JPH0796865A - 乗用型芝刈り機のステップ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗用型芝刈り機におけるステップ構造の改良
により、ステップ部の前部に立設する操縦パネルの連結
強度を高めるとともに、ボンネットからステップ部に至
る間の一体感を現出して、商品価値を高められるように
する。。 【構成】 運転座席９の前方部位にエンジンルームの後
部を構成する操縦パネル１１を設置し、この操縦パネル
１１の前部にボンネット１２を配備し、運転座席９の前
方下方箇所に操縦パネル１１およびボンネット１２より
広幅のスッテップ部７ａを設置した乗用型芝刈り機にお
いて、操縦パネル１１の下端部左右に張出し部１１ｄを
形成するとともに、この張出し部１１ｄを機体フレーム
５側への連結部に構成し、かつ、前記張出し部１１ｄ
を、運転座席９の前方下部に配備したステップ部７ａの
左右前端部に連なる前上がり形状に構成し、ボンネット
１２の後端下部の左右に、前記操縦パネル１１の張出し
部１１ｄの外形に合致して連なる張出し部１６ｅを一体
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主としてミッドマウン
ト式の乗用型芝刈り機におけるステップ構造の改良に関
する。

【０００２】

【従来の技術】ミッドマウント式の乗用型芝刈り機は、
機体前部にエンジンを搭載するとともに、機体後部に運
転座席を設置し、前後車輪間にモーアを装備した構造と
なっており、そのステップ構造は、例えば特開平４‐３
１１６６６号公報や特開平５‐２３０３０号公報に開示
されているように、運転座席の前方下部に操縦パネルよ
り広幅のスッテプ部を配備するとともに、このスッテプ
部の左右前端を操縦パネルの下部を左右外側から抱き込
むように水平あるいは前上がりに延長し、この延長部分
を着座した運転者の足載せに使用するよう構成してい
る。又、必要に応じてスッテプ部の左右前端に更に泥除
けを付設することもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したステップ構造
においては、操縦パネルの左右両側に運転者の足が伸ば
されるので、操縦パネルはステップ部の横幅より当然狭
いものとなる。従って、この操縦パネルの下端を機体フ
レームに連結するとすると、操縦パネル横幅があまり大
きくないために高い強度（特に横方向への強度）で連結
することが困難となり、これを補うために種々の補強構
成を付加する必要が生じ、部品点数や組立工数の増加に
伴う製作コストの増大を招くものであった。又、従来構
造では、スッテプ部の左右前端が操縦パネルの下部を左
右外側から抱き込むように延長されているだけであるた
めに、ボンネット、操縦パネル、および、スッテプ部の
一体感が乏しく、例えば、ボンネットと操縦パネルとを
如何にデザインしてもスッテプ部とは別体の感を免れ
ず、全体として流麗感に欠けた外観になりやすく、商品
価値を高める上で改良の余地があった。本発明は、この
ような点に着目してなされたものであって、ステップ部
に比較的簡単な改良を施すことで、上記従来ステップ構
造に見られた上記不具合を解消することを目的としてい
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本第１発明の特徴構成
は、機体前部にエンジンを搭載するとともに、機体後部
に運転座席を設置し、この運転座席の前方部位にエンジ
ンルームの後部を構成する操縦パネルを設置し、この操
縦パネルの前部に前記エンジンを覆うボンネットを配備
し、運転座席の前方下方箇所に操縦パネルおよびボンネ
ットより広幅のスッテップ部を設置した乗用型芝刈り機
において、前記操縦パネルの下端部左右に張出し部を形
成するとともに、この張出し部を機体フレーム側への連
結部に構成し、かつ、前記張出し部を、運転座席の前方
下部に配備したステップ部の左右前端部に連なる前上が
り形状に構成し、前記ボンネットの後端下部の左右に、
前記操縦パネルの張出し部の外形に合致して連なる張出
し部を一体形成してある点にある。

【０００５】本第２発明の特徴構成は、上記第１発明の
構成において、前記ステップ部と後車輪フェンダー部と
を一体形成してある点にある。

【０００６】

【作用】本第１発明の特徴構成によると、操縦パネルの
左右に拡がった張出し部を機体フレーム側へ連結するの
で、操縦パネルの下部を左右に大きいスパンをもって取
付けることができる。又、着座した運転者の足載せおよ
び泥除けとして機能する操縦パネルの張出し部は、ボン
ネットの後端下部に形成した張出し部に連なるので、ボ
ンネットの後端下部からステップ部へ滑らかに連なるラ
インが平面および側面に現出されることになる。本第２
発明の特徴構成によると、ボンネットの後端下部からス
テップ部および後車輪のフェンダー部に至る流れるよう
なラインが機体全長に亘ってもたらされる。

【０００７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次のような効果が機体できる。第１発明によ
ると、ステップ部より幅狭となる操縦パネルをその左右
下端に形成した足載せおよび泥除け形成用の張出し部を
幅広い連結部に有効に利用して機体フレームに高い剛性
で取付けることができ、補強構造や組立工数の節減に有
効となる。又、ボンネットの後端下部からステップ部へ
滑らかに連なるラインが操縦パネル下部とボンネット後
端下部の張出し部によって形成されるので、一体感の高
いデザイン的に優れた外観をもたらし、商品価値を高め
るのに有効となる。

【０００８】第２発明によると、上記第１発明の効果に
加えて、ボンネット、操縦パネル、スッテプ部、およ
び、フェンダー部に亘る連続ラインがさらに強調され、
流麗でスマートな外観をもたらして商品価値を一層高め
ることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明をミッドマウント式の乗用型芝
刈り機に適用した一実施例を図面に基づいて説明する。
図１に示すように、ミッドマウント式の乗用型芝刈り機
は、操向前車輪１と駆動後車輪２を備えた四輪走行式の
走行機体３の前後車輪１，２間にモーア４を昇降操作可
能に吊り下げ装備して構成されており、走行機体３にお
ける左右一対の機体フレーム５の前部にエンジン６が搭
載されるとともに、機体の前後中間部から後部にかけて
フェンダー部材７がサスペンション機構８を介して機体
フレーム５に装着されている。このフェンダー部材７は
ステップ部７ａと後車輪フェンダー部７ｂとを一体化し
て構成したものであり、後車輪フェンダー部７ｂの上面
の左右中央に運転座席９が前後調節可能に設置されてい
る。前記エンジン６は縦軸型のものが使用され、その下
向き出力軸６ａと機体後部に設けた図示しない後車輪駆
動用変速装置とがベルト連動されるとともに、前記出力
軸６ａとモーア４とがベルト連動されている。

【００１０】前記エンジン６を収納するエンジンルーム
は、運転座席２の前部において機体フレーム５に立設し
た操縦パネル１１と、その前部に設けたボンネット１２
とによって構成されている。

【００１１】前記操縦パネル１１は、パネル本体部１１
ａ、ステアリングハンドル１３のハンドルポスト１３ａ
を挿通する膨出部１１ｂ、計器パネル部１１ｃを樹脂成
型によって一体形成したものであり、パネル本体部１１
ａの正面と左右側面に冷却風取り入れ用のスリット１４
が形成されるとともに、パネル本体部１１ａの下端左右
部が外方に張出し形成され、このパネル本体部１１ａの
下端が機体フレーム５に備えたステー１５ａにボルト連
結されている。そして、パネル本体部１１ａの下端左右
部に形成した張出し部１１ｄが、前記フェンダー部材７
におけるステップ部７ａの左右前端に連なる前上がり形
状の足置きとなるように構成されるとともに、左右の張
出し部１１ｄも機体フレーム５に架設したステー１５ｂ
の左右延出部にボルト連結されている。

【００１２】前記ボンネット１２は、樹脂成型された下
部ボンネット１６と上部ボンネット１７とで構成されて
いる。下部ボンネット１６は、前壁部１６ａと下すぼま
り状に対向する左右の側壁部１６ｂとを備え、前壁部１
６ａには換気用のグリル１６ｃが形成されている。ま
た、上部ボンネット１７は、上壁部１７ａと前壁部１７
ｂと上すぼまり状に対向する左右の側壁部１７ｃとを備
え、前壁部１７ｂには前照灯１８が装着されている。

【００１３】そして、機体フレーム５の前部に立設した
アーチ型の支持部材１９の上辺に、下部ボンネット１６
の前壁部１６ａから延出した取り付け部１６ｄがボルト
２０で連結されるとともに、下部ボンネット１６におけ
る後端下部が外方に張出し形成され、この張出し部１６
ｅが操縦パネル９の下端左右部に形成した張出し部９ｄ
と合致して連なるように構成されている。又、この下部
ボンネット１６における後部の下端左右が前記操縦パネ
ル１１の張出し部１１ｄに側方からボルト２１で着脱自
在に連結されるとともに、下部ボンネット１６における
後部の上端左右が操縦パネル１１にボルト２２で着脱自
在に連結されている。

【００１４】上部ボンネット１７前部における前照灯ボ
ックス１７ｄの底部に左右一対のヒンジ部材２３がボル
ト２４で連結され、このヒンジ部材２３の遊端が前記支
持部材１９の上部左右に備えた取付け片１９ａに支点Ｐ
を中心に上下回動可能に枢支され、エンジンオイルの補
充や点火プラブの交換、等の簡単な点検整備はこの上部
ボンネット１７を支点Ｐ周りに開閉することで行えるよ
うになっている。

【００１５】又、前記ボルト２０，２１，２２を外し
て、下部ボンネット１６を前方に引出してボンネット１
２全体を取り外すことで、エンジンルームを大きく開放
することができ、エンジン下部の点検整備やエンジン取
り外し、等の大がかりな点検整備が可能となっている。

【００１６】尚、上部ボンネット１７の下端縁は、固定
された下部ボンネット１６の上端縁に数ミリメートルの
間隙ｓをもって被さるように構成されており、この間隙
ｓが外気流入口に利用できるようになっている。

【００１７】又、上部ボンネット１７にヒンジ部材２３
を連結するボルト２４の座がね２５を、前照灯ボックス
１７ｄの内底面をおおきく覆う形状に構成するととも
に、その上面を光沢面にすることで、前照灯１８の反射
板の機構を発揮させるようにしてある。

【００１８】〔別実施例〕 前記エンジン６としては、ラジエータを装備した縦
軸型の水冷ディーゼルエンジンを使用することもでき、
この場合は、上部ボンネット１７と下部ボンネット１６
との間隙ｓをエンジンルーム内の熱気をラジエータ排風
とともに機外に排出する換気口として利用できる。 前記ボンネット１２を、全体が一体型のものにして
実施することも可能である。 ステップ部７ａと後車輪フェンダー部７ｂとが別体
で構成して実施することもでき、この場合、上記実施例
のように機体全長に亘る流麗なラインは得難いが、ボン
ネット１２からステップ部７ａに亘る一体感を現出する
ことは可能である。

【００１９】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】乗用型芝刈り機の全体側面図

【図２】乗用型芝刈り機の全体平面図

【図３】エンジンルーム後部の縦断側面図

【図４】エンジンルーム後部の横断平面図

【図５】操縦パネルの後面図

【図６】操縦パネルの側面図

【図７】操縦パネルの平面図

【図８】ボンネット前部の縦断後面図

【図９】ボンネット前部の縦断側面図

【符号の説明】

５ 機体フレーム ６ エンジン ７ａ ステップ部 ７ｂ 後車輪フェンダー部 ９ 運転座席 １１ 操縦パネル １１ｄ 張出し部 １６ｅ 張出し部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体前部にエンジン（６）を搭載すると
   ともに、機体後部に運転座席（９）を設置し、この運転
   座席（９）の前方部位にエンジンルームの後部を構成す
   る操縦パネル（１１）を設置し、この操縦パネル（１
   １）の前部に前記エンジン（６）を覆うボンネット（１
   ２）を配備し、運転座席（９）の前方下方箇所に操縦パ
   ネル（１１）およびボンネット（１２）より広幅のスッ
   テップ部（７ａ）を設置した乗用型芝刈り機において、 前記操縦パネル（１１）の下端部左右に張出し部（１１
   ｄ）を形成するとともに、この張出し部（１１ｄ）を機
   体フレーム（５）側への連結部に構成し、かつ、前記張
   出し部（１１ｄ）を、運転座席（９）の前方下部に配備
   したステップ部（７ａ）の左右前端部に連なる前上がり
   形状に構成し、 前記ボンネット（１２）の後端下部の左右に、前記操縦
   パネル（１１）の張出し部（１１ｄ）の外形に合致して
   連なる張出し部（１６ｅ）を一体形成してある乗用型芝
   刈り機のステップ構造。
2. 【請求項２】 前記ステップ部（７ａ）と後車輪フェン
   ダー部（７ｂ）とを一体形成してある請求項１記載の乗
   用型芝刈り機のステップ構造。