JPH0795983A - 結び目形成器具 - Google Patents

結び目形成器具

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JPH0795983A
JPH0795983A JP17629294A JP17629294A JPH0795983A JP H0795983 A JPH0795983 A JP H0795983A JP 17629294 A JP17629294 A JP 17629294A JP 17629294 A JP17629294 A JP 17629294A JP H0795983 A JPH0795983 A JP H0795983A
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重人 徐
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Abstract

(57)【要約】 【構成】体腔内に挿入され、体腔内と体外とを連通する
トロカール管に挿入する操作杆3の先端を、通直な状態
と曲がった状態とに変化させ得る可変湾曲部32とし、
該可変湾曲部32を、操作杆3の基端部に接続されてい
る操作装置4によって操作する。可変湾曲部32を通直
な状態として、トロカール管内に挿入し、引込手段によ
って、体腔内で糸2の一端を操作杆3の挿通路30へ引
き込み、可変湾曲部32を湾曲させ、この湾曲によって
形成されたループに、糸2の他端を挿通させ、結び目を
形成する。 【効果】体腔内で、容易かつ迅速に糸による吻合、縫
合、結紮を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体内での糸の結び目
を形成する技術に関し、詳しくは、例えば腹腔鏡下手術
において、腹腔内で生体組織の縫合、吻合、結紮を行う
際に、それに用いる糸を結ぶための結び目形成器具に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、虫垂炎の手術や胆嚢の切除術など
においては、開腹手術の他に、非開腹で行う非開腹的腹
腔鏡下手術を行う場合がある。この腹腔鏡下手術は、腹
腔内に複数本のトロカール管と呼ばれる管体を挿入し、
一本のトロカール管から挿入したカメラによって腹腔内
をモニターし、他のトロカール管内に挿入された器具に
よって、モニターを見ながら腹腔内で手術を行うもので
ある。
【0003】ところで、上記腹腔鏡下手術においては、
縫合や結紮を行う場合、糸を結ぶ操作に手間がかかって
いた。例えば、体腔内にある糸を鉗子などの器具を用い
てトロカール管より体腔外へ引き出し、体腔外で結び目
を作った後、再度糸をトロカール管内を通して体腔内へ
戻し、縫合や結紮を完了させていた。
【0004】このような手順では、手術に手間と時間が
かかり過ぎ、また感染の機会が増すため好ましくない。
【0005】近年、このような、手間を解消するため、
縫合や結紮を行うための特別の器具が開発されている。
例えば、特開平3−12126号には、ホッチキス状の
針を吻合や、縫合に用いる吻合・縫合器具が提案されて
いる。この場合には、ホッチキス針が体内に残留すると
いった欠点があるとともに、操作ミスによって、腹腔内
に針を落としてしまうという危険があり、さらに、糸に
よって縫合等する場合よりも強度が弱いといった欠点が
あった。
【0006】また、一般の外科手術においては、太い血
管の結紮など、強固に結び目を作る必要のある場合に
は、2重または3重に糸を絡ませて糸の結び目を作って
いた。しかしながら、このような結紮や吻合などには、
上記ホッチキス状の針を用いることはできず、また上記
従来の方法で糸の結び目を作るには、より多くの手間と
時間がかかってしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、例えば腹腔のような体腔内において、吻合、縫合、
結紮等のための糸の結び目を体外からの遠隔操作により
容易かつ確実に形成することができる結び目形成器具を
提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、糸の結び目を強固
に形成し、生体組織へ確実に密着させることができる結
び目形成器具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、糸の結び目を形成する結び目形成器具で
あって、この結び目形成器具は、体腔内と体外とを連通
させる連通管に挿入される操作杆と、前記操作杆内に形
成され、操作杆の先端部に開口部を有する挿通路と、前
記開口部より前記挿通路に糸を導入する糸導入手段と、
前記操作杆の基端部に接続され、前記操作杆を体外より
操作する操作装置とを有しており、前記操作杆の先端部
は、前記操作装置の操作により、直線状態と、少なくと
も1方向に曲がった状態とに変化し得る可変湾曲部を構
成している。
【0010】前記可変湾曲部は、少なくとも1重のルー
プを形成するよう湾曲することが好ましい。
【0011】この場合、前記操作装置は、先端が前記可
変湾曲部内の軸心から偏心した位置に固定された少なく
とも1本のワイヤと、前記ワイヤを基端側へ引っ張って
前記可変湾曲部を操作する湾曲操作機構とを有し、前記
ワイヤが、前記先端が固定された位置から前記湾曲操作
機構へ向けて、前記可変湾曲部に螺旋状に巻き付けられ
て設けられていることが好ましい。また、前記操作装置
は、前記可変湾曲部の軸心を介して対向する位置にそれ
ぞれ先端が固定された第1のワイヤおよび第2のワイヤ
と、前記第1のワイヤおよび第2のワイヤの一方を基端
側へ引っ張って前記可変湾曲部を所望に湾曲させる湾曲
操作機構とを有し、前記第1のワイヤおよび第2のワイ
ヤは、前記先端が固定された位置から前記可変湾曲機構
へ向けて、それぞれ、前記可変湾曲部に対し螺旋状に、
かつ相互に逆方向へ巻き付けられて設けられていること
が好ましい。また、前記操作装置は、さらに、先端が前
記可変湾曲部に固定された第3のワイヤと、前記第3の
ワイヤを基端側へ引っ張って前記ループの姿勢を変える
姿勢変更機構とを有することが好ましい。
【0012】また、前記可変湾曲部は、2重以上に重な
ったループを形成するよう湾曲することが好ましい。
【0013】この場合、前記操作装置は、先端が前記可
変湾曲部内の軸心から偏心した位置に固定された複数本
のワイヤと、前記各ワイヤを基端側へ引っ張って前記可
変湾曲部を操作する湾曲操作機構とを有し、前記各ワイ
ヤの先端は、それぞれ前記可変湾曲部の軸方向に所定の
間隔をおいて固定されており、前記各ワイヤは、この固
定位置から前記湾曲操作機構へ向けて、それぞれ前記可
変湾曲部に螺旋状に巻き付けられて設けられていること
が好ましい。
【0014】また、前記結び目形成器具は、前記開口部
から導入されて前記挿通路を挿通している第1の糸と、
前記可変湾曲部に形成された前記ループ内を通る第2の
糸とによって結び目を形成することが好ましい。
【0015】また、前記可変湾曲部は、糸の挿通孔を有
する複数の単位部材と、隣接する単位部材を揺動自在に
連結する連結部材とを有し、連結部材により隣接する単
位部材同士を屈曲して連結することにより、前記可変湾
曲部が全体で湾曲するように構成されていることが好ま
しい。
【0016】また、本発明は、糸の結び目を形成する結
び目形成器具であって、この結び目形成器具は、体腔内
と体外とを連通させる連通管に挿入される操作杆と、前
記操作杆内に形成され、操作杆の先端部に開口部を有す
る挿通路と、前記開口部より前記挿通路に糸を導入する
糸導入手段と、前記操作杆の基端部に接続され、前記操
作杆を体外より操作する操作装置とを有しており、前記
操作杆は、その先端部に設けられた自然状態で目的形状
に湾曲する可変湾曲部と、前記可変湾曲部の形状を略直
線状に規制する規制部材とを有することを特徴とする結
び目形成器具である。
【0017】また、本発明は、糸の結び目を形成する結
び目形成器具であって、この結び目形成器具は、体腔内
と体外とを連通させる連通管に挿入される一対の操作杆
と、前記各操作杆内に形成され、操作杆の先端部に開口
部を有する挿通路と、前記各開口部より前記各挿通路に
糸を導入する糸導入手段と、前記各操作杆の基端部に接
続され、前記各操作杆を体外より操作する操作装置と、
前記両操作杆の基端部を束ねる結束部材とを有してお
り、前記両操作杆のうちの少なくとも一方の先端部が、
前記操作装置の操作により、略直線状態と、少なくとも
1方向に曲がった状態、特にループ状に湾曲した状態と
に変化し得る可変湾曲部を構成していることを特徴とす
る結び目形成器具である。
【0018】前記可変湾曲部は、少なくとも1重のルー
プを形成するよう湾曲することが好ましい。
【0019】また、前記糸導入手段は、前記挿通路に連
通するよう挿通路の基端側に接続された吸引手段である
ことが好ましい。
【0020】また、前記結び目形成器具は、前記挿通路
に導入された糸を保持する保持手段を有することが好ま
しい。また、前記結び目形成器具は、前記挿通路に導入
された糸の緊張状態を維持する緊張手段を有することが
好ましい。前記緊張手段は、前記糸を巻き取る巻取軸
と、前記巻取軸を回動操作する回動摘みと、前記巻取軸
を所定の回転方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材
の付勢力に抗して巻取軸の回転を阻止するロック部材と
を有することが好ましい。
【0021】また、前記結び目形成器具は、前記付勢部
材の付勢力による前記巻取軸の回転を緩和する回転緩和
手段を有することが好ましい。
【0022】また、前記結び目形成器具は、前記操作杆
内に設けられ、挿通路内に位置する糸を切断する切断手
段を有することが好ましい。前記切断手段は、前記操作
杆の先端部に設置された一対の刃を有する鋏と、先端が
二股に分岐し、その分岐端がそれぞれ前記刃と反対側の
端部に固定された鋏作動用ワイヤと、前記操作装置に設
置され、前記鋏作動用ワイヤを牽引操作するハンドルと
で構成されていることが好ましい。
【0023】
【実施例】以下本発明の結び目形成器具の好適実施例に
ついて、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、
本発明の結び目形成器具の第1の実施例の全体側面図で
ある。本図では、操作杆3の先端が、操作装置4に対し
て約90°回転している状態を示すものである。
【0024】本発明の第1の実施例である結び目形成器
具1は、腹壁を貫通して設置され、体腔の一部である腹
腔内に体外とを連通させる連通管としての図示しないト
ロカール管内に挿入して、先端部を体腔内へ及ぼしめる
操作杆3と、前記操作杆3を体外より遠隔操作するため
の操作装置4とを有している。
【0025】操作杆3は、ほぼ直線状態である略直線部
31と可変湾曲部32とを有している。略直線部31は
その基端部が前記操作装置4の本体40に回動自在に接
続されており、基端部の外周部には大径部311が設け
られ、その外周面が前記本体40の両側部に突出してい
る。
【0026】この大径部311を手でつまんで回転操作
することで、操作杆3を回転させることができる。図2
に示されているように、略直線部31の内部には、軸方
向に沿って挿通路30が形成されている。
【0027】図3に示されているように、操作杆3内に
は、後述する可変湾曲部32の湾曲状態を調整するため
に、それぞれ設けられたワイヤ51、52、53が挿通
している。また、操作杆3の下側には切断手段を操作す
るためのワイヤ54が挿通している。ワイヤの構成材料
としては、強化糸や金属製の線材等が挙げられるが、可
変湾曲部32の剛性を高くせず、容易に湾曲させること
ができる点で、強化糸を用いるのが好ましい。
【0028】一方、可変湾曲部32は、前記略直線部3
1の先端に接続されている。可変湾曲部32は、図2に
示されているように、複数の単位部材である管体33
と、各管体33を連結する環状の連結部材34とを有し
ている。管体33は、軸方向に貫通する挿通孔331を
有し、その両端部332は球体となっている。連結部材
34は、前記管体33の間に位置し、管体の端部332
を突き合わせた状態で、2つの管体33の端部332の
外側に外嵌されている。管状の連結部材34の両端部3
40の内周面は、前記管体33の端部332の球状の外
周面が嵌合できるように、球状の凹面となっている。
【0029】本実施例の場合には、前記略直線部31の
先端は、可変湾曲部32との接続口312となってい
る。この接続口312には、管体33の端部332が揺
動自在に嵌合し得る球状の凹面を有する部分が形成され
ており、そこに可変湾曲部32の基端に位置する管体3
3の端部332が嵌合している。
【0030】管体33は、連結部材34に対して、端部
332に形成されている球面を摺動させながら、任意の
方向に揺動することができる。即ち、連結部材34と管
体33は球面接触であるため、連結部材34に対する管
体33の揺動方向に特に制限はない。
【0031】従って、可変湾曲部32は、管体33を突
き合わせて球体関節を形成する連結部材34において、
管体33間を屈曲させることにより、可変湾曲部32自
体の形状を、全体としてほぼ連続した湾曲形状にするこ
とができる。そして、任意の方向に任意の湾曲形状を作
ることが可能となる。
【0032】また、前記連結部材34の外周には、可撓
性を有する被覆材35が外装されている。また、ワイヤ
が動き易いように、ワイヤの外面または被覆材35の内
側に、シリコーンやグリース等の潤滑剤を塗布してもよ
い。
【0033】各管体33の挿通孔331および各連結部
材34の内腔によって、挿通路30の一部が構成され
る。挿通路30の先端、即ち可変湾曲部32の先端は、
操作杆3の先端に開口する開口部301となっている。
【0034】以上のような構成によって、可変湾曲部3
2はほぼ直線的な略直線状態と、任意の形状に湾曲した
湾曲状態とに形状を変化することができる。
【0035】また、図3に示されているように、先端部
には、横断面において対向する位置(本実施例では、横
断面正面視における左右位置)に、それぞれ前述のワイ
ヤ51、52の先端が固定されている。そして、ワイヤ
51、52は、それぞれ可変湾曲部32の各連結部材3
4の外周面に沿って巻き付けられて、前記被覆材35の
内側を挿通し、可変湾曲部32の基端部付近で、横断面
内において先端の位置と反対側の位置に達し、さらに前
記略直線部31内を軸線と平行に通過している。なお、
図示されていないが、連結部材34の外周面には、各ワ
イヤが挿入されてワイヤの移動を円滑に行わせるための
ワイヤ案内用の溝が設けられていてもよい。
【0036】また、ワイヤ53は、横断面正面視におい
て、上部に固定され、そのまま軸線に沿って可変湾曲部
32内を挿通している。ワイヤ53の先端の軸方向にお
ける固定位置は、可変湾曲部32の中央から基端部へ寄
った位置である。
【0037】以上のように配置されたワイヤ51、5
2、53を引っ張ることで可変湾曲部32の形状を操作
する。ワイヤ51または52を引っ張ると、可変湾曲部
32はその引っ張ったワイヤの方向に湾曲し、α状の形
状となる。この時、ワイヤ51、52は可変湾曲部32
の連結部材34に巻きついた状態で操作杆3内を挿通し
ているので、可変湾曲部32は螺旋状に湾曲して、1重
のループを形成する。
【0038】また、可変湾曲部32の先端部には、糸を
切断する切断手段が設けられている。切断手段は、図4
に示されている鋏36と、図5に示されている該鋏36
を作動させるハンドル37とを有している。
【0039】前記鋏36を構成する各刃361、362
は、可変湾曲部32の横断面形状に合わせて、すなわち
外側に凸に湾曲した形状としても良い。鋏36の支点3
63を中心とした、刃361、362の反対側には、ワ
イヤ54の先端がそれぞれ接続されている。
【0040】ワイヤ54の先端は、二股に分岐してお
り、分岐したそれぞれの先端は、鋏36の基端、すなわ
ち前記各刃361、362の反対側の端部に接続され
る。このような分岐したワイヤ54は、鋏36の近傍で
一本に束ねられる。従って、ワイヤ54を引っ張ると、
分岐されたワイヤは、鋏36が閉じる方向に鋏36の基
端部を引っ張る。また、この鋏36は、ワイヤ54が弛
んでいるときには、例えばバネのような図示しない付勢
部材により刃361、362が開く方向に付勢されてい
る。
【0041】以上のように構成された操作杆3の外径
は、トロカール管内に挿入可能な太さであればよく、例
えば、3〜5mm程度である。腹腔鏡下手術においては、
操作杆3の全長は、350〜400mm程度であるのが好
ましいが、この好ましい長さは手術をする部位、患者の
体格、年齢などによって若干異なる。
【0042】また、可変湾曲部32の長さは、30〜5
0mm程度であるとよい。この程度より短かすぎると、形
成するループの大きさが小さくなって、ループに糸を通
して結び目を形成することが難しくなる。また、長過ぎ
ると、ループを形成するために操作杆3の先端が移動す
る空間を広くとらなければならなくなり、体内の狭い空
間内で操作するのが困難となる。
【0043】操作装置4には、前記ワイヤ51、52、
53、54をそれぞれ引っ張るための機構と、挿通路3
0を挿通してきた糸を保持し、さらに糸が緊張状態を常
時維持できるようにする緊張手段とが設けられ、さら
に、糸を挿通路30へ取り込むための吸引手段が接続さ
れている。
【0044】操作装置4の本体40は、下部に固定把持
部41を有し、該固定把持部41の基端部近傍には、可
動把持部42が揺動自在に取り付けられている。把持部
41の基端部であって、かつ可動把持部42の取り付け
位置の近傍には、巻取歯車43が軸支されている。該巻
取歯車43にはワイヤ54を巻き取る巻取軸(図示しな
い)が一体となっており、後述するハンドル操作により
巻取歯車43を回転させることによって、ワイヤ54が
巻き取られて、ワイヤ54を引っ張り、切断手段を作動
させる。
【0045】一方、前記可動把持部42には、上下方向
へスリット421が形成され、該スリット421内にピ
ン411が嵌入されている。ピン411は、本体40に
立設され、可動把持部42の揺動の支点となる。
【0046】可動把持部42は前記ピン411を中心と
して揺動し、かつその揺動中心は、可動把持部42を移
動させて前記スリット421に対するピン411の位置
を変更することによって変えることができる。
【0047】可動把持部42において、前記巻取歯車4
3に対向する側面は、巻取歯車43の周面に沿って、湾
曲した接触面420が形成されており、該接触面420
の上下端部には、それぞれ前記巻取歯車43に噛合する
歯422、423が設けられている。上記固定把持部4
1、可動把持部42および巻取歯車43により、鋏作動
用ワイヤ54を牽引操作するハンドル手段37が構成さ
れる。次に、ハンドル手段37によるハンドル操作につ
いて説明する。
【0048】可動把持部42を下方にスライドさせて、
スリット421の上方にピン411を位置させ、固定把
持部41と可動把持部42とが開く方向に可動把持部4
2を揺動させると、歯422と巻取歯車43が噛合す
る。次に、固定把持部41と可動把持部42とが開く方
向に可動把持部42をさらに動かすことにより、歯42
2によって巻取歯車43が図中反時計方向に回転し、ワ
イヤ54を弛ませる。この操作によって、操作杆3の先
端部に設けられている鋏36が開く。
【0049】逆に鋏36を閉じて、糸を切断する場合に
は、最初に可動把持部42を上方にスライドさせて、ス
リット421の下部にピン411を位置させ、把持部4
1と可動把持部42とが閉じる方向に可動把持部42を
揺動させると、歯423と巻取歯車43が噛合する。次
に、固定把持部41と可動把持部42とが閉じる方向に
可動把持部42をさらに動かすことにより、歯423に
よって巻取歯車43が図中時計方向に回転し、ワイヤ5
4を巻取歯車43に巻き取ることができる。この結果、
ワイヤ54が牽引されて鋏36が閉じ、挿通路30を挿
通している糸を切断する。
【0050】この操作部37によれば、一般の鋏と同様
の操作感覚で、糸を切断できるといった利点がある。
【0051】一方、本体40には、接続されている操作
杆3の挿通路30に、一端が接続している通路44が設
けられている。この通路44の他端は、本体40の後部
に開口しており、この開口部分に、糸の吸引手段とし
て、図示しない吸引装置の吸引ノズル45が接続され
る。吸引装置を作動して吸引ノズル45より吸引する
と、通路44および挿通路30内に負圧が生じ、操作杆
先端の開口部301より糸が吸い込まれ、挿通路30お
よび通路44内に導入される。なお、吸引装置として
は、モータ等の駆動源により作動するものの他、例えば
ゴム製のバルーンまたはベローズと逆止弁とより構成さ
れ、手動でバルーン又はベローズを収縮させて空気を吸
引する構成のものであってもよい。
【0052】前記通路44において、吸引ノズル45
と、操作杆3の挿通路30の基端部との間には、緊張手
段としての巻取機構6が設けられている。図6は巻取機
構6の構成例を示す断面側面図である。
【0053】図6に示すように、巻取機構6は、前記通
路44を塞ぐ位置に嵌入され、本体40に回動自在に取
り付けられた巻取軸61と、巻取軸61の先端に、回動
自在に装着された回動摘み62と、回動摘み62と、本
体40との間に介挿され、巻取軸61に巻き付けた状態
で装着されている巻取軸61を所定の回転方向に付勢す
る付勢部材であるスプリング63と、回動摘み62が巻
取軸61と一体として回転し得るように接続する接続部
材64と、回動摘み62が前記スプリング63の付勢力
により回転しないようにロックするロック部材65とを
有している。
【0054】巻取軸61には、通路44とほぼ同径の孔
611が形成されており、巻取軸61を回転させること
によって、通路44と孔611の連通状態(吸引可能な
状態)と非連通状態(吸引不可能な状態)とに切換える
ことができる。なお、糸の吸引操作は、吸引装置を直接
操作することにより行ってもよい。吸引装置は、通常の
病院等の医療機関であれば設置されている一般的な設備
であり、どの病院等でも吸引手段を糸導入手段として用
いることができる点で、汎用性がある。
【0055】本体40の外側に突出している巻取軸61
の先端には、断面形状がほぼ正六角形である穴612が
形成されており、さらにその上には、回動摘み62が回
動自在に覆い被せられている。
【0056】回動摘み62の中心には、前記穴612と
ほぼ同じ正六角形の孔621が形成されており、前記孔
621と穴612には、接続部材64が挿脱自在に嵌入
されている。接続部材64は、前記孔621と穴612
の断面形状とほぼ同じ断面形状、即ち、断面がほぼ正六
角形である棒状部641を有し、その一端には摘み部6
42を有している。この接続部材64を孔621と穴6
12とに同時に挿入することによって、回動摘み62と
巻取軸61とは一体として回動する。回動摘み62と巻
取軸61との一体回動を解除し、回動摘み62が巻取軸
61に対してフリー回転し得るようにするには、図6中
の二点鎖線で示すように、接続部材64の摘みを摘ん
で、棒状部641が穴612から抜ける程度まで、接続
部材64を引き抜く。
【0057】巻取軸61に外装されているスプリング6
3の一端は、本体40に係止され、他端は前記回動摘み
62に係止されている。このため、回動摘み62を摘ん
で回転させると、その回転方向と逆方向にスプリング6
3による付勢力が発生する。この状態で、接続部材64
を押し込んで回動摘み62と巻取軸61を接続すると、
スプリング63の付勢力で巻取軸61が回転し、糸を巻
き取ることができる。また、回動摘み62の底部には、
図7に示すように、外周縁に沿って、等間隔で凹部62
3が形成され、回動摘み62の外周面には、軸方向に形
成された溝622が等間隔で円周方向に刻まれている。
【0058】巻取軸61の近傍には、ロック部材65が
立設されている。ロック部材65は、前記回動摘み62
の溝622に係合する係合部651が上端部に形成さ
れ、基端部には、L字型に屈曲してアーム部652が形
成されている。そして、ロック部材65は、その屈曲点
が軸支部653とされ、本体40に揺動自在に支持され
ている。アーム部652の先端部には、本体40との間
に介挿されている付勢部材654の一端が当接してお
り、該アーム部652を上方に付勢している。これによ
り、前記係合部651は、常時回動摘み62の溝622
に係合する方向へ付勢される。前記係合部651が回動
摘み62の溝622に係合している場合は、回動摘み6
2の回転は規制される。
【0059】ロック部材65による回動摘み62の回転
のロックを解除する場合には、アーム部652の先端部
を本体40の方へ押し込む。これにより、ロック部材6
5が揺動し、係合部651が溝622から外れて、回動
摘み62の回転のロックが解除される。
【0060】一方、巻取軸61に対して、前記ロック部
材65が設けられている位置の反対側には、板バネ66
が固定されている。図8に示されているように、該板バ
ネ66は、本体40に固定するための固定端661と、
巻取軸61が挿通する孔662と、固定端661の反対
側の端に形成された凸部663とを有している。板バネ
66の弾性力により、凸部663は、回動摘み62の底
面に形成されている凹部623に当接する。このような
板バネ66、凸部663および凹部623により、スプ
リング63の付勢力による巻取軸61の回転を緩和する
回転緩和手段が構成される。
【0061】回動摘み62を回転させると、板バネ66
の凸部623が回動摘み62の凹部623に順次係合す
る。スプリング63の付勢力によって、回動摘み62と
巻取軸61とが回転した場合、この板バネ66による凸
部663と凹部623との係合動作により、巻取軸61
が加速して高速で回転することなく、緩やかに巻取動作
を行わせることができる。
【0062】糸2を巻取る場合には、糸導入手段である
吸引手段によって、糸2を巻取軸61の孔611まで引
き込み、その状態で、巻取軸61を回転させる。これに
より、糸2は孔611内に位置した状態で巻取軸61に
巻き付けられ、挿通路30から抜け落ちないように保持
される。
【0063】次に、操作杆3の可変湾曲部32を操作す
る湾曲操作機構7の説明をする。図1および図3に示さ
れているように、本体40の操作杆3が接続されている
接続部分の近傍には、巻取リール71と、引張リール7
2とが、本体40に軸支されて、回動自在に設けられて
いる。
【0064】巻取リール71には、ワイヤ53が巻き付
けられ、ワイヤ53を巻き取って、ワイヤ53を牽引す
ることにより、可変湾曲部32を上方へ湾曲させること
ができる。巻取リール71を回転させるには、リールの
側面を指でしごいて送るようにする。
【0065】巻取リール71はリールに限らず、ワイヤ
53を引っ張る機構であればよく、例えばレバーの操作
や、単に手でワイヤを引き抜く操作をすることによっ
て、可変湾曲部32を湾曲させることもできる。
【0066】引張リール72には、前記ワイヤ51、5
2がそれぞれ反対方向に巻き付けられている。従って、
引張リール72を一定方向に回転させると、ワイヤ5
1、52のうちの一方を引っ張り、他方を緩ませる構成
となり、一方のワイヤを引っ張って可変湾曲部32を湾
曲させる時、他方のワイヤが突っ張って、湾曲操作の邪
魔になることはない。
【0067】また、巻取リール71を回転させると、ワ
イヤ53が引っ張られ、引張リール72の作用によっ
て、可変湾曲部32で構成されたループが、操作杆3の
略直線部31に対して傾斜する。このように、ループを
傾斜させることによって、ループ内に、糸を通し易くす
る。
【0068】以上のように構成された、本発明の結び目
形成器具1を用いた結び目形成方法の一例について、図
9および図10を参照しつつ説明する。腹腔内と体外と
を連通させるトロカール管と呼ばれる連通管を腹壁に複
数設置し、結び目形成器具1を2個用いる。例えば、ト
ローカル管を介して挿入された縫合器により生体組織を
縫合した後、その組織から出ている2本の糸2a、2b
について、以下のようにして結び目を形成する。なお、
糸2a、2bは、異なる2本の糸でも、つながった一本
の糸の両端部でもよい。
【0069】それぞれ異なるトロカール管から、各々の
操作杆3a、3bの可変湾曲部32を真っ直ぐにした状
態で、結び目形成器具をそれぞれ挿入する。既述したよ
うに、回動摘み62および接続部材64を動かして巻取
機構6を作動させると共に、既に生体組織に通されてい
る医療用の糸2のうちの片方2aを、吸引手段を用い
て、一方の結び目形成器具1aの操作杆3aの先端から
吸引し、巻取機構6で確実に保持する程度まで巻き取
る。巻き取った後は、ロック部材65により巻取機構6
の回動をロックし、糸2aを保持しておく。
【0070】結び目形成器具1aにおける引張リール7
2を所定方向に回転し、可変湾曲部32を湾曲させて、
α状のループを形成する。次に、巻取リール71を回転
させてワイヤ53を巻き取ると、前記形成されたループ
は、略直線部31に対して傾斜する姿勢にセットされ
る。
【0071】他方の結び目形成器具1bの先端を略直線
状態としたまま、図1に示されているように、前記α状
に形成された可変湾曲部32のループの内側を通す。そ
の状態で、略直線状の操作杆3bの先端から、他方の糸
2bを吸引手段によって取り込んで、巻取機構6にて確
実に保持する。
【0072】可変湾曲部32のループを挿通している操
作杆3bを抜き取ると、図9Aに示すように、ループ内
を糸2bが挿通する。この糸2bを、図9Bに示すよう
に、湾曲している可変湾曲部32の先端を迂回するよう
に、ループの外側に移動させると、図9Cに示すよう
に、糸2bが操作杆3aの先端開口部より露出した糸2
aと交差し、図9Dに示すように、糸2bが糸2aに絡
んで一つ目の結び目21が形成される。なお、この操作
は、操作杆3a、即ちループを形成している側の操作杆
を動かす(移動または回転)ことにより行ってもよい。
【0073】次に、結んだ糸を生体組織に密着させるた
めに、結び目形成器具1aおよび/または結び目形成器
具1bの緊張手段を作動させる。即ち、例えば両結び目
形成器具1a、1bにおいて、それぞれ先端部を略直線
状態に戻した後、ロック部材65による回動摘み62の
回転規制を解除し、スプリング63の付勢力によって巻
取軸61を回転させる。これにより、糸2a、2bは序
々に巻き取られる。そして、操作杆3a、3bの先端に
それぞれ糸2a、2bが引き込まれていくにつれて、該
操作杆3a、3bを生体組織に向けて突き進め、その先
端で第1の結び目21を組織に押し付けることで、生体
組織に密着した結び目を確実に作ることが可能となる。
【0074】外科手術における結紮処理などにおいて
は、結び目をほぐれにくくするため、逆回りの第2の結
び目22を形成するのが好ましい。この場合には、まず
両ロック部材65によるロックを解除し、両結び目形成
器具1a、1bの両巻取軸61を巻取方向とは逆方向に
回転させつつ、操作杆3a、3bを後退させ、前記巻き
取った糸2a、2bを結び目を形成できる程度に弛ませ
る。
【0075】次に、結び目形成器具1bの巻取軸61を
さらに逆回転させて図6に示す状態すなわち、操作杆3
b内に引き込んだ糸2bをフリーの状態とし、例えば吸
引ノズル45から通路44内へ気体を送って糸2bを操
作杆3b内から吐き出す。
【0076】次に、結び目形成器具1aの操作杆3a
で、第1の結び目21を形成した向きと逆向きのループ
を形成し、このループに操作杆3bの先端を挿入する。
操作杆3bの先端に、前記吐き出した糸2bを、吸引手
段を用いて再度引き込み、操作杆3bを後退させてルー
プから抜き取り、図10Aに示す状態とする。またこの
とき両結び目形成器具1a、1bにおいて巻取機構6に
糸2a、2bを確実に保持する。以後は上記説明した内
容と同様の操作を行い、図10B〜Dに示すようにし
て、第2の結び目22を形成し、さらにこれを前記と同
様にして生体組織に密着させる。
【0077】このようにして、糸2a、2bが結ばれた
ら、両結び目形成器具1a、1bの可動把持部42をそ
れぞれ操作し、巻取歯車43を回転させてワイヤ54を
引っ張り、鋏36を作動させて糸2a、2bを切断す
る。
【0078】なお、第2の目の結び目の形成は、操作杆
3a内から糸2aを一度吐き出し、再度吸引する方法
や、両操作杆3a、3b内からそれぞれ糸2a、2bを
一度吐き出し、再度吸引する方法により行ってもよい。
また、前記とは逆に、操作杆3bの先端部でループを形
成し、操作杆3aを前記ループに挿通して、結び目を形
成してもよい。以上のような操作によれば、体腔内で縫
合や結紮の処理が容易にかつ迅速に行え、しかも糸を自
動的に巻き取るので、左右の手でそれぞれ器具1a、1
bを操作している時に手が足りなくなるという不都合も
生じない。またホチキス針でなく、糸によって処置を行
うことができるため、安全かつ確実に結紮や吻合等を行
える。
【0079】次に、本発明の結び目形成器具の第2の実
施例について説明する。図11は、本発明の第2の実施
例の結び目形成器具の全体側面図である。本図では、操
作杆3の先端が、操作装置4に対して180°回転して
いる状態を示すものである。以下、この第2の実施例を
説明するにあたり、前記第1の実施例と同一の部材につ
いては同一の符号を用い、同様の構成については、その
説明を省略する。
【0080】本発明の第2の実施例の結び目形成器具
1’は、腹壁を貫通して設置され、体腔の一例である腹
腔内に体外とを連通させる連通管としての図示しないト
ロカール管内に挿入して、先端部を体腔内へ及ぼしめる
操作杆3と、前記操作杆3を体外より遠隔で操作するた
めの操作装置4とを有している。
【0081】操作杆3は、前記と同様の略直線部31と
可変湾曲部32とを有している。図12に示されている
ように、前記略直線部31の先端は、可変湾曲部32と
の接続口312となっており、管体33の端部332が
揺動自在に嵌合し得る球状の凹面が形成されており、こ
こに可変湾曲部32の基端に位置する管体33の端部3
32が嵌合している。図13に示されるように、可変湾
曲部32は、前記と同様の構造により湾曲し得るように
構成されている。
【0082】可変湾曲部32の連結部材34には、図1
4に示すように、ワイヤ54をガイドする下ガイド部3
42と上ガイド部343とが交互に設けられている。こ
の下ガイド部342には、基部に連結部材34の軸方向
に孔が形成されており、この孔にワイヤ54が挿通す
る。また上ガイド部343の上部には、連結部材34の
軸方向に溝が形成されており、この溝にワイヤ54が挿
通する。
【0083】図14に示されているように、操作杆3内
には、可変湾曲部32の湾曲状態を調整したり、切断手
段を操作するために、それぞれ設けられた前記と同様の
ワイヤ51、52、53、54、55、56、57が挿
通している。
【0084】図14および図15は、上記ワイヤ51、
52、53、54、55、56の配置状態を示すもので
ある。ワイヤ51、52、53および54は、可変湾曲
部32を螺旋状(コイル状)のループに湾曲させるため
のワイヤであり、ワイヤ55は、螺旋状のループを形成
した可変湾曲部32のループの方向を変える操作をする
ためのワイヤであり、ワイヤ56は、湾曲した可変湾曲
部32を元の状態に戻すためのワイヤである。以下、上
記それぞれのワイヤの設置位置について説明する。
【0085】ワイヤ54の先端は、可変湾曲部32の先
端の固定部341aに固定され、連結されている連結部
材34の下ガイド部342と上ガイド部343を交互に
挿通し、操作杆3の軸線に沿って設けられ、後端は操作
装置4の本体40に設けられている巻取リール71に巻
き付けられている。ワイヤ54が下ガイド部342と上
ガイド部343とを挿通すると、側面視で図15に示さ
れているように、ワイヤ54は上下に順に屈折した状態
となる。下ガイド部342と上ガイド部343とによっ
て、湾曲した時の可変湾曲部32の曲率を大きくするこ
とができる。
【0086】巻取リール71によって、ワイヤ54を巻
き取って引っ張ると、可変湾曲部32は同一平面内で湾
曲し、更に引っ張るとうず巻き状に湾曲する(本実施例
の場合には2回り半)。
【0087】一方、ワイヤ51の先端は、最も先端に位
置する連結部材34の周面に設けられた固定部341b
に固定され、可変湾曲部32に巻き付くように、その周
面に沿って設けられており、後端は操作装置4の本体4
0に設けられているリール72aに巻き付けられてい
る。ワイヤ51が巻き付けられている可変湾曲部32の
長さは、本実施例の場合には、可変湾曲部32の1/3
程度の長さであり、巻き付け角度は、約180°程度、
換言すると、可変湾曲部32の横断面視で、ワイヤ51
の先端が固定された位置から反対側の位置までである。
巻き付けが終わったワイヤ51は、可変湾曲部32と略
直線部31の軸線に平行に配置される。
【0088】ワイヤ51を引っ張ることによって、可変
湾曲部32は捩じられ、ワイヤ54の作用との合成によ
って、操作杆3の最も先端に位置する螺旋状のループ
(コイルの一巻き)が形成される。
【0089】同様に、ワイヤ52は、上記ワイヤ51と
同じ様に設けられている。即ち、ワイヤ52の先端は、
ワイヤ51の巻き付きが終わった位置において、連結部
材34の周面に設けられた固定部341cに固定され、
可変湾曲部32に巻き付くように、その周面に沿って設
けられており、後端は操作装置4の本体40に設けられ
ているリール72bに巻き付けられている。
【0090】さらに、ワイヤ53も、上記ワイヤ51と
同じ様に設けられている。即ち、ワイヤ53の先端は、
ワイヤ52の巻き付きが終わった位置において、連結部
材34の周面に設けられた固定部341dに固定され、
可変湾曲部32に巻き付くように、その周面に沿って設
けられており、後端は操作装置4の本体40に設けられ
ているリール72cに巻き付けられている。
【0091】上記、ワイヤ51、52、53を操作する
ことによって、可変湾曲部32は捩じられ、ワイヤ54
によって形成されたうず巻き状のループを螺旋状(コイ
ル状)に変形させることができる。
【0092】ワイヤ55の先端は、ワイヤ53の巻き付
きが終わった位置において、連結部材34の周面に設け
られた固定部341eに固定され、それより基端側に設
けられた上ガイド部343を通って、操作杆3の軸線に
沿って設けられている。ワイヤ55の後端は操作装置4
の本体40に設けられているリール72dに巻き付けら
れている。
【0093】このワイヤ55を操作することによって、
図1に示すように、可変湾曲部32にて形成された螺旋
状のループを、基端部で屈曲させて先端が操作装置4側
を向くようにすることができ、処理をしやすくすること
ができる。
【0094】ワイヤ56は、可変湾曲部32の先端部の
固定部341fに先端が固定されている。固定部341
fは、操作杆3の横断面視において、軸線に対して前記
ワイヤ51の固定部341bに対向する位置に位置して
いる。ワイヤ56は、ワイヤ51、52、53とは、逆
向きに可変湾曲部32のほぼ全長に渡って巻き付けら
れ、巻き付け角度は約180°程度である。ワイヤ56
を引っ張ることによって、ループを形成した可変湾曲部
32を元のほぼ直線の状態に戻すことができる。そし
て、さらに引っ張れば、逆向きの1重のループを形成で
きる。
【0095】結び目形成器具1’は、糸を切断する前記
と同様の切断手段が設けられている。この切断手段は、
可変湾曲部32の先端部に設けられた前記と同様の図6
に示す鋏36と、該鋏36を作動させる操作部37とを
有している。この切断手段の作動は、前記と同様に、操
作部37における可動把持部42の操作により巻取歯車
43の巻取軸(図示せず)に巻き取り、ワイヤ57を牽
引して鋏を作動させ、糸を切断する。
【0096】以上のように構成された、操作杆3の好ま
しい外径や全長は、前記と同様である。また、可変湾曲
部32の長さは、30〜100mm程度であるとよい。こ
の程度より短かすぎると、形成するループの大きさが小
さくなって、ループに糸を通して結び目を形成するのが
難しくなる。また、長過ぎると、ループを形成するため
に操作杆3の先端が移動する空間を広くとらなければな
らなくなり、体内の狭い空間内で操作するのが困難とな
る。
【0097】操作装置4には、前記ワイヤ51、52、
53、54、55、56、57をそれぞれ引っ張るため
の機構、前記と同様の緊張手段および吸引手段を有す
る。図6、図7および図8に示す機構は、第2の実施例
である結び目形成器具にも同様に適用される。
【0098】次に、操作杆3の可変湾曲部32を操作す
る湾曲操作機構7の説明をする。図11および図14に
示されているように、本体40の操作杆3が接続されて
いる接続部分の近傍には、ワイヤ54を巻き取る前記と
同様の巻取リール71と、引張リール72とが、本体4
0に軸支されて、回動自在に設けられている。
【0099】巻取リール71によりワイヤ54を巻き取
って引っ張ることにより、可変湾曲部32を上方へ湾曲
させることができる。
【0100】引張リール72は、ワイヤ51、52、5
3、55がそれぞ巻き付けられるリール72a、72
b、72c、72dを有し、前記ワイヤ51、52、5
3、55はそれぞれ同じ向きに巻き付けられている。ま
た、ワイヤ56は、ワイヤ51が巻き付けられているリ
ール72aにワイヤ51とは反対方向に巻き付けられて
いる。
【0101】従って、引張リール72を一体として例え
ば図14中時計回りに回転させると、一方のワイヤ5
1、52、53、55を引っ張り、他方のワイヤ56を
緩ませる構成となり、一方のワイヤ51、52、53、
55を引っ張って可変湾曲部32を湾曲させる時、ワイ
ヤ56が突っ張って、湾曲操作の邪魔になることはな
い。なお、引張リール72を構成する4つのリール72
a、72b、72c、72dは、各ワイヤの引張量に合
わせて、径を異なるものとすることもできる。
【0102】また、巻取リール71を回転させると、ワ
イヤ54が引っ張られ、引張リール72の作用によっ
て、可変湾曲部32で構成された螺旋状のループの先端
が、操作装置4の方へ向き、ループ内に、糸を通し易く
する。
【0103】以上のように構成された、本発明の結び目
形成器具1’を用いた結び目形成方法の一例について、
図16および図17に基づき説明する。腹腔内と体外と
を連通させるトロカール管と呼ばれる連通管を腹壁に複
数設置し、結び目形成器具1’を2個用いる。
【0104】例えば、トローカル管を介して挿入された
縫合器により生体組織を縫合した後、その組織から出て
いる2本の糸2a、2bについて、以下のようにして結
び目を形成する。それぞれ異なるトロカール管から、各
々の操作杆3a、3bの可変湾曲部32を真っ直ぐにし
た状態で、結び目形成器具1’をそれぞれ挿入する。既
述したように、回動摘み62および接続部材64を動か
して巻取機構6を作動させると共に、既に生体組織に通
されている糸2の片方2aを、吸引手段を用いて、一方
の結び目形成器具1’aの操作杆3aの先端から吸引
し、巻取機構6で確実に保持する程度まで巻き取る。巻
き取った後は、ロック部材65により巻取機構6の回転
をロックしておく。
【0105】結び目形成器具1’aにおける巻取リール
71を回転させてワイヤ54を巻き取ると、前記形成さ
れたループは、ほぼ同一平面内で形成される渦巻き状の
ものとなる。
【0106】次に、引張リール72を回転させると、前
記うず巻き状のループは、渦の回転軸方向にループが引
き伸ばされて、螺旋状(コイル状)となり、さらに可変
湾曲部32の基端部が湾曲して、先端が操作装置4の方
向へ向く(図11の状態)。
【0107】他方の結び目形成器具1bの先端を略直線
状態としたまま、図11に示されているように、前記螺
旋状に形成された可変湾曲部32のループの内側を通
す。その状態で、略直線状の操作杆3bの先端から、他
方の糸2bを吸引手段によって取り込んで、巻取機構6
にて確実に保持する。
【0108】可変湾曲部32のループを挿通している操
作杆3bを抜き取ると、図16Aに示すように、螺旋状
のループ内を糸2bが挿通する。この糸2bを、図16
B、Cに示すように、湾曲している可変湾曲部32の先
端を迂回するように、ループの外側に移動させると、図
16D、図17Aに示すように、前記と同様、糸2aお
よび2bが交差して1重の結び目が形成され、さらに可
変湾曲部32の先端を迂回するようにして、もう一回り
させると(図17B)ループ内から糸2bが外れて、2
重の結び目が形成される(図17C)。
【0109】このようにして、糸2aおよび2bが複数
回ねじれ合った第1の結び目21’が形成されるが、こ
の操作は、操作杆3a、即ちループを形成している側の
操作杆を動かすことにより行ってもよい。
【0110】次に、結んだ糸を生体組織に密着させるた
めに、結び目形成器具1’aおよび/または結び目形成
器具1’bの緊張手段を作動させる。即ち、例えば両結
び目形成器具1’a、1’bにおいて、それぞれ先端部
を略直線状態に戻した後、ロック部材65による回動摘
み62の回転規制を解除し、スプリング63の付勢力に
よって巻取軸61を回転させる。これにより、糸2a、
2bは序々に巻き取られる。そして、操作杆3a、3b
の先端にそれぞれ糸2a、2bが引き込まれていくにつ
れて、該操作杆3a、3bを生体組織に向けて突き進
め、その先端で第1の結び目21’を組織に押し付ける
ことで、生体組織に密着した結び目を確実に作ることが
可能となる。
【0111】さらに、前記と同様の理由から、逆回りの
第2の結び目22を形成する必要がある。この場合に
は、まず両ロック部材65によるロックを解除し、両結
び目形成器具1’a、1’bの両巻取軸61を巻取方向
とは逆方向に回転させつつ、操作杆3a、3bを後退さ
せ、前記巻き取った糸2a、2bを結び目を形成できる
程度に弛ませる。次に、結び目形成器具1bの巻取軸6
1をさらに逆回転させて図6に示す状態すなわち、操作
杆3b内に引き込んだ糸2bをフリーの状態とし、前記
と同様の方法で糸2bを操作杆3b内から吐き出す。次
に、引張リール72を前記と逆方向へ回転し、ワイヤ5
6によって、結び目形成器具1’aの操作杆3aの可変
湾曲部32を前記と逆向きに湾曲させて1重以上のルー
プを形成し、このループに操作杆3bの先端を挿入す
る。操作杆3bの先端に、前記吐き出した糸2bを、吸
引手段を用いて再度引き込み、操作杆3bを後退させて
ループから抜き取り、図18Aに示す状態とする。また
このとき両結び目形成器具1’a、1’bにおいて巻取
機構6に糸2a、2bを確実に保持する。以後は上記説
明した内容と同様の操作を行い、図18B〜Dに示すよ
うにして、第2の結び目22を形成し、さらにこれを前
記と同様にして生体組織に密着させる。
【0112】このようにして、糸2a、2bが結ばれた
ら、両結び目形成器具1’a、1’bの可動把持部42
をそれぞれ操作して、巻取歯車43を回転させてワイヤ
57を引っ張り、鋏36を作動させて糸2a、2bを切
断する。
【0113】なお、第2の結び目の形成は、操作杆3a
内から糸2aを一度吐き出し、再度吸引する方法や、両
操作杆3a、3b内からそれぞれ糸2a、2bを一度吐
き出し、再度吸引する方法により行ってもよい。また、
前記とは逆に、操作杆3bの先端部でループを形成し、
操作杆3aを前記ループに挿通して、結び目を形成して
もよい。以上のような操作によれば、体腔内で縫合や結
紮の処理が容易にかつ迅速に行え、しかも糸を自動的に
巻き取るので、左右の手でそれぞれ器具1’a、1’b
を操作している時に手が足りなくなるという不都合も生
じない。またホチキス針でなく、糸によって処置を行う
ことができるため、安全かつ確実であり、かつ2重ある
いは3重以上の結び目を一回の操作で簡単に作ることが
でき、より強固にかつ確実に結紮や吻合等を行うことが
できる。
【0114】なお、螺旋状の形成されるループの数を増
やすことによって、3重、4重の結び目を形成すること
ができ、より強固な結び目を作ることができる。特に、
引張リール72を構成する各リール72a、72b、7
2c、72dが独立して回転するように構成すると、任
意のワイヤを操作することができ、可変湾曲部32によ
って形成される螺旋の数を1重、2重、3重と選択する
ことがきる。このようにすれば、単一の結び目形成器具
で、複数種類の結び目を作ることができる。また、可変
湾曲部32の湾曲を操作するワイヤの数を増やすことに
よって、第2の結び目を2重あるいは3重以上にするこ
とも可能である。
【0115】次に、本発明の結び目形成器具の第3の実
施例について説明する。図19、図20および図21
は、それぞれ本発明の第3の実施例の結び目形成器具の
部分斜視図である。以下、この第3の実施例を説明する
にあたり、前記第1の実施例と同一の部材については同
一の符号を用い、同様の構成については、その説明を省
略する。
【0116】本発明の第3の実施例の結び目形成器具8
は、2本の前記と同様の構成の操作杆3a、3bと、操
作杆3a、3bを体外より遠隔操作する図示しない操作
装置とを有している。この場合、操作装置は、前記と同
様のハンドル手段37、巻取機構6、湾曲操作機構7お
よび吸引手段等をそれぞれ2組有し、可変湾曲部32の
湾曲操作、糸2a、2bの吸引操作、巻取操作、緊張操
作、切断操作等を操作杆3a、3bのそれぞれに対し独
立して行うことができるように構成されている。
【0117】操作装置の先端付近には、結束管9が設置
されており、この結束管9内には、操作杆3a、3bの
基端部が、操作杆3a、3bをその軸方向に移動可能に
収納されている。すなわち、操作杆3a、3bは、結束
管9内に挿入されて束ねられた状態で、結束管9ごと前
記トロカール管内に挿入され、体腔内へ導かれる。結び
目形成器具8の操作杆3a、3bにおいて、略直線部3
1、可変湾曲部32の構造やワイヤの配置等は、前記第
1の実施例と同様である。
【0118】以上のように構成された本発明の結び目形
成器具8を用いた結び目形成方法の一例について、図1
9ないし図21に基づき説明する。腹腔内と体外とを連
通させるトロカール管と呼ばれる連通管を腹壁に複数設
置し、そのうちの1つより本発明の結び目形成器具8の
操作杆3a、3bをそれぞれ略直線状態として管体8と
ともに挿入する。例えば、トローカル管を介して挿入さ
れた縫合器により生体組織を縫合した後、その組織から
出ている2本の糸2a、2bについて、以下のようにし
て結び目を形成する。
【0119】既述のごとく巻取機構6を作動させるとと
もに、図19に示されているように、既に生体組織に通
されている糸2の片方2aを、吸引手段を用いて一方の
操作杆3aの先端から吸引し、巻取機構6で確実に保持
する程度まで巻き取り、その回転をロックしておく。
【0120】図20に示されているように、引張リール
の操作により操作杆3aの可変湾曲部32を湾曲させ
て、α状のループを形成し、次いで巻取リールを操作し
て前記ループを略直線部31に対し傾斜させる。
【0121】他方の操作杆3bの可変湾曲部32を略直
線状態としたまま、図21に示されているように、前記
α状に形成された可変湾曲部32のループの内側を通
す。その状態で、略直線状の操作杆3bの先端から、他
方の糸2bを吸引手段によって取り込んで、巻取機構6
で確実に保持する。このとき、操作杆3bの先端は、ル
ープから抜き取られた位置まで後退させておく。以後、
前述した第1の実施例と同様にして糸2a、2bによる
第1の結び目および第2の結び目を形成する。
【0122】このような結び目形成器具8によれば、操
作杆3aおよび3bが結束管9により束ねられて1つの
器具にまとめられているため、取り扱いがし易く、しか
も、使用するトロカール管が1つでよいため、トロカー
ル管の数がより少なくなり、患者の負担が軽減するとい
る利点がある。
【0123】なお、結び目形成器具8の他の応用例とし
て、操作杆3aおよび3bの少なくとも一方を、前述し
た第2の実施例のような可変湾曲部32が螺旋状(コイ
ル状)のループを形成する構成としたものが挙げられ
る。また、操作杆3aおよび3bのうちの一方は、可変
湾曲部32を有さず、すなわち先端部が湾曲しない略直
線状態であるものであってもよい。
【0124】次に、本発明の結び目形成器具の第4の実
施例について説明する。図22〜図29は、それぞれ本
発明の第4の実施例の結び目形成器具による結び目形成
工程を示す部分斜視図である。以下、この第4の実施例
を説明するにあたり、前記第3の実施例と同一の部材に
ついては同一の符号を用い、同様の構成については、そ
の説明を省略する。
【0125】本発明の第4の実施例の結び目形成器具1
0は、操作杆3c、3dと、操作杆3c、3dを体外よ
り遠隔操作する図示しない操作装置と、前記と同様の結
束管9を有している。結束管9内には、操作杆3c、3
dの基端部が、軸方向に移動可能に収納されている。す
なわち、操作杆3c、3dは、結束管9内に挿入されて
束ねられた状態で、結束管9ごと前記トロカール管内に
挿入され、体腔内へ導かれる。
【0126】操作杆3cは、硬質材料で構成される外管
38と、外管38内に挿入される内管39とで構成され
ている。内管39の先端部は、可撓性を有している。そ
して、内管39の先端部の外周には、湾曲状態を形成す
るためのコイル391が巻き付けられており、このコイ
ル391の弾性力により、図23および図24に示すよ
うに、内管39を自然状態(外力を加えない状態)とし
たとき、可変湾曲部32が所望のループ形状に湾曲す
る。図22に示すように、内管39を外管38に対し軸
方向に相対的に移動して、内管39を先端まで全て外管
38内に挿入すると、可変湾曲部32は、外管38によ
り拘束されてその形状が略直線状に規制される。
【0127】なお、コイル391の構成材料としては、
例えば、SUS304、SUS316、PHステンレス
(析出硬化ステンレス)等のステンレス鋼、Ni−Ti
系合金等の超弾性合金などの各種金属や、ポリアミド、
ポリイミド、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリテト
ラフルオロエチレン等の各種樹脂が挙げられる。
【0128】一方、操作杆3dは、前述したような可変
湾曲部を有さず、すなわち先端部が湾曲しない略直線状
の管体で構成されている。
【0129】操作杆3c、3dの基端側に設置された操
作装置は、前記と同様の巻取機構6、吸引手段等をそれ
ぞれ2組有し、操作杆の軸方向の移動操作、糸2a、2
bの吸引操作、巻取操作、緊張操作等を操作杆3c、3
dのそれぞれに対し独立して行うことができるように構
成されている。さらに、操作装置は、操作杆3cの可変
湾曲部32の湾曲操作を行う湾曲操作機構を備えてい
る。この場合、結び目形成器具10における湾曲操作機
構は、前述した複数のワイヤおよびその牽引手段である
リール71、72ではなく、内管39を外管38に対し
軸方向に相対的に移動して、内管39の湾曲部32を外
管38の内腔内に収納したり外管38の先端から突出さ
せたりすることができる機構である。
【0130】以上のように構成された本発明の結び目形
成器具10を用いた結び目形成方法の一例について、図
22〜図29に基づき説明する。腹壁に複数設置された
トロカール管のうちの1つより本発明の結び目形成器具
10の操作杆3c、3dをそれぞれ結束管9とともに挿
入する。このとき、操作杆3cの可変湾曲部32を外管
38内に収納し、操作杆3cを略直線状態としておく。
【0131】例えば、トロカール管を介して挿入された
縫合器により生体組織を縫合した後、その組織から出て
いる糸2a、2bについて、以下のようにして結び目を
形成する。図22に示されているように、生体組織に通
されている一方の糸2aを、吸引手段を用いて一方の操
作杆3cの先端から吸引し、前述したように巻取機構6
を作動して糸2aを確実に保持する程度まで巻き取り、
その回転をロックしておく。
【0132】図23に示されているように、操作杆3c
の外管38を基端側へ後退させて可変湾曲部32を外管
38の先端より突出させる。これにより、その可変湾曲
部32は、湾曲してα状のループを形成する。図24に
示されているように、他方の操作杆3dを前進させて、
前記α状に形成された可変湾曲部32のループの内側を
通す。その状態で、操作杆3dの先端から、他方の糸2
bを吸引手段によって取り込んで、巻取機構6で確実に
保持する。このとき、操作杆3dの先端は、ループから
抜き取られた位置まで後退させておく。
【0133】図25に示されているように、操作杆3c
の内管39を基端側へ後退させて可変湾曲部32を外管
38内に収納する。これにより、糸2aが糸2bに巻き
付き、第1の結び目21が形成される。必要に応じ、前
述したように巻取機構6を作動して糸2aを緊張させる
とともに、操作杆3cを生体組織へ向けて前進させ、生
体組織に密着した固い結び目を形成する。巻取機構6の
ロックを解除して糸2a、2bを弛めた後、図26に示
されているように、操作杆3d内から糸2bを前記と同
様の方法で吐き出し、さらに、図27に示されているよ
うに、操作杆3cの内管39を先端側へ前進させて可変
湾曲部32を外管38の先端より突出させ、その可変湾
曲部32をループ状にする。
【0134】図28に示されているように、操作杆3d
を前進させて、可変湾曲部32のループの内側を通す。
その状態で、操作杆3dの先端から、糸2bを吸引手段
によって取り込んで、巻取機構6で確実に保持する。図
29に示されているように、操作杆3cの内管39を基
端側へ後退させて可変湾曲部32を外管38内に収納す
る。これにより、糸2aが、糸2bに巻き付き、第2の
結び目22が形成される。前述したように巻取機構6を
作動して糸2aおよび2bを緊張させるとともに、操作
杆3cおよび3dを生体組織へ向けて前進させ、生体組
織に密着した固い結び目を形成する。
【0135】このような結び目形成器具10によれば、
前記結び目形成器具8と同様の利点に加え、操作杆3c
については、可変湾曲部32を湾曲させるためのワイヤ
やそれらを牽引操作するためのリール等を必要とせず、
操作杆3dについては、可変湾曲部32を有さず、よっ
て、操作杆3c、3dのさらなる細径化が図れるととも
に、可変湾曲部32の湾曲操作も極めて簡単であり、可
変湾曲部32が常に、予め設定された一定の形状に湾曲
するため、再現性に優れるという利点がある。なお、結
び目形成器具10の他の応用例として、操作杆3cを前
述した第2の実施例のような可変湾曲部32が螺旋状
(コイル状)のループを形成する構成としたものが挙げ
られる。
【0136】次に、本発明の結び目形成器具の第5の実
施例について説明する。図30〜図33は、それぞれ本
発明の第5の実施例の結び目形成器具の部分斜視図であ
る。以下、この第5の実施例を説明するにあたり、前記
第4の実施例と同一の部材については同一の符号を用
い、同様の構成については、その説明を省略する。
【0137】本発明の第5の実施例の結び目形成器具1
1は、操作杆3c、3d’と、操作杆3c、3d’を体
外より遠隔操作する図示しない操作装置と、前記と同様
の結束管9を有している。
【0138】操作杆3d’は、操作杆3cと同様の構成
である。この場合、操作杆3cの可変湾曲部32と操作
杆3d’の可変湾曲部32とは、互いに逆方向のループ
が形成されるように構成されている。
【0139】操作杆3c、3d’の基端側に設置された
操作装置は、前記と同様の巻取機構6、吸引手段および
湾曲操作機構等をそれぞれ2組有し、操作杆の軸方向の
移動操作、可変湾曲部32の湾曲操作、糸2a、2bの
吸引操作、巻取操作、緊張操作等を操作杆3c、3dの
それぞれに対し独立して行うことができるように構成さ
れている。
【0140】以上のように構成された本発明の結び目形
成器具11を用いた結び目形成方法の一例について、図
30〜図33に基づき説明する。腹壁に複数設置された
トロカール管のうちの1つより本発明の結び目形成器具
11の操作杆3c、3d’をそれぞれ管体8とともに挿
入する。このとき、操作杆3cおよび3d’の両可変湾
曲部32をそれぞれ外管38内に収納し、操作杆3cお
よび3d’をいずれも略直線状態としておく。
【0141】例えば、トロカール管を介して挿入された
縫合器により生体組織を縫合した後、その組織から出て
いる糸2a、2bについて、前記実施例4と同様にして
第1の結び目21を形成する。次に、巻取機構6のロッ
クを解除して糸2a、2bを弛めた後、図31に示され
ているように、操作杆3c内から糸2aを前記と同様の
方法で吐き出す。さらに操作杆3cは可変湾曲部32を
外管38内に収納した状態、操作杆3d’は可変湾曲部
32を外管38の先端より突出させた状態とし、操作杆
3d’の可変湾曲部32により前記と逆向きのα状のル
ープを形成する。
【0142】図32に示されているように、操作杆3c
を前進させて、可変湾曲部32のループの内側を通す。
その状態で、操作杆3cの先端から、糸2aを吸引手段
によって取り込んで、巻取機構6で確実に保持する。操
作杆3d’の内管39を基端側へ後退させて可変湾曲部
32を外管38内に収納する。これにより、図33に示
されているように、糸2bが糸2aに巻き付き、第2の
結び目22が形成される。前述したように巻取機構6を
作動して糸2aおよび2bを緊張させるとともに、操作
杆3cおよび3dを生体組織へ向けて前進させ、生体組
織に密着した固い結び目を形成する。
【0143】次に、本発明の結び目形成器具11を用い
た結び目形成方法の他の例について、図34、図35、
図32、図33に基づき説明する。腹壁に複数設置され
たトロカール管のうちの1つより本発明の結び目形成器
具11の操作杆3c、3d’をそれぞれ結束管9ととも
に挿入する。このとき、操作杆3cおよび3d’の両可
変湾曲部32をそれぞれ外管38内に収納し、操作杆3
cおよび3d’をいずれも略直線状態としておく。
【0144】例えば、トロカール管を介して挿入された
縫合器により生体組織を縫合した後、その組織から出て
いる糸2a、2bについて、以下のようにして結び目を
形成する。生体組織に通されている一方の糸2bを、吸
引手段を用いて一方の操作杆3d’の先端から吸引し、
前述したように巻取機構6で確実に保持する。
【0145】次に、操作杆3d’の内管39を先端側へ
前進させてその可変湾曲部32を外管38の先端より突
出させ、可変湾曲部32にα状のループを形成する。さ
らに、図34に示されているように、他方の操作杆3c
を前進させて、前記α状に形成された可変湾曲部32の
ループの内側を通す。図35に示されているように、操
作杆3cの内管39を先端側へ前進させてその可変湾曲
部32を外管38の先端より突出させ、可変湾曲部32
に糸2bを囲むα状のループを形成する。その後、糸2
aを、吸引手段を用いて操作杆3cの先端から吸引し、
前述したように巻取機構6で確実に保持する。
【0146】操作杆3cの内管39を基端側へ後退させ
て可変湾曲部32を外管38内に収納するとともに、操
作杆3cを基端側へ若干後退させる。これにより、図3
2に示されているように、糸2aが糸2bに巻き付き、
第1の結び目21が形成される。図32に示されている
状態から、操作杆3cをさらに基端側へ後退させて、そ
の先端を可変湾曲部32のループから抜き取るととも
に、操作杆3d’の内管39を基端側へ後退させて可変
湾曲部32を外管38内に収納する。これにより、図3
3に示されているように、糸2bが糸2aに巻き付き、
第2の結び目22が形成される。以後、前記と同様にし
て、生体組織に密着した固い結び目を形成する。
【0147】このような方法によれば、操作杆3c、3
d’の挿通路内に導入した糸2a、2bを吐き出すこと
なく、第1の結び目21および第2の結び目22を形成
することができるので、操作がより簡単であり、処置時
間もさらに短縮される。なお、結び目形成器具11の他
の応用例として、操作杆3cおよび3d’のうちの少な
くとも一方を、前述した第2の実施例のような可変湾曲
部32が螺旋状(コイル状)のループを形成する構成と
したものが挙げられる。
【0148】上記各実施例により結び目を形成するのに
先立ち、本発明の結び目形成器具により第1の糸および
/または第2の糸を保持しつつ体腔内へ搬送し、搬送さ
れた糸により例えば針、鉗子、縫合器、結紮器を用いて
生体組織に縫合や結紮を行った後、前記と同様にして結
び目を形成してもよい。以上説明した各実施例の構造の
他、糸導入手段は、前述したような吸引手段に限らず、
例えば対となっている引込ローラを複数個、連続的に操
作杆3内に配置し、これらを連続的に駆動させて、糸を
順次取り込む構成とすることもできる。
【0149】また挿通路30内に操作装置4側から、先
端にフックなどのあるガイドワイヤーを挿入して、操作
杆3の先端から突出させ、ガイドワイヤーで糸を引っ掛
けた後、ガイドワイヤーを引き戻して糸を取り込むよう
な方法を用いてもよい。
【0150】可変湾曲部32の湾曲する形状は、α状の
ように完全にループを形成しなくてもよく、他方の結び
目形成器具1の操作杆3の先端が挿通できる程度の空間
が形成できれば、どのような形状であってもよい。例え
ば、半円形などであっても、結び目を作ることは可能で
ある。
【0151】また、可変湾曲部32を構成する複数の連
結された管体33の各長さを、変化させてもよい。
【0152】所定のワイヤを引っ張って、可変湾曲部を
湾曲する際、基端部側の曲率が大きくなり、先端側は小
さくなる傾向にあるが、先端側が短くなるように、管体
33の長さを変化させれば、先端側がより湾曲し易くな
り、ワイヤの引っ張りによって、均一な螺旋形状のルー
プを形成することが可能となる。
【0153】以上説明した構成の他、可変湾曲部32の
構造は、他の構造、例えば単位部材として節輪を用いて
もよい。節輪とは直交する直径方向にそれぞれ接続軸を
有した輪であって、この接続軸を介して複数の節輪を連
結することによって、可変湾曲部が形成される。
【0154】また、可変湾曲部32の湾曲する方向は上
方向、下方向、左方向、右方向のいずれか1方向にのみ
としてもよく、または上下方向、左右方向、上方向と右
方向、上方向と左方向、下方向と右方向、下方向と左方
向などのいずれか2方向としてもよく、さらには本実施
例のような3方向とし、または上下左右方向の4方向と
することもできる。
【0155】特に、上記各実施例の場合には、管体が球
状関節により接続されているので、上記湾曲方向に限定
されず、上記4方向以外の任意の方向に湾曲させること
も可能であり、さらに軸線を中心として管体単独で回動
することも可能な構成となっているため、螺旋状にルー
プを形成するには好ましい構造となっている。また、ワ
イヤ操作により所望に湾曲した可変湾曲部32は、自動
的に元の略直線状態に戻るような構成としてもよい。す
なわち、詳しくは、可変湾曲部32は、例えば軸方向に
沿って設置された弾性体により付勢されて通常状態で
は、図3、図14または図19に示す基本姿勢すなわち
略直線状態を維持し、ワイヤ牽引時には前述したように
ループ状に湾曲し、それらのワイヤの張力を除去した場
合には、前記弾性体の作用により基本姿勢に戻るように
構成されてもよい。
【0156】また、上記実施例では、保持手段および緊
張手段を同じ巻取機構6にて構成したが、本発明はこれ
に限定されない。しかしながら、本実施例のように構成
すれば、糸の保持および緊張を同一の機構で行うことが
できるため、装置の単純化を図ることができ、かつ糸を
保持しながら容易に緊張させることができる。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、糸の結
び目を形成する結び目形成器具であって、この結び目形
成器具は、体腔内と体外とを連通させる連通管に挿入さ
れる操作杆と、前記操作杆内に形成され、操作杆の先端
部に開口部を有する挿通路と、前記開口部より前記挿通
路に糸を導入する糸導入手段と、前記操作杆の基端部に
接続され、前記操作杆を体外より操作する操作装置とを
有しており、前記操作杆の先端部は、前記操作装置の操
作により、略直線状態と、少なくとも1方向に曲がった
状態とに変化し得る可変湾曲部を構成しているため、体
腔内で、吻合、縫合や結紮のための糸の結び目を容易に
かつ確実に行うことができる。
【0158】また、前記可変湾曲部が、1重のループま
たは2重以上のループを形成するように湾曲する場合に
は、簡単な操作で糸の結び目を確実に形成することがで
きる。特に、可変湾曲部が2重以上のループを形成する
ように湾曲する場合には、より強固な結び目による縫
合、結紮等が可能となり、その操作の回数も少なく、処
理の迅速化を図ることができ、患者の負担が軽減する。
【0159】また、前記操作装置が、先端が前記可変湾
曲部内の軸心から偏心した位置に固定された少なくとも
1本のワイヤと、前記ワイヤを基端側へ引っ張って前記
可変湾曲部を操作する湾曲操作機構とを有し、前記ワイ
ヤが、前記先端が固定された位置から前記湾曲操作機構
へ向けて、前記可変湾曲部に螺旋状に巻き付けられてい
る場合には、可変湾曲部のループを確実に形成すること
ができる。
【0160】また、結び目形成器具が、体腔内と体外と
を連通させる連通管に挿入される一対の操作杆と、これ
らの操作杆の基端部に接続され、各操作杆を体外より操
作する操作装置と、両操作杆の基端部を束ねる結束部材
とを有しており、両操作杆のうちの少なくとも一方の先
端部が、前記操作装置の操作により、略直線状態と、少
なくとも1方向に曲がった状態、特にループ状に湾曲し
た状態とに変化し得る可変湾曲部を構成しているもので
ある場合には、取り扱いがし易く、結び目形成のために
使用する連通管の数が減少し、患者の負担が軽減する。
【0161】また、操作杆が、その先端部に設けられた
自然状態で目的形状に湾曲する可変湾曲部と、前記可変
湾曲部の形状を略直線状に規制する規制部材とを有する
ものである場合には、可変湾曲部を湾曲させるためのワ
イヤやそれらを牽引操作するためのリール等を必要とせ
ず、構成が簡易であり、操作杆のさらなる細径化が図れ
るとともに、可変湾曲部の湾曲操作も極めて簡単であ
り、可変湾曲部32が常に、予め設定された一定の形状
に湾曲するため、再現性に優れる。
【0162】また、糸導入手段として、吸引手段を用い
た場合には、生体組織に傷を付けることなく、かつ迅速
に糸の挿通路への導入が可能となり、手術の手間を軽減
し、時間の短縮を図ることができる。
【0163】また、糸の保持手段を設けることにより、
手などで糸が脱落しないよう保持する操作を行うことな
く、糸を簡単かつ確実に結ぶことがでる。
【0164】また、糸の緊張手段を設けることにより、
手などで糸を引っ張るような操作を行うことなく、容易
に強固な結び目を形成することができ、かつその結び目
を生体組織に確実に密着させることができる。
【0165】さらに、糸の切断手段を設けた場合には、
糸の切断のために別途の器具を用いる必要がなく、かつ
そのような切断器具により糸の切断部を捜索する必要も
ないため、結び目形成後の処理を迅速に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の結び目形成器具の第1実施例
の全体側面図であって、先端にループを形成した状態を
示したものである。
【図2】図2は、可変湾曲部の内部構造を示す可変湾曲
部の断面側面図である。
【図3】図3は、ワイヤの挿通状態を示す操作杆の断面
平面図である。
【図4】図4は、切断手段の構成を示すもので、鋏の取
り付け位置と構造を示す内部透視斜視図である。
【図5】図5は、切断手段の操作部の構造を示すもの
で、操作装置本体の部分側面図である。
【図6】図6は、巻取機構の断面側面図である。
【図7】図7は、巻取機構における回動摘みの底面図で
ある。
【図8】図8は、巻取機構における板バネの平面図であ
る。
【図9】図9A〜Dは、第1の実施例の結び目形成器具
を用いて、結び目を形成する場合の手順を示す操作杆先
端部の拡大斜視図である。
【図10】図10A〜Dは、第1の実施例の結び目形成
器具を用いて、固結びの結び目を形成する場合の2番目
の手順を示す操作杆先端部の拡大斜視図である。
【図11】図11は、本発明の結び目形成器具の第2の
実施例の全体側面図であって、先端に螺旋状のループを
形成した状態を示したものである。
【図12】図12は、操作杆の直線部の構造を示す操作
杆の部分断面側面図である。
【図13】図13は、可変湾曲部の内部構造を示す可変
湾曲部の断面側面図である。
【図14】図14は、ワイヤの挿通状態を示す操作杆の
内部透視平面図である。
【図15】図15は、ワイヤの挿通状態を示す可変湾曲
部の内部透視部分斜視図である。
【図16】図16A〜Dは、第2の実施例の結び目形成
器具を用いて、結び目を形成する場合の手順を示す操作
杆先端部の拡大斜視図である。
【図17】図17A〜Cは、第2の実施例の結び目形成
器具を用いて、結び目を形成する場合の手順を示す操作
杆先端部の拡大斜視図である。
【図18】図18A〜Dは、第2の実施例の結び目形成
器具を用いて、固結びの結び目を形成する場合の2番目
の手順を示す操作杆先端部の拡大斜視図である。
【図19】図19は、本発明の結び目形成器具の第3の
実施例の部分斜視図であって、両操作杆を直線状態とし
たときの構成を示したものである。
【図20】図20は、第3の実施例の結び目形成器具を
用いて結び目を形成している状態を示す部分斜視図であ
る。
【図21】図21は、第3の実施例の結び目形成器具を
用いて結び目を形成している状態を示す部分斜視図であ
る。
【図22】図22は、本発明の結び目形成器具の第4の
実施例の部分斜視図であって、両操作杆を直線状態とし
たときの構成を示したものである。
【図23】図23は、第4の実施例の結び目形成器具を
用いて第1の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図24】図24は、第4の実施例の結び目形成器具を
用いて第1の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図25】図25は、第4の実施例の結び目形成器具を
用いて第1の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図26】図26は、第4の実施例の結び目形成器具を
用いて第2の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図27】図27は、第4の実施例の結び目形成器具を
用いて第2の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図28】図28は、第4の実施例の結び目形成器具を
用いて第2の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図29】図29は、第4の実施例の結び目形成器具を
用いて第2の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図30】図30は、本発明の結び目形成器具の第5の
実施例の部分斜視図である。
【図31】図31は、第5の実施例の結び目形成器具を
用いて第2の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図32】図32は、第5の実施例の結び目形成器具を
用いて第2の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図33】図33は、第5の実施例の結び目形成器具を
用いて第2の結び目を形成している状態を示す部分斜視
図である。
【図34】図34は、第5の実施例の結び目形成器具を
用いて結び目を形成している状態を示す部分斜視図であ
る。
【図35】図35は、第5の実施例の結び目形成器具を
用いて結び目を形成している状態を示す部分斜視図であ
る。
【符号の説明】
1、8、10、11 結び目形成器具 2 糸 3 操作杆 30 挿通路 301 開口部 30 挿通路 31 略直線部 311 大径部 32 可変湾曲部 33 管体 331 挿通孔 332 端部 34 連結部材 35 被覆材 36 鋏 361 刃 362 刃 363 支点 37 操作部 38 外管 39 内管 391 コイル 4 操作装置 40 本体 41 把持部 411 ピン 42 可動把持部 420 接触面 421 スリット 422 歯 423 歯 43 巻取歯車 44 通路 45 吸引ノズル 51〜57 ワイヤ 6 巻取機構 61 巻取軸 611 孔 612 穴 62 回動摘み 621 孔 622 溝 623 凹部 63 スプリング 64 接続部材 641 棒状部 642 摘み部 65 ロック部材 651 係合部 652 アーム部 653 軸支部 654 付勢手段 66 板バネ 661 固定端 662 孔 663 凸部 7 湾曲操作機構 71 巻取リール 72 引張リール 9 結束管

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸の結び目を形成する結び目形成器具で
    あって、この結び目形成器具は、 体腔内と体外とを連通させる連通管に挿入される操作杆
    と、 前記操作杆内に形成され、操作杆の先端部に開口部を有
    する挿通路と、 前記開口部より前記挿通路に糸を導入する糸導入手段
    と、 前記操作杆の基端部に接続され、前記操作杆を体外より
    操作する操作装置とを有しており、 前記操作杆の先端部は、前記操作装置の操作により、略
    直線状態と、少なくとも1方向に曲がった状態とに変化
    し得る可変湾曲部を構成していることを特徴とする結び
    目形成器具。
  2. 【請求項2】 前記可変湾曲部は、少なくとも1重のル
    ープを形成するよう湾曲する請求項1に記載の結び目形
    成器具。
  3. 【請求項3】 前記可変湾曲部は、2重以上に重なった
    ループを形成するよう湾曲する請求項2に記載の結び目
    形成器具。
  4. 【請求項4】 前記操作装置は、先端が前記可変湾曲部
    内の軸心から偏心した位置に固定された少なくとも1本
    のワイヤと、前記ワイヤを基端側へ引っ張って前記可変
    湾曲部を操作する湾曲操作機構とを有し、前記ワイヤ
    が、前記先端が固定された位置から前記湾曲操作機構へ
    向けて、前記可変湾曲部に螺旋状に巻き付けられて設け
    られている請求項2記載の結び目形成器具。
  5. 【請求項5】 前記操作装置は、先端が前記可変湾曲部
    内の軸心から偏心した位置に固定された複数本のワイヤ
    と、前記各ワイヤを基端側へ引っ張って前記可変湾曲部
    を操作する湾曲操作機構とを有し、 前記各ワイヤの先端は、それぞれ前記可変湾曲部の軸方
    向に所定の間隔をおいて固定されており、前記各ワイヤ
    は、この固定位置から前記湾曲操作機構へ向けて、それ
    ぞれ前記可変湾曲部に螺旋状に巻き付けられて設けられ
    ている請求項3記載の結び目形成器具。
  6. 【請求項6】 前記操作装置は、前記可変湾曲部の軸心
    を介して対向する位置にそれぞれ先端が固定された第1
    のワイヤおよび第2のワイヤと、 前記第1のワイヤおよび第2のワイヤの一方を基端側へ
    引っ張って前記可変湾曲部を所望に湾曲させる湾曲操作
    機構とを有し、 前記第1のワイヤおよび第2のワイヤは、前記先端が固
    定された位置から前記可変湾曲機構へ向けて、それぞ
    れ、前記可変湾曲部に対し螺旋状に、かつ相互に逆方向
    へ巻き付けられて設けられている請求項2記載の結び目
    形成器具。
  7. 【請求項7】 前記操作装置は、さらに、先端が前記可
    変湾曲部に固定された第3のワイヤと、前記第3のワイ
    ヤを基端側へ引っ張って前記ループの姿勢を変える姿勢
    変更機構とを有する請求項6記載の結び目形成器具。
  8. 【請求項8】 前記開口部から導入されて前記挿通路を
    挿通している第1の糸と、前記可変湾曲部に形成された
    前記ループ内を通る第2の糸とによって結び目を形成す
    る請求項2に記載の結び目形成器具。
  9. 【請求項9】 前記可変湾曲部は、糸の挿通孔を有する
    複数の単位部材と、隣接する単位部材を揺動自在に連結
    する連結部材とを有し、 連結部材により隣接する単位部材同士を屈曲して連結す
    ることにより、前記可変湾曲部が全体で湾曲するように
    構成されている請求項2に記載の結び目形成器具。
  10. 【請求項10】 糸の結び目を形成する結び目形成器具
    であって、この結び目形成器具は、 体腔内と体外とを連通させる連通管に挿入される操作杆
    と、 前記操作杆内に形成され、操作杆の先端部に開口部を有
    する挿通路と、 前記開口部より前記挿通路に糸を導入する糸導入手段
    と、 前記操作杆の基端部に接続され、前記操作杆を体外より
    操作する操作装置とを有しており、 前記操作杆は、その先端部に設けられた自然状態で目的
    形状に湾曲する可変湾曲部と、前記可変湾曲部の形状を
    略直線状に規制する規制部材とを有することを特徴とす
    る結び目形成器具。
  11. 【請求項11】 糸の結び目を形成する結び目形成器具
    であって、この結び目形成器具は、 体腔内と体外とを連通させる連通管に挿入される一対の
    操作杆と、 前記各操作杆内に形成され、操作杆の先端部に開口部を
    有する挿通路と、 前記各開口部より前記各挿通路に糸を導入する糸導入手
    段と、 前記各操作杆の基端部に接続され、前記各操作杆を体外
    より操作する操作装置と、 前記両操作杆の基端部を束ねる結束部材とを有してお
    り、 前記両操作杆のうちの少なくとも一方の先端部が、前記
    操作装置の操作により、略直線状態と、少なくとも1方
    向に曲がった状態とに変化し得る可変湾曲部を構成して
    いることを特徴とする結び目形成器具。
  12. 【請求項12】 前記可変湾曲部は、少なくとも1重の
    ループを形成するよう湾曲する請求項11に記載の結び
    目形成器具。
  13. 【請求項13】 前記糸導入手段は、前記挿通路に連通
    するよう挿通路の基端側に接続された吸引手段である請
    求項1〜12のいずれかに記載の結び目形成器具。
  14. 【請求項14】 前記挿通路に導入された糸を保持する
    保持手段を有する請求項1〜13のいずれかに記載の結
    び目形成器具。
  15. 【請求項15】 前記挿通路に導入された糸の緊張状態
    を維持する緊張手段を有する請求項1〜14のいずれか
    に記載の結び目形成器具。
  16. 【請求項16】 前記緊張手段は、前記糸を巻き取る巻
    取軸と、前記巻取軸を回動操作する回動摘みと、前記巻
    取軸を所定の回転方向に付勢する付勢部材と、前記付勢
    部材の付勢力に抗して巻取軸の回転を阻止するロック部
    材とを有する請求項15に記載の結び目形成器具。
  17. 【請求項17】 前記付勢部材の付勢力による前記巻取
    軸の回転を緩和する回転緩和手段を有する請求項16に
    記載の結び目形成器具。
  18. 【請求項18】 前記操作杆内に設けられ、挿通路内に
    位置する糸を切断する切断手段を有する請求項1〜17
    のいずれかに記載の結び目形成器具。
  19. 【請求項19】 前記切断手段は、前記操作杆の先端部
    に設置された一対の刃を有する鋏と、先端が二股に分岐
    し、その分岐端がそれぞれ前記刃と反対側の端部に固定
    された鋏作動用ワイヤと、前記操作装置に設置され、前
    記鋏作動用ワイヤを牽引操作するハンドルとで構成され
    る請求項18に記載の結び目形成器具。
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