JPH0791476A - 減衰力可変型緩衝器 - Google Patents

減衰力可変型緩衝器

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Publication number
JPH0791476A
JPH0791476A JP23780693A JP23780693A JPH0791476A JP H0791476 A JPH0791476 A JP H0791476A JP 23780693 A JP23780693 A JP 23780693A JP 23780693 A JP23780693 A JP 23780693A JP H0791476 A JPH0791476 A JP H0791476A
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JP
Japan
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damping force
characteristic
damping
shock absorber
variable
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JP23780693A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Sasaki
光雄 佐々木
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧側の減衰力特性の可変幅を増大させること
ができる減衰力可変型緩衝器の提供。 【構成】 伸側の減衰力特性を可変制御可能で圧側がソ
フト特性に固定の伸側ハード領域と、伸側及び圧側が共
にソフト特性に固定のソフト領域と、圧側減衰力特性を
可変制御可能で伸側がソフト特性に固定の圧側ハード領
域とを有する構造の調整子40をピストン31側に備え
ると共に、ピストン31で画成された一方の下部室Bと
リザーバ室32との間を画成するベース34を備えた減
衰力可変型緩衝器SAにおいて、ベース34側に、圧行
程においてシリンダ30内に侵入するピストンロッド7
の体積分に相当する液体のリザーバ室32方向への流出
を制限的に許容することで減衰力を発生させる圧側減衰
バルブ54と、圧側減衰バルブ54のセット荷重を可変
することで発生減衰力特性を可変制御可能なソレノイド
6とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減衰力特性を変化可能
な減衰力可変型緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、減衰力可変型緩衝器を用いて減衰
力特性制御を行なう車両懸架装置としては、例えば、米
国特許第4,923,038号明細書に記載されたもの
が知られている。
【0003】この従来の車両懸架装置では、伸側が減衰
力特性可変で圧側がソフト特性に固定の伸側ハード領域
HSと、伸側及び圧側が共にソフト特性に固定のソフト
領域SSと、圧側が減衰力特性可変で伸側がソフト特性
に固定の圧側ハード領域SHとを有する構造の減衰力特
性可変機構を備えた減衰力可変型緩衝器が用いられてい
る。
【0004】そして、検出されたばね上上下速度(上向
きで正の値、下向きで負の値)が所定の正・負両しきい
値の範囲以内である時は、ソフト領域SSに制御し、ば
ね上上下速度が所定の正・負両しきい値の範囲以外で正
の値である時は、伸側ハード領域HSに制御し、ばね上
上下速度が所定の正・負両しきい値の範囲以外で負の値
である時は、圧側ハード領域SHに制御する減衰力特性
制御手段を備えたものであった。
【0005】従って、従来例の車両懸架装置では、ばね
上上下速度とばね上・ばね下間の相対速度の方向判別符
号が同符号の時は、その時の緩衝器の行程側をハード特
性に制御し、異符号の時は、その時の緩衝器の行程側を
ソフト特性に制御するという、スカイフック理論に基づ
いた減衰力特性制御と同一の制御が、ばね上・ばね下間
相対速度を検出することなしに行なわれることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、減衰力特性可変機構がピストンに
設けられていることから、伸側の減衰力特性の可変幅は
設定自由度が高くて大きく取れるのに対し、圧側の減衰
力特性の可変幅は、圧力補償の関係からの制約があって
大きくは取れないため、ステアリング時に車両の制振力
が不足して十分な制御効果が得られなかったり、伸側と
圧側の減衰力バランスが大きく異なることで、ロール時
の車両姿勢がくずれて違和感を感じさせるという問題点
があった。本発明は、上述の従来の問題点に着目してな
されたもので、圧側の減衰力特性の可変幅を増大させる
ことができる減衰力可変型緩衝器を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の減衰力可変型緩衝器は、伸側の減衰力特
性を可変制御可能で圧側がソフト特性に固定の伸側ハー
ド領域と、伸側及び圧側が共にソフト特性に固定のソフ
ト領域と、圧側減衰力特性を可変制御可能で伸側がソフ
ト特性に固定の圧側ハード領域とを有する構造の減衰力
特性可変手段をピストン側に備えると共に、ピストンで
画成された一方の室とリザーバ室との間を画成するベー
スを備えた減衰力可変型緩衝器において、前記ベース側
に、圧行程においてシリンダ内に侵入するピストンロッ
ドの体積分に相当する液体のリザーバ室方向への流出を
制限的に許容することで減衰力を発生させる圧側減衰バ
ルブと、該圧側減衰バルブのセット荷重を可変すること
で発生減衰力特性を可変制御可能な減衰力特性可変手段
とを備えている手段とした。
【0008】
【作用】本発明の減衰力可変型緩衝器では、上述のよう
に構成されるので、従来例と同様に、ばね上上下速度と
ばね上・ばね下間の相対速度の方向判別符号が同符号の
時は、その時の緩衝器の行程側をハード特性に制御し、
異符号の時は、その時の緩衝器の行程側をソフト特性に
制御するという、スカイフック理論に基づいた減衰力特
性制御と同一の制御を、ばね上・ばね下間相対速度を検
出することなしにばね上上下速度のみに基づいて行なう
ことが可能であると共に、圧力補償の関係からの制約の
ないベース側に圧側の発生減衰力特性を可変制御可能な
減衰力特性可変手段を備えたことで、減衰力可変型緩衝
器全体としての圧側の減衰力特性可変幅を増大させるこ
とができるようになる。
【0009】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、構成について説明する。
【0010】図3は、減衰力可変型緩衝器SAの構成を
示す断面図であって、この減衰力可変型緩衝器SAは、
シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部室Bと
に画成したピストン31と、シリンダ30の外周にリザ
ーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリザーバ
室32とを画成したベース34と、ピストン31に連結
されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイド部材
35と、外筒33と車体との間に介在されたサスペンシ
ョンスプリング36と、バンパラバー37とを備えてい
る。
【0011】次に、図2は前記ピストン31部分の詳細
を示す拡大断面図であって、この図に示すように、ピス
トン31には、貫通孔31a,31bが形成されている
と共に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧
側減衰バルブ20及び伸側減衰バルブ12が設けられて
いる。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウ
ンドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッ
ド38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
(減衰力特性可変手段)40が回動自在に設けられてい
る。また、スタッド38の外周部には、流体の流通の方
向に応じて前記連通孔39で形成される流路側の流通を
許容・遮断する伸側チェックバルブ17と圧側チェック
バルブ22とが設けられている。なお、この調整子40
は、前記パルスモータ3によりコントロールロッド70
を介して回転されるようになっている(図3参照)。ま
た、スタッド38には、上から順に第1ポート21,第
2ポート13,第3ポート18,第4ポート14,第5
ポート16が形成されている。
【0012】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24及び第2横孔
25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成され
ている。
【0013】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0014】即ち、減衰力可変型緩衝器SAは、そのピ
ストン31部において、調整子40を回動させることに
より、伸側・圧側のいずれとも図6に示すような特性で
減衰力特性を多段階に変更可能に構成されている。つま
り、図7の点線で示すように、伸側・圧側いずれもソフ
トとした状態(以後、ソフト領域SSという)から調整
子40を反時計方向に回動させると、伸側のみ減衰力特
性を多段階に変更可能で圧側が低減衰力特性に固定の領
域(以後、伸側ハード領域HSという)となり、逆に、
調整子40を時計方向に回動させると、圧側のみ減衰力
特性を多段階に変更可能で伸側が低減衰力特性に固定の
領域(以後、圧側ハード領域SHという)となる構造と
なっている。
【0015】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面及びM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。なお、図6〜13に示す減衰力特性のうち、点線で
示す圧側の減衰力には、後述のベース34部分で発生す
るソフト特性の減衰力が加算された状態を示している。
【0016】次に、図1は前記ベース34部分の詳細を
示す拡大断面図であって、この図に示すように、ベース
34は、バルブボディ5とソレノイド(減衰力特性可変
手段)6とを有している。
【0017】バルブボディ5は、その上部外周を前記シ
リンダ30の下端開口部内に嵌装され、また、該バルブ
ボディ5の下部内周には前記ソレノイド6のソレノイド
ボディ部61が嵌装され、バルブボディ5とソレノイド
ボディ部61との間に中間室Cが形成されていて、この
中間室Cはソレノイドボディ部61に形成された連通孔
bによりリザーバ室32と連通されている。
【0018】バルブボディ5は、下部室Bと中間室Cと
の間を連通する内側貫通孔51と外側貫通孔52が形成
されていると共に、その上面側には外側貫通孔52を経
由して中間室Cから下部室B方向への流体の流通のみを
許容する伸側チェックバルブ53が設けられ、下面側に
は内側貫通孔51を経由して下部室Bから中間室C方向
への流体の流通のみを制限的に許容する圧側減衰バルブ
54が設けられている。なお、図において55は前記伸
側チェックバルブ53及び圧側減衰バルブ54の内周側
を締結固定する締結ボルトである。
【0019】従って、減衰力可変型緩衝器SAの圧行程
においては、シリンダ30内に侵入するピストンロッド
7の体積分の流体が、下部室Bから内側貫通孔51を通
り、圧側減衰バルブ54を開弁して中間室Cへ流入し、
この中間室Cから連通孔bを経由してリザーバ室32に
排出され、その際圧側減衰バルブ54により所定の低い
減衰力を発生させるもので、また、伸行程においては、
シリンダ30より退出するピストンロッド7の体積分の
流体が、リザーバ室32から連通孔bを通って中間室C
に流入し、この中間室Cから外側貫通孔52を通り伸側
チェックバルブ53を開弁して下部室Bに補給される。
【0020】ソレノイド6は、ソレノイドボディ部61
と、コイル部62と、プランジャ部63とを備えてい
る。
【0021】ソレノイドボディ部61は、環状のコイル
部62を収容したベース61aと、このベース61aの
内周壁側に嵌合固定された中間シリンダ61bと、この
中間シリンダ61bに嵌合固定された吸着部材61c
と、ベース61aの上端開口部側に螺合されていてバル
ブボディ5への連結部となる連結部材61dとで構成さ
れている。
【0022】コイル部62は、磁界を発生させるコイル
62aとこのコイル62aが巻かれた非磁性体よりなる
ボビン62bとで構成されている。
【0023】ベース61aの軸心穴a内には、プランジ
ャ部63がブッシュ64を介して摺動自在に収容され、
また、吸着部材61cの軸心穴c内にはスプール65が
摺動自在に挿通されていて、前記プランジャ部63はス
プール65の下端部外周に嵌着固定されている。また、
スプール65の上端側には上部へ行くにつれて段階的に
径を拡大する筒状のリテーナ8が取り付けられていて、
スプール65の上方への摺動により、リテーナ8の上部
開口端面が圧側減衰バルブ54の下面外周部に当接する
ようになっている。そして、ベース61aの軸心穴aの
下端開口部に螺合されたボトムキャップ66とプランジ
ャ部63との間には、プランジャ部63,スプール65
及びリテーナ8を介して圧側減衰バルブ54の外周部に
アシスト力を付与するアシストスプリング9が設けられ
ている。
【0024】前記連結部材61dと、ベース61aと、
ブッシュ64と、プランジャ部63と、吸着部材61c
とは、それぞれ磁性体で形成されていて、これらの部材
により磁気ループが形成されるようになっている。そし
て、前記吸着部材61cの下端面には、プランジャ部6
3を吸引する力を発生させる断面略三角形状の磁気漏洩
部61eが形成されている。なお、特に、中間シリンダ
61bとスプール65とは、非磁性体で形成されてい
る。
【0025】即ち、コイル62aへの通電をOFFにし
た状態では、アシストスプリング9のアシスト力Fk の
みが、圧側減衰バルブ54に対するセット荷重として作
用していることから、圧行程においてソフト特性の減衰
力を発生させることになるが、コイル62aへの通電を
ON状態とすると、磁気漏洩部61eにプランジャ部6
3を上向きに摺動させる吸引力Fs が発生し、これによ
り、この吸引力Fs がアシストスプリング9のアシスト
力Fk にプラスされた力がセット荷重(F=Fk +Fs
)として作用することから、圧行程における発生減衰
力を吸引力Fs の分だけ高め、ハード特性の減衰力を発
生させることができる。なお、コイル62aへの通電
は、外筒33を貫通して配線されたハーネス52cによ
って行なわれるようになっている。
【0026】即ち、減衰力可変型緩衝器SAは、そのベ
ース部34側において、ソレノイド6のコイル62aに
対する通電電流を制御することにより、圧行程の減衰力
特性を図7の点線から、鎖線で示す高さまでの範囲で変
化させることができるようになっている。
【0027】図4は、本発明実施例の減衰力可変型緩衝
器を用いたサスペンションシステムを示す構成説明図で
あり、車体と4つの車輪との間に介在されて、4つの減
衰力可変型緩衝器SAが設けられている。そして、各減
衰力可変型緩衝器SAの近傍位置の車体には、上下方向
の加速度を検出する上下加速度センサ(以後、上下Gセ
ンサという)1が設けられている。また、運転席の近傍
位置には、各上下Gセンサ1からの信号を入力して、各
減衰力可変型緩衝器SAのパルスモータ3及びソレノイ
ド6に駆動制御信号を出力するコントロールユニット4
が設けられている。
【0028】図5は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,パルスモータ3の駆動回路4
c,ソレノイド6の駆動回路4dとを備え、前記インタ
フェース回路4aには、上述の各上下Gセンサ1からの
信号が入力される。なお、前記インタフェース回路4a
内には、各上下Gセンサ1から送られる信号の中から高
周波域(30Hz以上)のノイズを除去するためのローパス
フィルタ回路と、該ローパスフィルタ回路を通過した加
速度を示す信号を積分してばね上上下速度Vn に変換す
るためのローパスフィルタ回路とで構成されるフィルタ
回路4eが、各上下Gセンサ1毎に設けられている。
【0029】次に、パルスモータ3及びソレノイド6の
駆動を制御するコントロールユニット4の作動につい
て、図14のフローチャート及び図15のタイムチャー
トに基づき説明する。なお、この制御は、各減衰力可変
型緩衝器SA毎に別個に行う。まず、図14において、
ステップ101は、各上下Gセンサ1から得られる上下
加速度を各フィルタ回路4eで処理して各車輪位置のば
ね上上下速度Vn を求める処理を行うステップである。
なお、この各ばね上上下速度Vn は、方向判別符号とし
て、上方向の時には正の値で、また、下方向の時には負
の値で与えられる。
【0030】ステップ102では、ばね上上下速度Vn
が正のしきい値δT 以上であるか否かを判定し、YES
であればステップ103に進み、NOであればステップ
104に進む。
【0031】ステップ103は、減衰力可変型緩衝器S
Aの伸側の減衰力のみをハード側に制御すべく伸側ハー
ド領域HS側に制御するステップである。即ち、このス
テップでは、ピストン31部において発生する伸側の減
衰力をその時のばね上上下速度Vn の値に比例した値に
制御すべくパルスモータ3に駆動制御信号が出力される
もので、このステップで一回の制御フローを終了する。
【0032】ステップ104では、ばね上上下速度Vn
が負のしきい値δC と正のしきい値δT との間の値であ
るか否かを判定し、YESであればステップ105に進
み、NOであればステップ106に進む。
【0033】ステップ105は、減衰力可変型緩衝器S
Aをソフト領域SSに制御するステップであり、このス
テップで一回の制御フローを終了する。
【0034】ステップ106は、便宜上表示しているス
テップであり、ステップ102及びステップ104でN
Oと判定された場合には、ばね上上下速度Vn は負のし
きい値δC 以下であり、この場合はステップ107に進
む。
【0035】ステップ107は、減衰力可変型緩衝器S
Aの圧側の減衰力特性のみをハード側に制御すべく圧側
ハード領域SHに制御するステップである。即ち、この
ステップでは、ピストン31部において発生する圧側の
減衰力をその時のばね上上下速度Vn の値に比例した値
に制御すべく、パルスモータ3に制御信号が出力され
る。
【0036】続くステップ108では、圧側ハード領域
SHに制御すべくパルスモータ3に対して出力される駆
動制御信号θV が所定の値(ステップ角)θS を越えて
いるか否かを判定し、YESであればステップ109に
進み、NOであればステップ110に進む。
【0037】ステップ109は、ソレノイド6のコイル
62aに対する通電をON状態とするステップであり、
このステップで一回の制御フローを終了する。
【0038】ステップ110は、ソレノイド6のコイル
62aに対する通電をOFF状態とするステップであ
り、このステップで一回の制御フローを終了する。
【0039】以上で一回の制御フローを終了し、以後は
以上のステップを繰り返すものである。
【0040】次に、図15のタイムチャートについて説
明する。ばね上上下速度Vn がこの図に示すように変化
した場合、ばね上上下速度Vnが負のしきい値δC と正
のしきい値δT との間の値である時には、伸側及び圧側
の減衰力特性を共にソフト特性に固定すべく、ソフト領
域SSに制御する。
【0041】また、ばね上上下速度Vn が正のしきい値
δT 以上になると、圧側を低減衰力特性に固定すると共
に、伸側の減衰力特性をハード特性側に変化させるべく
伸側ハード領域HS側に制御する。
【0042】また、ばね上上下速度Vn が負のしきい値
δC 以下になると、伸側を低減衰力特性に固定すると共
に、圧側の減衰力特性をハード特性側に変化させるべく
圧側ハード領域SHに制御する。そして、パルスモータ
3に対する制御信号が所定の値(ステップ角)を越えて
いる間は、さらに、ソレノイド6への通電をON状態と
することにより、図7の実線(イ)で示すように、ベー
ス34側で発生する圧側の減衰力を点線で示すソフト特
性からハード特性側に切り換え制御するもので、これに
より、図15の点線で示すソレノイド6への通電OFF
状態における発生減衰力に対し、実線で示すように、減
衰力特性可変型緩衝器SA全体として発生する圧側の減
衰力を高めることができる。
【0043】また、図15のタイムチャートにおいて、
領域aは、ばね上上下速度Vn が負の値(下向き)から
正の値(上向き)に逆転した状態であるが、この時はま
だ相対速度は負の値(減衰力可変型緩衝器SAの行程は
圧行程側)となっている領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Vn の方向に基づいて減衰力可変型緩衝器
SAは伸側ハード領域HSに制御されており、従って、
この領域ではその時の減衰力可変型緩衝器SAの行程で
ある圧行程側がソフト特性となる。
【0044】また、領域bは、ばね上上下速度Vn が正
の値(上向き)のままで、相対速度は負の値から正の値
(減衰力可変型緩衝器SAの行程は伸行程側)に切り換
わった領域であるため、この時は、ばね上上下速度Vn
の方向に基づいて減衰力可変型緩衝器SAは伸側ハード
領域HSに制御されており、かつ、減衰力可変型緩衝器
の行程も伸行程であり、従って、この領域ではその時の
減衰力可変型緩衝器SAの行程である伸行程側が、ばね
上上下速度Vn の値に比例したハード特性となる。
【0045】また、領域cは、ばね上上下速度Vn が正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだ相対速度は正の値(減衰力可変型
緩衝器SAの行程は伸行程側)となっている領域である
ため、この時は、ばね上上下速度Vn の方向に基づいて
減衰力可変型緩衝器SAは圧側ハード領域SHに制御さ
れており、従って、この領域ではその時の減衰力可変型
緩衝器SAの行程である伸行程側がソフト特性となる。
【0046】また、領域dは、ばね上上下速度Vn が負
の値(下向き)のままで、相対速度は正の値から負の値
(減衰力可変型緩衝器SAの行程は伸行程側)になる領
域であるため、この時は、ばね上上下速度Vn の方向に
基づいて減衰力可変型緩衝器SAは圧側ハード領域SH
に制御されており、かつ、減衰力可変型緩衝器の行程も
圧行程であり、従って、この領域ではその時の減衰力可
変型緩衝器SAの行程である圧行程側が、ばね上上下速
度Vn の値に比例したハード特性となる。
【0047】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度Vn とばね上・ばね下間の相対速度とが同符号の
時(領域b,領域d)は、その時の減衰力可変型緩衝器
SAの行程側をハード特性に制御し、異符号の時(領域
a,領域c)は、その時の減衰力可変型緩衝器SAの行
程側をソフト特性に制御するという、スカイフック理論
に基づいた減衰力特性制御と同一の制御が、ばね上・ば
ね下間相対速度を検出することなしに行なわれることに
なる。そして、さらに、この実施例では、領域aから領
域b,及び領域cから領域dへ移行する時には、パルス
モータ3を駆動させることなしに減衰力特性の切り換え
が行なわれることになる。
【0048】以上説明したように、この実施例では、以
下に列挙する効果が得られる。 圧力補償の関係からの制約のないベース34側で圧
側の発生減衰力特性を可変制御可能としたことで、減衰
力可変型緩衝器SA全体としての圧側の減衰力特性可変
幅を、圧力補償の関係からの制約を越えて増大させるこ
とができるようになる。
【0049】 従来のスカイフック理論に基づいた減
衰力特性制御に比べ、減衰力特性の切り換え頻度が少な
くなるため、制御応答性を高めることができると共に、
パルスモータ3の耐久性を向上させることができる。
【0050】次に、前記実施例の減衰力特性可変型緩衝
器SAを用いたサスペンションシステムの他の例を、図
16のタイムチャートに基づいて説明する。なお、この
実施例は、ソレノイド6の制御内容が前記実施例と異な
るだけで、その他の制御内容は前記実施例と同様である
ため、相違点についてのみ説明する。
【0051】即ち、この実施例では、ばね上上下速度V
n が負のしきい値δC 以下になった場合に、伸側を低減
衰力特性に固定すると共に、圧側の減衰力特性をハード
特性側に変化させるべく圧側ハード領域SHに制御する
一方、図7の実線(ロ)で示すように、ソレノイド6へ
の通電電流を、パルスモータ3に対する制御信号(ステ
ップ角)に比例して増加させるようにしたものである。
【0052】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0053】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の減衰力
可変型緩衝器は、伸側の減衰力特性を可変制御可能で圧
側がソフト特性に固定の伸側ハード領域と、伸側及び圧
側が共にソフト特性に固定のソフト領域と、圧側減衰力
特性を可変制御可能で伸側がソフト特性に固定の圧側ハ
ード領域とを有する構造の減衰力特性可変手段をピスト
ン側に備えた構成としたことで、ばね上上下速度とばね
上・ばね下間の相対速度の方向判別符号が同符号の時
は、その時の緩衝器の行程側をハード特性に制御し、異
符号の時は、その時の緩衝器の行程側をソフト特性に制
御するという、スカイフック理論に基づいた減衰力特性
制御と同一の制御を、ばね上・ばね下間相対速度を検出
することなしにばね上上下速度のみに基づいて行なうこ
とが可能であると共に、圧力補償の関係からの制約のな
いベース側に、圧行程においてシリンダ内に侵入するピ
ストンロッドの体積分に相当する液体のリザーバ室方向
への流出を制限的に許容することで減衰力を発生させる
圧側減衰バルブと、該圧側減衰バルブのセット荷重を可
変することで発生減衰力特性を可変制御可能な減衰力特
性可変手段とを備えている構成としたことで、圧力補償
の関係からの制約を越えて圧側の減衰力特性の可変幅を
増大させることができるようになるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の減衰力可変型緩衝器におけるベ
ース部分の詳細を示す拡大断面図である。
【図2】本発明実施例の減衰力可変型緩衝器におけるピ
ストン部分の詳細を示す拡大断面図である。
【図3】本発明実施例の減衰力可変型緩衝器の全体を示
す断面図である。
【図4】実施例の減衰力可変型緩衝器を用いたサスペン
ションシステムの構成を示す構成説明図である。
【図5】実施例の減衰力可変型緩衝器を用いたサスペン
ションシステムの構成を示すシステムブロック図であ
る。
【図6】前記減衰力可変型緩衝器のピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記減衰力可変型緩衝器のパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記減衰力可変型緩衝器の要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記減衰力可変型緩衝器の要部を示す図5のL
−L断面及びM−M断面図である。
【図10】前記減衰力可変型緩衝器の要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記減衰力可変型緩衝器の伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記減衰力可変型緩衝器の伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記減衰力可変型緩衝器の圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置におけるコントロールユニットの
減衰力特性制御作動を示すフローチャートである。
【図15】実施例装置におけるコントロールユニットの
減衰力特性制御作動を示すタイムチャートである。
【図16】他の実施例装置におけるコントロールユニッ
トの減衰力特性制御作動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
SA 減衰力可変型緩衝器 B 下部室 6 ソレノイド(減衰力特性可変手段) 7 ピストンロッド 31 ピストン 32 リザーバ室 34 ベース 40 調整子(減衰力特性可変手段) 54 圧側減衰バルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸側の減衰力特性を可変制御可能で圧側
    がソフト特性に固定の伸側ハード領域と、伸側及び圧側
    が共にソフト特性に固定のソフト領域と、圧側減衰力特
    性を可変制御可能で伸側がソフト特性に固定の圧側ハー
    ド領域とを有する構造の減衰力特性可変手段をピストン
    側に備えると共に、ピストンで画成された一方の室とリ
    ザーバ室との間を画成するベースを備えた減衰力可変型
    緩衝器において、 前記ベース側に、圧行程においてシリンダ内に侵入する
    ピストンロッドの体積分に相当する液体のリザーバ室方
    向への流出を制限的に許容することで減衰力を発生させ
    る圧側減衰バルブと、該圧側減衰バルブのセット荷重を
    可変することで発生減衰力特性を可変制御可能な減衰力
    特性可変手段とを備えていることを特徴とする減衰力可
    変型緩衝器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016125577A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 株式会社ショーワ 圧力緩衝装置
DE102016103468A1 (de) 2016-02-26 2017-08-31 Showa Corporation Stoßdämpfer
US10029530B2 (en) 2013-09-30 2018-07-24 Showa Corporation Pressure damper and damping force generation mechanism

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