JPH079648A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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JPH079648A
JPH079648A JP15768593A JP15768593A JPH079648A JP H079648 A JPH079648 A JP H079648A JP 15768593 A JP15768593 A JP 15768593A JP 15768593 A JP15768593 A JP 15768593A JP H079648 A JPH079648 A JP H079648A
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JP
Japan
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film
zirconium oxide
particles
polyester
oxide particle
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JP15768593A
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English (en)
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Masatoshi Aoyama
雅俊 青山
Hiroji Kojima
博二 小島
Masaru Suzuki
勝 鈴木
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】立方晶の酸化ジルコニウム粒子を最外層に含有
することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。 【効果】特定の結晶構造の酸化ジルコニウム粒子を用い
たので、製膜性が良好でかつフィルム表面が傷つきにく
く、また、磁気記録媒体用とした時に、優れた画質を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層ポリエステルフィル
ムに関するものであり、さらに詳しくは、特定の結晶構
造を有する酸化ジルコニウム粒子を含有し、耐摩耗性、
熱安定性及びダビング時の画質低下の少ない積層ポリエ
ステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエステル、例えばポリエチレ
ンテレフタレートは優れた力学特性を有しており、フィ
ルム、繊維などの成形品として広く用いられている。通
常、該ポリエステルは、成形品に易滑性を付与する目的
でポリエステル中に不活性粒子を含有せしめ、成形品の
表面に凹凸を付与する方法が行われている。このような
不活性粒子としては種々あるが、一般に不活性粒子は該
ポリエステルとの親和性に欠け、耐摩耗性に劣るといっ
た問題があった。
【0003】従来から問題を解決すべく、不活性粒子の
表面処理や特殊な粒子の使用の検討がなされており、例
えば、特開昭63−221158号公報や特開昭63−
280763号公報(コロイダルシリカ粒子表面をグリ
コール基で改質する)、特開昭63−312345号公
報(コロイダルシリカ粒子表面をカップリング剤で改質
する)、特開昭62−235353号公報(炭酸カルシ
ウム粒子をリン化合物で表面処理する)、特開昭62−
172031号公報(シリコン粒子)、特開平2−12
9230号公報(デルタ型酸化アルミニウム粒子)など
が提案されているが、いまだに不十分である。しかも粒
子の種類によっては、そこに含まれる不純物や同伴する
表面処理剤あるいは表面の吸着水などのために、得られ
たポリエステル熱安定性が著しく損なわれる場合があ
る。
【0004】ポリマ熱安定性が低下すると、ポリマ中に
ゲル状異物や金属化合物に由来する粗大な粒子が生成
し、製膜時にフィルム破れが原因となったり、フィルム
品質に悪影響を及ぼす。
【0005】さらに磁気記録媒体用途において磁性層塗
布後のビデオテープ等をダビングしてソフトテープ等を
製造する工程等の工程速度の増大に伴い、接触するロー
ルやガイドでフィルム表面に傷がつくという欠点があっ
た。また、上記ダビング時に画質低下を生じビデオテー
プにした時の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイ
ズ比)が不十分という欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した従来
技術の問題点を解決し、耐摩耗性、熱安定性およびダビ
ング時の画質に優れた積層ポリエステルフィルムを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】前記した本発明の目的
は、立方晶の酸化ジルコニウム粒子が少なくとも2層構
造からなる積層フィルムの少なくとも1つの最外層に含
有されていることを特徴とする積層フィルムポリエステ
ルによって達成できる。
【0008】本発明における積層ポリエステルフィルム
を構成するポリエステルとしては、フィルムを成形しう
るものならどの様なものでもよく、例えば、ポリエチレ
ンテレフテレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2、6−ナフタレンジカルボキシレー
ト、ポリエチレン−1、2−ビス(2−クロロフェノキ
シン)エタン−4、4´−ジカルボキシレートなどが好
ましく挙げられるが、ポリエチレンテレフタレートある
いはポリエチレン−2、6−ナフタレンジカルボキシレ
ートが特に好ましい。
【0009】これらのポリエステルには、共重合成分と
して、アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル
酸、4、4´−ジフェニルジカルボン酸などのジカルボ
ン酸およびそのエステル形成性誘導体、ポリエチレング
リコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ネオペチルグリコール、ポリプロピレングリコ
ールなどのジオキシ化合物、Ρ−(β−オキシエトキ
シ)安息香酸などのオキシカルボン酸およびそのエステ
ル形成性誘導体などを共重合してもかまわない。
【0010】本発明における酸化ジルコニウム粒子は、
通常、天然に産するジルコニウム鉱石、すなわちジルコ
ン砂やバッデリ石などから得ることができる。その製法
は、例えば上述のジルコン砂を溶融し、オキシ塩化ジル
コニウムを経て、水酸化ジルコニウムの焼成により得る
方法などが挙げられる。
【0011】このようにして得られる酸化ジルコニウム
粒子は、製造条件により種々の形態をとり、単斜晶、正
方晶、立方晶、菱面体結晶、斜方晶およびこれらの結晶
相が混在するものなどが知られている。また一般には、
安定化剤として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
酸化イットリウムなどを含む、酸化ジルコニウム粒子も
使用されている。
【0012】本発明における酸化ジルコニウム粒子は、
その結晶構造が立方晶のものである。
【0013】このような酸化ジルコニウム粒子の結晶構
造は、X線回折法において、回折X線の現れる回折角2
θの値から同定できる。各結晶構造に対して、標準とな
る2θ値の組は複数知られているが、立方晶の場合の主
な2θ値は30.5、35.2、50.7、60.3、
63.2、74.7、82.7、85.6(度)などで
ある。
【0014】このような酸化ジルコニウム粒子は、例え
ば上述の製造方法のうち湿式法において、焼成温度を約
2300℃から2700℃とすることにより得られる。
【0015】ポリエステルとして耐熱性が良好であるた
めには、立方晶以外の結晶構造の混在量が50wt%未
満が好ましく、特に好ましくは30wt%未満である。
【0016】本発明の積層フィルムにおける酸化ジルコ
ニウム粒子の含有量としては、該フィルムに対して、
0.01〜30重量部が好ましく、0.05〜10重量
部が特に好ましい。
【0017】本発明で使用する酸化ジルコニウム粒子の
平均径は、フィルム製造時にフィルム破れが少なく、ま
たフィルム表面粗さが小さく、電気特性が良好な0.0
05〜3μm、特に0.005〜0.3μm好ましい。
【0018】本発明の積層フィルムに用いるポリエステ
ルは、例えば酸化ジルコニウム粒子を目的とするポリエ
ステル出発原料であるグリコール溶媒で混合撹拌して分
散スラリーとし、熱可塑性ポリエステルの反応系に添加
する製造方法などで得ることができる。なお、この際の
処理方法は撹拌によらずとも、例えば超音波などによっ
ても構わなく、またサンドグラインダなどの媒体型ミル
を用いても構わない。
【0019】ポリエステルへの配合にあたっては、上記
した重合反応系に直接添加する方法以外にも、例えば酸
化ジルコニウム粒子を溶融状態のポリエステルへ練り込
む方法などでも可能である。前者の重合反応系に添加す
る際の添加時期は任意であるが、エステル交換反応前か
ら重縮合反応の減圧開始前までの間が好ましい。後者の
練り込みの場合は、粒子を乾燥してポリエステルに練り
込む方法でも、スラリー状態で減圧しながら直接練り込
む方法でも構わない。
【0020】また、フィルムの走行性を得るために、本
発明の酸化ジルコニウム粒子以外の粒子を併用してもよ
い。
【0021】このような粒子としては、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、酸化ケイ素、リン酸カルシウムなどの
無機粒子、シリコーン、スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体、エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重
合体などの架橋高分子粒子、あるいはアルカリ金属およ
びアルカリ土類金属の少なくとも一種とリンを構成成分
の一部とするポリエステル重合反応系で析出させた、い
わゆる内部粒子などの不活性粒子が挙げられる。
【0022】これらの粒子の粒子径は本発明の酸化ジル
コニウム粒子より大きいことが好ましく、0.1〜2μ
mが好ましい。また、添加量は熱可塑性組成ポリエステ
ル100重量部に対して0.005〜10重量部が好ま
しい。
【0023】本発明の積層ポリエステルフィルムは、耐
磨耗性、耐ダビング性の点から、酸化ジルコニウム粒子
を含有するフィルムが、少なくとも2層構造からなる積
層フィルムの少なくとも1つの最外層であることが必要
である。
【0024】また、本発明の積層フィルムが3層以上の
構造である場合は、耐スクラッチ性耐ダビング性の点か
らより好ましく、このとき酸化ジルコニウム粒子を含有
するフィルムが、3層構造からなる積層フィルムの少な
くとも1つの最外層であることが好ましい。また、該粒
子が両最外層に含有されていることが特に好ましい。酸
化ジルコニウム粒子以外の粒子を含有する場合、該粒子
Aは酸化ジルコニウム粒子と同じ層に含有されていても
よいし、また、異なる層に含有されてもよいが、耐磨耗
性、耐ダビング性の点から特に好ましいのは、(1)酸
化ジルコニウム粒子と粒子Aが少なくとも片面側の同じ
最表層に含有され、そのフィルム層厚さtと、粒子Aの
粒径dの関係が、0.2d≦t≦10d、好ましくは
0.5d≦t≦5d、さらに好ましくは0.5d≦t≦
3dの場合、または、(2)粒子Aを含有するフィルム
層の厚さtと、上記粒子Aの粒径dの関係が、0.2d
≦t≦10d、好ましくは0.5d≦t≦5d、さらに
好ましくは0.5d≦t≦3dであって、その外側に酸
化ジルコニウム粒子を含有する層が最外層として存在
し、その最外層の厚さが0.005〜1μm好ましくは
0.01〜0.5μm、さらに好ましくは0.02〜
0.3μmの場合である。
【0025】本発明の二軸配向フィルムは、耐ダビング
性、耐磨耗性の点から、少なくとも片面の突起個数が2
×103 〜5×105 個/mm2 、であることが好まし
い。少なくとも片面の突起個数は、好ましくは3×10
3 〜4×105 個/mm2 、より好ましくは5×103
〜3×105 個/mm2 である。
【0026】次に本発明フィルムの製造方法を、説明す
る。酸化ジルコニウム粒子及び必要に応じて他の粒子を
所定量含有するペレットを必要に応じて乾燥したのち、
公知の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイか
らシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固
化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2または
3台の押出し機、2または3層のマニホールドまたは合
流ブロックを用いて、溶融状態のポリエステルを積層す
る。この場合、凝集粒子を含有する流路に、スタティッ
クミキサー、ギヤポンプを設置する方法は本発明の効果
により一層良好とするのに有効である。
【0027】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、縦延
伸温度80℃〜150℃、総縦延伸倍率3.0〜5.5
倍、縦延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が
好ましい。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる
方法が好ましく、延伸温度は80〜160℃、幅方向延
伸倍率は縦倍率より大きく3.5〜6.5倍、幅方向の
延伸速度は1000〜20000%/分の範囲が好まし
い。
【0028】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜200℃、特に170〜1
90℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0029】
【実施例】以下本発明のを実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の物性は次のように測定し
た。
【0030】(1)粒子の平均粒子径 粒子をポリエステルに配合せしめ、フィルム断面を0.
1μm厚みの超薄切片にカッティング後、10万倍以上
の倍率で透過型電子顕微鏡で観察し、分割できない粒子
最小単位(1次粒子)について粒子1000個の面積平
均径(μm)で評価した。
【0031】(2)酸化ジルコニウム粒子の結晶構造 X線回折測定(広角X線回折法)により分析した。X線
発生装置は理学電機社製RU−200Bを使用し、X線
源はCuKα線とした。ゴニオメーターは理学電機社製
2155D型、計数記録装置は理学電機社製RAD−B
型を使用した。得られた回折パターンを、JCPD標準
データを基準として解析し、結晶構造を決定した。
【0032】(3)ポリマーの熱安定性 ポリエステルを300℃、N2 ガス雰囲気下で溶融、保
持し、溶融開始後8分および68分時点の固有粘度を測
定し、その差をΔIVで示した。ΔIVが小さいほど熱
安定性が優れている。
【0033】(4)フィルムの表面凹凸 JISB−0601に準じサーフコム表面粗さ計を用
い、針径2μm、荷重70mg、測定基準長0.25m
m、カットオフ0.08mmの条件下で中心線平均粗さ
(Ra)を測定した。
【0034】(5)積層フィルムの積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまでの厚さ方向の分析を行なう。表層で
は表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざ
かるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明のフィルムの
場合は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始め
る。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の
1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも
深い)を求め、これを積層厚みとした。条件は次の通
り。
【0035】測定装置 2次イオン質分析装置(SIMS)独、ATOMIKA
社製A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 O2 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスター領域 400μm□ 分析領域 ゲート30% 測定真空度 6.0×10−9 Tor
r E−GUN 0.5kV−3.0A
【0036】なお、表層から深さ3000nmの範囲に
最も多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合は、SI
MSでは測定が難しいので、表層からエッチングしなが
らXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)な
どで上記同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを
求めても良いし、また、電子顕微鏡等による断面観察で
粒子濃度の変化状態やポリマの違いによるコントラスト
の差から界面を認識し積層厚みを求めることもできる。
さらに積層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積
層厚みを求めることもできる。
【0037】(6)耐摩耗性 フィルム幅1/2インチのテープ状にスリットしたもの
をテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度10
00m/分、走行回数15パス、巻き付け角:60°、
走行張力:60g)。この時、フィルムに入った傷を顕
微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あたり
2本未満はA級2本以上3本未満はB級、3本以上10
本未満はC級、10本以上はD級としたB級以上を合格
とした。
【0038】(7)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカッセトに組み込みVTRカッセトテープ
とした。
【0039】(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部 ・ポリウレタンエラストマ :10重量部 ・ポリイソシアネート :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部
【0040】このテープに家庭用VTRを用いてテレビ
試験波形発生器により100%クロマ信号を記録し、そ
の再生信号からカラービデオノイズ測定器でクロマS/
Nを測定しAとした。また上記と同じ信号を記録したマ
スターテープのパンケーキを磁界転写方式のビデオソフ
ト高速プリントシステム(スプリンタ)を用いてAを測
定したのと同じ試料テープ(未記録)パンケーキへダビ
ングした後のテープのクロマS/Nを上記と同様にして
測定し、Bとした。このダビングによるクロマS/Nの
低下(A−B)が3dB未満の場合は耐ダビング性が
優、3dB以上5dB未満の場合は良、5dB以上は不
良と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用
可能である。
【0041】実施例1 結晶構造が立方晶である酸化ジルコニウム粒子をエチレ
ングリコール中にて分散させ、このエチレングリコール
スラリーをテレフタル酸と重合し、酸化ジルコニウム粒
子を1%含有するポリエチレンテレフタレートのマスタ
ペレットを得た。このポリマの耐熱性は△IV=0.0
85で良好であった。また、同様にして、平均粒径0.
8μmの炭酸カルシウムを含有するポリエチレンテレフ
タレートのマスタペレット、粒子含有しないポリエチレ
ンテレフタレートのマスタペレットを得た。
【0042】これらのポリマを混合し(ポリマA:無粒
子、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ポリマB:無
粒子、炭酸カルシウム、)、180℃で8時間減圧乾燥
(3Torr)した後、それぞれ押出機1、押出機2に
ポリマA、ポリマBをそれぞれ供給し285℃、280
℃で溶融した。これらのポリマを高精度濾過した後、矩
形合流部にて3層積層とした(積層構成:ポリマA/ポ
リマB/ポリマA)。
【0043】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂
A層の厚さを調節した。
【0044】この未延伸フィルムを温度85℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロール
周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルムを
ステンタを用いて延伸速度2000%/分で95℃で幅
方向に5.5倍延伸し、定長下で、190℃にて3秒間
熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向積層フィルムを得
た。このフィルムの特性は表1に示したとおりであり、
耐摩耗性、耐ダビング性が良好であった。
【0045】実施例2〜実施例3、比較例1〜比較例3 実施例1と同様にして、酸化ジルコニウム粒子の種類、
粒径、添加量、および該粒子以外の粒子の種類、粒径、
添加量を変更したフィルムを得た。表1に示すように本
発明範囲のフィルムは耐磨耗性、耐ダビング性が良好で
あるが、そうでないものは耐摩耗性、耐ダビング性を両
立することができない、あるいは製膜時にフィルム破れ
が多発し、収率が低かった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の積層ポリエステルフィルムは、
特定の酸化ジルコニウム粒子を最外層に含有するため、
製膜時のフィルム破れが少なくフィルム表面が傷つきに
くく、また、磁気記録媒体用とした時に、優れた画質を
得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立方晶の酸化ジルコニウム粒子が、少なく
    とも2層構造からなる積層フィルムの少なくとも1つの
    最外層に含有されていることを特徴とする積層ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】立方晶の酸化ジルコニウム粒子が、少なく
    とも3層構造からなる積層フィルムの少なくとも1つの
    最外層に含有されていることを特徴とする積層ポリエス
    テルフィルム。
  3. 【請求項3】少なくとも片面の突起個数が2×103
    5×105 個/mm2 である請求項1または2に記載の
    積層ポリエステルフィルム。
JP15768593A 1993-06-28 1993-06-28 積層ポリエステルフィルム Pending JPH079648A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000248080A (ja) * 1998-12-16 2000-09-12 Tokuyama Corp 二軸延伸ポリオレフィンフィルムおよびその製造方法
AU2002239225B2 (en) * 2000-08-31 2006-07-20 Vitro Flat Glass Llc Methods of obtaining photoactive coatings and/or anatase crystalline phase of titanium oxides and articles made thereby

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