JPH0790112A - ニトロソアミンを形成しないラテックス用加硫促進剤 - Google Patents

ニトロソアミンを形成しないラテックス用加硫促進剤

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JPH0790112A
JPH0790112A JP35118192A JP35118192A JPH0790112A JP H0790112 A JPH0790112 A JP H0790112A JP 35118192 A JP35118192 A JP 35118192A JP 35118192 A JP35118192 A JP 35118192A JP H0790112 A JPH0790112 A JP H0790112A
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JP
Japan
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vulcanization
sodium
vulcanization accelerator
latex
zinc
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Pending
Application number
JP35118192A
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English (en)
Inventor
Takashi Watanabe
隆 渡邊
Motoharu Okikura
元治 沖倉
Kunio Niijima
邦雄 新島
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Niijima Kunio
Original Assignee
Niijima Kunio
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニトロソアミンを形成しないラテックス用加
硫促進剤として、ポリチオ炭酸塩誘導体[MaCSn
(M:ナトリウムまたは亜鉛;a:ナトリウムの場合は
2,亜鉛の場合は1、n:3または4)]を用いる方
法。 【構成】 硫化アルカリ又は二硫化アルカリと二硫化炭
素から合成した、ポリチオ炭酸ナトリウム塩及びその亜
鉛塩誘導体のラテックス用加硫促進試験を行い、その加
硫促進剤としての機能を検討した。その結果、ニトロソ
アミンを形成しないラテックス用加硫促進剤として、顕
著な加硫促進能力を示すことが確認された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニトロソアミンを生成
しないラテックス用加硫促進剤並びにその加硫促進剤を
用いて加硫したラテックス製品に関するものである。更
に詳しくは一般式、MaCSn[式中、Mはナトリウム
または亜鉛で、aはナトリウムの場合は2,亜鉛の場合
は1、nは3または4]で示されるポリチオ炭酸塩を主
成分とするラテックス用加硫促進剤並びに加硫促進剤を
用いて加硫したラテックス製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来硫黄加硫系のラテックス用加硫促進
剤としては、固形ゴムにおけるスコーチの問題がないた
め、主として超超加硫促進剤に分類されるジチオカルバ
ミン酸塩が、その加硫促進力の大きさに応じて単独また
はジチオカルバミン酸塩相互間または他の加硫促進剤
(例えばチアゾール系加硫促進剤)との間で併用して用
いられていた。
【0003】また耐熱性の要求される製品においては、
チウラム化合物を硫黄ドナーとして用いるチウラム無硫
黄加硫処方等も用いられることがある。
【0004】また超超加硫促進剤として分類されるもう
一つのラテックス用とされているキサントゲン酸系加硫
促進剤は、貯蔵安定性が悪いことと、加硫物性が低いこ
と、及び悪臭等のため、ほとんど実用されていないのが
実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】浸せき、注型または押
出し等の方法によって製造されるラテックス製品の中に
は、乳首・おしゃぶり・風船・カテーテル・各種手袋な
どのように、人体に触れたり、手術時に用いる医療製品
のように生体粘膜や内臓に直接接触して使用される製品
等もあり、発ガン性があるとされているニトロソアミン
が、最近、ラテックス製品中に検出されて大きな問題に
なってきている。
【0006】特に乳首やおしゃぶりについては、ニトロ
ソアミンの含有量に対する測定が数多く実施され、各国
で許容限界について規格化が検討・実施されている。こ
のような製品においては、ミルクや唾液によって抽出さ
れたニトロソ化され得る(ニトロソアミンになる可能性
のある)二級アミンも、唾液や食品中に含まれる亜硝酸
塩の作用により、ニトロソアミンに変わるため、問題視
されている。
【0007】これらに対する対応として、ニトロソアミ
ン形成性の少ない加硫促進剤が検討されているが、これ
らの加硫促進剤を用いた場合、概して加硫されたゴム製
品の物性が、従来用いられている加硫促進剤による加硫
物に比較して低い(強度が弱い)傾向があり、その上、
抽出等の洗浄操作が不十分な場合には、ニトロソアミン
やニトロソ化され得る二級アミンが検出されているのが
実状である。(例えば、沖倉元治:ニトロソアミンとゴ
ム製品の安全性(1)、ポリマーダイジェスト,198
7.12,p92〜100;同(2)、同1988.
1,p94〜100 ;同(3)、 同1988.3,
p90〜93)
【0008】また、ニトロソアミンを全く形成しない加
硫促進剤として、チオホスフェート系・キサントゲン酸
塩系・チアゾール系・一級アミン基体のベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド系・グアニジン系等があるが、これ
らはラテックス用には加硫促進力不足のため、全く用い
られない。キサントゲン酸系については既述した。(例
えば、Dr.w.ホフマン:ニトロソアミンを形成しな
いゴム製品の加硫について:同 1991.1,p65
〜70)。
【0009】本発明は、加硫促進剤の貯蔵中、配合ラテ
ックス製品の加硫中またはその製品中に、ニトロソアミ
ン及びニトロソ化され得る二級アミンを形成しないラテ
ックス用加硫促進剤及びそれを用いて加硫したラテック
ス製品を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、どのような条件下においてもニトロソアミンを形成
しない新規なラテックス用加硫促進剤を開発するため、
一級アミンから誘導されたモノアルキルジチオカルバミ
ン酸塩としてのモノブチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム(SMBDC)、モノブチルジチオカルバミン酸カリ
ウム(PMBDC)、窒素原子を含まない構造のものと
してメチルチオキサントゲン酸カリウム(PMTX)及
びポリチオ炭酸ナトリウム[トリチオ炭酸ナトリウム
(STC)及びテトラチオ炭酸ナトリウム(STT
C)、ペンタチオ炭酸ナトリウム(SPTC)、トリチ
オ炭酸亜鉛(ZTC)及びトリチオ炭酸カルシウム(C
TC)を合成し、それらの加硫配合ラテックスを調整
し、流延乾燥皮膜加硫物について引っ張り試験と膨潤試
験(SDT)を行って加硫曲線を作成し、加硫促進性に
ついて検討した結果、本発明によるポリチオ炭酸塩[一
般式、MaCSn、式中、Mはナトリウムまたは亜鉛
で、aはナトリウムの場合は2,亜鉛の場合は1,nは
3または4]のみが、従来型の加硫促進剤に近似する加
硫促進性を有することを発見し、本発明を完成するに至
った。
【0011】
【作用】本発明によるポリチオ炭酸塩は、窒素原子を全
く含まないので、ニトロソアミンの前駆体である第二級
アミンを形成しない。したがっていかなる条件下におい
てもニトロソアミンを形成することはない。
【0012】以下実施例において、本発明によるポリチ
オ炭酸塩構造を有する加硫促進剤配合試料と、従来型の
加硫促進剤及び加硫促進性の小さい非ニトロソアミン形
成型の加硫促進剤を配合した比較試料を対比して加硫促
進性について検討した結果について説明する。
【0013】
【実施例1】本発明による加硫促進剤としてのトリチオ
炭酸ナトリウム試料の合成。四ッ口フラスコに、Na
S・9HO[0.2mol]48.0gと水20ml
を加えて溶解し、界面活性剤1滴を加えたのち、二硫化
炭素[0.2mol×1.2]18.4gを滴下、30
分間撹拌後、40〜45℃で1時間、更に還流下に30
分、加熱撹拌後、過剰の二硫化炭素を追い出し、0.2
molのトリチオ炭酸ナトリウム[NaCS]を含
む赤橙色透明液体、40.6gを得た。
【0014】
【実施例2】本発明による加硫促進剤としてのテトラチ
オ炭酸ナトリウム試料の合成。あらかじめ、NaS・
9HO[0.2mol]]48.0gと水20mlの
水溶液に硫黄[0.2mol]から作ったNa
原料とし、実施例1と同様な方法にて反応させることに
より、0.2molのテトラチオ炭酸ナトリウム[Na
CS]を含む赤橙色透明液体を得た。
【0015】
【実施例3】本発明による加硫促進剤としてのトリチオ
炭酸亜鉛試料の合成。トリチオ炭酸ナトリウム、0.1
molを含む水溶液と硫酸亜鉛ZnSO・7H
[1/2×0.1mol×0.9]12.9gを溶解し
た水溶液を添加することにより、0.09molのトリ
チオ炭酸亜鉛塩[ZnCS]を主成分とする黄白色の
ディスパージョンが得られた。この場合用いられる亜鉛
塩は硫酸亜鉛、塩化亜鉛のように水溶性であれば良く、
また反応の際のモル比は特に等モルである必要はなく任
意の比率の混合物が用いられるが、ラテックスの安定性
を考慮すると、水溶性亜鉛塩の過剰は避けるべきであ
る。本試験においては、等モルより少ない水溶性亜鉛塩
を用いた試料を使用した。
【0016】これらの試料の性質を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】なお、比較試料として、次のものを用い
た。すなわち、従来型のラテックス用加硫促進剤である
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDD)、ジ
ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(TP)、ジエチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛(EX)と、非ニトロソアミ
ン形成型のモノブチルジチオカルバミンカリウム(PM
BDC:CNHCSK)、メチルチオキサント
ゲン酸カリウム(PMTX:CHSCSK)、ペン
タチオ炭酸ナトリウム(SPTC:NaCS)であ
る。
【0019】
【実施例4】ゴム加硫促進性試験 表2の配合処方によ
るラテックス配合試料の常温乾燥皮膜を用い、常法によ
り加硫試験を行った。加硫は、100℃に保持した空気
循環式恆温槽中で、それぞれ、0,15,30及び60
分間行い、各試料について引張試験及びトルエン中での
直径膨潤率試験(SDT)を行った。
【0020】
【表2】
【0021】本発明による試料と比較試料についての試
験結果を表3に、トリチオ炭酸ナトリウム試料のロット
間における変動並びに添加量増加及び合成時に用いた界
面活性剤の影響を表4に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【結果の説明】表3の結果に示すようにモノブチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム・チオキサントゲン酸カリウ
ムを主成分とするものは、ニトロソアミンを形成するこ
とはないが加硫促進能力が低く、ラテックス用加硫促進
剤として実用することは困難である。また、ポリチオ炭
酸ナトリウムの場合も、n=5の場合には加硫促進性は
ほとんど認められない。したがって、ポリチオ炭酸塩の
場合でもn−3〜4の場合の時のナトリウム塩と亜鉛塩
の場合のみが、実用に値する加硫促進性を有することが
確認された。また表4に示すように、界面活性剤添加の
影響及び同一加硫促進剤試料の間に著しい差異は認めら
れなかった。更にトリチオ炭酸ナトリウムの添加量を2
倍に増加しても、引張応力の増加はたかだか15〜20
%に過ぎないことかが確認された。
【0025】
【発明の効果】本発明によるn=3〜4の構造を有する
ポリチオ炭酸塩を主成分とするラテックス用加硫促進剤
は、その構造上からニトロソアミンの前駆体である二級
アミンを形成するために必要な窒素原子を含まないの
で、いかなる条件下においてもニトロソアミンを形成す
ることはなく、加硫促進剤としての機能は従来型のジア
ルキルジチオカルバミン酸塩に匹敵する性能を有してい
る。しかし、100℃においては最適加硫に約60分を
必要とするので、更に強力な加硫促進性を望む場合は、
その使用に当たって110℃ぐらいまで加硫温度を高め
ることが望ましい。このような条件を選択することによ
って、これまでに提出されている非ニトロソアミン形成
型加硫促進剤や低ニトロソアミン生成型の加硫促進剤よ
りも優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新島 邦雄 埼玉県大宮市上小町563番地

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 MaCSn[式中、Mはナトリ
    ウムまたは亜鉛で、aはナトリウムの場合は2、亜鉛の
    場合は1、nは3または4]なるポリチオ炭酸塩を主成
    分とするラテックス用加硫促進剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の加硫促進剤を用いて加硫した
    ラテックス製品。
JP35118192A 1992-11-18 1992-11-18 ニトロソアミンを形成しないラテックス用加硫促進剤 Pending JPH0790112A (ja)

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