JPH0794551B2 - ブロツク共重合体、その製造法および用途 - Google Patents

ブロツク共重合体、その製造法および用途

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JPH0794551B2
JPH0794551B2 JP59085596A JP8559684A JPH0794551B2 JP H0794551 B2 JPH0794551 B2 JP H0794551B2 JP 59085596 A JP59085596 A JP 59085596A JP 8559684 A JP8559684 A JP 8559684A JP H0794551 B2 JPH0794551 B2 JP H0794551B2
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武夫 三枝
四郎 小林
敏郎 五十嵐
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住友化学工業株式会社
武夫 三枝
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はブロック共重合体、特にポリ(N−ホルミルエ
チレンイミン)またはポリ(N−低級アシルエチレンイ
ミン)とポリ(N−高級アシルエチレンイミン)のブロ
ック共重合体、更に詳細には共重合体主鎖中に親水性を
有するポリ(N−ホルミルエチレンイミン)またはポリ
(N−低級アシルエチレンイミン)ブロックおよび親油
性を有するポリ(N−高級アシルエチレンイミン)ブロ
ックを合せて有する新規なブロック共重体、その製法お
よびそれからなる新規な界面活性剤に関する。
従来、2−メチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−
2−オキサゾリン等の如き2−置換−2−オキサゾリン
の開環異性化カチオンホモ重合を行なう方法は例えばPo
lym.J.,,87(1973),J.Polym.Sci.,B,,871(1967)
等の文献に記載されており公知である。また、2−メチ
ル−2−オキサゾリンと2−n−プロピル−2−オキサ
ゾリン又は2−イソプロピル−2−オキサゾリンの共重
合体を塩化ビニールのサスペンジョン重合の際の分散助
剤やシャンプーの原料に使用する事は例えばGer.Offen.
1939669,Ger.Offen.2020263,Ger.Offen.2227887,Ger.Of
fen.3036119,Ger.Offen.3036127,Ger.Offen.3120358等
の文献に記載されており公知である。また、2−エチル
−オキサゾリンと2−ウンデシル−2−オキサゾリンの
AB型ブロック共重合体もAdv.Chem.Ser.,142,320(197
5)の文献に記載されており、公知である。さらにま
た、2−メチル−2−オキサゾリンとスチレンまたは2
−ビニルナフタレンとのABA型ブロック共重合体はPoly.
Bull(Berlin),,19(1981)の文献に記載されてお
り公知である。しかしながら下記一般式(1)または
(2)で表わされるR2およびR3基を有するブロック共重
合体は未だ知られていない。本発明者らは鋭意検討の結
果、下記一般式(1)または(2)で表わされるR1,R2
およびR3基を有し、m1+m2およびn1+n2がそれぞれ2以
上200以下の範囲にあるブロック共重合体は優れた界面
活性を示す事を見い出し本発明に至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)または(2)で表わ
されるポリ(N−ホルミルエチレンイミン)またはポリ
(N−低級アシルエチレンイミン)とポリ(N−高級ア
シルエチレンイミン)のブロック共重合体を提供する。
式中、R1は水素または炭素数12以下のアルキル基、アラ
ルキル基を表わし、R2は水素、メチル基またはエチル基
を表わし、R3は炭素数4以上18以下のアルキル基、アラ
ルキル基またはアリール基を表わし、Xは末端基を表わ
し、Yは炭素数1〜18のアルキレン基、シクロアルキレ
ン基、アラルキレン基またはアリーレン基を表わし、
m1,m2,n1およびn2は各ブロックの重合度を表わし、m1
m2およびn1+n2はそれぞれ2以上200以下である。
また本発明は、上記一般式(1)または(2)で表わさ
れるブロック共重合体の製造法を提供する。即ち、本発
明は一般式 (式中、Yは炭素数1〜18のアルキレン基、シクロアル
キレン基、アラルキレン基またはアリーレン基を表わ
す)で表わされる2,2′−ビスオキサゾリン系化合物と
硫酸エステル、スルホン酸エステル、ハロゲン化アルキ
ル、ルイス酸またはプロトン酸等のカチオン重合触媒と
の1対2反応生成物を重合開始剤に用い、式(1)の場
合一般式 (式中、R2は水素、メチル基またはエチル基を表わす)
で表わされる2−オキサゾリン系化合物の第一段カチオ
ン開環重合を実質的に完全に行なった後、一般式 (式中、R3は炭素数4以上18以下のアルキル基、アラル
キル基またはアリール基を表わす)づ表わされる2−オ
キサゾリン系化合物の第二段カチオン開環重合を行な
い、あるいは式(2)の場合、一般式(2)の化合物の
第一段カチオン開環重合を実質的完全に行なった後、一
般式(4)の化合物の第二段カチオン開環重合を行なう
ことにより、前記一般式(1)または(2)で表わされ
るブロック共重合体を製造する製造法を提供する。
または本発明は上記一般式(1)または(2)で表わさ
れるブロック共重合体からなる界面活性剤を提供する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明における上記一般式(1)または(2)中のブロ
ックの一部を構成する 単位を生成せしめるモノマー、即ち一般式(4)で表わ
されるモノマーとしては2−オキサゾリン、2−メチル
−2−オキサゾリン2−エチル−2−オキサゾリンが挙
げられる。これらの化合物は種々の方法で作られるが、
例えばLiebigs Ann.Chem.,p996〜1006(1974)に記載の
方法によって容易に作ることができる。
上記式中R2の炭素数が3以上になると、これによっても
たらされる側鎖の親水性が低下するためブロック共重合
体の界面活性が低下するので好ましくない。
本発明における上記一般式(1)または(2)中のブロ
ックの一部を構成するモノマー即ち一般式(5)で表わ
されるモノマーとしては、2−ブチル−2−オキサゾリ
ン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−ヘキシル−
2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、
2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オ
キサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、2−ウン
デシル−2−オキサゾリン、2−ドデシル−2−オキサ
ゾリン、2−トリデシル−2−オキサゾリン、2−テト
ラドデシル−2−オキサゾリン、2−ペンタデシル−2
−オキサゾリン、2−ヘキサデシル−2−オキサゾリ
ン、2−ヘプタデシル−2−オキサゾリン、2−オクタ
デシル−2−オキサゾリン、2−ベンジル−2−オキサ
ゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−ナフチ
ル−2−オキサゾリン等が挙げられる。これらの化合物
は種々の方法で作られるが、例えばLiebigs Ann.Chem.,
p996〜p1006(1974)に記載の方法によって容易に作る
ことができる。
上記式中、R3の炭素数が3以下になるとこれによっても
たらされる側鎖の親油性が低下するためブロック共重合
体の界面活性が低下するので好ましくない。
本発明で使用する重合開始剤を構成する一成分である一
般式(3)で表わされる化合物としては2,2′−メチレ
ンビス−2−オキサゾリン、2,2′−エチレンビス−2
−オキサゾリン、2,2′−トリメチレン−ビス−2−オ
キサゾリン、2,2′−テトラメチレンビス−2−オキサ
ゾリン、2,2′−ペンタメチレン−ビス−2−オキサゾ
リン、2,2′−ヘキサメチレンビス−2−オキサゾリ
ン、2,2′−ヘプタメチレンビス−2−オキサゾリン、
2,2′−オクタメチレンビス−2−オキサゾリン、2,2′
−ノナメチレンビス−2−オキサゾリン、2,2′−デカ
メチレンビス−2−オキサゾリン、2,2′−ウンデカメ
チレンビス−2−オキサゾリン、2,2′−ドデカメチレ
ンビス−2−オキサゾリン、2,2′−トリデカメチレン
ビス−2−オキサゾリン、2,2′−テトラデカメチレン
ビス−2−オキサゾリン、2,2′−ペンタデカメチレン
ビス−2−オキサゾリン、2,2′−ヘキサデカメチレン
ビス−2−オキサゾリン、2,2′−ヘプタデカメチレン
ビス−2−オキサゾリン、2,2′−オクタデカメチレン
ビス−2−オキサゾリン、2,2′−(1,4−フェニレン)
ビス−2−オキサゾリン、2,2′−(1,3−フェニレン)
ビス−2−オキサゾリン、2,2′−(1,4−シクロヘキシ
レン)ビス−2−オキサゾリン等が挙げられる。これら
の化合物は例えばLiebigs Ann.Chem.,p996〜p1006(197
4)に記載の方法によって容易に作ることができる。
本発明で使用する重合開始剤を構成する一成分であるカ
チオン重合触媒としては硫酸エステル、スルホン酸エス
テル、ハロゲン化アルキル、ルイス酸やプロトン酸等が
使用出来る。具体的には、ジメチル硫酸、p−トルエン
スルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p
−トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン
酸ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピ
ル、ヨウ化ブチル、ブロム化メチル、ブロム化エチル、
ブロム化プロピル、ブロム化ブチル、塩化メチル、塩化
エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、三フッ化ホウ素、
四塩化チタン、五フッ化アンチモン、トリフルオロメタ
ンスルホン酸等が使用できるが、重合速度の観点から、
p−トルエンスルホン酸メチルを使用するとよい。
本発明方法で使用する重合開始剤の合成方法は、一般式
(3)で表わされる2,2′−ビスオキサゾリン系化合物
とカチオン重合触媒を無溶媒中で反応させてもよいし、
ジエチルエーテル、アセトニトリルやベンゾニトリル等
の非プロトン溶媒中で反応させてもよい。反応温度は30
℃〜150℃が好ましい。カチオン重合触媒は一般式
(3)で表わされる2,2′−ビスオキサゾリン系化合物
に対して2倍モル以上使用する必要があり、2.2〜6.0倍
モルの使用が好ましい。反応終了後反応液をジエチルエ
ーテルやヘキサン中に再沈澱して反応生成物を得、その
後、例えばアセトニトリルやベンゾニトリルに溶解し、
ジエチルエーテル中に再沈澱する操作をくり返して過剰
に加えた未反応のカチオン重合触媒や未反応の2,2′−
ビスオキサゾリン系化合物を取り除き、反応生成物を精
製するのが好ましい。
本発明における前記一般式(1)または(2)で表わさ
れるブロック共重合体の製造方法としては、塊状重合法
または溶液重合法が挙げられる。溶液重合法の場合、使
用される溶媒としては限定されるものではないが、アセ
トニトリル、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ベ
ンゾニトリル等が使用できる。溶媒の使用量としては、
全仕込みモノマー100重量部に対して20〜2000重量部を
使用するとよい。
本発明における一般式(1)または(2)で表わされる
重合体を生成せしめる重合開始剤すなわち一般式(3)
で表わされる2,2′−ビスオキサゾリン系化合物とカチ
オン重合触媒の1対2反応生成物は目的とするブロック
共重合体の組成によって決定されるが、一般には仕込み
モノマーに対して0.5〜50モル%の範囲で使用するのが
良い。
本発明における前記一般式(1)または(2)で表わさ
れるブロック共重合体を生成せしめる共重合の手順とし
ては、例えば溶液重合の場合、脱水、窒素置換した重合
容器に、脱水精製した溶媒を仕込み、脱水精製した第一
段重合のためのモノマーおよび上記方法で合成し、精製
した重合開始剤を仕込む。しかる後に反応系を30℃以上
150℃以下の重合温度に保ち、第一段重合モノマーを実
質的完全に重合せしめた後、脱水精製した第二段重合の
ためのモノマーを重合系に添加し、30℃以上150℃以下
の重合温度に保つ。重合時間は重合温度、モノマーの種
類、および重合開始剤の種類や使用量等によって変化す
るが、通常第一段重合および第二段重合共0.5〜40時間
行なう。第二段重合のためのモノマーを実質的完全に重
合せしめた後、反応混合物中の溶媒や未反応のモノマー
を減圧下および(または)加熱により除去させることに
より、目的とするブロック共重合体が得られる。なお、
実質的完全に重合せしめるとは重合収率70%以上を指す
が、特に第一段重合においては、ブロック共重合効率の
点から重合収率90%以上に設定することが好ましい。
上記ブロック共重合体を生成せしめる共重合の手順にお
いて、第二段重合のモノマーを添加する場合、第一段重
合が完結した反応液にそのまま添加してもよいし、第一
段重合の完結した反応液を他の脱水窒素置換した重合容
器に移入した後添加してもよい。これは第一般の重合が
完結した時の重合体末端の重合活性イオン対がかなり長
期間安定であり、リビング重合的に第二段の重合を行な
いえることによる。
本発明における一般式(1)または(2)中のm1+m2,n
1+n2は2以上200以下好ましくは50以下が良い。m1+m2
またはn1+n2が2以上になるとブロック性が失なわれる
ため界面活性が低下し好ましくない。またm1+m2または
n1+n2が200以上になるとブロックの大きさが大きくな
りすぎ、分子の安定な配合が困難になるため界面活性が
低下し、好ましくない。なお上記の場合m1,m2,n1および
n2はそれぞれ1〜100である。
本発明におけるm1+m2とn1+n2は重合開始剤と第一段モ
ノマーの仕込みモル比および重合開始剤と第二段モノマ
ーの仕込みモル比を適当に設定する事により自由に実現
せしめうる。これは第一段重合が完結した時の重合体末
端の重合活性イオン対が安定であり、リビング重合物に
第二段の重合を行ないうることによるものである。
本発明における一般式(1)または(2)中のR1,Xは前
記方法で合成され、使用される重合開始剤の種類によっ
て決まる。R1としては水素、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ベンジル基等が挙げられる。Xとし
ては水酸基、 −I基、−Br基、−Cl基、 が挙げられる。ここでA-は重合開始剤の陰性原子団に由
来するアニオンである。
またYとしてはエチレン基、テトラメチレン基、オクタ
メチレン基、ドデカメチレン基、1,4−フェニレン基、
1,4−シクロヘキシレン基等が挙げられる。
本発明のブロック共重合体は白色、黄色またはカッ色の
ロウ状樹脂または粉末状樹脂であり、重合体主鎖中に親
水性のホルムアミド単位または低級アシルアミド単位を
有するブロックと親油性の高級アシルアミド単位を有す
るブロックとを含有する。
本発明のブロック共重合体は界面活性が大きいので、洗
滌剤、O/W乳化剤、W/O乳化剤、分散剤等ノニオン界面活
性剤としての用途がある。
以下実施例にて本発明を詳細に説明する。
全ての実施例、比較例におけるブロック共重合体の組成
は重水素化クロロホルム溶媒を使用し、HITACHI R 20B
プロトンnmr装置(日立製作所製)(60MHz)を使用して
決定した。ブロック共重合体の分子量はCORRONA117蒸気
圧オスモメーター(コロナ社製)を使用し、クロロホル
ムを溶媒とし、40℃で測定を行ない決定した。ブロック
共重合体の分子量分布の形状は、JASCO TRIROTOR(日本
電子分光社製)を使用、カラムとしてShodex A803(昭
和電工社製)溶媒としてクロロホルム、溶媒流量1ml/分
の条件でゲル浸透クロマトグラフィーによって判定し
た。
また、全ての実施例、比較例におけるブロック共重合体
の界面活性については各ブロック共重合体を蒸留水に溶
解して1重量%の水溶液を調整し、調整1日後の水溶液
の表面張力をデニュイ表面張力計によって測定し判定し
た。測定温度は20℃である。水に対する溶解性は上記1
重量%の水溶液の、調整1日後の溶解性を目視にて判定
した。
実施例1 ガラスアンプルを1mmHgの真空度で30分保った後、窒素
ガスにて置換を行ない、窒素ガス気流下ジエチルエーテ
ルを10.0ml、2,2′−テトラメチレンビス−2−オキサ
ゾリンを1.96g(10ミリモル)仕込んだ。ガラスアンプ
ルを氷水浴で冷却後窒素ガス気流下にp−トルエンスル
ホン酸メチルを465g(25ミリモル)仕込んだ。窒素ガス
気流下、ガラスアンプルを溶封後あらかじめ80℃に調整
した油浴に浸し、2時間反応させ、その後室温まで冷却
した。ガラスアンプルを開封し、窒素ガス気流下100ml
のジエチルエーテル中に反応液を滴下し、微黄色粉末状
のN,N′−ジメチル−2,2′−テトラメチレンビス−2−
オキサゾリニウムジトシレートを再沈澱させ、窒素ガス
気流下で過し、ジエチルエーテル各20mlで3回洗浄し
た。得らえたN,N′−ジメチル−2,2′−テトラメチレン
ビス−2−オキサゾリニウムジトシレートを4.0mlのア
セトニトリルに溶解し、再度100CCのジエチルエーテル
中に滴下して再沈澱させ、窒素ガス気流下で過後、ジ
エチルエーテル各20mlで3回洗浄し、未反応のp−トル
エンスルホン酸メチルと未反応の2,2′−テトラメチレ
ンビス−2−オキサゾリンを取り除き精製した。その
後、減圧下で残存するジエチルエーテルを除去し、十分
に乾燥させた。得られたN,N′−ジメチル−2,2′−テト
ラメチレンビス−2−オキサゾリニウムジトシレートは
3.32g(7.6ミリモル)であり、反応収率は76%であっ
た。
別のガラスアンプルを1mmHgの真空度で30分保った後、
窒素ガスにて置換を行ない、窒素ガス気流下重合溶媒と
してアセトニトリル5.0ml、モノマーとして2−メチル
−2−オキサゾリン0.85g(10ミリモル)を仕込んだ。
ガラスアンプルを氷水浴で冷却後、窒素ガス気流下に重
合開始剤として上記方法で製造したN,N′−ジメチル−
2,2′−テトラメチレンビス−2−オキサゾリニウムジ
トシレート0.57g(1.0ミリモル)を仕込んだ。窒素ガス
気流下、ガラスアンプルを溶封後あらかじめ80℃に調整
した油浴に浸し、20時間第一段カチオン開環重合を行な
い、その後室温まで冷却した。その後、ガラスアンプル
を開封し、窒素ガス気流下第二段モノマーとして2−n
−オクチル−2−オキサゾリンを1.83g(10.0ミリモ
ル)仕込んだ。窒素ガス気流下再度ガラスアンプルを溶
封し、80℃に調整した油浴に浸し、重合温度80℃にて30
時間第二段カチオン開環重合を行なった。
ガラスアンプルを開封後、重合系を50℃の温浴中、10mm
Hgの真空度で60分間保ち、溶媒のアセトニトリルおよび
未反応のモノマーを除去し、得られたブロック共重合体
を50℃にて48時間真空乾燥(真空度5mmHg)を行なっ
た。
得られた重合体の組成比、分子量および分子量分布の形
状はプロトンnmr、蒸気圧浸透法、ゲル浸透クロマトグ
ラフィーによって決定した。
重合体を20℃の蒸留水に溶解して1重量%の水溶液を調
整し、水に対する溶解性は1日後の溶解性を目視で判定
し、界面活性は1重量%の水溶液の調整1日後の表面張
力をデニュイ表面張力計を用い20℃で測定して判定し
た。
各成分の仕込み量等については第1表に、重合体の特性
決定、物性評価の結果については第2表に示す。
第1表、第2表より、実施例1の方法で得られた重合体
は水に溶解し、優れた界面活性を示すブロック共重合体
である事を示している。
比較例1 ガラスアンプルを1mmHgの真空度で30分保った後、窒素
ガスにて置換を行ない、窒素ガス気流下重合溶媒として
アセトニトリル5.0ml、モノマーとして2−メチル−2
−オキサゾリン0.85g(10.0ミリモル)を仕込んだ。ガ
ラスアンプルを氷水浴で冷却後、窒素ガス気流下に重合
開始剤として実施例1で得られたN,N′−ジメチル−2,
2′−テトラメチレンビス−2−オキサゾリニウムジト
シレート0.57g(1.0ミリモル)を仕込んだ。窒素ガス気
流下、ガラスアンプルを溶封後、あらかじめ80℃に調整
した油浴に侵し、20時間カチオン開環重合を行なった。
重合体の特性決定、物性評価は実施例1と同様の方法で
行なった。結果を第1表、第2表に示す。比較例1の方
法で得られた重合体は表面張力が高く、界面活性が劣
る。
実施例2〜4および比較例2 第1段モノマーまたは第二段モノマーの種類を第1表に
示すように変更した以外は実施例1と同様の重合方法、
重合体処理方法、重合体の特性決定物性評価を行なっ
た。結果を第2表に示す。
実施例2〜4の方法で得られたブロック共重合体はいず
れも優れた界面活性を示す。一方、比較例2の方法で得
られたブロック共重合体は水にはよく溶解するが、界面
張力が高く、界面活性が劣る。
実施例5〜7 重合開始剤の仕込量、第二段モノマーの種類および仕込
量を第3表に示すように変更した以外は実施例1と同様
の重合方法、重合体の処理方法、重合体の特性決定およ
び物性評価を行なった。結果を第4表に示す。
実施例5〜7の方法で得られたブロック共重合体はいず
れも水に溶解し、表面張力が低く、優れた界面活性を示
す。
以上、実施例1〜7および比較例1〜3から、本特許請
求範囲の方法で得られた本特許請求範囲のブロック共重
合体は水に溶解し、表面張力が低く優れた界面活性を示
し、界面活性剤としての用途に適している事が明らかで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−120627(JP,A) 特公 平5−7415(JP,B2) 米国特許3574784(US,A) Advances in Chemis try Series 142 Copol ymers,Polyblends,an d Composites (1975年 A MERICAN Chemical So ciety 発行)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 または 〔式中、R1は水素、または炭素数12以下のアルキル基、
    アラルキル基を表わし、R2は、水素、メチル基またはエ
    チル基を表わし、R3は炭素数4以上18以下のアルキル
    基、アラルキル基またはアリール基を表わし、Xは末端
    基を表わし、Yは炭素数1〜18のアルキレン基、シクロ
    アルキレン基、アラルキレン基またはアリーレン基を表
    わし、m1,m2およびn1,n2は各ブロックの重合度を表わ
    し、m1+m2およびn1+n2はそれぞれ2以上200以下であ
    る。〕で表わされる、ポリ(N−ホルミルエチレンイミ
    ン)またはポリ(N−低級アシルエチレンイミン)とポ
    リ(N−高級アシルエチレンイミン)のブロック共重合
    体。
  2. 【請求項2】R1がメチル基であり、R2がメチル基であり
    R2が炭素数4〜8のアルキル基である特許請求の範囲第
    1項記載のブロック共重合体。
  3. 【請求項3】m1+m2/n1+n2の比が0.1〜10である特許請
    求の範囲第1項記載のブロック共重合体。
  4. 【請求項4】分子量が1000〜20000である特許請求の範
    囲第1項記載のブロック共重合体。
  5. 【請求項5】一般式 (式中、Yは炭素数1〜18のアルキレン基、シクロアル
    キレン基、アラルキレン基、またはアリーレン基を表わ
    す)で表わされる2,2′−ビスオキサゾリン系化合物と
    硫酸エステル、スルホン酸エステル、ハロゲン化アルキ
    ル、ルイス酸またはプロトン酸等のカチオン重合触媒と
    の1対2反応生成物を重合開始剤に用い、 一般式 (式中、R2は水素、メチル基またはエチル基を表わす)
    で表わされる2−オキサゾリン系化合物、または一般式 (式中、R3は炭素数4以上18以下のアルキル基、アラル
    キル基、またアリール基を表わす)で表わされる2−オ
    キサゾリン系化合物の第一段カチオン開環重合を実質的
    に完全に行なった後、上記第一段カチオン開環重合が一
    般式(4)の化合物の重合である場合、次に一般式
    (5)の化合物の第二段カチオン開環重合を行ない、あ
    るいは第一段カチオン開環重合が上記(5)の化合物の
    重合である場合、次に一般式(4)の化合物の第二段カ
    チオン開環重合を行なうことを特徴とする下記一般式 または 〔式中、R1は水素、または炭素数12以下のアルキル基、
    アラルキル基を表わし、R2は水素、メチル基またはエチ
    ル基を表わし、R3は炭素数4以上18以下のアルキル基、
    アラルキル基またはアリール基を表わし、Xは末端基を
    表わし、Yは炭素数1〜18のアルキレン基、シクロアル
    キレン基、アラルキレン基またはアリーレン基を表わ
    し、m1,m2およびn1,n2は各ブロックの重合度を表わし、
    m1+m2およびn1+n2はそれぞれ2以上200以下であ
    る。〕で表わされるブロック共重合体の製造法。
  6. 【請求項6】重合開始剤が一般式 (式中、lは1〜18の整数)で表わされるN,N′−ジメ
    チル−2,2′−アルキレンビスオキサゾリニウムジトシ
    レートである特許請求の範囲第5項記載のブロック共重
    合体の製造法。
  7. 【請求項7】重合開始剤がN,N′−ジメチル−2,2′−テ
    トラメチレンビスオキサゾリニウムジトシレートである
    特許請求の範囲第5項記載のブロック共重合体の製造
    法。
  8. 【請求項8】下記一般式 または 〔式中、R1は水素、または炭素数12以下のアルキル基、
    アラルキル基を表わし、R2は水素、メチル基またはエチ
    ル基を表わし、R3は炭素数4以上18以下のアルキル基、
    アラルキル基またはアリール基を表わし、Xは末端基を
    表わし、Yは炭素数1〜18のアルキレン基、シクロアル
    キレン基、アラルキレン基またはアリーレン基を表わ
    し、m1,m2およびn1,n2は各ブロックの重合度を表わし、
    m1+m2およびn1+n2はそれぞれ2以上200以下であ
    る。〕で表わされるブロック共重合体からなる界面活性
    剤。
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