JPH02250967A - ダイヤモンド類被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド類被覆部材およびその製造方法

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JPH02250967A
JPH02250967A JP7142789A JP7142789A JPH02250967A JP H02250967 A JPH02250967 A JP H02250967A JP 7142789 A JP7142789 A JP 7142789A JP 7142789 A JP7142789 A JP 7142789A JP H02250967 A JPH02250967 A JP H02250967A
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JP
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diamond
thin film
ion
coating film
ion implantation
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JP7142789A
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English (en)
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Satoshi Katsumata
聡 勝又
Nariyuki Hayashi
林 成幸
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はダイヤモンド類被覆部材およびその製造方法に
関し、さらに詳しく言うと、薄膜被形成部材との密着性
に優れて膜剥離の生じにくいダイヤモンドおよび/また
はダイヤモンド状炭素(これらを、ダイヤモンド類と総
称することかある。)からなる被WI膜を備えるダイヤ
モンド類被覆部材と、このダイヤモンド頬被積部材を良
好な再現性の下に容易に、しかも効率良く得ることので
きるダイヤモンド類被覆部材の製造方法とに関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課Illタイ
ヤモントおよび/またはダイヤそンド状度素の薄膜は、
硬度、耐摩耗性、電気絶縁性、熱伝導性、赤外線透過性
および固体潤滑性などに優れていることから、たとえば
切削工具類、研磨材、耐摩耗性機械部品、光学部品等の
各種部材のハートコート材や電気・電子材料などに利用
されつつある。
ところで、このダイヤモンド類の薄膜で被覆してなるダ
イヤモンド類被覆部材が所期の性能を発揮するためには
、薄膜被形成部材と薄膜との密着性が優れていなければ
ならないのであるが、たとえば、薄膜被形成部材がSi
系材料である場合には、プラズマCVD法により薄膜被
形成部材との密着性が良好な薄膜が得られるものの、た
とえばW C−Co系等の超硬合金からなる薄膜被形成
部材上には薄膜被形成部材との密着性が良好な薄膜を得
るまでには至っていない。
そこて、ダイヤモンド類の薄膜と薄膜被形成部材との密
着性を向上させることを目的として従来より種々の提案
がなされている。
具体的には、基体とダイヤモンド層との間に、金属、金
属炭化物、金属窒化物等の中間層を介在させてなる被8
1部材が種々提案されているが(特公昭62−1030
0号公報、特開昭63−15347号公報等参照)、い
ずれも中間層とダイヤモンド層との密着性に未だ改善の
余地があり、ダイヤモンド層の剥離を防止することは困
難である。
また、特開昭58−153774号公報においては、気
相法により基体表面をダイヤモンドて被覆するのと同時
に基体表面にイオン注入を行なう硬質被覆母材の製造法
が開示されており、また、特開昭59−93:14a号
公報においては、基材にダイヤモンド類の被膜をイオン
ビーム蒸着法により施すと同時にイオン注入を行なうこ
とからなる被膜の厚みが0.5μm以上2◎#Lm以下
であり、かつ基材と被膜との接合面のll12当り1,
000箇所以上1,000゜000箇所以下の局部にお
いて被膜が基材に楔状に突出しており、その突出深さが
0.05μm以上1μm以下であるダイヤモンド類被膜
を被覆した基材の製造法が開示されている。
しかしながら、これらの方法においては、いずれもイオ
ン注入とダイヤモンド類被膜による被覆とを同時に行な
うので、イオン注入の最適条件とダイヤモンド類膜を形
成するための最適条件とが一致し難いことから、条件の
選定が困難であるという問題がある。また、特に後者の
方法においてダイヤモンド類被膜と基材との界面の状態
を規定しているのは、単に物理的形状による密着性の向
上を目的にしているに過ぎず、このような物理的形状を
再現性良く得るための製造条件の選定は一層困難である
したがって、薄膜被形成部材とダイヤモンド類被膜との
密着性に優れてダイヤモンド類被膜の剥離のないダイヤ
モンド類被覆部材、およびこのようなダイヤモンド類被
覆部材を良好な再現性の下に容易に得ることのできる製
造方法が望まれている。
本発明は前記の事情に基しごてなされたものである。
本発明の目的は、薄膜被形成部材とダイヤモンド類被膜
との密着性に優れてダイヤモンド類被膜の剥離のないダ
イヤモンド類被覆部材と、このダイヤモンド類被覆部材
を良好な再現性の下に容易に、しかも効率良く得ること
のできるダイヤモンド類被覆部材の装造方法とを提供す
ることにある。
【!!題を解決するための手段] 前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を重ね
た結果、薄膜被形成部材上に特定のイオン注入層を介し
てダイヤモンド類からなる被覆膜を備えるダイヤモンド
類被覆部材は、薄膜被形成部材とダイヤモンド類被膜と
の密着性に優れてダイヤモンド類被膜の剥離がないこと
、および特定の製造方法によると、このような特長を有
するダイヤモンド類被覆部材を良好な再現性の下に容易
に、しかも効率良く得ることができること、を見い出し
て本発明に到達した。
請求項1の発明の構成は、薄膜被形成部材上に2周期表
第4a族、第5a族および第6a族のいずれかに属する
金属元素ならびにケイ素よりなる群から選ばれた元素の
イオンを注入してなるイオン注入層を介してダイヤモン
ドおよび/またはダイヤモンド状炭素からなる被覆膜を
備えることを特徴とするダイヤモンド類被覆部材であり
、請求項2の発明の構成は、前記イオン注入層の厚みが
0.旧〜1.OILmであるとともに、イオン注入量が
IQIOイオン/ c m ”以上である請求項1記載
のダイヤモンド類被覆部材てあり。
請求項3の発明の構成は、薄膜被形成部材の表面に、周
期表第43族、第5a族および第6a族のいずれかに属
する金属元素ならびにケイ素よりなる群から選ばれた元
素のイオンを注入した後。
前記薄膜被形成部材の表面に、気相法によりダイヤモン
ドおよび/またはダイヤモンド状炭素からなる被覆膜を
形成することを特徴とするダイヤモンド類被涜部材の製
造方法である。
請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド類被覆部
材は、たとえば第1図に示すように、薄膜被形成部材l
上にイオン注入層2とダイヤモンドおよび/またはダイ
ヤモンド状炭素からなる被覆膜3を備えるものである。
ン ー蒔膜被形成部材− 前記is被形成部材の形成材料は、気相法により特にダ
イヤモンドを析出させる場合には、耐熱性に富むもの、
特に融点が600℃以上であるものが好ましい、また、
ダイヤモンド状炭素を析出させる場合には、特に形成材
料の耐熱性は問題にならない、形成材料としては、たと
えばWC系、TiC系、lIC−Co系1wC−τ1C
−Co系、1C−τiC−TaC−Co系等の超硬合金
などの非Si系材料:炭化ケイ素(5iC)、窒化ケイ
素(SiJ4) 、酸窒化ケイ素(SitONm)等の
セラミックスなどのSi系材料を挙げることができる。
さらに、前記非Si系材料としては、たとえば、鉄、銅
、コバルト、クロム、マンガン、モリブデン、ニオブ、
ニッケル、パラジウム、白金、バナジウム、タングステ
ン、イツトリウム、ジルコニウム等の金属;およびこれ
らの酸化物、窒化物および炭化物、これらの合金; ^
jlto3−Fe系、 TiC−旧糸、 TiC−Co
系、TiC−TiN系、84C−Fe系等のサーメット
;コーディエライト(2舗gO・2Aj1mis ・5
SiOt ) 、リチウム・アルミノケイ酸塩、チタン
酸アルミニウム(^l30−・Ties) 、リン酸ジ
ルプニル(2ZrO愈”Pt0s)、NaZrt(PO
<)3型化合物、サイアロン(Si、−t^l。
0、Na−−)等のセラミックスなどを挙げることもて
きる。
前記薄膜被形ti、fi材の形状については、特に制限
はなく、たとえば板状、棒状、錐状、チウプ状(三角、
四角等)、ドリル等の特殊形状などの任意の形状のもの
を用いることが可能である。
−イオン注入層− 前記薄膜被形成部材上に形成する前記イオン注入層は1
周期表第4a族、第5a族および第6a族に属する金属
元素ならびにケイ素よりなる群から選ばれた元素のイオ
ンを、公知のイオン注入法により注入してな°す、前記
薄膜被形成部材へのアンカー効果および炭化物形成反応
を利用して前記薄膜被形成部材とダイヤモンド類からな
る被覆膜との密着性を向上させる層である。
具体的には、前記元素として、Ti、Zr、Hf、V、
Nb、Ta1.Cr、Mo、WおよびStを挙げること
ができる。
これらの中でも、好ましいのは炭化物を形成すル元素、
すなわち、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、Wおよ
びSiであり、特に好ましいのはW、Siである。
前記イオン注入法における加速エネルギーは、両温薄膜
被形成部材の形成材料の組成により異なるので一様に規
定することはできないが1通常は前記元素のイオンを前
記薄膜被形成部材に深さO0旧〜1.0μm、好ましく
は0.02〜0.3 #Lm程度に侵入させることので
きる大きさであればよく。
通常、5keV〜3鋪eV 、好ましくは数10keV
 〜数100keV程度である。
また、イオン注入量は、通常(1010イオン/cm”
以上、好ましくはIQI(1〜lO聾Oイオン/cm”
、さらに好ましくは1QIli、IQI?イオン/、、
cm”である。
このイオン注入量がtotoイオン/cm”未満である
と、前述のアンカー効果および炭化物形成が充分に達せ
られないことがあり、前記薄膜被形成部材とダイヤモン
ド類からなる被覆膜との密着性が充分ではないことがあ
る。
前記イオン注入層の厚みは、通常、 0.01〜1.0
#Lm、好ましくは0.旧〜0.3μm程度である。
この厚みが0.01 JLm未満であると、イオン注入
層が奏するべき前述のアンカー効果が充分ではないこと
がある。一方、1.0 #Lmを超えても、それに相当
する効果の向上は見られないことがある。
−被覆膜− 本発明のダイヤモンド類被覆部材は、前記薄膜被形11
1.m材上に前記イオン注入層を介して、ダイヤモンド
および/またはダイヤモンド状炭素からなる被覆膜を有
する。
前記被覆膜は、たとえば気相法を採用して形成すること
ができる。
具体的には、炭素源ガスを含有する原料ガスを励起して
得られるガスを、前記イオン注入層を備える前記薄膜被
形成部材に反応室内て接触させることにより、前記イオ
ン注入層上に曲記被rIJ膜を得ることかできる。
前記原料ガスは、少なくとも炭素源ガスを含有するもの
であればよいが、少なくとも炭素原子と水素原子とを含
むガスが好ましく、炭素原子と水素原子と酸素原子とを
含むガスは特に好ましい。
具体的には、前記原料ガスとして、たとえば炭素源ガス
と水素ガスとの混合ガスを挙げることかできる。
また、所望により、@記原料ガスとともに、不活性ガス
等のキャリヤーガスを用いることもてきる。
前記炭素源ガスとしては、各種炭化水素、含ハロゲン化
合物、含酸素化合物、含窒素化合物等のガスを使用する
ことができる。
炭化水素化合物としては1例えばメタン、エタン、プロ
パン、ブタン等のパラフィン系炭化水素:エチレン、プ
ロピレン、ブチレン等のオレフィン系炭化水素:アセチ
レン、アリレン等のアセチレン系炭化水素;ブタジェン
等のジオレフィン系炭化水素;シクロプロパン、シクロ
ブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭
化水素;シクロブタジェン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ナフタレン等の芳香族炭化水素;塩化メチル、臭
化メチル、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素などを挙げることができる。
含ハロゲン化合物としては、たとえば、ハロゲン化メタ
ン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン等の含ハロ
ゲン化炭化水素等を挙げることができる。
含酸素化合物としては1例えばアセトン、ジエチルケト
ン、ベンゾフェノン等のケトン類;メタノール、エタノ
ール、プロパツール、ブタノール等のアルコール類;メ
チルエーテル、エチルエーテル、エチルメチルエーテル
、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、
フェノールエーテル、アセタール、環式エーテルくジオ
キサン、エチレンオキシド等)のエーテル類:アセトン
、ビナコリン、メチルオキシド、芳香族ケトン(アセト
フェノン、ベンゾフェノン等)、ジケトン、環式ケトン
等のケトン類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類
;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コへり酸、酪酸、シュウ
酸、酒石酸、ステアリン酸等の有機酸類:酢酸メチル、
酢酸エチル等の酸エステル類:エチレングリコール、ジ
エチレングリコール等の二価アルコール類ニー酸化炭素
、二酸化炭素等を挙げることがてきる。
含窒素化合物としては1例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミンなどのアミン類等を挙げることかできる。
また、前記炭素源ガスとして、単体てはないが、消防法
に規定される第4類危険物:ガソリンなどの第1石油類
、ケロシン、テレピン油、しょう脳油、松根油などの第
2石油類、重油などの第3石油類、ギヤー油、シリンダ
ー油などの第4石油類などのガスをも使用することかで
きる。また前記各種の炭素化合物を混合して使用するこ
ともできる。
これらの炭素源ガスの中でも、常温で気体または蒸気圧
の高いメタン、エタン、プロパン等のパラフィン系炭化
水素;あるいはアセトン、ベンゾフェノン等のケトン類
、メタノール、エタノール等のアルコール類、−酸化炭
素、二酸化炭素ガス等の含酸素化合物か好ましく、−酸
化炭素は特に好ましい。
前記水素ガスには、特に制限がなく、たとえば石油類の
ガス化、天然ガス、水性ガスなどの変成、水の電解、鉄
と水蒸気との反応、石炭の完全ガス化などにより得られ
るものを充分に精智したものを用いることができる。
前記水素ガスを構成する水素は励起されることにより原
子状水素を形成する。
この原子状水素は、ダイヤモンド類の析出と同時に析出
するグラファイトやアモルファ“スカーポン等の非ダイ
ヤモンド類成分を除去する作用を有する。
前記原料ガスを励起する手段としては、たとえばマイク
ロ波プラズマCVD法、RFプラズマCVD法、DCプ
ラズマCVD法、熱フイラメント法、熱CVD法、光C
VD法、燃焼炎法、スパッタリング法などを挙げること
ができる。
これらの中でも、好ましいのは各種プラズマCVD法(
有磁場CVD法を含む、)である。
前記イオン注入層上に形成する前記被III膜の厚みは
5本発明のダイヤモンド類被覆部材の用途等に応じて適
宜に選定すればよいが1通常は0.5〜100#Lm程
度である。
−その他− 請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド類被覆部
材においては、前記薄膜被形成部材上にアンカー効果を
奏する前記イオン注入層を介して前記被覆膜を有するの
で、前記被覆膜はたとえばWC−Co系超硬合金からな
る前記薄膜被形成部材に対しても優れた密着性を有し、
しかも硬度。
耐摩耗性2電気絶縁性、熱伝導性2赤外線透過性および
固体潤滑性などに優れるものである。
したがって、請求項1または請求項2に記載のダイヤモ
ンド類被覆部材は、たとえば切削工具類、研磨材、耐摩
耗性機械部品、光学部品等の各種部材のハートコート材
や電気・電子材料などに好適に利用することができる。
そして、このような特長を有する請求項1または請求項
2に記載のダイヤモンド類被覆部材は、次に詳述する請
求項3に記載の製造方法を好適に採用することにより、
良好な再現性の下に容易に、しかも効率良く得ることか
できる。
ン          の 請求項3に記載の製造方法においては、先ず。
前記薄膜被形成部材の表面に5周期表第4a族。
第5a族および第68族のいずれかに属する金属元素な
らびにケイ素よりなる群から選ばれた元素のイオンを注
入してイオン注入層を形成する。
使用に供される前記am被形成部材の材質および形状に
ついては、請求項1または請求項2に記載のダイヤモン
ド類被覆部材における前記薄膜被形成部材の材質および
形状と同様である。
前記イオンの注入には、公知のイオン注入法を採用する
ことができる。
@記イオンの注入における加速エネルギーおよび注入量
については、請求項1または請求項2に記載のダイヤモ
ンド類被覆部材における前記元素のイオンを注入する際
の加速エネルギーおよび注入量と同様であり、加速エネ
ルギーは1通常、5 keV 〜3 MeV 、好まし
くは数10keV 〜数100keV程度である。また
、イオン注入量は、通常、10’。
イオン/cm”以上、好ましくはl[lId〜1Q2G
イオン/cm”、さらに好ましくはIQI@〜1Q1f
イオン/ c m ”である、このイオン注入量か10
10イオン/ c m ”未満であると、前記薄膜被形
成部材との密着性に優れた被111!lを有するダイヤ
モンド類被覆部材を得ることができないことがある。
本発明の方法においては、このイオン注入量を前記の範
囲内で適宜に選定することにより、ダイヤモンド類の核
発生密度を制御することも可能である。
本発明の方法においては1以上のようにして前記薄膜被
形成部材上に、厚み0.01−1.OILm、好ましく
は0.O2N2.3μm程度のイオン注入層を形成した
後、このイオン注入層上に、気相法によりダイヤモンド
および/またはダイヤモンド状炭素からなる被Il!膜
を形成する。
具体的には、前記イオン注入層を形成してなる前記薄膜
被形成部材を設置した反応室内に、炭素源ガスを含有す
る原料ガスを導入し、前記原料ガスを励起して得られる
ガスを、S記イオン注入層に接触させることにより、前
記イオン注入層上に前記被覆膜を得ることができる。
前記原料ガスを励起する手段としては、気相法によりダ
イヤモンドおよび/またはダイヤモンド状炭素からなる
薄膜を形成することのできる方法であれば、特に制限は
なく、たとえば直流または交流アーク放電によりプラズ
マ分解する方法、高周波誘導放電によりプラズマ分解す
る方法、マイクロ波放電によりプラズマ分解する方法(
有磁場CVD法を含む、)あるいはプラズマ分解をイオ
ン室またはイオン銃で行なわせ、電界によりイオンを引
き出すイオンビーム法、熱フィラメントによる加熱によ
り熱分解する熱分解法CEACVD法を含む、)、光エ
ネルギーによりプラズマ分解する方法、さらに燃焼炎法
、スパッタリング法などのいずれをも採用することがで
きる。
これらの方法においては1通常、以下の条件下に反応が
進行して、前記イオン注入層上にダイヤモンドおよび/
またはダイヤモンド状炭素の薄膜からなる被覆膜が形成
される。
すなわち、前記イオン注入層の表面の温度は、前記原料
ガスの励起手段、ダイヤモンド類からなる薄膜の種類等
によって異なるので、−概に決定することはできないが
、ダイヤモンド膜の場合は、通常、350〜1,200
℃、好ましくは500〜1.100 ’Cである。たと
えばプラズマCVD法を用いる場合には700〜t 、
ooo℃が好ましい。
前記の温度が、350℃より低いと、前記イオン注入層
上に析出するダイヤモンド薄膜の析出速度が遅くなった
り、弄ダイヤモンド成分を多量に含む膜が析出したりす
ることがある。一方、 1,200℃より高くしても、
それに見合った効果は奏されず、エネルギー効率の点で
不利になるとともに。
形成されたダイヤモンドおよび/またはダイヤモンド状
炭素からなる薄膜がエツチングされてしまうことがある
反応圧力は1通常、 10−’ 〜10’ torr、
好ましくは1G−’torr〜71i0 Lorrであ
る。
また、必要により1反応室内に磁場な胎えた状態で、前
記原料ガスを励起することもできる。したがって、この
場合には、前記原料ガスの励起手段にたとえば有磁場−
CVD法を好適に採用することができる。
反応圧力がto−r″torrよりも低いと、前記被覆
膜を形成するダイヤモンドおよび/またはダイヤモンド
状炭素からなる薄膜の析出速度が遅くなりたり、薄膜が
析出しなくなったりすることがある。
一方、 1G”torrより高くしてもそれに見合った
効果は奏されないことがある。
反応時間は、前記イオン注入層の表面の温度、反応圧力
、必要とする膜厚などにより相違するので一概に決定す
ることはできないが1通常は、10時間以内とすること
ができる。
このようにして形成される再記被覆膜の厚みについては
、特に制限はないが、通常は0.5〜10B終m程度で
ある。
請求項3に記載の方法によると、薄膜被形成部材との密
着性に優れたダイヤモンドおよび/またはダイヤモンド
状炭素からなる被覆膜を備える請求項1または請求項2
に記載のダイヤモンド類被覆部材を、ダイヤモンド類の
核発生密度を制御しつつ良好な再現性の下に効率良く、
しかも容易に1造することができる。
[実施例] 次いで、本発明の実施例および比較例を示し。
本発明についてさらに具体的に説明する。
(実施例1) ■    ン      の WC−a重量%CO超硬合金(JIS KIO相当品)
からなる板材の表面に、Si4イオンをイオン注入法に
より注入して、厚み0.02μmのイオン注入層を形成
した。
なお、イオン注入条件は次の通りである。
ヱJ≦乙扛ノd性 イオン源; S i H4 加速エネルギー; 50keV 注入1t;3X10”イオ:/ / Cm ”■櫨mす
1處 次に、このイオン注入層を形成した薄膜被形成部材をマ
イクロ波プラズマCVD装置の反応室内に設置した。
この反応室内に、−酸化炭素ガスと水素ガスとの混合ガ
ス(CO濃度7%)を導入し、反応室内の圧力40to
rr、イオン注入層の表面温度900℃の条件下に1周
波数2.45GIIzのマイクロ波電源の出力を200
Wに設定した。
この条件でマイクロ波放電方式によるプラズマ処理を3
時間行なって膜19[7,5#Lmの被覆膜を有する被
1ltI&材を得た。
反応終了後、被覆部材を反応室から取り出し、被1N膜
についてラマン分光分析を行なったところ、 1333
cm−の位置にダイヤモンドに相当するシャープなピー
クが認められた。
また、このダイヤモンド類被覆部材について、被1N膜
の剥離率について評価したところ、この被11膜の剥離
率は5%であった。
結果を第1表に示す。
なお、被覆膜の剥離率の評価は、次のようにして行なっ
た。
剥離率の評価:100℃沸隠水中に3分間。
78にの液体窒素中に3分間の 熱サイクルを5回繰り返した 後、室温に戻して剥離率を求 めた。
なお、剥離率の中には、反応 容器から取り出した際に、既 に剥離していたものも含まれ る。
(実施例2) 前記実施例1の■において、イオン源にSiH。
を用いたイオン注入法に代えて、イオン源に7iC1<
を用いたイオン注入法を行なってイオン注入層を形成し
たほかは、前記実施例1と同様にして実施した。
得られた被覆部材の被覆膜についてラマン分光分析を行
なったところ、1333cm−’の位置にダイヤモンド
に相当するシャープなピークが認められた。
また、このダイヤモンド類被覆部材について、被覆膜の
剥離率について評価したところ、この被覆膜の剥離率は
8%てあった。
結果を第1表に示す。
(実施例3) 前記実施例1の■において、イオン源に5il14を用
いたイオン注入法に代えて、イオン源にTaCJl+を
用いたイオン注入法を行なってイオン注入層を形成した
ほかは、S記実施例1と同41ニして実施した。
得られた被覆部材の被覆膜についてラマン分光分析を行
なったところ、1:I:13cm−’の位置にダイヤモ
ンドに相当するシャープなピークが認められた。
また、このダイヤモンド類被覆部材について、被覆−の
剥離率について評価したところ、この被覆膜の剥離率は
6%であった。
結果を第1表に示す。
(実施例4) 前記実施例1の■において、イオン源にSiH。
を用いたイオン注入法に代えて、イオン源にWF、を用
いたイオン注入法を行なってイオン注入層を形成したほ
かは、前記実施例1と同様にして実施した。
得られた被覆部材の被覆膜についてラマン分光分析を行
なったところ、 1333cm−’の位置にダイヤモン
ドに相当するシャープなピークが認められた。
また、このダイヤモンド類被榎部材について。
被覆膜の剥離率について評価したところ、この被覆膜の
剥離率は5%であった。
結果を第1表に示す。
(比較例1) 前記実施例1において、イオン注入層を形成しなかった
ほかは、前記実施例1と同様にして被覆部材を得た。
得られた被覆部材の被覆膜についてラマン分光分析を行
なったところ、 1333c「”の位置にダイヤモンド
に相当するシャープなピークが認められた。
また、このダイヤモンド類被覆部材について。
被覆膜の剥離率について評価したところ、この被覆膜の
剥離率は37%であつた。
結果を第1表に示す。
(比較例2) 前記実施例1の■において、イオン源に5i14を用い
たイオン注入法に代えて、イオン源にN2を用いたイオ
ン注入法を行なってイオン注入層を形成したほかは、前
記実施例1と同様にして被覆部材な得た。
得られた被覆部材の被覆膜についてラマン分光分析を行
なったところ、133:tea−’の位置にタイヤセン
トに相当するシャープなピークか認められた。
また、このダイヤモンド類被覆部材について、被覆膜の
剥離率について評価したところ、この被!WilKの剥
離率は32%であった。
結果を第1表に示す。
(木頁、以下余白) (評価) 第1表から明らかなように、本発明のタイヤセント類被
覆部材は、ダイヤモンド類からなるとともに膜質が極め
て良好な被覆膜を有していて、しかもこの被覆膜と薄膜
被形成部材との密着性に優れ、!I剥離が生じにくいこ
とを確認した。
また、本発明の方法によると、良好な再現性の下に効率
良く、シかも容易に本発明のダイヤモンド類被覆部材を
製造することかできることを確認した。
[発明の効果] (1)  請求項1または請求項2の発明によると、薄
膜被形成部材上に、特定の元素のイオンを注入してなる
イオン注入層を介してタイヤセントおよび/またはダイ
ヤモンド状炭素からなる被覆膜を備えるので、イオン注
入層のアンカー効果および炭化物形成反応により薄膜被
形成部材との密着性が向上した被覆膜を有するダイヤモ
ンド頬被侵部材を提供することができる。
(2)  請求項3の発明による・と、薄膜被形成部材
の表面に特定の元素のイオンを注入した後、Q膜被形成
部材の表面に、気相法によりダイヤモンドおよび/また
はダイヤモンド状炭素からなる被覆膜を形成するので、
前記の利点を有する請求項1または請求項2に記載のダ
イヤモンド類被覆部材を、イオン注入量を適宜に選定す
ることによりダイヤモンドおよび/またはダイヤモンド
状炭素の核発生密度を制御しつつ、良好な再現性の下に
容易に、しかも効率良く得ることのてきる工業的に有用
なダイヤモンド類被覆部材の製造方法を提供することか
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のダイヤモンド類被覆部材の一例を示す
断面説明図である。 l・・・薄膜被形成部材、2・・・イオン注入層、3・
・・被覆膜 第1

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)薄膜被形成部材上に、周期表第4a族、第5a族
    および第6a族のいずれかに属する金属元素ならびにケ
    イ素よりなる群から選ばれた元素のイオンを注入してな
    るイオン注入層を介してダイヤモンドおよび/またはダ
    イヤモンド状炭素からなる被覆膜を備えることを特徴と
    するダイヤモンド類被覆部材。
  2. (2)前記イオン注入層の厚みが0.01〜1.0μm
    であるとともに、イオン注入量が10^1^0イオン/
    cm^2以上である請求項1記載のダイヤモンド類被覆
    部材。
  3. (3)薄膜被形成部材の表面に、周期表第4a族、第5
    a族および第6a族のいずれかに属する金属元素ならび
    にケイ素よりなる群から選ばれた元素のイオンを注入し
    た後、前記薄膜被形成部材の表面に、気相法によりダイ
    ヤモンドおよび/またはダイヤモンド状炭素からなる被
    覆膜を形成することを特徴とするダイヤモンド類被覆部
    材の製造方法。
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