JPH0789105B2 - 酸素センサ用ヒータの制御装置 - Google Patents

酸素センサ用ヒータの制御装置

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JPH0789105B2
JPH0789105B2 JP1197528A JP19752889A JPH0789105B2 JP H0789105 B2 JPH0789105 B2 JP H0789105B2 JP 1197528 A JP1197528 A JP 1197528A JP 19752889 A JP19752889 A JP 19752889A JP H0789105 B2 JPH0789105 B2 JP H0789105B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の空燃比制御のために機関排気系に
取り付けられる酸素センサの検出部の温度を一定に制御
する酸素センサ用ヒータの制御装置に関する。
[従来の技術] 内燃機関の出力向上、燃費低減、排気浄化のために種々
の制御装置が開発されているが、その制御に欠かせない
のが排気中の酸素濃度を測定する酸素センサである。酸
素センサは固体電解質又は半導体等で構成されるが、そ
の出力は固体電解質等,検出部の温度に依存する。
例えば検出部にチタニア(TiO2)を用いた酸素センサで
は、その検出部の温度Tにより作動空燃比(A/F)が第1
3図の曲線のように変化することが知られている。第13
図の縦軸はA/Fであるが、理論空燃比の値をはさんで、A
/Fがa1以下である(燃料がリッチである)と排気中の炭
化水素(HC)成分が過多になり、逆にA/Fがa2以上であ
る(燃料がリーンである)と酸化窒素(NOx)が増加す
る。この酸素センサの作動空燃比を理論空燃比近くの狭
い範囲(a1〜a2)内にしておくためには、検出部の温度
を狭い範囲T1〜T2内に保つように制御しておかねばなら
ない。
このため、従来より、酸素センサにヒータを設け、その
ヒータの抵抗値が所定の抵抗値になるようにヒータへの
供給電力を制御することにより、検出部の温度を一定に
制御する装置が知られている(例えば、特開昭57−1974
59号、60−164241号、60−202348号等)。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来のセンサの温度制御は、ヒータの抵抗値がセン
サの温度に応じて変化することを利用したものである
が、より詳しく検討すると、ヒータの抵抗値を所定値に
制御するのみでは、ヒータへの通電を開始した直後の検
出部の温度を良好に制御することができないことがあ
る。
つまりヒータの抵抗値は、センサの検出部周囲に配設さ
れるヒータ先端部の抵抗と、排気管へのセンサ取付部近
傍に位置するヒータ後端部の抵抗との合成抵抗であり、
しかもこれら各部の温度上昇速度は熱容量の違いによっ
てヒータ先端部の方がヒータ後端部より早くなるため、
通電開始所期のヒータ抵抗値は、ヒータ先端部(即ちセ
ンサの検出部)の温度より低い温度を表わすこととな
り、通電開始初期にもヒータ抵抗値が目標抵抗値となる
ようにヒータへの供給電力を制御していると、検出部の
温度が目標温度(正常作動温度)以上に過上昇(オーバ
ーシュート)してしまうのである。
そしてこのように検出部の温度が過上昇すると、検出素
子により空燃比を正確に検出することができなくなって
しまう。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために成された本発明に係る酸素セ
ンサ用ヒータの制御装置は、第1図にその構成を例示す
るように、車両の内燃機関EGの排気中の酸素濃度を検出
するセンサOSの検出部から取付部までを加熱するヒータ
HTを備え、該ヒータHTの抵抗値RHを検出して、その抵抗
値RHが所定の目標ヒータ抵抗値RTとなるようにヒータHT
へ供給する電力PWを制御する酸素センサ用ヒータの制御
装置HCにおいて、次のような各手段を備えることを特徴
とする。
(M1)車両の状態に応じて、酸素センサOSのヒータHTへ
の通電制御を行うか否かを判定する通電条件判定手段。
(M2)通電制御を行うと判定された場合には、その最初
の所定期間内だけ上記ヒータHTへ供給する電力PWを抑制
するヒータ電力抑制手段。
[作用] 車両が通常の運転をされているときは、酸素センサOSの
ヒータHTへ供給する電力PWは、そのヒータHTの抵抗値PH
が所定の目標値RTとなるように制御される。これにより
酸素センサOSの検出部の温度は一定の値に保たれ、正確
な酸素濃度検出が保証される。
このようなヒータHTへの通電制御は、車両の状態が予め
定められた所定の状態にあるときにのみ、行われる。例
えば、バッテリを保護するために、スタータモータが作
動しているときや、気温が非常に低い場合の始動後一定
時間、通電制御は禁止される。通電条件判定手段M1は現
在の車両状態からみて、ヒータHTの通電制御を行っても
よいか否かを判定する。そして通電条件判定手段M1がヒ
ータHTへの通電制御を開始してもよいと判定すると、ヒ
ータ電力抑制手段M2が、その時から所定期間だけ、ヒー
タHTへの供給電力PWを抑制する。この結果、ヒータHTへ
の電力供給開始直後に、センサOSの検出部と取付部との
熱容量の違いにより、酸素センサOSの検出部近傍に位置
するヒータHT先端部の温度が急上昇して、酸素センサOS
の検出部の温度が所定温度以上にオーバシュートするの
を防止できる。
[実施例] 以下本発明の実施例を図面に用いて説明する。
まず第2図は実施例のヒータ制御装置全体の構成を表す
電気回路図である。
図に示す如く、自動車エンジンの排気管に取り付けられ
た酸素センサのヒータ10には、イグニションスイッチ11
を介して、自動車のメインバッテリ12が接続される。ヒ
ータ10には更に直列に、スイッチング(パワー)トラン
ジスタ14及び比較抵抗16が接続される。トランジスタ14
と比較抵抗16との間の(接地電位に対する)電位ADはオ
ペアンプ18により増幅され、AC−DCコンバータ(ADC)2
4を介して電子制御装置(ECU)26に入力される。バッテ
リ電圧VBもADC24を介してECU26に入力される。尚、以下
の説明において、ヒータ10及び比較抵抗16の抵抗値を、
各々、RH,RIとする。
ECU26は、第3図に示すように、周知のCPU30、ROM32、R
AM34、バックアップRAM35、入力部36、出力部38等を備
えたマイクロコンピュータである。第2図には示さなか
ったが、エンジンのスロットルバルブが閉じたときにON
信号を出力するアイドルスイッチ(LL SW.)40、車速セ
ンサ(SPD)42、冷却水の温度センサ(THW)44、回転速
度センサ(NE)46、吸入空気量を測定するエアフローメ
ータ(Q)48からの信号も入力部36を介してECU26に入
力される。また図示しないが、ECU26には、エンジン制
御装置から点火及び燃料噴射のために出力される点火信
号及び噴射信号も入力される。そしてECU26は、それら
入力信号に基づき、次のようなヒータ制御処理を行う。
∵第4図はそのヒータ制御処理ルーチンのフローチャー
トであるが、ECU26はこのルーチンを64msec.毎に実行す
る。本ルーチンがスタートすると、最初にステップ100
で、現在の運転状態はヒータ10に通電してもよい状態か
否かを判定する。具体的には、スタータモータが作動し
ていないこと、バッテリ12の電圧が所定値以上あるこ
と、気温が所定値以上あること、という3条件を満たし
た場合に、ヒータ10へ通電可能と判定される。ここで、
通電してはいけない(NO)と判定されると、ステップ11
0で変数YHTに値0を代入する。この変数YHTは、CPU30に
より実行される別のルーチンでスイッチングトランジス
タ14への出力ポートに出力され、これによりスイッチン
グトランジスタ14は非導通となって、ヒータ10への通電
が停止される。
ステップ100の判定がYESの場合には、ステップ120へ進
み、このルーチンの実行がステップ100で通電OKとなっ
てから最初の実行であるか否かが判定される。以下、通
電制御可能とされて以降最初の実行サイクルについて、
まず話を進める。
このときには、ステップ130でフラグX.RTWを0にリセッ
トする。このフラグX.RTWは、0のときにはヒータ10へ
の通電制御を開始した直後の時期であることを示し、1
のときにはそれ以降の通常の時期であることを示すため
ものである。
次のステップ135では、バックアップRAM35から前回の運
転終了時のヒータ制御目標抵抗値RTOを読み出し、目標
抵抗値変数RTに代入する。そして、ステップ140でRTか
ら所定値Aを減算し、保存変数RTWに代入する。この値
(あるいは、減算すべき所定値A)は、次のことを考慮
して、予め実験やコンピュータシミュレーションにより
定められる。上述の通り、酸素センサの検出部と取付部
とは、熱容量の差により昇温速度が異なり、検出部の方
が早く昇温する。ここで、ヒータの抵抗値RHは検出部の
抵抗値RH1と取付部の抵抗値RH2の和であるため、全体の
ヒータ抵抗RHがセンサの正常作動温度に相当する目標抵
抗値になるまでヒータ10に通電したのでは、検出部の温
度はその正常作動温度をオーバーしてしまう。従って、
値Aは、センサが最終的に正常作動温度まで上昇すると
きに、検出部の温度がオーバシュートしないように、検
出部と取付部との昇温速度の差を考慮して定められる。
次のステップ150では、目標抵抗値変数RT内の値(現在
はRTO)と保存変数RTW内の値(RTO−A)とを交換す
る。これにより目標抵抗値変数RT内には初期目標抵抗値
(RTO−A)が入り、ヒータ10への通電は、ヒータ抵抗R
Hがこの値(RTO−A)となるように制御される。保存変
数RTW内には通常運転状態での目標抵抗値RTOが入り、通
常制御になるまで保存される。
ステップ160では、ヒータ10を流れる電流IHTが所定値IB
以下であるか否かが判定され、IHT>IBのときはステッ
プ110でヒータ10への通電が禁止される。これは電流量
制限であり、センサへ通電を開始した直後の突入電流に
より熱衝撃を緩和するための措置である。尚、IHTは、
オペアンプ18から出力される比較抵抗16の電位ADに基づ
き、後述の第5図に示すIHT算出ルーチンの処理により
算出される。
IHT≦IBのときは、ステップ170でヒータ10の抵抗値RIを
次の式によって算出する。
RH=VB/IHT−RI ここで、VBはバッテリ12の電圧であり、後述の第6図に
示すVB算出ルーチンの処理により算出される。そして、
ステップ180では、算出されたヒータ抵抗値RHが目標抵
抗値RT(現在は低い方の値)以上か否かを判定する。通
電は開始した直後は、普通、RH<RTであるため、ステッ
プ190へ進んでYHTを1にセットする。これにより、スイ
ッチングトランジスタ14が導通状態となり、ヒータ10に
電流が流れる。
その後ステップ250でフラグX.RTWが1であるか否かを判
定する。第1回目の実行の場合には、フラグX.RTWはス
テップ130でOにリセットされているので、そのまま本
ルーチンを終了する。以上がヒータへの通電開始後第1
回目の本ルーチンの実行の経過である。
2回目以降の本ルーチンの実行ではステップ130〜150は
実行されないため、目標抵抗値RTは低い方の値のままで
あり、また、しばらくはステップ180でRH<RTと判定さ
れるので、ヒータ10は通電され続ける(ステップ19
0)。もちろん、この間、ヒータ電流IHTが制限値IB以上
になれば通電は停止される(ステップ160、110)。
センサの温度がある程度上昇し、RH≧RTとなったときに
は、ステップ200以降の処理が実行される。ステップ200
では、まず、フラグX.RTWが未だOであるか否かが判定
される。最初はこのフラグX.RTWの値はステップ130でO
にされたままであるので、ステップ210へ進み、目標抵
抗値変数RTの値を所定の小さな値DRTだけ増加させる
(つまり、RT内の値はRTO−A+DRTとなる)。そして、
増加された変数RTが保存変数RTW(この中には通常状態
での目標抵抗値RTOが保存されている)以上になったか
否かを判定する。DRTはAよりは十分小さい値であるの
で、最初はRT<RTWであるめ、ステップ240へ進んでYHT
をOとして、ヒータ10への通電を停止する。
何回かこのルーチンを繰り返して、ステップ210でRTが
少しずつ(DRTずつ)増加してゆき、RTが通常状態での
目標抵抗値RTW(=RTO)を超えたときは、ステップ230
でフラグX.RTWが1にセットされる。つまり、目標抵抗
値が初期の低い値がRTO−Aから通常の値RTOに完全に移
行したということであり、ヒータ10に対する通電制御の
初期制御が終了したことを宣言するものである。この場
合には、それ以降ステップ260が必ず実行され、全く通
常のヒータ制御が行われる。
ステップ260は、以降の処理(ステップ270〜290)で、
酸素センサの個体差や経時変化に起因するヒータ固有の
抵抗値のばらつきを補償するために目標抵抗値RTの補正
を行う学習制御を実行するか否かを判断するための処理
で、具体的にはアイドルスイッチ(LL SW.)がON(スロ
ットルバルブが閉じている)、車速が5km/h以下、冷却
水温が70℃以下、という状態(即ちアイドリング状態)
が所定時間(例えば2sec.)以上継続しているか否かを
判断する。
そしてこの条件が満たされている場合には、ステップ27
0にて、所定時間(数秒程度)の間ヒータ供給電力の平
均値PNを求め、ステップ280にて、この算出した電力の
平均値PNから目標抵抗値RTの補正値ΔRTを算出し、次ス
テップ290にて、この補正値ΔRTにより目標抵抗値RTを
補正する、といった手順で目標抵抗値RTを更新する学習
制御を実行する。
尚本実施例ではヒータ10は第4図のルーチンの実行サイ
クル(64msec.)毎にON又はOFFとなるため、ステップ27
0での電力の平均値PNの算出は、 但し、P=(VB・IHT−IHT2・RI) により行われる。
またこの平均値PNに基づき補正値ΔRTを算出するステッ
プ280の処理は、第7図に示すようなマップを予めROM32
内に格納しておき、これを参照することにより行われ
る。これにより電力の平均値PNが標準値PNOと等しけれ
ば補正値ΔRTはOとなり、それよりも大きければマイナ
スの補正値が与えられる。
次にヒータ10を流れる電流IHTを算出するIHT算出ルーチ
ン(第5図)について説明する。このIHT算出ルーチン
は、所定時間(例えば65msec.)毎に強制的にヒータ10
を通電することにより実行されるもので、本ルーチンが
スタートすると、まずステップ500にて、オペアンプ18
から出力される比較抵抗16の電位ADを取り込み、この電
位ADに基づき、第8図に示す如きマップを用いて、現時
点でのヒータ電流IHTnを算出する。そして続くステップ
510では、現在点火信号が入力されているか否かを判断
し、点火信号が入力されていなければ、次ステップ520
に移行して、噴射信号が入力されているか否かを判断す
る。
ステップ520にて噴射信号が入力されていると判断され
るか、ステップ510にて点火信号が入力されていると判
断されると、ステップ530に移行し、ステップ500で求め
たヒータ電流IHTnに所定値αを加えた値を新たにヒータ
電流IHTnとして設定する。
このステップ510〜530の処理は、エンジン側で点火或は
燃料噴射が実行されると、バッテリ電圧VBが大きく変動
(低下)し、ステップ500で求めたヒータ電IHTnが通常
のバッテリ電圧VBを印加した場合に比べて小さくなるの
で、こうした電圧変動に伴い生ずるヒータ電流IHTnの変
動分を補正するための処理である。
次にステップ530にてヒータ電流IHTnが補正されるか、
ステップ520にて否定判断されると、続くステップ540に
移行し、上記求めたヒータ電流IHTnと前回当該ルーチン
を実行した際に求めたヒータ電流IHTn−1とを大小比較
する。そしてIHTn≧IHTn−1であれば、ステップ550に
移行して、次式 IHT=(IHTn+IHTn−1)/2 を用いて、上述のヒータ制御処理ルーチンでヒータ制御
のために使用するヒータ電流IHTを算出し、逆にIHTn<I
HTn−1であれば、ステップ560に移行して、前回求めた
ヒータ電流IHTn−1から所定値Iaを減じた値をヒータ制
御のために使用するヒータ電流IHTとして設定する。
そしてこのようにヒータ電量IHTが算出されると、続く
ステップ570に移行して次回の処理のために、この値IHT
を今回のヒータ電流IHTnとして設定し、処理を一旦終了
する。
ここで上記ステップ540〜560の処理は、ステップ500に
おいてヒータ電INTnが誤算出された場合のヒータの誤制
御を防止するための処理である。つまり所定時間(65ms
ec.)内にヒータ電流IHTが急変することは通常ないの
で、ヒータ電流IHTの急変動分を所謂なまし処理によっ
て除去しているのである。
尚本実施例では、IHTnが前回の値IHTn−1より増加して
いるときには、ステップ550にてその平均値をとる通常
のなまし処理によりヒータ電流IHTを算出するが、IHTn
が前回の値IHTn−1より減少しているときには、ステッ
プ560にてIHTn−1から所定値Iaを減ずることによりヒ
ータ電流IHTを算出している。これは、ヒータ電流IHTが
減少するということはヒータ抵抗RHが大きくなることを
意味し、それによってヒータの通電停止傾向が大きくな
るためであり、ヒータ電流IHTが減少傾向にある時に
は、IHTn−1より所定値Iaを減ずることで、ヒータ電流
IHTを徐々に減少させ、これによってヒータの通電停止
傾向が大きくなるのを防止しているのである。
次にバッテリ電圧VBを算出するVB算出ルーチン(第6
図)は、上記IHT算出ルーチンより長い所定時間(例え
ば115msec.)毎に実行される。
第6図に示す如くこのVB算出ルーチンは、まずステップ
600にて、ADC24を介して入力されるバッテリ電圧VBを取
り込み、続くステップ610にて、現在ヒータ10の通電が
停止されているか否かを判断し、通電が停止されている
場合には、ステップ620にて、ステップ600で取り込んだ
バッテリ電圧VBから所定値βを減じた値を制御に用いる
バッテリ電圧VBとして設定した後処理を終了し、そうで
なければそのまま処理を終了する、といった手順で実行
される。
つまり、ヒータ電流IHTはヒータ10を通電することによ
り求められるものであり、またヒータ通電時のバッテリ
電圧VBは非通電時より低下するため、VB算出ルーチンで
は、ステップ600にて取り込んだバッテリ電圧VBがヒー
タ10の非通電時の値であれば、その値VBから所定値βを
減ずることで、バッテリ電圧VBをヒータ通電時の値に対
応させているのである。そしてこの結果ヒータ制御処理
ルーチンにおいてヒータ抵抗RHを正確に求めることが可
能となる。
次に本実施例によるヒータ通電制御の様子を第9図のタ
イムチャートにより説明する。
スタータモータによるエンジンの起動が終了したときに
(時刻t1)通電可能と判断され(ステップ100)、RTがR
TO−Aに設定されるとともに、通電が開始される。最初
はヒータ10の抵抗値RHが低く、大きな電流が流れるた
め、ステップ160、110によりしばしば通電は停止される
(YHTのグラフ参照)。ある時点t2からはヒータ抵抗RH
がある程度大きくなる(しかし、目標値RTよりは未だ低
い)ため、電流IHTが制限値IBを超えることがなくな
り、ヒータ10には常に電流が流れるようになる。
この時期には、酸素センサの検出部の温度は急激に上昇
し、ヒータ抵抗RHも同時に増加してゆくが、ヒータ抵抗
RHが目標抵抗値RT(初期値RTO−A)を超えた時点t3で
ヒータ10への通電は一旦停止される。この時点t3では、
値Aが前述のように設定してあるため、検出部の温度は
ほぼ正常作動温度に達している(RH1参照)。以後、通
電・遮断が断続的に繰り返されてゆく間に、目標抵抗値
RTは、第4図のルーチンを1回実行する毎(64msec.
毎)にDRTずつ増加し、取付部の温度も徐々に上昇して
ゆき平衡温度に近づいて行く(RH2参照)。
尚、DRTの値は、酸素センサの検出部の温度が正常作動
温度に達した後のRH2の上昇速度を考慮して定める(例
えば、車両が80km/hで定常走行したときのセンサ取付部
の温度上昇と一致するように)が、運転条件・気温等に
よって変化させてもよい。第9図の検出部温度のグラフ
において、一点鎖線は本実施例のような制御を行わない
場合(即ち目標抵抗値RTを値Aにより補正していない場
合)の温度変化を示すが、初期に急激に上昇してオーバ
シュートを生ずることが示される。
以上説明したように、上記実施例では、ヒータ通電開始
時の目標抵抗値RTとして通常の目標抵抗値RTOから値A
を減じた値に設定し、その後ヒータ抵抗RHが目標抵抗RT
に達すると、目標抵抗値RTを通常の目標抵抗値RTOまで
徐々に増加させることにより、目標抵抗値RTが通常の値
RTOに達するまでの間、ヒータ10への供給電力を通常よ
り抑制して、ヒータ通電開始初期に酸素センサの検出部
の温度が目標温度以上に過上昇するのを防止するように
されている。ところで酸素センサの検出部の温度が目標
温度以上に過上昇するのを防止するには、ヒータへの供
給電力を抑制できればよく、上記実施例のように目標抵
抗値RTを補正する方法とは異なる方法であっても実現で
きる。
そこで次に本発明の第2実施例として、ヒータ10の通電
時間を抑制することによりヒータ10への供給電力を抑制
するヒータ制御処理ルーチンについて第10図のフローチ
ャートに沿って説明する。尚第10図のヒータ制御処理ル
ーチンは、上記ステップ100と同様の判定処理によりヒ
ータ10の通常制御の実行条件が成立していると判断され
ているときに、ECU26において16msec.毎に実行される処
理である。また本ルーチンでは、ヒータ10の電力制御
を、所定周期毎にヒータ10の通電・非通電を繰り返すデ
ューティ制御によって実現する。
図に示す如く、本実施例のヒータ制御処理ルーチンで
は、まずステップ300を実行し、現在ヒータ10に電力が
供給されているか否かを判定する。そしてヒータ10に電
力が供給されているときは、ステップ310で、前述のス
テップ260と同様に、目標抵抗値RTの学習条件が成立し
ているか否かを判断し、学習条件が成立している場合に
は、ステップ320へ進んで、ヒータ10に供給されている
電力PWを次の式により算出する。
PW=(VB・IHT−IHT2・RI)・(DUTY/256) ここで、DUTYは後述するデューティ比に対応するカウン
タである。ステップ330では、ステップ320における電力
PWの算出が256回行われたか否かを判定し、この判定がY
ESの場合には、ステップ340へ進む。するとステップ340
では、この256回の電力算出値PWの平均値av(PW)をPN
として算出し、次ステップ350及び360にて、前述のステ
ップ280及び290と同様にして、目標抵抗値RTを更新す
る。
このように目標抵抗値RTの学習制御が実行されるか、ス
テップ310又はステップ330にてNOと判断されると、ステ
ップ370に移行し、前述のステップ170と同様に、ヒータ
10の抵抗値RHを算出する。
そして続くステップ380〜400では、このヒータ抵抗RHが
目標抵抗値RT以上か以下かにより、ヒータ10へ供給する
電力のデューティ比対応カウンタDUTYを1だけ増加又は
減少する。DUTYとは、第11図(B)で示すように、ヒー
タ10のON・OFFサイクル時間(a)に対するON時間
(b)の比、即ちデューティ比(b/a×100%)に対応す
る値であり、本実施例では、後述のフリーランニングカ
ウンタCDUTYと対応するように、0〜256の値をとる。
このようにDUTYが設定されると、次にステップ410に移
行し、エンジンの始動後、所定時間(例えば350sec.)
経過したか否かを判断する。そして所定時間経過してい
なければ、ステップ420に移行し、上記ステップ360にて
目標抵抗値RTが更新されたか否かを判断し、目標抵抗値
RTが更新されていなければ、ステップ430にて、目標抵
抗値RTに基づき、第12図のマップを用いてDUTYの上限値
を表すDUTYmaxを算出し、ステップ440に移行する。
一方ステップ410にてエンジン始動後所定時間経過して
いると判断された場合、或はステップ420にて、目標抵
抗値RTが更新されたと判断された場合には、ステップ45
0にてDUTYmaxに最大値256(デューティ比で100%)を設
定し、ステップ440に移行する。そして続くステップ440
では、上記ステップ430又は450にて設定された上限値DU
TYmaxと、予め設定された下限値DUTYmn(=8,デューテ
ィ比で3.125%)とに基づき、DUTYがこの上・下限値の
範囲を越えないようにガードするガード処理を実行す
る。
ここでステップ410〜430の処理は、エンジン始動後所定
時間経過するか、目標抵抗値RTが更新されるまでの間、
DUTYmaxを目標抵抗値RTに応じて256より小さい値に設定
することにより、ヒータ10の通電時間(即ち,供給電
力)を通常より抑制するための処理で、これによってDU
TYmaxが通常より小さい値に設定される。
尚エンジン始動後所定時間経過するか、目標抵抗値RTが
更新されるまでの間、DUTYmaxにガードをかけるのは、
目標抵抗値RTが更新されるのは目標抵抗値RTの学習条件
が成立している状態,即ちエンジンが充分暖機されてい
る状態であり、また、目標抵抗値RTが更新されなくても
エンジン始動後所定時間(本実施例では350sec.)経過
しておれば、エンジンは充分暖機されていると判断でき
るためである。つまりエンジンが充分暖機されている場
合には、ヒータ10の取付部の温度も上昇して、検出部の
温度が目標温度以上に上昇することがないので、上記ス
テップ420及び430では、こうした定常状態を、エンジン
始動後の時間と、目標抵抗値RTの更新状態とから、検出
するのである。
またこうした条件が成立していないときに、目標抵抗値
RTに基づきDUTYmaxを設定するのは、目標抵抗値RTは、
過去の学習制御によって、酸素センサの個体差や経時変
化に起因するヒータ固有の抵抗値のばらつきを補償する
ように設定されており、この目標抵抗値RTが大きければ
ヒータの発熱量は供給電力に対して少なく、目標抵抗値
RTが小さければヒータの発熱量は供給電力に対して大き
いためである。つまり本実施例では、目標抵抗値RTに基
づき、目標抵抗値RTが小さいほどDUTYmaxを小さい値に
設定することにより、供給電力に対して発熱量の大きい
ヒータ程供給電力を抑制できるようにしている。
以上のようにDUTYのガード処理が実行されると、続くス
テップ460に移行し、フリーランニングカウンタCDUTYを
8だけ増加する。そして続くステップ470では、このCDU
TYと上記設定されたDUTYとを大小比較し、DUTY>CDUTY
のときにはステップ480にてヒータ10をONとし、そうで
なければ、ステップ490にてヒータ10をOFFとする。尚CD
UTYは、256に達した時点でOにリセットされる。またス
テップ460の処理は、ステップ300にてヒータ10が通電さ
れていない(即ち,OFF)と判断されたときにも実行され
る。尚このステップ460〜490の処理は、第11図(A)に
示すように、所定サイクル(本実施例では、16msec.×
(256/8)=512msec.)でヒータ10をON及びOFFさせるこ
とにより、そのデューティ比をDUTYに応じて定めるため
の処理である。
以上説明したように本実施例のヒータ制御処理ルーチン
では、ヒータ10の電力制御を、デューティ制御によって
行い、制御開始後、エンジンが暖機するまでの間、ヒー
タ10の通電時間を抑制することにより、ヒータ10への供
給電力を抑制している。このため上記実施例と同様に、
ヒータ10の通電開始後、酸素センサの検出部の温度が目
標温度以上に過上昇するのを防止することができ、温度
上昇によってセンサが劣化するのを防止できる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明に係る酸素センサ用ヒータの
制御装置では、通常はヒータ抵抗値が所定の目標抵抗値
になるようにヒータへの供給電力を制御するが、こうし
た通電制御の実行条件が成立した直後の所定期間内だけ
は、ヒータへの供給電力を抑制するようにされている。
このため、ヒータの通電制御開始直後に、酸素センサの
検出部と取付部との熱容量が違いによって、酸素センサ
の検出部近傍に位置するヒータ先端部の温度が急上昇し
て、センサの検出部が目標温度以上に過上昇するのを防
止することができ、酸素センサによる空燃比の検出精度
を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概略構成図、第2図は実施例のヒータ
制御装置全体の構成を表す電気回路図、第3図はその電
子制御装置(ECU)の構成を表すブロック図、第4図は
電子制御装置(ECU)で実行されるヒータ制御処理ルー
チンを表すフローチャート、第5図は同じくIHT算出ル
ーチンを表すフローチャート、第6図は同じくVB算出ル
ーチンを表すフローチャート、第7図はヒータの平均電
力から目標抵抗値RTの補正値ΔRTを求めるためのマップ
を表すグラフ、第8図は比較抵抗の電圧からヒータ電流
を求めるためのマップを表すグラフ、第9図は第4図の
ヒータ制御処理の実行による各種パラメータの変化を示
すタイムチャート、第10図は第2実施例のヒータ制御処
理ルーチンを表すフローチャート、第11図は第2実施例
のヒータの通電制御を説明するタイムチャート、第12図
は目標抵抗値RTに基づきDUTYmaxを求めるためのマップ
を表すグラフ、第13図は酸素センサの温度Tと作動空燃
比A/Fとの関係を表すグラフである。 M1……通電条件判定手段 M2……ヒータ電力抑制手段 OS……酸素センサ、HT、10……ヒータ 26……電子制御装置(ECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 光浩 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 真崎 利津緒 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−105056(JP,A) 特開 昭60−235048(JP,A) 特開 昭61−116652(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の内燃機関の排気中の酸素濃度を検出
    するセンサの検出部から取付部までを加熱するヒータを
    備え、該ヒータ全体の抵抗値を検出して、その抵抗値が
    所定の目標ヒータ抵抗値となるようにヒータへ供給する
    電力を制御する酸素センサ用ヒータの制御装置におい
    て、 車両の状態に応じて、酸素センサのヒータへの通電制御
    を行うか否かを判定する通電条件判定手段と、 通電制御を行うと判定された場合には、その最初の所定
    期間内だけ上記ヒータへ供給する電力を抑制するヒータ
    電力抑制手段と、 を備えることを特徴とする酸素センサ用ヒータの制御装
    置。
JP1197528A 1989-04-24 1989-07-28 酸素センサ用ヒータの制御装置 Expired - Lifetime JPH0789105B2 (ja)

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