JPH078926A - 洗浄乾燥装置及び該装置を用いた洗浄乾燥方法 - Google Patents

洗浄乾燥装置及び該装置を用いた洗浄乾燥方法

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JPH078926A
JPH078926A JP15930393A JP15930393A JPH078926A JP H078926 A JPH078926 A JP H078926A JP 15930393 A JP15930393 A JP 15930393A JP 15930393 A JP15930393 A JP 15930393A JP H078926 A JPH078926 A JP H078926A
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JP15930393A
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Yuichi Fujii
裕一 藤井
Yoshiki Honda
芳樹 本田
Yoshikazu Hondo
義和 本堂
Takashi Ito
崇 伊藤
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OGAWARA KAKOKI KK
OOGAWARA KAKOKI KK
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OGAWARA KAKOKI KK
OOGAWARA KAKOKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 可燃性溶剤を収容し物品を洗浄するための洗
浄槽と、物品を清浄な可燃性溶剤蒸気でリンス及び乾燥
するリンス室と、物品に清浄な可燃性溶剤蒸気の凝縮液
をシャワーするノズルを有する溶剤シャワー室と、熱風
により溶剤液分を乾燥する通気乾燥室とが、1又は2以
上の槽内に配置されてなる単槽式又は多槽式の洗浄乾燥
装置において、少なくとも1つの槽に、槽内に所定量の
不活性ガスを供給するための不活性ガス供給手段と、物
品を槽内に搬入及び搬出するための扉と、該扉の開放時
に槽の内部と外部とを仕切るための内部構造とを設けた
ことを特徴とする洗浄乾燥装置。 【効果】 比較的少量の不活性ガスの使用で、可燃性溶
剤を使用する洗浄乾燥における火災や爆発を防止できる
とともに、大気中では酸化を受けやすい物品の洗浄乾燥
における酸化を防止できる。また、構造的にも簡単で、
安価で提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可燃性溶剤を洗浄剤と
して使用する洗浄乾燥装置における火災・爆発防止、及
び大気中では酸化を受けやすい物品の洗浄乾燥における
酸化防止を目的とする洗浄乾燥装置及び該装置を用いた
洗浄乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】精密部品などの洗浄乾燥方法として、従
来、フロン113、トリクロロエチレン等の不燃性溶剤
を使用し、浸漬上下揺動洗浄、冷却シャワー洗浄、蒸気
洗浄および蒸気乾燥の工程による方法が一般に行われて
いた。しかしながら、近年、上記フロン113、トリク
ロロエチレン等の不燃性溶剤の使用が環境への影響から
制限されたことにともない、代替溶剤としてイソプロピ
ルアルコール、アセトン等の可燃性溶剤の使用が普及し
つつある。
【0003】このような可燃性溶剤を使用して洗浄乾燥
を行うための装置として、従来、可燃性溶剤を収容し物
品を洗浄するため洗浄槽と、物品を清浄な可燃性溶剤蒸
気でリンス及び乾燥するリンス室と、物品に清浄な可燃
性溶剤蒸気の凝縮液をシャワーするノズルを有する溶剤
シャワー室と、熱風により物品に付着した溶剤液分を乾
燥する通気乾燥室とよりなる洗浄乾燥装置が提案されて
いる。
【0004】この装置によれば、まず、物品は洗浄槽で
溶剤洗浄された後、溶剤シャワー室に入り、清浄溶剤の
凝縮液のシャワーによって物品に付着した洗浄液を洗い
落される。次いで、リンス室に入り、不純物を分離除去
された清浄な溶剤蒸気によってリンス・乾燥された後、
通気乾燥室に入り、清浄化した熱風により物品に付着し
た溶剤液分が乾燥される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、可燃性溶剤
を使用する洗浄方法にあっては、火災や爆発の危険性が
高く、その危険防止策として、換気により可燃性ガスの
滞留を防止したり、火災が発生した場合には消火器を自
動又は手動で噴射して消火するなどの対策がとられてき
たが、これらの対策のみでは全く不十分である。すなわ
ち、可燃性ガスの滞留をある程度防止できても、可燃性
溶剤(液体)は存在し、周囲には空気が存在するため、
着火源さえあれば火災は発生する恐れがある。また、発
生した火災を消火することはできても火災の発生を防止
することはできない。
【0006】爆発や火災の危険性を根本的に解消するた
めには、ガス組成を爆発範囲から外すこと、着火源を与
えないことの2つ方法が対策として挙げられるが、この
うち着火源対策(静電気の防止等)は完全な実行が困難
なことから、ガス組成を爆発範囲から外す方法が着火源
対策とともに、あるいは単独で行われている。この方法
は、不活性ガス(窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、
燃焼排ガスなど)を使用し、系内を爆発限界酸素濃度の
1/2〜1/3以下の酸素濃度に保持することにより行われる
が、いかにして低い酸素濃度を保持するかが重要であ
り、従来、具体的には以下のような方法が採られてき
た。なお、低い酸素濃度を保持することは、爆発や火災
の防止のみならず、大気中では酸化を受けやすい物品の
洗浄乾燥における酸化防止の点でも重要な問題である。
【0007】(1)大量の不活性ガスを使用する。 (2)装置の密閉性をよくし、不活性ガスの散逸を最小限
にとどめる。 (3)洗浄する物品の装置内への搬入・搬出時における、
装置の入・出口の開放時間を最小限にとどめる。 しかしながら、上記の内、(1)については、コンビナー
トのような工場でないと大量の不活性ガスを使用できな
いという問題がある。また、(2)については、扉開閉機
構の他に扉を枠に押し付ける装置も必要となるため、構
造的に複雑となるとともに装置が高価なものになる。
(3)については、扉開閉時間を管理する必要があるため
自動運転が望ましく、また、空気の出入を少なくするた
めには前室、後室を設置するのが望ましいが、これらに
ついても装置のコスト高を招くという問題がある。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
洗浄剤として可燃性溶剤を使用した場合における爆発や
火災の危険性を解消するとともに、大気中では酸化を受
けやすい物品の洗浄乾燥における酸化を防止でき、かつ
構造的に簡単で低価格に対応できる洗浄乾燥装置及びこ
の装置を用いた洗浄乾燥方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、可燃性溶剤を収容し物品を洗浄す
るための洗浄槽と、物品を清浄な可燃性溶剤蒸気でリン
ス及び乾燥するリンス室と、物品に清浄な可燃性溶剤蒸
気の凝縮液をシャワーするノズルを有する溶剤シャワー
室と、熱風により溶剤液分を乾燥する通気乾燥室とが、
1又は2以上の槽内に配置されてなる単槽式又は多槽式
の洗浄乾燥装置において、少なくとも1つの槽に、槽内
に所定量の不活性ガスを供給するための不活性ガス供給
手段と、物品を槽内に搬入及び搬出するための扉と、該
扉の開放時に槽の内部と外部とを仕切るための内部構造
とを設けたことを特徴とする洗浄乾燥装置、が提供され
る。また、本発明によれば、上記装置を用いて物品の洗
浄乾燥を行うに際して、扉又は内部構造による仕切りの
うち少なくとも一方が必ず閉じた状態とすることを特徴
とする洗浄乾燥方法、が提供される
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
装置としては、洗浄槽、リンス室、溶剤シャワー室、通
気乾燥室が1つの槽内に配置された単槽式のものであっ
ても、複数の槽内に配置された多槽式のものであっても
よい。多槽式の構成をとる場合は、可燃性溶剤が使用さ
れる少なくとも1つの槽に、不活性ガス供給手段、物品
の搬入・搬出用の扉、該扉開放時に槽の内部と外部とを
仕切るための内部構造が設けられる。
【0011】図1は多槽式の装置において、リンス室
(リンス槽)6に本発明を適用した場合の構成例を示し
ている。図において、まず、上フタ(扉)1を閉じた状
態にて不活性ガス供給手段により不活性ガスが槽内に供
給され、内部の酸素濃度が、可燃性溶剤5の爆発限界酸
素濃度以下の所定の管理濃度まで下げられる。槽内の酸
素濃度は酸素濃度検出器により検知される。次いで、不
活性ガスを所定量供給したまま、洗浄槽で洗浄を受けた
物品2が、上フタ1を開放して槽内に搬入されるが、こ
の際、邪魔板4と移動台3とからなる内部構造は、必ず
槽の内部と外部を仕切るように、すなわち、移動台3が
Aの位置にあるようにする。次に、物品2を移動台3に
載置し、上フタ1を閉じた後、移動台3を所定の処理位
置Bまで下降させ、蒸気リンスを行う。蒸気リンス完了
後、移動台3を再び槽の内部と外部とを仕切る位置Aま
で上昇させ、その後上フタ1が開放されて物品2は槽外
へ搬出され次工程に供される。
【0012】本発明を単槽式装置や多槽式装置のリンス
槽以外の槽に適用する場合も、基本的な構成及び操作は
以上説明したのと同様であり、物品の槽内への搬入・搬
出などのため上フタ(扉)が開放される時は、必ず内部
構造が槽の内部と外部を仕切るようにし、また、槽内に
おいて物品を移動させるなどのためにこの仕切りを開放
する時は、必ず上フタ(扉)を閉じた状態にするといっ
たように、上フタ(扉)又は内部構造による仕切りのう
ち少なくとも一方が必ず閉じた状態とすることにより、
比較的少量の不活性ガスの供給で槽内の酸素濃度を、可
燃性溶剤の爆発限界酸素濃度以下の所定の管理濃度に維
持することができ、火災や爆発を防止するとともに、純
鉄、アルミニウムなど大気中では酸化を受けやすい物品
の洗浄乾燥における酸化防止も可能となる。
【0013】槽の内部と外部を仕切る内部構造として
は、図1に示すような邪魔板と移動台とからなるものの
他、図2に示すようなシャッター7によるものなどが挙
げられるが、ホルダー、バスケットなど物品を載せる台
が内部と外部とを仕切るとともに槽内において物品を移
動させる機能も有するような移動台を内部構造の一部と
して用いることが好ましい。この内部構造は、物品の槽
内への搬入・搬出時など扉を開放するときは、必ず槽の
内部と外部を仕切る状態となるように手動あるいは自動
的に操作する必要があるが、内部と外部との間に多少の
隙間や開孔があってもよく、完全なシール性は不要であ
る。例えば、図3に示すように、その水平部分に開孔1
0を有する移動台11を内部構造の一部に用いることが
できる。ただし、開孔は直径15mm以下、好ましくは8
mm以下とする。
【0014】また、内部構造の仕切りは、ラビリンスの
間隙(クリアランス)が15mm以下、好ましくは10mm
以下のラビリンスシールによるものが望ましい。例え
ば、図4は邪魔板4と移動台3とによる内部構造の構成
例を示しているが、このような構成をとる場合、クリア
ランスx(x’)、y(y’)のうち、小さい側が15mm以
下、好ましくは10mm以下とする。更に、発明者らの実
験により、内部構造の一部又は全部を金網等の網状体に
より構成しても、槽内の酸素濃度の上昇を抑え、低酸素
濃度を保持する効果があることが確認された。この結
果、例えば、少なくともその一部分が網からなる移動台
を内部構造の一部として用いることもできる。ただし、
この場合網目開きは、10mm以下、好ましくは5mm以
下、更に好ましくは2mm以下とする。物品を洗浄する場
合は、その物品をバスケットに入れて洗浄することが多
いが、このように移動台が網でできていれば、バスケッ
トを使用せずに移動台の上に直接物品をおいて洗浄乾燥
することができる。
【0015】物品を槽内に搬入及び搬出するための扉
は、上記したような上フタのほか側面扉などとしてもよ
く、自重で押さえつける程度のシール性がある方が好ま
しい。機械的に押さえつけてロックするような機構があ
れば更に好ましいが、この場合、系内圧力調整用の弁な
どが必要となる。槽内に供給する不活性ガスとしては、
窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、燃焼廃ガス等が使
用できる。不活性ガスの供給量は、使用する可燃性溶剤
の爆発限界酸素濃度や装置の大きさ等により適宜設定さ
れるが、本発明のような構造を持たない従来装置におけ
る供給量の1/20〜1/5程度でよい。
【0016】また、物品の槽内への搬入・搬出にともな
う扉の開放時間、開閉頻度は特に限定されず、ひとたび
可燃性溶剤の爆発限界酸素濃度以下の所定の管理濃度ま
で槽内の酸素濃度を減少させ、比較的少量の不活性ガス
の供給を続ければ、内部と外部の仕切りを開放しない限
り、通常常識的に考えられる搬入・搬出所要時間、開閉
頻度の範囲においては、爆発限界酸素濃度以下の酸素濃
度が維持できる。
【0017】洗浄に使用される可燃性溶剤としては、I
PA(イソプロピルアルコール)、エタノールなどのア
ルコール類、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)
などのケトン類、パラフィン系、ナフテン系などの炭化
水素、柑橘類、松類などから得られる植物油等が挙げら
れる。これらほとんどの可燃性溶剤の爆発限界酸素濃度
は10〜17%であり、酸素濃度の管理は、通常2.5
〜8%の範囲で行えば問題ない。例えば、IPAを洗浄
溶剤に使用する場合には、爆発限界酸素濃度は約17.
0%であり、酸素管理濃度の目安は8%以下となる。な
お、本発明は上記したような可燃性溶剤を使用する場合
に好適なものであるが、勿論トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、パークロロエチレン、フロン113等の
引火性のない溶剤も使用できる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の装置を使用して洗浄乾燥の一
連の工程を行った場合における槽内の酸素濃度の変化、
及び本発明のような構造を持たない従来装置を使用した
場合における上記変化を調べるため、以下のような試験
を実施した。
【0019】〔試験1〕図5に示すように、円筒状容器
12(直径425mm、高さ720mm、容積100l)の
内側上部に、リング状の邪魔板4(内径350mm)と内
フタ8(直径330mm)からなる内部構造を設け、さら
に上端開口部に手動開閉式の上フタ1を設けた。また、
円筒状容器12の上端から130mm下方の位置にN2
ス供給口を設け、同様に円筒状容器12の上端から13
0mm下方でN2ガス供給口に対して180゜の位置に装
置内のO2濃度を測定するための酸素濃度検出器13を
設置した。
【0020】以上の構成よりなる試験装置を使用し、ま
ず、上フタ1、内フタ8をともに閉じた状態にて、N2
ガス発生装置を用いて、N2ガス供給口より供給速度2
5l/minでN2ガス(O2濃度0vol%)を装置内に供給
し、装置内のO2濃度を減少させた。次いで、物品を装
置内に搬入・搬出する際の扉の開閉にともなう装置内O
2濃度の変化を模擬するため、内フタ8は閉じたまま上
フタ1を15秒間開放後閉じるという操作を2回繰り返
した。続いて、比較的長期にわたって内フタ8は閉じた
まま上フタ1を開放し、物品の搬入・搬出に長時間を要
した場合における本発明装置の低酸素濃度保持能力を調
べた。また、この状態において内フタ8と邪魔板4の間
隙より酸素濃度検出器14を装置内に挿入し、内フタ8
の下方200mm、300mm及び400mmの各位置におけ
るO2濃度の測定も行った。最後に、上フタ1、内フタ
8ともに開放し、装置内部と外部の仕切りがない状態で
の装置内O2濃度の変化調べた。以上試験装置の各種状
態における装置内O2濃度の測定結果を表1及び図9に
示す。
【0021】
【表1】
【0022】〔試験2〕図6に示すような、邪魔板4
(内径278mm)と、金網よりなる内フタ9(直径29
8mm、網16#平織、目開1mm)とからなる内部構造と
した以外は試験1と同様の構成からなる試験装置を使用
し、試験1に準じて試験装置の各種状態における装置内
2濃度の測定をおこなった。ただし、装置内へのN2
ス供給速度を20l/minとしたほか、測定時間等につい
て若干の変更を加えた。測定結果を表2及び図10に示
す。
【0023】
【表2】
【0024】〔試験3〕図7に示すような、邪魔板4
(内径350mm)と、内フタ8(直径370mm、とから
なる内部構造とした以外は試験1と同様の構成からなる
試験装置を使用し、試験1に準じて試験装置の各種状態
における装置内O2濃度の測定をおこなった。ただし、
装置内へのN2ガス供給速度を20l/minとしたほか、測
定時間等について若干の変更を加えた。測定結果を表3
及び図11に示す。
【0025】
【表3】
【0026】〔試験4〕試験3と同様の構成からなる試
験装置を使用し、試験1に準じて試験装置の各種状態に
おける装置内O2濃度の測定をおこなった。ただし、装
置内へのN2ガス供給速度を10l/minとしたほか、測定
時間等について若干の変更を加えた。測定結果を表4及
び図12に示す。
【0027】
【表4】
【0028】〔試験5〕図8に示すような、装置内部と
外部とを仕切る内部構造を持たない試験装置を使用し、
試験1に準じて試験装置の各種状態における装置内O2
濃度の測定をおこなった。ただし、測定時間等について
若干の変更を加えた。測定結果を表5及び図13に示
す。
【0029】
【表5】
【0030】上記試験の結果、試験5の装置のように、
装置内部に内部と外部を仕切るための内部構造を持たな
い場合、上フタを15秒開放後閉じる(物品を装置に搬
入・搬出させることを想定)操作を行うと、系内のO2
濃度は最高14.3%にまで達する。したがって、爆発
限界酸素濃度の1/2〜1/3以下の酸素濃度に管理すること
ができないばかりか、アセトン、トルエン、シクロヘキ
サン、n-ヘキサンなどの溶剤の場合には限界酸素濃度
以上となり、着火源さえあれば爆発が発生する雰囲気と
なってしまう。これに対し、試験1〜4のような内部構
造を持つ場合、この内部構造で内部と外部を仕切るよう
にすれば、上フタを15秒開放後閉じる操作を行って
も、系内O2濃度は6%以下に管理することができる。
また、上フタを5分程度開放させても系内O2濃度は8
%以下に保持でき、仮に着火源があったとしてもほとん
どの可燃性溶剤で爆発を回避することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
比較的少量の不活性ガスの使用で、可燃性溶剤を使用す
る洗浄乾燥における火災や爆発を防止できるとともに、
大気中では酸化を受けやすい物品の洗浄乾燥における酸
化を防止できる。また、本発明の装置は、構造的にも簡
単で、安価で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多槽式装置のリンス室(リンス槽)に本発明を
適用した場合の構成例を示す概略図である。
【図2】多槽式装置のリンス室(リンス槽)に本発明を
適用した場合の構成例を示す概略図である。
【図3】開孔を有する移動台の断面図である。
【図4】邪魔板と移動台とからなる内部構造の構成例を
示す概略図である。
【図5】実施例において用いた試験装置の構造を示す図
である。
【図6】実施例において用いた試験装置の構造を示す図
である。
【図7】実施例において用いた試験装置の構造を示す図
である。
【図8】実施例において用いた試験装置の構造を示す図
である。
【図9】実施例における試験結果を示すグラフである。
【図10】実施例における試験結果を示すグラフであ
る。
【図11】実施例における試験結果を示すグラフであ
る。
【図12】実施例における試験結果を示すグラフであ
る。
【図13】実施例における試験結果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 上フタ(扉) 2 物品 3 移動台 4 邪魔板 5 可燃性溶剤 6 リンス室(リンス槽) 7 シャッター 8 内フタ 9 内フタ(金網) 10 開孔 11 移動台 12 円筒状容器 13、14 酸素濃度検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 崇 神奈川県横浜市緑区池辺町3847 大川原化 工機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性溶剤を収容し物品を洗浄するため
    の洗浄槽と、物品を清浄な可燃性溶剤蒸気でリンス及び
    乾燥するリンス室と、物品に清浄な可燃性溶剤蒸気の凝
    縮液をシャワーするノズルを有する溶剤シャワー室と、
    熱風により溶剤液分を乾燥する通気乾燥室とが、1又は
    2以上の槽内に配置されてなる単槽式又は多槽式の洗浄
    乾燥装置において、少なくとも1つの槽に、槽内に所定
    量の不活性ガスを供給するための不活性ガス供給手段
    と、物品を槽内に搬入及び搬出するための扉と、該扉の
    開放時に槽の内部と外部とを仕切るための内部構造とを
    設けたことを特徴とする洗浄乾燥装置。
  2. 【請求項2】 槽の内部と外部とを仕切るための内部構
    造の一部が、槽内において物品を移動させるための移動
    台をも兼ねるものである請求項1記載の洗浄乾燥装置。
  3. 【請求項3】 槽の内部と外部とを仕切るための内部構
    造の一部が、槽内において物品を移動させるための移動
    台をも兼ねるものであり、かつ、その水平部分に直径1
    5mm以下の開孔を有するものである請求項1記載の洗浄
    乾燥装置。
  4. 【請求項4】 槽の内部と外部とを仕切るための内部構
    造の一部が、槽内において物品を移動させるための移動
    台をも兼ねるものであり、かつ、少なくともその一部分
    が網目開き10mm以下の網からなるものである請求項1
    記載の洗浄乾燥装置。
  5. 【請求項5】 内部構造の仕切りがラビリンスシールに
    よるもので、ラビリンスの間隙(クリアランス)が15
    mm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の洗浄
    乾燥装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の装
    置を用いて物品の洗浄乾燥を行うに際して、扉又は内部
    構造による仕切りのうち少なくとも一方が必ず閉じた状
    態とすることを特徴とする洗浄乾燥方法。
JP15930393A 1993-06-29 1993-06-29 洗浄乾燥装置及び該装置を用いた洗浄乾燥方法 Withdrawn JPH078926A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007216144A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Hitachi Plant Technologies Ltd 蒸気処理方法及びその装置
KR20140053345A (ko) * 2012-06-08 2014-05-07 쟈판휘루도가부시키가이샤 피세정물의 증기세정방법 및 그 장치

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