JPH0788912A - プラスチック成形機用複合シリンダ - Google Patents

プラスチック成形機用複合シリンダ

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JPH0788912A
JPH0788912A JP5235050A JP23505093A JPH0788912A JP H0788912 A JPH0788912 A JP H0788912A JP 5235050 A JP5235050 A JP 5235050A JP 23505093 A JP23505093 A JP 23505093A JP H0788912 A JPH0788912 A JP H0788912A
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賢二 丸田
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栄一 山下
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福井  聡
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/58Details
    • B29C45/62Barrels or cylinders

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬質で耐摩耗性及び耐食性に優れているとと
もに、耐焼付き性にも優れたプラスチック成形機用複合
シリンダを提供する。 【構成】 プラスチック成形機用シリンダのライニング
層をコバルト基合金あるいはニッケル基合金からなるも
のとするとともに、このライニング層の内表面に1〜3
0μmの深さまでエッチング層を形成してなるプラスチ
ック成形機用複合シリンダ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック成形機等
に用いる複合シリンダに関し、特に耐摩耗性、耐食性及
び耐焼付き性等に優れた成形機用複合シリンダに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
プラスチックは、エンジニアリングプラスチックやポリ
マーアロイとして多種多様な用途に使用されるようにな
ってきており、それに伴い種々の樹脂を混合して使用し
たり、各種添加剤を添加して使用したりしている。この
ため、これらの樹脂を射出成形、あるいは押出成形する
のに使用される成形機のシリンダ内のライニング層に
は、優れた耐摩耗性及び耐食性を有するものが望まれて
いる。
【0003】このため、ライニング材にコバルト基合金
あるいはニッケル基合金を用いたり、WC等の耐摩耗性
成分を配合したりしている。
【0004】ライニング材にコバルト基合金あるいはニ
ッケル基合金を用いたり、WC等の耐摩耗性成分を配合
したりすることにより、シリンダのライニング層は硬質
化され耐摩耗性及び耐食性は改善されたが、シリンダと
スクリュー間にかじり、焼付き等が生じやすいという問
題がある。
【0005】図4に示すように、シリンダ2と、スクリ
ュー3と、射出時に樹脂の逆流を防止するためのチェッ
クリング(バルブ)4とを有し、前記シリンダ2の先端
部にアダプタ5を装着してなる射出成形機1により、金
型6に対して射出成形を行う場合、シリンダ2とチェッ
クリング4との間の間隔は0.02〜0.2mm程度
と、極めて微少なものであるため、スクリューの自重、
成形異常、あるいは異物の混入等により、両者はたえず
接触することになる。このため、シリンダ2とチェック
リング4、あるいはシリンダ2とスクリュー3との間に
かじり、焼付き等が生じやすい。この傾向は、成形機の
大半を占める横型射出成形機において特に顕著である。
【0006】このようにしてシリンダ2とチェックリン
グ4、あるいはシリンダ2とスクリュー3との間にかじ
り、焼付き等が生じると、シリンダ2内を通過する樹脂
は、焼付き発生箇所において、局部的に過熱される。そ
の結果、射出成形品に樹脂焼けや、劣化(過熱による樹
脂の変質や炭化)等の不良が生じる。
【0007】特にポリスチレン、ポリカーボネート等の
可塑化温度が低く、かつ透明度の高い樹脂や、ポリアセ
タール等の白色系樹脂においては、上述したような樹脂
焼付けや劣化が顕著である。
【0008】上記従来技術の問題点を解決するために、
本出願人は既に、合金鋼からなる中空円筒形状のシリン
ダ母材層と、シリンダ母材層の内面に耐摩耗性及び耐食
性に優れたコバルト基合金あるいはニッケル基合金から
なるライニング層とを有し、ライニング層の内表面に1
μm以上の深さまで浸硫層あるいは浸硫窒化層が形成さ
れているプラスチック成形機用複合シリンダという内容
の発明について、出願している(特願平4−11695
8号)。
【0009】上記改良発明において、浸硫層あるいは浸
硫窒化層はそれぞれ浸硫処理あるいは浸硫窒化処理を施
すことにより形成することができる。浸硫処理は、アル
カリ基剤と硫化剤とを100〜150℃で溶解してなる
低温塩浴(ソルトバス)中にシリンダを1〜3時間浸漬
させることにより施すことができ、また浸硫窒化処理
は、窒素含有アルカリ基剤と硫化剤とを500〜580
℃で溶解してなる高温塩浴中にシリンダを1〜3時間浸
漬させることにより施すことができる。
【0010】しかしながら上記改良発明においても更に
改良すべき問題点がある。すなわち浸硫処理あるいは浸
硫窒化処理を施すのに、シリンダ全体を浸漬させ得る程
度の容積の大なるソルトバス設備を必要とするので、設
備コストが高くなるという問題がある。また所定の深さ
まで浸硫層あるいは浸硫窒化層を形成するのに、長時間
(1〜3時間浸漬)を要するという問題もある。
【0011】したがって、本発明の目的は、上記従来技
術の問題点を解決するとともに、改良発明における問題
点をも併せて解決し、硬質で耐摩耗性及び耐食性に優れ
ているとともに、耐焼付き性にも優れたプラスチック成
形機用複合シリンダを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、プラスチック成形機用シリンダの
ライニング層をコバルト基合金あるいはニッケル基合金
からなるものとするとともに、このライニング層の内表
面にエッチング処理により1〜30μmの深さのエッチ
ング層(凹凸のある腐食層)を形成すれば、硬質で耐摩
耗性及び耐食性に優れるとともに、かじり、焼付き等を
大幅に減少させることができることを見出した。
【0013】すなわち、本発明のプラスチック成形機用
複合シリンダは、合金鋼からなる中空円筒形状のシリン
ダ母材層と、前記シリンダ母材層の内面に耐摩耗性及び
耐食性に優れたコバルト基合金あるいはニッケル基合金
からなるライニング層とを有し、前記ライニング層の内
表面に1〜30μmの深さまでエッチング層が形成され
ていることを特徴とする。
【0014】
【実施例及び作用】まず、本発明のプラスチック成形機
用シリンダのライニング層について説明する。ライニン
グ層はコバルト基合金あるいはニッケル基合金からなる
ものである。
【0015】コバルト基合金の化学成分は、Cr、B、
Si、Mn及びNiの合計が35重量%以下で、Feが
20重量%以下で、残部が実質的にCo及び不可避的不
純物からなるのが好ましく、特にCr10〜30重量
%、B1.5〜4.0重量%、Si4重量%以下、Mn
2重量%以下、Ni5重量%以下、Fe20重量%以
下、残部実質的にCo及び不可避的不純物からなるのが
好ましい。
【0016】以下、Co基合金の合金成分について説明
する。Co基合金において、Coのみではシリンダとし
て耐摩耗性を維持できないので、Cr、B、Si、Mn
及びNiを含有するのが好ましい。ただし、Cr、B、
Si、Mn及びNiの総量が35重量%を超えると、強
度及び耐食性が低下する。
【0017】Crの好ましい含有率は10.0〜30.
0重量%であり、特に好ましいCrの含有率は11.0
〜23.0重量%である。CrはBとともにCr−Bの
ほう化物による硬化相を形成し、合金の硬度を向上させ
る。Crは10重量%未満であると、上記Cr−B相が
十分に形成されず、一方30.0重量%を超えると、合
金の融点が1200℃以上となってしまうため、シリン
ダ母材層上にライニング層を形成するのが困難となるた
め好ましくない。
【0018】Bの好ましい含有率は1.5〜4.0重量
%である。Bは組織中に高硬度のほう化物を析出させ、
合金の硬度を向上させる作用を有するが、1.5重量%
未満ではその効果が十分ではなく、4.0重量%を超え
ると共晶組織が粗大化し、かつ脆性を増すので好ましく
ない。
【0019】Siは脱酸材としての作用をするが、その
効果から含有率は4.0重量%以下とする。
【0020】Mnは脱酸材としての作用をするが、その
効果から含有率は2.0重量%以下とする。
【0021】Niは、混入元素であり、その含有率は
5.0重量%以下である。Niが5.0重量%を超える
と合金の硬さを低下させるため好ましくない。
【0022】また、Feの好ましい含有率は20.0重
量%以下であり、特に好ましいFeの含有率は8.0重
量%以下である。Feは当初合金中に含有されなくて
も、鋼材からなるシリンダ母材層との溶着反応によりシ
リンダ母材層から侵入する。所定量のFeがシリンダ母
材層から合金へ移行することがライニング層とシリンダ
母材層との完全な溶着を遂行する上で必要である。また
Feが増加すると硬さが低下するとともに、酸に対する
耐食性を低下させ、20.0重量%を超えるとその影響
が無視できなくなるため好ましくない。
【0023】CoはCr及びBと化合して合金の高硬度
特性と耐食性を向上させるため、基合金として残重量%
とする。
【0024】さらに本発明においては、上記Co基合金
の金属成分100重量部当り、IVa族、Va族あるい
はVIa族元素の炭化物の微粒子を3〜40重量部分散
させることにより、耐摩耗性をさらに向上させることが
できる。上記IVa族、Va族あるいはVIa族元素の
炭化物としては、WC、NbC、TiC、VC等が挙げ
られる。また上記の炭化物は50μm以下の微粒子状で
あるのが好ましい。
【0025】上記IVa族、Va族あるいはVIa族元
素の炭化物の含有率が3重量部未満では、その添加によ
る十分な効果が得られず、一方40重量部を超えると、
ライニング材の粘度が大きくなり、均一なライニング層
を形成するのが困難となる。より好ましいIVa族、V
a族あるいはVIa族元素の炭化物の含有率は、合金成
分100重量部当り、10〜30重量部である。
【0026】次にNi基合金の場合について説明する。
Ni基合金の化学成分は、Cr、B、Si、Mn及びC
oの合計が35重量%以下で、Feが20重量%以下
で、残部が実質的にNi及び不可避的不純物からなるの
が好ましく、特にCr5〜20重量%、B1.5〜4.
0重量%、Si4重量%以下、Mn2重量%以下、Co
10重量%以下、Fe20重量%以下、残部実質的にN
i及び不可避的不純物からなるのが好ましい。
【0027】Ni基合金において、Niのみではシリン
ダとして耐摩耗性を維持できないので、Cr、B、S
i、Mn及びCoを含有するのが好ましい。ただし、C
r、B、Si、Mn及びCoの総量が35重量%を超え
ると、強度及び耐食性が低下する。
【0028】Crの好ましい含有率は5.0〜20.0
重量%であり、特に好ましいCrの含有率は7.0〜1
5.0重量%である。Bの含有率は1.5〜4.0重量
%である。Siの含有率は4.0重量%以下であり、特
に好ましくは3.0重量%以下である。Mnの含有率は
2.0重量%以下である。
【0029】上記Cr、B、Si及びMnの含有率の範
囲の限定理由については、上述したCo基合金の場合と
同様である。
【0030】Coは、混入元素であり、その含有率は1
0.0重量%以下である。Coが10.0重量%を超え
ると合金の硬さを低下させるため好ましくない。
【0031】また、Feの好ましい含有率は20.0重
量%以下であり、特に好ましいFeの含有率は8.0重
量%以下である。Feの含有率の範囲の限定理由につい
ても、上述したCo基合金の場合と同様である。
【0032】さらに本発明においては、上記Ni基合金
の金属成分100重量部当り、IVa族、Va族あるい
はVIa族元素の炭化物の微粒子を3〜40重量部分散
させることにより、耐摩耗性をさらに向上させることが
できる。上記IVa族、Va族あるいはVIa族元素の
炭化物としては、上述したCo基合金の場合と同様のも
のを用いることができる。
【0033】上述したような合金をシリンダ母材層上に
ライニングするには、遠心鋳造法に代表されるような金
属の溶製方法によるのが一般的であるが、これらの合金
のアトマイズ粉末をHIPプロセスにより焼結結合させ
る方法によってもよい。
【0034】一方、シリンダ母材としては、Cr−Mo
鋼、Ni−Cr−Mo鋼及びCr−Mn−V鋼等の鋼材
を用いるのが一般的である。
【0035】本発明のプラスチック成形機用複合シリン
ダは、上述したような合金からなるライニング層の内表
面に1〜30μmの深さのエッチング層を形成させてな
る。
【0036】以下に、エッチング層の形成方法について
説明する。エッチング層は、10〜20℃の10%HF
溶液あるいは10%HNO3溶液をライニング層の内表
面に浸し、ライニング層を腐食させることにより形成す
ることができる。このエッチング処理を施すことによ
り、腐食反応を好ましくは5〜10分間進行させる。
【0037】上記エッチング処理により得られるエッチ
ング層は表面が凹凸の形状を有し、その厚さは1〜30
μm、好ましくは1〜10μmである。エッチング層
は、表面の摩擦係数を大幅に減少させるものであるの
で、シリンダとバルブやスクリューの活性な金属最表面
が相対的に接触することにより、なじみを呈しやすい。
その厚さが1μm未満でも、かじりや焼付きの防止効果
を発揮するが、バルブやスクリューと激しい接触を起こ
しても、エッチング層の消失を防止し、十分な機能を維
持するためには、1μm以上の深さは必要である。ただ
し、厚さが30μmを超えると金属剥離を起こすので好
ましくない。
【0038】上記エッチング層により得られるライニン
グ層の硬さ(HRC)は、50〜60程度となる。
【0039】なお、エッチング処理は、新製のシリンダ
に対して施すだけでなく、プラスチックの成形中に何ら
かの異常により、シリンダのかじり、焼付きを発生した
際に施してもよい。例えばかじり、焼付きの程度が軽度
の場合には、そのシリンダに対してエッチング処理を施
し、再びプラスチックの成形に供することができる。ま
た、かじり、焼付きの程度が激しい場合には、かじり等
による内面の凹凸を研磨除去した後、エッチング処理を
施すことにより、かじり、焼付きの再発を防止すること
ができる。
【0040】このようなエッチング処理は、被処理材の
寸法の変化を伴わないので、シリンダの内面の改質方法
として極めて好適な方法である。
【0041】本発明を以下の具体的実施例によりさらに
詳細に説明する。 (実施例1)日本工業規格(JIS G 4105)に
規定されるSCM440相当のCr−Mo鋼を用いて、
シリンダ母材層を形成した。
【0042】次いで、ライニング層を形成するために、
表1に示す組成のCo基合金を配合した。なお、Feは
鋳造中にシリンダ母材層からFeが移行するため、この
移行するFe量を見込んだ配合とした。
【0043】このようにして配合されたライニング層用
合金を一旦加熱溶解した後、板状の合金鋳物に形成し、
この合金鋳物を破砕してシリンダ内にホッパー用開口部
から投入し、開口部をすべて密封後、1200℃で遠心
鋳造した。
【0044】徐冷後、630℃で5時間の焼戻しを行
い、複合シリンダ素材を得た。この素材に所定の寸法に
仕上げ加工を施した。
【0045】次いで、アルカリ希溶液で脱脂を行い、温
水で洗浄、乾燥し、熱水をライニング層の内表面に流し
てシリンダ全体を約40℃に加熱した。
【0046】次いで、エッチング処理として、10%H
F溶液をライニング層の内表面に流し、約9分間、ライ
ニング層の腐食反応を進行させた後、再び温水で洗浄、
乾燥し、約6μmの深さのエッチング層を得た。
【0047】図1にエッチング後のライニング層内表面
を走査型電子顕微鏡にて撮影した金属組織写真を示す。
内表面にはエッチングによる凹凸が形成されている。こ
れの比較として、図2にエッチング前の状態、すなわち
ホーニング研磨後のライニング層内表面を走査型電子顕
微鏡にて撮影した金属組織写真を示す。同図では斜め方
向の研磨疵が見られるのみであるが、これがエッチング
により図1のようになる。またこのシリンダのシリンダ
母材層の硬さ(HSC)と、ライニング層の硬さ(HRC)
を表2に示す。
【0048】このようにして得られたシリンダを、スク
リュー(日立金属(株)製 YPT4)、バルブ(日立
金属(株)製 YPT42)とともに射出成形機に組み
入れて、ポリスチレン樹脂の射出成形を1ヶ月間行った
ところ、シリンダと、スクリュー及びバルブ間にかじ
り、焼付き等は全く無く、樹脂の焼け、汚れ等も認めら
れなかった。
【0049】(実施例2)日本工業規格(JIS G
4103)に規定されるSCM439相当のNi−Cr
−Mo鋼を用いて、シリンダ母材層を形成した。
【0050】次いで、ライニング層を形成するために、
表1に示す組成のNi基合金を配合した。なお、Feは
鋳造中にシリンダ母材層からFeが移行するため、この
移行するFe量を見込んだ配合とした。
【0051】このようにして配合されたライニング層用
合金を実施例1と同様の方法により、1100℃で遠心
鋳造した。
【0052】徐冷後、600℃で5時間の焼戻しを行
い、複合シリンダ素材を得た。この素材に所定の寸法に
仕上げ加工を施した。
【0053】次いで、アルカリ希溶液で脱脂を行い、温
水で洗浄、乾燥し、熱水をライニング層の内表面に流し
てシリンダ全体を約40℃に加熱した。
【0054】次いで、エッチング処理として、10%H
NO3溶液をライニング層の内表面に流し、約9分間、
ライニング層の腐食反応を進行させた後、再び温水で洗
浄、乾燥し、約6μmの深さのエッチング層を得た。こ
のシリンダのシリンダ母材層の硬さ(HSC)と、ライニ
ング層の硬さ(HRC)を表2に示す。
【0055】また、このようにして得られたシリンダ
を、スクリュー(日立金属(株)製YPT4)、バルブ
(日立金属(株)製 YPT42)とともに射出成形機
に組み入れて、ポリアセタール樹脂の射出成形を1ヶ月
間行ったところ、シリンダと、スクリュー及びバルブ間
にかじり、焼付き等は全く無く、樹脂の焼け、汚れ等も
認められなかった。
【0056】(実施例3)実施例1と同様のCr−Mo
鋼製のシリンダ母材を使用し、表1に示す組成の合金ア
トマイズ粉末と、この合金アトマイズ粉末100重量部
に対して、平均粒径5〜30μmのWCを20重量部均
一に分散させたものを密封して、図3に示す構造のHI
P装置(同図中、10はHIP装置を、11はシリンダ
を、白抜きの矢印は圧力をそれぞれ示す)に充填し、H
IP処理を施した。HIPの条件は、950℃、100
0atm、Arガス雰囲気中、4時間とした。
【0057】得られた複合シリンダ素材に所定の寸法に
仕上げ加工を施し、その後、このシリンダに対して実施
例1と同様のエッチング処理を施し、プラスチック成形
機用複合シリンダを得た。得られたシリンダのエッチン
グ層の厚さは約7μmであった。このシリンダのシリン
ダ母材層の硬さ(HSC)と、ライニング層の硬さ(HR
C)を表2に示す。
【0058】また、このようにして得られたシリンダ
を、スクリュー(日立金属(株)製YPT7)、バルブ
(日立金属(株)製 YPT42)とともに射出成形機
に組み入れて、ナイロン66に40重量%ガラス繊維を
配合した組成物の射出成形を1ヶ月間行ったところ、シ
リンダと、スクリュー及びバルブ間にかじり、焼付き等
は全く無く、樹脂の焼け、汚れ等も認められなかった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】(実施例4)2軸押出機用のシリンダを実
施例3と同様の材質により製造し(エッチング処理は施
さない)、所定の寸法に仕上げ加工を施し、その後、こ
のシリンダを、そのままスクリュー(ステンレス製)と
ともに2軸押出機に組み入れて、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)樹脂の混練を行ったところ、1時間で
スクリューとバルブ間に激しいかじり、焼付きを生じ
た。
【0062】そこで、この2軸押出機用を引き取り、か
じり発生内面を研削除去した後、実施例1と同様のエッ
チング処理を施し、スクリューを再び組み入れて、押出
し成形を再開したところ、シリンダとスクリュー間のか
じり、焼付きの問題は解消された。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明において
は、コバルト基合金あるいはニッケル基合金からなるラ
イナーを有するプラスチック成形機用複合シリンダのラ
イニング層の表面に1〜30μmの深さのエッチング層
を形成しているので、スクリューあるいはバルブと、シ
リンダ間のかじり、焼付き等を防止することができ、こ
れにより、プラスチック成形品の樹脂焼けや異常成形の
発生頻度を大幅に軽減することができる。
【0064】また、シリンダ、スクリュー、バルブ等の
耐用期間を大幅に向上することができる。
【0065】さらに、エッチング処理を施すのに大型の
設備を必要とせず、エッチング層を短時間かつ容易に形
成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のプラスチック成形機用シリンダのエ
ッチング処理後のライニング層内表面を走査型電子顕微
鏡にて撮影した金属組織写真である。
【図2】実施例1のプラスチック成形機用シリンダのエ
ッチング処理前のライニング層内表面を走査型電子顕微
鏡にて撮影した金属組織写真である。
【図3】実施例3のプラスチック成形機用シリンダを製
造するHIP装置を示す概略図である。
【図4】射出成形機の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 射出成形機、 2 シリンダ、 3 スクリュー、
4 チェックリング、 5 アダプタ、 6 金型

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金鋼からなる中空円筒形状のシリンダ
    母材層と、前記シリンダ母材層の内面に耐摩耗性及び耐
    食性に優れたコバルト基合金あるいはニッケル基合金か
    らなるライニング層とを有し、前記ライニング層の内表
    面に1〜30μmの深さまでエッチング層が形成されて
    いることを特徴とするプラスチック成形機用複合シリン
    ダ。
  2. 【請求項2】 エッチング層は、10%HF溶液あるい
    は10%HNO3溶液をライニング層の内表面に浸し、
    ライニング層を腐食させることにより形成されている請
    求項1記載のプラスチック成形機用複合シリンダ。
  3. 【請求項3】 コバルト基合金は、Cr、B、Si、M
    n及びNiの合計が35重量%以下で、Feが20重量
    %以下で、残部が実質的にCo及び不可避的不純物から
    なる組成を有する請求項1又は2記載のプラスチック成
    形機用複合シリンダ。
  4. 【請求項4】 ニッケル基合金は、Cr、B、Si、M
    n及びCoの合計が35重量%以下で、Feが20重量
    %以下で、残部が実質的にNi及び不可避的不純物から
    なる組成を有する請求項1又は2記載のプラスチック成
    形機用複合シリンダ。
  5. 【請求項5】 ライニング層は、金属成分100重量部
    当り、IVa族、Va族あるいはVIa族の元素の炭化
    物の微粒子を3〜40重量部分散させてなる請求項1、
    2、3又は4記載のプラスチック成形機用複合シリン
    ダ。
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