JPH0615715B2 - ダイヤモンド類薄膜の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド類薄膜の製造方法

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JPH0615715B2 JP28021488A JP28021488A JPH0615715B2 JP H0615715 B2 JPH0615715 B2 JP H0615715B2 JP 28021488 A JP28021488 A JP 28021488A JP 28021488 A JP28021488 A JP 28021488A JP H0615715 B2 JPH0615715 B2 JP H0615715B2
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成幸 林
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はダイヤモンド類薄膜の製造方法に関し、さら
に詳しく言うと、基材との密着性に優れるとともに、歪
が少なくて、たとえば切削工具類、耐摩耗性機械部品、
電子材料などに好適に利用することのできるダイヤモン
ド膜および/またはダイヤモンド状炭素膜を、効率良く
簡便に得ることのできるダイヤモンド類薄膜の製造方法
に関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課題] ダイヤモンド膜および/またはダイヤモンド状炭素膜は
硬度、耐摩耗性、電気絶縁性、熱伝導性および固体潤滑
性などに優れていることから、たとえば切削工具類、電
子材料などの各種分野において、基材の表面に薄膜を形
成することにより利用されつつある。
ところで、ダイヤモンドおよび/またはダイヤモンド状
炭素(以下、この両者をダイヤモンド類と総称すること
がある。)は共有結合結晶で他の物質とは殆ど反応しな
いので、基材上にダイヤモンド類の膜を形成すると、基
材とダイヤモンド類の膜との密着性が充分でないという
問題が生じる。
そこで、基材とダイヤモンド類の膜との密着性の向上を
図ることを目的として種々の提案がなされている。
たとえば、特開昭62−196371号公報においては、基材と
ダイヤモンド膜との間に、基材に比較してダイヤモンド
膜との密着性に優れた非晶質ダイヤモンド状構造の中間
層を設けてなるダイヤモンド被覆部材が提案されてい
る。
しかしながら、このダイヤモンド被覆部材においては、
基材とダイヤモンド膜との間に新たに中間層を設ける必
要があるので、製造公邸が繁雑であるという問題があ
る。また、中間層が非晶質ダイヤモンド状構造の層から
なるので、この中間層に割れやクラックが発生し易く
て、結果的に基材とダイヤモンド膜との密着性は必ずし
も実用的なレベルに達しているとは言い難い。しかも、
中間層に割れやクラックが発生すると、被覆ダイヤモン
ド層自体にもクラックが発生して実用に耐えられないこ
とがある。
一方、前記公報においては、中間層を非晶質ダイヤモン
ド状構造の層と、この層に隣接すると共に、周期律表IV
a,Va,VIa族の金属又はSiの炭化物、窒化物、酸
化物、ホウ化物もしくはAlの窒化物、ホウ化物、酸化
物及びこれらの相互固溶体の中の少なくとも1種である
単層あるいは2種以上でなる多層からなる密着補助層と
で構成するダイヤモンド被覆部材も提案されている。
しかしながら、このダイヤモンド被覆部材においては、
中間層を構成する密着補助層の形成にダイヤモンド膜製
造原料以外の原料を使用しなければならないとともに、
ダイヤモンド膜の製膜条件とは大巾に異なる条件を設定
しなければならないので、製造工程がさらに繁雑になる
という問題がある。
さらに、超硬合金製の工具などの基材上にダイヤモンド
膜を形成する場合には、超硬合金中に含まれるコバルト
への炭素の拡散係数が大きくて、しかも侵入型炭化物が
生成するので、コバルトの金属格子が歪むことが知られ
ている。このため、従来の方法においては、特に結晶性
ダイヤモンド膜を形成する場合の基材の温度が高く、原
料ガス中の炭素がコバルトに拡散し易いことから、コバ
ルトの金属格子に歪みを生じ易くて、基材とダイヤモン
ド膜との密着性に悪影響を及ぼしている可能性が高い。
この発明は、前記の事情に基いてなされたものでであ
る。
この発明の目的は、残留歪が少なくて基材との密着性に
優れるダイヤモンド膜および/またはダイヤモンド状炭
素膜を効率よく簡便に得ることのできるダイヤモンド類
薄膜の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために本発明者が鋭意検討を重ねた
結果、基材温度を上昇させる特定の方法によると、残留
歪が少なくて、結果として基材との密着性に優れるとと
もに、均質で安定なダイヤモンド膜および/またはダイ
ヤモンド状炭素膜を効率よく簡便に得ることができるこ
とを見い出して、この発明に到達した。
請求項1の発明の構成は、炭素源ガスを含有する原料ガ
スを励起して得られるガスを、基材温度を上昇させなが
ら基材に接触させて、前記基材上にダイヤモンド膜およ
び/またはダイヤモンド状炭素膜を形成することを特徴
とするダイヤモンド類薄膜の製造方法であり、 請求項2の発明の構成は、基材温度の上昇を段階的に行
なう請求項1に記載のダイヤモンド類薄膜の製造方法で
ある。
この発明において使用に供される前記基材の材質には特
に制限がなく、たとえばシリコン、アルミニウム、チタ
ン、タングステン、モリブデン、コバルト、クロムなど
の金属、これらの酸化物、窒化物および炭化物、これら
の合金、WC−Co系、WC−TiC −Co系、WC−TiC −TaC −
Co系なの超硬合金、Al2O- Fe系、TiC -Ni 系、TiC-Co
系、TiC-TiN 系、B4C-Fe系等のサーメット、さらには各
種ガラスやセラミックスなどの中から選ばれた任意のも
のを用いることができる。
また、この基材の形状についても特に制限はなく、たと
えば板状、線状、パイプ状等、さらにドリル、チップ等
の工具の形状などの任意の形状のものを用いることがで
きる。
特に、前記基材が超硬合金からなる工具類であると、こ
の発明の方法により得られるダイヤモンド膜および/ま
たはダイヤモンド状炭素膜を形成してなる基材を、その
まま工具類として用いることが可能である。
そのような工具類としては、たとえばソリッドドリル、
ミクロンドリル等の穴あけ工具;一般施削用、カッター
用等のチップ;エンドミル;バイトなどの各種切削工具
を好適例として挙げることができる。
この発明の方法においては、前記基材の温度を上昇させ
ながら、炭素源ガスを含有する原料ガスを励起して得ら
れるガスを前記基材に接触させて、前記基材上にダイヤ
モンド膜を形成する。
使用に供される前記原料ガスは、少なくとも炭素源ガス
を含有するものであればよく、具体例としては、たとえ
ば炭素源ガスと水素ガスとの混合ガスを挙げることがで
きる。
また、所望により、前記原料ガスとともに、不活性ガス
等のキャリヤーガスを用いることもできる。
前記炭素源ガスとしては、各種炭化水素、含酸素化合
物、含窒素化合物等のガスを使用することができる。
炭化水素化合物としては、例えばメタン、エタン、プロ
パン、ブタン等のパラフィン系炭化水素;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン等のオレフィン系炭化水素;アセチ
レン、アリレン等のアセチレン系炭化水素;ブタジエン
等のジオレフィン系炭化水素;シクロプロパン、シクロ
ブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭
化水素;シクロブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ナフタレン等の芳香族炭化水素を挙げることがで
きる。
含酸素化合物としては、例えばアセトン、ジエチルケト
ン、ベンゾフェノン等のケトン類;メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;メ
チルエーテル、エチルエーテル、メチルエチルエーテ
ル、メチルプロピルエーテル、フェノールエーテル、ジ
オキサン等のエーテル類;ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;酢酸、
プロピオン酸、コハク酸等の有機酸類;酢酸メチル、酢
酸エチル等の酸エステル類;エチレングリコール、ジエ
チレングリコール等の二価アルコール類;一酸化炭素、
二酸化炭素等を挙げることができる。
含窒素化合物としては、例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミンなどのアミン類等を挙げることができる。
また、炭素源として、単体ではないが、消防法に規定さ
れる第4類危険物;ガソリンなどの第1石油類、ケロシ
ン、テレピン油、しょう脳油、松根油などの第2石油
類、重油などの第3石油類、ギヤー油、シリンダー油な
どの第4石油類などをも使用することができる。また前
記各種の炭素化合物を混合して使用することもできる。
これらの炭素源の中でも、常温で気体または蒸気圧の高
いメタン、エタン、プロパン等のパラフィン系炭化水
素、アセトン、ベンゾフェノン等のケトン類、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、一酸化炭素、二酸化
炭素ガス等の含酸素化合物が好ましい。
前記水素ガスには、特に制限がなく、たとえば石油類の
ガス化、天然ガス、水性ガスなどの変成、水の電解、鉄
と水蒸気との反応、石炭の完全ガス化などにより得られ
るものを充分に精製したものを用いることができる。
前記水素ガスを構成する水素は励起されることにより原
子状水素を形成する。
この原子状水素は、ダイヤモンド類の析出と同時に析出
する黒鉛構造の炭素等の非ダイヤモンド類を除去する作
用を有する。
前記原料ガスに炭素源ガスと水素ガスとの混合ガスを使
用する場合の炭素源ガスと水素ガスとの混合比は、通
常、前記炭素源ガスと前記水素との合計流量に対して前
記炭素源ガスの流量が 0.1〜90モル%、好ましくは 0.2
〜80モル%、さらに好ましくは0.2 〜60モル%である。
混合ガス中の炭素源ガスの流量が 0.1モル%よりも少な
いとダイヤモンド類が析出しなかったり、ダイヤモンド
類がたとえ析出してもその堆積速度が著しく小さくなっ
たりすることがある。
前記原料ガスを励起する手段には、特に制限はなく、た
とえば直流放電法、直流または交流アーク放電法、高周
波プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、電
子サイクロトロン共鳴(ECR)−プラズマCVD法、
有磁場マイクロ波プラズマCVD法、プラズマ分解をイ
オン室またはイオン銃で行なわせて電界によりイオンを
引き出すイオンビーム法、熱フィラメントによる加熱に
より熱分解する熱分解法(EACVD法を含む。)ある
いはこれらの組合せ法などのいずれをも採用することが
できる。
この発明の方法における反応は、炭素源ガスを含有する
原料ガスを励起して得られるガスを、基材に接触させる
ことにより、前記基材上にダイヤモンド膜および/また
はダイヤモンド状炭素膜を形成する反応が進行する初期
段階と、この初期段階における基材温度を上昇させた
後、前記のガスをさらに基材に接触させることにより、
ダイヤモンド膜および/またはダイヤモンド状炭素膜を
形成する反応が初期段階に引き続いて進行する高温段階
とに分けることができる。ここで、基材温度の上昇は、
連続的に行なってもよいし、段階的に行なってもよい。
そして、基材温度の上昇を段階的に行なう場合に前記の
高温段階は一段階のみ設定してもよいし、二段階以上設
定してもよい。この発明の方法においては、通常、高温
段階を一段階のみ設定すれば充分である。
ダイヤモンド類薄膜の製造条件は、基材上に形成される
ダイヤモンド類の種類によって適宜に決定される。たと
えば基材温度は室温から1500℃までの巾広い範囲で変更
可能である。以下に、主として結晶性の高いダイヤモン
ド膜を製造するための条件について詳述する。
先ず、前記初期段階における基材温度は、通常、300 ℃
以上であり、好ましくは500 ℃〜850 ℃である。
この温度が300 ℃より低いと、ダイヤモンドの析出速度
が遅くなったり、非ダイヤモンド類を多量に含んだ膜が
形成されることがある。
前記高温段階における基材温度は、通常、700 ℃以上で
あり、好ましくは800 ℃以上である。
この発明において、基材温度を段階的に上昇させる場合
には、前記初期段階における基材温度と前記高温段階に
おける基材温度との温度差を50℃以上に設定することが
好ましい。
このような温度制御は、たとえば基材の加熱、基材の冷
却、基材の設置位置、基材の設置位置の移動、外部から
のプラズマの導入条件等を変更することにより容易に達
成することができる。
前記初期段階および前記高温段階における反応圧力は、
通常、10-6torr〜10torr、好ましくは10-5torr〜760
torrである。反応圧力が10-6torrよりも低い場合には、
ダイヤモンドの析出速度が遅くなったり、ダイヤモンド
が析出しなくなかったりすることがある。
一方、10torrより高くしてもそれに見合った効果は奏
されないことがある。
前記初期段階および前記高温段階における反応時の前記
原料ガスの合計流量は、通常、1〜1,000SCCM 、好まし
くは10〜200 SCCMである。
前記初期段階の反応時間および前記高温段階の反応時間
は、反応ガス種、基材温度、反応圧力、必要とする膜厚
などにより相違するので一概に決定することはできな
い。また、前記初期段階における膜厚は、通常、0.1 〜
20μm、最終的な膜厚は、通常0.2 〜1000 μmであ
る。
なお、この発明の方法において、前記初期段階に使用す
る原料ガスの組成と前記高温段階に使用する原料ガスの
組成とは、同一であってもよいし、異なっていてもよ
い。また、前記初期段階に使用する反応装置と前記高温
段階に使用する反応装置とは、同一であってもよいし、
異なっていてもよい。ただし、前記高温段階において
は、膜形成速度の早い原料ガス、反応装置を用いること
が好ましい。
いずれにせよ、この発明の方法によると、ダイヤモンド
膜および/またはダイヤモンド状炭素膜の形成に必要な
原料以外の原料を使用する必要がなくて、簡便に効率良
くダイヤモンド膜および/またはダイヤモンド状炭素膜
を製造することができる。
この発明の方法により製造されるダイヤモンド膜および
/またはダイヤモンド状炭素膜は、実質的には厚み方向
で均一な構造を有していて基材との密着性に極めて優れ
たものであるとともに、歪の少ないものであり、たとえ
ば切削工具類、耐摩耗性機械部品、電子材料などに好適
に利用することができる。
[実施例] 次に、この発明の実施例および比較例を示し、この発明
についてさらに具体的に説明する。
(実施例1) WC−5%Co組成を持つ切削用チップからなる基材を
反応室内に設置して、この反応室内にメタンガスと水素
ガスとをメタンガス0.5 %、水素ガス99.5%の割合で含
有する原料ガスを流量 100 sccm の割合で導入し、反応
室内の圧力40torr、基材温度750 ℃の条件下に、周波数
2.45GHz のマイクロ波電源の出力を 200Wに設定した。
なお、基材は洗浄剤[日化精工(株)製;「ランゲル
E」]の10倍稀釈液(液温50℃)および純水を60秒間に
1回の割合で順次に用いて、各々3回ずつの洗浄を行な
ってから使用した。
そして、前記条件のマイクロ波プラズマCVD法による
ダイヤモンド薄膜の合成を2時間行なった。
その後、反応室内の脱気を行なってから、この反応室内
に一酸化炭素ガスと水素ガスとを、一酸化炭素ガス7
%、水素ガス93%の割合で含有する原料ガスを流量 100
sccm の割合で導入し、反応室内の圧力40torr、基材温
度900 ℃、周波数2.45GHz のマイクロ波電源の出力を 4
00Wに設定した。
そして、前記条件のマイクロ波プラズマCVD法による
ダイヤモンド薄膜の合成を2時間行って、前記の温度に
制御した基材上にダイヤモンド薄膜(膜厚2.2 μmを有
する薄膜付きサンプルを得た。
反応終了後、サンプルを反応室から取り出して、サンプ
ルの薄膜について、ラマン分光分析を行なったところ、
1333cm-1付近にダイヤモンドに起因するシャープなピー
クが確認された。
また、基材と薄膜との密着性を引っ張り試験を行なって
評価した。
結果を第1表に示す。
(実施例2) WC−6%Co組成を持つ切削用チップからなる基材を
反応室内に設置して、この反応室内に、一酸化炭素ガス
と水素ガスとを、一酸化炭素ガス5%、水素ガス95%の
割合で含有する原料ガスを流量100 sccmの割合で導入
し、反応室内の圧力1torr、基材温度650 ℃の条件下
に、周波数2.45GHz のマイクロ波電源の出力を1200Wに
設定するとともに、反応室内に 2.2キロガウスの磁場を
印加した。
なお、基材は洗浄剤[日化精工(株)製;「ランゲル
E」]の10倍稀釈液(液温50℃)および純水を60秒間に
1回の割合で順次に用いて、各々3回ずつの洗浄を行な
ってから使用した。
そして、前記条件の有磁場マイクロ波プラズマCVD法
によるダイヤモンド薄膜の合成を6時間行なった。
その後、前記実施例1と同様に実施して、基材上にダイ
ヤモンド膜(膜厚2.3 μm)を有する薄膜付きサンプル
を得た。
反応終了後、サンプルを反応室から取り出して、サンプ
ルの薄膜について、ラマン分光分析を行なったところ、
1333cm-1付近にダイヤモンドに起因するシャープなピー
クが確認された。
また、基材と薄膜との密着性を引っ張り試験を行なって
評価した。
結果を第1表に示す。
(比較例1) WC−5%Co組成を持つ切削用チップからなる基材を
反応室内に設置して、この反応室内に、一酸化炭素ガス
と水素ガスとを、一酸化炭素ガス7%、水素ガス93%の
割合で含有する原料ガスを流量 100 sccm の割合で導入
し、反応室内の圧力40torr、基材温度900 ℃の条件下
に、周波数2.45GHz のマイクロ波電源の出力を 400Wに
設定した。
なお、基材は洗浄剤[日化精工(株)製;「ランゲル
E」]の10倍稀釈液(液温50℃)および純水を60秒間に
1回の割合で順次に用いて、各々3回ずつの洗浄を行な
ってから使用した。
そして、前記条件のマイクロ波プラズマCVD法による
ダイヤモンド薄膜の合成を2時間行って、前記の温度に
制御した基材上にダイヤモンド薄膜を有する薄膜付きサ
ンプルを得た。
反応終了後、サンプルを反応室から取り出して、サンプ
ルの薄膜について、ラマン分光分析を行なったところ、
1333cm-1付近にダイヤモンドに起因するシャープなピー
クが確認された。
また、基材と薄膜との密着性を引っ張り試験を行なって
評価した。
結果を第1表に示す。
(評価) 第1表から明らかなように、この発明の方法によると、
基材との密着性に優れるダイヤモンド膜および/または
ダイヤモンド状炭素膜が得られることを確認した。
[発明の効果] この発明によると、 (1) 基材温度を上昇させて製膜反応を異なった基材温
度で進行させるので、残留歪が減少して基材とダイヤモ
ンド膜および/またはダイヤモンド状膜との密着性が格
段に向上するとともに、 (2) ダイヤモンド膜および/またはダイヤモンド状膜
の形成原料以外の原料が不要であって、装置の複雑化や
操作の繁雑化を招くことがないので、簡便に効率良く、
均質で安定なダイヤモンド膜および/またはダイヤモン
ド状炭素膜を製造することができる、 等の利点を有する工業的に有用なダイヤモンド類薄膜の
製造方法を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素源ガスを含有する原料ガスを励起して
    得られるガスを、基材温度を上昇させながら基材に接触
    させて、前記基材上にダイヤモンド膜および/またはダ
    イヤモンド状炭素膜を形成することを特徴とするダイヤ
    モンド類薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】基材温度の上昇を段階的に行なう請求項1
    に記載のダイヤモンド類薄膜の製造方法。
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