JP3217890B2 - 高耐食性、高加工性超高張力冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高耐食性、高加工性超高張力冷延鋼板およびその製造方法

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JP3217890B2 JP02825493A JP2825493A JP3217890B2 JP 3217890 B2 JP3217890 B2 JP 3217890B2 JP 02825493 A JP02825493 A JP 02825493A JP 2825493 A JP2825493 A JP 2825493A JP 3217890 B2 JP3217890 B2 JP 3217890B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス、張出し、およ
び軽絞り成形等に適し、塗装後耐食性を要求される鋼板
のうち、主としてバンパー部品・ドアガードバー部品な
どの強度部材に適用される引張強度(TS)が概ね80
kgf/mm2 を越える、超高張力冷延鋼板およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の安全性の向上、軽量化の
観点からバンパー、ドアガードバーなどの強度部材にT
Sが60kgf/mm2 を越える高張力冷延鋼板が多用されて
いる。これらの鋼板に要求される特性としては高強度と
ともに、すぐれた延性と曲げ加工性(良局部延性)が要
求される。また軽量化の場合は薄肉化のため、信頼性の
観点から表面処理を行い耐食性を向上させる必要があ
る。
【0003】このような要求に応える鋼板として、例え
ば特公平3−21608号に示すような低温変態相で組
織強化した鋼板が知られている。しかしこれも曲げ成形
性は良好であるが延性がせいぜい20%どまりであり、
またTSが100kgf/mm2 以上での延性は10%以下で
あり充分でない。また、延性に優れた鋼板として、残留
オーステナイトを多量(概ね10%以上)に存在させる
ことで延性の向上をねらったいわゆるTRIP鋼がある
が、これは、冶金的に高C鋼とならざるを得ず、スポッ
ト溶接をはじめとする溶接が困難であるという問題と、
延性の改善のために残留オーステナイト量を多くした場
合に発生するいわゆる「遅れ破壊」の問題がある。また
これらの高強度鋼板ではプレス加工時に大きなダイ面圧
を生ずるために型の摩耗が顕在化した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術で製造
された鋼板は、高強度・高延性で高局部延性さらに耐遅
れ破壊特性にも優れるというすべての条件を満足するこ
とができない。本発明の解決課題の第1は上記すべての
要件を満足する薄鋼板を開発することにある。また、薄
肉化に対応する耐食性の向上要求に対しては、適性な表
面処理を行うことで対処する。
【0005】したがって、本発明は、上述した従来技術
の欠点を解消し、高耐食性で、加工性のよい超高張力冷
延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低C鋼に
比較的多量のMnを添加したアルミキルド鋼を基本組成
とし、必要に応じてSi,Cr,Mo,B,V,Ti,
Nbを選択して添加した鋼をもちいて主として低温変態
相による組織強化で強化した鋼板を用いることで高強度
で高局部延性を有する鋼板が製造できることを見出し
た。そして、これらの組織強化を用いた場合の延性の低
下を補う手段として粉末状潤滑剤を含有する樹脂を塗布
することが有効で、かつその樹脂と鋼板の密着性を確保
し、かつ、耐食性をさらに向上させるために樹脂と鋼板
の間にクロメート層を形成することが有効であることを
見出した。さらに本発明の内容によれば、鋼中の水素に
関係するとされるいわゆる「遅れ破壊」特性についても
実際の使用環境において充分に対応できることも同時に
見出した。この手法によれば型との摩擦を低減できるの
で、型の摩耗の防止にも有効である。
【0007】本発明は上記の知見に基づきなされたもの
である。すなわち、本発明の第1の態様によれば、C
:0.02〜0.30wt%、Mn:0.20〜3.
50wt%、Al:0.100wt%以下を基本組成と
し、さらに、Si:0.100〜1.500wt%、C
r:0.100〜1.000wt%、Mo:0.100
〜1.000wt%、P :0.020〜0.100w
t%、B :5〜100ppm よりなるA群、Cu:
0.05〜1.000wt%、Ni:0.05〜0.5
00wt%、V :0.010〜0.200wt%、T
i:0.010〜0.200wt%、Nb:0.010
〜0.100wt%よりなるB群のうちより選ばれた1
種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可避的不
純物よりなり、組織的にフェライト相が面積率で3%以
下であり、残部ベイナイトもしくはマルテンサイトから
なる鋼板の表面に、付着量が金属Cr換算で10〜15
0mg/m2 のクロメート処理層と、その上層に下記
(a)〜(c)の配合でかつ乾燥膜厚で0.1〜3.0
μmの有機樹脂混合物層を形成してなる、高耐食性、高
加工性超高張力冷延鋼板が提供される。 (a)有機樹脂 100重量部 (b)粉末状潤滑剤 0.5〜20重量部 (c)導電性微粒子 1.0〜40重量部
【0008】ここで、前記有機樹脂が、エポキシ樹脂、
アルキド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リエステル樹脂の1種または2種以上からなるのが好ま
しい。また、前記粉末状潤滑剤が、ポリオレフィンワッ
クスおよび/またはフッ素系樹脂であり、その平均粒径
が0.1〜10μmで、かつ、前記有機樹脂混合物層の
乾燥膜厚の1.0〜10倍であるのが好ましい。さら
に、前記導電性微粒子が、Cu、Ni、Ag、Al、Z
n、Cr、Fe、Coおよびそれらの合金、カーボンブ
ラック、カーボングラファイトから選ばれた1種または
2種以上の粒子であり、その平均粒径が0.1〜5μm
で、かつ、前記有機樹脂混合物層の乾燥膜厚の1.0〜
2倍であるのが好ましい。
【0009】本発明の第2の態様によれば、上記化学組
成の鋼を連続鋳造法によりスラブとした後熱間圧延、冷
間圧延を行ったのち、連続焼鈍法により800℃以上で
900℃以下の温度範囲に10s以上で180s未満の
保持を行った後に30℃/s以上の冷却速度で400℃
以下で250℃以上の温度範囲まで急冷して冷延鋼板と
し、さらに該冷延鋼板を脱脂、洗浄、乾燥処理した後、
クロメート処理液を金属Cr換算で10〜150mg/
2 の付着量となるように塗布し、100℃以上の温度
で乾燥し、その後、有機樹脂100重量部に対し、粉末
状潤滑剤を0.5〜20重量部、導電性微粒子を1.0
〜40重量部含有する樹脂混合体塗料を乾燥膜厚で0.
1〜3.0μmとなるように塗布し、70〜250℃の
温度で乾燥することを特徴とする、高耐食性、高加工性
超高張力冷延鋼板の製造方法が提供される。
【0010】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。まず、
本発明における鋼中化学成分の範囲限定理由について説
明する。 〔C〕Cは強度を上昇させるために重要な元素である。
本発明のように、低温変態相による組織強化を利用しよ
うとする場合はC添加量は最低でも0.02wt%が必
要である。また、0.30wt%を越えて添加すると、
溶接性がほとんど不可能となるのに加えて、極度に残留
オーステナイト量が増加し「遅れ破壊」特性が顕著に劣
化する。従って0.02wt%以上0.30wt%以下
とした。
【0011】〔Mn〕Mnは低温変態相を安定して得る
ために極めて重要な元素である。0.20wt%未満で
は通常の連続焼鈍条件では強度上昇に充分な量の低温変
態相を得ることができない。しかし3.50wt%を越
えて添加すると、最終的な冷延板での強度上昇が飽和す
るのに加え、熱延母板が顕著に硬化して製造にあたり不
都合を生じ、同時にコストアップを伴う。従って、Mn
添加量はMn:0.20wt%以上3.50wt%以下
とした。
【0012】〔Al〕Alは脱酸材として添加が必要で
あるが、他の方法で充分に鋼中酸素量が低減できればよ
くとくに下限は設定する理由はないが、通常の方法では
0.005wt%程度が目安である。また上限はアルミ
ナクラスターによる表面欠陥の発生防止から決定され、
おおむね0.100wt%である。
【0013】〔Si〕Siは強化元素として補助的にも
ちいられる。0.100wt%以上の添加で強化効果が
発揮される。また1.500wt%を越えて添加すると
熱延母板が顕著に硬化して、冷間圧延に大きな障害とな
る。従って、0.100wt%以上1.500wt%以
下とする。
【0014】〔Cr〕Crは焼入向上効果が大きく、M
nの効果をさらに強め、強度上昇に有効である。この効
果は0.100wt%以上の添加で顕著となり、1.0
00wt%を越えて添加しても効果はほぼ飽和して、合
金元素コストの上昇を招くだけである。従って0.10
0wt%以上1.000wt%以下とした。
【0015】〔Mo〕Moも焼入向上効果が大きく、強
度上昇に有効である。このような効果は、0.100w
t%以上の添加で顕著になる。しかし1.000wt%
を越えて添加しても、効果が飽和傾向を示しさらにコス
トの上昇につながる。従って、Mo添加量は0.100
wt%以上1.000wt%以下とした。
【0016】〔P〕Pは安価な強化元素であり、延性の
劣化なく鋼を強化できる。その効果は0.02wt%以
上の添加で顕著となり、0.100wt%を越えると低
温靭性が劣化する。従って0.02wt%以上0.10
0wt%以下とした。
【0017】〔B〕Bは微量添加で焼入性を向上させる
ため、特に連続焼鈍後の冷却時にフェライトの生成を防
止し、均一性の高い組織を得るのに有効である。この効
果は5ppm以上の添加で顕著になり、100ppm以
上添加してもその効果は飽和する。従ってB添加量は5
〜100ppmとした。
【0018】〔Cu〕Cuは強度の向上と耐食性向上に
有効であるが、0.05wt%未満ではその効果が十分
でなく、1.0wt%超では熱間割れを生じる危険性が
あるため、0.05〜1.0wt%の範囲に限定した。
【0019】〔Ni〕Niは組織を細粒化し、さらに低
温での靭性などを改善するのに有効である。0.05w
t%以上の添加で組織の改善効果が現れるが0.500
wt%を越えて添加しても効果が飽和し、コストの上昇
を招く。従ってNi添加量は:0.05wt%以上0.
500wt%以下とした。
【0020】〔V〕Vは炭窒化物による析出強化をとお
して強度上昇に有効である。0.010wt%以上の添
加で強度上昇効果が現れ、0.200wt%を越えて添
加しても、効果の飽和とコストの上昇を招く。
【0021】〔Ti〕TiもVと同様であり、その適性
範囲は0.010wt%以上0.200wt%以下であ
る。
【0022】〔Nb〕NbもV,Tiと同様であるが、
その効果はより低い添加量の範囲で飽和する傾向を示
す。その最適範囲は0.010wt%以上0.100w
t%以下である。
【0023】これらの組成の冷延鋼板は常法によりスラ
ブとし、熱間圧延・冷間圧延・連続焼鈍工程を経て冷延
鋼板としクロメートおよび樹脂コーティングがほどこさ
れる。焼鈍までの工程は特に限定する必要はないが、焼
鈍は組織的にフェライト相が面積率で3%以下であり、
残部がベイナイトもしくはマルテンサイトからなる均一
な組織とするため、連続焼鈍法により、高温焼鈍、急速
冷却の熱処理を行う必要がある。すなわち、800℃以
上で900℃以下の温度範囲に10s以上で180s未
満の時間保持することで、充分な焼入性をそなえた元組
織が形成され、さらに30℃/s以上の冷却速度で40
0℃以下かつ250℃以上の温度範囲まで急冷すること
で、上記の望ましい組織を最終的に得ることができる。
【0024】次に、該鋼板上に形成されるクロメート層
および樹脂層の作用について述べる。
【0025】クロメート層は、該鋼板と樹脂層の密着性
を確保しかつ耐食性を向上させる効果があるが、金属ク
ロム換算で10mg/m2 未満の付着量ではその効果が
十分でなく、150mg/m2 を超える付着量ではそれ
らの効果が飽和し経済的でないので10〜150mg/
2 の範囲に限定した。
【0026】前記クロメート皮膜は反応型のクロム酸ク
ロメート、リン酸クロメート、電解クロメート、塗布型
クロメート等が挙げられ、製造ラインに適したクロメー
トを選択できるが、通常のカラーラインで使用可能な塗
布型クロメートが好ましい。
【0027】本発明において、クロメート皮膜上の第2
層目の皮膜は(a)有機樹脂、(b)粉末状潤滑剤およ
び(c)導電性微粒子からなるものである。
【0028】有機樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、
アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリエステル樹脂の1種または2種以上の混合物が用い
られる。
【0029】これら有機樹脂混合物の乾燥膜厚はあまり
過少では樹脂による潤滑性向上の効果が少なく、またあ
まり過大では加工時に皮膜の一部がはく離し加工性を低
下させる原因となる。0.1〜3.0μmの範囲で加工
時に皮膜がはく離することなく潤滑性が向上できる。よ
り好ましい範囲は0.3〜1.0μmである。
【0030】粉末状潤滑剤は、ポリオレフィンワックス
またはフッ素系樹脂あるいはこれらの混合物を用いるの
が好ましい。
【0031】ポリオレフィンワックスとしては、例えば
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリ
ブテンワックス等を挙げることができる。
【0032】フッ素系樹脂としては、例えばポリ4フッ
化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂等を挙げることができる。
【0033】これらの潤滑剤の平均粒径が0.1〜10
μmで、かつ前記乾燥膜厚の1.0〜10倍の範囲で用
いるのがよい。
【0034】潤滑剤の平均粒径が前記乾燥膜厚に比べ過
少では潤滑性が不十分であり、また逆に過大では加工時
に潤滑剤の脱落が起こり易くなる。より好ましい範囲は
乾燥膜厚の1.5〜5倍である。
【0035】また、潤滑剤は有機樹脂100重量部に対
して0.5重量部未満の添加では潤滑性向上の効果が十
分でなく、20重量部超の添加では有機樹脂の凝集力を
低下させる危険性があるので0.5〜20重量部の範囲
に限定した。
【0036】導電性微粒子としては、Cu、Ni、A
g、Al、Zn、Cr、Fe、Coの金属または合金、
カーボンブラック、カーボングラファイトから選ばれる
1種または2種以上の混合物を用いるのが好ましく、こ
れらの平均粒径が0.1〜5μmの範囲内で、かつ前記
乾燥膜厚の1.0〜2倍の範囲で用いるのがよい。
【0037】導電性微粒子の平均粒径が前記乾燥膜厚に
比べ過少では導電性が十分でなく、また逆に過大では加
工性に悪影響を与える(前記金属または合金の場合は型
かじりを生じ易くなる)。より好ましい範囲は乾燥膜厚
の1.2〜1.6倍である。
【0038】また、導電性微粒子は有機樹脂100重量
部に対して1.0重量部未満の添加では導電性を向上さ
せる効果が不十分であり、40重量部超の添加では有機
樹脂と下地鋼板との密着性を低下させるので1.0〜4
0重量部の範囲に限定した。
【0039】前記粉末状潤滑剤、導電性微粒子の平均粒
径は、光分散法にて測定したものである。
【0040】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。 (実施例)表1に示す化学組成の鋼を連続鋳造法にてス
ラブとし、スラブ再加熱温度1250℃仕上げ圧延温度
830℃さらに熱延巻取り温度540℃で2.6mm厚
みの熱延母板として酸洗・冷延で1.4mmの冷延板と
した。さらに、連続焼鈍炉にて、840℃−60sの均
熱条件、30℃/sの平均冷却速度で320℃まで急冷
して冷延焼鈍板を調整した。該鋼板コイルをカラーライ
ンにてアルカリ脱脂、水洗・乾燥→ロールコーターによ
る塗布型クロメート塗布・乾燥→ロールコーターによる
樹脂塗布・乾燥の一連の処理を行い試料を作製した。
【0041】表2には該鋼板試料の機械的性質、表3に
はクロメート処理条件、表4には樹脂処理条件をそれぞ
れ示した。使用したクロメート、有機樹脂、潤滑剤およ
び導電性微粒子は以下の通りである。
【0042】(クロメート) クロメートA:シリカ無添加 4513H(日本パーカ
ライジング社製) クロメートB:シリカ添加 コスマー150(関西ペ
イント社製)
【0043】(有機樹脂) エポキシ樹脂:油化シェルエポキシ株式会社製 エピコ
ート1007 アルキッド樹脂:三井東圧化学株式会社製 ユリックス アクリル樹脂:三井東圧化学株式会社製 アルマテック
ス749−7 ウレタン樹脂:三井東圧化学株式会社製 オレスター フェノール樹脂:大日本インキ化学工業株式会社製 ス
ーパーベッカサイト メラミン樹脂:三井東圧化学株式会社製 ユーバン ポリビニルブチラール樹脂:電気化学工学株式会社製
デンカブチラール ポリエステル樹脂:三井東圧化学株式会社製 アルマテ
ックスP645
【0044】また、エポキシ+アクリル樹脂はエポキシ
樹脂100重量部に対しアクリル樹脂50重量部、エポ
キシ+ウレタン樹脂はエポキシ樹脂100重量部に対し
ウレタン樹脂100重量部、アクリル+ウレタン樹脂は
アクリル樹脂100重量部に対しウレタン樹脂100重
量部とした。
【0045】(潤滑剤)ポリオレフィンワックスはポリ
エチレンワックスを用い、フッ素樹脂はポリ4フッ化エ
チレン樹脂を用いた。これらの混合物の場合の混合比は
ポリオレフィンワックス100重量部に対しフッ素樹脂
100重量部とした。
【0046】(導電性微粒子) カーボン:ボールミルで粒度調整したカーボングラファ
イト 黄銅*1:7/3黄銅 キュプロニッケル*1:Cu90重量%、Ni10重量% ステンレス*1:SUS316 Ni/Co合金*1:Ni70重量%、Co30重量% Ag/Cu合金*1:Ag60重量%、Cu40重量% Cu,Ni合金*1:Cu50重量%、Ni50重量% *1 アトマイズ法によって製造し、粒度調整したもの
を用いた。
【0047】(加工性の評価)該鋼板の加工性は、ポン
チ径33mmφの円筒絞り試験による限界絞り比で評価
した。試験片はすべて表面に約2g/m2 の付着量とな
るように潤滑防錆油(出光興産社製、オイルコートZ
5)をハケで塗布・調整した後、試験に供した。
【0048】(裸耐食性の評価)裸耐食性は製造された
鋼板を70×150mmに切断した各3枚を脱脂・洗浄
・乾燥した後、塩水噴霧試験(5%NaCl、35℃、
500時間)を行ない、試験片表面の最大侵食深さを測
定して評価した。 ◎:最大侵食深さで0.05mm以下 ○:0.05〜0.1mm △:0.1〜0.5mm ×:0.5mm以上
【0049】(塗装性および塗装後耐食性)塗装性は該
鋼板70×150mm各10枚を脱脂、表調、化成処理
の標準条件での前処理を行なった後、日本ペイント社製
パワートップU−600を塗装電圧200Vで20μm
電着塗装して外観を目視判定した。 脱脂液(日本パーカライジング社製 FC4460) 表調液(日本パーカライジング社製 PL4040) 化成処理液(日本パーカライジング社製 PBL302
0) また、上記塗装鋼板5枚にカッターナイフを用いてクロ
スカットを入れた後複合サイクル腐食試験を行なった
後、クロスカット部の塗膜ふくれ幅および最大侵食深さ
を測定して評価した。 腐食試験サイクル:塩水噴霧(5%NaCl、35℃、
6hr)→50℃、2hr乾燥→RH95%、50℃、
15hr(湿潤雰囲気)→自然乾燥1hr、本サイクル
を15サイクル行なった。 ○:最大ふくれ幅1mm未満 △:1〜3mm ×:3mm以上 ◎:最大侵食深さ0.05mm未満 ○:0.05〜0.1mm △:0.1〜0.3mm ×:3mm以上
【0050】(遅れ破壊特性の評価)遅れ破壊特性は製
造された鋼板を40mmφの円盤に加工した後、ポンチ
径22mmの球頭ポンチによりコニカルカップに成形
し、5%NaCl水溶液に浸漬し、サンプルに割れを生
ずるまでの時間により評価した。浸漬時間にして7日相
当で割れ発生がない場合は実用上問題のないレベルであ
ると判断できる。本発明鋼はTSが120kgf/mm2 を越
える場合でも、遅れ破壊を生ずることなく、実用上極め
て有用な鋼板であると言える。 評価 ×:1日以内に割れを生じたもの △:1〜7日の間に割れを生じたもの ○:7日間以上割れを生じなかったもの これらの評価試験結果を表5に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
【表14】
【0065】表1〜5から明らかなように、本発明例は
優れた機械的性質、加工性、耐食性、耐遅れ破壊性、塗
装性をますのに対して、比較例はそれぞれ欠点を有して
いる。
【0066】比較例1〜17は樹脂処理されていないた
め、加工性、耐食性、耐遅れ破壊性が充分でない。
【0067】比較例1−aは、クロメート付着量が充分
でないため、耐食性、耐遅れ破壊性が劣る。比較例2−
aはクロメート過剰なため、加工時にクロメート層の凝
集破壊を生ずるため、やや加工性が劣り、電着塗装性が
劣るため塗装外観が劣化する。
【0068】3−aは樹脂厚が厚過ぎるため電着塗装時
むらが発生し、塗膜密着性も低下して塗装後耐食性が劣
る。4−a、17−aは樹脂厚が落過ぎて塗装むらを生
ずることと充分な加工性、耐食性が得られない。
【0069】5−a、7−aは潤滑剤が過剰なため塗装
むらを生ずることと充分な耐食性が得られなくなってい
る。6−a、8−aは潤滑剤が少な過ぎるため、加工性
が充分でない。9−aは潤滑剤粒が大き過ぎて欠落し易
いため、充分な塗装性、加工性、耐食性が得られていな
い。10−aは潤滑剤粒が小さ過ぎて充分な加工性が得
られていない。
【0070】11−aは導電性粒子が多過ぎて、加工
性、耐食性を損なっている。12−aは導電性粒子が少
な過ぎて塗装性が充分でない。13−aは導電性粒子が
大き過ぎて加工性、耐食性、塗装性を損っている。14
−aは導電性粒子が小さ過ぎて塗装性が充分でない。
【0071】また、15−a、16−aは鋼の機械的性
質、強度が充分でない。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加工性、耐食性に優れ、TSが80kgf/mm2 以上の超高
張力鋼板を簡便な樹脂処理によって製造できるため、よ
り低コストでより優れた材料を供給できる。この処理に
よればTSが120kgf/mm2 を越える場合にも遅れ破壊
を生ずることなく、実用に供することができる。また、
従来、耐食性向上のために施すめっきは鋼板のリサイク
ルを難しくする問題を有していたが、本発明のような極
薄い樹脂処理ではリサイクル性には全く問題を生じない
と言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−215623(JP,A) 特開 平3−264692(JP,A) 特開 平3−270932(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 28/00 B32B 15/08 C22C 38/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C :0.02〜0.30wt%、 Mn:0.20〜3.50wt%、 Al:0.100wt%以下 を基本組成とし、さら
    に、 Si:0.100〜1.500wt%、 Cr:0.100〜1.000wt%、 Mo:0.100〜1.000wt%、 P :0.020〜0.100wt%、 B :5〜100ppm よりなるA群、 Cu:0.05〜1.000wt%、 Ni:0.05〜0.500wt%、 V :0.010〜0.200wt%、 Ti:0.010〜0.200wt%、 Nb:0.010〜0.100wt% よりなるB群のうちより選ばれた1種または2種以上を
    含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、組織
    的にフェライト相が面積率で3%以下であり、残部ベイ
    ナイトもしくはマルテンサイトからなる鋼板の表面に、
    付着量が金属Cr換算で10〜150mg/m2 のクロ
    メート処理層と、その上層に下記(a)〜(c)の配合
    でかつ乾燥膜厚で0.1〜3.0μmの有機樹脂混合物
    層を形成してなる、高耐食性、高加工性超高張力冷延鋼
    板。 (a)有機樹脂 100重量部 (b)粉末状潤滑剤 0.5〜20重量部 (c)導電性微粒子 1.0〜40重量部
  2. 【請求項2】前記有機樹脂が、エポキシ樹脂、アルキド
    樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、
    メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステ
    ル樹脂の1種または2種以上からなる請求項1に記載の
    高耐食性、高加工性超高張力冷延鋼板。
  3. 【請求項3】前記粉末状潤滑剤が、ポリオレフィンワッ
    クスおよび/またはフッ素系樹脂であり、その平均粒径
    が0.1〜10μmで、かつ、前記有機樹脂混合物層の
    乾燥膜厚の1.0〜10倍である請求項1または2に記
    載の高耐食性、高加工性超高張力冷延鋼板。
  4. 【請求項4】前記導電性微粒子が、Cu、Ni、Ag、
    Al、Zn、Cr、Fe、Coおよびそれらの合金、カ
    ーボンブラック、カーボングラファイトから選ばれた1
    種または2種以上の粒子であり、その平均粒径が0.1
    〜5μmで、かつ、前記有機樹脂混合物層の乾燥膜厚の
    1.0〜2倍である請求項1〜3のいずれかに記載の高
    耐食性、高加工性超高張力冷延鋼板。
  5. 【請求項5】請求項1に示す化学組成の鋼を連続鋳造法
    によりスラブとした後熱間圧延、冷間圧延を行ったの
    ち、連続焼鈍法により800℃以上で900℃以下の温
    度範囲に10s以上で180s未満の保持を行った後に
    30℃/s以上の冷却速度で400℃以下で250℃以
    上の温度範囲まで急冷して冷延鋼板とし、さらに該冷延
    鋼板を脱脂、洗浄、乾燥処理した後、クロメート処理液
    を金属Cr換算で10〜150mg/m2 の付着量とな
    るように塗布し、100℃以上の温度で乾燥し、その
    後、有機樹脂100重量部に対し、粉末状潤滑剤を0.
    5〜20重量部、導電性微粒子を1.0〜40重量部含
    有する樹脂混合体塗料を乾燥膜厚で0.1〜3.0μm
    となるように塗布し、70〜250℃の温度で乾燥する
    ことを特徴とする、高耐食性、高加工性超高張力冷延鋼
    板の製造方法。
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