JPH0790607A - プレス成形性、スポット抵抗溶接性および耐食性に優れたアルミニウム材料 - Google Patents

プレス成形性、スポット抵抗溶接性および耐食性に優れたアルミニウム材料

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JPH0790607A
JPH0790607A JP19820893A JP19820893A JPH0790607A JP H0790607 A JPH0790607 A JP H0790607A JP 19820893 A JP19820893 A JP 19820893A JP 19820893 A JP19820893 A JP 19820893A JP H0790607 A JPH0790607 A JP H0790607A
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aluminum material
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weldability
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JP19820893A
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Naoki Nishiyama
山 直 樹 西
Nobuo Totsuka
塚 信 夫 戸
Koji Uesugi
杉 康 治 上
Masaki Mabuchi
渕 昌 樹 馬
Motohiro Nanbae
波 江 元 広 難
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JFE Steel Corp
Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アルミニウム合金板の成形性、溶接性、耐食性
をいずれも著しく改善し、現有の鋼板用製造ラインでも
使用可能なレベルにまで諸特性を著しく向上させたアル
ミニウム合金板などのアルミニウム材料の提供。 【構成】エッチング処理後、皮膜中の全クロム量が5〜
100mg/m2 のクロメート皮膜を第1層として形成
し、その上に第2層として有機樹脂皮膜を固形皮膜とし
て乾燥膜厚0.01〜3μm形成したアルミニウム材表
面に無機潤滑粒子および/または有機潤滑粒子をそれぞ
れ0.05〜30重量%、0.05〜20重量%、合計
で0.05〜40重量%含有する防錆油層を形成してな
るプレス成形性、スポット抵抗溶接性および耐食性に優
れたアルミニウム材料。また前記無機潤滑粒子は、平均
粒径50μm以下の二硫化モリブデンおよび/または窒
化ホウ素粉末であり、前記有機潤滑粒子は、平均粒径5
0μm以下でかつ融点60℃以上のワックスであり、こ
れら潤滑性粉末を防錆油中に均一に分散させて塗布する
のが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレス加工して使用され
るアルミニウム合金板などのアルミニウム材料に関する
もので、主として自動車用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー、CO2 による地球
環境問題等の観点から自動車の軽量化が積極的に推進さ
れている。この自動車の軽量化に適応する材料として、
信頼性、加工性、リサイクル利用の容易さ等種々の利点
を有するため、アルミニウム合金板が脚光を浴び、近年
多用されつつある。
【0003】しかしながら、車体パネルへのアルミニウ
ム合金板の適用には、従来多用されている鋼板に比べて
特性が異なるために多くの問題を抱えている。特にアル
ミニウム合金板用の専用設備を導入することは多大の投
資を伴うことから、現有の鋼板用のラインを用いて同時
処理することが必要となるが、そのために解決すべき問
題は多い。
【0004】代表的問題とこれらの問題を改善するため
の従来技術は以下のものがある。 (1)プレス成形性 アルミニウム合金板のプレス成形性は鋼板の成形性に比
べて極めて悪いため、車体パネルへの適用はフードのよ
うな軽加工の部材に限定され、より複雑でかつ強加工を
行うドア材等への適用は困難であった。アルミニウム合
金板のプレス成形性が悪いのは、素材のアルミニウム自
体の成形性が悪いことに加えて、アルミニウムが低融点
で軟質であるため、プレス金型に多用されている鋳鉄な
どとの親和力が強く、金型に凝着しやすい性質を有する
ために、摺動性が悪いことに起因している。
【0005】このようなアルミニウム合金板の成形性を
改善するには、素材自体の成形性を上げるための合金成
分の調整、合金の高純度化、焼鈍条件の適正化等の試み
がなされているが、金属結晶構造的な限界から、現在以
上の大幅な改善(鋼板と同等レベルにすること)は困難
であると思われる。
【0006】一方、表面摺動の観点からの成形性の改善
の試みが行われており、特開昭55−149727号公
報にはプラスチックフィルムを添装して改善する方法
が、特開平2−245274号公報にはパラフィンワッ
クスを塗布することによる改善法が開示されている。
【0007】(2)スポット抵抗溶接性 アルミニウム合金板のスポット溶接性は、その電極寿命
が鋼板に比べて極端に劣るため、車体の生産効率を悪く
している。すなわち、アルミニウム合金板の溶接では電
極との溶着現象が起こりやすく、また同一の電極で適正
なナゲットを得ることができる連続打点数が著しく短い
ため、溶着が起こる前や適切なナゲットが形成されなく
なる前に、電極先端形状をドレッシングによって整えた
り、新しい電極と交換する頻度が多くなる。このことが
溶接効率ひいては車体の生産効率を悪くする原因となっ
ている。
【0008】溶接性を改善するための従来技術として
は、例えば特開昭57−4889号公報にはアルミニウ
ム合金板の表面にCr、Ni、Cu、Agめっきを施す
ことによる溶接性の改善方法が、特開昭60−1874
83号公報にはアルミニウム合金板表面の酸化皮膜を陽
極酸化法で制御して溶接性を改善する方法が、特開平3
−146693号公報にはアルミニウム合金板表面にN
iめっきとその上層にZnめっきを施すことで溶接性を
改善する方法が開示されている。
【0009】(3)耐食性 自動車車体には通常りん酸亜鉛化成処理が施されるが、
アルミニウム合金板は鋼板に比べ、りん酸亜鉛化成処理
性が悪い問題がある。すなわち、アルミニウム合金板は
鋼板用化成処理液で処理すると、化成結晶が粗大でスケ
(化成結晶の欠落)等のある欠陥皮膜となる。また、溶
出したアルミニウムイオンが化成処理液中に蓄積すると
化成皮膜が形成されなくなり、鋼板と同時処理する場合
には、鋼板の化成処理性をも阻害する問題が起こる。化
成不良は塗料密着性を低下させ、糸錆腐食が容易に生じ
るようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
では、成形性、溶接性、耐食性のいずれかを改善する技
術であり、すべての特性に関しては必ずしも満足すべき
特性を得るには至っていない。本発明は、アルミニウム
合金板の成形性、溶接性、耐食性をいずれも著しく改善
し、現有の鋼板用製造ラインでも使用可能なレベルにま
で諸特性を著しく向上させたアルミニウム合金板などの
アルミニウム材料の提供を目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はアルミニウム合
金板を自動車車体に適用するに当っての問題点について
鋭意検討し、以下の知見を得たことに基づいて完成した
ものである。まず、成形性の改善については以下の知見
に基づいている。すなわち、本質的にはアルミニウム合
金板の成形性を向上させることが重要であるが、同一材
料であっても表面の摺動性を向上させることによって成
形性を向上させ得るとの知見を得、かつこの摺動性向上
にはアルミニウム合金材表面に無機潤滑粒子および/ま
たは有機潤滑粒子をそれぞれ0.05〜30重量%、
0.05〜20重量%、合計で0.05〜40重量%含
有する防錆油層を形成することが有効であることを見出
した。
【0012】またスポット溶接性の改善については以下
の知見に基づいている。すなわち、アルミニウム合金板
を同一の銅系電極を用いて連続的にスポット抵抗溶接を
繰り返し実施すると、電極先端の通電径が打点とともに
拡大し、これにともなう板中の電流密度の低下によって
ナゲット径も減少し、ついには電極寿命となる。アルミ
ニウム合金板の場合には鋼板に比べて電極先端径の拡大
速度が著しく大きいことに特徴がある。
【0013】その原因について鋭意検討した結果、アル
ミニウムの電気伝導度は鋼板に比べて大きく溶接時の発
熱は電気伝導度の小さい表面酸化物に支配されるため、
熱圧延時に生成した絶縁性の不均一酸化皮膜を有するア
ルミニウム合金板に通電すると、接合部と電極面先端と
アルミニウム合金板の接触部に発熱が集中する。
【0014】このため、電極と接触している部分のアル
ミニウム合金が容易に溶解し電極先端に付着し、この電
極先端に付着したアルミニウム合金が打点とともに酸化
物となって堆積して絶縁層を形成するため、電極とこの
形成された絶縁層の間でスパークを起こし電極が虫食い
状に欠損し、電極先端径の拡大が促進するため、電極寿
命が極端に劣化するとの知見を得た。
【0015】以上の知見から、アルミニウム合金板に樹
脂層を形成させることによって、電極チップとアルミニ
ウム合金板が直接接触することを防止し、電極チップへ
の溶けたアルミニウム合金の付着を抑制することが、電
極チップの損耗を減少させ連続打点数を著しく向上させ
ることを見いだした。また、エッチング処理によってア
ルミニウム表面に存在する熱圧延時に生成した絶縁性の
不均一酸化皮膜の一部またはほとんど除去することで表
面抵抗が低下し、スポット抵抗溶接性がさらに改善され
ることがわかった。
【0016】ここでいうエッチング処理とはアルカリエ
ッチング処理により表面のアルミナ層を除去する処理、
または酸性水溶液中で主としてマグネシア層を除去する
酸洗処理、またはアルカリエッチング処理後酸洗処理を
行う処理である。
【0017】また、耐食性の改善については以下の知見
に基づいている。すなわち、アルミニウム合金板の耐食
性で最も問題となる糸錆腐食は、主にアルミニウム合金
板の化成不良に起因し、化成結晶の欠陥部でアルミニウ
ムの電気化学的溶解が促進され、糸錆腐食が進行する。
しかし、アルミニウム合金表面にクロメート処理を行
い、さらに樹脂層を形成することで糸錆腐食を顕著に抑
制できることを見出した。また、クロメート処理後に樹
脂層を形成することでりん酸亜鉛化成処理液中へアルミ
ニウムイオンが溶出しないため、アルミニウムイオンの
蓄積による同時処理される鋼板の化成不良を防止できる
ことも知見した。
【0018】すなわち、上記目的を達成するために本発
明によれば、エッチング処理後皮膜中の全クロム量が5
〜100mg/m2 のクロメート皮膜を第1層として形
成し、その上に第2層として有機樹脂皮膜を固形皮膜と
して乾燥膜厚0.01〜3μm形成したアルミニウム材
表面に無機潤滑粒子および/または有機潤滑粒子をそれ
ぞれ0.05〜30重量%、0.05〜20重量%、合
計で0.05〜40重量%含有する防錆油層を形成する
ことでプレス成形性、スポット抵抗溶接性および耐食性
に優れたアルミニウム材料が提供される。
【0019】ここでエッチング処理とは、アルカリ水溶
液により表面のアルミナ層を除去する処理、または酸性
水溶液中で主としてマグネシア層を除去する酸洗処理、
またはアルカリエッチング処理後酸洗処理を行う処理に
より表面の酸化物層の一部またはほとんどを除去する処
理のいずれかの処理である。
【0020】また前記無機潤滑粒子は、平均粒径50μ
m以下の二硫化モリブデンおよび/または窒化ホウ素粉
末であり、前記有機潤滑粒子は、平均粒径50μm以下
でかつ融点60℃以上のワックスであり、これら潤滑性
粉末を防錆油中に均一に分散させて塗布するのが好まし
い。
【0021】
【作用】以下本発明をさらに詳細に説明する。本発明に
おけるアルミニウム材料とは、アルミニウムあるいはア
ルミニウム合金板など広く包含し、特に制限されない。
例えば、JIS H4000に規定される各種アルミニ
ウム合金板であってもよい。
【0022】本発明においては、表面抵抗を低下させて
スポット抵抗溶接性を向上させるため、および均一なク
ロメート層を形成させるために、エッチング処理によっ
てアルミニウム合金板表面に形成されている製造工程で
生じた不均一な酸化物層の一部あるいはほとんどを除去
する。
【0023】エッチング処理としてはアルカリ水溶液に
より表面のアルミナ層を除去するアルカリエッチング処
理、または酸性水溶液中で主としてマグネシア層を除去
する酸性処理、またはアルカリエッチング処理後酸洗処
理を行う処理のいずれかが用いられる。
【0024】これらのアルカリエッチング処理、酸洗処
理としては、通常アルミニウム合金の処理方法として行
われている方法でよく、市販の処理液を使用することも
可能である。例えば、アルカリエッチング処理として
は、苛性ソーダ、苛性カリなどを、酸洗処理としては、
硫酸、硝酸、フッ酸、硝酸+フッ酸混合液などを用いる
ことができる。
【0025】本発明においては、エッチング処理後耐食
性の向上の目的でクロメート処理を行うが、クロメート
処理の方法は通常行われる処理法でよく、例えば反応型
クロメート処理、塗布型クロメート処理、電解クロメー
ト処理などいずれの方法でもよいが、均一にクロメート
皮膜を形成できることから、反応型クロメート処理また
は塗布型クロメート処理が好ましい。
【0026】クロメート量は糸錆防止のため少なくとも
金属クロム換算で5mg/m2 以上の付着量が必要であ
り、付着量が100mg/m2 を越えるとこれ以上の大
幅な耐食性改善効果がなく、不経済であるばかりでなく
スポット抵抗溶接性も低下するため5〜100mg/m
2 とした。
【0027】本発明においてクロメート皮膜上の第2層
目の皮膜は有機樹脂であり、例えばエポキシ樹脂、アル
キド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエ
ステル樹脂の1種または2種以上の樹脂が代表的に用い
られる。
【0028】これらの樹脂の膜厚は0.01μm未満で
は樹脂が完全に表面を覆うことができないため耐食性が
充分ではなく、3.0μmを越えると溶接性が低下する
ため0.01〜3.0μmの範囲とした。
【0029】本発明において、有機樹脂被覆後の表面に
形成される防錆油層は基油に無機潤滑粒子および/また
は有機潤滑粒子を添加混合したものを塗布してなるもの
である。
【0030】無機潤滑粒子としては、例えば二硫化モリ
ブデン、窒化ホウ素粉末の1種または2種の混合物が用
いられる。これらの混合物はあまり過小では潤滑効果が
少なく、過剰では溶接性を低下させるため、0.05〜
30重量%に限定した。
【0031】また無機潤滑粒子の平均粒径が50μmを
越える粒子では分散性が悪く塗油後の分散性が低下し、
溶接性が低下するため、平均粒径50μm以下が好まし
い。
【0032】有機潤滑樹脂は合成ワックス、天然ワック
スのいずれを用いてもよい。しかし融点60℃未満のワ
ックスでは極圧状態での粘度が小さくなりすぎて潤滑効
果が充分でないため、融点60℃以上のワックスがよ
い。また有機潤滑粒子の添加量および平均粒径は前記無
機潤滑粒子と同様な理由によってそれぞれ0.05〜2
0重量%、平均粒径50μm以下とした。
【0033】なお無機潤滑粒子と有機潤滑粒子を併用す
る場合は添加量の限界は40重量%まで上昇するが、そ
れ以上では溶接性を低下させるため、0.05〜40重
量%に限定した。
【0034】なお防錆油は一般に使用されているものを
用いればよく、特に限定はされない。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0036】(実施例)自動車車体用材料として使用さ
れている代表的なアルミニウム合金板である1mm厚の
JIS A5182の合金板を用い、トリクロールエチ
レンで蒸気脱脂した後、表1に示す処理を施した。
【0037】使用したクロメート液、有機樹脂は以下の
通りである。 (クロメート液) 塗布型:日本パーカライジング製 4513H 反応型:日本パーカライジング製 アルクロム713
【0038】(有機樹脂) エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ株式会社製 エピコ
ート1007 アルキッド樹脂 三井東圧化学株式会社製 ユリックス アクリル樹脂 三井東圧化学株式会社製 アルテマック
ス749−7 ウレタン樹脂 三井東圧化学株式会社製 オレスター フェノール樹脂 大日本インキ化学工業株式会社 スー
パーベッカサイト メラミン樹脂 三井東圧化学株式会社製 ユーバン ポリビニルブチラール樹脂 電気化学工業株式会社 デ
ンカブチラール ポリエステル樹脂 三井東圧化学株式会社製 アルテマ
ックスP645
【0039】次に市販の防錆油である杉村化学製プレト
ンR303Pおよび昭和シェル石油製T7F16を基油
としてそれぞれ無機潤滑粉および/または有機潤滑粉を
添加混合し、表2の割合に調合した油をアルミニウム合
金板表面に浸漬法により塗布した。塗布量は塗布前後の
板の重量差から決定した。
【0040】潤滑粉の粒径は混合後の油を直接光学顕微
鏡で観察する方法と光分散法によって測定した。潤滑粉
の分散、攪拌、混合は基油とともにボールミルで攪拌す
ることによって行った。
【0041】なお表2に示すワックスは以下のものを用
いた。 ワックス1 サンノプコ社製 SNワックス22−SF ワックス2 サンノプコ社製 SL506 ワックス3 安原油脂工学社製 アローワックス ワックス4 同上ワックスの攪拌・粉砕時間を短くした
もの ワックス5 日本石油製 パラノック203
【0042】(加工性の試験と評価方法)処理後のアル
ミニウム合金板の加工性は70mmφに打ち抜いた各サ
ンプルを径33mmφの高速円筒絞り加工(加工速度5
00mm/sec)し、絞り抜けたものを良(○)、絞
り抜けずに割れたものを不良(×)とした。
【0043】(溶接性の試験と評価方法)処理後のアル
ミニウム合金板の電極寿命はインバーター直流溶接機を
用いて下記の電極および溶接条件にて評価した。評価は
溶接するまでの打点数又はナゲット径が4√t(t:板
厚)を下まわるまでの打点数のいずれかの少ない打点数
でその効果を判定した。評価基準はその打点数が500
点未満を不良(×)、500〜1000点を普通
(△)、1000点以上を良(○)とした。
【0044】(電 極) ・形 状 :円錐台頭(CF)型 ・先端径 :5.0mmφ ・材 質 :Cr−Cu
【0045】(溶接条件) ・加 圧 :150kgf ・初期加圧時間:20/50秒 ・通電時間 :6/50秒 ・保持時間 :5/50秒 ・溶接電流 :15kA
【0046】(塗装後耐食性の試験と評価方法)処理後
のアルミニウム合金板を、りん酸塩処理(日本パーカラ
イジング社製PB−L3080、1.6g/m2 )、カ
チオン電着塗装(関西ペイント社製EL−No.200
0、20μm)、吹き付けによる中塗り(関西ペイント
社製TP37、35μm)、上塗り塗装(関西ペイント
社製TM13RC、35μm)した後、アルミ素地まで
達するクロスカットをいれ、JIS Z2371による
塩水噴霧を24時間行い、その後50℃、95%RHの
湿潤雰囲気で2000時間放置した後に、クロスカット
部から発生した糸錆の最大長さを測定した。判定は糸錆
長さ2mm以下を良好(○)、2mmを越えた場合を不
良(×)とした。
【0047】本発明例および比較例を表1、表2にまと
めて示す。表1、表2から明らかなように本発明はアル
ミニウム合金板のプレス成形性、スポット抵抗溶接性お
よび耐食性の改善に極めて効果があることがわかる。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明によればエッチング処理後、クロ
メート処理、有機樹脂被覆処理したアルミニウム合金板
に粉末状潤滑剤を含有する防錆油層を形成することによ
って、プレス成形性、スポット抵抗溶接性および耐食性
は著しく改善され、プレス成形時およびスポット抵抗溶
接時の生産性が飛躍的に向上できる。
フロントページの続き (72)発明者 戸 塚 信 夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 上 杉 康 治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 馬 渕 昌 樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 難 波 江 元 広 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エッチング処理後、皮膜中の全クロム量が
    5〜100mg/m2 のクロメート皮膜を第1層として
    形成し、その上に第2層として有機樹脂皮膜を固形皮膜
    として乾燥膜厚0.01〜3μm形成したアルミニウム
    材表面に無機潤滑粒子および/または有機潤滑粒子をそ
    れぞれ0.05〜30重量%、0.05〜20重量%、
    合計で0.05〜40重量%含有する防錆油層を形成し
    てなることを特徴とするプレス成形性、スポット抵抗溶
    接性および耐食性に優れたアルミニウム材料。
  2. 【請求項2】上記エッチング処理が、アルカリ水溶液に
    より表面のアルミナ層を除去するアルカリエッチング処
    理、または酸性水溶液中で主としてマグネシア層を除去
    する酸洗処理またはアルカリエッチング処理後酸洗処理
    を行う処理である請求項1に記載のプレス成形性、スポ
    ット抵抗溶接性および耐食性に優れたアルミニウム材
    料。
  3. 【請求項3】前記有機樹脂がエポキシ樹脂、アルキッド
    樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、
    メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、およびポリ
    エステル樹脂から選ばれた1種または2種以上の混合物
    である請求項1または2に記載のプレス成形性、スポッ
    ト抵抗溶接性および耐食性に優れたアルミニウム材料。
  4. 【請求項4】前記無機潤滑粒子が平均粒径50μm以下
    の二硫化モルブデンおよび/または窒化ホウ素粉末であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のプレス成形性、スポ
    ット抵抗溶接性および耐食性に優れたアルミニウム材
    料。
  5. 【請求項5】前記有機潤滑粒子が平均粒径50μm以下
    でかつ融点60℃以上のワックスである請求項1〜4の
    いずれかに記載のプレス成形性、スポット抵抗溶接性お
    よび耐食性に優れたアルミニウム材料。
JP19820893A 1993-08-10 1993-08-10 プレス成形性、スポット抵抗溶接性および耐食性に優れたアルミニウム材料 Withdrawn JPH0790607A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6283166B1 (en) 1998-02-10 2001-09-04 Nitto Boseki Co., Ltd. Woven glass fabrics and laminate for printed wiring boards

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6283166B1 (en) 1998-02-10 2001-09-04 Nitto Boseki Co., Ltd. Woven glass fabrics and laminate for printed wiring boards

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