JPH0796548B2 - アミノ置換ラクタム化合物 - Google Patents

アミノ置換ラクタム化合物

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JPH0796548B2
JPH0796548B2 JP62081954A JP8195487A JPH0796548B2 JP H0796548 B2 JPH0796548 B2 JP H0796548B2 JP 62081954 A JP62081954 A JP 62081954A JP 8195487 A JP8195487 A JP 8195487A JP H0796548 B2 JPH0796548 B2 JP H0796548B2
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野および発明の目的 本発明は血圧降下作用を表わす医薬およびその重要合成
中間体として有用である新規なアミノ置換ラクタム化合
物に関するものである。
本発明者等は、血圧降下剤の研究開発を目的として合成
研究を行ない、後記一般式〔I〕を有する新規化合物が
アンジオテンシン変換酵素に対する阻害活性を有し、静
脈内投与あるいは経口投与によつて持続性を表わす高血
圧症治療剤として有用であることを見出して本発明を完
成した。
発明の構成 本発明は、一般式 (式中、R1およびR2は同一または異なつて水素原子、低
級アルキル基またはアミノ基の保護基を示し、R3および
R5は同一または異なつて水素原子またはカルボキシ基の
保護基を示し、R4は炭素数1乃至6個のアルキル基、フ
エニル基、ナフチル基または1乃至3個の窒素原子、酸
素原子若しくは硫黄原子を含有する5員複素環基を示
し、Aは炭素数1乃至8個のアルキレン基を示し、Bは
炭素数1又は2個のアルキレン基を示し、Yは硫黄原子
またはメチレン基を示す。) で表わされるアミノ置換ラクタム化合物およびその薬理
上許容される塩に関するものである。
前記一般式〔I〕で表わされる化合物は、星印(*)で
表わされる位置(場合によつてはその他の位置)に不斉
炭素原子を含有するので、光学的に純粋なジアステレオ
異性体、ジアステレオ異性体のラセミ体またはジアステ
レオ異性体の混合物が存在し得る。本発明はこれら異性
体のいずれの形態も包含することができる。
次に、前記一般式〔I〕中の置換基R1,R2,R3,R4,R5,Aお
よびBについて具体的に説明する。
R1およびR2における低級アルキル基は、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル等の炭素数1乃至3個のア
ルキル基であり、またR1およびR2におけるアミノ基の保
護基は、有機合成化学で一般によく知られている保護基
であり、例えば2,2,2−トリクロルエトキシカルボニ
ル、2−ヨードエトキシカルボニル、トリメチルシリル
エトキシカルボニル、2−(p−トルエンスルホニル)
エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アリ
ルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−
メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル等のようなアルコキシカルボニル
基、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、クロルアセチ
ル、トリフルオロアセチル等のアシル基、N−フタロイ
ル、N−2,3−ジフエニルマレイニル等の環式ジアシル
基、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、ベンジ
ル、3,4−ジメトキシベンジル、トリチル等の置換メチ
ル基、イソプロピリデン、ベンジリデン、サリチリデン
等のアルキリデンまたはアラルキリデン基、1−メチル
−2−アセチルビニル、1−メチル−2−ベンゾイルビ
ニル等のアシルビニル基およびトリメチルシリル、tert
−ブチルジメチルシリル等のシリル基などがあげられる
が、これらアミノ基の保護基は、保護の目的を達する限
り何ら制限されるものではない。
R3およびR5におけるカルボン酸の保護基としては、有機
合成化学において一般に広く知られている保護基である
かまたは薬理学的に生体内においてカルボキシ基に変換
し得るエステル残基のことである。そのような保護基と
しては炭素数1乃至6個のアルキル基(例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル
等)、アラルキル基(例えばベンジル、ジフエニルメチ
ル、1−インダニル、2−インダニル、1−(1,2,3,4
−テトラヒドロナフチル)、2−(1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフチル)、フタリジル等)、アリール(例えばフ
エニル基)、シリル基(例えばトリメチルシリル、tert
−ブチルジメチルシリル等)があげられる。上記保護基
には、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、
アシルオキシ、オキソ、カルボキシ、アルコキシカルボ
ニル、アルコキシカルボニルオキシ、アシルアミノ、ニ
トロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキ
ルアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスル
ホニル、アリールスルホニル、2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル基等の置換基が存在してもよく、こ
れらの置換基は同一または組合わされて1乃至3個置換
されていてもよい。そのような置換基の例としては例え
ばハロゲンにおいては2,2,2−トリクロルエチル、2−
ヨードエチル等、ヒドロキシにおいては2−ヒドロキシ
エチル、2,3−ジヒドロキシプロピル等、アルコキシに
おいてはメトキシメチル、2−メトキシエトキシメチ
ル、p−メトキシベンジル等、アシルオキシにおいては
アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、ピバロイル
オキシメチル等、オキソにおいてはフエナシル等、アル
コキシカルボニルにおいてはメトキシカルボニルメチル
等、アルコキシカルボニルオキシにおいてはエトキシカ
ルボニルオキシメチル、1−(エトキシカルボニルオキ
シ)エチル等、ニトロにおいてはp−ニトロベンジル
等、シアノにおいてはシアノエチル等、アルキルチオに
おいてはメチルチオメチル、エチルチオメチル等、アリ
ールチオにおいてはフエニルチオメチル等、アルキルス
ルホニルにおいては2−(メタンスルホニル)エチル
等、アリールスルホニルにおいては2−(ベンゼンスル
ホニル)エチル等、2−オキソ−1,3−ジオキソレン−
4−イルにおいては、(5−メチル−2−オキソオ−1,
3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−フエニル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル
等があげられる。これらカルボン酸の保護基は、保護の
目的を達する限りこの発明の要旨を変更することなく広
範な変化が可能である。
R4の炭素数1乃至6個のアルキル基としては、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル
等があげられ、5員複素環基としては、窒素原子、酸素
原子若しくは硫黄原子を1乃至3個含有するものであ
り、例えばフリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリ
ル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,3,4−オキサ
ゾリル、1,3,4−チアジアゾリル等があげられる。
R4のフエニル基、ナフチル基およびこれらの複素環基
は、置換基を有していてもよく、そのような置換基とし
ては、炭素数1乃至4個の低級アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチル等)、アリール基(例え
ばフエニル、ナフチル等)があげられる。
Aで表わされる炭素鎖1乃至8個のアルキレン基として
は、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレ
ン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレ
ン、オクタメチレン等のアルキレン基であり、これらの
基に炭素数1乃至4個の低級アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等)が置換して
いてもよい。
Bの低級アルキレン基としては、炭素鎖1乃至2個のア
ルキレン基であり、例えばメチレン、エチレン、エチリ
デン等があげられる。
前記一般式〔I〕における好適な化合物としては、 がアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ベン
ジルオキシカルボニルアミノ基、アセトアミノ基、ベン
ズアミノ基、フタルイミノ基であり、Aがトリメチレン
基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチ
レン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基であり、
R3が水素原子、またはメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシルのような炭素数1乃至6個を有する直
鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、ベンジルのような
アラルキル基、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメ
チル、フタリジル、1−(エトキシカルボニルオキシ)
エチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレ
ン−4−イル)メチルのような生体内で容易にカルボキ
シ基に変換し得る保護基であり、R4がイソプロピル、フ
エニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたは2−フリ
ル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、3−メ
チルチオフエン−2−イル、5−メチルチオフエン−2
−イル、4−チアゾリル、2−メチルチアゾール−4−
イル、2−フエニルチアゾール−4−イルのような複素
環基であり、Bがメチレン基であり、R5が水素原子、te
rt−ブチル、メトキシメチル、2,2,2−トリクロルエチ
ル、アリル、ベンジル、p−ニトロベンジル、p−メト
キシベンジル、ジフエニルメチルのような有機合成化学
において使用するカルボキシ基の保護基またはアセトキ
シメチル、ピバロイルオキシメチル、1−(エトキシカ
ルボニルオキシ)エチル、フタリジル、(5−メチル−
2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルの
ような生体内で容易にカルボキシ基に変換し得る保護基
である化合物をあげることができる。
このような本発明の新規化合物〔I〕は、常法に従つて
酸または塩基で処理することにより、薬理上許容し得る
塩に変えることができる。このような酸付加塩の例とし
ては、無機酸、例えばハロゲン化水素酸(例えば塩酸、
臭化水素酸等)、硫酸、リン酸および硝酸等の塩、およ
び有機酸(例えばシユウ酸、マレイン酸、フマル酸、酒
石酸、クエン酸、メタンスルホン酸およびベンゼンスル
ホン酸等)などによる付加塩があげられる。また塩基に
よる塩としては、アルカリ金属水酸化物(例えばカ性ソ
ーダ、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属酸化物
(例えば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)、
水酸化アンモニウム、水酸化アルミニウムおよび有機塩
基(例えばトリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、シンコニン、グアニジン、キニーネ等)、塩基性ア
ミノ酸(例えばリジン、アルギニン等)などによる塩が
あげられる。
本発明の前記一般式〔I〕で表わされる具体的化合物と
して、以下に記載する化合物を例示することができる。
本発明の化合物〔I〕は、一般式 (式中、R4,R5,BおよびYは前述したものと同意義を示
す。)を有する化合物と一般式 (式中、R1,R2,R3およびAは前述したものと同意義を示
し、Xはハロゲン原子またはスルホニルオキシ基を示
す。)を有する化合物とを縮合させるか、または前記化
合物〔II〕と一般式 (式中、R1,R2,R3およびAは前述したものと同意義を示
す。)を有する化合物とを還元的に縮合させることによ
り製造することができる。
一般式〔II〕で表わされるアミノ化合物は、本発明者等
により、出願されている特許(公開番号昭60−215678並
びに出願番号昭59−273451、昭60−49953および昭60−2
26044に記載の方法により製造することができる。
一般式〔III〕におけるXのハロゲン原子としては塩
素、臭素および沃素があげられ、スルホニルオキシ基と
してはメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキ
シ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のような置
換されているかまたは置換されていない低級アルカンス
ルホニルオキシ基およびベンゼンスルホニルオキシ、p
−トルエンスルホニルオキシ、m−ニトロベンゼンスル
ホニルオキシ、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、
2−メチル−5−ニトロベンゼンスルホニルオキシ等の
置換されているかまたは置換されていない芳香族スルホ
ニルオキシ基があげられる。
化合物〔II〕と化合物〔III〕との縮合反応は、本反応
を阻害しない適当な溶媒中、塩基の存在下に行なわれ
る。溶媒としては、ヘキサン、ベンゼンのような炭化水
素類、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタンのような
ハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンのようなエーテル類、酢酸エチルのようなエステル
類、アセトンのようなケトン類、N,N−ジメチルホルム
アミド、、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル
ホスホルアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシ
ド等があげられる。使用される塩基としては特に限定は
ないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウ
ム等のアルカリ若しくはアルカリ土類金属炭酸塩、重
曹、重炭酸カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩、フツ化
カリウム、フツ化セシウム等の金属フツ化物、水酸化ナ
トリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、ト
リエチルアミン、ピリジン、ピコリン、テトラエチルア
ンモニウムヒドロキシド等の有機塩基があげられる。ま
たテトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、ベンジル
トリエチルアンモニウムヨーダイド等のような相間移動
触媒を用い、ジクロルメタン、クロロホルム等のような
水に不溶の溶媒と水との二層系において本反応を行なう
時には、カ性ソーダ、カ性カリのような水酸化アリカリ
金属を使うこともできる。反応温度は通常0〜120℃で
行われ、反応時間は溶媒、塩基の種類等によつて異なる
が、通常は1時間乃至3日間である。反応終了後、本反
応の目的化合物は常法に従つて反応混合物より採取する
ことができる。例えば反応混合物に酢酸エチルのような
有機溶媒を加え、有機溶媒層を水で洗浄し、乾燥後、溶
媒を留去することにより得ることができ、必要ならば再
結晶、カラムクロマトグラフイー等で精製できる。
化合物〔II〕と化合物〔IV〕との反応における還元的条
件としては、例えば白金、パラジウム、ラネーニツケ
ル、ロジウム等の金属やそれらとの任意の担体との混合
物を触媒とする接触還元、例えば水素化リチウムアルミ
ニウム、水素化硼素リチウム、水素化シアノ硼素ナトリ
ウム、水素化硼素ナトリウム、水素化硼素カリウム等の
水素化金属類による還元、金属ナトリウム、金属マグネ
シウム等とメタノール、エタノール等のアルコール類に
よる還元、鉄、亜鉛等の金属と塩酸、酢酸等の酸による
還元等の反応条件をあげることができる。上記反応は通
常水または有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、
ジクロルメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ベンゼ
ン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、酢酸等)の存在下に行なわれ、反応温度は還元
手段により異なるが、一般には−20〜100℃程度が好ま
しい。本反応は常圧で充分目的を達成できるが、場合に
よつては加圧あるいは減圧下に反応を行なつてもよい。
化合物〔I〕を製造するこれらの方法においては、 が一級アミノ基または二級アミノ基の時は、製造工程
中、これらのアミノ基は化合物〔I〕の説明で述べたア
ミノ基の保護基で保護されていることが望ましく、化合
物〔II〕と化合物〔III〕または〔IV〕と縮合反応を行
なつたのちに、必要によつて酸、アルカリ、還元等の通
常の方法によつて脱保護するとよい。
このようにして製造される化合物〔I〕の内、R3がエス
テル残基、R5が水素原子または塩で示されるモノエステ
ルモノカルボン酸化合物およびR3,R5が共に水素原子ま
たは塩であるジカルボン酸は医薬品上重要な化合物であ
る。上記のモノエステルモノカルボン酸化合物はR3およ
びR5がともにエステル残基である一般式〔I〕で示され
るジエステル化合物の選択的なエステル残基R5の脱保護
により製造できるか、または一般式〔II〕においてR5
水素原子であるアミノ酸化合物とケトエステル〔IV〕
(R3はエステル残基)との還元的縮合反応により製造で
きる。
また、上記のR3およびR5が共に水素原子であるジカルボ
ン酸化合物は、上記の反応によつて得られるジエステル
化合物またはモノエステル化合物〔I〕を常法に従つ
て、酸または塩基による加水分解法またはエステル基の
還元的除去法によつても製造することができる。
このようにして製造される一般式〔I〕で表わされる化
合物は、分子内に不斉炭素原子を有するため、複数個の
光学異性体が存在することをすでに述べたが、所望によ
つてはこれらの異性体を別個に製造することもできる。
すなわち予め光学分割された原料化合物のそれぞれ一方
の光学異性体を用いて上記の反応を行なうことにより対
応する化合物〔I〕の光学異性体を得ることができる。
原料化合物の少なくとも一方がラセミ体の場合には、化
合物〔I〕は通常異性体の混合物として得られるが、こ
の異性体混合物を所望により通常の分離方法、例えば光
学活性塩基(例えばシンコニン、シンコニジン、キニー
ネ、キニジン等)、光学活性有機酸(例えばl−カンフ
アースルホン酸、d−カンフアースルホン酸等)との塩
を生成させる方法や、各種のクロマトグラフイー、分別
再結晶等を用いて処理することによつてそれぞれの異性
体を分離することもできる。
発明の効果 本発明の化合物〔I〕は、アンジオテンシンIをアンジ
オテンシンIIへ変換する酵素(以下、ACEと略す)の活
性を阻害する作用を有する。アンジオテンシンIIは血圧
上昇活性物質であり、人を含む哺乳動物の高血圧の原因
になる物質として関連がある。ACEはこのアンジオテン
シンIIの産生に関与する他に、血管拡張因子物質ブラジ
キニンの代謝にも関与しており、ブラジキニンを不活性
物質に変換させる作用を表わす。
本発明の化合物〔I〕の生理活性の評価は、生体外(in
vitro)において、ACE活性を50%抑制するに必要な化
合物〔I〕の濃度(IC50)を例えばD.W.Cushman等〔Bio
chemical Pharmacology,20巻・1637頁(1971年)〕の方
法により測定することにより行なわれる。すなわち化合
物の種々の濃度の溶液と家兎肺より抽出したACEおよび
基質としてヒプリルヒスチジルロイシンを、食塩を含む
pH8.3の硼酸緩衝液とし、37℃、30分間酵素反応させた
後、1N塩酸で反応を停止させ、生成する馬尿酸(ヒプリ
ツクアシド)を酢酸エチルで抽出し、ついで酢酸エチル
を留去し、残留の馬尿酸を水に溶かし、228mμにおける
UV吸収率から馬尿酸の量を測定する。この値の化合物
〔I〕の濃度に対する曲線としてグラフ表示し、化合物
〔I〕を含まない時に生成する馬尿酸の半量を生成させ
る時の化合物の〔I〕の濃度をグラフから読むことによ
りIC50が求められた。このようにして求められたIC50
第1表に示す。
従つてACE活性を阻害する本発明化合物〔I〕およびそ
の薬理学的に許容される塩類は、高血圧症の診断、予防
または治療剤として有用である。化合物〔I〕およびそ
の薬理学的に許容される塩類を上記の医薬として用いる
場合、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担
体、賦形剤、希釈剤等と混合し、散剤、顆粒剤、錠剤、
カプセル剤、注射剤等の医薬組成物として経口的または
非経口的に投与することができる。投与量は対象疾患の
状態、投与方法により異なるが、例えば高血圧症の治療
の目的で成人患者に投与する場合、経口投与では通常1
回量0.5〜1000mg、とりわけ約1〜100mg程度が、静脈内
投与では1回量約0.1〜100mg、とりわけ約0.1〜10mg程
度が好ましく、これらの薬用量を症状に応じて1日1回
乃至3回投与するのが望ましい。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1 α−〔6(R)−(1−tert−ブトキシカル
ボニル−5−フタルイミノペンチルアミノ)−5−オキ
ソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チ
アゼピン−4−イル〕酢酸tert−ブチルエステル α−〔6(R)−アミノ−5−オキソ−2(S)−(2
−チエニル)ペンヒドロ−1,4−チアゼピン−4−イ
ル〕酢酸tert−ブチルエステル1.35gと2−ブロム−6
−フタルイミノヘキサン酸tert−ブチルエステル2.23g
のジメチルホルムアミド20ml溶液に炭酸ソーダ3gを加
え、60℃で24時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと
水に溶かし、酢酸エチル層を分離し、食塩水で洗浄後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残留
物をシクロヘキサン−酢酸エチル5:1を溶媒系とするシ
リカゲル・カラムクロマトグラフイに付した。
最初にα−{6(R)−〔1(R)−tert−ブトキシカ
ルボニル−5−フタルイミノペンチルアミノ〕−5−オ
キソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−
チアゼピン−4−イル}酢酸tert−ブチルエステルが溶
離した。泡状固体700mg。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.48(18H,s,2個のtert−Bu), 6.85−7.3(3H,m,チオフエン環プロトン), 7.55−8.0(4H,m,フタロイル環プロトン)。
次にα−{6(R)−〔1(S)−tert−ブトキシカル
ボニル−5−フタルイミノペンチルアミノ〕−5−オキ
ソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チ
アゼピン−4−イル}酢酸tert−ブチルエステルが溶離
した。泡状固体829mg。
施光度▲〔α〕23 D▼+30.1゜(c1,DMF)。
NMRスペクトル(CDCl3)ppm: 1.48(18H,s,2個のtert−Bu), 6.9−7.3(3H,m,チオフエン環プロトン), 7.6−8.0(4H,m,フタロイル環プロトン)。
実施例2 α−{6(R)−〔5−アミノ−1(S)−
tert−ブトキシカルボニルペンチルアミノ〕−5−オキ
ソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チ
アゼピン−4−イル}酢酸tert−ブチルエステル α−{6(R)−〔1(S)−tert−ブトキシカルボニ
ル−5−フタルイミノペンチルアミノ〕−5−オキソ−
2(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼ
ピン−4−イル}酢酸tert−ブチルエステル815mgの塩
化メチレン3mlとエタノール3ml溶液に、氷冷下、ヒドラ
ジン・一水和物0.06mgを加え、混合物を室温で4日間撹
拌した。沈澱物を去し、液を濃縮し、残留物に酢酸
エチルを加え、沈澱物を去し、酢酸エチル溶液を水洗
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
残留物を酢酸エチル−メタノール10:1および4:1のシリ
カゲル・カラムクロマトに付して、シロツプ状の目的化
合物302mgを得た。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.48(18H,s,2個のtert−Bu), 6.9−7.35(3H,m,チオフエン環プロトン)。
実施例3 α−{6(R)−〔5−アミノ−1(S)−
カルボキシペンチルアミノ〕−5−オキソ−2(S)−
(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−
イル}酢酸・2塩酸塩 α−{6(R)−〔5−アミノ−1(S)−tert−ブト
キシカルボニルペンチルアミノ〕−5−オキソ−2
(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピ
ン−4−イル}酢酸tert−ブチルエステル302mgに4N塩
酸−ジオキサン3ml溶液を加え、室温で16時間撹拌し
た。ジオキサンを留去し、残留物をジエチルエーテル中
で粉末化して、目的化合物を取した。収量278mg。
施光度▲〔α〕23 D▼+73.3゜(C1,1N塩酸) NMR(CDCl3)δ(ppm): 6.95−7.6(3H,m,チオフエン環プロトン)。
実施例4 α−〔6(R)−(7−tert−ブトキシカル
ボニルアミノ−1−エトキシカルボニルヘプチルアミ
ノ)−5−オキソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒ
ドロ−1,4−チアゼピン−4−イル〕酢酸tert−ブチル
エステル α−〔6(R)−アミノ−5−オキソ−2(S)−(2
−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−イ
ル〕酢酸tert−ブチルエステル1.5gと2−ブロム−8−
tert−ブトキシカルボニルアミノオクタン酸エチルエス
テル4.0gのジメチルホルムアミド20ml溶液に炭酸ソーダ
2.79gを加え、75℃で18時間撹拌した。反応混合物を酢
酸エチルと水に溶かし、酢酸エチル層を分離し、食塩水
で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留
去後、残留物をシクロヘキサン−酢酸エチル4:1を溶媒
系とするシリカゲル・カラムクロマトグラフイに付し
た。
最初にα−{6(R)−〔7−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ−1(R)−エトキシカルボニルヘプチルアミ
ノ〕−5−オキソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒ
ドロ−1,4−チアゼピン−4−イル}酢酸tert−ブチル
エステルが溶離した。シロツプ442mg。施光度▲〔α〕
23 D▼+46.3゜(C1,DMF)。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.45(9H,s,tert−Bu), 1.48(9H,s,tert−Bu), 6.9−7.35(3H,m,チオフエン環プロトン)。
次にα−{6(R)−〔7−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−1(S)−エトキシカルボニルヘプチルアミ
ノ〕−5−オキソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒ
ドロ−1,4−チアゼピン−4−イル}酢酸tert−ブチル
エステルが溶離した。シロツプ525mg。施光度▲〔α〕
23 D▼+25.9゜(C1,DMF)。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.43(9H,s,tert−Bu), 1.46(9H,s,tert−Bu), 6.9−7.35(3H,m,チオフエン環プロトン)。
実施例5 α−{6(R)−〔7−アミノ−1(S)−
エトキシカルボニルヘプチルアミノ〕−5−オキソ−2
(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピ
ン−4−イル}酢酸・2塩酸塩 α−{6(R)−〔7−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ−1(S)−エトキシカルボニルヘプチルアミノ〕−
5−オキソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−
1,4−チアゼピン−4−イル}酢酸tert−ブチルエステ
ル510mgを4N塩酸−ジオキサン5mlに溶解し、18時間放置
した。溶媒を留去し、残留物にジイソプロピルエーテル
を加え、粉末化して取した。収量520mg。これをダイ
ヤイオンHP−20のカラムに付し、20%および40%アセト
ン水で溶離した。溶離液を濃縮し、泡状固型物を4N塩酸
ジオキサン1mlに溶解したのち、ジオキサンを減圧留去
し、残留物をジエチルエーテル中で粉末化して、目的化
合物を取した。収量121mg。
施光度▲〔α〕23 D▼+63.7゜(C1,1N塩酸) NMRスペクトル(DMSO−d6)δ(ppm): 6.95−7.6(3H,m,チオフエン環プロトン)。
実施例6 α−{6(R)−〔7−アミノ−1(S)−
カルボキシヘプチルアミノ〕−5−オキソ−2(S)−
(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−
イル}酢酸 α−{6(R)−〔7−アミノ−1(S)−エトキシカ
ルボニルヘプチルアミノ〕−5−オキソ−2(S)−
(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−
イル}酢酸・2N塩酸塩142mgを1Nカ性ソーダ水1.2mlに溶
かし、24時間放置した。これに1N塩酸水をpH4.8になる
ように加え、析出する目的物を取した。収量112mg。
施光度▲〔α〕23 D▼+93.9゜(C1,1N塩酸) NMRスペクトル(CF3CO2D)δ(ppm): 7.0−7.15(3H,m,チオフエン環プロトン)。
実施例7 rel−α−〔6(R)−(7−tert−ブトキ
シカルボニルアミノ−1−エトキシカルボニルヘプチル
アミノ)−5−オキソ−2(R)−フエニルペルヒドロ
−1,4−チアゼピン−4−イル〕酢酸tert−ブチルエス
テル 実施例4と同様の方法により、rel−α−(6(R)−
アミノ−5−オキソ−2(R)−フエニルペルヒドロ−
1,4−チアゼピン−4−イル〕酢酸tert−ブチルエステ
ル400mgと2−ブロム−8−tert−ブトキシカルボニル
アミノオクタン酸エチルエステル1.08gを炭酸ソーダ0.7
6gを用いて縮合させ、生成する2種類のジアステレオ異
性体を塩化メチレン−酢酸エチル10:1を溶媒系とするシ
リカゲルカラムクロマトグラフイで分離した。
最初に溶離する1(R)−エトキシカルボニル異性体;
シロツプ142mg。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.42(9H,s,tert−Bu), 1.45(9H,s,tert−Bu), 7.26(5H,s,フエニル基プロトン)。
2番目に溶離する1(S)−エトキシカルボニル異性
体;シロツプ144mg。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.42(9H,s,tert−Bu), 1.45(9H,s,tert−Bu), 7.28(5H,s,フエニル基プロトン)。
実施例8 rel−α−〔6(R)−(7−アミノ−1
(S)−エトキシカルボニルヘプチルアミノ)−5−オ
キソ−2(R)−フエニルペルヒドロ−1,4−チアゼピ
ン−4−イル〕酢酸 実施例7のカラムクロマトグラフイにおいて2番目に溶
離するrel−α−〔6(R)−(7−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノ−1(S)−エトキシカルボニルヘプチ
ルアミノ)−5−オキソ−2(R)−フエニルペルヒド
ロ−1,4−チアゼピン−4−イル〕酢酸tert−ブチルエ
ステル144mgをアニソール1.5mlとトリフルオロ酢酸2ml
に溶かし、室温で4時間撹拌した。反応液を濃縮し、シ
ロツプ状の残留物にイソプロピルエーテルを加え、目的
化合物のトリフルオロ酢酸塩を粉末化して取した。収
量143mg。これを重曹81mgを含む水2mlに溶かし、0.1N塩
酸でpH5.5に調整したのち、水溶液をダイヤイオンHP−2
0のカラムクロマトグラフイにかけた。水、20%,50%メ
タノール水で順次カラムを流し、目的物を含む溶離液を
濃縮して、粉末状の目的化合物69mgを得た。
NMR(DMSO−d6)δ(ppm): 7.36(5H,s,フエニル基プロトン)。
実施例9 rel−α−〔6(R)−(7−アミノ−1
(S)−カルボキシヘプチルアミノ)−5−オキソ−2
(R)−フエニルペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−
イル〕酢酸 rel−α−〔6(R)−(7−アミノ−1(S)−エト
キシカルボニルヘプチルアミノ)−5−オキソ−3
(R)−フエニルペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−
イル〕酢酸59mgを0.5Nカ性ソーダ水溶液1.0mlに溶か
し、室温で3時間撹拌した。反応液に1N塩酸水を加え、
pH4.5に調整し、水溶液を少し濃縮し、析出する目的物
の粉末を取した。収量45mg。
NMRスペクトル(D2O−DCl)δ(ppm): 7.93(5H,s,フエニル基プロトン)。
実施例10 rel−α−〔6(R)−(1(S)−エトキ
シカルボニル−5−フタルイミノペンチルアミノ)−5
−オキソ−2(R)−フエニルペルヒドロ−1,4−チア
ゼピン−4−イル〕酢酸tert−ブチルエステル 実施例4と同様の方法により、rel−α−〔6(R)−
アミノ−5−オキソ−2(R)−フエニルペルヒドロ−
1,4−チアゼピン−4−イル)酢酸tert−ブチルエステ
ル336mgと2−ブロム−6−フタルイミノヘキサン酸エ
チルエステル552mgとを炭酸ソーダ318mgを用いて縮合さ
せ、生成する2種類のジアステレオ異性体をシクロヘキ
サン−酢酸エチル5:1を溶媒系とするシリカゲルカラム
クロマトグラフイで分離した。
最初に溶離する1(R)−エトキシカルボニル異性体;
シロツプ206mg。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.47(9H,s,tert−Bu), 7.28(5H,s,フエニル基プロトン), 7.5−8.0(4H,m,フタロイル環プロトン)。
2番目に溶離する1(S)−エトキシカルボニル異性
体;シロツプ230mg。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.47(9H,s,tert−Bu), 7.25(5H,s,フエニル基プロトン), 7.5−8.0(4H,m,フタロイル環プロトン)。
実施例11 rel−α−〔6(R)−(1(S)−エトキ
シカルボニル−5−フタルイミノペンチルアミノ)−5
−オキソ−2(R)−フエニルペルヒドロ−1,4−チア
ゼピン−4−イル〕酢酸 実施例10のカラムクロマトグラフイにおいて2番目に溶
離するrel−α−〔6(R)−(1(S)−エトキシカ
ルボニル−5−フタルイミノペンチルアミノ)−5−オ
キソ−2(R)−フエニルペルヒドロ−1,4−チアゼピ
ン−4−イル〕酢酸tert−ブチルエステル206mgをアニ
ソール2mlとトリフルオロ酢酸2mlに溶かし、室温で4時
間撹拌後、反応液を減圧濃縮した。残留のガム状物にイ
ソプロピルエーテルを加え、かき混ぜて、析出する粉末
状の目的化合物のトリフルオロ酢酸塩を得た。これを再
び重曹0.6gを含む水4mlとイソプロピルエーテル4mlに入
れ、かき混ぜながら1N塩酸水でpH3に調整し、析出する
目的物を取した。収量105mg。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 7.21(5H,s,フエニル基プロトン)、 7.5−7.9(4H,m,フタロイル環プロトン)。
実施例12 α−〔6(R)−(8−tert−ブトキシカル
ボニルアミノ−1−エトキシカルボニルオクチルアミ
ノ)−5−オキソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒ
ドロ−1,4−チアゼピン−4−イル〕酢酸tert−ブチル
エステル α−〔6(R)−アミノ−5−オキソ−2(S)−(2
−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−イ
ル〕酢酸tert−ブチルエステル1.3gと2−ブロム−9−
tert−ブトキシカルボニルアミノノナン酸エチル1.73g
とを実施例4と同様に処理した。生成物をベンゼン−酢
酸エチル5:1を溶媒系とするシリカゲル・カラムクロマ
トに付した。
最初にα−{6(R)−〔8−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ−1(R)−エトキシカルボニルオクチルアミ
ノ〕−5−オキソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒ
ドロ−1,4−チアゼピン−4−イル}酢酸tert−ブチル
エステルが溶離した。シロツプ237mg。
施光度▲〔α〕25 D▼+43.3゜(c1,ジメチルホルムアミ
ド)。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3360,1730,1710,1660。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.45(9H,s,tert−Bu)、 1.48(9H,s,tert−Bu)、 6.9−7.35(3H,m,チオフエン環プロトン)。
次にα−{6(R)−〔8−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−1(S)−エトキシカルボニルオクチルアミ
ノ〕−5−オキソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒ
ドロ−1,4−チアゼピン−4イル}酢酸tert−ブチルエ
ステルが溶離した。シロツプ283mg。
施光度▲〔α〕25 D▼+28.6゜(c1,ジメチルホルムアミ
ド) IRスペクトル(液膜)cm-1:3360,1730,1705,1655。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.44(9H,s,tert−Bu)、 1.47(9H,s,tert−Bu)、 1.1−1.8〔12H,m,C−(CH2−C〕、 6.9−7.35(3H,m,チオフエン環プロトン)。
実施例13 α−{6(R)−〔8−アミノ−1(S)−
エトキシカルボニルオクチルアミノ〕−5−オキソ−2
(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピ
ン−4−イル}酢酸・2塩酸塩 α−{6(R)−〔8−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ−1(S)−エトキシカルボニルオクチルアミノ〕−
5−オキソ−2(S)−(2−チエニル)ペルヒドロ−
1,4−チアゼピン−4イル}酢酸tert−ブチルエステル
1.09gを実施例5と同様に処理して、粉末状の目的化合
物0.78gを得た。
施光度▲〔α〕25 D▼+61.1゜(c1,1N塩酸)。
NMRスペクトル(DMSO−d6)δ(ppm): 6.95−7.55(3H,m,チオフエン環プロトン)。
実施例14 α−{6(R)−〔8−アミノ−1(S)−
カルボキシオクチルアミノ〕−5−オキソ−2(S)−
(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−
イル}酢酸 α−{6(R)−〔8−アミノ−1(S)−エトキシカ
ルボニルオクチルアミノ〕−5−オキソ−2(S)−
(2−チエニル)ペルヒドロ−1,4−チアゼピン−4−
イル}酢酸・2塩酸塩0.30gを実施例6と同様に処理し
て、粉末状の目的化合物0.13gを得た。
融点:240℃から着色。
施光度▲〔α〕25 D▼+96.1゜(c1,1N塩酸)。
NMRスペクトル(CF3CO2D)δ(ppm): 6.95−7.4(3H,m,チオフエン環プロトン)。
実施例15 rel−α−〔3(S)−(8−tert−ブトキ
シカルボニルアミノ−1−エトキシカルボニルオクチル
アミノ)−2−オキソ−6(R)−フエニルペルヒドロ
アゼピン−1−イル〕酢酸tert−ブチルエステル rel−α−〔3(S)−アミノ−2−オキソ−6(R)
−フエニルペルヒドロアゼピン−1−イル〕酢酸tert−
ブチル1.2gと2−ブロム−9−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノノナン酸エチル2.15gとを実施例4と同様に処
理した。生成物をシクロヘキサン−酢酸エチル1:1を溶
媒系とするシリカゲル・カラムクロマトに付した。
最初にrel−α−〔3(S)−(8−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノ−1(R)−エトキシカルボニルオクチ
ルアミノ〕−2−オキソ−6(R)−フエニルペルヒド
ロアゼピン−1−イル〕酢酸tert−ブチルエステルが溶
離した。シロツプ、収量0.77g。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3350,17335,1730,1710,165
5。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.47(18H,s,2個のtert−Bu)、 7.0−7.4(5H,m,フエニル基プロトン)。
次にrel−α−{3(S)−〔8−tert−ブトキシカル
ボニルアミノ−1(S)−エトキシカルボニルオクチル
アミノ〕−2−オキソ−6(R)−フエニルペルヒドロ
アゼピン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステルが溶離
した。シロツプ、収量0.68g。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3350,1735,1710,1655。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.46(18H,s,2個のtert−ブチル)、 7.05−7.45(5H,m,フエニル基プロトン)。
実施例16 rel−α−{3(S)−〔8−アミノ−1
(S)−エトキシカルボニルオクチルアミノ〕−2−オ
キソ−6(R)−フエニルペルヒドロアゼピン−1−イ
ル}酢酸・2塩酸塩 rel−α−{3(S)−〔8−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ−1(S)−エトキシカルボニルオクチルアミ
ノ〕−2−オキソ−6(R)−フエニルペルヒドロアゼ
ピン−1−イル}酢酸tert−ブチルエステル0.68gを実
施例5と同様に処理して、粉末状の目的化合物0.45gを
得た。
IRスペクトル(nujol)cm-1:2000−3700,1750,1730
(肩)、1660。
NMRスペクトル(DMSO−d6)δ(ppm): 7.35(5H,br,s,フエニル基プロトン)。
実施例17 rel−α−{3(S)−〔8−アミノ−1
(S)−カルボキシオクチルアミノ〕−2−オキソ−6
(R)−フエニルペルヒドロアゼピン−1−イル}酢酸 rel−α−{3(S)−〔8−アミノ−1(S)−エト
キシカルボニルオクチルアミノ〕−2−オキソ−6
(R)−フエニルペルヒドロアゼピン−1−イル}酢酸
・2塩酸塩0.30gを実施例6と同様に処理して、得られ
る目的物の水溶液を多孔質樹脂HP−20(三菱化成製)の
カラムに流し、水、ついで20%アセトン水を流した。目
的物は20%アセトン水で溶離したので、溶液を濃縮する
と、結晶性の目的物が得られた。収量0.16g。
融点:205℃から着色、軟化。
IRスペクトル(nujol)cm-1:3330,1670,1590−1615。
NMRスペクトル(D2O+NaCD)δ(ppm):1.7−5.7に多重
線として表われる。
参考例1 α−(6−シアノヘキシル)マロン酸ジエチ
ル NC(CH26CH(CO2Et) マロン酸ジエチル80mlのジメチルホルムアミド80ml溶液
に氷冷下、55%油性水素化ナトリウム2.3gを少しずつ加
え、30分間撹拌後、7−ブロムヘプタンニトリル10gを3
0分間にわたり滴加した。室温、窒素気流中で20時間撹
拌後、酢酸エチルと水を加え、重硫酸カリウム水溶液で
酸性にして、有機溶媒層を分離した。これを無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲ
ル・カラムクロマト(溶媒系シクロヘキサン−酢酸エチ
ル3:1)で精製し、液体の目的化合物8.9gを得た。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.2−2.1(10H,m,(CH2)、 IRスペクトル(液膜)cm-1:2460,1750(sh)、1730。
参考例2 α−(7−tert−ブトキシカルボニルアミノ
ヘプチル)マロン酸ジエチル BocNH(CH27CH(CO2Et) α−(6−シアノヘキシル)マロン酸ジエチル8.9gのエ
タノール90ml溶液にラネー・ニツケルを加え、水素常
圧、50℃で6時間撹拌した。ラネー・ニツケルを去
し、液に氷冷下、トリエチルアミン5.5ml、ついでジ
−tert−ブチルジカーボネート7.6mlを滴加し、室温で
1時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチル
−シクロヘキサン1:1と水に溶かし、有機層を分離し
た。これを重硫酸カリウム水溶液、重曹水で洗浄後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物
をシリカゲル・カラムクロマト(溶媒系シクロヘキサン
−酢酸エチル3:1)で精製して、液体の目的化合物10.2g
を得た。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.44(9H,s,tert−Bu)、 1.2−2.1〔12H,m,(CH2)、 4.5(1H,br,NH)。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3400,1750(sh),1730,1715
(sh),1700(sh)。
参考例3 α−ブロム−α−(7−tert−ブトキシカル
ボニルアミノヘプチル)マロン酸ジエチル BocNH(CH27CBr(CO2Et) α−(7−tert−ブトキシカルボニルアミノヘプチル)
マロン酸ジエチル10.2gのジメチルホルムアミド50ml溶
液に5−10℃、窒素気流中、55%油性水素化ナトリウム
1.2gを加え、30分撹拌後、N−ブロムコハク酸イミド4.
86gを20分にわたり加えた。室温で15分間撹拌後、酢酸
エチル、水を加え、有機溶媒層を分離し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲ
ル・カラムクロマト(溶媒系シクロヘキサン−酢酸エチ
ル5:1)で精製して、液体の目的化合物10.3gを得た。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.43(9H,s,tert−Bu)、 1.2−1.6〔10H,m(CH2〕、 2.0−2.4(2H,m,CH2−Br)、 4.50(1H,br,NH)。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3430,3360,1740,1710,1700
(sh)。
参考例4 2−ブロム−9−tert−ブトキシカルボニル
アミノノナン酸エチル BocNH(CH2・CHBr・CO2Et α−ブロム−α−(7−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノヘプチル)マロン酸ジエチル10.3gに8N塩酸60mlを加
え、115℃の油浴中、16時間撹拌した。反応液を濃縮
し、ベンゼンとの共沸で、水を留去した。残留する9−
アミノ−2−ブロムノナン酸・塩酸塩を含む茶色油状物
7.78gをエタノール100mlに溶解し、氷冷下、塩化水素ガ
スを2時間通じたあと、室温で16時間放置した。反応液
を濃縮し、残留物中の塩化水素をベンゼンとの共沸によ
り除去し、9−アミノ−2−ブロムノナン酸エチル・塩
酸塩を含む茶色液体8.2gを得た。これをジクロルメタン
80mlに溶かし、氷冷下、トリエチルアミン10ml、ついで
ジ−tert−ブチルジカーボネート6.3mlを滴加した。2
時間、室温で撹拌後、溶媒を留去し、残留物を酢酸エチ
ルと水に溶かした。酢酸エチル層を重硫酸カリウム水溶
液、重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
溶媒を留去した。残留物をシリカゲル・カラムクロマト
(溶媒系シクロヘキサン−酢酸エチル5:1)で精製し
て、液体の目的化合物6.35gを得た。
NMRスペクトル(CDCl3)δ(ppm): 1.30(3H,t,J=7Hz)、 1.46(9H,s,tert−Bu)、 1.2−1.7〔10H,m,(CH2〕、 4.1−4.4(1H,m,CHBr)、 4.55(1H,br,NH)。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3360,1743,1700。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 417/14 209 C07K 5/06 8318−4H // A61K 31/55 ABU 38/00 AEQ (72)発明者 小池 博之 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 飯島 康輝 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1およびR2は同一または異なつて水素原子、低
    級アルキル基またはアミノ基の保護基を示し、R3および
    R5は同一または異なつて水素原子またはカルボキシ基の
    保護基を示し、R4は炭素数1乃至6個のアルキル基、フ
    エニル基、ナフチル基または1乃至3個の窒素原子、酸
    素原子若しくは硫黄原子を含有する5員複素環基を示
    し、Aは炭素数1乃至8個のアルキレン基を示し、Bは
    炭素数1又は2個のアルキレン基を示し、Yは硫黄原子
    またはメチレン基を示す。)を有するアミノ置換ラクタ
    ム化合物。
JP62081954A 1986-04-04 1987-04-02 アミノ置換ラクタム化合物 Expired - Fee Related JPH0796548B2 (ja)

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