JPH0790295A - 油脂の改質方法 - Google Patents

油脂の改質方法

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JPH0790295A
JPH0790295A JP5298071A JP29807193A JPH0790295A JP H0790295 A JPH0790295 A JP H0790295A JP 5298071 A JP5298071 A JP 5298071A JP 29807193 A JP29807193 A JP 29807193A JP H0790295 A JPH0790295 A JP H0790295A
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高明 松尾
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紀夫 沢村
Nobuo Sagi
信夫 鷺
Yukio Hashimoto
征雄 橋本
Wataru Hashida
度 橋田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高価なStOSt源の油脂に依存するのでな
く、従来、カカオバター代用脂製造の際には除去すべき
画分とされていたSU2 に富む画分を、改質剤として利
用し、安価なPOP源の油脂に依存してこれをカカオバ
ター等高級な植物バターに匹敵する品質に改質する。 【構成】2─オレオジパルミチンに富む油脂を、二飽和
一不飽和型グリセリドに富む画分と分離した一飽和二不
飽和型グリセリドに富み結合飽和脂肪酸の主成分がステ
アリン酸である油脂とともに、1,3 位の結合脂肪酸を1,
3 位特異性のあるリパーゼを作用させることにより選択
的にランダム化し、その後二飽和一不飽和型グリセリド
に富む画分を分取することを特徴とする油脂の改質法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は2─オレオジパルミチ
ンに富む油脂の改質方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然の産品である油脂は、一般に混合ト
リグリセリドであって、組成や用途も多様であるが、二
飽和一不飽和型グリセリド(結合脂肪酸の2つが飽和脂
肪酸であり1つが不飽和脂肪酸であるグリセリド:以下
「S2 U」という) 、とりわけ、2位がオレイン酸で1
及び3位がステアリン酸またはパルミチン酸であるグリ
セリドに富む一群の油脂、所謂植物バターがある。
【0003】カカオバターは、この群に属する最も代表
的な油脂であって、トリグリセリド中S2 Uが3/4程
度以上を占め、POSt,StOSt,POPの順に多
く含み、独特の物性をもつ(P,O,Stはそれぞれト
リグリセリドに結合するパルミチン酸残基、オレイン酸
残基、及びステアリン酸残基を示し、例えば、POSt
は、2─オレオ1,3─パルミトステアリンであること
を示す)。カカオバターは、また、最も高価な油脂の代
表的なものであり、所謂植物バターの中でも最も高級と
される。この為、従来よりカカオバターの物性に類似す
る油脂の製造に多大の努力が払われてきたのである。
【0004】かかる努力の一つは、分別手段を用いる方
向に向けられており、カカオバターよりは安価な油脂、
多くの場合は安価な植物バターから、三飽和型トリグリ
セリド(以下「S3 」という) のような高融点の画分を
除去し、或いは、一飽和二不飽和型グリセリド(以下
「SU2 」という) や三不飽和型トリグリセリドのよう
な低融点の画分を除去して「S2 U」に富む画分を得、
これを利用しようとする技術が常套化している。この技
術がより高度化すると、かかる分別手段により得られた
「StOSt」に富む画分と「POP」に富む画分を混
合し、或いはさらに該混合油の1,3位の結合脂肪酸を
ランダム化する手段が付加されるに至る。しかしなが
ら、この技術は、「StOSt」に富む油脂の採取が
「POP」に富む画分の油脂の場合に比べて高くつくた
めに、コスト的な利点が少なかったり、さらに加工を加
えることの利益を殆どもたらさない難点がある。これ
は、「StOSt」源として依存し得る植物の殆どが野
性種であって、農園で人に保護されて育成されるもので
はなく、稀少価値があるとともに、天候等による生産量
の変動が大きいからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高価なSt
OSt源に依存することなく、むしろ従来、カカオバタ
ー代用脂製造の際には除去すべき画分とされていたSU
2 に富む画分を、即ち、S2 Uに富む画分とは分離した
SU2 に富む画分を改質剤として利用し、安価なPOP
源に依存してこれをカカオバター等高級な植物バターに
匹敵する品質に改質しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明はP
OPに富む油脂を、SU 2 に富み結合飽和脂肪酸の主成
分がステアリン酸である油脂とともに、1,3 位の結合脂
肪酸を1,3 位特異性のあるリパーゼを作用させることに
より選択的にランダム化し、その後S2 Uに富む画分を
分取することを特徴とする油脂の改質法である。以下こ
の発明についてより詳細に説明する。
【0007】この発明において改質の対象はPOPに富
む油脂であり、改質剤はS2 Uに富む画分とは分離した
SU2 に富み結合飽和脂肪酸の主成分がステアリン酸で
ある油脂である。
【0008】POPに富む油脂は、パーム油、好適には
POPを50重量%以上含むパーム油中融点画分が使用
できる。しかしパーム中融点画分には、少量のPOP異
性体、例えばPPOが含まれ、このような異性体が製品
中に残存すると油脂の結晶性を阻害するためか、チョコ
レートに使用したときの耐熱性を損なう等、品質を阻害
するが、これらが含まれていてもパーム油中融点画分中
60重量%以上POPが含まれておれば殆ど問題がな
く、また、後の分別工程で低融点側に除去でき何らの悪
影響も与えないことを見出している。
【0009】SU2 に富む油脂で結合飽和脂肪酸の主成
分がステアリン酸であるものは、ステアリン酸残基が1
または3位にあり、2位に不飽和脂肪酸が結合している
のが通常である。結合不飽和脂肪酸がオレイン酸に富ん
でいると製品の収量改善に寄与できる。具体的に好まし
い油脂としては、シア脂、サル脂、マンゴ脂、コーカム
脂等の油脂について、所謂2段分別により除去される低
融点画分が例示される。SU2 に富む油脂の、POPに
富む油脂に対する割合は、通常0.2重量%以上、最適
には、0.6乃至9重量倍の範囲が選択される。0.2
重量倍に満たないと改質の硬化が乏しく、0.6〜9重
量倍の範囲において最も良好な改質効果が得られる。
【0010】SU2 に富む油脂の結合飽和脂肪酸の主成
分がステアリン酸であることが改質のために必要である
が、少量成分として炭素数20以上の脂肪酸例えばアラキ
ジン酸が含まれていることを妨げるものではない。
【0011】なおこの発明において改質剤としてSU2
型グリセリドを用いると、遊離脂肪酸、モノアシル誘導
体を用いる場合よりも、いくつかの有利さがある。第一
に、遊離脂肪酸等を用いる時、最終的に除去される量
は、油脂産業において通常装備されている程度の脱臭
(蒸留)設備の処理量を越えるので、別の設備または改
造装置の設備等が必要であるが、本発明によれば従来の
分別装置で処理できる。第二に、遊離脂肪酸等が後の分
画工程に含まれていると、S3 成分の除去精度を低下さ
せる欠点があり、為に、後の分画工程前に除去しておく
必要があり、このため、通常溶剤も除去しておくことに
なって、後の分画工程後の溶剤除去と二重の操作をしな
ければならないが、この発明方法によれば、ランダム処
理後不要になった部分の改質剤を分画工程そのものによ
って除去するから、そのような難点がないのである。
【0012】上述POPに富む油脂は、改質剤ととも
に、1、3位の結合脂肪酸を選択的にランダム化する。
このランダム化処理は、1、3位特異性のあるリパーゼ
を作用させることにより行えるが、この発明では、これ
を非加水系において行うのが好ましい。ランダム化処理
を行う系に加えられておりその結果油脂中例えば0.2%以
上含まれていると、ランダム化処理の間に加水分解が生
じて、工業的には除去し難いジグリセリドの生成量が大
きく、後の分画工程を経てもクーリングカーブで測定さ
れる性状がよくない等の難点があり、従って改質の目的
を充分に果たすことが困難である。
【0013】1,3 位特異性のあるリパーゼは、その特異
性(1,3位の選択度) に多少の相違はあるものの、リゾー
プス属( リゾープス・ニベウス、リゾープス・ジャポニ
カス) 、ムコール属( ムコール・ジバニカス、ムコール
・デレマー) アスペルギルス属( アスペルギルス・ニガ
ー) 等の微生物起源のものの他、パンクレアチックリパ
ーゼ、米糠リパーゼ等があり、この中でも1,3 選択性の
より高いものが好ましい。ランダム化処理の温度はリパ
ーゼ活性を呈する温度であればどのような範囲でもよ
く、通常20〜75℃程度の温度範囲が採用される。該
処理温度において、熔融状態にならない油脂が残存する
場合には、上記酵素に対し不活性の溶媒、好ましくは、
後の分画処理にも利用できる溶媒を使用して、油脂が液
状を保つようにする。かかる処理時間は通常1〜72時
間である。
【0014】上記ランダム化処理後、リパーゼを除去
し、S2 Uに富む画分を分取して製品とするが、このよ
うな分画手段は当業者によく知られたものであり、ウィ
ンタリングまたは溶剤分別、薬剤分別等の手段が採用で
きる。ここに除去すべき画分は、ランダム化後の低融点
画分であるが、必要に応じて二段分別を施し高融点部分
と低融点部分の両方を除去してもよい。
【0015】この発明により得た改質品は、もともとP
OPに富む油脂のもつ難点、例えば、ハードバターとし
て大量に用いた場合のチョコレート耐熱性上の難点やテ
ンパリング性についての難点、が改善されており、単独
またはカカオバター等、場合によってはPOPに富む油
脂そのものと併用して、良好なチョコレートを製造する
ことができる品質となる。
【0016】
【実施例】以下この発明を実施例で説明する。 実施例1 パーム油中融点画分(IV34,トリグリセリド中PO
P含量64%)77部と、シア脂低融点画分(IV7
5、SU2 含量52%、結合飽和脂肪酸中のステアリン
酸含量84%、結合不飽和脂肪酸中のオレイン酸含量8
7%)23部に、酵素剤10部(起源リゾープス・ジャ
ポニカス)を加え40℃で7日間攪拌を行うことにより
ランダム化処理を行った。
【0017】酵素剤分離後の油脂に、ヘキサン500部
を加え、常法により2段の分画処理を行って中融点部2
2部を得た。
【0018】この油脂は、S2 U含量76.2%で、脂
肪酸組成は下表のとおりであった。 脂肪酸│C14 │C16 │C16-18│ C18 │C18:1 │C18:2 │C18:3 │ C20 組成%│0.2 │23.1│ 0.1 │ 36.2 │35.2 │3.3 │0.2 │ 1.6
【発明の効果】本発明は、高価なStOSt源に依存す
るのでなく、むしろ従来、カカオバター代用脂製造の際
には除去すべき画分とされていたSU2 に富む画分を、
即ち、S2 Uに富む画分とは分離したSU2 に富む画分
を改質剤として利用し、安価なPOP源に依存してこれ
をカカオバター等高級な植物バターに匹敵する品質に改
質することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2─オレオジパルミチンに富む油脂を、二
    飽和一不飽和型グリセリドに富む画分とは分離した一飽
    和二不飽和型グリセリドに富み結合飽和脂肪酸の主成分
    がステアリン酸である油脂とともに、1,3 位の結合脂肪
    酸を1,3 位特異性のあるリパーゼを作用させることによ
    り選択的にランダム化し、その後二飽和一不飽和型グリ
    セリドに富む画分を分取することを特徴とする油脂の改
    質法。
  2. 【請求項2】一飽和二不飽和型グリセリドに富む油脂の
    結合不飽和脂肪酸の主成分がオレイン酸である請求項1
    記載の改質法。
  3. 【請求項3】2─オレオジパルミチンに富む油脂に対す
    る一飽和二不飽和型グリセリドに富む油脂の重量割合が
    0.2 以上である請求項1記載の改質法。
  4. 【請求項4】ランダム化処理を非加水系で行う請求項1
    記載の改質法。
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