JPH0790268B2 - 二重管の製造方法 - Google Patents
二重管の製造方法Info
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- JPH0790268B2 JPH0790268B2 JP2028217A JP2821790A JPH0790268B2 JP H0790268 B2 JPH0790268 B2 JP H0790268B2 JP 2028217 A JP2028217 A JP 2028217A JP 2821790 A JP2821790 A JP 2821790A JP H0790268 B2 JPH0790268 B2 JP H0790268B2
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- pipe
- double
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- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Metal Extraction Processes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は外管内に内管を挿入した鋼製二重管の製造法に
関するものである。
関するものである。
[従来の技術] 二重管の製造方法には、外管内に内管を挿入しダイスと
固定プラグを用いて引き抜く方法(特開昭58-58944号公
報、特開昭58-41611号公報)、外管内に挿入された内管
を室温よりも低温に冷却しつつ外管の外面から高温液体
により半径方向に圧力を加えて縮管する方法(特開昭62
-280623号公報)等がある。しかし、これらの方法は、
製造工程および設備が複雑であるために、製造期間が長
く、コスト高となる問題がある。
固定プラグを用いて引き抜く方法(特開昭58-58944号公
報、特開昭58-41611号公報)、外管内に挿入された内管
を室温よりも低温に冷却しつつ外管の外面から高温液体
により半径方向に圧力を加えて縮管する方法(特開昭62
-280623号公報)等がある。しかし、これらの方法は、
製造工程および設備が複雑であるために、製造期間が長
く、コスト高となる問題がある。
二重管の用途例としては次のようなものがある。
ラインパイプ:炭酸ガス等の腐食性ガスを含むガス
ラインで、外管に炭素鋼、内管にステンレス鋼等の高耐
食性材料を用いる。
ラインで、外管に炭素鋼、内管にステンレス鋼等の高耐
食性材料を用いる。
製紙工程中のソーダ回収ボイラ用鋼管:通常の炭素
鋼では腐食に耐えられない箇所では、外管にステンレス
鋼等の高耐食性材料を用い内管に炭素鋼を用いる。
鋼では腐食に耐えられない箇所では、外管にステンレス
鋼等の高耐食性材料を用い内管に炭素鋼を用いる。
高温高圧ボイラ用過熱器管:管外からのアルカリ、
硫酸、塩酸腐食等を防止するため、外管に高クロム鋼等
の高耐食性材料、内管に耐熱ステンレス鋼を用いる。
硫酸、塩酸腐食等を防止するため、外管に高クロム鋼等
の高耐食性材料、内管に耐熱ステンレス鋼を用いる。
高速増殖炉用蒸気発生管:後述の理由により内外管
ともに高耐食耐熱鋼からなる二重管を用いる。
ともに高耐食耐熱鋼からなる二重管を用いる。
これらのうち高速増殖炉用蒸気発生管は、高速増殖炉の
冷却に使用した高温の液体金属ナトリウムを利用して蒸
気を発生させるもので、管の外側に液体金属ナトリウム
を通じ、管の内側に水が通る構造となっており、これに
使用される二重管は次のような条件を満足する必要があ
る。
冷却に使用した高温の液体金属ナトリウムを利用して蒸
気を発生させるもので、管の外側に液体金属ナトリウム
を通じ、管の内側に水が通る構造となっており、これに
使用される二重管は次のような条件を満足する必要があ
る。
第1は、外管と内管が機械的に接触して、しかもその間
隙が表面粗さ程度になっていることである。高速増殖炉
用蒸気発生管では、管内の水または水蒸気が管外に達し
て液体金属ナトリウムに接触すると爆発的な反応を起こ
すため、高耐食高耐熱管からなる管を二重にし、外管と
内管のいずれかに亀裂が生じても直ちにこれを検出する
ことによって、爆発が起こらないように管理されてい
る。亀裂の検出は、第7図に示すように外管1の内面に
溝4を形成し、溝の中及び外内管の間隙にヘリウムガス
を充填しておき、外管1と内管2のいずれかに亀裂が生
じた場合のヘリウムガスの圧力変動を検出することによ
って行われる。したがって外管1と内管2の間には間隙
が必要であるが、この二重管が熱交換器用の管材である
ため外管1と内管2が接触していなければならず、接触
面に表面粗さ程度の間隙が存在する。
隙が表面粗さ程度になっていることである。高速増殖炉
用蒸気発生管では、管内の水または水蒸気が管外に達し
て液体金属ナトリウムに接触すると爆発的な反応を起こ
すため、高耐食高耐熱管からなる管を二重にし、外管と
内管のいずれかに亀裂が生じても直ちにこれを検出する
ことによって、爆発が起こらないように管理されてい
る。亀裂の検出は、第7図に示すように外管1の内面に
溝4を形成し、溝の中及び外内管の間隙にヘリウムガス
を充填しておき、外管1と内管2のいずれかに亀裂が生
じた場合のヘリウムガスの圧力変動を検出することによ
って行われる。したがって外管1と内管2の間には間隙
が必要であるが、この二重管が熱交換器用の管材である
ため外管1と内管2が接触していなければならず、接触
面に表面粗さ程度の間隙が存在する。
第2は、二重管の長さが極めて長い必要があることであ
る。これは二重管の長さが長いほど接合部で発生するト
ラブルが減少でき、さらに接合に要する溶接、検査等の
費用が削減できるためである。
る。これは二重管の長さが長いほど接合部で発生するト
ラブルが減少でき、さらに接合に要する溶接、検査等の
費用が削減できるためである。
第3は、400℃から550℃の使用温度域で外管と内管が強
固に密着していなければならない。従って常温における
外内管の界面圧力の高いことが必要である。上記のよう
に、高速増殖炉用蒸気発生管は常に爆発の危険にさらさ
れ、これに用いる二重管は安全及び熱伝達効率上、外管
と内管が強固に密着している必要がある。
固に密着していなければならない。従って常温における
外内管の界面圧力の高いことが必要である。上記のよう
に、高速増殖炉用蒸気発生管は常に爆発の危険にさらさ
れ、これに用いる二重管は安全及び熱伝達効率上、外管
と内管が強固に密着している必要がある。
第4は、外管と内管が同種金属なので、熱処理による界
面圧力向上対策を用いず第3の条件を満足させなければ
ならないことである。外管と内管が異種金属の場合は、
外管にのみ熱処理を施し変態により体積を増加させ外管
が内管を外面から締め付けるようにすること等も可能で
あるが、高速増殖炉用蒸気発生管は外内管ともに長時間
高温強度および耐食性に優れ、かつ同一熱膨張率を有す
るものであることが要求される関係上、外管と内管が同
種の金属で製造されるため、熱処理による界面圧力の向
上は困難である。このため従来は縮径引抜加工により、
界面圧力を得ていた。
面圧力向上対策を用いず第3の条件を満足させなければ
ならないことである。外管と内管が異種金属の場合は、
外管にのみ熱処理を施し変態により体積を増加させ外管
が内管を外面から締め付けるようにすること等も可能で
あるが、高速増殖炉用蒸気発生管は外内管ともに長時間
高温強度および耐食性に優れ、かつ同一熱膨張率を有す
るものであることが要求される関係上、外管と内管が同
種の金属で製造されるため、熱処理による界面圧力の向
上は困難である。このため従来は縮径引抜加工により、
界面圧力を得ていた。
第5は、二重管を管板へ取りつける際のエクスパンショ
ン加工ができるような加工性を有していることが必要で
ある。このため、従来は縮径引抜加工後に熱処理を行っ
て延性を向上させていた。
ン加工ができるような加工性を有していることが必要で
ある。このため、従来は縮径引抜加工後に熱処理を行っ
て延性を向上させていた。
このように高速増殖炉用蒸気発生管として用いる二重管
には、多くの厳しい条件が課せられる。
には、多くの厳しい条件が課せられる。
[発明が解決しようとする課題] 高速増殖炉用蒸気発生管用二重管の従来の製造法は、外
内管の界面圧力、機械的性質などの要求特性を満たすた
めに、伸管加工したのち熱処理するなど製造工程が複雑
で、高価な設備が必要であり、また製造工程が長く、製
造コストが大幅に高くなる問題があった。
内管の界面圧力、機械的性質などの要求特性を満たすた
めに、伸管加工したのち熱処理するなど製造工程が複雑
で、高価な設備が必要であり、また製造工程が長く、製
造コストが大幅に高くなる問題があった。
本発明は、高速増殖炉用蒸気発生管に使用される二重管
等の各種鋼製二重管の製造において、二重管の外内管の
界面圧力が高く、かつエクスパンション加工等の加工性
のよい二重管を短工程低コストで製造することを目的と
するものである。
等の各種鋼製二重管の製造において、二重管の外内管の
界面圧力が高く、かつエクスパンション加工等の加工性
のよい二重管を短工程低コストで製造することを目的と
するものである。
[課題を解決するための手段および作用] 本発明は、外管の内面に内管の外面が密着している鋼製
二重管を製造する方法において、外管と内管が同種金属
であってかつ外管よりも降伏強度が高い内管を外管に挿
入し、外管減面率を2〜10%とする縮径引抜加工を行う
ことにより、外内管の界面圧力を2kgf/mm2以上とするこ
とを特徴とする。
二重管を製造する方法において、外管と内管が同種金属
であってかつ外管よりも降伏強度が高い内管を外管に挿
入し、外管減面率を2〜10%とする縮径引抜加工を行う
ことにより、外内管の界面圧力を2kgf/mm2以上とするこ
とを特徴とする。
本発明においては、外管および内管は同鋼種とするが、
外管および内管をそれぞれ異なる条件により熱処理して
内管の降伏強度を外管よりも高くする。内管を外管に挿
入した後、ダイスに通して縮径引抜加工を行い、外内管
の界面圧力を2kgf/mm2以上とする。2kgf/mm2未満だと、
前記のような各種用途の二重管、特に高速増殖炉用蒸気
発生管として適さないからである。界面圧力を2kgf/mm2
とするために、縮径引抜加工における外管減面率を2%
以上とする。10%を越えると、二重管の管端部にエクス
パンション加工等の加工を行うときに割れ発生等の問題
が生じるおそれがあるので、外管減面率を2〜10%と限
定した。
外管および内管をそれぞれ異なる条件により熱処理して
内管の降伏強度を外管よりも高くする。内管を外管に挿
入した後、ダイスに通して縮径引抜加工を行い、外内管
の界面圧力を2kgf/mm2以上とする。2kgf/mm2未満だと、
前記のような各種用途の二重管、特に高速増殖炉用蒸気
発生管として適さないからである。界面圧力を2kgf/mm2
とするために、縮径引抜加工における外管減面率を2%
以上とする。10%を越えると、二重管の管端部にエクス
パンション加工等の加工を行うときに割れ発生等の問題
が生じるおそれがあるので、外管減面率を2〜10%と限
定した。
本発明法による外内管の界面圧力の発生について、従来
法と比較して説明する。
法と比較して説明する。
まず、内外管の降伏強度が等しい従来法について述べ
る。第3図は二重管の縮管空引加工における外管および
内管のひずみと応力の変化を示し、横軸には外管内面お
よび内管外面のひずみをとって、両ひずみの最大値が一
致するようにひずみ0の点をずらして表示したものであ
る。D1は加工前の外管の内径、D2は加工前の内管の外
径、D7は両管のひずみが最大となったとき、すなわち縮
管引抜加工のダイス通過時に、管径が最少になったとき
の外管の内径および内管の外径(両者は等しい)に相当
する。加工前には、内管はすき間(D1-D2)を有した状
態で外管に挿入されている。このような状態で縮管引抜
加工を行うと、まず、外管は外管内面の縮管空引加工開
始点1から外管内面の弾性変形終了点2まで弾性変形、
弾性変形終了点2から外管内面の塑性変形終了点3まで
塑性変形、塑性変形終了点3から外管内面の弾性回復終
了点4まで弾性回復、弾性回復終了点4から熱収縮の途
中で外管内面と内管外面の接触点5を経て最終的に室温
まで冷却されて熱収縮完了点6まで熱収縮という変形履
歴を経る。また、内管についても同様に外管外面の縮管
空引開始点11から内管外面の弾性変形終了点12まで弾性
変形、弾性変形終了点12から内管外面の塑性変形終了点
13まで塑性変形、塑性変形終了点13から内管外面の弾性
回復終了点14まで弾性回復、弾性回復終了点14から熱収
縮の途中で外管内面と内管外面の接触点15を経て最終的
に室温まで冷却されて内管外面の熱収縮完了点16まで熱
収縮という変形履歴を経る。
る。第3図は二重管の縮管空引加工における外管および
内管のひずみと応力の変化を示し、横軸には外管内面お
よび内管外面のひずみをとって、両ひずみの最大値が一
致するようにひずみ0の点をずらして表示したものであ
る。D1は加工前の外管の内径、D2は加工前の内管の外
径、D7は両管のひずみが最大となったとき、すなわち縮
管引抜加工のダイス通過時に、管径が最少になったとき
の外管の内径および内管の外径(両者は等しい)に相当
する。加工前には、内管はすき間(D1-D2)を有した状
態で外管に挿入されている。このような状態で縮管引抜
加工を行うと、まず、外管は外管内面の縮管空引加工開
始点1から外管内面の弾性変形終了点2まで弾性変形、
弾性変形終了点2から外管内面の塑性変形終了点3まで
塑性変形、塑性変形終了点3から外管内面の弾性回復終
了点4まで弾性回復、弾性回復終了点4から熱収縮の途
中で外管内面と内管外面の接触点5を経て最終的に室温
まで冷却されて熱収縮完了点6まで熱収縮という変形履
歴を経る。また、内管についても同様に外管外面の縮管
空引開始点11から内管外面の弾性変形終了点12まで弾性
変形、弾性変形終了点12から内管外面の塑性変形終了点
13まで塑性変形、塑性変形終了点13から内管外面の弾性
回復終了点14まで弾性回復、弾性回復終了点14から熱収
縮の途中で外管内面と内管外面の接触点15を経て最終的
に室温まで冷却されて内管外面の熱収縮完了点16まで熱
収縮という変形履歴を経る。
このような変形履歴を経て外内管に界面圧力が生じるの
は、つぎのような理由によるものと考えられる。外内管
がダイスを通過する時点での外管内径と内管外径は等し
く(D7)、縮径引抜加工ダイス通過後に外内管ともに管
が拡がる方向へ弾性回復する。その際変形量は、内管よ
りも外管の方が大きく、弾性回復終了直後において外管
内径(D3)は内管外径(D4)より大きいので、外内管の
間にはすき間(D3-D4)がある。弾性回復後の熱収縮変
形は外内管とも縮小径方向に働く。外管は縮管空引加工
時にダイスと接触して加工を受け、かつ内管よりも加工
率が高いため発熱量が高く、熱収縮量が大きい。そのた
め、冷却過程において内面が内管外面に接触し、両者が
一致する点(5,15)以降は、内管は縮小径方向の力を、
また外管は拡大径方向の力を受ける。このように外管と
内管の加工履歴を個々に考えると、加工を完了した外管
内径と内管外径は等しくD6となるが、応力値は異なり、
外管内面には縮小径方向、内管外面には拡大径方向の残
留応力が働く。そのため二重管の外管と内管の界面には
外内管の残留応力差S3に相当する界面圧力が作用する。
は、つぎのような理由によるものと考えられる。外内管
がダイスを通過する時点での外管内径と内管外径は等し
く(D7)、縮径引抜加工ダイス通過後に外内管ともに管
が拡がる方向へ弾性回復する。その際変形量は、内管よ
りも外管の方が大きく、弾性回復終了直後において外管
内径(D3)は内管外径(D4)より大きいので、外内管の
間にはすき間(D3-D4)がある。弾性回復後の熱収縮変
形は外内管とも縮小径方向に働く。外管は縮管空引加工
時にダイスと接触して加工を受け、かつ内管よりも加工
率が高いため発熱量が高く、熱収縮量が大きい。そのた
め、冷却過程において内面が内管外面に接触し、両者が
一致する点(5,15)以降は、内管は縮小径方向の力を、
また外管は拡大径方向の力を受ける。このように外管と
内管の加工履歴を個々に考えると、加工を完了した外管
内径と内管外径は等しくD6となるが、応力値は異なり、
外管内面には縮小径方向、内管外面には拡大径方向の残
留応力が働く。そのため二重管の外管と内管の界面には
外内管の残留応力差S3に相当する界面圧力が作用する。
つぎに本発明法について述べる。
第1図および第2図は縮管空引による二重管加工の際、
外管に比べ内管の降伏強度を高くした場合の外管と内管
の加工履歴を示したものである。第2図は、内管強度
(内管外面の弾性変形終了点12に相当する)を高めるこ
とにより、内管外面の塑性変形終了点13の応力値が第3
図の従来法よりは高くなるが、外管内面の塑性変形終了
点3の応力値よりは低い場合であり、弾性回復後の外管
内径(D3)と内管外径(D4)の差が小さくなるため、熱
収縮過程において短い変形区間で外管内径と内管外径が
一致し外管と内管が密着した状態での熱収縮に伴う変形
量(D5-D6)および残留応力量が増大する。その結果外
内管の残留応力差S2に相当する界面圧力は、第3図のS3
相当の界面圧力によりも高くなる。また、加工率と界面
圧力の関係について、外管の加工率を一定とした場合、
内管の加工率を高くするほど13の応力値が高くなり内管
の強度を高める効果と同様にS2に相当する界面圧力を高
くできる。第1図は内管の降伏強度がさらに高く、内管
外面の塑性変形終了点13が外管内面の塑性変形終了点3
の応力値よりも高い場合であり、弾性回復終了点4およ
び14では既に外内管が接触し互いに応力が作用している
ので、熱収縮後の残留応力差S1はさらに大きくなる。
外管に比べ内管の降伏強度を高くした場合の外管と内管
の加工履歴を示したものである。第2図は、内管強度
(内管外面の弾性変形終了点12に相当する)を高めるこ
とにより、内管外面の塑性変形終了点13の応力値が第3
図の従来法よりは高くなるが、外管内面の塑性変形終了
点3の応力値よりは低い場合であり、弾性回復後の外管
内径(D3)と内管外径(D4)の差が小さくなるため、熱
収縮過程において短い変形区間で外管内径と内管外径が
一致し外管と内管が密着した状態での熱収縮に伴う変形
量(D5-D6)および残留応力量が増大する。その結果外
内管の残留応力差S2に相当する界面圧力は、第3図のS3
相当の界面圧力によりも高くなる。また、加工率と界面
圧力の関係について、外管の加工率を一定とした場合、
内管の加工率を高くするほど13の応力値が高くなり内管
の強度を高める効果と同様にS2に相当する界面圧力を高
くできる。第1図は内管の降伏強度がさらに高く、内管
外面の塑性変形終了点13が外管内面の塑性変形終了点3
の応力値よりも高い場合であり、弾性回復終了点4およ
び14では既に外内管が接触し互いに応力が作用している
ので、熱収縮後の残留応力差S1はさらに大きくなる。
[実施例] 高速増殖炉用蒸気発生管用二重管を製造した。
(1)素管としては、ASME AS213 T91、外径19.7〜20.7
mmφ、肉厚2.1mmtの外管および外径14.9〜15.9mmφ、肉
厚1.7mmtの内管を用いた。
mmφ、肉厚2.1mmtの外管および外径14.9〜15.9mmφ、肉
厚1.7mmtの内管を用いた。
先ず、内外管とも焼入温度は1050℃一定とし、外管の焼
戻し温度を780℃内管の焼戻し温度を740〜780℃の範囲
で変化させた結果、第4図に示すように内管の焼戻し温
度740℃で内管の降伏強度が5kgf/mm2高くなり、降伏強
度は内管焼戻し温度780℃まで直線的に低くなった。つ
ぎに、第6図に示すように外管1に内管2を挿入しダイ
ス3を通して空引縮径引抜加工を行い、外径19.0mmφの
二重管を製造した。得られた二重管の外内管の界面圧力
および伸びを第5図に示す。外内管の降伏強度差を5kgf
/mm2(○印)、3kgf/mm2 および0kgf/mm2(●印)の3水準とした。外内管の界面
圧力は外内管の降伏強度差が大きいほど高くなるが、縮
管引抜加工率との関係では外管減面率が6〜7%で最大
値を示す。このときの内管加工率は3.5〜5.0%であっ
た。降伏強度差が0kgf/mmの場合には目標とする界面圧
力2kgf/mm以上が得られないが(従来法)、降伏強度差3
kgf/mm2では外管減面率5〜9%で、降伏強度差5kgf/mm
2では外管減面率4〜10%で目標とする界面圧力が得ら
れる(本発明法)。目標とする界面圧力2kgf/mm2を満足
するためには、外内管の降伏強度差を1kgf/mm2以上設け
れば達成することができる。なお、高速増殖炉用蒸気発
生用二重管は、取り付けの際の管端エクスパンション加
工のため引張破断伸びが14%以上であることが望まし
く、この点から外内管の降伏強度差を5kgf/mm2とした場
合は外管減面率を7%以下とするのが好ましい。
戻し温度を780℃内管の焼戻し温度を740〜780℃の範囲
で変化させた結果、第4図に示すように内管の焼戻し温
度740℃で内管の降伏強度が5kgf/mm2高くなり、降伏強
度は内管焼戻し温度780℃まで直線的に低くなった。つ
ぎに、第6図に示すように外管1に内管2を挿入しダイ
ス3を通して空引縮径引抜加工を行い、外径19.0mmφの
二重管を製造した。得られた二重管の外内管の界面圧力
および伸びを第5図に示す。外内管の降伏強度差を5kgf
/mm2(○印)、3kgf/mm2 および0kgf/mm2(●印)の3水準とした。外内管の界面
圧力は外内管の降伏強度差が大きいほど高くなるが、縮
管引抜加工率との関係では外管減面率が6〜7%で最大
値を示す。このときの内管加工率は3.5〜5.0%であっ
た。降伏強度差が0kgf/mmの場合には目標とする界面圧
力2kgf/mm以上が得られないが(従来法)、降伏強度差3
kgf/mm2では外管減面率5〜9%で、降伏強度差5kgf/mm
2では外管減面率4〜10%で目標とする界面圧力が得ら
れる(本発明法)。目標とする界面圧力2kgf/mm2を満足
するためには、外内管の降伏強度差を1kgf/mm2以上設け
れば達成することができる。なお、高速増殖炉用蒸気発
生用二重管は、取り付けの際の管端エクスパンション加
工のため引張破断伸びが14%以上であることが望まし
く、この点から外内管の降伏強度差を5kgf/mm2とした場
合は外管減面率を7%以下とするのが好ましい。
(2)第1表に示す素管を第6図のように空引縮径引抜
加工して、第2表に示す二重管を製造した結果、第3に
示すように目標以上の材質が得られた。
加工して、第2表に示す二重管を製造した結果、第3に
示すように目標以上の材質が得られた。
以上は、製造条件の一例を示したものであるが、熱処理
条件および縮管空引率の組合せを変えることにより幅広
い条件で製造することができる。
条件および縮管空引率の組合せを変えることにより幅広
い条件で製造することができる。
[発明の効果] 本発明によれば、例えば高速増殖炉用蒸気発生管に要求
される厳しい使用条件、すなわち、界面圧力および機械
的性質を満足する二重管を引抜加工後の延性回復のため
の熱処理の省略により低コスト化でき、かつ短時間で提
供できる。
される厳しい使用条件、すなわち、界面圧力および機械
的性質を満足する二重管を引抜加工後の延性回復のため
の熱処理の省略により低コスト化でき、かつ短時間で提
供できる。
第1図および第2図は本発明法のひずみ−応力線図、第
3図は従来法のひずみ−応力線図、第4図は外内素管の
降伏強度差に及ぼす内管の焼戻し温度の影響、第5図は
界面圧力に及ぼす外管の減面率および外内管の降伏強度
差の影響、第6図は縮管空引加工法、第7図は二重管の
構造を示す図である。
3図は従来法のひずみ−応力線図、第4図は外内素管の
降伏強度差に及ぼす内管の焼戻し温度の影響、第5図は
界面圧力に及ぼす外管の減面率および外内管の降伏強度
差の影響、第6図は縮管空引加工法、第7図は二重管の
構造を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】外管の内面に内管の外面が密着している鋼
製二重管を製造する方法において、外管と内管が同種金
属であってかつ外管よりも降伏強度が高い内管を外管に
挿入し、外管減面率を2〜10%とする縮径引抜加工を行
うことにより、外内管の界面圧力を2kg/mm2以上とする
ことを特徴とする二重管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2028217A JPH0790268B2 (ja) | 1990-02-09 | 1990-02-09 | 二重管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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-
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- 1990-02-09 JP JP2028217A patent/JPH0790268B2/ja not_active Expired - Lifetime
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