JPH0793479B2 - 多層プリント回路板の製造方法 - Google Patents

多層プリント回路板の製造方法

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JPH0793479B2
JPH0793479B2 JP4073701A JP7370192A JPH0793479B2 JP H0793479 B2 JPH0793479 B2 JP H0793479B2 JP 4073701 A JP4073701 A JP 4073701A JP 7370192 A JP7370192 A JP 7370192A JP H0793479 B2 JPH0793479 B2 JP H0793479B2
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昭雄 高橋
元世 和嶋
俊和 奈良原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低誘電率特性を有し、
耐熱性,寸法安定性及び難燃性を考慮し、信号の遅延時
間の小さい新規な多層プリント回路板を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータをはじめとする産業
用の多層プリント回路板は、難燃性を付与するために臭
素化変性樹脂や添加型難燃剤を用いたフェノール樹脂,
エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂等の絶縁材料を用いた
積層板が主に使用されている。特に、大型計算機には高
密度化が望まれ、耐熱性,寸法安定性の優れたポリイミ
ド系樹脂が絶縁材料として用いられる。しかし、近年大
型計算機の高速演算処理化に伴い、信号伝送速度の向上
のため、電気特性の優れたプリント回路板が要求されて
いる。特に信号伝送遅延時間を短かくし、かつ回路厚さ
を小さくするために低誘電率のプリント回路板が必要と
されている。このような低誘電率積層材料として四フッ
化エチレン樹脂(PTFE),ポリブタジェン樹脂を用
いた積層板等が開発されている。この種の積層板に関す
るものとして、例えばプロシーデインーグ・エヌ・イー
・ピー・シー・オー・エヌ、(1981年)第160頁
から第169頁(Proc.NEPCON(1981)P.P160
〜169)および特開昭55−127426号公報がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしPTFE積層板
は、樹脂が熱可塑性であり、ガラス転移温度が低いた
め、高温における熱膨張率が大きく寸法安定性が十分で
ないなどの問題があり、特に多層化接着した際のスルー
ホール信頼性等に不安があって、多層プリント回路板に
適用する場合エポキシ樹脂と同程度の配線密度をとって
おり、低誘電率材料としてのメリットがあまりない。ま
た、PTFEには適当な溶媒がないので、一般に加熱溶
融圧着による接着法がとられているが、溶融温度が非常
に高いという欠点がある。また、ポリブタジェン樹脂は
分子構造上、易燃性であるという欠点があり、難燃性を
付与する為にデカブロモジフェニルエーテル,トリフェ
ニルホスフェート等の添加型難燃剤やトリブロモフェニ
ルメタクリレート,トリブロモフェニルアクリレート等
の反応型難燃剤を添加する必要があるが、これらの添加
によりポリブタジェン樹脂本来の電気特性,耐熱性,寸
法安定性を損うという問題がある。
【0004】本発明の目的は、高密度配線が可能で難燃
性及び、低誘電率を有し、信号の遅延時間の小さい多層
プリント回路板の製造方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維クロスに
樹脂を含浸したプリプレグと回路導体層を有する回路基
板とを交互に積層接着する多層プリント回路板の製造方
法において、前記樹脂が下記一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Aは水素,アルキル基およびハロ
ゲン基のいずれかであり、Rは炭素数2〜4のアルケノ
イル,アリル基,ブテニル基,ビニル基,アクリロイ
ル基,メタクリロイル基またはエポキシメタクリロイル
基であり、mは1〜4、nは1〜100の数を示す)で
表わされるポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体のプ
レポリマを必須成分とする組成物であることを特徴とす
る多層プリント回路板の製造方法であって、更に上記回
路基板の絶縁層の樹脂が前記一般式(I)で表わされる
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体のプレポリマを
必須成分とする組成物であることを特徴とする多層プリ
ント回路板の製造方法に関する。
【0008】本発明は、多層プリント回路板の絶縁層の
樹脂に下記一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Aは水素,アルキル基およびハロ
ゲン基のいずれかであり、Rは炭素数2〜4のアルケノ
イル基,アリル基,ブテニル基,ビニル基,アクリロイ
ル基,メタクリロイル基またはエポキシメタクリロイル
基であり、mは1〜4、nは1〜100の数を示す)で
表わされるポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体から
成るプレポリマを必須成分とする組成物が好ましい。
【0011】例えば前述の(I)式で表わされるポリ
(p−ヒドロキシスチレン)誘導体から成るプレポリマ
に、ポリブタジェンおよび多価カルボン酸アリルエステ
ルから選ばれる少なくとも1種の化合物を配合してなる
樹脂組成物を用いることが好ましい。
【0012】前述のポリブタジェン及び多価カルボン酸
アリルエステルは全樹脂量の50重量%以下が好まし
く、特に前者は30重量%以下及び後者は20重量%以
下が好ましい。
【0013】本発明の導体層としては、銅,銀,金,ア
ルミニウム,クロム,モリブデン,タングステン等の金
属箔,メッキ,蒸着等により回路を形成したものが用い
られる。特に、銅が好ましく、銅箔がよい。
【0014】本発明の絶縁層としては、前記のように一
般式(I)で表わされる化合物としてポリ(p−ヒドロ
キシスチレン)のビニルエーテル,イソブテニルエーテ
ル,アリルエーテル,アクリル酸エステル,メタクリル
酸エステル,エポキシメタクリル酸エステルおよびその
臭化物がある。これらは所望に応じ1種または2種以上
使用される。
【0015】ポリブタジェンとしては、1,2−ポリブ
タジェン,環化ポリブタジェン,末端エポキシ化ポリブ
タジェン,ポリブタジェングリコール,ポリブタジェン
カルボン酸,ウレタン変性ポリブタジェン,マレイン化
ポリブタジェン,末端アクリル変性ポリブタジェン,末
端エステル変性ポリブタジェン,ビニル側鎖基をもつポ
リブタジェンを基本成分として含む種々の重合体および
非重合体を用いることができる。
【0016】多価カルボン酸アリルエステルは、例えば
トリアリルトリメリテート,ジアリルテレフタレート,
ジアリルイソフタレート,ジアリルオルソフタレート,
トリアリルトリメリテート,トリアリルシアヌレート,
トリアリルイソシアヌレート,トリメタアリルイソシア
ヌレート、p,p′−ジアリロキシカルボニルジフェニ
ルエーテル、m,p′−ジアリロキシカルボニルジフェ
ニルエーテル、o,p′−ジアリロキシカルボニルジフ
ェニルエーテル、m,m′−ジアリロキシカルボニルジ
フェニルエーテル等の1種あるいは2種以上を混合して
用いることもできる。更にこれらを予備反応させて得ら
れるプレポリマも有用である。上記一般式(I)で表わ
されるポリ(p−ヒドロキシステレン)誘導体にポリブ
タジェンおよび多価カルボン酸アリルエステルを加える
ことにより可撓性,銅箔との接着性,機械的特性等が向
上する。これらの配合量は特に限定されるものではない
が、配合量が多くなると難燃性,耐熱性,寸法安定性等
が低下する。
【0017】本発明における多層プリント回路板の製造
方法の一例を示す。
【0018】まず、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘
導体およびポリブタジェン,多価カルボン酸アリルエス
テルを有機溶媒に溶解させてワニスを調製する。有機溶
媒としては、例えば、トルエン,キシレン,アセトン,
メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン,ジメ
チルスルホキシド,トリクロロエチレン,トリクロロエ
タン,塩化メチレン,ジオキサン,四塩化炭素,テトラ
クロルエチレン,シクロヘキサノン,酢酸エチル等であ
り、前記、樹脂組成物を均一に溶解する溶媒であれば使
用できる。調整したこのワニスにラジカル重合開始剤等
の硬化剤を添加して含浸用ワニスとする。
【0019】ラジカル重合開始剤の例としては、ベンゾ
イルパーオキシド,ジクミルパーオキシド,メチルエチ
ルケトンパーオキシド、t−ブチルパーオキシラウェー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート,ジベンジル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシ
ド,t−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチル
パーオキシド2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン(3),ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキシド,p−メンタンハイドロパーオ
キシド,ピナンハイドロオキシド、2,5−ジメチルヘ
キサン−2,5−ジハイドロパーオキシド,クメンハイ
ドロパーオキシドなどがある。これらは樹脂組成物10
0重量部に対して好ましくは0.1 〜10重量部添加す
る。
【0020】次に、得られた含浸用ワニスをシート状基
材に含浸塗工し、室温〜170℃で乾燥し、粘着性のな
いプリプレグを得る。この時の乾燥温度の設定は用いた
溶媒および開始剤等によって決まる。得られたプリプレ
グおよび銅箔等を素材にして作成された硬化積層板に回
路パターンを形成後、これらを必要枚数重ね、プリプレ
グシートを間にはさんで、100〜250℃で1〜10
0kgf/cm2の条件で接着成形を行い多層プリント回路板
を得る。
【0021】シート状基材の繊維クロスとしては、一般
に積層材料に使用されているものはほとんどすべて使用
できる。無機繊維としては、SiO2,Al23 等を成
分とするEガラス,Cガラス,Aガラス,Sガラス,D
ガラス,YM−31−Aガラスおよび石英を使用したQ
ガラス等の各種ガラス繊維が使用できる。また有機繊維
としては、芳香族ポリアミドイミド骨格を有する高分子
化合物を成分とするアラミド繊維が使用できる。繊維ク
ロスは絶縁層に対して20〜40体積%が好ましい。
【0022】本発明は、繊維クロスに樹脂を含浸したプ
リプレグと回路導体層を有する回路基板とを交互に積層
接着する多層プリント回路板の製造方法において、前記
樹脂が下記一般式(I)
【0023】
【化4】
【0024】(式中、Aは水素,アルキル基およびハロ
ゲン基のいずれかであり、Rは炭素数2〜4のアルケノ
イル,アリル基,ブテニル基,ビニル基,アクリロイ
ル基,メタクリロイル基またはエポキシメタクリロイ
基であり、mは1〜4、nは1〜100の数を示す)で
表わされるポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体のプ
レポリマを必須成分とする組成物であることを特徴とす
る多層プリント回路板の製造方法であって、更に上記回
路基板の絶縁層の樹脂が前記一般式(I)で表わされる
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体のプレポリマを
必須成分とする組成物であることを特徴とする多層プリ
ント回路板の製造方法に関する。
【0025】前記絶縁層の厚さは250μm以下で、一
層当りの繊維クロス層が2〜5層が好ましく、特に薄い
層の一層当りの繊維クロス層が2層で厚さが100μm
以下であり、前記厚い層の一層当りの繊維クロス層が3
層で厚さが150μm以下であるものが好ましい。
【0026】本発明は、複数値の半導体素子を搭載した
セラミック多層回路板に設けられたピンを多層プリント
基板に設けられたスルーホールに挿入固着し、前記多層
プリント基板の端子をバックボードに設けられた多芯コ
ネクタに電気的に接続してなるものの製造方法におい
て、前記多層プリント基板及びバックボードの少なくと
も一方が繊維クロスに樹脂を含浸した絶縁層と回路導体
層とを交互に積層したもので、前記樹脂が前記一般式
(I)で表わされるポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体
のプレポリマを必須成分とする組成物であることを特徴
とする多層プリント回路板を含む構造体の製造方法、更
に上記回路基板の絶縁層の樹脂が前記一般式(I)で表
わされるポリ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体のプレ
ポリマを必須成分とする組成物であることを特徴とする
多層プリント回路板を含む構造体の製造方法に関する。
【0027】
【実施例】実施例1 臭素化ポリ(p−ヒドロキシスチレン)250gをクロ
ロホルム500gに溶解させ、水酸化ナトリウム120
gの水溶液500gを撹拌しながら添加し、25℃で1
時間反応させ、ナトリウム塩を得る。次にメタクリル酸
クロライド120gのクロロホルム溶液200gを徐々
に加え25℃で2時間反応を行った後、クロロホルム溶
液と水溶液を分離して、クロロホルム溶液と水溶液を分
離して、クロロホルム溶液を濃縮し反応物を得る。さら
に、この反応物をアセトンに溶かし、その溶液をメタノ
ールに滴下し、精製を行った。
【0028】前述のようにして得た臭素化ポリ(p−ヒ
ドロキシスチレン)メタクリル酸エステルをメチルエチ
ルケトンに溶解させ固型分量40〜50重量%のワニス
を得る。さらにラジカル重合開始剤としてジクミルパー
オキサイドを該樹脂100重量部に対して3重量部添加
した後、このワニスをE−ガラスクロス(厚さ50μ
)に含浸塗工し、60〜80℃,10〜20分間乾燥
してタックフリーのプリプレグを得た。次にプリプレグ
2枚を重ね、プリプレグ側を表面粗化した銅箔(35μ
m厚)を両面に積層して、圧力30kgf/cm2,温度18
0℃で30分間加熱し、さらに、170℃で1時間プレ
スを行い銅張り積層板を得た。この絶縁層の厚さは約1
00μmである。得られた銅張り積層板をフォトエッチ
ング法によって信号層,電源層,整合層等の内層回路パ
ターンを形成させ、次の方法によって回路パターンの銅
表面を処理し、両面配線単位回路シートを形成した。
【0029】
【外1】
【0030】溶液組成: (1)濃塩酸300g,塩化第2銅50g,蒸留水650
g(銅表面の粗化)。
【0031】(2)水酸化ナトリウム5g,リン酸三ナト
リウム10g,亜塩素酸ナトリウム30g,蒸留水95
5g(銅表面の安定化)。
【0032】上記の処理を終了後、図1に示すような構
成で、前記のプリプレグ樹脂シートを用いて、回路導体
層2として30層形成し、170℃、圧力20kg/c
m2 ,80分の条件で接着形成を行い、多層プリント回
路板を作成した。多層化接着のためのプリプレグ樹脂シ
ートは3枚重ねで行った。その厚さは約150μmであ
る。
【0033】多層化接着はシートの四方に設けた穴にガ
イドピンを挿入する方法で位置ずれを防止して行った。
多層化接着後穴径0.3mm又は0.6mmの穴をマイクロド
リルによってあけ、全面に化学銅めっきを行ってスルー
ホール4を形成させた。次に、最外層回路をエッチング
により形成させて多層プリント回路板を形成した。本実
施例では厚さが約4mm×570mm×420mmの大きさ
で、ライン幅70μm及び100μmの2種,(チャン
ネル/グリッド)が2〜3本/1.3mm,層間ずれが約
100μm以下のものを得ることができた。ガラスクロ
スは絶縁層の約30体積%であった。
【0034】図1において、1は樹脂含浸硬化シート、
2は回路導体層、3はプリプレグ樹脂シート、4はスル
ーホールである。
【0035】実施例2 実施例1と同様の方法でアクリル酸クロライドを反応さ
せて得られた臭素化ポリ(p−ヒドロキシスチレン)メ
タクリル酸エステルを用いた他は実施例1と同様にして
多層プリント回路を製造した。
【0036】実施例3 実施例1と同様な方法でアリルクロライドを反応させて
得た臭素化ポリ(p−ヒドロキシスチレン)アリルエー
テルを用いた他は実施例1と同様にして多層プリント回
路板を作成した。
【0037】実施例4 臭素化ポリ(p−ヒドロキシスチレン)メタクリル酸エ
ステル50重量部、ジグリシジルエーテルビスフェノー
ルAで変性したポリブタジェン50重量部、ジクミルパ
ーオキサイド3重量部、2−ウンデシルイミダゾール2
重量部を用いた他は実施例1と同様にした多層プリント
回路板を作成した。
【0038】実施例5 臭素化ポリ(p−ヒドロキシスチレン)アクリル酸エス
テル50重量部、フェノールノボラック型エポキシ変性
ポリブタジェン45重量部、トリアリルイソシアヌレー
ト5重量部、ジクミルパーオキサイド3重量部、2−ウ
ンデシルイミダゾール2重量部を用いた値は実施例1と
同様にして多層プリント回路板を作成した。
【0039】比較例1,2 エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂を用いて実施例1と同様
にしてプリプレグ樹脂シート及び銅張積層板を形成し、
同様に多層プリント回路板を製造した。前者を比較例1
及び後者を比較例2とした。
【0040】比較例3 1,2−ポリブタジェンプレポリマ50重量部フェノー
ルノボラック型エポキシ変性ポリブタジェン50重量部
をキシレン溶解させ、固型分量20〜30重量%のワニ
スを得る。さらに、ラジカル重合開始剤としてジクミル
パーオキサイド3重量部、2−ウンデシルイミダゾール
1重量部を添加し、実施例1と同様にして多層プリント
回路板を得た。
【0041】前記、実施例の臭素化ポリ(p−ヒドロキ
シスチレン)の各特性を表1及びこれら実施例及び比較
例による多層プリント回路板の主な特性を表2に示す。
【0042】表1に示すように、臭素含有率がいずれも
40%以上と多く、熱分解温度も300℃以上と高く、
特に比誘電率が3.5 以下で、優れた特性を有している
ことが分る。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】ガラス転移温度は直径10mm、厚さ2mmの
樹脂硬化物の熱膨張率を昇温速度2℃/min で測定し、
熱膨張率が変化する温度をガラス転移温度とした。熱分
解温度は樹脂硬化物を粉砕した試料10mgについて、空
気雰囲気中、昇温速度5℃/min で測定し、5%減量し
たときの温度を熱分解温度とした。比誘電率の測定はガ
ラスクロスに樹脂含浸して硬化したものについてJISC64
81に準じて行い周波数1MHzの静電容量を測定して求
めた。線膨張係数は積層板(10mm角)の厚さ方向の熱
膨張率を昇温速度2℃/min で測定し、50℃から20
0℃までの変化量から求めたもので、その値は樹脂の値
とほぼ一致する。半田耐熱性、曲げ特性はJISC6481に準
じて行い、半田耐熱性は260℃,300秒で外観の異
常の有無を調べた。曲げ強度はガラスクロス樹脂含浸積
層板を25×50mmに切断し支点間距離30mm、曲げ速
度1mm/min の条件で室温、180℃で測定した。難燃
性はUL−94垂直法に準じて測定を行ったもので、ガ
ラスクロス樹脂含浸積層板を用いて行った。
【0046】表2に示すように、本発明における多層プ
リント回路板に用いた樹脂組成物はいずれも難燃性に効
果のある臭素を多量に含有し、かつ180℃以下、特に
本実施例では170℃以下の低温加熱で硬化する。しか
も、比誘電率が3.5 以下と小さく、かつ線膨張係数が
10×10-5/℃以下と小さく特に、6×10-5/℃以
下のものが得られる好適な樹脂である。
【0047】更に、ガラス転移温度がいずれも200℃
以上であり、特に220℃のものも得られる。また、熱
分解温度も300℃以上であり、300℃での半田耐熱
性においてもフクレが生じず、いずれも異常がなく、難
燃性においてもいずれもV−O、曲げ強度も室温で40
kg/mm以上のものである。以上の特性を有するものを使
用することにより回路導体層のライン幅を100μm以
下とすることができ、特に70μmでも可能となり、更
に、(チャンネル数/グリッド)として2〜3本/1.
3mm とすることができる。また、絶縁層の厚さとして
回路導体層の厚さを100μm以下、プリプレグ多層化
接着層を150μm以下とすることができる。
【0048】本発明における製造方法により得られる多
層プリント回路板は低誘電率材料として一般的に知られ
ているポリブタジェン系材料と同様、低誘電率特性を有
し、現在、大型計算機の多層プリント基板に適用されて
いるエポキシ系材料やポリイミド系材料に比べて比誘電
率を4.7から3.5以下にできることから信号伝送遅延
時間を6.2ns/m にでき、15%低減できる。さら
に、ガラス転移温度,熱分解温度および半田耐熱性等で
示される耐熱性や線膨張係数の特性はエポキシ系材料や
ポリブタジェン系材料に比べ優れた特性を示し、ポリイ
ミド系材料と同等の特性を有する。難燃性は難燃剤等の
添加なしで、UL規格のV−Oクラスに適合する。
【0049】実施例6 図2は本発明の製造方法により得た多層プリント回路板
を使用したコンピュータ実装構造の一例を示す斜視図で
ある。
【0050】LSIマルチチップモジュールパッケージ
は、水冷式の多層セラミック基板にLSIが搭載さ
れ、その基板に設けられたピンによって多層プリント基
板5に接合されている。多層プリント基板5のいずれの
端部にも接続用の端子が設けられており、コネクタ10
が両端部に接続され、外部端子に接続される。一方のコ
ネクタはバックボード6に設けられた多芯コネクタに接
続され、三次元の実装構造となる。LSIは冷却パイ
プ9によって水冷される。
【0051】本発明の多層プリント回路板はバックボー
ド6及び多層プリント基板5に用いられ、前述の実施例
1と同様に製造される。本発明の多層プリント回路板を
使用したコンピュータ実装構造においては前述と同様に
信号伝送遅延時間が比誘電率4.7 のものに比らべ15
%低減できる。
【0052】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られる多層プ
リント回路板は絶縁層が、低比誘電率で、耐熱性,難燃
性を有し、低熱膨張率を有する樹脂を使用するので、コ
ンパクトな多層プリント回路板が提供できる。その結果
信号伝送遅延時間を従来の約15%低減できる顕著な効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す多層プリント回路板の断面
斜視図である。
【図2】本発明の多層プリント回路板を使用した一例を
示すコンピュータ実装構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…樹脂含浸硬化シート、2…回路、3…プリプレグ樹
脂シート、4…スルーホール、5…多層プリント基板、
6…バックボート、7…多芯コネクタ、8…マルチチッ
プモジュールパッケージ、9…冷却水パイプ、10…コ
ネクタ。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 昭雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 和嶋 元世 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 奈良原 俊和 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 平賀 良 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社 日立製作所内 (56)参考文献 特開 昭56−99922(JP,A) 特公 昭53−6040(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維クロスに樹脂を含浸したプリプレグと
    回路導体層を有する回路基板とを交互に積層接着する多
    層プリント回路板の製造方法において、前記樹脂が下記
    一般式(I) 【化1】 (式中、Aは水素,アルキル基およびハロゲン基のいず
    れかであり、Rは炭素数2〜4のアルケノイル,アリ
    ル基,ブテニル基,ビニル基,アクリロイル基,メタク
    リロイル基またはエポキシメタクリロイル基であり、m
    は1〜4、nは1〜100の数を示す)で表わされるポ
    リ(p−ヒドロキシスチレン)誘導体のプレポリマを必
    須成分とする組成物であることを特徴とする多層プリン
    ト回路板の製造方法。
  2. 【請求項2】更に上記回路基板の絶縁層の樹脂が前記一
    般式(I)で表わされるポリ(p−ヒドロキシスチレ
    ン)誘導体のプレポリマを必須成分とする組成物である
    ことを特徴とする請求項1の多層プリント回路板の製造
    方法。
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