JPH079716B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH079716B2
JPH079716B2 JP12536186A JP12536186A JPH079716B2 JP H079716 B2 JPH079716 B2 JP H079716B2 JP 12536186 A JP12536186 A JP 12536186A JP 12536186 A JP12536186 A JP 12536186A JP H079716 B2 JPH079716 B2 JP H079716B2
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【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、レーザー光等の熱および光を用いて情報の記
録、再生を行う光磁気記録媒体に関する。
先行技術とその問題点 光磁気メモリの記録媒体としては、 MnBi、MnAlGe、MnSb、 MnCuBi、GdFe、TbFe、 GdCo、PtCo、TbCo、 TbFeCo、GdFeCo、 TbFeO3、GdIG、GdTbFe、 GdTbFeCoBi、CoFe2O4 等の材料が知られている。これらは、真空蒸着法やスパ
ッタリング法等の方法で、プラスチックやガラス等の透
明基板上に薄膜として形成される。これらの光磁気記録
媒体に共通している特性としては、 磁化容易軸が膜面に垂直方向にあり、 さらに、カー効果やファラデー効果が大きいという点を
あげることができる。
このような媒体に要求されることは、 第1に、キューリー点が100〜200℃程度で、補償点が室
温付近であること、 第2に、ノイズとなる結晶粒界などの欠陥が比較的少な
いこと、 第3に比較的大面積にわたって磁気的、機械的に均一な
膜が得られることがあげられる。
このような要求にこたえ、上記材料のなかで、近年、希
土類−遷移金属の非晶質垂直磁性薄膜が大きな注目を集
めている。
しかし、このような希土類−遷移金属非晶質薄膜からな
る光磁気記録媒体において、磁性薄膜層は、大気に接し
たまま保存されると、大気中の酸素や水により希土類が
選択的に腐食あるいは酸化されてしまい、情報の記録、
再生が不可能となる。
そこで、一般には、前記磁性薄膜層の表面に保護層を設
けた構成の光磁気記録媒体が多く研究されている。
従来、このような防湿性の保護層としては、一酸化ケイ
素、二酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、硫
化亜鉛等の無機系の真空蒸着膜や樹脂膜等を設ける試み
(特開昭58−80142号等)が開示されている。
光磁気記録媒体では、基板側から記録・再生を行うのが
有利であり、基板としては透明性のものを用いる。
光ディスク用の基板としては、製造の容易さ、取り扱い
易さ等の点で、樹脂性のものが好ましく、これらのうち
では、透明性、生産性、経済性等の点で、特にアクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂等が好適である。
このような樹脂性の基板上には、通常、無機材質の中間
層を形成し、この中間層を介し磁性薄膜層を設層する。
この中間層は干渉層としての機能を有し、C/N比を向上
させ、かつ磁性薄膜層の劣化を防止する耐食性付与の機
能を有する。
このような中間層の材質としては、例えばSiO、SiO2
の酸化ケイ素、AlN、Si3N4、ZnS、Si、Geなどが提案さ
れている(特開昭58−80142号等)。
これらのうち、窒化アルミニウムは、C/N比、耐久性等
の点で好適であるが、従来使用されていた膜構造では、
C/N比、耐食性、耐久性等の点で未だ不十分であり、よ
り一層の向上が必要である。
II 発明の目的 本発明の目的は、記録・再生特性に優れ、しかも磁性薄
膜層の劣化が防止され、耐食性、耐久性に優れ、さらに
は、ソリ等に対する寸法精度の安定性にすぐれた光磁気
記録媒体を提供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、以下の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は、樹脂製の基板上に窒化アルミニウ
ムから形成される中間層を有し、この中間層上に希土類
−遷移金属の磁性薄膜層を有する光磁気記録媒体におい
て、上記中間層が酸素を含有し、上記中間層における基
板側酸素含有量が磁性薄膜層側のそれと比べ大きいこと
を特徴とする光磁気記録媒体である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について、詳細に説明する。
本発明の光磁気記録媒体の一実施例が、第1図に示され
ている。
第1図において、本発明の光磁気記録媒体1は、基板2
上に中間層3を有する。
本発明の中間層3は、窒化アルミニウムから形成され
る。
AlNは一般的に化学量論組成であるが、これから偏奇し
ているものであってもかまわない。
この場合、層全体の平均のN/Al原子比は0.6〜0.99程度
である。
窒化アルミニウム中間層3には酸素が含有されるが層中
のO/Al原子比は、層全体の平均として0.2〜1.0、より好
ましくは0.2〜0.7である。
このときO/Al原子比が0.2未満となると耐久性向上効果
の実効がなくなってしまう。
また、1.0をこえると、みかけ上のカー回転角が減少
し、特性に悪影響を与えてしまう。
このような中間層3の厚さ方向には、中間層3中におけ
る基板側の酸素含有量が後述する磁性薄膜層4側のそれ
と比べ大きくなるような所定の酸素濃度分布が存在す
る。
このような窒化アルミニウム中間層3中の酸素濃度分布
は、例えば、窒化アルミニウム中間層3の基板2側から
1/4までの位置のO/Al原子比が、磁性薄膜層4側から1/4
までの位置のO/Al原子比の3倍以上、より好ましくは5
倍以上となるようにする。
この値が3倍未満になると、C/N比、耐食性、耐久性が
悪化する。一方、この値が上記の好適範囲である5倍以
上になると、C/N比、耐久性は格段と向上する。
窒化アルミニウム中間層3中に上記のような酸素濃度分
布をもたせることにより、下記の作用が生じる。
すなわち、第1に、窒化アルミニウム中間層3の基板側
の酸素濃度を適当に設定することにより、基板(ポリカ
ーボネート樹脂では830nmにて屈折率約1.57)と窒化ア
ルミニウム中間層3との界面での反射を有効に防止で
き、良好な記録・再生特性が得られる。
第2に、磁性薄膜層4側の窒化アルミニウム中間層3中
の酸素濃度を低くおさえることによって、後述するFeお
よびCoを必須含有成分とする磁性薄膜層4の劣化を有効
に防止することができる。
なお、酸素濃度分布は、連続的であっても非連続的であ
ってもよい。
このような窒化アルミニウム中間層3の膜厚方向に存在
するO/Alの原子比分布は、例えば以下に述べる方法によ
って測定される。
すなわち、まず最初に、窒化アルミニウム中間層3を磁
性薄膜層4側から一定のエッチング速度でイオンエッチ
ングを行いながら、SIMS(2次イオン質量分析)、AES
(オージェ分光分析)、ESCAなどで元素分析を行う。そ
して、ポリカーボネート樹脂等の基板2に到達し、炭素
Cが検出されるまでの時間を測定する。
この要した時間の最初から1/4までの時間および3/4から
基板に到達するまでの時間の層中の元素分析結果より、
層中所定箇所のO/Al平均原子比が算出される。
なお、層全体平均のO/Al原子比も算出できることはいう
までもない。
このように膜厚方向に酸素濃度分布が存在する窒化アル
ミニウム中間層3を設層するには、AlNおよびAl2O3をタ
ーゲットに用い、両者のスパッタレートを制御して、こ
れを変化させながら成膜する2元スパッタ法、あるい
は、酸素を含む雰囲気中でAlNをターゲットに用い、酸
素濃度を制御して、これを変化させて成膜する反応性ス
パッタ、あるいは、酸素および窒素を含む雰囲気中で、
Alをターゲットに用い、酸素および窒素濃度を制御し
て、これらを変化させて成膜する反応性スパッタ等を用
いる。
これらスパッタリングにおける条件は、通常のものであ
ってよい。
また、これに準じ、その他の気相成膜法、例えば、蒸着
等を適宜用いることも可能である。
このように設層される窒化アルミニウム中間層3の膜厚
は、500〜1500Å、より好ましくは700〜1000Åである。
なお、通常、窒化アルミニウム中間層は非晶質ないし多
結晶状態にある。
また、成膜雰囲気中に存在するAr等が入ってもよい。
その他、場合によっては少量のZn、Si、Cr、Ba等の元素
を添加してもよい。
上述の窒化アルミニウム中間層3が設層される基板2
は、樹脂によって形成される。
好ましい樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などが
あげられる。
これらの樹脂のうち、耐久性、特にソリなどに対する耐
性等の点でポリカーボネート樹脂が好ましい。
この場合のポリカーボネート樹脂としては、脂肪族ポリ
カーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネート、芳香
族ポリカーボネートのいずれであってもよいが、特に芳
香族ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。これ
らのうちでは融点、結晶性、とり扱い等の点でビスフェ
ノールからのポリカーボネート樹脂が好ましい。中でも
ビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂は最も
好ましく用いられる。
また、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、10,000
〜15,000程度であることが好ましい。
このような基板2の830nmの屈折率は通常1.55〜1.59程
度である。
なお、記録は基板2をとおして行うので、書き込み光な
いし読み出し光に対する透過率は86%以上とする。
また、基板2は、通常ディスク状とし、1.2〜1.5mm程度
の厚さとする。
このようなディスク状基板の磁性薄膜層形成面には、ト
ラッキング用の溝が形成されてもよい。
溝の深さは、λ/8n程度、特にλ/6n〜λ/12n(ここに、
nは基板の屈折率である)とされる。また、溝の巾は、
トラック巾程度とされる。
そして、通常、この溝の凹部に位置する磁性薄膜層を記
録トラック部として、書き込み光および読み出し光を基
板裏面側から照射することが好ましい。
このように構成することにより、書き込み感度と読み出
しのC/N比が向上し、しかもトラッキングの制御信号は
大きくなる。
また、その他の基板の形状として、テープ、ドラム等と
してもよい。
前述した窒化アルミニウム中間層3の上には、磁性薄膜
層4が設層される。
本発明の磁性薄膜層4は、変調された熱ビームあるいは
変調された磁界により、情報が磁気的に記録されるもの
であり、記録情報は磁気−光変換して再生するものであ
る。
このような磁性薄膜層4の材質としては、Gd、Tb等の希
土類金属とFe、Co等の遷移金属の合金をスパッタ、蒸着
法等により、非晶質膜として形成したものであり、しか
もFeとCoを必須含有成分とするものである。
この場合、FeとCoの総含有量は、65〜85at%であること
が好ましい。
そして、残部は実質的に希土類金属、特にGdおよび/ま
たはTbである。
そして、その好適例としては、TbFeCo、GdFeCo、GdTbFe
Co等がある。
なお、これら磁性薄膜層中には10at%以下の範囲でCr、
Al、Ti、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が
含有されてもよい。
また、希土類元素として10at%以下の範囲でSc、Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
等を含有してもよい。
このような磁性薄膜層の膜厚は、0.01〜1μmが好まし
い。
さらに、このような磁性薄膜層4の基板2と反対側に
は、各種の保護層を1層以上設けることが好ましい。
第1図においては、保護層5と保護膜6とが設けられて
いる。
この場合、保護層5の材質としては、保護層としての機
能を有するものであれば特に制限はされないが、好まし
くは酸化物、窒化物の薄膜である。
酸化物としては、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素などの酸
化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等
が好適である。
また、窒化物としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウ
ム、窒化チタン、窒化ホウ素等が好適である。
これらの中では、特に窒化アルミニウムが好適である。
このような薄膜の厚さは0.1〜10μm程度とする。
なお、保護層5の形成は真空蒸着、スパッタ等によれば
よい。
一方、保護膜6の材質としては、通常、公知の種々の有
機系の物質を用いればよい。
より好ましくは、放射線硬化型化合物を電子線、紫外線
等の放射線で硬化させたものを用いるのがよい。
用いる放射線硬化型化合物としては、イオン化エネルギ
ーに感応し、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を有
すアクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエステ
ル化合物のようなアクリル系二重結合、ジアリルフタレ
ートのようなアリル系二重結合、マレイン酸、マレイン
酸誘導体等の不飽和二重結合等の放射線照射による架橋
あるいは重合乾燥する基を分子中に含有または導入した
モノマー、オリゴマーおよびポリマー等を挙げることが
できる。
放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化合
物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のものが
用いられる。
これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチ
レングリコールメタクリレート、1,6-ヘキサングリコー
ルジアクリレート、1,6-ヘキサングリコールジメタクリ
レート等も挙げられるが、特に好ましいものとしては、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタクリレ
ート)、ペンタエリスリトールアクリレート(メタクリ
レート)、トリメチロールプロパントリアクリレート
(メタクリレート)、トリメチロールプロパンジアクリ
レート(メタクリレート)、多官能オリゴエステルアク
リレート(アロニックスM−7100、M−5400、M−550
0、M−5700、M−6250、M−6500、M−8030、M−806
0、M−8100等、東亜合成)、ウレタンエラストマー
(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれら
のものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フェノール
エチレンオキシド付加物のアクリレート(メタクリレー
ト)、下記一般式で示されるペンタエリスリトール縮合
環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプロラク
トン−アクリル基のついた化合物、 1) (CH2=CHCOOCH2−CCH2OH (特殊アクリレートA) 2) (CH2=CHCOOCH2−CCH2CH3 (特殊アクリレートB) 3) 〔CH2=CHCO(OC3H6)n−OCH2−CCH2CH3 (特殊アクリレートC) 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊ペ
ンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 M=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。
8) CH2=CHCOO−(CH2CH2O)−COCH=CH2 (特殊アクリレートH) 12) AM−Nn−M−A A:アクリル酸、M:2価アルコール N:2塩基酸 (特殊アクリレートL) また、放射線硬化型オリゴマーとしては、下記一般式で
示される多官能オリゴエステルアクリレートやウレタン
エラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのもの
にCOOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
(式中R1,R2:アルキル、n:整数) また、熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによって
得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。
このような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジカ
ル重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、メ
タクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のような
アクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリ
ル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽
和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する基
を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂で
ある。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例として
は、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエスルテル樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
キシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができる。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂とし
ては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル
樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVPオ
レフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有
効である。
このような放射線硬化型化合物の保護膜6の膜厚は0.1
〜30μm、より好ましくは1〜10μmである。
この膜厚が0.1μm未満になると、一様な膜を形成でき
ず、湿度が高い雰囲気中での防湿効果が十分でなく、磁
性薄膜層4の耐久性が向上しない。また、30μmをこえ
ると、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒体の反
りや保護膜中のクラックが生じ、実用に耐えない。
このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビア
塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知の
方法を組み合わせて設層すればよい。この時の塗膜の設
層条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的とする塗膜厚
さ等を考慮して適宜決定すればよい。
このような塗膜を硬化させて保護層とするには、電子
線、紫外線等の放射線を塗膜に照射すればよい。
電子線を用いる場合、放射線特性としては、加速電圧10
0〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加速器を用
い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるように照射す
るのが好都合である。
一方、紫外線を用いる場合には、前述したような放射線
硬化型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えられ
る。
この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、例
えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、α−メチルベンゾイン、α−クロルデオキシベン
ゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフェ
ノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケトン
類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類等を挙げることができる。
光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%の範
囲が望ましい。
そして、このような光重合増感剤と放射線硬化型化合物
を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公知
の種々の方法に従えばよい。
たとえば、キセノン放電管、水素放電管などの紫外線電
球等を用いればよい。
このような保護膜6の上には、通常接着剤層7を介して
保護板8が設けられる。
すなわち、前記の基板2の裏面(磁性薄膜層4を設けて
いない側の面)側からのみ記録・再生を行う、いわゆる
片面記録の場合にのみ、この保護板8を用いる。
このような保護板8の樹脂材質は特別に透明性等を要求
されることはなく、種々の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリビニルアルコール、メタクリル樹脂、ポリアミド、
ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ふっ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂、 フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、ケイ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂等が使用可
能である。
なお、ガラス、セラミック等の各種無機材質を保護板8
として用いてもよい。
このものの形状、寸法等は上記の基板2のそれとほぼ同
様とされる。
このような保護板8は、前述したように接着剤層7を介
して接着される。接着剤層は、通常、ホットメルト樹脂
等の接着剤であって、この膜厚は1〜100μm程度とさ
れる。
他方、上記の保護板8を用いる代りに、上記の磁性薄膜
層4、保護層5,保護膜6等を有する基板をさらに1セッ
ト用いて、両磁性薄膜層を内側にして対向させて、接着
剤層7を用いて貼り合せて、両基板の裏面側から書き込
みを行なう、いわゆる両面記録タイプとしてもよい。
さらに、これらの基板2や保護板8の裏面(磁性薄膜層
4を設けていない側の面)には各種保護膜としてのハー
ドコート層を設けることが好ましい。
ハードコート層の材質としては、前述した保護膜6の材
質と同様なものとしてもよい。
V 発明の効果 本発明の光磁気記録媒体は、樹脂性基板と磁性薄膜層と
の間に酸素を含有し、その酸素濃度に所定の分布をもつ
窒化アルミニウム中間層を有している。そのため、記
録、再生特性に優れ、しかも磁性薄膜層の経時劣化も少
ない。
特に、基板がポリカーボネート樹脂で形成される場合、
磁性薄膜層の経時劣化はより少なくなる。しかも、ソリ
等に対する耐性もより一層向上する。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説
明する。
[実施例1] 直径13cm、厚さ1.2mmのビスフェノールA系のポリカー
ボネート樹脂(分子量15000)からなる基板上に、窒化
アルミニウム中間層を反応性スパッタリングにより、厚
さ800Åに設層した。
なお、スパッタリングに際して、窒化アルミニウム中間
層に所定の酸素濃度分布を設けるために、酸素および窒
素を含むAr雰囲気中で、作動圧1PaにてAlをターゲット
として用い酸素および窒素濃度を時間的に制御した。
設層後、膜中の元素分析をイオンエッチングしながらオ
ージェ分光分析にて行ったところ、基板側から膜厚の1/
4の位置までのO/Al原子比(x1)は0.5であり、磁性薄膜
層側から1/4の位置までのO/Al原子比(x4)は0.1であっ
た。
また膜全体の平均O/Al原子比(x)およびN/Al原子比
(y)は、それぞれ0.4および0.7であった。
この窒化アルミニウム中間層のうえに21at%Tb、68at%
Fe、7at%Co、4at%Cr合金薄膜をスパッタリングによっ
て、厚さ800Åに設層し、磁性薄膜層とした。
なお、ターゲットは、FeターゲットにTb、Co、Crチップ
をのせたものを用いた。
この磁性薄膜層上にAlNの保護層を膜厚1000Åにスパッ
タリングで設層し、この保護層のうえに下記の放射線硬
化型化合物を含む塗布組成物を保護膜としてスピンナー
コートで設層した。
(塗布組成物) 多官能オリゴエステルアクリレート 100重量部 光増感剤 5重量部 このような塗布組成物を設層後、紫外線を15sec照射し
架橋硬化させ、硬化膜とした。
この時の膜厚は5μmであった。
なお、これと同様な処理を上記の基板裏面上にも行っ
た。さらに保護膜上に直径13cmのポリカーボネート樹脂
製の保護板を接着剤を用いて接着し、本発明のサンプル
とした(サンプルNo.1)。これに準じてサンプルNo.1の
窒化アルミニウム中間層を下記表1に示す酸素濃度分布
をもつ窒化アルミニウム中間層とした以外は、No.1の場
合と同様にして各種サンプルを作製した。
以上のサンプルについて、以下に示すような特性値を測
定した。
(1)C/N比(保存劣化) 初期のC/N比と、60℃、90%RHにて1000時間保存後のC/N
比の変化量を下記の条件で測定した。
回転スピード 4m/sec 搬送周波数 500KHz 分解能 30KHz 記録パワー(830nm) 3〜4mW 再生パワー(830nm) 1mW (2)ビットエラーレート 初期と、60℃、90%RHにて1000時間保存後のEFM信号の
ビットエラーレートを測定した。
結果を表1に示す。
表1に示される結果より、本発明の効果が明らかであ
る。
すなわち、No.1〜No.4で示される本発明のものは、x1
x4より大きいので、C/N比、ビットエラーレート、これ
らの保存後の値のいずれも良好な結果を示す。特にNo.1
およびNo.2はx1/x4、xおよびyの値が最適範囲内にあ
るため、きわめてすぐれた結果を示し、x1/x4が3以
上、特に5以上、xが0.2〜1.0、特に0.2〜0.7、yが0.
6〜0.99であると、保存劣化の防止効果はきわめて大き
いことがわかる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の1例を示す光磁気記録媒体の断面図
である。 符号の説明 1……光磁気記録媒体、 2……基板、 3……窒化アルミニウム中間層、 4……磁性薄膜層、 5……保護層、 6……保護膜、 7……接着剤層、 8……保護板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製の基板上に窒化アルミニウムから形
    成される中間層を有し、この中間層上に希土類−遷移金
    属の磁性薄膜層を有する光磁気記録媒体において、 上記中間層が酸素を含有し、上記中間層における基板側
    酸素含有量が磁性薄膜層側のそれと比べ大きいことを特
    徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】窒化アルミニウム中間層の基板側から1/4
    までの位置の窒化アルミニウム中間層中のO/Al原子比
    が、磁性薄膜層側から1/4までの位置の窒化アルミニウ
    ム中間層中のO/Al原子比の3倍以上である特許請求の範
    囲第1項に記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】窒化アルミニウム中間層の層全体の平均の
    O/Al原子比が0.2〜1.0である特許請求の範囲第1項また
    は第2項に記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】窒化アルミニウム中間層の層全体の平均の
    N/Al原子比が0.6〜0.99である特許請求の範囲第1項な
    いし第3項のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】樹脂製の基板がポリカーボネート樹脂であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載
    の光磁気記録媒体。
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