JPH0796342A - 軸部一体円筒体およびその製造方法 - Google Patents

軸部一体円筒体およびその製造方法

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JPH0796342A
JPH0796342A JP13271294A JP13271294A JPH0796342A JP H0796342 A JPH0796342 A JP H0796342A JP 13271294 A JP13271294 A JP 13271294A JP 13271294 A JP13271294 A JP 13271294A JP H0796342 A JPH0796342 A JP H0796342A
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JP
Japan
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shaft
cylindrical
swaging
base body
shaft portion
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JP13271294A
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Toshie Kaneko
利衛 金子
Yusuke Yamada
祐介 山田
Shigeto Tanaka
成人 田中
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リサイクル性や軽量化を達成しつつ軸部の耐
摩耗性を向上させる。 【構成】 円筒部1aの両端には、基体1の両端部をス
ウェージング加工することにより軸部1bが形成されて
いる。スウェージング加工された部位は加工硬化により
高硬度となる。すなわち、各軸部1bは硬度が高くな
り、各軸部1bの耐摩耗性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子複写機やレーザー
ビームプリンタ等の電子写真式記録装置に使用される感
光ドラムまたはトナー担持ローラの基体として用いられ
る軸部一体円筒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子複写機やレーザービームプリ
ンタに使用される感光ドラムまたは感光ドラムにトナー
を現像させるためのトナー担持ローラの基体には、基体
を回転自在に支持するために軸受に摺動したり、モータ
等の駆動手段からの回転駆動が伝達される軸部が、両端
において同軸上に設けられた円筒体が用いられている。
軸部は円筒体とは別体であり、圧入や接着、あるいは両
者を併用することによって円筒体に固定されている。ま
た、円筒体および軸部は、リサイクルや軽量化を考慮し
て、アルミニウム製のものが一般に用いられる。さら
に、各軸部を円筒体に固定した後には、各軸部と円筒体
との同軸度をとるために、各軸部の外周面を切削加工し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の基体では、軸部がアルミニウム製なので耐摩耗
性に乏しく、寿命の点で問題があった。この問題点を解
決するためには、耐摩耗性に優れる材料で軸部を構成す
ればよいが、これではリサイクル性や軽量化を達成する
ことができないので、従来は寿命の問題を犠牲にしてい
たのである。
【0004】そこで本発明の目的は、リサイクル性や軽
量化を達成しつつ軸部の耐摩耗性を向上させる軸部一体
円筒体およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の軸部一体円筒体は、円筒状基体の両端部にそれ
ぞれ軸部が一体的に、かつ前記円筒状基体と同軸上に設
けられた軸部一体円筒体において、前記各軸部のうち少
なくとも一方の軸部は、前記円筒状基体の端部をスウェ
ージング加工することにより形成されたことを特徴とす
る。
【0006】また、前記スウェージング加工により形成
された軸部は、前記円筒状基体の肩部の半径が1.5m
m以下で、かつ、前記軸部の根元部の半径が1mm以下
となるように、前記円筒状基体の肩部より直角に絞られ
て形成されたものであってもよい。
【0007】さらに、前記スウェージング加工により形
成された軸部は、前記スウェージング加工後に、切削加
工または心無研削法により所定の形状に仕上げられたも
のであってもよいし、前記円筒状基体がアルミニウムか
らなるものや、前記円筒状基体が、電子写真式記録装置
に使用される、感光ドラムまたは現像器のトナー担持ロ
ーラの基体として用いられるものであってもよい。
【0008】本発明の軸部一体円筒体の製造方法は、円
筒状基体の両端部にそれぞれ軸部が一体的に、かつ前記
円筒状基体と同軸上に設けられた軸部一体円筒体の製造
方法において、前記円筒状基体の端部をスウェージング
加工して、前記各軸部のうち少なくとも一方の軸部を形
成することを特徴とする。
【0009】この場合、前記円筒状基体の肩部の半径が
1.5mm以下で、かつ、前記軸部の根元部の半径が1
mm以下となるように前記円筒状基体の肩部より直角に
絞り、前記少なくとも一方の軸部をスウェージング加工
するものであってもよい。
【0010】また、円筒状基体の両端部にそれぞれ軸部
が一体的に、かつ前記円筒状基体と同軸状に設けられ、
かつ前記円筒状基体および前記軸部の肉厚を所望肉厚に
加工する軸部一体円筒体の製造方法において、前記円筒
状基体の内部に、前記軸部の加工用の第1のマンドレル
を挿入して前記円筒状基体の端部をスウェージング加工
することにより、前記円筒状基体の肩部の半径が1.5
mm以下で、かつ、前記軸部の根元部の半径が1mm以
下となるように前記円筒状基体の肩部より直角に絞り、
前記各軸部のうち少なくとも一方の軸部を形成し、前記
円筒状基体の内部に、前記円筒状基体を所望形状に加工
するための第2のマンドレルを挿入して前記円筒状基体
の外周面をしごき加工することを特徴とするものでもよ
い。
【0011】さらに、前記スウェージング加工後に、前
記スウェージング加工によって形成された軸部を切削加
工または心無研削法で所定の形状に仕上げるものであっ
てもよいし、前記円筒状基体がアルミニウムからなるも
のや、前記円筒状基体が、電子写真式記録装置に使用さ
れる、感光ドラムまたは現像器のトナー担持ローラの基
体として用いられるものであってもよい。
【0012】
【作用】上記のとおり構成された本発明の軸部一体円筒
体およびその製造方法では、円筒状基体の両端部の各軸
部のうち少なくとも一方の軸部は、円筒状基体の端部を
スウェージング加工することにより形成される。スウェ
ージング加工により、スウェージング加工部には加工硬
化が起こる。その結果、スウェージング加工により形成
された軸部はその硬度が増し、耐摩耗性に優れたものと
なる。
【0013】また、円筒状基体の肩部の半径が1.5m
m以下で、かつ、軸部の根元部の半径が1mm以下とな
るように、円筒状基体の肩部より直角に絞り込んで軸部
を形成することにより、全長がコンパクトになる。しか
も、軸部に装着される部材がある場合には、その部材の
軸部に対する傾きが規制され装着精度が優れたものとな
る。
【0014】マンドレルを用いた製造方法では、まず、
第1のマンドレルを円筒状基体の内部に挿入して軸部が
スウェージング加工される。次いで、第2のマンドレル
を円筒状基体の内部に挿入して円筒状基体の外周面がし
ごき加工される。このように、軸部と円筒状基体の外周
面とを別工程で加工するので、軸部の肉厚を円筒状基体
の肉厚よりも厚く加工することが可能となり、これによ
り軸部の強度が増し、耐久性が向上する。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例により図面を参照して
説明する。
【0016】(第1実施例)図1は、本発明の軸部一体
円筒体の第1実施例の断面図である。図1に示すように
本実施例の基体1は、その両端部をそれぞれスウェージ
ング加工することにより、円筒部1aとその両端の軸部
1bとを同軸上に一体形成したものである。
【0017】以下に、この基体の製造工程について図2
を参照して説明する。なお、基体1の材質はA5052
であり、最終的な仕上り寸法は、円筒部1aの外径が1
6.0mm、内径が12.0mm、軸部1bの外径が8
mm(不図示の軸受とのはめあい方式が、軸記号fの9
級)とする。
【0018】まず、図2の(a)に示すような、素材と
なる円筒状の基体1を用意し、この両端部をスウェージ
ング加工により径方向に加圧し、図2の(b)に示すよ
うに軸部1bを形成する。スウェージング加工前の基体
1は外径が16.3mmのものを用い、この両端部を外
径が8.2mmになるまでスウェージング加工して軸部
1bを形成するが、1工程ではできないので4連スウェ
ージング機を用い、14mm→12mm→10mm→
8.2mmと4工程で行なった。
【0019】このスウェージング加工によって、加工部
は加工硬化を起こす。すなわち、各軸部1bは円筒部1
aに比較して硬度が増している。ここで、種々の材質で
のスウェージング加工による軸部の硬度の変化を実験し
たので、その結果を表1に示す。この実験に使用した基
体の形状およびスウェージング加工条件は上述したもの
と同様とし、また、表1で示した硬度はビッカースかた
さを示す。
【0020】
【表1】 表1から、スウェージング加工を行なうことによって、
いずれの材質でも硬度が25%程度向上していることが
わかる。そのため、耐摩耗性を必要とする軸部1bを形
成するのにスウェージング加工は非常に好都合であると
いえる。
【0021】なお、本実施例のようにスウェージング加
工を複数工程行なう場合には、各工程を経るごとに軸部
1bの硬度が増し、スウェージング加工を行ないにくく
なる場合が生じる。この場合には軸部1bの焼き鈍しを
行なってスウェージング加工を行ないやすくすることが
必要となるが、焼き鈍しは最小限にとどめ、残留加工硬
化を積極的に利用することが望ましい。
【0022】次に、円筒部1aの外径を旋盤によって所
定の寸法に切削する。これは、図2の(c)に示すよう
に、一方の軸部1bをコレットチャック11により保持
するとともに他方の軸部1bの中空部にセンタ12を嵌
合させて、基体1を旋盤に固定する。そして、バイト1
3で円筒部1aの外周面を基体1の軸方向に沿って切削
加工し、円筒部1aの外径を16.0mmとした。
【0023】円筒部1aの外径を所定の寸法に切削した
ら、図2の(d)に示すように円筒部1aを保持して、
バイト13によって各軸部1bをそれぞれ外径が8mm
(軸記号fの9級)となるように切削し、基体1が完成
する。完成品の円筒部1aでの振れ測定値は、両端の各
軸部1bの支持で7〜20μmであった。また、ビッカ
ースかたさ(HV )は、軸部1bで100であり、円筒
部1aで80であった。
【0024】(第2実施例)第1実施例では、円筒部1
aおよび軸部1bの仕上げを旋盤による切削加工で行な
った例を示したが、心無研削法によって行なってもよ
い。以下に、円筒部1aおよび軸部1bの仕上げを心無
研削法によって行なう場合の例を、図3を参照して説明
する。
【0025】図3において、基体1は図2の(b)に示
したものと同様であるので、その説明は省略する。ここ
で用いた心無研削機は2軸可動型心無研削機(ミクロン
精密社製「MSQ−450」)であり、これにスウェー
ジング加工後の基体1をセットする。この心無研削機
は、調整砥石21と、調整砥石21に対向配置され、そ
れぞれ別軸で回転駆動される第1の研削砥石22および
第2の研削砥石23とを有する。第1の研削砥石22は
段付きの砥石で、基体1の円筒部1aを研削するための
外径研削部22aと、基体1の一方の軸部1bを研削す
るための軸研削部22bとを有する。また、第2の研削
砥石23は、基体1の他方の軸部1bを研削するための
ものである。
【0026】まず、調整砥石21を前進させることによ
り第1の研削砥石22で円筒部1aおよび一方の軸部1
bの研削を行ない、円筒部1aの外径を16.0mmに
加工するとともに、軸部1bの外径を8mm(軸記号f
の9級)に仕上げる。このとき、第1の研削砥石22を
軸方向に沿って図示矢印F1方向に移動させて、第1の
研削砥石22の軸研削部22bの図示右端部で基体1の
円筒部1aと一方の軸部1bとの境界の段部を研削し、
円筒部1aと一方の軸部1bとの境界の形状を整える。
【0027】その後、第2の研削砥石23の図示矢印F
2方向への切込みが開始され、他方の軸部1bの外径を
8mm(軸記号fの9級)に研削する。調整砥石21の
前進、第1の研削砥石22の移動、および第2の研削砥
石23の切込みが所定寸法に達すると、各砥石21、2
2、23はそれぞれ元のスタート位置に戻り、基体1が
完成する。完成品の円筒部1aでの振れ測定値は、両端
の各軸部1bの支持で8〜20μmであった。また、ビ
ッカースかたさ(HV )は、軸部1bで100であり、
円筒部1aで80であった。
【0028】(第3実施例)円筒部1aおよび各軸部1
bの仕上げについては、この他にも、円筒部1aの外径
は心無研削機で仕上げ、各軸部1bの外径は旋盤での切
削加工で仕上げる方法もある。完成品の円筒部1aの中
央での振れ測定値は、両端の各軸部1bの支持で8〜2
0μmであった。また、ビッカースかたさ(HV )は、
軸部1bで100であり、円筒部1aで80であった。
【0029】以上説明したように、スウェージング加工
によって各軸部1bを形成することにより、各軸部1b
はそれぞれスウェージング加工の加工硬化により硬度が
増す。その結果、各軸部1bの耐摩耗性が向上し、基体
1を可動部品として用いた場合の寿命も向上させること
ができる。また、基体1はアルミニウム製なのでリサイ
クルが可能となるとともに、軽量化が達成される。さら
に、スウェージング加工後に各軸部1bを研削加工また
は心無研削法により所定の形状に仕上げることで、円筒
部1aと各軸部1bとの同軸度を高精度に形成すること
ができる。
【0030】(第4実施例)上述した第1〜第3実施例
では、円筒部1aの両端に軸部1bを形成したものの例
を示したが、それに限らず、図4に示すように基体51
の一端部のみをスウェージング加工し、軸部51bを形
成してもよい。これは例えば、電子複写機やレーザービ
ームプリンタ等の電子写真式記録装置の現像器に使用さ
れるトナー担持ローラ用の基体を製造する場合である。
トナー担持ローラは、内部に設けられた棒状マグネット
の磁力により表面にトナーを担持する構造となってお
り、回転自在に感光ドラムに対向配置されることで、表
面に担持したトナーを感光ドラムに現像させるものであ
る。このように、トナー担持ローラにおいては内部に棒
状マグネットが設けられるので、基体51の両端に軸部
51aを形成してしまうと後工程で棒状マグネットが挿
入できなくなってしまう。この場合には、まず、基体5
1の一端部のみをスウェージング加工して軸部51bを
形成し、円筒部51aおよび軸部51bを切削加工や心
無研削法により所定の形状に仕上げる。その後、円筒部
51aの外周面にサンドブラスト処理を施して所定の表
面粗さとして導電コート層を塗布し、円筒部51aの内
部に棒状マグネットを挿入する。
【0031】そして、円筒部51aの内部に棒状マグネ
ットを挿入してから、基体51の他端部に別に用意した
軸部(不図示)を接着、かしめ、または圧入等により取
り付ける。そのため、他端部の軸部は一端部の軸部51
bに比較して硬度が低いが、スウェージング部は加工硬
化により硬度が増しているので、トナー担持ローラとし
ての寿命は向上する。
【0032】(第5実施例)また、図1に示したよう
な、両端部に軸部1bを形成した基体1は感光ドラム用
の基体として使用することができる。この場合には、基
体1の円筒部1aの外周面に感光層を形成して、感光ド
ラムが得られる。
【0033】(第6実施例)図5は、本発明の軸部一体
円筒体の第6実施例の断面図である。
【0034】図5に示すように、基体61の両端部をそ
れぞれスウェージング加工することにより、円筒部61
aの肩部61cの半径を1.5mm以下と小さくして直
角に絞り、かつ、軸部61bの根元部61dの半径を1
mm以下にして、円筒部61aとその両端の軸部61b
とを同軸上に一体形成したものである。
【0035】肩部61cの半径を1.5mm以下にし、
かつ、根元部61dの半径を1mm以下にすることによ
り、テーパー絞り部の長さが短縮され、全長をコンパク
トに設計できる。しかも、軸部61bに装着される現像
スリーブと感光ドラムの距離を規制する部材、または駆
動のためのギアの装着において、これらの装着部材はな
るべくまっすぐに入る(軸部61bに対する傾きが規制
される)ことにより、その精度が保たれる。
【0036】現在、電子複写機やレーザビームプリンタ
等の電子写真式記録装置には高精度の画像が要求されて
おり、このような要求に対して肩部61cの半径および
根元部61dの半径を小さくすることにより、パイプ部
と軸部61bの結合端面の直角度をより広くとり、前記
装着部材の精度を保つものである。肩部61cの半径が
1.5mmよりも大きく、かつ、根元部61dの半径が
1mmよりも大きいと、装着部材が曲って入ることにな
り、装着部材の精度が悪くなるので、高精度の画質を得
ることが難しい。なお、第1実施例では4連のスウェー
ジング機を使用したが、本実施例のように急峻に絞るに
は、2工程追加の6連のスウェージング機を用いた。そ
の他は、第1〜第3実施例と同様にして製造できる。
【0037】本実施例では、円筒部61aの両端に軸部
61bを形成したものの例を示したが、図6に示すよう
に、基体71の一端のみをスウェージング加工してもよ
い。第4実施例と同様に、後工程で棒状マグネットを挿
入できるようにするためである。この場合でも、肩部7
1cの半径を1.5mm以下として直角に絞り、根元部
71dの半径を1mm以下にするのは、図5に示したも
のと同様である。
【0038】なお、本実施例においても、ビッカースか
たさ(HV )は、軸部で100であり、円筒部で80で
あった。
【0039】(第7実施例)一定の肉厚の円筒部をスウ
ェージング加工すると、軸部の肉厚は、縮小率によるが
円筒部の肉厚よりも厚くできる。しかし、これにも限界
がある。
【0040】そこで図7に、大きめの外径・肉厚の円筒
部81aをスウェージング加工して、所定の外径で円筒
部81aの肉厚よりも厚くした肉厚を持つ軸部81bを
形成する製造工程の例を示す。最終的な仕上り寸法は、
円筒部81aの外径が16±0.02mm、肉厚が0.
8mmで、軸部81bの外径が9.6mm、肉厚が1.
8mmである。
【0041】まず、図7の(a)に示すように、円筒状
の基体81(外径が17.6mm、肉厚が1.5mm)
の内部に、円筒部81aと軸部81bに対応する2段円
柱状の第1のマンドレル82(大径部の外径が14.6
mm、小径部の外径が6±0.03mm)を挿入して基
体81の一端部をスウェージング加工し、外径が9.6
±0.03mm、肉厚が1.8mmの軸部81bを仕上
げた。第1のマンドレル82を使用することで、加工前
の基体81の偏肉40μmが、塑性変形作用により半分
の20μmに減少できた。
【0042】次に、図7の(b)に示すように、基体8
1の内部に、第1のマンドレル82に代えて第2のマン
ドレル83を挿入する。第2のマンドレル83も、第1
のマンドレル82と同様に円筒部81aと軸部81bに
対応する2段円柱状の部材であるが、大径部の外径が1
4.4mmと、第1のマンドレル82よりも小さい。そ
して、円筒部81aの外周面にダイス84でしごき加工
を施し、外径が16±0.02mm、肉厚が0.8mm
の円筒部81aを仕上げ、基体81を完成させた。
【0043】なお、本実施例でも円筒部81aの肩部8
1cの半径は1.5mm以下と小さくして直角に絞り、
かつ、軸部81bの根元部81dについても半径を1m
m以下とした。また、ビッカースかたさ(HV )は、軸
部81b、円筒部81aともに100であった。
【0044】現在、電子複写機やレーザビームプリンタ
等の電子写真式記録装置に要求される性能のひとつに、
高精度の画像と高耐久性がある。
【0045】高精度の画像の要求に対しては、前述した
ように肩部81cの半径と根元部81dの半径を小さく
することにより達成される。一方、高耐久性の要求に対
しては、軸部81bの肉厚を厚くすることも有効な手段
である。本実施例では、軸部81bのスウェージング加
工による加工硬化に加え、軸部81bの肉厚を厚くする
ことにより、より耐久性が向上する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明の軸部一体円
筒体およびその製造方法は、円筒状基体の端部をスウェ
ージング加工することによって軸部が形成されるので、
スウェージング加工の加工硬化を利用して容易に軸部の
硬度を向上させることができる。その結果、軸部の耐摩
耗性も向上し、軸部一体円筒体を可動部品として使用し
た際の寿命を向上させることができる。特に、アルミニ
ウム製の円筒状基体を用いた場合には、リサイクルが可
能であるとともに、軽量化も達成することができ、電子
写真式記録装置に使用される感光ドラムやトナー担持ロ
ーラの基体に適している。
【0047】また、円筒状基体の肩部の半径が1.5m
m以下で、かつ、軸部の根元部の半径が1mm以下とな
るように、円筒状基体の肩部より直角に絞り込んで軸部
を形成することにより、全長をコンパクトにすることが
できる。しかも、軸部に装着される部材がある場合に
は、その部材を軸部に対して傾きなく装着することがで
きるようになる。特に、電子写真式記録装置の感光ドラ
ムやトナー担持ローラの基体として用いる場合には、軸
部に装着されるギア等の部材は高い位置精度が要求され
るので、このような場合に有効である。
【0048】さらに、スウェージング加工によって形成
された軸部を切削加工あるいは心無研削法によって所定
の形状に仕上げることで、円筒状基体と軸部との同軸度
を高精度で形成することができる。
【0049】そして、第1のマンドレルにより軸部を加
工した後、第2のマンドレルにより円筒状基体を所望の
形状に加工する製造方法では、軸部と円筒状基体の外周
面とを別工程で加工するので、軸部の肉厚を円筒状基体
の肉厚よりも厚く加工することができる。これにより軸
部の強度が増し、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸部一体円筒体の第1実施例の断面図
である。
【図2】図1に示した軸部一体円筒体の円筒部および各
軸部の仕上げを切削加工で行なう場合の製造工程を説明
するための断面図であり、同図の(a)はスウェージン
グ加工前の基体、同図の(b)はスウェージング加工後
の基体、同図の(c)は円筒部の切削工程、同図の
(d)は各軸部の切削工程をそれぞれ示す。
【図3】図1に示した軸部一体円筒体の円筒部および各
軸部の仕上げを心無研削機で行なう場合を説明するため
の図である。
【図4】本発明の軸部一体円筒体の第4実施例の断面図
である。
【図5】本発明の軸部一体円筒体の第6実施例の断面図
である。
【図6】本発明の軸部一体円筒体の第6実施例の応用例
の断面図である。
【図7】本発明の軸部一体円筒体の第7実施例の製造工
程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1、51、61、71、81 基体 1a、51a、61a、81a 円筒部 1b、51b、61b、81b 軸部 11 コレットチャック 12 センタ 13 バイト 21 調整砥石 22 第1の研削砥石 22a 外径研削部 22b 軸研削部 23 第2の研削砥石 61c、81c 肩部 61d、81d 根元部 82 第1のマンドレル 83 第2のマンドレル 84 ダイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 21/00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状基体の両端部にそれぞれ軸部が一
    体的に、かつ前記円筒状基体と同軸上に設けられた軸部
    一体円筒体において、 前記各軸部のうち少なくとも一方の軸部は、前記円筒状
    基体の端部をスウェージング加工することにより形成さ
    れたことを特徴とする軸部一体円筒体。
  2. 【請求項2】 前記スウェージング加工により形成され
    た軸部は、前記円筒状基体の肩部の半径が1.5mm以
    下で、かつ、前記軸部の根元部の半径が1mm以下とな
    るように、前記円筒状基体の肩部より直角に絞られて形
    成された請求項1に記載の軸部一体円筒体。
  3. 【請求項3】 前記スウェージング加工により形成され
    た軸部は、前記スウェージング加工後に、切削加工によ
    り所定の形状に仕上げられた請求項1または2に記載の
    軸部一体円筒体。
  4. 【請求項4】 前記スウェージング加工により形成され
    た軸部は、前記スウェージング加工後に、心無研削法に
    より所定の形状に仕上げられた請求項1または2に記載
    の軸部一体円筒体。
  5. 【請求項5】 前記円筒状基体はアルミニウムからなる
    請求項1、2、3または4に記載の軸部一体円筒体。
  6. 【請求項6】 前記円筒状基体は、電子写真式記録装置
    に使用される、感光ドラムまたは現像器のトナー担持ロ
    ーラの基体として用いられる請求項1、2、3、4また
    は5に記載の軸部一体円筒体。
  7. 【請求項7】 円筒状基体の両端部にそれぞれ軸部が一
    体的に、かつ前記円筒状基体と同軸上に設けられた軸部
    一体円筒体の製造方法において、 前記円筒状基体の端部をスウェージング加工して、前記
    各軸部のうち少なくとも一方の軸部を形成することを特
    徴とする軸部一体円筒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記円筒状基体の肩部の半径が1.5m
    m以下で、かつ、前記軸部の根元部の半径が1mm以下
    となるように前記円筒状基体の肩部より直角に絞り、前
    記少なくとも一方の軸部をスウェージング加工する、請
    求項7に記載の軸部一体円筒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 円筒状基体の両端部にそれぞれ軸部が一
    体的に、かつ前記円筒状基体と同軸状に設けられ、かつ
    前記円筒状基体および前記軸部の肉厚を所望肉厚に加工
    する軸部一体円筒体の製造方法において、 前記円筒状基体の内部に、前記軸部の加工用の第1のマ
    ンドレルを挿入して前記円筒状基体の端部をスウェージ
    ング加工することにより、前記円筒状基体の肩部の半径
    が1.5mm以下で、かつ、前記軸部の根元部の半径が
    1mm以下となるように前記円筒状基体の肩部より直角
    に絞り、前記各軸部のうち少なくとも一方の軸部を形成
    し、 前記円筒状基体の内部に、前記円筒状基体を所望形状に
    加工するための第2のマンドレルを挿入して前記円筒状
    基体の外周面をしごき加工することを特徴とする軸部一
    体円筒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記スウェージング加工後に、前記ス
    ウェージング加工によって形成された軸部を切削加工し
    て所定の形状に仕上げる、請求項7、8または9に記載
    の軸部一体円筒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記スウェージング加工後に、前記ス
    ウェージング加工によって形成された軸部を心無研削法
    で所定の形状に仕上げる、請求項7、8または9に記載
    の軸部一体円筒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記円筒状基体はアルミニウムからな
    る、請求項7、8、9、10または11に記載の軸部一
    体円筒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記円筒状基体は、電子写真式記録装
    置に使用される、感光ドラムまたは現像器のトナー担持
    ローラの基体として用いられる、請求項7、8、9、1
    0、11または12に記載の軸部一体円筒体の製造方
    法。
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