JPH0796706B2 - 膜形成装置のシヤツタ機構 - Google Patents

膜形成装置のシヤツタ機構

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JPH0796706B2
JPH0796706B2 JP62124028A JP12402887A JPH0796706B2 JP H0796706 B2 JPH0796706 B2 JP H0796706B2 JP 62124028 A JP62124028 A JP 62124028A JP 12402887 A JP12402887 A JP 12402887A JP H0796706 B2 JPH0796706 B2 JP H0796706B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基板表面にスパツタ,蒸着等により膜を形成
するのに用いられる膜形成装置のシヤツタ機構に関す
る。
〔従来の技術〕
半導体装置をはじめとする各種電子部品においては、導
電物質,誘電体物質,半導体物質等の膜を用いるものが
多い。このような膜の形成のため、スパツタリングや蒸
着による膜形成装置が提案されている。この膜形成装置
を第3図および第4図(a),(b)により説明する。
第3図は従来の膜形成装置の側面図、第4図(a),
(b)は第3図に示すシヤツタの平面図である。各図
で、1は真空容器、1aは真空容器1の一方の側壁に設け
られたガス導入口、1bは真空容器1の他方の側壁に側壁
に設けられた排気口である。2a,2bはそれぞれ外部から
真空容器1内に挿入されたカソード電極、3a,3bはそれ
ぞれカソード電極2a,2b上に固定されたターゲツトであ
る。4は膜が形成されるべき基板を保持するホルダ、5
はホルダ4の回転軸、6はホルダ4に固定された膜が形
成されるべき基板を示す。7は第4図(a),(b)に
示されるような円板形状のシヤツタであり、前記各基板
6と対応する位置に円形の開口7aが形成されている。こ
のシヤツタ7は各ターゲット3a,3bとホルダ6との間に
位置せしめられる。8はシヤツタ7の回転軸、9はシヤ
ツタ7を回転軸8に取付けるカツプリングである。
真空容器1を真空とし、電極2a,2bに電源を接続した状
態で、ガス導入口1aから真空容器1内にガスを導入する
と、このガスは各ターゲツト3a,3b上でプラズマ上し、
プラズマ中のイオンがターゲツト3a,3bに衝突し、ター
ゲツト物質より成るスパツタ粒子が放出するスパツタ現
象が発生する。第3図中、プラズマは符号10で、又、ス
パツタ粒子は符号11で示されている。
ここで、ターゲツト3a,3bは異なる物質で構成され、か
つ、ホルダ4は高速で、シヤツタ7は低温で回転せしめ
られるものとする。この場合、シヤツタ7の開口7aが第
4図(a)に示されるようにターゲツト3a上にある間、
ターゲツト3aからのスパツタ粒子11は開口7aを通過して
飛散する。したがつて、この間にホルダ4が少なくとも
1回転すると、各基板の6の表面には開口7aからのスパ
ツタ粒子11が付着し、ターゲツト3aを構成する物質の薄
膜が形成される。さらにシヤツタ7が回転して開口7aが
ターゲツト3bに達すると、開口7aからはターゲツト3bか
らのスパツタ粒子11が飛散し、各基板6の表面に形成さ
れた前記薄膜上に、今度はターゲツト3bを構成する物質
の薄膜が形成される。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、近年の各種技術の発達に伴ない、基板上に形
成される膜に対してもより高い均質性や所望の膜厚が要
求されるようになつている。しかしながら、上記従来技
術ではこのような成膜の均質性や所望の膜厚を得ること
は困難であつた。まず、成膜の均質性について第4図
(b)を参照して説明する。ターゲツト3aを構成する物
質の膜形成が終了し、次いでターゲット3bを構成する物
質の膜を形成すべくシヤツタ7が回転した場合、開口7a
はこれに伴つて移動する。今、開口7aがターゲツト3a,3
bの中間付近にある第4図(b)に示す場合について考
える。ターゲツト3a,3bからは常時スパツタ粒子11が飛
散しているが、このスパツタ粒子11は単に上方に飛散す
るだけでなく八方に飛散している。したがつて、第4図
(b)に示すように開口7aがターゲツト3a,3b上になく
ても、各ターゲツト3a,3bからのスパツタ粒子11は図の
矢印のようにシヤツタ7の下面を廻り込み、開口7aから
放出される。このため、高速で回転しているホルダ4上
の各基板6には、ターゲツト3a,3bを構成する両物質の
粒子が付着することになり、1つの膜層に他物質が混在
し、結局、膜の均質性は著るしく損われる。
次に、所望の膜厚について考える。上記従来の装置にお
いて、例えばターゲット3aを構成する物質の薄膜を0.1
μ、ターゲット3bを構成する物質の薄膜を0.5μで成膜
形成するものとする。これを達成するには、シヤツタ7
を開口7aがターゲツト3a上にあるときは高速で、又、開
口7aがターゲツト3b上にあるときは低速で回転させる
か、あるいは、シヤツタ7をターゲツト3a上で一定時
間、例えば0.1秒停止させ、ターゲツト3b上で0.5秒停止
させればよい。しかしながら、シヤツタ7はホルダ4と
ほぼ同じ大きさの面積を持つことになるので、その重量
も相当大きい。このため、この重量による慣性が大き
く、シヤツタ7の回転速度の正確な変更や、その起動、
停止の正確な制御は極めて困難であり、したがつて、従
来の装置では所望の膜厚を自由に得ることは困難であつ
た。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、膜の均
質性を高めることができ、又、所望の膜厚に形成するこ
とができる膜形成装置のシヤツタ機構を提供するにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明は、膜を形成すべき
基板を取付けて高速回転するホルダと、このホルダの前
記基板取付面と対向して配置された複数の膜形成粒子発
生源と、前記ホルダと前記膜形成粒子発生源との間に介
在し、当該膜形成粒子発生源を覆い、かつ、一部に当該
膜形成粒子発生源からの粒子を通過させる開口部を有す
るシャッタと、このシャッタを前記開口部が順次前記各
膜形成粒子発生源と対向するように回転駆動する駆動機
構とを備えた膜形成装置において、前記開口部を覆うの
に充分なだけの大きさを有し、かつ、前記複数の膜形成
粒子発生源のうちの所要のものによる膜形成終了直後か
ら次の膜形成粒子発生源による膜形成開始直前までの間
のみ前記シャッタとともに移動してその開口部を閉じる
他のシャッタと、当該他のシャッタを駆動する他の駆動
機構とを設けたことを特徴とする。
〔作用〕
シヤツタの開口部の開,閉は他のシヤツタにより行な
う。当該他のシヤツタはシヤツタの開口部を覆うことが
できるだけの面積をもてばよいので質量が小であり慣性
も小さく、上記開口部の開閉制御は容易である。又、シ
ヤツタの開口部が1つのターゲツトから他のターゲツト
に移動するとき他のシヤツタで開口部を閉じておく。こ
れにより、スパツタ粒子の廻り込みを防ぐことができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明の実施例に係るシヤツタ機構を用いた膜
形成装置の側面図、第2図(a),(b),(c)は第
1図に示す各シヤツタの平面図である。各図で第1図に
示す部分と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。本実施例では第2図(a)〜(c)に示すようにタ
ーゲット3a,3bの他に、さらに1個のターゲット3cが備
えられている。ターゲット3cは第1図には現われていな
い。15はシヤツタ7の下面に位置して設けられた他のシ
ヤツタであり、第2図(a)〜(c)に示すように扇形
形状を有する。このシヤツタ15はシヤツタ7の開口7aを
充分に覆うだけの面積に形成されている。16はシヤツタ
15を回転せしめる中空回転軸であり、回転軸8が挿入さ
れ、これと中心軸が同じである。17はシヤツタ15と中空
回転軸16とを結合するカツプリング、18は中空回転軸16
を可回転に支持するベアリング、19,20はギア、21に副
回転軸である。
次に、本実施例の動作を説明する。今、基板6にターゲ
ット3a,3b,3cを構成する物質の薄膜を順に同一膜厚に形
成する場合について説明する。まず、第2図(a)に示
すように、シヤツタ7はその開口7aがターゲツト3a上に
到達するまで反時計方向に回転され、ターゲツト3a上に
到達したとき停止せしめられる。このとき、シヤツタ15
は開口7aの時計方向側において停止している。この状態
で、ターゲット3aを構成する物質のスパツタ粒子11は開
口7aから上方に飛散し、各基板6に付着してその膜を形
成する。所定の膜厚を形成する時間(例えば0.1秒)が
経過すると、シヤツタ15が反時計方向に駆動され、第2
図(b)に示すように開口7aを覆う。これにより、ター
ゲツト3aを構成する物質の薄膜形成は中止せしめられ
る。このようなシヤツタ15の短時間の駆動は、シヤツタ
15がシヤツタ7に対して遥かに軽量で慣性が小さいた
め、容易に制御することができる。
次いで、シヤツタ7とシヤツタ15は、シヤツタ15が開口
7aを覆つた状態のままで反時計方向に回転せしめられ
る。したがつて、いずれのターゲツトからのスパツタ粒
子の廻り込みも防止される。この回転が継続され、シヤ
ツタ15の進行方向縁部がターゲツト3bの手前に到達した
とき、シヤツタ15は停止せしめられる。しかし、シヤツ
タ7はそのまま回転を継続する。開口7aがターゲツト3b
に対向する位置に到達したとき、シヤツタ7は停止せし
められる。その後、さきの場合と同様に所定時間(0.1
秒)後にシヤツタ15が開口7aを覆うが、当該所定時間の
間にターゲツト3bを構成する物質の薄膜が基板6におけ
るさきに形成された薄膜上に重ねて形成される。ターゲ
ツト3cを構成する物質の薄膜を形成する場合も同様の動
作が繰返えされる。
上記の薄膜形成動作において、異なる膜厚も形成する必
要がある場合は、シヤツタ15で開口7aを覆う時間を調整
すればよいのは明らかである。そして、このような調整
は、シヤツタ15が軽量であることから容易に行なうこと
ができる。
又、3つのターゲツトのうちの1つあるいは2つのター
ゲツト物質の薄膜を順次形成する場合や、これらのター
ゲツト物質の薄膜を所定の順で選択的に形成する場合に
は、使用しないターゲツト上には停止しないで、シヤツ
タ15が開口7aを覆つた状態で通過させてやればよい。
さらに、上記の例では、シヤツタ7を一旦停止させる例
について述べたが、連続して回転するようにしても、シ
ヤツタ15をこれに応じて回転制御すれば同様の結果を得
ることができる。
さらに又、膜質について厳しい均一性が要求されていな
い場合は、シヤツタ15を不用のターゲツト上に位置せし
めればよいし、この場合3つのターゲツト物質の薄膜を
形成するときはシヤツタ15をシヤツタ7の開口7a以外の
個所に位置せしめて両者を一体に回転せしめればよい。
又、薄膜形成を停止する場合はシヤツタ15で開口7aを覆
い、この状態で両者を一体に回転せしめればよい。
このように、本実施例では、シヤツタの開口を充分に覆
うだけの面積の慣性の小さいシヤツタを別に設け、この
シヤツタを駆動制御して開口又はターゲツトを開閉又は
覆うようにしたので、容易に成膜の所定の薄膜を得るこ
とができる。又、開口を覆うシヤツタの回転軸を開口を
有するシヤツタの回転軸と同軸に設けたので、ターゲツ
トの数がいくつであつても充分に対応することができ構
造もコンパクトになる。
なお、上記実施例の説明では、スパツタ手段による膜形
成の例を述べたが、スパツタ手段だけでなく蒸着手段に
よる膜形成にも適用可能である。又、開口を覆うシヤツ
タは開口を有するシヤツタの下面に設けたが、上面に配
置することもできるのは明らかである。さらに、ターゲ
ツトの数は3つに限らず、2つであつても4つ以上であ
つてもよい。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明では、シャッタの開口部を覆
うのに充分なだけの大きさを有する他のシヤツタを設
け、当該他のシャッタで、上記開口部を、膜形成時に開
きそれ以外のとき閉じるようにしたので、上記他のシャ
ッタを軽量としてその慣性を小さくし、膜形成を行なわ
ないとき迅速に開口部を覆うことができ、これにより開
口部の開口時間を正確に制御することができ、所望の膜
厚を得ることができる。さらに、膜形成を行なわないと
き他のシャッタで開口を覆うことにより、膜の均質性を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例に係るシヤツタ機構を用いた膜
形成装置の側面図、第2図(a),(b),(c)は第
1図に示す各シヤツタの平面図、第3図は従来の膜形成
装置の側面図、第4図(a),(b)は第3図に示すシ
ヤツタの平面図である。 1……真空容器、3a,3b,3c……ターゲツト、4……ホル
ダ、6……基板、7,15……シヤツタ、7a……開口、8,16
……回転軸。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜を形成すべき基板を取付けて高速回転す
    るホルドと、このホルダの前記基板取付面と対向して配
    置された複数の膜形成粒子発生源と、前記ホルダと前記
    膜形成粒子発生源との間に介在し、当該膜形成粒子発生
    源を覆い、かつ、一部に当該膜形成粒子発生源からの粒
    子を通過させる開口部を有するシヤツタと、このシヤツ
    タを前記開口部が順次前記各膜形成粒子発生源と対向す
    るように回転駆動する駆動機構とを備えた膜形成装置に
    おいて、前記開口部を覆うのに充分なだけの大きさを有
    し、かつ、前記複数の膜形成粒子発生源のうちの所要の
    ものによる膜形成終了直後から次の膜形成粒子発生源に
    よる膜形成開始直前までの間のみ前記シヤツタとともに
    移動してその開口部を閉じる他のシヤツタと、当該他の
    シヤツタを駆動する他の駆動機構とを設けたことを特徴
    とする膜形成装置のシヤツタ機構。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記他の
    駆動機構の回転軸は、前記駆動機構の回転軸と同軸関係
    に配置されていることを特徴とする膜形成装置のシヤツ
    タ機構。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、前記他の
    シヤツタは、扇形形状であることを特徴とする膜形成装
    置のシヤツタ機構。
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