JPH0797065A - 多品種材料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異種材料の混入を完全に防止しながら、コン
パクトで安価な構成とし、設置スペースを小さくする。 【構成】 複数品種の材料を品種毎に各々収容可能でか
つそれぞれに切出手段１２を備えた複数のホッパー８
と、各切出手段１２の排出端の下方位置を通るガイドレ
ール１８に沿って移動可能な可動台１９と、可動台１９
上に着脱自在に載置されるとともに切出手段１２の排出
端から排出された材料を収容するカップ２２と、ガイド
レール１８の一端で可動台１９上のカップ２２を受け取
り、別の所定位置に搬送してカップ２２内の材料を供給
し、空になったカップ２２を可動台１９上に戻すカップ
搬送部１０とを備え、カップ２２内に材料を収容し、そ
のカップ２２を移送して材料を供給するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数品種の材料を異種
材料同士が混合する恐れなく供給できる多品種材料供給
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、組立装置等に対して複数品種の
部品を供給するための部品供給装置は、複数の部品をそ
れぞれ収容するホッパーなどの複数の部品収容手段と、
任意の部品収容手段から排出された部品を組立装置等に
供給するためのベルトコンベアなどの無端搬送手段とか
ら構成されるのが一般的である。

【０００３】ところが、複数の部品収容手段から単一の
無端搬送手段にて組立装置等に部品を搬送供給するよう
にすると、異種部品同士が混合する恐れがあるため、異
種部品の混合を絶対に避ける必要がある場合にはそれぞ
れ各別に無端搬送手段を設ける必要があって設備コスト
が高くなり、特に複数の部品収容手段から複数の組立装
置に部品を供給する場合などには、設備が大掛かりとな
って設備費が莫大なものとなってしまう。

【０００４】そこで、複数の部品をそれぞれ収容する複
数の部品収容手段を往復移動可能な可動ベース上に配設
し、任意の部品収容手段が停止可能な位置にバケット方
式の搬送手段を設け、任意の部品収容手段に収容された
部品をバケット方式の搬送手段にて組立装置等に供給す
るようにした部品供給装置が提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように可動ベース上に複数の部品収容手段を配設した構
成では、容積及び重量の大きな部品収容手段を複数配設
した可動ベースを往復移動させる必要があり、可動ベー
スの移動案内装置及び駆動装置が大型設備になるととも
に部品収容手段を並設した場合のスペースの約２倍のス
ペースが必要となり、部品品種の数が多くなると極めて
大きなスペースと設備が必要になるという問題がある。

【０００６】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、異種材料の混入を完全に防止できるとともに、コン
パクトで安価な構成で設置スペースが小さくて済む多品
種材料供給装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数品種の材
料を品種毎に各々収容可能でかつそれぞれに切出手段を
備えた複数のホッパーと、各切出手段の排出端の下方位
置を通る移動経路に沿って移動可能な可動台と、可動台
上に着脱自在に載置されるとともに切出手段の排出端か
ら排出された材料を収容するカップと、移動経路の所定
位置で可動台上のカップを受け取り、別の所定位置に搬
送してカップ内の材料を供給し、空になったカップを可
動台上に戻すカップ搬送手段とを備えたことを特徴とす
る。

【０００８】

【作用】本発明によれば、任意のホッパーの切出手段の
排出端に対応する位置にカップを載置した可動台を移動
させ、切出手段にてそのカップ内に材料を投入した後、
可動台を所定位置に移動させ、カップ搬送手段にて可動
台上のカップを受け取り、カップ搬送手段にて別の所定
位置までカップを搬送してカップ内の材料を供給し、空
になったカップを元の可動台上に戻すという動作を繰り
返すことにより、任意のホッパー内の材料を１回づつカ
ップに収容してそのカップを搬送するので異種材料が混
入する恐れは全くなく、かつ複数のホッパーは固定して
配設し、その前にカップを載置して移動する可動台を配
設するだけでよいのでコンパクトで安価な構成になると
ともに設置スペースも小さくて済む。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例の多品種部品供給装
置を適用した組立設備について図１〜図９を参照して説
明する。

【００１０】まず、組立設備の全体的な配置構成を図１
を参照しながら説明すると、１は組立装置であり、品種
の異なった部品をそれぞれ受け入れる複数（図では３
つ）の受け入れ部２を備え、受け入れた部品を順次組み
立てるように構成されている。

【００１１】この組立装置１は複数配設され、その上部
に各部品をそれぞれの受け入れ部２に投入する配送装置
３が配設されている。配送装置３は移送ライン４に沿っ
て移動可能なバケット５を備え、移送ライン４の一端部
でバケット５内に部品を受けて移送し、その部品を所望
の組立装置１の受け入れ部２にそれぞれのシュート６を
介して投入するように構成されている。

【００１２】７は部品供給装置で、それぞれ品種の異な
った部品を収容した複数（図では３つ）のホッパー８
と、任意のホッパー８内の部品を後述のカップ内に受け
て所定位置に移送する水平移送部９と、所定位置で水平
移送部９からカップを受け取って配送装置３の一端部ま
で垂直搬送し、カップ内の部品をバケット５内に投入供
給するカップ搬送部１０とを備えている。

【００１３】３つのホッパー８は、図２、図４及び図５
に示すように、互いに隣接して並列配置され、その上部
には各ホッパー８に部品を投入するときに隣りのホッパ
ー８に混入するのを防止する仕切板１１が設けられてい
る。各ホッパー８の下端には振動フィーダから成る切出
手段１２が設けられ、その排出端は上部が枢支軸１４に
て揺動可能に支持された蓋体１３にて開閉可能に閉じら
れている。切出手段１２の排出端の両側には遮蔽板１５
が配設され、枢支軸１４の両端がこの遮蔽板１５にて支
持されるとともに、遮蔽板１５の下部に排出された部品
を案内する排出ガイド１６が設けられている。１７は蓋
体１３を開閉するシリンダである。

【００１４】水平移送部９は、図２〜図５に示すよう
に、各ホッパー８の排出ガイド１６の下方位置を通るガ
イドレール１８と、このガイドレール１８に沿って移動
可能な可動台１９にて構成されている。各排出ガイド１
６に対応させてガイドレール１８の側部に被検出体２０
が配設されるとともにこれを検出する検出手段２１が可
動台１９に設けられ（図２、図４参照）、所望の排出ガ
イド１６位置で可動台１９を停止させるように構成され
ている。可動台１９上には、部品を収容して搬送するた
めのカップ２２を着脱自在に載置するカップ保持部２３
が設けられ、かつこのカップ保持部２３上のカップ２２
の有無を検出する検出センサ２４（図４参照）が設けら
れている。カップ保持部２３又はカップ２２の底面に
は、カップ２２を確実に保持するために磁石（図示せ
ず）が設けられている。又、可動台１９の上面に固定さ
れたブラケット２５に、カップ２２内に所定量の部品が
収容されたときにそれを検出するセンサ２６（図２、図
３参照）が取付けられている。カップ２２のカップ搬送
部１０側の側面には、上下一対の倒立鍵穴状の係合穴２
８を有する保持ブラケット２７（図２、図５参照）が取
付けられている。

【００１５】カップ搬送部１０は、図６〜図９に示すよ
うに、角柱からなる垂直支柱２９にて支持されており、
その下部に駆動プーリ３０（図２参照）が配設されると
ともに上部に従動プーリ３１が配設され、それらの間に
無端ベルト３２が巻き掛けられている。この無端ベルト
３２に昇降片３３が固定され、昇降片３３の両側にそれ
ぞれ保持ブラケット２７の係合穴２８内に挿入されて係
合する一対の係合ピン３４が取付けられている。詳しく
は、係合ピン３４はその先端に頭部３４ａを有し、この
頭部３４ａが係合穴２８の下部の大径穴２８ａ内に挿入
され、その状態で昇降片３３が上昇することにより係合
ピン３４の軸部３４ｂが係合穴２８の縦溝２８ｂに嵌入
係合するように構成され、これにより昇降片３３の上昇
に伴って保持ブラケット２７を介してカップ２２が保持
されて上方に搬送される。

【００１６】なお、垂直支柱２９の前面の両側にガイド
取付部材３５が固着され、これにガイド部材３６が取付
けられている。そして、無端ベルト３２に固定した固定
部材３７にガイド部材３６を挟持するように昇降片３３
が取付られており、これによって昇降片３３がガイド部
材３６にて昇降自在にガイドされている。又、駆動プー
リ３０には伝動プーリ３８が連結され（図２参照）、垂
直支柱２９の後部に配設された駆動モータ３９（図３参
照）にて駆動するように構成されている。

【００１７】また、図９に示すように、無端ベルト３２
にて固定部材３７及び昇降片３３を介して支持されて無
端ベルト３２の回動に伴って上昇してきたカップ２２
は、この従動プーリ３１の部分で反転され、内部に収容
されていた部品は、中間出口シュート４０に投下され、
出口シュート４１を介して配送装置３のバケット５に供
給される。なお、カップ２２は係合ピン３３と係合穴２
８の係合によって保持されているだけであるので、カッ
プ反転時にカップ２２が下方に移動して脱落するのを防
止するため、従動プーリ３１の軸芯回りに回転可能でか
つその先端に保持ブラケット２７の上端に対する係合部
を有する保持レバー４２が設けられ、この保持レバー４
２はバネ４３にて上昇してきたカップ２２の保持ブラケ
ット２７を受け止める位置に付勢されている。また、垂
直支柱２９の上部の従動プーリ３１は、垂直支柱２９に
対して上下位置調整可能なテンション部材４４に取付け
られ、無端ベルト３２の張力を保持できるように構成さ
れている。

【００１８】以上の構成において、任意の品種の部品を
供給する場合、その品種の部品を収容したホッパー８に
対応する排出ガイド１６の直下位置にカップ２２を載置
した可動台１９を移動させて位置決めし、次にシリンダ
１７にて蓋体１３を開くとともに切出手段１２を駆動し
てカップ２２内に部品を投入する。部品が所定量カップ
２２内に投入されるとセンサ２６にて検出され、切出手
段１２が停止するとともに、蓋体１３が閉じられる。

【００１９】カップ２２への部品投入が終了すると、可
動台１９はガイドレール１８の一端に移動する。その前
に予めカップ搬送部１０の昇降片３３がその下降限位置
に位置決めされており、可動台１９がガイドレール１８
の一端で停止すると、カップ２２の保持ブラケット２７
に設けた係合穴２８の大径穴２８ａに、昇降片３３に取
付けた係合ピン３４の頭部３４ａが挿入される。その状
態で駆動モータ３９にて無端ベルト３２を回動させて昇
降片３３を上昇させると、係合ピン３４の軸部３４ｂが
係合穴２８の縦溝２８ｂに嵌入して昇降片３３にてカッ
プ２２が保持され、昇降片３３の上昇に伴ってカップ２
２が垂直搬送される。

【００２０】カップ搬送部１０の上端部では無端ベルト
３２が従動プーリ３１に巻回されているので、昇降片３
３及びそれに保持されたカップ２２は従動プーリ３１の
周面に沿って回動し、カップ２２が反転してその状態で
無端ベルト３２は停止する。

【００２１】カップ２２内の部品は中間出口シュート４
０に向けて投下され、出口シュート４１を介して配送装
置３のバケット５内に供給され、配送装置３にて組立装
置１に供給される。

【００２２】カップ２２内の部品が投下されると、無端
ベルト３２が逆方向に回動されて昇降片３３とカップ２
２が下降し、昇降片３３がその下降限位置で停止する
と、カップ２２はガイドレール１８の一端で待機してい
た可動台１９上に載置され、かつ係合ピン３４の頭部３
４ａは係合穴２８の大径穴２８ａに対応位置する。従っ
て、可動台１９が再びホッパー８側に向けて移動を開始
すると、保持ブラケット２７と昇降片３３の係合は解除
される。以上の動作を繰り返すことにより、任意のホッ
パー８の部品を異種部品が混入する恐れなく、組立装置
１に供給することができる。

【００２３】本実施例によれば、以上のように任意のホ
ッパー８内の材料を１回づつカップ２２に収容してその
カップ２２を搬送するので異種材料が混入する恐れは全
くなく、かつ複数のホッパー８は固定して配設し、その
前にカップ２２を載置して移動する可動台１９を配設す
るだけでよいのでコンパクトで安価な構成になるととも
に設置スペースも小さくて済む。

【００２４】上記実施例では、可動台１９上のカップ２
２を受け取って搬送するカップ搬送手段として、昇降片
３３にカップ２２を係合保持させて垂直搬送するように
したカップ搬送部１０を例示し、さらにこのカップ搬送
部１０の上端でカップ２２内の部品を配送装置３に投下
し、この配送装置３を介して組立装置１に部品を供給す
るようにした例を示したが、カップ搬送手段は垂直に搬
送するものに限定されるものではなく、どのような経路
を通って搬送しても良く、また別の配送装置等を介する
ことなく、直接組立装置等に部品を供給するようにして
も良い。また、供給対象も部品に限らず、任意の材料を
供給する場合に適用できる。

【００２５】

【発明の効果】本発明の多品種材料供給装置によれば、
以上のように切出手段を備えた複数のホッパーと、各切
出手段の排出端の下方位置を通る移動経路を移動可能な
可動台と、可動台上に着脱自在に載置可能なカップと、
移動経路の所定位置で可動台上のカップを受け取り、別
の所定位置に搬送してカップ内の材料を供給し、空にな
ったカップを可動台上に戻すカップ搬送手段とを備えて
いるので、任意のホッパー内の材料を１回づつカップに
収容してそのカップを搬送するため、異種材料が混入す
る恐れは全くなく、かつ複数のホッパーは固定して配設
し、その前にカップを載置して移動する可動台を配設す
るだけでよいのでコンパクトで安価な構成になるととも
に設置スペースも小さくて済むという効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の部品供給装置を適用した組
立設備の全体配置構成を示す正面図である。

【図２】同実施例の部品供給装置の要部の正面図であ
る。

【図３】同実施例の部品供給装置の下部の平面図であ
る。

【図４】同実施例のホッパーと水平移送部の側面図であ
る。

【図５】同実施例の切出手段の排出端近傍部の拡大縦断
側面図である。

【図６】同実施例のカップ搬送部の要部の正面図であ
る。

【図７】同実施例のカップ搬送部の横断平面図である。

【図８】同実施例のカップ搬送部の要部の側面図であ
る。

【図９】同実施例のカップ搬送部の上端部を示し、
（ａ）は正面図、（ｂ）は側面図である。

【符号の説明】

７ 部品供給装置 ８ ホッパー ９ 水平移送部 １０ カップ搬送部 １２ 切出手段 １８ ガイドレール １９ 可動台 ２２ カップ ２７ 保持ブラケット ２８ 係合穴 ３３ 昇降片 ３４ 係合ピン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数品種の材料を品種毎に各々収容可能
   でかつそれぞれに切出手段を備えた複数のホッパーと、
   各切出手段の排出端の下方位置を通る移動経路に沿って
   移動可能な可動台と、可動台上に着脱自在に載置される
   とともに切出手段の排出端から排出された材料を収容す
   るカップと、移動経路の所定位置で可動台上のカップを
   受け取り、別の所定位置に搬送してカップ内の材料を供
   給し、空になったカップを可動台上に戻すカップ搬送手
   段とを備えたことを特徴とする多品種材料供給装置。