JPH0788607A - 連続鋳造における鋳型内溶鋼レベルの制御方法 - Google Patents

連続鋳造における鋳型内溶鋼レベルの制御方法

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JPH0788607A
JPH0788607A JP23623993A JP23623993A JPH0788607A JP H0788607 A JPH0788607 A JP H0788607A JP 23623993 A JP23623993 A JP 23623993A JP 23623993 A JP23623993 A JP 23623993A JP H0788607 A JPH0788607 A JP H0788607A
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 ストッパー開度を調節する制御方式と、ス
ライディングノズル開度を調節する制御方式とを鋳造条
件に応じて使い分けすることにより、鋳型内の溶鋼レベ
ルを一定に制御する連続鋳造における鋳型内溶鋼レベル
の制御方法において、ストッパー方式及びスライディン
グノズル方式による鋳型内の溶鋼レベル制御の特性を生
かして両方式間の制御方式の切換えが鋳型内溶鋼レベル
の変動をもたらすことなく、よりスムースに行えるよう
にする。 【構 成】 ストッパーとスライディングノズルのいづ
れか一方によるレベル制御を行った状態で、他方の開度
を変化率が段階的に減少するように変化させ、これに伴
い変化する一方の開度が設定値に達してから、設定時間
経過後に制御方式の切換えを行い、切換え開始は鋳造速
度及びタンディッシュ重量が設定値に達してから設定時
間経過後に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造における鋳型
内の溶鋼レベルの制御方法に関し、ことに鋳型内の溶鋼
レベルを目標レベル値との偏差が0となるように精度よ
く制御するための制御方法に関する。
【0002】
【従来技術】連続鋳造において、鋳型内の溶鋼レベルの
安定化は、鋳型と鋳片との間にパウダーを一様に流入さ
せて鋳片の表面疵の発生を防止すると共に、溶鋼内への
スラグの巻き込みを防止して内部品質の良好な鋳片を製
造するための重要な要件である。
【0003】鋳型内の溶鋼レベルを目標レベルに制御す
るための方法として従来、鋳型内の溶鋼レベルをレベル
計によって検出し、目標レベルとの間に偏差があるとき
は、検出値と目標レベル値との偏差が0になるように、
ストッパーを昇降して溶鋼通過流量を制御するストッパ
ー(以下、STという)方式によるものと、ノズルを開
閉して溶鋼通過流量を制御するスライディングノズル
(以下、SNという)方式によるものがある。
【0004】図1のSTとSNの流量特性で見られるよ
うに、ST方式では、高流量域における流量制御特性が
悪いのに対し、SN方式では、低流量域から高流量域に
至るまで流量制御特性がよく、鋳型内の溶鋼レベルを制
御するのに優れているが、低流量制御時において、溶鋼
の凝固現象が発生し、ノズル詰まりとなって繰返し再使
用ができなくなることがある。
【0005】上記の問題を回避するため、特開平4−1
38859号には、鋳造条件に応じてST方式と、SN
方式への使い分けを行う方法も提案されている。この方
法では、ST方式よりSN方式への切換え、或いはその
逆にSN方式よりST方式への切換えは、ST開度を時
間を関数として徐々に上昇させながらSN方式によるレ
ベル制御を行い、ST開度が全開になった時点でSN方
式単独によるレベル制御を行うか、或いはSN開度を時
間を関数として徐々に上昇させながらST方式によるレ
ベル制御を行い、SN開度が全開になった時点でST方
式単独によるレベル制御を行うようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述する従来のST方
式よりSN方式へ、或いはその逆の制御方式への切換え
を行う場合、STとSNのいづれか一方の開度を時間を
関数として拡げ、若しくは絞り込んだとき、他方の開度
もそれに相当して変更されていないと、制御方式の切換
時に他方の開度が急激に変化し、鋳型内溶鋼レベルの変
動をもたらすようになる。
【0007】この問題を解消するため、本出願人はさき
に特願平4−175696号において、ST若しくはS
Nのいづれか一方によるレベル制御を行った状態で、他
方の開度を一定の変化率で徐々に変化させ、これに伴い
変化する一方の開度が設定値に達したとき、制御方式の
切換えを行う制御方法について提案した。この方法によ
る場合も、他方の開度の変化率を大きくすると、鋳型内
の溶鋼レベルの変動をもたらすことがあり、溶鋼レベル
の変動をもたらさないように開度の変化率を小さくする
と、切換えまでの時間がかゝるようになる。
【0008】本発明は、ST及びSN方式による鋳型内
の溶鋼レベル制御の特性を充分に生かしてST及びSN
方式間の制御方式の切換えが鋳型内溶鋼レベルの変動を
もたらすことなく、よりスムースに行えるようにしたも
のである。
【0009】
【課題の解決手段】本発明は上記の課題を解決するた
め、鋳型内の溶鋼レベルを検出して目標レベル値との偏
差が0となるように、STを昇降させてST開度を自動
調整するST方式と、鋳型内の溶鋼レベルの検出値と目
標レベル値との偏差が0となるように、SN開度を自動
調整するSN方式とを鋳造条件に応じて使い分けること
により、鋳型内の溶鋼レベルを制御する方法において、
ST方式よりSN方式へ、或いはその逆の制御方式への
切換えが、STとSNのいづれか一方によるレベル制御
を行った状態で、他方の開度を変化率が段階的に減少す
るように多段階に変化させ、これに伴い変化する一方の
開度が設定値に達したときに行われるようにしたことを
特徴とするものである。
【0010】ST方式よりSN方式へ、或いはその逆の
制御方式の切換えは、ST又はSN開度の変動が小さい
とき、つまり鋳造速度が一定の安定した条件下で行い、
鋳型内溶鋼レベルの変動も大きくなるときは避け、鋳型
内溶鋼レベルの変動が20mm以下の条件下で行うのが望
ましい。制御方式の切換えは、人為操作によって行うこ
とも可能であるが、自動的に行われるようにするのが望
ましく、それには例えば、鋳造速度が設定鋳造速度に達
したとき、或いは取鍋より注入された溶鋼によりタンデ
ィッシュ(以下、TDという)重量が設定重量に達した
ときに行われるようにするとよく、より好ましくは設定
鋳造速度及びTD重量が設定重量に達して設定時間経過
後に行うようにするとよい。
【0011】上述する一方の開度が設定値に達したとき
も、設定値に達してから一定時間経過後に切換えが行わ
れるようにするのが望ましい。
【0012】
【作用】図2は、本発明方法の実施に用いる連続鋳造設
備を示すもので、取鍋11内の溶鋼12がノズル13を
通じてTD14に注入されたのち、制御装置19、23
からの制御信号によって駆動するST15又はSN16
により溶鋼流量を調整して鋳型17内に注入される。S
T15による鋳型内の溶鋼レベルの制御は次のようにし
て行われる。
【0013】レベルセンサー18により検出された鋳型
内の溶鋼レベル値を変換器20を介して制御装置19に
予め入力しておいた鋳型内の溶鋼レベル設定値と比較
し、偏差がある場合は、ST開度調節器21に出力し、
ST15のST開度検出器24によって検出されたST
開度との偏差に応じて調節器21はシリンダー22を駆
動し、ST開度を調整して鋳型内の溶鋼レベルを制御す
る。
【0014】SNによる鋳型内溶鋼レベルの制御も同様
に、レベルセンサー18により検出された鋳型内の溶鋼
レベル値を変換器20を介して制御装置23に予め入力
しておいた鋳型内の溶鋼レベル設定値と比較し、偏差が
ある場合はSN開度調節器25に出力し、SN16のS
N開度検出器24によって検出されたSN開度との偏差
に応じて調節器25はシリンダー26を駆動し、SN開
度を調整して溶鋼レベルを制御する。以上のようにST
方式とSN方式の両方式での鋳型内の溶鋼レベルの制御
が行われ、鋳造条件に応じてそのいづれか一方が選択さ
れる。
【0015】次に上記設備を用いて連続鋳造中にST方
式からSN方式へ、或いはその逆の制御方式へ切換える
際の切換え方法の一例を図3のタイムチャートにより説
明する。STが全閉、SNが全開の状態から図2の取鍋
11よりTD14内に溶鋼を注入し、TD重量が設定重
量W1 に達したとき、鋳造を開始する。TD内への溶鋼
の注入は段階的に増加し、これに伴い鋳造速度も段階的
に増加する。そして鋳型内の溶鋼レベルが目標レベルに
達すると、ST方式により鋳型内の溶鋼レベル制御が行
われる。
【0016】鋳造速度が設定鋳造速度Vcに達して安定
し、重量検出器によって検出されるTD重量が設定重量
2 に達し、STの開度変動が小さくなる時間ts 経過
後、ST方式からSN方式による制御方式への切換えが
開始され、SN開度を図示するようにβm 、βm-1 、β
m-2 %/secと段階的に絞り込む。これに伴い上昇するS
T開度は開度検出器24によって検出され、検出した開
度が切換え開始時点よりΔ1 %上昇し、Δ1 %上昇時の
SN開度を保持したまゝ、ST開度変動が小さくなる時
間t1 経過後、SN方式による鋳型内の溶鋼レベル制御
に切換えられ、切換え後、ST開度は全開まで上昇率α
1 %/secで開かれる。STが全開後、SN方式単独によ
る鋳型内の溶鋼レベル制御が行われる。
【0017】TD内の溶鋼が減少して設定重量W3 を割
り込み、しかもSN開度変動が小さくなる時間tE 経過
後、SN方式からST方式による切換えが開始され、S
T開度の低下率をαn 、αn-1 、αn-2 %/secと段階的
に絞り込む。これに伴い開孔するSN開度が検出器24
によって検出され、検出したSN開度が切換え開始時点
よりΔ2 %開孔時のST開度を保持したまゝ、SN開度
変動が小さくなる時間t2 経過後、ST方式による鋳型
内の溶鋼レベル制御に切換えられ、切換え後、SN開度
は全開までβ2 % /sec の上昇率で開かれる。
【0018】本方法によれば、ST及びSN開度は切換
え開始後、変化率が次第に小さくなるように段階的に絞
り込まれ、切換え開始直後は開度の変化率が大である
が、図1に示すように、STは全開から絞り込みが相当
程度行われるまで流量の変化率は小さい。したがって全
開状態から当初急激に絞っても流量の変動は少なく、鋳
型内溶鋼レベルの変動も少ない。また変化率が一定で低
いものと比べ、切換えまでの時間が短くなる。
【0019】
【実施例】
実施例1 鋳造開始後、SN開度を全開にした状態で、鋳型内溶鋼
レベルの制御をST方式により自動にて行った。その
後、SN方式への切換えを鋳造速度及びTD重量が設定
値に達して10秒経過した後、自動にて行った。切換え
の手順としては、SN開度の変化率を第1段階にて3分
間0.1% /sec 、第2段階にて3分間0.07% /se
c として絞り込み、ついでST開度が4%上昇し、その
時のSN開度を10秒間保持した後にSN方式による制
御に切換えた。切換後、STは上昇率0.5% /sec と
して全開まで上昇させた。
【0020】この結果、図4に示されるように、ST方
式からSN方式に制御方式を自動にて切換えるとき、切
換えたときの鋳型内の溶鋼レベルの変動は小さく、鋳片
の表面、内部品質とも良好であり、しかも切換えに従来
8分間要していたが、本発明により、約6分に短縮する
ことができた。 実施例2 鋳造開始後、ST開度を全開にした状態で鋳型内の溶鋼
レベルの制御をSN方式により自動にて行った。
【0021】その後、ST方式への切換えを鋳造速度及
びTD重量が設定値に達して10秒経過した後、自動に
て行った。切換えの手順としては、ST開度の変化率を
第1段階にて3分間0.1% /sec 、第2段階にて3分
間0.07% /sec として絞り込み、ついでSN開度が
4%上昇し、その時のSN開度を10秒間保持した後に
SN方式による制御に切換えた。切換え後SNは、開孔
率0.5% /sec として全開まで開孔させた。
【0022】この結果、図5に示されるように、SN方
式からST方式に制御方式を自動にて切り換えるとき、
切り換えたときの鋳型内の溶鋼レベルの変動は小さく、
鋳片の表面、内部品質とも良好であり、しかも切換えに
従来8分間要していたが、本発明により、約6分間に短
縮することができた。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され、次のよ
うな効果を奏する。請求項1記載の制御方法によれば、
ST方式よりSN方式へ、或いはその逆の制御方式への
切換えが、STとSNのいづれか一方によるレベル制御
を行った状態で、他方の開度を変化率が段階的に減少す
るように多段階に変化させるようにしたので、切換え時
間を短縮することができるほか、切換時の鋳型内の溶鋼
レベルの変動がなくなり、表面疵のない、内部品質の良
好な鋳片を製造することができる。
【0024】請求項2又は3記載の方法のように、制御
方式の切換えを鋳造速度が一定の安定した条件下で行う
か、鋳型内溶鋼レベルの変動が20mm以下の条件下で行
うようにすれば、ST或いはSN開度の変動が小さな状
態で切換えを行うことができる。請求項4、5又は6記
載の方法によれば、切換え開始を鋳造速度、TD重量、
又は溶鋼の流量の安定した状態のもとで自動的に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ST開度及びSN開度と溶鋼吐出量との関係
を示す図。
【図2】 本発明方法で用いる溶鋼レベル制御装置の模
式図。
【図3】 本発明方法によるタイムチャート。
【図4】 ST方式よりSN方式への切換時におけるタ
イムチャート。
【図5】 SN方式よりST方式への切換時におけるタ
イムチャート。
【符号の説明】
15・・・ST 16・・・SN 17・・・鋳型 18・・・レベル
センサー 19、23・・・制御装置 20・・・変換器 21・・・ST開度調節器 22、26・・・
シリンダー 24・・・開度検出器 25・・・SN開
度調節器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型内の溶鋼レベルを検出して目標レベ
    ル値との偏差が0となるように、ストッパーを昇降させ
    てストッパー開度を自動調整するストッパー方式と、鋳
    型内の溶鋼レベルの検出値と目標レベル値との偏差が0
    となるように、スライディングノズル開度を自動調整す
    るスライディングノズル方式とを鋳造条件に応じて使い
    分けることにより、鋳型内の溶鋼レベルを制御する方法
    において、ストッパー方式よりスライディングノズル方
    式へ、或いはその逆の制御方式への切換えが、ストッパ
    ーとスライディングノズルのいづれか一方によるレベル
    制御を行った状態で、他方の開度を変化率が段階的に減
    少するように多段階に変化させ、これに伴い変化する一
    方の開度が設定値に達したときに行われるようにしたこ
    とを特徴とする連続鋳造における鋳型内溶鋼レベルの制
    御方法。
  2. 【請求項2】 制御方式の切換えは、鋳造速度が一定の
    安定した条件下で行われる請求項1記載の連続鋳造にお
    ける鋳型内溶鋼レベルの制御方法。
  3. 【請求項3】 制御方式の切換えは、鋳型内溶鋼レベル
    の変動が20mm以下の条件下で行われる請求項1又は2
    記載の連続鋳造における鋳型内溶鋼レベルの制御方法。
  4. 【請求項4】 制御方式の切換え開始は、鋳造速度が設
    定鋳造速度に達して設定時間経過後に行われる請求項1
    記載の連続鋳造における鋳型内溶鋼レベルの制御方法。
  5. 【請求項5】 制御方式の切換え開始は、タンディッシ
    ュ重量が設定重量に達して設定時間経過後に行われる請
    求項1記載の連続鋳造における鋳型内溶鋼レベルの制御
    方法。
  6. 【請求項6】 制御方式の切換え開始は、上記一方の開
    度が設定値に達してから設定時間経過後に行われる請求
    項1記載の連続鋳造における鋳型内溶鋼レベルの制御方
    法。
JP23623993A 1993-09-22 1993-09-22 連続鋳造における鋳型内溶鋼レベルの制御方法 Expired - Lifetime JP2856305B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011504141A (ja) * 2007-07-27 2011-02-03 エスエムエス・コンキャスト・アーゲー 連続鋳造および圧延により鋼長尺製品を製造する方法
JP2014008533A (ja) * 2012-07-03 2014-01-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 連続鋳造機の鋳型内湯面レベル制御方法及び制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011504141A (ja) * 2007-07-27 2011-02-03 エスエムエス・コンキャスト・アーゲー 連続鋳造および圧延により鋼長尺製品を製造する方法
JP2014008533A (ja) * 2012-07-03 2014-01-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 連続鋳造機の鋳型内湯面レベル制御方法及び制御装置

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