JPH0791063B2 - 黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタン粉末の製造方法 - Google Patents

黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタン粉末の製造方法

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JPH0791063B2
JPH0791063B2 JP3742787A JP3742787A JPH0791063B2 JP H0791063 B2 JPH0791063 B2 JP H0791063B2 JP 3742787 A JP3742787 A JP 3742787A JP 3742787 A JP3742787 A JP 3742787A JP H0791063 B2 JPH0791063 B2 JP H0791063B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタン
粉末の製造方法に関し、さらに詳しくは主に黒色顔料と
しての用途、あるいは導電材などの用途が期待される黒
色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタン粉末の製造方
法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来黒色顔料としてカーボンブラック粉末あるいは四三
酸化鉄粉末が広く用いられている。このうちカーボンブ
ラックは、黒色度および着色力ともに優れているが、疎
水性であるため水に濡れにくく、また一般に粒径が極端
に小さ過ぎるため、混合して用いる場合配合に応じ流動
性が敏感に変動しすぎ、このため使用時に困難が伴なう
という問題点があった。またカーボンブラック中には、
3,4−ベンツピレンなどの発癌性物質が混入する可能性
が指摘されており、人体への悪影響が懸念されている。
一方、四三酸化鉄は、その磁性のため凝集しやすく、顔
料として用いた場合に、色むらが生じやすいという欠点
がある。そしてまた、四三酸化鉄は、大気中で約150℃
程度の温度に加熱されると酸化されてγ−Fe2O3に変化
するため、熱安定性に乏しいという問題点があった。
このように従来の黒色顔料には、何らかの問題点があ
り、より品質の優れた黒色顔料が望まれ、このような情
況のもとで二酸化チタンを水素還元して黒色系低次酸化
チタンを得る方法がすでに提案されている。しかし、こ
の方法では、1,100℃以上の高温に加熱しないと還元反
応は進行せず、しかもこの際粒子が焼結して粗大化し、
微細で分散性の良い粉末を得ることはできなかった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解決
しようとするものであって、微細で分散性が良く、顔
料、導電材などの用途が期待される黒色系色彩を有する
超微粒子低次酸化チタン粉末の製造方法を提供すること
を目的とする。
発明の概要 上記技術的課題を解決するため、本発明者等は鋭意研究
したところ、金属チタン製羽根付攪拌棒および金属チタ
ン製攪拌混合用ボールを備えた金属チタンで内張りした
反応容器内で、超微粒子(一般に粒径が0.1μm以下の
粒子を超微粒子と呼んでいる)状態の二酸化チタン粉末
を水素および窒素からなる混合ガス雰囲気下で前記攪拌
棒を回転させつつ、600〜1,000℃の温度で加熱還元する
ことによって、TinO2n-1(1≦n≦10)の化学式を有す
るであろうと推察される黒色系の低次酸化チタンが得ら
れることを見出し、さらに詳細に検討し本発明を完成さ
せた。
本発明に係る黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタ
ン粉末の製造方法は、金属チタン製羽根付攪拌棒および
球径0.01〜9mmの金属チタン製攪拌混合用ボールを備え
た金属チタンで内張りした反応容器内で、超微粒子二酸
化チタン粉末を水素および窒素からなる混合ガス雰囲気
下で、前記攪拌棒を回転させつつ、600〜1,000℃の温度
で加熱還元することを特徴としている。
なお、前記TinO2n-1の化学式中のn値は、二酸化チタン
粒子の粒径、二酸化チタンの種類(アナターゼ型、ルチ
ル型、ブルッカイト型)、反応温度、水素および窒素か
らなる混合ガスの組成、あるいは流量等に応じて変化す
る。すなわち、製造条件を変えることにより、種々の黒
色度、粒径および導電性を有する超微粒子の低次酸化チ
タン粉末が得られ、目的および用途に応じた適したもの
を製造することが可能となる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化
チタン粉末の製造方法について具体的に説明する。
黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタン粉末を製造
するためにあたって、第1図に示すような反応容器1が
用いられるが、この反応容器1は、金属チタン製の羽根
2を有する付攪拌棒3および球径0.01〜9mm、好ましく
は0.05〜5mmの金属チタン製攪拌混合用ボール4を備
え、しかも金属チタン5で内張りされている。このよう
な反応容器1には、還元されるべき二酸化チタン6が充
填される。
本発明では、反応容器1は金属チタンで内張りされてい
たり、あるいは金属チタン製の羽根付攪拌棒を備えてい
るが、金属チタンは二酸化チタンに対し還元作用を示す
ため、還元されるべき二酸化チタンが反応容器に設けら
れた金属チタンと接触することで、二酸化チタンの低次
酸化チタンへの変化を促進させることになる。
また、第1図に示す反応容器を用いる利点としては、伝
熱効果があげられる。すなわち、原料として用いる二酸
化チタンは、超微粒子ゆえにその粒子間に大きな空隙を
有しており、この空隙による断熱効果のため反応に必要
な熱エネルギーが伝わりにくい。しかも、本発明で使用
する反応容器にあっては、上述の金属チタン製の羽根付
攪拌棒および攪拌混合用ボールが組み込まれており、し
たがって攪拌による反応の促進効果以外に、これらが熱
媒体となって効率よく反応に必要な熱エネルギーを二酸
化チタンに伝え反応をより促進するという効果が得られ
る。その結果その反応温度をより低い温度範囲とするこ
とができる。
本発明では、原料として超微粒子状態の二酸化チタン粉
末6が用いられる。この超微粒子状態の二酸化チタンの
粒径は0.01〜0.04μmであることが好ましい。二酸化チ
タンは、アナターゼ型、ルチル型あるいはブルッカイト
型のいずれを用いてもよくその種類は問わない。
また、原料として上述の超微粒子二酸化チタンを用いる
ことにより、粒径0.02〜0.05μm程度の微細な黒色低次
酸化チタン粉末が得られる。
また、粒径0.01〜0.04μmの超微粒子を原料とすること
によって、還元反応が促進され、従来の水素還元法に比
し、より加熱処理温度を下げることができるという効果
が認められる。すなわち、本発明にあっては、加熱処理
温度を600℃程度にまで下げることが可能となり、この
ため粒子同士が焼結しにくくなり、還元反応により得ら
れる黒色低次酸化チタンの粒径を小さくすることがで
き、0.02〜0.05μm程度の微細な低次酸化チタンの黒色
粉末が得られる。
このような二酸化チタン粉末6は、反応容器1内に充填
され、水素および窒素からなる混合ガス雰囲気下で、上
述の攪拌棒で攪拌しつつ600〜1,000℃の温度で加熱還元
される。この際用いられる混合ガスは、水素が10〜95容
量%好ましくは50〜80容量%であり、窒素が5〜90容量
%好ましくは20〜50容量%であることが好ましい。この
ように水素および窒素からなる混合ガスを用いることに
より、二酸化チタン中の酸素原子がこの水素の作用で脱
離する際に一部窒素原子が固溶し結晶構造が安定化する
ため、従来の水素還元法に比べ、より低温での還元反応
が可能になったとと推察される。
水素および窒素からなる混合ガスは、反応容器1内に導
入口7から連続的に供給され、導出口8から排除される
ことが好ましい。
加熱温度が、600℃未満であると、得られる酸化チタン
の色調が灰色系となるため好ましくない。600℃未満の
温度で加熱した場合には、還元反応が十分進まないた
め、得られる酸化チタンの色調が灰色系となるのであろ
うと推察される。また、1,000℃を越えた温度で加熱す
ると、高温すぎるため、焼結が進行しすぎて粒子が粗大
化し細かい分散性の良い粉末は得られないため、好まし
くない。本発明にあっては、600〜1,000℃の温度範囲内
の温度で加熱処理した場合に、良好な黒色顔料が得られ
るが、一般に高温で焼成するほど化学式TinO2n-1のn値
が小さくなり黒色度も高まる傾向がある。
上記のような加熱は、2〜3時間程度で行なわれること
が好ましく、比較的短時間のうちに還元反応が進行す
る。
なお反応容器1を加熱するには、反応容器の外周にヒー
タ9を設ければよく、また羽根2付攪拌棒3はモータ10
により回転させることができる。
発明の効果 本発明に係る黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタ
ン粉末の製造方法によれば、原料として超微粒子状二酸
化チタン粉末を用い、また水素および窒素からなる混合
ガス雰囲気下において、チタン金属製の羽根付攪拌棒お
よび攪拌混合用ボールを備えた金属チタンで内張りした
反応容器内で加熱処理することによって、従来の水素還
元法に比べ、より低温での還元反応が可能となるととも
に、還元反応が迅速に進行し、したがって加熱時間は2
〜3時間という比較的短時間で良く、その結果加熱エネ
ルギーが大幅に節約できコスト低減が図れる。
また、還元反応の温度、すなわち加熱温度をより低下な
らしめることが可能となるため、粉末の粗大化を防ぐこ
とができ、粒径0.02〜0.05μm程度の微細な黒色粉末状
態の低次酸化チタンを得ることができるという効果をも
有する。
このように本発明に係る製造方法によって製造された低
次酸化チタン粉末は、その粒径が微細であるため、従来
のミクロン単位の黒色粉末では得られない諸々の特性を
有し、黒色顔料として用いた場合、その着色力は大き
く、また分散性が非常に良い、等の特性が得られる。
また導電材料として用いたときのテープ等へのコーティ
ング性に著しい向上が見られ、さらに微細粒子は反応活
性が一般に高いため触媒としての用途等にもより好適な
ものとして使用できる。
以上のように、本発明に係る製造方法によって得られた
黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタン粉末は、前
記のような用途が考えられるが、次に表1にカーボンブ
ラックならびに四三酸化鉄と本発明で得られた低次酸化
チタンの特性との比較を示す。
表1より本発明で製造された超微粒子低次酸化チタン
は、その色調(L値)が8〜10で十分な黒さを持ち、ま
た耐熱性においても優れていることがわかる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
実施例1 原料として粒径0.015μmのアナターゼ型二酸化チタン
粉末を用い、水素/窒素=1:1割合の混合ガスを第1図
に示すような反応容器流速2/minで流しながら、この
混合ガス雰囲気下で金属チタン製羽根付攪拌棒を回転さ
せつつ、前記二酸化チタン粉末を900℃の温度条件で2
時間加熱処理し、次いで400℃以下に冷却して生成物を
取り出した。
得られた生成物は、黒色の超微粒子粉末状態の低次酸化
チタンで、X線回析などの測定の結果、化学式はTinO
2n-1(n=1,2)であり、その粒径は0.02μmであり、
色調L値は9であり、比表面積は52m2/gであった。
実施例2 原料として粒径0.01μmのルチル型二酸化チタン粉末2
を用い、水素/窒素=2:1の割合の混合ガスを第1図に
示すような反応容器内へ流速1/minで流しながら、こ
の混合ガス雰囲気下で前述の羽根付攪拌棒を回転させつ
つ、前記二酸化チタン粉末を850℃の温度条件で3時間
加熱処理し、次いで冷却後生成物を取り出した。
得られた生成物は、黒色の超微粒子粉末状態の低次酸化
チタンで、X線回析などの測定の結果、化学式はTinO
2n-1(n=1〜4)であり、その粒径は0.015〜0.02μ
mであり、L値は10であり、比表面積は48m2/gであっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る黒色系色彩を有する超微粒子低
次酸化チタン粉末を製造するための装置の説明図であ
る。 1……反応容器、2……金属チタン製羽根 3……金属チタン製攪拌棒 4……金属チタン製攪拌混合用ボール 5……金属チタン製内張り 6……二酸化チタン粉末

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属チタン製の羽根付攪拌棒および球径0.
    01〜9mmの金属チタン製攪拌混合用ボールを備えた金属
    チタンで内張りした反応容器内で、超微粒子二酸化チタ
    ン粉末を、水素および窒素からなる混合ガス雰囲気下
    で、前記攪拌棒を回転させつつ600〜1,000℃の温度で加
    熱還元することを特徴とする、黒色系色彩を有する超微
    粒子低次酸化チタン粉末の製造方法。
JP3742787A 1987-02-20 1987-02-20 黒色系色彩を有する超微粒子低次酸化チタン粉末の製造方法 Expired - Lifetime JPH0791063B2 (ja)

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