JPH0794501B2 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
吸水性樹脂の製造方法Info
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- JPH0794501B2 JPH0794501B2 JP61082568A JP8256886A JPH0794501B2 JP H0794501 B2 JPH0794501 B2 JP H0794501B2 JP 61082568 A JP61082568 A JP 61082568A JP 8256886 A JP8256886 A JP 8256886A JP H0794501 B2 JPH0794501 B2 JP H0794501B2
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- absorbent resin
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- reducing agent
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、吸水性樹脂の製造方法に関する。さらに詳
細には、この発明は製造上の安全性に優れかつ高い吸水
能力を有する吸水性樹脂の製造方法に関する。
細には、この発明は製造上の安全性に優れかつ高い吸水
能力を有する吸水性樹脂の製造方法に関する。
〈従来の技術および発明が解決しようとする問題点〉 近年、紙おむつ、生理用品、微生物や植物の培地、液体
クロマトグラフィーの担体等に、高い吸水能力および保
水能力を有する吸水性樹脂が用いられている。このよう
な吸水性樹脂の一種として、架橋型ポリアクリル酸金属
塩系が汎用されている。
クロマトグラフィーの担体等に、高い吸水能力および保
水能力を有する吸水性樹脂が用いられている。このよう
な吸水性樹脂の一種として、架橋型ポリアクリル酸金属
塩系が汎用されている。
このアクリル酸金属塩系吸水性樹脂は、アクリル酸ナト
リウム、アクリル酸カリウム等のアクリル酸アルカリ金
属塩水溶液に、重合開始剤を添加して重合させた後、水
分を除去して製造されている。この際、重合開始剤とし
ては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の
過硫酸塩、酸化剤と還元剤との組合せよりなるレドック
ス触媒(例えば、前記過硫酸酸塩と一価銅イオン、過酸
化水素と二価鉄イオン等)が使用されるが、これらの過
硫酸塩やレドックス触媒を開始剤として用いると、重合
反応が極めて急激で、例えば、重合開始温度は常温でも
重合の進行とともに急激に発熱する。特に、工業的な生
産のように、大量且つ高モノマー濃度で実施される場合
には、特別な配慮をしない限りその制御は困難で、時に
は暴走反応を生じ、危険性が極めて高いものである。か
かる観点から、暴走反応を防止するため、モノマー濃度
を低くすることや、温度制御システムを用いて、前記ア
クリル酸塩の重合を行っているが、モノマー濃度を低く
することは、水分の蒸発に多大の熱量を要し非経済的で
あり、また温度制御システムを導入した装置も高価とな
る問題がある。
リウム、アクリル酸カリウム等のアクリル酸アルカリ金
属塩水溶液に、重合開始剤を添加して重合させた後、水
分を除去して製造されている。この際、重合開始剤とし
ては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の
過硫酸塩、酸化剤と還元剤との組合せよりなるレドック
ス触媒(例えば、前記過硫酸酸塩と一価銅イオン、過酸
化水素と二価鉄イオン等)が使用されるが、これらの過
硫酸塩やレドックス触媒を開始剤として用いると、重合
反応が極めて急激で、例えば、重合開始温度は常温でも
重合の進行とともに急激に発熱する。特に、工業的な生
産のように、大量且つ高モノマー濃度で実施される場合
には、特別な配慮をしない限りその制御は困難で、時に
は暴走反応を生じ、危険性が極めて高いものである。か
かる観点から、暴走反応を防止するため、モノマー濃度
を低くすることや、温度制御システムを用いて、前記ア
クリル酸塩の重合を行っているが、モノマー濃度を低く
することは、水分の蒸発に多大の熱量を要し非経済的で
あり、また温度制御システムを導入した装置も高価とな
る問題がある。
〈目的〉 この発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、特
殊な重合開始剤を使用することにより、極めて温和な条
件下にアクリル酸金属塩の重合が進行し、安全性が高い
とともに高い吸水能力を有する吸水性樹脂の製造方法を
提供することを目的とする。
殊な重合開始剤を使用することにより、極めて温和な条
件下にアクリル酸金属塩の重合が進行し、安全性が高い
とともに高い吸水能力を有する吸水性樹脂の製造方法を
提供することを目的とする。
〈問題を解決するための手段〉 上記目的を達成するためになされた、この発明の吸水性
樹脂の製造方法は、1価陽イオンによる中和度が30%以
上100%未満のアクリル酸を、含硫黄系還元剤と酸化剤
とからなる重合開始剤を用いて重合し、さらに後加熱し
て、系中に存在する酸化剤によって処理することを特徴
とするものである。
樹脂の製造方法は、1価陽イオンによる中和度が30%以
上100%未満のアクリル酸を、含硫黄系還元剤と酸化剤
とからなる重合開始剤を用いて重合し、さらに後加熱し
て、系中に存在する酸化剤によって処理することを特徴
とするものである。
なお、この明細書において、中和度とは、仕込みモノマ
ー中のアクリル酸とアクリル酸塩の総計に対するアクリ
ル酸塩の比率をいい、下記の式で定義される。
ー中のアクリル酸とアクリル酸塩の総計に対するアクリ
ル酸塩の比率をいい、下記の式で定義される。
上記の構成において、アクリル酸の中和に使用される中
和剤としは、最終製品たる吸水性樹脂の使用目的に応じ
て適宜選択されるが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩または炭
酸水素塩、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、エ
タノールアミン類、ピリジン、ピコリン等の有機アミン
類等、一価の陽イオンとして作用しえる塩基の内から任
意に選択できるが、経済性、安全性および得られた吸水
性樹脂の吸水性能等を考慮すると水酸化ナトリウムが適
切である。
和剤としは、最終製品たる吸水性樹脂の使用目的に応じ
て適宜選択されるが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩または炭
酸水素塩、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、エ
タノールアミン類、ピリジン、ピコリン等の有機アミン
類等、一価の陽イオンとして作用しえる塩基の内から任
意に選択できるが、経済性、安全性および得られた吸水
性樹脂の吸水性能等を考慮すると水酸化ナトリウムが適
切である。
また、アクリル酸の中和度としては、30%以上、好まし
くは50%以上、さらに好ましくは70%以上95%以下のも
のが、得られた吸水性樹脂の吸水性能からして好まし
い。また、アクリル酸の一価陽イオン塩とアクリル酸を
適宜な割合で混合して、前記のアクリル酸塩水溶液を調
製してもよい。重合溶液の濃度は発熱の少ないというこ
の発明の特徴からすると、溶液中のモノマー濃度は高い
程、この発明の技術的、装置的、性能的効果が顕著とな
るが、水酸化ナトリウムで中性付近に中和を行う場合、
水分濃度が45%〜50%以下になるとアクリル酸ナトリウ
ムが析出するので、モノマー濃度をより高くする場合に
は、混合撹拌等により溶液の均質化を図る必要がある。
くは50%以上、さらに好ましくは70%以上95%以下のも
のが、得られた吸水性樹脂の吸水性能からして好まし
い。また、アクリル酸の一価陽イオン塩とアクリル酸を
適宜な割合で混合して、前記のアクリル酸塩水溶液を調
製してもよい。重合溶液の濃度は発熱の少ないというこ
の発明の特徴からすると、溶液中のモノマー濃度は高い
程、この発明の技術的、装置的、性能的効果が顕著とな
るが、水酸化ナトリウムで中性付近に中和を行う場合、
水分濃度が45%〜50%以下になるとアクリル酸ナトリウ
ムが析出するので、モノマー濃度をより高くする場合に
は、混合撹拌等により溶液の均質化を図る必要がある。
また、この発明で得られる吸水性樹脂の吸水能力、ゲル
強度等を改質するために、前記のアクリル酸にはアクリ
ルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N−ビニルピ
ロリドン等を添加して共重合体としてもよい。
強度等を改質するために、前記のアクリル酸にはアクリ
ルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N−ビニルピ
ロリドン等を添加して共重合体としてもよい。
この発明の製造方法では、重合開始剤として含硫黄系還
元剤と酸化剤が併用される。使用される含硫黄系還元剤
としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム
等の亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリ
ウム等の亜硫酸水素塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
カリウム等のチオ硫酸塩、亜二チオン酸ナトリウム等の
亜二チオン酸塩等またはこれらの混合物が例示でき、特
に亜硫酸塩、亜二チオン酸塩が好ましい。これらの含硫
黄系還元剤は、粉末状態のままでも使用できるが、通常
水溶液として使用される。
元剤と酸化剤が併用される。使用される含硫黄系還元剤
としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム
等の亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリ
ウム等の亜硫酸水素塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
カリウム等のチオ硫酸塩、亜二チオン酸ナトリウム等の
亜二チオン酸塩等またはこれらの混合物が例示でき、特
に亜硫酸塩、亜二チオン酸塩が好ましい。これらの含硫
黄系還元剤は、粉末状態のままでも使用できるが、通常
水溶液として使用される。
また、酸化剤としては、慣用の酸化剤、例えば、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペ
ルオキソ二硫酸アンモニウム等のペルオキソ二硫酸塩等
が挙げられ、単独で、または混合物として使用される。
また、粉末状態でも使用できるが、通常水溶液として使
用される。
キソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペ
ルオキソ二硫酸アンモニウム等のペルオキソ二硫酸塩等
が挙げられ、単独で、または混合物として使用される。
また、粉末状態でも使用できるが、通常水溶液として使
用される。
重合に使用される上記の還元剤および酸化剤の量は、組
合される還元剤と酸化剤の種類、重合温度、モノマー水
溶液の濃度、吸水性樹脂に要求される特性等により異な
るが、通常、モノマー仕込み量100重量部に対して、そ
れぞれ0.001〜0.5重量部の範囲から適宜選択される。還
元剤および酸化剤の添加量が、それぞれ0.001重量部未
満では、反応が遅く重合時間が長くなる。また、還元剤
および酸化剤の添加量が、それぞれ0.5重量部を越える
と、重合溶液が高粘度となり、モノマー濃度を下げない
と撹拌混合が困難になる。還元剤と酸化剤の好ましい添
加量は、それぞれ0.01〜0.1重量部である。
合される還元剤と酸化剤の種類、重合温度、モノマー水
溶液の濃度、吸水性樹脂に要求される特性等により異な
るが、通常、モノマー仕込み量100重量部に対して、そ
れぞれ0.001〜0.5重量部の範囲から適宜選択される。還
元剤および酸化剤の添加量が、それぞれ0.001重量部未
満では、反応が遅く重合時間が長くなる。また、還元剤
および酸化剤の添加量が、それぞれ0.5重量部を越える
と、重合溶液が高粘度となり、モノマー濃度を下げない
と撹拌混合が困難になる。還元剤と酸化剤の好ましい添
加量は、それぞれ0.01〜0.1重量部である。
この発明の製造方法で得られる吸水性樹脂は、重合開始
剤として使用される還元剤および酸化剤の使用量によ
り、吸水能力、吸水後のゲル強度等を適宜変更すること
ができる。一般的に、例えば、酸化剤の使用量を一定に
して、還元剤の使用量を変更した場合、還元剤の使用量
の増加と共に吸水能力が大きくなるがある範囲を越える
と可溶化傾向が大きくなる。また、還元剤の使用量を一
定にして、酸化剤の使用量を増加すると、吸水量が減少
し、吸水後のゲル状態が硬くなり、また減少させると軟
らかくなる傾向にある。しかし、各々が前記の添加範囲
内で比例的に増加、減少して使用された場合には得られ
たポリマーの性能には大きな差異が認められない。
剤として使用される還元剤および酸化剤の使用量によ
り、吸水能力、吸水後のゲル強度等を適宜変更すること
ができる。一般的に、例えば、酸化剤の使用量を一定に
して、還元剤の使用量を変更した場合、還元剤の使用量
の増加と共に吸水能力が大きくなるがある範囲を越える
と可溶化傾向が大きくなる。また、還元剤の使用量を一
定にして、酸化剤の使用量を増加すると、吸水量が減少
し、吸水後のゲル状態が硬くなり、また減少させると軟
らかくなる傾向にある。しかし、各々が前記の添加範囲
内で比例的に増加、減少して使用された場合には得られ
たポリマーの性能には大きな差異が認められない。
また、この発明の製造方法において、硝酸アルミニウ
ム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム等のアルミニウム塩、アルミニウムアルコラー
ト、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩等のアルミ
ニウム化合物を添加することにより、重合体の架橋度を
調整することもできる。特に開始剤濃度が低い条件下で
製造された吸水性樹脂は、可溶性部分を含有したり吸水
後のゲル状態が軟らかくなる傾向があるので、このよう
な場合に上記アルミニウム化合物を添加すると、吸水量
の増加およびゲル強度の改良を図ることができる。な
お、上記アルミニウム化合物中、アルミニウム塩等はモ
ノマー水溶液または開始剤水溶液のいずれに添加しても
使用できるが、アルミン酸塩の場合には、開始剤水溶液
に添加するとアルカリが開始剤を分解する恐れがあるの
で、モノマー水溶液中に添加するのがよい。これらのア
ルミニウム化合物は、通常、モノマー仕込み量100重量
部に対して5重量部以下、好ましくは0.1〜0.5重量部程
度添加される。
ム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム等のアルミニウム塩、アルミニウムアルコラー
ト、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩等のアルミ
ニウム化合物を添加することにより、重合体の架橋度を
調整することもできる。特に開始剤濃度が低い条件下で
製造された吸水性樹脂は、可溶性部分を含有したり吸水
後のゲル状態が軟らかくなる傾向があるので、このよう
な場合に上記アルミニウム化合物を添加すると、吸水量
の増加およびゲル強度の改良を図ることができる。な
お、上記アルミニウム化合物中、アルミニウム塩等はモ
ノマー水溶液または開始剤水溶液のいずれに添加しても
使用できるが、アルミン酸塩の場合には、開始剤水溶液
に添加するとアルカリが開始剤を分解する恐れがあるの
で、モノマー水溶液中に添加するのがよい。これらのア
ルミニウム化合物は、通常、モノマー仕込み量100重量
部に対して5重量部以下、好ましくは0.1〜0.5重量部程
度添加される。
次に、この発明の製造方法の一例を詳細に説明する。
まず、アクリル酸を前記の中和剤水溶液にて所望の中和
度および重合に適当な濃度となるように中和する。この
溶液に前記の還元剤水溶液および酸化剤水溶液を添加し
重合を開始する。重合の進行と共に該溶液は粘度が上昇
し、ある程度重合が進行し高粘度となった時、後加熱す
ることで、系中に存在する酸化剤によってさらなる重合
または架橋反応等を行った後、反応液を脱水乾燥させ
て、この発明の吸水性樹脂が得られる。
度および重合に適当な濃度となるように中和する。この
溶液に前記の還元剤水溶液および酸化剤水溶液を添加し
重合を開始する。重合の進行と共に該溶液は粘度が上昇
し、ある程度重合が進行し高粘度となった時、後加熱す
ることで、系中に存在する酸化剤によってさらなる重合
または架橋反応等を行った後、反応液を脱水乾燥させ
て、この発明の吸水性樹脂が得られる。
上記の工程においては、還元剤および酸化剤を同時に反
応系に添加しているが、この場合には酸化剤の使用量を
増加する方が好ましい結果を得ることができる。また、
あらかじめモノマー水溶液に酸化剤を添加した溶液に還
元剤を添加して重合反応を開始することもできる。
応系に添加しているが、この場合には酸化剤の使用量を
増加する方が好ましい結果を得ることができる。また、
あらかじめモノマー水溶液に酸化剤を添加した溶液に還
元剤を添加して重合反応を開始することもできる。
後加熱の温度は、系中の酸化剤が分解または活性化する
温度でよい。後加熱による処理後、反応系内の水分を除
去し乾燥すること、また100℃程度で後加熱処理をして
も性能その他になんら変化が認められなかったことなど
を考慮すると系内に共存する水分の沸点程度で処理する
のが好都合である。
温度でよい。後加熱による処理後、反応系内の水分を除
去し乾燥すること、また100℃程度で後加熱処理をして
も性能その他になんら変化が認められなかったことなど
を考慮すると系内に共存する水分の沸点程度で処理する
のが好都合である。
〈作用〉 この発明は上記の構成よりなり、従来のレドックス開始
剤による重合と異なり、含硫黄系還元剤と酸化剤とから
なる重合開始剤によるアクリル酸塩の重合は極めて発熱
性が低く、温和な条件下に速やかに進行し、ある程度重
合が進行した後、後加熱して、系中に存在する酸化剤に
より、さらなる重合または架橋反応等を行うので、重合
中における温度制御が容易となり、暴走反応等を防止で
きる。
剤による重合と異なり、含硫黄系還元剤と酸化剤とから
なる重合開始剤によるアクリル酸塩の重合は極めて発熱
性が低く、温和な条件下に速やかに進行し、ある程度重
合が進行した後、後加熱して、系中に存在する酸化剤に
より、さらなる重合または架橋反応等を行うので、重合
中における温度制御が容易となり、暴走反応等を防止で
きる。
また、重合が温和な条件下に進行するので、副反応等が
少なく、吸水能力の大きな吸水性樹脂を得ることができ
る。
少なく、吸水能力の大きな吸水性樹脂を得ることができ
る。
〈実施例〉 以下、実施例をもって、この発明をより詳細に説明す
る。
る。
実施例1 アクリル酸10gに25%濃度の水酸化ナトリウム水溶液20g
を加えて中和したもの(中和度90%)に、常温で1%濃
度のペルオキソ二硫酸カリウム水溶液1gを加えた後、1
%濃度のピロ亜硫酸カリウム水溶液3gを加えると、溶液
温度が35℃乃至40℃となって直ちに重合し、約1時間後
にはタック性のほとんどないゴム状重合体となり、それ
を後加熱せずに数時間以上経過したものは緩慢な吸水性
を示すものの可溶性の部分も存在するため、吸水性樹脂
として使用できなかった。
を加えて中和したもの(中和度90%)に、常温で1%濃
度のペルオキソ二硫酸カリウム水溶液1gを加えた後、1
%濃度のピロ亜硫酸カリウム水溶液3gを加えると、溶液
温度が35℃乃至40℃となって直ちに重合し、約1時間後
にはタック性のほとんどないゴム状重合体となり、それ
を後加熱せずに数時間以上経過したものは緩慢な吸水性
を示すものの可溶性の部分も存在するため、吸水性樹脂
として使用できなかった。
これに対し、ピロ亜硫酸カリウムの添加後1時間以内に
60℃以上に後加熱して脱水乾燥したものは可溶部分がな
く、水道水中で800〜1000倍の吸水性能を示し、吸水性
樹脂として好適に使用できた。
60℃以上に後加熱して脱水乾燥したものは可溶部分がな
く、水道水中で800〜1000倍の吸水性能を示し、吸水性
樹脂として好適に使用できた。
また、ピロ亜硫酸カリウム添加後の重合による粘度上昇
が生じる初期に加熱容器中に流しこむと数分後にはゴム
状となり、重合時の特別な発熱や突沸現象は全く観察さ
れなかった。このゴム状物を脱水乾燥したものは、水道
水中で1200倍以上、0.9%食塩水中で120倍以上の吸水性
能を示し、やはり吸水性樹脂として好適に使用できた。
が生じる初期に加熱容器中に流しこむと数分後にはゴム
状となり、重合時の特別な発熱や突沸現象は全く観察さ
れなかった。このゴム状物を脱水乾燥したものは、水道
水中で1200倍以上、0.9%食塩水中で120倍以上の吸水性
能を示し、やはり吸水性樹脂として好適に使用できた。
〈効果〉 以上のように、この発明の吸水性樹脂の製造方法によれ
ば、特殊な重合開始剤を使用することにより温和な条件
下に重合が進行し、温度制御が容易になるので、安全か
つ広い範囲で重合条件を設定できる。また、技術的、装
置的に容易かつ簡易であり、安全性および経済性にも優
れる。得られる吸水性樹脂も、その吸水性能に優れると
ともに、使用される含硫黄系還元剤および酸化剤の量を
適宜変更することにより、その性状および性能を変更で
き、所望の製品がえられ、その適用範囲を拡大すること
ができる。さらに、その製法においても、公知のものを
含め幅広い方法を利用でき、例えば、回転移動するベル
ト上に連続的にモノマー溶液を均一に流しこめば、フィ
ルムまたは板状物が得られるし、上下に回転する加熱板
や加熱した不活性気体または空気中に噴霧すれば粉末状
にすることができる。また、形状物や不織布等への塗布
含浸後の加熱や、ロールやスクリュー或いはミキサー中
での混練加熱、さらには溶媒の沸点を利用して脱水粉末
状にする逆相乳化重合法等、種々の製造方法を利用する
ことができるという利点を有する。
ば、特殊な重合開始剤を使用することにより温和な条件
下に重合が進行し、温度制御が容易になるので、安全か
つ広い範囲で重合条件を設定できる。また、技術的、装
置的に容易かつ簡易であり、安全性および経済性にも優
れる。得られる吸水性樹脂も、その吸水性能に優れると
ともに、使用される含硫黄系還元剤および酸化剤の量を
適宜変更することにより、その性状および性能を変更で
き、所望の製品がえられ、その適用範囲を拡大すること
ができる。さらに、その製法においても、公知のものを
含め幅広い方法を利用でき、例えば、回転移動するベル
ト上に連続的にモノマー溶液を均一に流しこめば、フィ
ルムまたは板状物が得られるし、上下に回転する加熱板
や加熱した不活性気体または空気中に噴霧すれば粉末状
にすることができる。また、形状物や不織布等への塗布
含浸後の加熱や、ロールやスクリュー或いはミキサー中
での混練加熱、さらには溶媒の沸点を利用して脱水粉末
状にする逆相乳化重合法等、種々の製造方法を利用する
ことができるという利点を有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−23811(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】1価陽イオンによる中和度が30%以上100
%未満のアクリル酸を、含硫黄系還元剤と酸化剤とから
なる重合開始剤を用いて重合し、さらに後加熱して、系
中に存在する酸化剤によって処理することを特徴とする
吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項2】含硫黄系還元剤が、亜硫酸塩、亜硫酸水素
塩、チオ硫酸塩または亜二チオン酸塩である上記特許請
求の範囲第1項記載の吸水性樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61082568A JPH0794501B2 (ja) | 1986-04-10 | 1986-04-10 | 吸水性樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61082568A JPH0794501B2 (ja) | 1986-04-10 | 1986-04-10 | 吸水性樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62240306A JPS62240306A (ja) | 1987-10-21 |
JPH0794501B2 true JPH0794501B2 (ja) | 1995-10-11 |
Family
ID=13778089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61082568A Expired - Lifetime JPH0794501B2 (ja) | 1986-04-10 | 1986-04-10 | 吸水性樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0794501B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5823811A (ja) * | 1981-08-04 | 1983-02-12 | Japan Exlan Co Ltd | 安定性良好な水溶性重合体の製造法 |
-
1986
- 1986-04-10 JP JP61082568A patent/JPH0794501B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62240306A (ja) | 1987-10-21 |
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