JP3200223B2 - スポット抵抗溶接性、加工性および耐食性に優れた表面処理アルミニウム材料 - Google Patents

スポット抵抗溶接性、加工性および耐食性に優れた表面処理アルミニウム材料

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JP3200223B2 JP03557093A JP3557093A JP3200223B2 JP 3200223 B2 JP3200223 B2 JP 3200223B2 JP 03557093 A JP03557093 A JP 03557093A JP 3557093 A JP3557093 A JP 3557093A JP 3200223 B2 JP3200223 B2 JP 3200223B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主としてプレス成形加工
およびスポット抵抗溶接によりアルミニウム板を加工す
る自動車、家電、建材、缶材等に用いられるアルミニウ
ム板の加工性、溶接性、耐食性を著しく高めた表面処理
アルミニウム材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題、特にCO2 による
地球温暖化防止対策等の観点から、自動車の燃費を向上
するために自動車車体の軽量化が積極的に推進されてい
るが、その中でも材料の信頼性、加工性、リサイクル利
用等の面でアルミニウム合金が脚光を浴び、最近では自
動車車体の内外用板にもこれらが適用されつつある。
【0003】しかしながら、これらのアルミニウム合金
板を自動車車体として組み立てる際にはそのほとんどが
スポット抵抗溶接されるが、アルミニウム合金板はスポ
ット抵抗溶接性、とりわけ溶接に用いられる電極の寿命
が鋼板をスポット溶接した場合に比べて極端に劣るた
め、車体の生産効率の著しい低下を招いているのが現状
である。
【0004】すなわち、アルミニウム合金板のスポット
抵抗溶接では、被溶接材のアルミニウムが電極に溶着す
る現象が起こり易いことおよび同一の電極で適正なナゲ
ットを得ることができる溶接打点数が著しく少ないた
め、溶着が起こる前や適正ナゲットができなくなる前に
電極形状をドレッシングによって整えたり、または新品
電極と交換する頻度も多くなり、このことが溶接効率、
ひいては自動車車体の生産効率に多大な悪影響を及ぼし
ている。
【0005】アルミニウム合金が自動車のようなスポッ
ト抵抗溶接による大量生産品に実用化されだしたのはご
く最近であるため、上記のような問題を解決するための
適正な手段の提案は極めて少いが、例えば特開昭60−
187483号公報にはアルミニウム板接合面の酸化被
膜厚さを陽極処理にて制御することによる改善法が提供
されている。また、自動車用アルミニウム合金板への適
用を目的としたものではないが、例えば特開昭53−6
252号、特開昭53−48954号、特開昭53−4
8955号の各公報にはアルミニウム接合面にZn、T
iおよびステンレス鋼薄膜を介在させることによる改善
法が、特開昭57−4389号公報にはアルミニウム板
表面にCr、Ni、Cu、Agめっきを施すことによる
改善法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、陽極酸化処理
被膜のみの制御による改善法は均一処理が難しく、かつ
その効果が不安定であり実用的ではない。また、Zn、
Ti、ステンレス鋼薄膜の介在による改善法は自動車用
には適用が困難であり、Cr、Ni、Cu、Agめっき
を施すことによる改善法はこれらのめっきのアルミニウ
ム合金への密着性が極めて悪く実用的でないという問題
がある。
【0007】またアルミニウム板は、鋼板に比較して伸
びが小さく、かつ軟らかいため型かじりを起し易く、プ
レス成形性が劣るという重大な欠点がある。
【0008】さらに、これらアルミニウム板は本来耐食
性に優れているものであって、この耐食性は表面の酸化
被膜によって保たれているが、スポット溶接や折り曲げ
加工によって形成されるヘム部等のすき間部分ではこの
酸化被膜が破壊されいわゆるすきま腐食を起こす危険が
ある。
【0009】また、プレス加工時には通常アルミニウム
板表面に潤滑油を塗布するが、この作業には以下の様な
問題点があった。 (1)潤滑油では、プレス加工時の型かじりの発生を防
止しきれない。 (2)潤滑油はスプレーで塗布されることが多く、潤滑
油が周辺に飛散し、作業環境が悪くなる。 (3)プレス加工後製品として組込むために脱脂・洗浄
する必要があるが、この工程で作業環境を低下させたり
環境問題を発生させる危険性の有る溶剤(フロン、1−
1−1トリクロルエタン等)を使用する。
【0010】そこで塗油なしでプレス成形でき、脱脂工
程も省略できるアルミニウム板の開発が望まれていた
が、缶用材として開発されているワックスを表面に塗布
した従来技術(例えば特開平2−310036号公報、
特開平3−180218号公報)ではワックスの塗布量
が少ないと加工性が充分でなく、また塗布量が多いと金
型を汚染するため、幅広い分野に使用できず、かつ、プ
レス加工後、アルミニウム板の金属表面が露出するた
め、そのまま使用すると耐食性に問題を生ずる場合もあ
った。またこれら固形潤滑剤の塗布は著しくスポット抵
抗溶接性を低下せしめる欠点もあった。
【0011】これらワックスを塗布することによる加工
性改善を行う従来法では、安定的効果を種々の異なった
成形条件下で得るのは困難でかつ使用環境によっては加
工後塗装その他の防食処理を施さないと発錆する危険性
もあるため、加工後の洗浄工程を省略したり、完全にプ
レスオイルを省略することが困難であった。
【0012】本発明は上記アルミニウム材料の欠点を克
服し、スポット抵抗溶接時における電極寿命、すなわち
連続打点性およびプレス成形性を従来のアルミニウム材
料に比べ格段に向上させ、しかも工業的に容易かつ経済
的に製造できる有機被覆アルミニウム材料を提供するこ
とを目的としている。さらに、本発明は、上記に加え
て、耐食性(耐すきま腐食性)が良好で、また、無塗油
での成形加工においても良好な加工性を有する有機被覆
アルミニウム材料をも提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれら従来
技術の欠点を克服するため鋭意研究を重ねた結果、アル
ミニウム板の表面にクロメート層を形成し、その上に潤
滑剤と導電性微粒子を含む樹脂層を形成することによっ
て充分な加工性およびスポット抵抗溶接性を確保しかつ
耐食性も保持し得ることを発見し、本発明に到った。
【0014】すなわち、本発明の第一の態様によればア
ルミニウム材料の表面に、付着量が金属クロム換算で5
〜100mg/m2 のクロメート処理被膜を第1層とし
て形成し、その上に第2層として下記構成成分を含有す
る有機樹脂混合物被膜を、乾燥膜厚で0.05〜3.0
μm形成してなるスポット抵抗溶接性、加工性および耐
食性に優れた表面処理アルミニウム材料が提供される。 (a)有機樹脂:100重量部 (b)平均粒径が0.05〜20μmで有機樹脂混合物
被膜乾燥膜厚の1.0〜10倍である粉末状潤滑剤:
0.5〜40重量部 (c)平均粒径が0.05〜5μmで有機樹脂混合物被
膜厚の1.0〜2倍である導電性微粒子:1.0〜40
重量部
【0015】本発明の第二の態様によればアルミニウム
材料の表面に、付着量が金属クロム換算で5〜100m
g/m2 のクロメート処理被膜を第1層として形成し、
その上に第2層として下記構成成分を含有する有機樹脂
混合物被膜を、乾燥膜厚で0.05〜3.0μm形成し
てなるスポット抵抗溶接性、無塗油で良好な加工性およ
び耐食性に優れた表面処理アルミニウム材料が提供され
る。 (a)有機樹脂:100重量部 (b)平均粒径が0.05〜20μmで有機樹脂混合物
被膜乾燥膜厚の1.0〜10倍である粉末状潤滑剤:2
〜40重量部 (c)平均粒径が0.05〜5μmで有機樹脂混合物被
膜厚の1.0〜2倍である導電性微粒子:1.0〜40
重量部
【0016】本発明の第三の態様によればアルミニウム
材料の表面に、付着量が金属クロム換算で5〜100m
g/m2 のクロメート処理被膜を第1層として形成し、
その上に第2層として下記構成成分を含有する有機樹脂
混合物被膜を、乾燥膜厚で0.05〜3.0μm形成し
てなるスポット抵抗溶接性、加工性および耐食性に優れ
た表面処理アルミニウム材料。 (a)有機樹脂:100重量部 (b)平均粒径が0.05〜20μmで有機樹脂混合物
被膜乾燥膜厚の1.0〜10倍である粉末状潤滑剤:
0.5〜20重量部 (c)平均粒径が0.05〜5μmで有機樹脂混合物被
膜厚の1.0〜2倍である導電性微粒子:1.0〜40
重量部
【0017】また、本発明の第四の態様によれば前記有
機樹脂は、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂の1種また
は2種以上の混合物および/または共重合体であること
が好ましい。
【0018】なお、ベース樹脂中に、反応促進剤、安定
剤、分散剤等の一般的な添加剤を本発明の主旨を損なわ
ない範囲で適宜添加することは差し支えなくむしろ好ま
しい。
【0019】また、本発明の第五の態様によれば前記粉
末状潤滑剤は、ポリオレフィンワックスおよび/または
フッ素系樹脂であることが好ましい。
【0020】また、本発明の第六の態様によれば前記導
電性微粒子は、Cu、Ni、Ag、Al、Zn、Cr、
Fe、Co、それらの合金、カーボングラファイトの1
種または2種以上の混合物であることが好ましい。
【0021】また、本発明の第七の態様によれば前記ク
ロメート層のクロム付着量が、スポット溶接電極との接
触面側が溶接接合面側の3/4以下であることが好まし
い。
【0022】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
におけるアルミニウム材料は特に限定されないが、主と
してプレス成形加工およびスポット抵抗溶接によりアル
ミニウム材料を加工する自動車、家電、建材、缶材等に
用いられるアルミニウム板、アルミニウム合金板等のア
ルミニウム材を広く包含する。アルミニウム材の形状
は、板材、型材、棒、管等のその種類を限定されるもの
ではない。
【0023】本発明において、上述したアルミニウム材
に第一は高耐食性付与のため、第二は潤滑性樹脂との密
着性を確保するためクロメート処理を行なう。クロメー
ト付着量としては金属クロム換算で5〜100mg/m
2 、好ましくは10〜50mg/m2 の範囲とする。ク
ロム付着量が5mg/m2 未満では耐食性、被膜密着性
の確保が困難で、100mg/m2 を超えると溶接性や
電着塗装性に悪影響を与える。また、スポット溶接電極
面側の付着量を溶接接合面側の3/4、より好ましくは
1/2以下とすることによって接合面側の発熱量を電極
面側より多くすることができ、溶接性を向上させること
ができる。
【0024】クロメート処理法としては、塗布型クロメ
ート法、電解クロメート法、反応型クロメート法等があ
るがいずれを用いてもよい。
【0025】次に前記クロメート層の上に形成される有
機樹脂混合物被膜層に用いる有機樹脂としては、金属板
との密着性が良好なエポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ア
クリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂等
の一種または二種以上の混合物もしくは共重合体が好ま
しい。これら樹脂層の乾燥膜厚は0.05μm未満では
充分な加工性を確保できず、また3.0μmを超えると
溶接性の確保が困難になるので0.05〜3.0μmの
範囲とする。より好ましい範囲は、0.1〜1.0μm
である。
【0026】本発明の有機樹脂混合物被膜層は、粉末潤
滑剤を含み、これらの潤滑剤はポリオレフィンワックス
またはフッ素系樹脂あるいはこれらの混合物を用いるの
が好ましい。ポリオレフィンワックスとしては例えばポ
リエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブ
テンワックス等を挙げることができる。
【0027】粉末潤滑剤の平均粒径は、0.05〜20
μm、好ましくは0.1〜10μmでかつ前記乾燥膜厚
の1.0〜10倍の範囲で用いる。潤滑剤の平均粒径が
前記乾燥膜厚に比べて過小では潤滑性が不十分であり、
また過大では潤滑剤の脱落が起こり易くなり充分な加工
性が得られなくなる。より好ましい範囲は乾燥膜厚の
1.5〜5倍である。
【0028】また、添加量としては有機樹脂100重量
部に対して0.5重量部未満の添加では加工性、潤滑性
向上の効果が充分でなく、40重量部超の添加では有機
樹脂の凝集力を低下させ、パウダリングを発生させる危
険性があること、および耐食性を低下させる危険性があ
るので0.5〜40重量部の範囲がより好ましい。な
お、無塗油で充分な加工性を得るためには2重量部以上
の添加が必要であるため2〜40重量部の範囲が好まし
く、潤滑防錆油を使用する場合は20重量部以上の添加
は防錆油の樹脂層への浸透を引き起こし樹脂の凝集力の
低下を招く危険性があるので、0.5〜20重量部の範
囲がより好ましい。
【0029】本発明に用いる導電性微粒子としては、C
u、Ni、Ag、Al、Zn、Cr、Fe、Coの金属
または合金、カーボングラファイト等から選ばれる1種
または2種以上の微粒子を用いるのが好ましい。これら
の平均粒径は、0.05〜5μm、より好ましくは0.
1〜2μmの範囲内で、かつ前記乾燥膜厚の1.0〜2
倍の範囲で用いる。
【0030】導電性微粒子の平均粒径が前記乾燥膜厚に
比べ過小では導電性が充分でなく、また逆に過大では加
工性に悪影響を与える(前記金属または合金の場合は型
かじりを生じ易くなる)。より好ましい範囲は乾燥膜厚
の1.2〜1.6倍である。また、導電性微粒子は有機
樹脂100重量部に対して1.0重量部未満の添加では
導電性向上の効果が不十分であり、40重量部超の添加
では有機樹脂と下地アルミニウムとの密着性を低下さ
せ、かつ耐食性も劣化させる危険性があるので1.0〜
40重量部の範囲に限定した。
【0031】上述した本発明の表面処理を施すアルミニ
ウム材の表面は、必ずしも全表面である必要はなく、耐
食性や成形加工時に工具と接触し、潤滑性が要求される
部分に選択的に上記処理を行なってもよい。例えば板材
においてはその両面または片面が挙げられる。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。試験片としては代表的な加工用アルミニウム合金
である1mm厚のJIS5182合金を用い、まずアル
ミニウム合金板表面をトリクロールエタンで蒸気脱脂
後、リン酸ソーダ水溶液中でアルカリ脱脂処理を行い、
水洗・乾燥を行って表1に示すクロメート処理を行っ
た。また一部はアルカリ脱脂処理にかえて苛性ソーダ水
溶液と硝酸水溶液を用いた表面活性化処理(酸化膜除去
処理)を行った。
【0033】第一層のクロメート皮膜は市販の反応型ク
ロメートおよび塗布型クロメート液を用いて反応型は浸
漬法で浸漬時間を調整し、塗布型は液濃度を調整しロー
ルコーターで塗布した後乾燥処理を行ったものである。
【0034】次に、表2に示す割合にボールミルにて有
機樹脂混合物を調整して前記クロメート皮膜上にバーコ
ーターにて塗布し、それぞれ表2に示す乾燥膜厚の皮膜
を形成した。乾燥は熱風循環式乾燥炉によって行った。
なお本実施例で使用した有機樹脂、導電剤、潤滑剤、ク
ロメートは以下のものである。
【0035】−有機樹脂− エポキシ樹脂:油化シェルエポキシ社製 エピコート アルキッド樹脂:三井東圧化学社製 ユリックス アクリル樹脂:三井東圧化学社製 アルマテックス7
49 ウレタン樹脂:三井東圧化学社製 オレスター フェノール樹脂:大日本インキ化学社製 スーパーベ
ッカサイト メラミン樹脂:三井東圧化学社製 ユーバン ブチラール樹脂:電気化学工業社製 デンカブチラー
ル ポリエステル樹脂:三井東圧化学社製 アルマテック
スP645
【0036】またエポキシ+アクリル樹脂はエポキシ樹
脂100重量部に対してアクリル樹脂50重量部、エポ
キシ+ウレタン樹脂はエポキシ樹脂100重量部に対し
てウレタン樹脂100重量部、アクリル+ウレタン樹脂
はアクリル樹脂100重量部に対しウレタン樹脂100
重量部の混合物とした。
【0037】−粉末状潤滑剤− ワックス:ポリエチレンワックス フッ素:ポリ4フッ化エチレン樹脂粉末 ワックス+フッ素:上記の等重量混合物
【0038】−導電性微粒子− カーボングラファイト:ボールミルで粒度調整したカー
ボングラファイト 金属:Cu、Ni、Ag、Al、Zn、Cr、Feおよ
びCo 黄銅:7/3黄銅 ステンレス:SUS316 キュプロニッケル(90%Cu、10%Ni)
【0039】Cu+Ni混合物:Cu100重量部、N
i100重量部 Cu+Al混合物:Cu100重量部、Al50重量部 Ag+Co混合物:Ag100重量部、Co200重量
部 カーボングラファイトとNi混合粉:カーボングラファ
イト20重量部、Ni80重量部
【0040】上記合金とCu、Ni、Ag、Al、Z
n、Cr、Fe、Co、の各金属粉はアトマイズ法によ
って製造し、粒度調整したものを用いた。
【0041】−クロメート− 反応型クロメート A リン酸クロメート:アルクロム3701(日本パー
カライジング社製) B クロム酸クロメート:アルクロム713(日本パー
カライジング社製) 塗布型クロメート C シリカ無添加:4513H(日本パーカライジング
社製) D シリカ添加:コスマー150(関西ペイント社製)
【0042】(加工性の試験と評価方法)表面処理後の
試験片の加工性は、径33mmφの平頭円筒絞り加工
(加工速度100mm/sec)し、その限界絞り比
(LDR)により評価した。なお試験は潤滑防錆油(杉
村化学社製、R303P)を塗油(約2g/m2 )した
場合としない場合の2条件で行った。また、ブランク径
66mmφの塗油なし材で表面処理後の試験片を同様に
平頭円筒絞り加工した加工後外観を評価した。
【0043】外観評価 ○:皮膜の脱落やかじりの生じなかったもの △:一部に皮膜の脱落やかじりを生じたもの ×:円筒側面全周にわたって皮膜の脱落やかじりを生じ
たもの ××:絞り抜けずに破断したもの
【0044】(溶接性試験と評価方法)被覆処理後のア
ルミニウム合金板の電極寿命はインバーター直流溶接機
を用いて下記の電極および溶接条件にて評価した。評価
は被溶接材のアルミニウムが電極に溶着するまでの打点
数又はナゲット径が4√t(t:板厚)を下回るまでの
打点数のいずれかの少ない打点数でその効果を判定し
た。
【0045】評価基準はその打点数が500点未満を不
良(×)、500〜1000点を普通(△)、1000
〜1500点を良好(○)、1500点超えを優良
(◎)とした。 (電極) ・形状:円錐台頭(CF)型 ・先端径:5.0mmφ ・材質:Cr−Cu (溶接条件) ・加圧:150kgf ・初期加圧時間:20/50秒 ・通電時間:6/50秒 ・保持時間:5/50秒 ・溶接電流:15KA
【0046】(耐食性試験と評価方法)試料の耐食性は
以下の塩水噴霧試験、複合腐食試験および隙間腐食試験
で評価した。
【0047】−塩水噴霧試験− 各試料から75×150mmの試験片を切り出し、端面
をシールした後480時間の塩水噴霧試験(5%NaC
l、35℃)を行い白錆発生および/または黒変したも
のを不良(×)変化しなかったものを良好(○)とし
た。
【0048】−複合腐食試験− 上記試験と同一形状の試験片にクロスカットを入れた
後、塩水噴霧(5%NaCl、35℃、4時間)→湿潤
(60℃、2時間)→乾燥(95%RH、50℃、2時
間)のサイクルを100サイクル行いクロスカット部か
らの最大腐食長さ(幅)で評価し、2mm未満を良好
(○)、2mm以上を不良(×)とした。
【0049】−隙間腐食試験− 前記溶接性試験と同様の溶接条件で50×100mmの
試験片2枚を新しい電極で中央一ヶ所溶接した後、塩水
噴霧試験(5%NaCl、35℃、2000時間)を行
った後、試験片を分離し接合面側(隙間構造側)の最大
侵食深さで評価した。最大侵食深さが0.05mm未満
を良好(○)、0.05〜0.1mmを普通(△)、
0.1mm以上を不良(×)とした。
【0050】表1〜3から明らかなように本発明材はい
ずれも優れた加工性、耐食性、溶接性を示し、特に酸化
膜除去処理後電極接触面側のクロメート付着量を接合面
側の3/4以下とした発明例1〜8は特に溶接性に優れ
ることがわかる。また粉末状潤滑剤添加量が20重量部
を超える7、8、13は塗油した時やや加工性が低下す
る傾向がみられる。
【0051】これに対して比較例29は無処理の板のた
めすべての性能が劣り、30は酸化膜除去処理だけのた
め溶接性は改善されるがその他はすべて劣り、加工性は
無処理材より悪くなる。
【0052】比較例31はクロム付着量が過剰であるた
め溶接性が劣化し、32、39は逆に不足であるため耐
食性が劣化し樹脂膜の密着性が充分でないため加工性も
やや劣る。
【0053】比較例33、44は樹脂膜厚が過大である
ため充分な溶接性がえられず、38は過小であるためい
ずれの性能も充分でない。
【0054】35、46は導電剤過剰のため加工性、耐
食性が劣り、34、45は逆に不足のため溶接性が不足
する。
【0055】36は潤滑剤不足のため加工性が劣り、特
に塗油なしの場合低下が大きく、40は逆に過剰のため
塗油した場合の加工性低下が大きく耐食性も劣化する。
【0056】37はクロメート処理のみのためすべての
性能が充分でない。
【0057】41は潤滑剤粒径が過小のため加工性が充
分でなく、42は過大のため耐食性が劣る。
【0058】47は導電剤粒径が過大のため加工性、耐
食性が充分でなく、48は過小のため溶接性が劣る。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】
【発明の効果】本発明は、アルミニウム材料の表面に、
特定の量のクロメート層を第1層として形成し、第2層
として特定の形状の粉末状潤滑剤および導電性微粒子を
有する有機樹脂層を形成した表面処理材であり、スポッ
ト抵抗溶接性、プレス成形加工性および耐食性に優れて
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 22/00 C23C 22/00 Z (72)発明者 馬 渕 昌 樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 上 杉 康 治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 池 田 倫 正 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 橋 口 耕 一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 大 和 康 二 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 難波江 元 広 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河アルミニウム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−65664(JP,A) 特開 平4−268038(JP,A) 特開 平3−189136(JP,A) 特開 平3−270932(JP,A) 特開 昭60−204320(JP,A) 特開 平1−201488(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/00 - 15/20 C23C 22/00 - 22/86

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム材料の表面に、付着量が金属
    クロム換算で5〜100mg/m2のクロメート処理被
    膜を第1層として形成し、その上に第2層として下記構
    成成分を含有する有機樹脂混合物被膜を、乾燥膜厚で
    0.05〜3.0μm形成してなるスポット抵抗溶接
    性、加工性および耐食性に優れた表面処理アルミニウム
    材料。 (a)有機樹脂:100重量部 (b)平均粒径が0.05〜20μmで有機樹脂混合物
    被膜乾燥膜厚の1.0〜10倍である粉末状潤滑剤:
    0.5〜40重量部 (c)平均粒径が0.05〜5μmで有機樹脂混合物被
    膜厚の1.0〜2倍である導電性微粒子:1.0〜40
    重量部
  2. 【請求項2】アルミニウム材料の表面に、付着量が金属
    クロム換算で5〜100mg/m2のクロメート処理被
    膜を第1層として形成し、その上に第2層として下記構
    成成分を含有する有機樹脂混合物被膜を、乾燥膜厚で
    0.05〜3.0μm形成してなるスポット抵抗溶接
    性、無塗油で良好な加工性および耐食性に優れた表面処
    理アルミニウム材料。 (a)有機樹脂:100重量部 (b)平均粒径が0.05〜20μmで有機樹脂混合物
    被膜乾燥膜厚の1.0〜10倍である粉末状潤滑剤:2
    〜40重量部 (c)平均粒径が0.05〜5μmで有機樹脂混合物被
    膜厚の1.0〜2倍である導電性微粒子:1.0〜40
    重量部
  3. 【請求項3】アルミニウム材料の表面に、付着量が金属
    クロム換算で5〜100mg/m2のクロメート処理被
    膜を第1層として形成し、その上に第2層として下記構
    成成分を含有する有機樹脂混合物被膜を、乾燥膜厚で
    0.05〜3.0μm形成してなるスポット抵抗溶接
    性、加工性および耐食性に優れた表面処理アルミニウム
    材料。 (a)有機樹脂:100重量部 (b)平均粒径が0.05〜20μmで有機樹脂混合物
    被膜乾燥膜厚の1.0〜10倍である粉末状潤滑剤:
    0.5〜20重量部 (c)平均粒径が0.05〜5μmで有機樹脂混合物被
    膜厚の1.0〜2倍である導電性微粒子:1.0〜40
    重量部
  4. 【請求項4】前記有機樹脂は、エポキシ樹脂、アルキッ
    ド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
    脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエ
    ステル樹脂の1種または2種以上の混合物および/また
    は共重合体である請求項1または2に記載のスポット抵
    抗溶接性、加工性および耐食性に優れた表面処理アルミ
    ニウム材料。
  5. 【請求項5】前記粉末状潤滑剤は、ポリオレフィンワッ
    クスおよび/またはフッ素系樹脂であり、かつその平均
    粒径が前記乾燥膜厚の1.0〜10倍である請求項1〜
    4のいずれかに記載のスポット抵抗溶接性、加工性およ
    び耐食性に優れた表面処理アルミニウム材料。
  6. 【請求項6】前記導電性微粒子は、Cu、Ni、Ag、
    Al、Zn、Cr、Fe、Co、それらの合金、カーボ
    ングラファイトの1種または2種以上の混合物である請
    求項1〜4のいずれかに記載のスポット抵抗溶接性、加
    工性および耐食性に優れた表面処理アルミニウム材料。
  7. 【請求項7】前記クロメート層のクロム付着量が、スポ
    ット溶接電極との接触面側が溶接接合面側の3/4以下
    である請求項1〜6のいずれかに記載のスポット抵抗溶
    接性、加工性および耐食性に優れた表面処理アルミニウ
    ム材料。
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