JPH0790511B2 - 裁断装置における被裁断物の押え装置 - Google Patents

裁断装置における被裁断物の押え装置

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JPH0790511B2
JPH0790511B2 JP4705692A JP4705692A JPH0790511B2 JP H0790511 B2 JPH0790511 B2 JP H0790511B2 JP 4705692 A JP4705692 A JP 4705692A JP 4705692 A JP4705692 A JP 4705692A JP H0790511 B2 JPH0790511 B2 JP H0790511B2
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cutting
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泰彦 石田
容幸 内藤
朗 井上
真二 中野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、布地等の被裁断物をナ
イフ等のカッタ(刃物)で裁断する裁断装置において、
その裁断の際に上記被裁断物を上から押え付けるための
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、布地等の被裁断物の裁断は、ナ
イフ等の刃物に往復運動(振動)を付加し、このナイフ
等を上記被裁断物に対して所定の送り方向に相対移動さ
せることにより行われている。例えば超音波振動を利用
したナイフで布地を裁断する際には、図12及び図13
に示すように、ナイフ92を高い周波数で上下方向に振
動させながら、このナイフ92を布地90に対して所定
の送り方向に移動させることにより、同方向の裁断が行
われる。
【0003】しかしながら、このような裁断の際には必
ず裁断抵抗が生じるため、この裁断抵抗により、ナイフ
92の刃先付近(図13に示す領域d)で布地90の糸
が送り方向に引張られ、同図に示すようないわゆる「糸
ずれ」が生じる。このような糸ずれを残したまま、図1
4(a)に示すように布地90の端面を直角方向にライ
ンLで裁断すると、そのコーナーに同図(b)に示すよ
うないわゆるダレ94が生じ、商品価値を下げてしまう
ことになる。
【0004】そこで従来は、図15に示すように、上記
ナイフ92の周囲に皿状の押え部材96を設け、この押
え部材96でテーブル上の布地90を押えながら裁断を
進める装置が用いられている。上記押え部材96は、円
板状をなし、その中央部に貫通穴95を有している。そ
して、この貫通穴95に上記ナイフ92が挿通された状
態で上記押え部材96が図外のばね等で下方の布地90
に押付けられながら、この押え部材96とナイフ92と
が一体に上記送り方向に移動することにより、ナイフ9
2周辺の布地90を押えながらの裁断が進められること
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記装置では、次のよ
うな問題点がある。
【0006】(a) 押え部材96が布地90上をすべりな
がら裁断が進められるので、押え部材96と布地90と
の摩擦力が大きい。このような摩擦力により、図16
(a)に示すように、ナイフ送り方向の糸ずれ97が生
じたり、同図(b)に示すように、他の裁断面98を境
にして引きずりが生じたりする不都合がある。
【0007】(b) 押え部材96はその全域にわたって布
地90に接触するので、両者の接触面積が大きい。この
分だけ押え部材96から布地90に与えられる押圧力が
分散され、ナイフ92近傍を押圧する力が低減する。
【0008】(c) 押え部材96の底面が平面状であるの
で、図17に示すように、布地90に段差99や厚み変
化がある場合、この部分に押え部材96を良好に接触さ
せることができない。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するこ
とができる裁断装置における被裁断物押え装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、カッタ及びそ
の保持部材を備え、上記カッタを被裁断物に対して所定
の送り方向に相対移動させることにより、この送り方向
に上記被裁断物を裁断する裁断装置において、上記保持
部材と一体に送り方向に移動し、かつ保持部材に対して
昇降可能となるように保持部材に装着された昇降部材
と、この昇降部材に回転可能に装着され、かつ上記カッ
タの左右近傍の位置に配された押えローラと、上記昇降
部材を上記被裁断物に向かう方向に付勢する付勢手段と
を備え、上記被裁断物に対するカッタ及びその保持部材
の移動に伴い、上記押えローラが上記被裁断物に圧接し
ながら転がるようにその回転中心軸を設定したものであ
る(請求項1)。
【0011】ここで、上記押えローラの外周面を、その
軸方向外側に向かうに従って縮径する円錐面とし、この
円錐面が上記被裁断物に圧接するように上記押えローラ
の回転中心軸の向きを設定することがより好ましい(請
求項2)。さらには、上記押えローラの円錐面を、その
軸方向内側から順に、第1の円錐面と、この第1の円錐
面よりも回転中心軸に対する傾斜の大きな第2の円錐面
とで構成するとともに、少なくとも上記第1の円錐面が
上記被裁断物に圧接するように押えローラの回転中心軸
の向きを設定することにより、より効果的となる(請求
項3)。
【0012】また、上記押えローラの回転中心軸をカッ
タの送り方向前側に傾斜させることにより、後述のよう
なより優れた効果が得られる(請求項4)。
【0013】また本発明は、上記押えローラに代え、上
記昇降部材の前後部に回転可能に装着され、かつ上記カ
ッタの左右近傍の位置に配された回転ローラと、前後の
回転ローラの間に掛け渡された押えベルトと、上記昇降
部材を上記被裁断物に向かう方向に付勢する付勢手段と
を備え、上記被裁断物に対するカッタ及びその保持部材
の移動に伴い、上記押えベルトが上記被裁断物に圧接し
ながら走行するようにその配設位置を設定したものでも
よい(請求項5)。
【0014】
【作用】まず、請求項1記載の装置によれば、昇降部材
に回転可能に装着された押えローラは、付勢手段の付勢
力により被裁断物の表面に押付けられ、この被裁断物に
対するカッタの送り方向の相対移動に伴って、被裁断物
上を転がる。すなわち、上記押えローラはカッタによる
裁断位置の左右両脇を転がりながら被裁断物を押え付け
るので、押えローラが被裁断物を引きずる力はほとんど
生じない。また、両者の接触は略線接触であり、接触面
積が小さいため、押えローラから被裁断物に対して大き
な押圧力が集中的に与えられることになる。
【0015】請求項2記載の装置では、各押えローラの
外周面が軸方向外側に向かうに従って縮径する円錐面と
され、この円錐面が上記被裁断物に圧接するように上記
押えローラの回転中心軸の向きが設定されている(すな
わち傾いている)ので、この傾きによって押えローラと
カッタの保持部材との干渉が避けられる。
【0016】さらに、請求項3記載の装置では、被裁断
物に対し、上記各押えローラの第1の円錐面が第2の円
錐面よりも積極的に圧接するため、全円錐面が均一に被
裁断物と圧接する場合に比べ、上記第1の円錐面から被
裁断物に与えられる押圧力が大きくなる。
【0017】請求項4記載の装置では、各押えローラの
回転中心軸がカッタの送り方向前側に傾斜しているた
め、この押えローラの転動により、被裁断物には左右方
向の張力が作用し、その分、カッタによる裁断が容易に
なる。
【0018】また、請求項5記載の装置では、請求項1
記載の押えローラが被裁断物上を転がるのと同様に、前
後の回転ローラ間に掛け渡された押えベルトが被裁断物
上を走行することにより、裁断中の被裁断物の押えが行
われる。
【0019】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図9に基づいて説
明する。
【0020】図7に示す裁断装置は、地盤上に設置され
る基台10を備え、この基台10にはテーブル12が設
けられている。このテーブル12の上方には、これを幅
方向(Y軸方向)に横切るY軸ビーム16が設けられ、
このY軸テーブル12は、基台10上をX軸方向に走行
するようになっている。このY軸ビーム16には、その
長手方向(すなわちY軸方向)に沿って走行可能に主軸
頭18が装着されている。この主軸頭18は、図略の超
音波発振器を内蔵し、その下部に上記超音波発振器を含
む裁断部20が鉛直軸(C軸)回りに旋回可能でかつ上
下方向(Z軸方向)に昇降可能に装着されている。そし
て、上記テーブル12上に被裁断物である布地14が固
定された状態で、Y軸ビーム16がX軸方向に作動し、
また主軸頭18がY軸ビーム16に対してY軸方向に移
動することにより、上記裁断部20が布地14に対して
X軸方向、Y軸方向に相対移動できるようになってい
る。
【0021】上記裁断部20の構造を図1〜図6に示
す。上記主軸頭18の下面にはベースプレート22が装
着されるとともに、主軸頭18に取付けられた超音波発
振器には上下方向に延びる超音波ホーン24が連結され
ている、この超音波ホーン24は上記ベースプレート2
2から下方に突出した状態となっており、この超音波ホ
ーン24の下端部にはチップ26が固定され、このチッ
プ26に、図2に示すような傾斜した刃27をもつナイ
フ(カッタ)28が装着されている。そして、上記主軸
頭18、ベースプレート22、及び超音波ホーン24に
よって本発明の支持部材(この実施例ではナイフ支持部
材)が構成されるとともに、上記主軸頭18内で発振さ
れた超音波が上記超音波ホーン24及びチップ26を介
してナイフ28に伝達され、これによってナイフ28が
上下方向に微振動するようになっている。
【0022】上記超音波ホーン24及びナイフ28の周
囲には、上記布地14を上から押えるための布地押え装
置30が設けられている。
【0023】この布地押え装置30は、ブラケット(昇
降部材)34を備えている。このブラケット34は、図
3に示すような平面視U字状の形状をなし、上記超音波
ホーン24及びナイフ28を左右両側方及びナイフ送り
方向前側から囲む位置に設けられている。このブラケッ
ト34には、図1に示すように、このブラケット34を
上下方向に貫通する3つの貫通穴35が設けられる一
方、上記ベースプレート22の下面において上記貫通穴
35に対応する位置には、上下方向に延びる3本のガイ
ド軸32が固定されており、このガイド軸32が上記貫
通穴35を貫通する状態で、上記ブラケット34がガイ
ド軸32に沿って昇降可能とされている。さらに、各貫
通穴35の下部には、その上部よりも穴径の大きな大径
部36が設けられる一方、各ガイド軸32の下端部に
は、上記大径部36内にのみ挿入可能な軸径をもつ鍔部
32aが形成されている。
【0024】このブラケット34と上記ベースプレート
22との間には、左右一対の圧縮ばね(付勢手段)40
が圧入されている。具体的に、ブラケット34の左右に
は、上向きに開口する凹部38が形成され、この凹部3
8の底面に円柱状の突出部39が突設される一方、ベー
スプレート22の下面において上記突出部39の上方と
なる位置には、円形状の凹部22aが形成されており、
この凹部22a内に上記圧縮ばね40の上端部が嵌入さ
れるとともに、上記突出部39の外側に圧縮ばね40の
下端部が嵌められている。そして、この圧縮ばね40の
弾発力により、ブラケット34は常時下方に付勢されて
おり、これによってブラケット34は、外力を受けない
不使用状態で、図4に示すように上記大径部36上端の
段部がガイド軸32の鍔部32aに当接する位置に保持
されている。
【0025】このブラケット34の左右下面からは下方
に突出部41が突設されており、この突出部41に軸部
材44を中心として回転可能に押えローラ48が装着さ
れている。詳しくは、上記突出部41にねじ穴42が設
けられる一方、上記軸部材44の端部に雄ねじ44aが
設けられ、この軸部材44の周囲に転がり軸受46を介
して上記押えローラ48を装着した状態で、上記雄ねじ
44aが上記ねじ穴42内にねじ込まれている。
【0026】両押えローラ48の外周面は、その軸方向
外側に向かうに従って縮径する円錐面状とされている。
さらに詳しくは、上記軸方向内側から順に、第1の円錐
面50aと、この第1の円錐面50aよりも傾斜のきつ
い(すなわち軸部材44の軸方向に対する面の角度が大
きい)第2の円錐面50bとが形成されており、第1の
円錐面50aには、ローレット等の凹凸が周方向に形成
されている。
【0027】これに対し、上記ブラケット34のねじ穴
42の軸方向は、上記ナイフ28の送り方向と直交し、
かつ、軸部材44に対する第1の円錐面50aの傾斜角
度と等しい角度だけ水平面に対して下向きに傾斜してい
る。従って、このねじ穴42に上記軸部材44がねじ込
まれることにより、両押えローラ48は、その第1の円
錐面50aの下面が略水平となる角度まで傾いた状態と
なっている。すなわち、両押えローラ48は上向きに開
くように傾斜しており、この傾斜により、両押えローラ
48とチップ26等のナイフ支持部材との干渉を避けな
がら、両押えローラ48の第1の円錐面50aの下面が
ナイフ28左右のすぐ近傍に位置している。
【0028】図2に示すように、主軸頭18の下面中央
部には突出部19が形成される一方、上記ベースプレー
ト22の送り方向前端部からは立直部57が上向きに延
設されており、上記突出部19を前方から覆っている。
この立直部57の上面には、図1,4,5に示すような
略あり溝状の溝52が上記送り方向に形成されている。
これに対し、主軸頭18において上記突出部19の下面
には、図1,4,5に示すような、上記溝52に嵌合可
能な略あり状の突出部54が形成されており、両者の嵌
合によって、ベースプレート22が主軸頭18に対して
上記送り方向にスライド可能に装着されている。
【0029】そして、この立直部57及び上記主軸頭1
8の突出部19をまたぐようにして、ベースプレート2
2の位置調節用ボルト56,58が左右に設けられてい
る。
【0030】図6(a)に示すように、一方の位置調節
用ボルト56の配設位置においては、上記立直部57を
上記送り方向に貫通する貫通穴22aが設けられるとと
もに、突出部19の側壁において上記貫通穴22aに対
応する位置には、終端をもつねじ穴18aが設けられて
いる。そして、上記位置調節用ボルト56を上記貫通穴
22aに挿入し、上記ねじ穴18a内にねじ込むことに
より、この位置調節用ボルト56の頭部がベースプレー
ト22の立直部57を上記突出部19に向かう方向に押
し込むようになっている。
【0031】これに対し、他方の位置調節用ボルト58
の配設位置においては、図6(b)に示すように、ベー
スプレート22の立直部57にこれを送り方向に貫通す
るねじ穴22bが設けられるとともに、突出部19の側
壁に、終端をもつ穴18bが設けられている。そして、
上記ねじ穴22bに位置調節用ボルト58を螺合挿通さ
せ、かつ位置調節用ボルト58の端部を上記穴18bの
終端面に当接させた状態で、位置調節用ボルト58をさ
らに回すことにより、ベースプレート22の立直部57
が主軸頭18の突出部19に対して離れる方向に引張ら
れるようになっている。従って、上記位置調節用ボルト
56,58を適宜回すことにより、ベースプレート22
及び裁断部20全体を主軸頭18に対して所望の位置に
固定できるようになっている。
【0032】次に、この装置の作用を説明する。
【0033】まず、裁断部20を使用していない状態、
すなわち両押えローラ48に外力が加えられていない状
態では、図4に示すように上記大径部36上端の段部が
ガイド軸32の鍔部32aに当接する位置までブラケッ
ト34及び両押えローラ48が下降している。
【0034】この状態から、テーブル12上に布地14
をセットし、この布地14上面に対して主軸頭18のZ
軸に沿い裁断物20を上方からアプローチすると、図
1,2,5に示すようにナイフ28が布地14を貫通
し、その先端がテーブル12上に食い込むと同時に、両
押えローラ48が布地14の上面に押付けられ、これに
よって、両押えローラ48及びブラケット34は一体
に、布地14の厚み分だけ上昇する。この上昇の分、両
圧縮ばね40が圧縮するため、その弾発力によって上記
両押えローラ48は布地14の上面に押付けられる。
【0035】次に、上記位置調節用ボルト56,58の
操作により、ベースプレート22及び裁断部20全体を
主軸頭18に対して前後させ、その位置調節を行う。具
体的には、図2に示すように、布地14の上面とナイフ
28の刃27とが交わる点(裁断点)Pの側方に、上記
布地14の上面と両押えローラ48の第1の円錐面50
aとの接触点が正確に位置するように、裁断部20の調
節を行う。
【0036】そして、ナイフ28に超音波を与えてナイ
フ28を微振動させるとともに、Y軸ビーム16をX軸
方向に移動させ、あるいはY軸ビーム16に沿って主軸
頭18をY軸方向に移動させることにより、上記ナイフ
28と布地14とを所定の送り方向に相対移動させる。
この移動により、上記ナイフ28によって布地14の裁
断が行われるとともに、両押えローラ48は布地14を
テーブル12に押付けたまま、この布地14上を転が
る。すなわち、回転する両押えローラ48によって布地
14を上から押えつけながら、両押えローラ48の間の
部分が超音波振動するナイフ28によって裁断される。
【0037】このような装置によれば、前記図15〜1
7に示した従来装置に比し、次のような効果を得ること
ができる。
【0038】(a) 押えローラ48が布地14上を転がり
ながら裁断が進められるので、両者が摺接する装置のよ
うに、押えローラ48が布地14を引きずる力がほとん
ど生じない。すなわち、抑えローラ48の擦りに起因す
る糸ずれや引きずりは生じにくい。
【0039】(b) 押えローラ48と布地14との接触は
略点接触であり、両者の接触面積が非常に小さいので、
押えローラ48から布地14に与える押圧力を、図8に
示すように裁断点P付近に集中させることができる。従
って、押え部材の全面が均一に布地14と接触する従来
装置に比べ、押え効果が飛躍的に高まる。
【0040】(c) 押えローラ48が布地14と接触する
面が周面であるので、図9に示すよう、布地14に段差
や厚み変化がある場合でも、この布地14に対して良好
に押えローラ48を接触させることができる。
【0041】(d) 押えローラ48の外周面を円錐面とす
るとともに、両押えローラ48の回転中心軸を水平面よ
りも下向きに傾斜させ、両押えローラ48が上向きに開
くようにしているので、ナイフ28の上端を保持するチ
ップ41や超音波ホーン24と両押えローラ48との干
渉を避けながら、両押えローラ48と布地14との接触
部分を裁断点Pに限りなく近付けることができ、これに
よって、より有効に布地14の押えを行うことができ
る。特に、この実施例では、上記押えローラ48の円錐
面を互いに傾斜角度の異なる第1の円錐面50aと第2
の円錐面50bとし、布地14に対して第1の円錐面5
0aを集中的に圧接させるようにしているので、押えロ
ーラ48から布地14への押圧力をより裁断点P近傍に
集中させることが可能となる。
【0042】(e) 上記第1の円錐面50aに凹凸を設け
ているので、この第1の円錐面50aを布地14により
効果的に食い込ませることができ、これによって押え効
果を高めることができる。
【0043】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0044】(1) 上記実施例では、両押えローラ48の
回転中心軸49をナイフ28の送り方向(すなわち裁断
方向)と直交する方向に向けたものを示したが、図10
(a)に示すように、上記回転中心軸49を上記送り方
向前側(図では上側)に傾斜させる、すなわち、両回転
中心軸49と裁断線とのなす角度θを90°未満にして
もよい。このような配置にすれば、布地14上を両押え
ローラ48が転がる際、図10(b)に示すように、布
地14に左右外側方向の張力Tが作用することになり、
これによってより良好な裁断を実現できる。
【0045】(2) 上記実施例では、両押えローラ48の
外周面を円錐面としたが、両押えローラ48の外周面を
円筒面とするとともに、その回転中心軸49を水平にす
るようにしてもよい。ただし、上記実施例のように円錐
状の押えローラ48を用いてその回転中心軸49を傾け
れば、ナイフ28上方のチップ26や超音波ホーン24
と両押えローラ48とを干渉させずに、両押えローラ4
8が布地14と接触する部分を裁断点Pに近付けること
ができる利点がある。
【0046】(3) 上記実施例では、押えローラ48を用
いて布地14を押えるものを示したが、例えば図11に
示すように、ブラケット34の左右に水平軸60aを中
心に回動可能に逆T字状のアーム60を連結し、このア
ーム下端の前後部同士を軸62で連結するとともに、各
軸62の左右部周囲に転がり軸受等からなる回転ローラ
64を設け、前後の回転ローラ64同士の間に押えベル
ト66を掛け渡すようにしてもよい。この場合も、上記
押えベルト66を布地14上面に圧接させながら、この
布地14上で走行させることにより、押えベルト66を
少ない摩擦力で良好に布地14上に接触させることがで
きる。ただし、前記実施例に示すように、押え用の部材
として押えローラ48を用いれば、布地14との接触面
積をより削減することができ、その分押圧力を集中させ
ることができる効果がある。
【0047】(4) 上記実施例では、単一のブラケット3
4に左右の押えローラ48を装着し、両押えローラ48
を一体に昇降させるものを示したが、本発明はこれに限
らず、左右それぞれ個別に昇降部材を設け、各昇降部材
に押えローラや押えベルトを装着して、これらが互いに
独立して昇降するような構成にしてもよい。
【0048】(5) 上記実施例では、被裁断物として布地
14を裁断するものを示したが、本発明はこれに限ら
ず、紙その他のシート材等の裁断を行う装置にも好適に
用いることができる。
【0049】(6) 上記実施例では、裁断を行うカッタと
して超音波振動を利用したナイフ28を用いたものを示
したが、本発明ではカッタの種類を問わず、被裁断物に
応じて適宜選択すればよい。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次の効果
を得ることができる。
【0051】まず、請求項1記載の装置は、カッタ及び
その保持部材に対して昇降する昇降部材に押えローラを
回転可能に装着し、上記昇降部材に与える付勢力で両押
えローラが被裁断物に圧接し、かつその上を転がしなが
ら押え裁断を行うようにしたものであるので、上記押え
ローラが被裁断物を引きずる力はほとんど生じず、従っ
て、押えローラの擦りに起因する糸ずれや引きずりを効
果的に抑制することができる。しかも、押えローラと被
裁断物との接触は略点接触であり、両者の接触面積が非
常に小さいので、押えローラから被裁断物に与える押圧
力を裁断点付近に集中させることができ、押え部材の全
面が均一に被裁断物と接触する従来装置に比べ、押え効
果を飛躍的に高めることができる効果がある。また、押
えローラが被裁断物と接触する面が周面であるので、被
裁断物に段差や厚み変化がある場合でも、この被裁断物
に対して良好に押えローラを接触させることができる。
【0052】さらに、請求項2記載の装置は、上記押え
ローラの外周面を円錐面とするとともに、この円錐面の
傾きに対応して両押えローラの回転中心軸の向きを設定
したものであるので、カッタを支持する支持部材と両押
えローラとの干渉を避けながら、両押えローラと被裁断
物との接触部分を裁断点に近付けることができ、これに
よって、より有効に被裁断物の押えを行うことができる
効果がある。
【0053】さらに、請求項3記載の装置は、上記押え
ローラの円錐面を互いに傾斜角度の異なる第1の円錐面
と第2の円錐面とし、被裁断物に対して第1の円錐面を
集中的に圧接させるようにしているので、押えローラか
ら被裁断物への押圧力を裁断点近傍により集中させるこ
とができ、両回転ローラによる押え効果をさらに高める
ことができる。
【0054】請求項4記載の装置は、上記各押えローラ
の回転中心軸をカッタの送り方向前側に傾斜させたもの
であるので、両押えローラが被裁断物上を転がる際、両
押えローラ間で被裁断物に左右方向外向きの引張力を作
用させることができ、これによって裁断をより円滑にす
ることができる効果がある。
【0055】また、請求項5記載の装置は、昇降部材に
設けた前後の回転部材間に押えベルトを掛け渡したもの
であるので、この押えベルトを被裁断物に押付けながら
走行させることにより、請求項1記載の装置と同様に、
少ない摩擦力で良好に押えベルトを被裁断物に押付ける
ことができ、不都合なく裁断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3のI−I線断面図である。
【図2】本発明の一実施例における裁断装置に設けられ
た裁断部の側面図である。
【図3】上記裁断部の断面平面図である。
【図4】上記裁断部において両押えローラに外力が加わ
っていない状態を示す正面図である。
【図5】上記裁断部において両押えローラを布地に押付
けた状態を示す正面図である。
【図6】(a)は図5のA−A線断面図、(b)は図5
のB−B線断面図である。
【図7】上記裁断装置の全体斜視図である。
【図8】上記押えローラから布地に与えられる押圧力の
圧力分布を示す説明図である。
【図9】上記押えローラと布地の段差部分との接触状態
を示す側面図である。
【図10】(a)は上記押えローラの回転中心軸をナイ
フ送り方向前側に傾斜させた状態を示す平面図、(b)
は同状態において押えローラを転がした時に被裁断物に
発生する張力を示す説明図である。
【図11】裁断装置において押えベルトを用いた例を示
す斜視図である。
【図12】超音波振動するナイフで布地を裁断する様子
を描いた斜視図である。
【図13】上記裁断の際に発生する糸ずれを示す平面図
である。
【図14】(a)は上記糸ずれの生じた部分に対して直
角方向に裁断を行う作業を示す説明図、(b)は上記作
業を行った後の状態を示す説明図である。
【図15】従来の裁断装置における被裁断物押え装置の
一例を示す断面図である。
【図16】(a)は上記被裁断物押え装置において発生
する糸ずれを示す斜視図、(b)は同装置において発生
するひきずりを示す正面図である。
【図17】上記被裁断物押え装置における押え部材と布
地の段差部分との接触状態を示す正面図である。
【符号の説明】
14 布地(被裁断物) 18 主軸頭(支持部材) 20 裁断部 24 超音波ホーン(支持部材) 26 チップ(支持部材) 28 ナイフ(カッタ) 30 布地押え装置 34 ブラケット(昇降部材) 40 圧縮ばね(付勢手段) 48 押えローラ 49 押えローラの回転中心軸 50a 第1の円錐面 50b 第2の円錐面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 真二 大阪府大阪市中央区北久宝寺町2丁目4番 1号 新日本工機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カッタ及びその保持部材を備え、上記カ
    ッタを被裁断物に対して所定の送り方向に相対移動させ
    ることにより、この送り方向に上記被裁断物を裁断する
    裁断装置において、上記保持部材と一体に送り方向に移
    動し、かつ保持部材に対して昇降可能となるように保持
    部材に装着された昇降部材と、この昇降部材に回転可能
    に装着され、かつ上記カッタの左右近傍の位置に配され
    た押えローラと、上記昇降部材を上記被裁断物に向かう
    方向に付勢する付勢手段とを備え、上記被裁断物に対す
    るカッタ及びその保持部材の移動に伴い、上記押えロー
    ラが上記被裁断物に圧接しながら転がるようにその回転
    中心軸を設定したことを特徴とする裁断装置における被
    裁断物の押え装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の裁断装置における被裁断
    物の押え装置において、上記押えローラの外周面を、そ
    の軸方向外側に向かうに従って縮径する円錐面とし、こ
    の円錐面が上記被裁断物に圧接するように上記押えロー
    ラの回転中心軸の向きを設定したことを特徴とする裁断
    装置における被裁断物の押え装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の裁断装置における被裁断
    物の押え装置において、上記押えローラの円錐面を、そ
    の軸方向内側から順に、第1の円錐面と、この第1の円
    錐面よりも回転中心軸に対する傾斜の大きな第2の円錐
    面とで構成するとともに、少なくとも上記第1の円錐面
    が上記被裁断物に圧接するように押えローラの回転中心
    軸の向きを設定したことを特徴とする裁断装置における
    被裁断物の押え装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の裁断装
    置における被裁断物の押え装置において、上記押えロー
    ラの回転中心軸をカッタの送り方向前側に傾斜させたこ
    とを特徴とする裁断装置における被裁断物の押え装置。
  5. 【請求項5】 カッタ及びその保持部材を備え、上記カ
    ッタを被裁断物に対して所定の送り方向に相対移動させ
    ることにより、この送り方向に上記被裁断物を裁断する
    裁断装置において、上記保持部材と一体に送り方向に移
    動し、かつ保持部材に対して昇降可能となるように保持
    部材に装着された昇降部材と、この昇降部材の前後部に
    回転可能に装着され、かつ上記カッタの左右近傍の位置
    に配された回転ローラと、前後の回転ローラの間に掛け
    渡された押えベルトと、上記昇降部材を上記被裁断物に
    向かう方向に付勢する付勢手段とを備え、上記被裁断物
    に対するカッタ及びその保持部材の移動に伴い、上記押
    えベルトが上記被裁断物に圧接しながら走行するように
    その配設位置を設定したことを特徴とする裁断装置にお
    ける被裁断物の押え装置。
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