042】充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ−などが用いら
れる。
【0043】これらの補強剤および充填剤の配合量は、
所望の製品により適宜選択される。いずれも塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し
て、通常200重量部以下、好ましくは150重量部以
下で用いられる。
【0044】また軟化剤としては、例えばプロセスオイ
ル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスフ
ァルト、ワセリンなどの石油系物質;コ−ルタ−ル、コ
−ルタ−ルピッチなどのコ−ルタ−ル類;ヒマシ油、ナ
タネ油、大豆油、ヤシ油などの脂肪油;ト−ル油、蜜ロ
ウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類;リシノ−
ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸またはその
金属塩;ナフテン酸またはその金属石鹸; パイン油、ロ
ジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン、ジオ
クチルフタレ−ト、ジオクチルアジペ−ト、ジオクチル
セバケ−トなどのエステル系可塑剤;その他マイクロク
リスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブ
タジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコ−ルな
どを挙げることができる。
【0045】これらの軟化剤の配合量は、所望の製品に
より適宜選択されるが、いずれも塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、通常10
0重量部以下、好ましくは70重量部以下で用いられ
る。
【0046】金属活性化剤としては、例えば酸化マグネ
シウム、高級脂肪酸亜鉛、鉛丹、リサージ、酸化カルシ
ウム、ハイドロタルサイトなどが使用しうる。
【0047】これらの金属活性化剤は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、通
常3〜15重量部、好ましくは5〜10重量部の範囲で
用いられる。
【0048】スコ−チ防止剤としては、公知のスコ−チ
防止剤、例えば無水マレイン酸、チオイミド系化合物、
スルフェンアミド系化合物、スルフォンアミド系化合物
などを挙げることができる。上記成分は、塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、
通常0.2〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部の範
囲で用いられる。
【0049】塩酸吸収剤としては、周期律表第IIA族
金属の酸化物および有機酸塩が有利に用いられる。例え
ばステアリン酸マグネシウム、マグネシア、ステアリン
酸カルシウム、マナセアイト、ハイドロタルサイト、エ
ポキシ化大豆油、エポキシ系塩酸吸収剤などが例示でき
る。これらの塩酸吸収剤は、塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴム100重量部に対して、通常10重量
部以下の量で適宜配合できる。
【0050】また本発明におけるゴム組成物は、老化防
止剤を使用しなくても、優れた耐熱性、耐久性を示す
が、老化防止剤を使用することにより、本発明の製品の
材料寿命を長くすることが可能である。このことは通常
のゴムにおける場合と同様である。この場合に使用され
る老化防止剤としては、例えばフェニルブチルアミン、
N,N’−ジ −2−ナフチル−p−フェニレンジアミン
などの芳香族第二アミン系安定剤;ジブチルヒドロキシ
トルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメ−ト]メタンな
どのフェノ−ル系安定剤;ビス[2−メチル−4−(3
−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブ
チルフェニル]スルフィドなどのチオエ−テル系安定
剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオ
カルバミン酸塩系安定剤などを挙げることができる。こ
れらの老化防止剤は単独であるいは2種以上の併用で配
合される。このような老化防止剤の使用量は、塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し
て、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部
の割合から選ばれる。
【0051】次に加工助剤としては、ゴム加工に通常使
用されるものが使用できる。その例としては、リシノ−
ル酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステ
アリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛、上記酸のエステル類など、高級脂肪酸、その
塩およびそのエステル類などを挙げることができる。こ
れらの加工助剤は通常の場合には、塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、約約1
0重量部まで、好ましくは約1〜5重量部用いられる。
【0052】本発明における塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴム組成物は、例えば次のような方法で調
整することができる。低分子量塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムおよび高分子量塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムの所定量と、必要により、補強
剤、充填剤、軟化剤、顔料などの添加剤をバンバリ−ミ
キサ−の如きミキサ−類を用いて約80〜170℃の温
度で約3〜10分間混練した後、さらに必要により、加
硫剤、加硫助剤をオ−プンロ−ルの如きロ−ル類を用い
て追加混合し、ロ−ル温度約40〜80℃で約3〜30
分間混練して押出し、リボン状またはシ−ト状のゴム配
合物を調製する。
【0053】また、所定量の塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴム組成物および配合剤を80〜100℃
に加熱された押出機に直接供給し、滞留時間を0.5〜
5分間とすることにより、ペレット状のゴム配合物を調
製することもできる。
【0054】
【効果】本発明における可硫可能ゴム組成物は、前記し
たとおり、必須成分として低分子量塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムと高分子量塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムとを、重量基準で、低分子量成
分/高分子量成分=90/10〜10/90の割合で含
有することにより、両者の優れた特徴を活かし、欠点を
補うものである。すなわち、その相乗効果として、屈曲
疲労性、強度特性、耐熱老化性、耐寒性、耐候性に優
れ、永久伸び、圧縮永久歪が小さく、加工性が良好なゴ
ム組成物を与え、そして高い製品寿命を持つ動力伝動用
ベルトを得ることができる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。
【0056】実施例1、比較例1〜5 表1に基づく配合を8インチオ−プンロ−ルで混練し、
この組成物を、JISK 6300未加硫ゴム物理試験
方法に従って、125℃でムーニー粘度を測定し、加工
性の目安とした。さらに、この配合ゴムを155℃で3
0分間プレス加硫した2mm厚の加硫ゴムシ−トを用
い、JIS K 6301加硫ゴム物理試験方法に従っ
て25℃雰囲気下で引張強さ、伸びを測定した。同じ
く、JIS K 6301の屈曲試験に基づき傷が15
mmまで成長するまでの回数を求めた。さらに屈曲試験
片を150℃のオーブンで70時間老化後の屈曲試験も
行なった。これらの測定結果を表2に示す。
【0057】次に、この組成物を歯付ベルトに用いた。
歯付ベルトの製造法は従来の圧力法であり、まず歯付モ
ールドに緯糸に6.6ナイロンウーリー加工糸、軽糸に
工業用6.6ナイロンを用いたカバー帆布を巻き付け、
次いで心線としてECG150−3/13の径約1.2
mmの接着処理されたガラスコードをスピニングした
後、前記ゴム組成物からなるゴムシートを巻き付け、こ
れにジャッケットに嵌挿することで加硫を行い得られた
加硫スリーブを所定巾に切断して歯付ベルトを得た。こ
の歯付ベルトは歯ピッチが8mmのSTPD歯型であり
歯数99、ベルト巾19.1mmである。
【0058】上記歯付ベルトを駆動プーリ(歯数18)
と1つの従動プーリ(歯数36)、そして両プーリ間に
テンションプーリ(直径62mm)を有する走行試験機
に設置し、雰囲気温度120℃、駆動プーリの回転数7
200rpm、負荷5馬力、初期張力15kgfで走行
させた。得られた歯付ベルトの走行時間を表3に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1註 1) エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ML1+4(100℃) 5 塩素含量 27重量% 2) エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ML1+4(121℃) 120 塩素含量 27重量% A) エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ML1+4(100℃) 70 塩素含量 27重量% 3) デンカ S−40 4) ハイパロン 40 5) DHT−6;協和化学社製 6) 協和マグ150;協和化学社製 7) スプレンダーR−700;花王社製 8) Octylated-diphenylamine 9) Nickeldibutyl-dithiocalbamate 10) 2-Mercaptoimidazoline 11) Dipentamethylenethiuramtetrasulfide 12) Dibenzothiazyldisulfide 13) ZISNET-DB;三共化成社製 14) Piperidinium benzoate
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】実施例2、比較例6 本実施例2で製造したVリブドベルトは、ポリエステル
繊維のロープからなる心線が接着ゴム層内に埋設され、
その上側にゴム付綿帆布を2プライ積層され、他方接着
ゴム層の下側には圧縮ゴム層があって3個のリブがベル
ト長手方向に有している。得られたVリブドベルトはR
MA規格による長さ975mmのK型3リブドベルトで
あり、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.9mm、ベ
ルト厚さ5.3mm、リブ角度40゜である。
【0064】ここで圧縮ゴム層および接着ゴム層は、表
4に示すゴム組成物から調整し、バンバリミキサーで混
練後、カレンダーロールで圧延したものを用いた。圧縮
ゴム層には単繊維が含まれベルト巾方向に配向してい
る。
【0065】ベルトの製造方法は従来より知られている
通常の方法であり、まずフラットな円筒モールドに2プ
ライのゴム付綿帆布を巻いた後、接着ゴム層を巻き付け
て、心線をスピニングし、圧縮ゴム層を設置した後、圧
縮ゴム層の上に加硫用ジャケットを挿入する。次いで成
形モールドを加硫缶内に入れ、150℃×30分で加硫
した後、筒状の加硫スリーブをモールドから取り出し、
該スリーブの圧縮ゴム層をグラインダーによってリブに
成形し、成形体から個々ベルトに切断する工程からなっ
ている。
【0066】このようにして得られたVリブドベルトの
耐熱走行試験の結果を表5に示す。また、同時に加硫ゴ
ムの物性値を表5に併記する。なお、本実施例で行った
耐熱走行試験では、Vリブドベルトを直径125mmの
駆動プーリ、同径の従動プーリ、および直径70mmの
テンションプーリに掛け渡してベルトの初期張力を85
kgfとし、駆動側を回転数7200rpmで回転さ
せ、従動側に負荷10psを与え、雰囲気温度85℃で
走行させ、ベルトのリブにクラックが発生するまでの時
間を測定した。結果を表5に示した。
【0067】
【表4】
【0068】表4註 1)、2)、3)、5)、6)、7)、8)、9)、10)、13)および14)
の意味は表1の註に同じ。 15) 長さ 6mm。
【0069】
【表5】
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる歯付ベルトの側面図である。
【図2】本発明に係わるVリブドベルトの縦断面図であ
る。
【図3】本発明の他の実験例であるVベルトの縦断面図
である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト1 2 歯ゴム層2 3 心線 4 背ゴム層 5 カバー帆布 6 Vリブドベルト 7 接着ゴム層 8 圧縮ゴム層 9 リブ 10 ゴム付き帆布 11 Vベルト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量塩素化エチレン・α−オレフィ
    ン共重合ゴムと高分子量塩素化エチレン・α−オレフィ
    ン共重合ゴムからなり、重量基準で、低分子量塩素化エ
    チレン・α−オレフィン共重合ゴム/高分子量塩素化エ
    チレン・α−オレフィン共重合ゴム=90/10〜10
    /90の割合で含有されている塩素化エチレン・α−オ
    レフィン共重合ゴム組成物からなることを特徴とする動
    力伝動用ベルト。
  2. 【請求項2】 低分子量塩素化エチレン・α−オレフィ
    ン共重合ゴムの塩素含量が20〜45重量%であり、ム
    ーニー粘度[ML1+4(100℃)]が1〜70である
    請求項1に記載の動力伝動用ベルト。
  3. 【請求項3】 高分子量塩素化エチレン・α−オレフィ
    ン共重合ゴムの塩素含量が20〜40重量%であり、ム
    ーニー粘度[ML1+4(121℃)]が50〜190で
    ある請求項1に記載の動力伝動用ベルト。
  4. 【請求項4】 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
    ゴムの塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合体の
    α−オレフィンが炭素数3〜10であり、エチレンとα
    −オレフィンの割合が、モル基準で、エチレン/α−オ
    レフィン=75/25〜95/5である請求項1に記載
    の動力伝動用ベルト。
JP24277293A 1993-09-29 1993-09-29 動力伝動用ベルト Withdrawn JPH0797492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24277293A JPH0797492A (ja) 1993-09-29 1993-09-29 動力伝動用ベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24277293A JPH0797492A (ja) 1993-09-29 1993-09-29 動力伝動用ベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0797492A true JPH0797492A (ja) 1995-04-11

Family

ID=17094056

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24277293A Withdrawn JPH0797492A (ja) 1993-09-29 1993-09-29 動力伝動用ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0797492A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1186797A3 (en) * 2000-09-08 2004-07-14 Bando Chemical Industries, Ltd. Power transmission belt

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1186797A3 (en) * 2000-09-08 2004-07-14 Bando Chemical Industries, Ltd. Power transmission belt

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1205515B1 (en) Ethylene-Alpha-Olefin belting
EP0737228B1 (en) Ethylene-alpha-olefin belting
US7655729B2 (en) Power transmission products having enhanced properties
EP3551447A1 (en) Anti-stick easy-release conveyor belts
KR20150018304A (ko) 해양로프의 제조방법 및 그 제품
JPH0797492A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2005097564A (ja) ニトリルポリマーを含んでなるブチル組成物
JPH01263038A (ja) ゴムベルト
JP2604774B2 (ja) 塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組成物
EP1679344B1 (en) Power transmission belts having enhanced properties
JP2020033545A (ja) クロロスルホン化エチレン―酢酸ビニル共重合体組成物
JP3313774B2 (ja) 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
JP2604772B2 (ja) 塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組成物
WO2021261406A1 (ja) ゴム組成物及び架橋ゴム組成物
JP2021074908A (ja) 積層体
JPH01263036A (ja) ゴムホース
JP2519294B2 (ja) 塩素化エチレン系共重合体混合物
JP2021042317A (ja) 伝動ベルト用組成物
JPH06345922A (ja) 加硫可能ゴム組成物
JPH0790146A (ja) 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
EP0469601A2 (en) Rubber belting
JPH01266365A (ja) 自動車用ブーツ
JPH01185344A (ja) 塩素化エチレン−プロピレン系共重合体組成物
JPH06136207A (ja) オイルブリード性塩素化エチレン・α−オレフィン共 重合ゴム組成物
JPH0665455A (ja) 加硫接着性ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20001226