JP3669012B2 - 結び目形成結紮装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体等の体腔内で、生体組織を縫合や結紮等の処理を施す際に、手術用の糸を結ぶための結び目を形成結紮するための結び目形成結紮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、虫垂炎の手術や、胆嚢の切除術等は、近年においては、非開腹状態で行うことも可能となっている。即ち、トラカールと呼ばれるガイド管を複数本、腹部から腹腔内に刺し込んで、1本のガイド管内に内視鏡を挿入して、体腔内を観察しながら、他のガイド管内に種々の手術器具等を挿入することによって、手術等の処置を施すことができる。このように、非開腹状態で手術を行えることは、患者に対するダメージが最小限になり、また術後の回復も早くなる等、様々な利点がある。
【0003】
手術等の所定の処置を行った後には、手術用の糸と針を用いて、患部等の縫合や結紮等が行われる。そして、縫合や結紮にして糸の端部を固定するために、その端部を結び付けるが、このためには糸の結び目を作らなければならない。体腔内で糸の結び目を作るのは困難であるから、通常は、糸の基端部を体腔の外に出しておき、先端に連結した針で患部その他の縫合等を行った後に、一度糸の先端部分を体腔外に出して、基端部との間で結び目を作り、この結び目を体腔内に送り込むようにしている。また、糸を使わずに、患部等を吻合させて、ステープラにより吻合状態に固定するようにしたものも知られている。
【0004】
ステープラを用いて吻合状態に固定するのは、操作が著しく簡単であるという利点があるが、ステープラ針が脱落する等、耐久性その他の点に問題がある。また、結び目を体外で形成するのは、ガイド管を介して挿入した糸を再度回収しなければならず、また結び目を形成結紮した後に、この結び目の部分を体内に送り込まなければならない等、極めて操作性が悪く、それに要する時間が長くなると共に、衛生的な観点からも好ましくはない。
【0005】
以上の点から、体内で容易かつ迅速に結び目を作ることができる装置が、特開平7−95983号公報において提案されている。この装置は、糸の繰り出しを行うためのものと、真空吸引手段により糸を着脱可能に保持するものとの、2本の管状部材を用い、少なくとも糸を繰り出す側の管状部材は、ループ状に湾曲可能な構成としている。そして、糸繰り出し用管状部材から糸を所定長さだけ繰り出した状態で、この管状部材をループ状に湾曲させ、他方の管状部材をこのループ内に挿通させて、このループ内から糸の端部を吸引して引き出した後に、湾曲している管状部材を真直ぐな状態にすることにより結び目を形成結紮する。また、これを第1の結び目として、一度糸の先端を真空吸引用の管状部材から解放した後に、糸繰り出し用の管状部材を反対方向にループ状に湾曲させて、再び真空吸引用の管状部材を、そのループ内を通して糸の先端を吸引すれば、第2の結び目が形成される。これら第1の結び目と第2の結び目の方向が反対になっているから、所謂二重結紮状態になり、結び目が安定的に保持され、みだりに解けるようなことはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した結び目形成結紮装置を用いれば、体腔内で、迅速かつ容易に結び目を形成でき、しかも固結びを行える結び目を作ることができる等の利点がある。ただし、このような装置にあっても、なお問題がない訳ではない。
【0007】
即ち、少なくとも一方の管状部材はループ状に湾曲させる必要があり、しかもこのループはほぼ円形のものである。このために、管状部材はほぼ360°湾曲させる必要があり、しかもこの湾曲操作は体腔の外から遠隔操作により行わなければならない。ここで、ループ状に湾曲させる機構としては、通常、内視鏡における挿入部の先端部分の方向を制御するためのアングル部と同様の機構が用いられるが、このような機構を組み込むと、挿入部の構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡単で、小型かつコンパクトな構成で、狭い場所でも容易に、しかも迅速かつ確実に結び目を形成できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、ガイド手段によりガイドされて体腔内に挿入される挿入部材の先端に、一端が挿入部材の側面から所定の長さ突出させた状態にして設けられ、回転駆動手段により遠隔操作で正逆方向に回転駆動される糸巻回用の回転筒体と、この回転筒体の挿入部材からの突出部の端部に設けられ、糸の一端が着脱可能に止着される糸止着部と、この回転筒体に巻回される方向に糸の送りをガイドする糸ガイド部と、挿入部の側面部分に設けられ、回転筒体に挿通させた糸の他端を保持する糸保持部とから構成したことをその特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
結び目を作るには、糸にループを形成して、このループ内に糸の先端を通せば良い。糸のループを形成するために、回転筒体を用いる。回転筒体に糸を巻き付けた後に、この回転筒体から離脱させれば、糸のループが形成される。また、このループ内に糸の端部を通すには、回転筒体内に糸を通せば良い。
【0011】
まず、糸の基端部を回転筒体に設けた糸止着部に固定すると共に、回転筒体に対して糸が振れないように保持するために、糸ガイド部に挿通させる。そこで、回転筒体を回転させると、糸は糸ガイド部にガイドされて、回転筒体に巻回され、1または複数回のループが形成される。一方、回転筒体に糸の基端部分を巻回する前または巻回した後に、糸の先端部を回転筒体内に挿通して、この先端部分を糸保持部に保持させる。
【0012】
この状態で、糸の基端部を回転筒体から分離すると共に、糸ガイド部からも脱出させて、回転筒体から離間する方向に引っ張り出せば、第1の結び目が形成される。この後に、再び糸の基端部を回転筒体の糸止着部に固定すると共に、糸ガイド部に通して、回転筒体を前述とは反対方向に回転させる。その後に、回転筒体から糸を分離させると、第1の結び目とは反対方向に結ばれる第2の結び目が形成される。これによって、相互に反対方向の結び目からなる2重の結び目、即ち固結び状態になる結び目が形成される。
【0013】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。まず、図1に結び目形成結紮装置の全体構成を示し、図2にその挿入部の先端部分の半断面を、さらに図3及び図4は把持部の構成をそれぞれ示す。
【0014】
これらの図において、1は結び目形成結紮装置であって、この結び目形成結紮装置1は、術者等の操作を行う者が把持する把持部2に体腔内に挿入される挿入部3が連設されている。ここで、挿入部3は、軟性部材で形成することもできるが、後述するように、トラカール等のガイド管に挿通される関係から、操作性や強度等の関係から硬性パイプで形成するのが好ましい。挿入部3の先端部分には、この挿入部3の軸線と直交する方向に回転軸を持った回転筒体4が装着されている。ここで、回転筒体4は挿入部3内に設けられ、その一端が挿入部3の側面部分から所定長さ突出している。
【0015】
回転筒体4は、挿入部3の先端に設けた収納チャンバ3a内に、回転自在に装着されており、この回転筒体4を遠隔操作によって回転駆動するために、操作ワイヤ5が設けられている。この操作ワイヤ5は、先端が回転筒体4の巻き取り部4aに固定されて、少なくとも1回転、好ましくは2回転乃至それ以上巻回された上で、挿入部3の内部に設けた挿通路3bを通って、把持部2内にまで延在されている。回転筒体4の巻き取り部4aの両側には、大径部4b,4bが形成されており、回転筒体4は、この大径部4bが収納チャンバ3aの内壁と摺動することになる。そして、回転筒体4の挿入部3の側面から突出した部位は糸を巻回するための糸巻回部4cとなる。
【0016】
一方、把持部2には、回転体6が回転自在に装着されている。この回転体6は、その両側に把持部2に挿通される支軸部6a,6aを有し、この支軸部6a,6a間の部位には操作リング部6b,6bが、また操作リング部6b,6bの間にはワイヤ巻着部6cが連設されている。先端が回転筒体4の巻き取り部4aに巻回された操作ワイヤ5の他端は、このワイヤ巻き取り部6cに固着して設けられている。この回転体6は、把持部2に設けた切り欠き部2aに配置され、操作リング部6bは、その一部が切り欠き部2aの外部に露出しており、把持部2を把持した手の指等で回転操作可能となっている。そして、操作リング部6bの外周面には、滑り止め用として、板厚方向に多数のV溝6dが刻設されている。
【0017】
図5から明らかなように、回転筒体4には、大径部4bに隣接して段差部4dが形成されており、この段差部4dと挿入部3の収納チャンバ3aとの間には、空間が形成されており、この空間内には、ゼンマイばね7が収納されている。このゼンマイばね7の一端は挿入部3側に固定されており、所定回数巻回された上で、他端は回転筒体4の段差部4dに固定されている。これによって、回転筒体4は所定の方向、即ち操作ワイヤ5を巻き取る方向に回転力が作用するように付勢されている。従って、常時においては、ゼンマイばね7の作用により操作ワイヤ5の余長分は回転筒体4に巻き取られた状態に保持されており、このゼンマイばね7の付勢力に抗する方向に回転体6の操作リング部6bを回転させると、操作ワイヤ5が引っ張られて、回転筒体4が遠隔操作により回転駆動されると共に、操作ワイヤ5がワイヤ巻着部6cに巻き取られることになる。
【0018】
回転体6は、任意の回転位置でロックできる。このために、把持部2の上部位置には取付ブラケット8が設けられており、この取付ブラケット8には、ロック部材9が軸10を中心として上下方向に回動可能に連結されている。このロック部材9は、操作リング部6bに形成したV溝6dに係合可能なロック爪9aを有し、このロック爪9aを回転体6のV溝6dに係合させれば、この回転体6の回転がロックされて、操作ワイヤ5の押し引きが不能となり、回転筒体4は回転することはない。そして、把持部2を把持する手の指等で操作して、ロック部材9を軸10を中心として、そのロック爪9aが回転体6のV溝6dから離間する方向に変位させると共に、回転体6の操作リング部6bを回転させると、操作ワイヤ5を巻き込んだり、または繰り出したりすることになり、これにより回転筒体4が回転駆動される。
【0019】
縫合乃至結紮を行うために、図6に示したように、先端に針11を連結した糸12が用いられる。針12は、体内組織に糸12を縫い込むためのものであり、糸12は縫合や結紮を行う上で十分な長さを有している。糸12は、その基端部が回転筒体4の糸巻回部4cの糸止着部13に着脱可能に止着されて、挿入部3の先端部側に延在される。挿入部3の先端部には、糸ガイド部14が設けられており、糸12はこの糸ガイド部14にガイドされる。また、先端における針11への連結部は、回転筒体4内に挿通されて、保持部15に保持されるようになっている。このように、針11は回転筒体4に挿通されることから、この針11の全長は回転筒体4の軸線方向の長さより長くなっている。
【0020】
糸止着部13は、糸12の基端部を回転筒体4に着脱可能に固定するためのものである。このために、糸止着部13は糸12の端部が逸脱しないように固定できるものでなければならない。このために、図7に示したように、糸止着部13は、回転筒体4の先端部におけるV字状の切り込みで形成される。この切り込みの奥部は、糸12の外径より細いもので、糸12は、糸止着部13における広く開いた開口部分から傾斜面に沿って呼び込まれて、その奥部にまで挿入することによって、この糸12に引っ張り方向の力が加わっても、引き抜けないように保持され、この糸止着部13から引き出す方向に強制的に力を加えれば、それから離脱できるようになる。ここで、図8に示したように、円周方向に位置を変えて2箇所のV字状の切り込みからなる止着部13a,13bを設けるようにしても良い。この場合には、糸12の基端部は一方の止着部13aから他方の止着部13bに向けて折り返すように係入させることにより止着される。
【0021】
次に、糸ガイド部14は、回転筒体4を回転させて、糸止着部13に止着されている糸12を糸巻回部4cに巻回させる際に、この糸12を回転筒体4に対して所定の位置に位置決めガイドするためのものである。このために、図9に示したように、糸ガイド部14は、相互に反対向きに湾曲する2箇所の規制壁14a,14bで形成され、これらに糸12を挿通させることによって、糸12は糸ガイド部14内を自由に移動できるが、振れ方向及び離脱する方向への動きが規制される。勿論、糸12を左右に移動させることによって、規制壁14a,14bの順に離脱させれば、糸ガイド部14から分離できる。
【0022】
さらに、保持部15は、図10に示したように、挿入部3における回転筒体4の装着位置より基端側の位置に設けられ、針11を挿通させるようにして、この針11に連結した糸12の先端部分を固定するものである。なお、この保持部15は糸12の先端を保持するためのものであって、針11を挿通させるもの以外にも、例えば針11と糸12との連結部を係着するフック等で構成することもできる。
【0023】
結び目形成結紮装置1は以上の構成を有するものであり、この結び目形成結紮装置1を用いれば、体腔内で容易に、しかも迅速に結び目を形成することができる。そこで、以下にこの結び目を形成する方法について、図11乃至図17に基づいて説明する。図中において、針11は省略し、糸12のみを示す。
【0024】
まず、図11に示したように、糸12の基端部を糸止着部13に固定しておき、患部Tを囲繞するように引き回し、回転筒体4内に挿通させて、先端部を保持部15に固定する。この状態で、図12に示したように、回転筒体4を矢印X方向に回転させると、糸12の基端側の部分は回転筒体4に巻回される。ここで、回転筒体4内には糸12の先端部分が挿通されているから、この糸12の先端部分の回りに基端側の部分のループが形成されることになる。
【0025】
そこで、図13に示したように、把持鉗子Fを用い、この把持鉗子Fにより糸12の基端部を糸止着部13から分離させて引っ張ると、ループの部分が回転筒体4から離脱することになる。この結果、第1の結び目N1 が形成される。そして、糸12の両端に引っ張り力を加えれば、患部Tに結紮することができる。ただし、この状態では、結び目を解く方向に力が加わると、容易に解けることになる。
【0026】
そこで、図14に示したように、糸12の基端部を糸止着部13に再び固定する。この状態で、図15に示したように、回転筒体4を図12の時とは反対方向Y方向に回転させる。これによって、糸12は再びその先端部の回りにループが形成されるが、この時のループは反対方向になる。
【0027】
図16に示したように、把持鉗子Fで糸止着部13から糸12の基端部を離脱させて引っ張ると、ループの部分が回転筒体4から離脱することになり、そして糸12の両端に引っ張り力を加えることによって、図17に示したように、第1の結び目N1 とは反対方向の第2の結び目N2 が形成される。なお、第1,第2の結び目N1 ,N2 の状態を明確にするために、図面においては、それらをゆるい状態にして示したが、当然、糸12の両端を引っ張ることによって、両結び目N1 ,N2 は強く結ぶようにする。
【0028】
結紮乃至縫合は以上のようにして行われるが、図18に腹腔内での結紮を行っている状態を示す。図中において、20〜22はトラカール等のガイド管を示し、これらガイド管20〜22は腹部から腹腔内に差し込まれる。ここで、腹腔内で行われる手術等の処置をより円滑に行うために、腹腔内には気腹ガスを封入する等によって膨出させる。
【0029】
ガイド管20内には、内視鏡Sが挿入される。この内視鏡Sによって腹腔内を観察するが、この観察視野をできるだけ広くするために、内視鏡Sの挿入部Cは、少なくとも先端部分がアングル操作可能なものを用いると良い。ガイド管21には、適宜の手術用器具等が挿通され、また結び目形成結紮装置1が挿通されるようになっている。第3のガイド管22には把持鉗子Fが挿通される。
【0030】
内視鏡Sによる観察下で、ガイド管21内に適宜の手術用器具を挿通させ、また必要に応じてガイド管22からも把持鉗子Fや、それ以外の処置具等の器具を挿通させることによって、手術等の処置を施す。この処置が終了すると、ガイド管21内に結び目形成結紮装置1を挿通させ、またガイド管22に把持鉗子Fを挿通させて、患部の縫合や結紮を行う。
【0031】
結び目形成結紮装置1には、針11を連結した糸12を装着させておく。少なくとも、糸12の基端部を糸止着部13に固定すると共に、糸ガイド部14に挿通させた状態にする。ただし、針11は回転筒体4内には挿通させない。ここで、糸12の端部は糸止着部13への止着位置からある程度の余長を持たせておくのが好ましい。これによって、糸止着部13から糸12を脱着させる際に、把持鉗子Fによる糸12の端部の把持が容易になる。
【0032】
必ずしも必須ではないが、糸12の基端側の部分を予め回転筒体4の糸巻回部4cに所定回数巻回させておくのがさらに好ましい。このために、回転体6を回転させて、操作ワイヤ5の余長分が回転体6のワイヤ巻着部6c側に巻き付けられた状態にする。これによって、ゼンマイばね7の付勢力が最大の状態となり、この状態でロック部材9のロック爪9aを操作リング部6bのV溝6dに係合させることによって、回転体6をロックさせておく。以上の操作を患者の体外で行うことは、操作性が極めて良好で、迅速な縫合,結紮が可能になる。
【0033】
このようにして準備された結び目形成結紮装置1は、ガイド管21内に挿通させて、腹腔内に導入する。腹腔内において、まず把持鉗子Fを操作して、糸12の先端に連結した針11を把持させて、適宜の方向に動かすことによって、患部を縫合するなり、結紮が可能な状態に糸12を引き回す。然る後に、針11を回転筒体4における糸巻回部4c側から挿入して、反対方向に導出させる。即ち、図12の状態にする。ここで、この針11の回転筒体4への挿通を容易にするには、回転筒体4の内径をできるだけ大きくすると共に、その全長より針11の方が長くなるように設定しておけば良い。そして、この針11を保持部15に保持させることによって、糸12の先端を固定する。
【0034】
回転筒体4の糸巻回部4cには、予め糸12が1乃至複数回巻回された状態となっているから、把持鉗子Fによって、まず糸ガイド部14から糸12を離脱させ、次いで糸止着部13からも離脱させて、その基端部を回転筒体4から離間する方向に引き出す。これによって、糸12の基端部側がループ状で、先端部がこのループ内に挿通された状態となり、第1の結び目N1 が形成される。ここで、1つのループを形成すれば、一応の結び目が出来るが、結び目をより強固なものとするには、2回乃至それ以上のループを形成するのが好ましい。このために、回転筒体4の糸巻回部4cに2回以上巻回させておけば良い。このように形成された結び目を患部の方に送り込むことにより、図13に示した状態になる。
【0035】
この状態で、把持鉗子Fを操作して、糸12の基端部を糸ガイド部14を構成する規制壁14a,14bに挿通させ、次いで糸止着部13に止着する。この状態で、回転筒体4を回転させることによって、糸巻回部4cに糸12の基端側の部分を巻回する。勿論、この巻回も少なくとも2回以上とする。ここで、二重結紮にするために、第2の結び目N2 は第1の結び目N1 とは反対方向にする必要がある。
【0036】
ところで、既に説明したように、第1の結び目N1 を形成するために、予め回転体6を一方向に回転させて、操作ワイヤ5をそのワイヤ巻着部6cに巻回させた状態にして、回転筒体4を回転させて、この回転筒体4の糸巻回部4cに糸12を巻回させているから、回転体6を前述とは反対方向に回転させれば、糸12は糸巻回部4cにおいて、反対方向に巻回される。しかも、この状態では、回転筒体4に作用しているゼンマイばね7の付勢力が最大となっており、回転体6は前述とは反対方向に回転する状態に付勢され、かつロック部材9によってこの状態でロックされている。従って、把持部2を把持する手の指でロック部材9のロックを解除すると、ゼンマイばね7が巻き戻る結果、操作ワイヤ5の余長分は回転体6側から回転筒体4側に巻き取られる状態になって、回転筒体4が回転することになり、その糸巻回部4cには、第1の結び目N1 を形成した時とは反対方向に糸12の基端部分が巻回される。従って、回転筒体4を2回転させても、ゼンマイばね7が伸び切らないようになし、かつ操作ワイヤ5の余長を十分取っておくことにより、回転筒体4の糸巻回部4cに2周以上糸12を巻回させることができ、図15の状態になる。
【0037】
以上の状態で、再び把持鉗子Fの操作で、糸ガイド部14から糸12を離脱させた後に、糸止着部13からその端部を離脱させて、糸巻回部4cにループ状に巻回されている部位を脱出させることによって、図16の状態となり、第2の結び目N2 が形成される。この第2の結び目N2 は、第1の結び目N1 とは方向性が逆になっており、しかも共に2回以上のループが形成されているから、糸12の両側に引っ張り力を加えれば、強固な二重結紮が行われ、結び目が極めて安定し、みだりに解けるようなことはない。
【0038】
なお、前述の実施例においては、回転筒体を一方向に回転する状態にゼンマイばねで付勢しておき、回転体を回転させて、操作ワイヤを引っ張ることによって、このゼンマイばねの付勢力に抗して回転筒体を回転させるように構成したが、一対の操作ワイヤを用いたり、また歯車等の回転駆動機構を用いれば、回転筒体を両方向に回転させるように操作でき、要は遠隔操作によって回転筒体を少なくとも一方向に回転できるようになっておれば良い。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、回転筒体を用い、この回転筒体に糸の一端を通すと共に、他端側を回転筒体の外周に巻回させる構成としたので、体腔内等で縫合,結紮等の処置を行う際に、体腔内において糸に結び目を容易に、しかも迅速に形成できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す結び目形成結紮装置の外観図である。
【図2】図1のX−X部の断面図である。
【図3】把持部の平面図である。
【図4】図1のY−Y部の断面図である。
【図5】図2のZ−Z断面図である。
【図6】糸を装着した状態の挿入部の先端部分の外観図である。
【図7】糸止着部の構成説明図である。
【図8】糸止着部の変形例を示す構成説明図である、
【図9】糸ガイド部の構成説明図である。
【図10】保持部の構成説明図である。
【図11】結び目を作る工程における第1の工程を示す作用説明図である。
【図12】結び目を作る工程における第2の工程を示す作用説明図である。
【図13】結び目を作る工程における第3の工程を示す作用説明図である。
【図14】結び目を作る工程における第4の工程を示す作用説明図である。
【図15】結び目を作る工程における第5の工程を示す作用説明図である。
【図16】結び目を作る工程における第6の工程を示す作用説明図である。
【図17】結び目を作る工程における第7の工程を示す作用説明図である。
【図18】結び目を形成している状態を示す作用説明図である。
【符号の説明】
1 結び目形成結紮装置
2 把持部
3 挿入部
4 回転筒体
4c 糸巻回部
5 操作ワイヤ
6 回転体
11 針
12 糸
13,13a,13b 糸止着部
14 糸ガイド部
15 糸保持部
Claims (4)
- ガイド手段によりガイドされて体腔内に挿入される挿入部材の先端に、一端が挿入部材の側面から所定の長さ突出させた状態にして設けられ、回転駆動手段により遠隔操作で正逆方向に回転駆動される糸巻回用の回転筒体と、この回転筒体の挿入部材からの突出部の端部に設けられ、糸の一端が着脱可能に止着される糸止着部と、この回転筒体に巻回される方向に糸の送りをガイドする糸ガイド部と、挿入部の側面部分に設けられ、回転筒体に挿通させた糸の他端を保持する糸保持部とから構成したことを特徴とする結び目形成結紮装置。
- 前記回転筒体は、前記回転駆動手段により2回転以上回転するものであることを特徴とする請求項1記載の結び目形成結紮装置。
- 前記回転駆動手段は、挿入部に連設した把持部に設けられた回転体を有し、この回転体と回転筒体との間には操作ワイヤを介装する構成としたことを特徴とする請求項1記載の結び目形成結紮装置。
- 前記回転筒体には、付勢手段によって、それを所定の方向に回転するようになし、回転体による前記操作ワイヤの引っ張りにより付勢力に抗する方向に回転筒体を回転させるように構成したことを特徴とする請求項3記載の結び目形成結紮装置。
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