JPH0794481B2 - セルロースエーテルの製造法 - Google Patents

セルロースエーテルの製造法

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JPH0794481B2
JPH0794481B2 JP28074887A JP28074887A JPH0794481B2 JP H0794481 B2 JPH0794481 B2 JP H0794481B2 JP 28074887 A JP28074887 A JP 28074887A JP 28074887 A JP28074887 A JP 28074887A JP H0794481 B2 JPH0794481 B2 JP H0794481B2
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cellulose
alkali
cellulose ether
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reaction system
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昌宏 籠谷
勝美 相沢
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は置換基分布の均一なセルロースエーテルの製造
方法に関する。
(従来技術および問題点) セルロースエーテルは水溶性高分子として工業的に重要
な化合物であるが、特に置換基分布が均一なセルロース
エーテルは耐酵素性があり腐敗しにくいため、塗料をは
じめ種々の用途に用いられている。
従来このようなセルロースエーテルを得る方法として
は、この分野においてよく知られているように、先ず置
換度が1.0前後のセルロースエーテルを製造し、得られ
たセルロースエーテルを原料として再度低アルカリ濃度
下でエーテル化反応を行うか、又はエーテル化反応の途
中で酸を加えて反応系のアルカリ濃度を減少させ、エー
テル化剤を反応系に追添加して反応を続ける方法などが
知られている(例えば特公昭56-44081号公報)。しか
し、これらの方法は製造工程が長く煩雑であり、従って
このタイプのセルロースエーテルはコスト的に高価とな
らざるを得なかった。
本発明者らは均一な置換基分布を有するセルロースエー
テルを、より短い工程で効率良く製造する方法について
鋭意検討を加えた結果、本発明を完成するに至った。
(問題点を解決するための手段) すなわち本発明は、セルロースをアルカリで処理しアル
カリセルロースとした後、アルカリの存在下で該アルカ
リセルロースにエポキシ化合物を反応させてセルロース
エーテルを製造する方法において、反応系中のアルカリ
と反応してエポキシ化合物を発生する化合物を添加する
ことを特徴とするセルロースエーテルの製造法である。
本発明の原料セルロースは、木材パルプ、リンターなど
いずれも使用することができる。セルロースエーテルを
製造する方法としてニーダー法とスラリー法があり、い
ずれの方法にも本発明を適用できるが、好ましくはスラ
リー法で行なうのが望ましい。また、スラリー法におい
て使用する溶媒としては、通常用いられる各種の有機溶
媒〜水系を用いることができるが、とりわけt−ブタノ
ール、イソプロパノール等の低級脂肪族アルコール〜水
系溶媒が好ましい。溶媒の使用量は、使用するセルロー
スの重量の5倍から30倍の範囲で用いることができる。
本発明に使用するアルカリとしてはいわゆるアルカリセ
ルロースを生成するものであればよく、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属
の水酸化物が挙げられるが、通常水酸化ナトリウムが用
いられる。その使用量は使用するセルロースのグルコー
ス残基1モル当たり1.0から3.0モル当量、好ましくは1.
2から2.0モル当量の範囲で用いるのがよい。
アルセル化反応の後アルカリセルロースと反応させるエ
ポキシ化合物には、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド及びそ
の誘導体が挙げられる。反応させるエポキシ化合物の量
は、目的とするセルロースエーテルの置換度に依存する
が、使用するセルロースのグルコース残基あたり2.5か
ら5モル当量の範囲で使用することができる。
本発明においてエーテル化反応の途中で反応系に添加す
る化合物は、反応系中のアルカリと反応してエポキシ化
合物を発生する化合物であって、例えばエチレンオキシ
ドを発生する化合物として、2−クロルエタノール、エ
チレングリコールモノアセテート、エチレングリコール
ジアセテート、2−クロルエチル酢酸などの2−クロル
エチルアルコールの脂肪酸エステル類、さらには2−ク
ロルエチルアルコールのスルホン酸エステル類などが用
いられる。その使用量は使用したアルカリより多くては
いけないが、使用したアルカリ金属水酸化物の0.1から
0.9モル当量の範囲で使用することができる。また添加
する際に反応系の温度を下げなくてもよいが、一旦反応
系を冷却した後添加してもよい。
(発明の効果) 従来の方法では、エーテル化剤であるエチレンオキシド
等のエポキシ化合物の沸点が低いため、反応系中で高濃
度に維持することは困難であり、また反応系に追添加す
るためには、反応系の温度を下げなければならないた
め、置換度が2.0以上でかつ均一な置換基分布を有する
セルロースエーテルを得るためには繁雑な工程を必要と
した。
本発明の方法はセルロースをアルカリで処理してアルカ
リセルロースとした後エポキシ化合物を加えて反応系を
加熱してエーテル化反応を行うが、この反応の途中でア
ルカリと反応してエーテル化剤であるエポキシ化合物を
発生する化合物を添加し反応を継続することにより、エ
ーテル化反応の途中で系のアルカリ濃度を減少させ、か
つ、反応系の温度を下げることなく、エーテル化剤の系
中濃度を上げて反応速度を促進することができる極めて
有効な方法である。
本発明の方法によれば大幅に反応時間を短縮することが
でき、しかも置換基の分布の均一なセルロースエーテル
を経済的に有利に製造することができる。
(実施例) 以下に具体例を上げて本発明を説明するがそれら具体例
によって本発明が限定されるものではない。
実施例1 木材パルプ(水分6.0%)85.1gを水酸化ナトリウム25.7
gを含む89%t−ブタノール990g中に窒素気流下分散さ
せた。15℃で2時間攪拌したのちエチレンオキシド86.9
gを添加し55℃に加熱する。1時間反応させた後2−ク
ロルエタノール89.8gをゆっくり滴下する。55℃で2時
間、さらに70℃で1時間反応を行なった。反応系を冷却
後硝酸を加えて中性にした。ろ過したのち80%アセトン
800mlで2回洗浄し、さらに100%アセトンで洗浄した。
得られたヒドロキシエチルセルロースのモル置換度(M
S)は2.45、水分6%で収量は140gであった。B型粘度
計で2%水溶液粘度を測定したところ4020cpsであっ
た。また目視により透明度を測定したところ2%水溶液
で600mm以上であった。さらにこのヒドロキシエチルセ
ルロースを酸加水分解し、還元した後メチル化してガス
クロマトグラフィーで分析して置換基分布を調べたとこ
ろ、置換度1から6のグルコース残基は表のとおりであ
った。
比較例 実施例1において2−クロルエタノールを添加せずに反
応をおこなった。すなわち木材パルプ(水分6.0%)85.
1gを水酸化ナトリウム25.7gを含む89%t−ブタノール9
90g中に窒素気流下分散させた。15℃で2時間攪拌した
後エチレンオキシド89.3gを添加し55℃に加熱する。3
時間反応し、さらに70℃で1時間反応を行った。反応系
を冷却後硝酸を加えて中性にした。ろ過したのち80%ア
セトン800mlで2回洗浄し、さらに100%アセトンで洗浄
した。得られたヒドロキシエチルセルロースはMS2.13、
水分4.1%で収量131gであった。B型粘度計で2%水溶
液粘度を測定したところ3720cpsであった。また目視に
より透明度を測定したところ2%水溶液で515mmであっ
た。さらにこのヒドロキシエチルセルロースを酸加水分
解し、還元した後メチル化してガスクロマトグラフィー
で分析して置換基分布を調べたところ、置換度1から6
のグルコース残基は表のようであった。
実施例2 木材パルプ(水分6.0%)85.1gを水酸化ナトリウム25.7
gを含む89%t−ブタノール990g中に窒素気流下分散さ
せた。15℃で2時間攪拌した後、エチレンオキシド86.9
gを添加し55℃に加熱する。1時間反応させたのち2−
クロルエチルアセテート30.2gをゆっくり滴下する。55
℃で2時間、さらに70℃で1時間反応を行った。反応系
を冷却後硝酸を加えて中性にした。ろ過したのち80%ア
セトン800mlで2回洗浄し、さらに100%アセトンで洗浄
した。得られたヒドロキシエチルセルロースはMS2.50、
水分5.1%で収量は142gであった。B型粘度計で2%水
溶液粘度を測定したところ3920cpsであった。また目視
により透明度を測定したところ2%水溶液で620mm以上
であった。さらにこのヒドロキシエチルセルロースを酸
加水分解し、還元した後メチル化してガスクロマトグラ
フィーで分析して置換基分布を調べたところ、置換度1
から6のグルコース残基は表のようであった。
実施例3 木材パルプ(水分6.0%)85.1gを水酸化ナトリウム25.7
gを含む89%t−ブタノール中に窒素気流下分散させ
た。15℃で2時間攪拌した後、エチレンオキシド86.9g
を添加し55℃に加熱する。1時間反応させた後エチレン
グリコールジアセテート36.0gをゆっくりと加えた。55
℃で2時間、さらに70℃で1時間反応を行なった。反応
系を冷却後硝酸を加えて中性にした。ろ過したのち80%
アセトン800mlで2回洗浄し、さらに100%アセトンで洗
浄した。得られたヒドロキシエチルセルロースはMS2.
6、水分7.0%で収量147gであった。B型粘度計で2%水
溶液粘度を測定したところ3770cpsであった。また目視
により透明度を測定したところ2%水溶液で600mm以上
であった。さらにこのヒドロキシエチルセルロースを酸
加水分解し、還元したのちメチル化してガスクロマトグ
ラフィーで分析して置換基分布を調べたところ、置換度
1から6のグルコース残基は表のようであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースをアルカリで処理しアルカリセ
    ルロースとした後、アルカリの存在下で該アルカリセル
    ロースにエポキシ化合物を反応させてセルロースエーテ
    ルを製造する方法において、反応系中のアルカリと反応
    してエポキシ化合物を発生する化合物を添加することを
    特徴とするセルロースエーテルの製造法。
JP28074887A 1987-11-06 1987-11-06 セルロースエーテルの製造法 Expired - Lifetime JPH0794481B2 (ja)

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