JPH0794081B2 - 硬質炭素被覆部品 - Google Patents

硬質炭素被覆部品

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JPH0794081B2
JPH0794081B2 JP60194818A JP19481885A JPH0794081B2 JP H0794081 B2 JPH0794081 B2 JP H0794081B2 JP 60194818 A JP60194818 A JP 60194818A JP 19481885 A JP19481885 A JP 19481885A JP H0794081 B2 JPH0794081 B2 JP H0794081B2
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hard carbon
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明彦 池ケ谷
正明 飛岡
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は硬質炭素被覆部品に関し、詳しくは低圧の気相
からダイヤモンドを基材表面に析出されたダイヤモンド
被覆部品において、ダイヤモンド被覆膜と基材との接着
強度が改善された新規な硬質炭素被覆部品に関するもの
である。
〔従来の技術〕
ダイヤモンドは地上で最も硬度が高く、化学的にも極め
て不活性で、熱伝導率が高く、熱膨張係数も小さい等の
切削工具材料として理想的な特性を有することから、切
削工具として広く実用に供されている。従来の天然ダイ
ヤ工具には劈開性や格子欠陥を有するために靭性上の不
安があつたが、焼結ダイヤ工具はこの点を解決したもの
として、最近ではAl合金等に用いる切削工具における主
流を占めるまでに到つた。しかしながら焼結ダイヤ工具
は、その製造にあたり超高圧、高温を要するため製造コ
ストが非常に高くつくという欠点がある。
ところで近時、低圧の気相の炭化水素をプラズマ等を用
いて分解し、基材表面にダイヤモンド等の硬質炭素を析
出させて被覆する技術が開発されている。この方法に従
い工具を作成するならば、超高圧、高温を要せず、ダイ
ヤモンド工具を極めて安価に提供し得る可能性が有ると
考えられる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、実際に上記の方法で低圧・気相から各種
基材表面に硬質炭素を被覆してみたところ、切削工具と
して実用に耐えるものは殆んど得られなかつた。その理
由は、硬質炭素被覆膜と基材との接着強度が不足してお
り、このために切削初期に硬質炭素被覆膜が剥離してし
まうからである。
そこで硬質炭素被覆膜と基材との接着強度の向上を図る
ため、種々の検討がなされてきた。特に、硬質炭素被覆
膜と基材との間に各種の中間層を介在させることが検討
され、特にNb,Ta,Mo,W等の金属を中間層として用いれば
極めて有効との提案がなされている。この提案に従い、
本発明者らが実際に、基材である超硬合金と硬質炭素被
覆膜の中間にNbを1μm厚さに介在させた工具を作成
し、切削試験を行つてみたが、その効果は殆んど認めら
れなかつた。この事実は、硬質炭素及び超硬合金に比
べ、Nbが非常に軟質であることから、切削時にNbが塑性
変形してしまい、この変形に対し硬質炭素被覆膜が追随
できないため、結果的には、やはり剥離してしまつたも
のと考えられる。
以上のような現状に鑑みて、本発明は基材表面と硬質炭
素被覆膜の間の接着強度を向上せしめる中間層を有する
新規な硬質炭素被覆部品を提案せんとするもので、これ
により安価な低圧、気相からの硬質炭素被覆による工具
材料の製造実用化を可能とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は気相より硬質炭素薄膜を基材表面に析出させて
被覆した硬質炭素被覆部品において、該硬質炭素薄膜と
超硬合金基材との中間にW2Cを主成分とするWとCとの
化合物薄膜が厚さ0.1μm以上5μm以下存在すること
を特徴とする硬質炭素被覆部品であり、これにより硬質
炭素被覆膜の接着強度を改善し、実用しうる硬質炭素被
覆部品を低コストにて提供できるものである。
まず本発明に到つた経緯から説明する。
Nb,Ta,Mo,W等の金属を、基材と硬質炭素被膜の中間に介
在させると接着強度が向上するのは、これらの金属がい
ずれも炭化物生成金属であることから、硬質炭素と金属
の界面に炭素の拡散による金属炭化物層を形成するため
と考えられる。従つて、Wのかわりに十分な硬度を有す
るWCを用いてみても、接着強度の向上は殆んど認められ
なかつた。
本発明者らは、W2CがWCに比肩できる硬度を有し、かつ
硬質炭素膜をW2Cの上に被覆すると、硬質炭素とW2Cの界
面にはWCなる拡散中間層を形成するので、接着強度の向
上が期待し得るのではないかと考えついた。
この考え方に基き、実際に超硬合金基材表面に、化学蒸
着法にてW2Cを2μm厚さに被覆したのち、マイクロ波
プラズマCVD法にて硬質炭素を2μ厚さに被覆したもの
を試作し、切削試験を行つたところ、期待どおりに大き
な効果が得られた。
本発明において、中間層としては、W2Cを主成分とする
WとCとの化合物薄膜を用い、これはW2C単相のもの以
外に、例えばW2C+W,W2C+WC+W等の複相の物質であつ
ても、その効果に差はないことは言うまでもない。なお
そのときの該中間層に含まれるW2Cの体積比率は70%と
するのが好ましい。また、該中間層の厚さとしては0.1
μm以上5μ以下が好ましく、0.1μm以下では効果が
認められなかつた。また5μ以上では特に効果に差が認
められなかつた。
本発明において上記の中間層を基材表面に形成する方法
としては、例えばWF6,CH4,H2混合気流中にて、500〜100
0℃に加熱保持した基材表面にW2Cを析出被覆するいわゆ
る化学蒸着法(CVD法)が一般である。又、W2Cをターゲ
ツトとしたアルゴン+アセチレン雰囲気中でのスパツタ
リング法などによつても形成が可能である。
またW2Cを主とする、W2C,WC,Wの複相の中間層は上述のC
VD法やPVD法による形成方法には限定されるものではな
く、超硬合金焼結時に形成したり、ダイヤコーティング
時に基材の表相に形成されてもかまわない。
本発明において上記中間層に接して硬質炭素被覆を形成
するには、水素と炭化水素好ましくはメタン混合気流中
に、外部よりμ波(300MHz以上の高周波、一般には2.45
GHz)、RF(300MHz以下の高周波、一般には13.56MHz、2
7.12MHz)電界を加え、該混合気流をプラズマ化せしめ5
00℃〜1200℃に加熱した基材表面上に硬質炭素を被覆す
るプラズマCVD法が一般である。又、メタン+アルゴン
混合ガスをイオン源にてイオン化したのち、炭素イオン
を高電圧(1KV以上)をもちいて、高真空中(1Pa以下)
にイオンビームとしてひき出し、高真空容器中に保持し
た基板にこのイオンビームを照射することによつて基板
上に硬質炭素を被覆するイオンビーム蒸着法(IBD法)
なども良く知られている。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を具体的に説明し、その効果を
示す。
実施例1 市販の超硬合金基材〔住友電気工業(株)製、材質H1、
型番SEGN421〕を、CVD反応装置内に保持して、温度650
℃に加熱し、WF6,CH4,H2混合気流を40Torrにて2時間流
した後、この試料を取り出し調べたところ、その表面に
W2Cが約2μm被覆されていた。この試料をマイクロ波
プラズマCVD装置内に保持して、H2とCH4の混合気流を40
Torrにて2時間流した。得られた試料について、X−線
回析装置にて調べたところ、その表面にダイヤモンドが
固定されていることが確認できた。以上で得られた試料
をA(本発明品)とし、W2Cの中間層を形成させない外
はAと同様にしてダイヤモンド層のみを2μm厚形成し
たものをB(比較品)、W2CのかわりにWを中間層とし
た外はAと同様にしたものをC(比較品)とし、試料
A、B、Cにつき以下の条件にて切削試験を行つた。
試験条件:被削材 AC4C 切削速度 1000m/min 送 り 0.10mm/rev 切り込み 0.5 mm その結果、Aは100分間切削してフランク摩耗が0.08mm
であつたのに比べ、BとCは10分間切削してフランク摩
耗がそれぞれ0.12mm、0.14mmであつた。
実施例2 市販の超硬合金基材〔住友電気工業(株)製、材質H1、
型番SDGN422)について、DCバイアスRFマグネトロンス
パツタ装置を用い、WをターゲツトとしC2H2雰囲気中に
て、被覆を行つた。該試料を取り出して調べたところ、
基材表面にWとW2Cの混合物が1μm厚さに被覆されて
いた。この試料をイオンビーム蒸着装置中に保持し、C
のイオンビームを照射して硬質炭素(アモルフアス状
態)を1μm厚さに被覆した。以上により得られた試料
D(本発明品)と、比較のために未被覆の基材のみの試
料E(比較品)及び焼結ダイヤ工具を試料F(比較品)
について、以下の条件で切削試験を行つた。
試験条件:被削材 AC4C100m×100mm角 切削速度 800m/min 送 り 0.05mm/t 切り込み 0.5 mm カツター APG4080R 本発明の試料Dは100分間切削してフランク摩耗が0.08m
mであつたが、試料Eと試料Dは100分間切削してフラン
ク摩耗がそれぞれ0.22mmと0.04mmであつた。本発明品は
焼結ダイヤ工具に近い強度を有していることが判明し
た。
〔発明の効果〕
以上の説明および実施例から明らかなように本発明の硬
質炭素被覆部品は基材表面と硬質炭素被覆膜を中間層に
より強固に接着したもので、高価な焼結ダイヤ工具に近
い強度の工具を、より安価な低圧・気相からの硬質炭素
被覆により製造することを実現できるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相より硬質炭素薄膜を基材表面に析出さ
    せて被覆した硬質炭素被覆部品において、該硬質炭素薄
    膜と超硬合金基材との中間にW2Cを主成分とするWとC
    との化合物薄膜が厚さ0.1μm以上5μm以下存在する
    ことを特徴とする硬質炭素被覆部品。
JP60194818A 1985-09-05 1985-09-05 硬質炭素被覆部品 Expired - Fee Related JPH0794081B2 (ja)

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