JPH0786476A - ダムバー切断方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

ダムバー切断方法及びレーザ加工装置

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Publication number
JPH0786476A
JPH0786476A JP5227233A JP22723393A JPH0786476A JP H0786476 A JPH0786476 A JP H0786476A JP 5227233 A JP5227233 A JP 5227233A JP 22723393 A JP22723393 A JP 22723393A JP H0786476 A JPH0786476 A JP H0786476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin mold
nozzle
dam bar
assist gas
laser processing
Prior art date
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Pending
Application number
JP5227233A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeyuki Sakurai
茂行 桜井
Naoki Mitsuyanagi
直毅 三柳
Nobuhiko Tada
信彦 多田
Yoshiaki Shimomura
義昭 下村
Shinya Okumura
信也 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication of JPH0786476A publication Critical patent/JPH0786476A/ja
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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】切断後のリードにえぐれ部が形成されてリード
が細くなることがなく、リードへのドロスの付着を減ら
すことができるダムバー切断方法、及びこのダムバー切
断方法を実施するレーザ加工装置を提供する。 【構成】リードフレーム20に半導体チップを搭載し樹
脂モールド21で一体に封止した半導体装置2の製造工
程において、樹脂モールド21を堰止めるダムバー22
をノズル5より放出されるレーザ光及びアシストガスを
用いて切断する際に、アシストガスの放出方向を樹脂モ
ールド21の方に傾ける。この時、ノズル先端部5aを
樹脂モールド21の方に傾斜して開口した形状とする。
また、ノズル先端部5aの開口している方向を樹脂モー
ルド21の位置する方向に合わせて回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リードフレームに半導
体チップを搭載し樹脂モールドで一体に封止した半導体
装置のダムバー切断に係わり、レーザ光及びアシストガ
スを用いて上記ダムバーを切断するダムバー切断方法、
及びこのダムバー切断方法を実施するレーザ加工装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】リードフレームに半導体チップを搭載し
樹脂モールドで一体に封止した半導体装置において、ダ
ムバーはリードフレームのリード間をつなぐものであ
り、樹脂モールドでリードフレームと半導体チップを一
体に封止する時に樹脂モールドがリードの間に流れ出て
くるのをを堰止める役割を果たすものである。また、こ
のダムバーは各リードを補強する役割も有する。そし
て、樹脂モールドによる封止が終了すると、このダムバ
ーは切断除去され、リードフレームの各リード(アウタ
ーリード)が個々に切り離される。
【0003】従来では、このダムバーを打ち抜きにより
切断することが多かったが、最近では特開平2−151
0259号公報に記載のように、レーザ加工装置を使用
した方式が開発されている。この方式においては、レー
ザ発振器から出力されるレーザ光を集光レンズにより集
光し、このレーザ光をノズルの先端よりダムバーに照射
して溶断を行う。また、アシストガスはアシストガス供
給部より上記ノズル内に供給され、さらにレーザ光と共
にダムバーに放出され、レーザ光照射による燃焼の補
助、及び生じた溶融物の除去等を行う。切断すべきダム
バーの位置は予め制御部に登録されており、この制御部
の制御のもとに上記ノズルやレーザ光を集光させる光学
系を取り付けたXYテーブルを移動させることにより順
次ダムバーが切断されて行く。上記の場合、図5に示す
ように、レーザ光及びアシストガスはノズル先端部5b
よりダムバー22の表面に垂直に放出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、アシストガスの流れは、ノズル先端部5bから噴出
した直後は図5中矢印110で示すようにノズル先端部
5bの開口面に垂直であるが、ダムバーに到達する際に
は、樹脂モールドが存在するために樹脂モールドに近い
ところでは図5中矢印111で示すようにその周縁部斜
面に沿った流れの成分が存在することになる。一方、樹
脂モールドから遠いところではアシストガスの流れはダ
ムバーに垂直な成分のみであるので、ダムバーには樹脂
モールドから斜めに遠ざかる方向にアシストガスが当た
ることになる。
【0005】上記のようにレーザ光照射によりダムバー
を切断する場合には、ドロスが切断されたリード端面の
裏面に付着するが、上述の樹脂モールドから斜めに遠ざ
かる方向へのアシストガスの流れにより、ドロスは樹脂
モールドより遠ざかる向きに付着する。この場合、図6
(a)のように、形成されるドロス24はアシストガス
の流れの方向に髭のように長く伸びたものとなることが
あり、またドロスを形成する高温の溶融物がアシストガ
スの流れの方向に移動するためリード23をえぐり取り
リードを細くしてしまう。図6(b)は図6(a)のB
−B方向の矢視断面図であり、えぐり取られた部分がえ
ぐれ部25で示されている。このように、ダムバー切断
後にリードに上記のようなえぐれ部25ができリードが
細くなってしまうので、リード(アウターリード)の曲
げ整形加工時に、このえぐれ部に応力が集中しやすくな
りリードが断線してしまう等の不具合を発生する。
【0006】また、アシストガスを加工部に吹きつける
のは、前述のようにレーザ光照射による燃焼の補助、及
び生じた溶融物の除去のためであるが、溶融物除去の効
果を高めるためには、生じた溶融物を冷え固まらないう
ちに除去するためにノズルをある程度ダムバーの照射位
置に近づけなければならない。しかし、上記従来技術の
場合には、樹脂モールドが障害となり、ノズルを切断す
べきダムバーに近づけることができないため、アシスト
ガスの効果を有効に利用することができず、ドロスの付
着量が多くなる。ドロスの付着量が多くなると、加工後
の表面清浄度や寸法精度等の加工品質を悪化させること
になり、短絡等の不具合の発生を招くことにもなる。こ
の影響は、樹脂モールドが厚いタイプの半導体装置の場
合に大きい。
【0007】本発明の目的は、切断後のリードにえぐれ
部が形成されてリードが細くなることがなく、リードへ
のドロスの付着を減らすことができるダムバー切断方
法、及びこのダムバー切断方法を実施するレーザ加工装
置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、リードフレームに半導体チップを
搭載し樹脂モールドで一体に封止した半導体装置を製造
する際に、前記樹脂モールドを堰止めるダムバーを、ノ
ズルよりアシストガスを放出しながらレーザ光を照射し
切断するダムバー切断方法において、前記アシストガス
の放出方向を前記樹脂モールドの方に傾けることを特徴
とするダムバー切断方法が提供される。
【0009】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、リードフレームに半導体チップを搭載し樹脂モ
ールドで一体に封止した半導体装置を製造する際に、前
記樹脂モールドを堰止めるダムバーを、ノズルよりアシ
ストガスを放出しながらレーザ光を照射し切断するレー
ザ加工装置において、前記レーザ光及び前記アシストガ
スを放出する前記ノズルの先端が前記樹脂モールドの方
に傾斜して開口していることを特徴とするレーザ加工装
置が提供される。
【0010】上記レーザ加工装置において、好ましく
は、前記ノズルの先端の開口が前記樹脂モールドが位置
する方向を向くように回転させる回転手段を有する。
【0011】また、上記目的を達成するため、本発明に
よれば、上記のようなレーザ加工装置において、前記レ
ーザ光及び前記アシストガスを放出するノズルが前記樹
脂モールドの方に傾斜して配置されていることを特徴と
するレーザ加工装置が提供される。
【0012】上記レーザ加工装置において、好ましく
は、前記ノズルが前記樹脂モールドが位置する方向を向
くように回転させる回転手段を有する。
【0013】
【作用】上記のように構成した本発明のダムバー切断方
法においては、例えば図2に示すように、アシストガス
の放出方向が樹脂モールドの方に傾いていることによ
り、ノズルから噴出した直後のアシストガスの流れもノ
ズルの開口面に垂直で樹脂モールドの方に傾いた流れと
なる。そして、アシストガスがダムバーに到達する際に
は、樹脂モールドが存在するために樹脂モールドに近い
ところではその周縁部斜面に沿った流れの成分が生じる
が、樹脂モールドから遠いところでは上記説明したよう
に樹脂モールドの方に傾いた流れの成分があるので、こ
れら樹脂モールドの周縁部斜面に沿った流れの成分と樹
脂モールドの方に傾いた流れの成分とが重なり合うこと
になり、ダムバーにはその表面に垂直に下降する方向、
またはそれに近い方向にアシストガスが当たることにな
る。
【0014】これにより、溶融物が吹き飛ばされる方向
がダムバーの表面に対してほぼ垂直方向となるので、付
着するドロスは切断されたリード端面に平均して付着
し、リードにはえぐれ部ができなくなる。これにより、
アウターリードの曲げ整形加工時に起こり易いリードの
折れ等の不具合の発生を防ぐことが可能となる。
【0015】また、この場合、アシストガスの放出方向
が樹脂モールドの方に傾いているために、アシストガス
を放出するノズルを樹脂モールドの厚みに関係なくダム
バーに接近させることができる。これにより、アシスト
ガスの溶融物除去作用の効果を有効に利用して、ドロス
付着量を低減させることができ、ドロス付着による加工
品質の悪化や、加工工程における不具合の発生を防止す
ることが可能になる。
【0016】また、上記のように構成した本発明のレー
ザ加工装置においては、レーザ光及びアシストガスを放
出するノズルの先端を樹脂モールドの方に傾斜して開口
させる。これにより、アシストガスの放出方向が樹脂モ
ールドの方に傾き、上記のようなダムバー切断方法を実
施することができる。
【0017】さらに、回転手段によって上記ノズルの先
端の開口を樹脂モールドの位置する方向を向くように回
転させることにより、ダムバーに対して樹脂モールドが
どんな方向にあっても、アシストガスの放出方向を常に
樹脂モールドの方に傾くようにすることが可能である。
【0018】また、上記ノズルの先端を樹脂モールドの
方に傾斜して開口させるのではなく、従来と同様の形状
のノズル自体を樹脂モールドの方に傾斜させて配置しも
同様の作用が得られる。
【0019】
【実施例】本発明によるダムバー切断方法及びレーザ加
工装置の一実施例について、図1から図7を参照しなが
ら説明する。
【0020】まず、本実施例のレーザ加工装置について
図2及び図3により説明する。図2は本実施例のレーザ
加工装置の全体構成を示す概略図である。図2に示すよ
うに、このレーザ加工装置は、レーザ光を出力するレー
ザ発振器1、半導体装置2を搭載し水平面内(X軸方向
およびY軸方向)に移動自在なXYテーブル3、レーザ
発振器1に付設された加工ヘッド4、加工ヘッド4底面
に半導体装置2に臨むように付設されたノズル5、レー
ザ発振器1を上下方向(Z軸方向)に移動させるZテー
ブル6、レーザ発振器1でのレーザ発振出力を供給する
電源7、XYテーブル3の水平面内(X軸方向及びY軸
方向)の移動動作、Zテーブル6の上下方向の移動動
作、及びレーザ発振器1の発振動作、ノズル5に備えら
れるモータ54(後述する)を自動または手動で制御す
るコントローラ8を備えている。但し、図2において、
半導体装置2の形状は簡略化されている。
【0021】図3は図2のレーザ発振器1、加工ヘッド
4及びノズル5の内部の光学系を模式的に示す図であ
る。図3において、加工ヘッド4にはベンディングミラ
ー9が取り付けられ、ノズル5には集光レンズ10及び
アシストガス供給口11が備えられている。
【0022】また、半導体装置2はリードフレーム20
に半導体チップ(図示せず)を搭載し樹脂モールド21
で一体に封止したものである。但し、図3において、簡
単のために樹脂モールド21の内部は省略した。また、
ダムバー22は、リードフレーム20のリード23間を
つなぐものであり、樹脂モールド21でリードフレーム
20と半導体チップを一体に封止する時に樹脂モールド
21がリード23の間に流れ出てくるのを堰止める役割
を果たすものである。また、このダムバー22は各リー
ド23を補強する役割も有する。そして、ダムバー22
は樹脂モールド21による封止が終了すると切断除去さ
れ、これによりリードフレーム20の各リード(アウタ
ーリード)23が個々に切り離される。
【0023】図2及び図3において、レーザ発振器1で
発生したレーザ光12は、加工ヘッド4内に設けられた
ベンディングミラー10に入射し、半導体装置2の方向
へ誘導される。そして、レーザ光12はノズル5内にあ
る集光レンズ10に入射し、加工を可能にする所要のエ
ネルギ密度を有するように十分に集光され、ノズル5の
先端から半導体装置2のダムバー22に照射される。ま
た、アシストガスがアシストガス供給口11からノズル
5に供給され、ノズル5の先端からこのアシストガスが
上記レーザ光12と共に放出される。
【0024】上記のようにしてレーザ光12が照射され
ることによりダムバー22が溶断される。また、アシス
トガスはレーザ光照射による燃焼の補助、及びレーザ光
照射によって生じた溶融物の除去等を行う。さらに切断
すべきダムバー22の位置は予めコントローラ8に登録
されており、このコントローラ8の制御のもとにXYテ
ーブル3を移動させ、レーザ発振器1を動作させること
により順次ダムバー22が切断されて行く。
【0025】図1に本実施例のレーザ加工装置に備えら
れるノズル5の詳細な構成図を示す。図1において、ノ
ズル5のノズル本体50上部には、前述のように集光レ
ンズ10が取り付けられ、アシストガス供給口11が設
けられている。一方、ノズル本体50内側には軸受51
を介して回転内筒52が、また軸受53を介してノズル
先端部5aが取り付けられている。上記回転内筒52に
はノズル先端部5aが固定され、両者は同時にノズル本
体50に対して回転可能となっている。さらに、ノズル
本体50外部にはモータ54が取り付けられ、このモー
タ54の回転軸55にはプーリ56が取り付けられてい
る。そして、プーリ56と回転内筒52外周に設けられ
たプーリ57にはベルト58が架けられ、モータ54の
回転が回転内筒52、従ってノズル先端部5aに伝達さ
れるようになっている。
【0026】上記ノズル先端部5aは傾斜して開口して
いる。即ち、ノズル先端部5aは、従来のレーザ光及び
アシストガスを放出するノズルの先端を斜めに切り取っ
たような形状をしており、ノズル先端部5aはモータ5
4の回転によって回転する。モータ54の回転はコント
ローラ8によって制御され、これによりノズル先端部5
aの方向が半導体装置2の樹脂モールド21の方に傾斜
して開口するように制御される。但し、回転内筒52、
軸受51,53、モータ54、回転軸55、プーリ5
6,57、ベルト58は、ノズル先端部5aの開口して
いる方向を回転させる回転手段を構成する。また、ノズ
ル先端部5aが傾斜して開口する角度はダムバー22の
表面に対して約10°〜20°が好ましい。
【0027】上記ような構成のノズル5より放出される
アシストガスの挙動について図4により説明する。図4
に示すように、ノズル先端部5aが半導体装置2の樹脂
モールド21の方に傾斜して開口していることにより、
ノズル先端部5aから噴出した直後のアシストガスの流
れは図4中矢印100のようにノズル先端部5aの開口
面に垂直で樹脂モールド21の方に傾いた流れとなる。
このアシストガスがダムバー22に到達する際には、樹
脂モールド21に近いところでは樹脂モールド21が存
在するために図4中矢印101で示すようにその周縁部
斜面に沿った流れの成分が生じる。一方、樹脂モールド
から遠いところでは樹脂モールド21による影響がなく
アシストガスは図中102で示すように樹脂モールド2
1の方にそのまま傾いて流れる。従って、ダムバー22
付近では、樹脂モールド21の周縁部斜面に沿った流れ
の成分(矢印101で示す)と樹脂モールド21の方に
傾いた流れの成分(矢印102で示す)とが重なり合う
ことになり、ダムバー22にはその表面に垂直に下降す
る方向、またはそれに近い方向にアシストガスが当たる
ことになる。
【0028】ところで、従来は、図5に示すようにノズ
ル先端部5bは真下に開口しており、レーザ光及びアシ
ストガスはダムバー22表面に垂直に放出されていた。
この場合、アシストガスの流れは、ノズル先端部5bか
ら噴出した直後は図5中矢印110で示すようにノズル
先端部5bの開口面に垂直であるが、ダムバー22に到
達する際には、樹脂モールド21が存在するために樹脂
モールドに近いところでは図5中矢印111で示すよう
にその周縁部斜面に沿った流れの成分が存在することに
なる。一方、樹脂モールドに遠いところではアシストガ
スの流れはダムバー22に垂直な成分のみであるので、
ダムバー22には樹脂モールド21から斜めに遠ざかる
方向にアシストガスが当たることになる。
【0029】レーザ光照射によってダムバー22を切断
する場合には、ドロスが切断されたリード23の端面の
裏面に付着するが、上述の樹脂モールド21から斜めに
遠ざかる方向へのアシストガスの流れにより、ドロスは
樹脂モールドより遠ざかる向きに付着する。この場合、
図6(a)のように、形成されるドロス24はアシスト
ガスの流れの方向に髭のように長く伸びたものとなるこ
とがあり、またドロス24を形成する高温の溶融物がア
シストガスの流れの方向に移動するためリード23をえ
ぐり取りリード23を細くしてしまう。図6(b)は図
6(a)のB−B方向の矢視断面図であり、えぐり取ら
れた部分がえぐれ部25で示されている。このように、
ダムバー22の切断後にリード23に上記のようなえぐ
れ部25ができリード23が細くなってしまうので、リ
ード(アウターリード)23の曲げ整形加工時に、この
えぐれ部25に応力が集中しやすくなりリード23が断
線してしまう等の不具合が多く発生していた。
【0030】また、上記のようにノズル先端部5bが真
下に開口している場合には、樹脂モールド21が障害と
なり、ノズル先端部5bを切断すべきダムバー22に近
づけることができない。そのため、生じた溶融物を冷え
固まらないうちに吹き飛ばして除去するというアシスト
ガスの効果を有効に利用することができず、ドロス24
の付着量が多くなってしまう。ドロス24の付着量が多
くなると、加工後の表面清浄度や寸法精度等の加工品質
を圧下させることになり、短絡等の不具合の発生を招く
ことにもなる。この影響は、樹脂モールドが厚いタイプ
の半導体装置の場合に大きい。
【0031】これに対し、本実施例では図4で説明した
ように、アシストガスの放出方向が樹脂モールド21の
方に傾いているので、ダムバー22にはその表面に垂直
に下降する方向、またはそれに近い方向にアシストガス
が当たり、溶融物が吹き飛ばされる方向がダムバー22
の表面に対してほぼ垂直方向となり、図7に示すよう
に、付着するドロス24は切断されたリード23の端面
に平均して付着し、リード23には図6のようなえぐれ
部25ができなくなる。これにより、アウターリードの
曲げ整形加工時にリードの折れ等の不具合の発生を防ぐ
ことができる。
【0032】また、この場合、アシストガスの放出方向
が樹脂モールド21の方に傾いているために、ノズル5
を樹脂モールド21の厚みに関係なくダムバー22に接
近させることができる。これにより、アシストガスの溶
融物除去作用の効果を有効に利用して、ドロス付着量を
低減させることができ、ドロス付着による加工品質の悪
化や、加工工程における不具合の発生を防止することが
できる。
【0033】以上のように本実施例によれば、アシスト
ガスの放出方向を樹脂モールド21の方に傾けるので、
リード23にはえぐれ部25ができなくなり、アウター
リードの曲げ整形加工時に起こり易いリードの折れ等の
不具合の発生を防ぐことができる。
【0034】また、ノズル5を樹脂モールド21の厚み
に関係なくダムバー22に接近させることができるの
で、アシストガスの溶融物除去作用の効果を有効に利用
して、ドロス付着量を低減させることができ、ドロス付
着による加工品質の悪化や、加工工程における不具合の
発生を防止することができる。
【0035】また、回転内筒52、軸受51,53、モ
ータ54、回転軸55、プーリ56,57、ベルト58
は、で構成される回転手段により、樹脂モールド21が
どんな方向にあっても、ノズル先端部5aの開口してい
る方向、従ってアシストガスの放出方向を常に樹脂モー
ルド21の方に傾くようにすることができる。
【0036】次に、本発明によるダムバー切断方法及び
レーザ加工装置の他の実施例について、図8を参照しな
がら説明する。図8は、ノズルより放出されるアシスト
ガスの挙動について説明する図であって、図4に相当す
る図である。本実施例においては、図1や図4のように
ノズルの先端を樹脂モールドの方に傾斜して開口させる
のではなく、図8に示すように、従来と同様の形状のノ
ズル自体を樹脂モールド21の方に傾斜させる。
【0037】この場合も、ノズル先端部5cから噴出し
た直後のアシストガスの流れは図8中矢印120のよう
に樹脂モールドの方に傾いた流れとなる。そして、アシ
ストガスがダムバー22に到達する際には、樹脂モール
ド21に近いところでは図8中矢印121のように樹脂
モールド21の周縁部斜面に沿った流れの成分が生じ、
樹脂モールドから遠いところでは樹脂モールド21の方
にそのまま傾いて流れる。従って、ダムバー22付近で
は、図4と同様に、樹脂モールド21の周縁部斜面に沿
った流れの成分(矢印121で示す)と樹脂モールドの
方に傾いた流れの成分(矢印122で示す)とが重なり
合い、ダムバー22にはその表面にほぼ垂直に下降する
方向にアシストガスが当たることになる。これにより、
図4で説明したのと同様の作用が得られる。従って、前
述の実施例と同様の効果が得られる。
【0038】尚、図8の場合は、レーザ光12がダムバ
ー22に斜めに照射されることになるが、本実施例では
ダムバー22が溶断されれば十分であるので、レーザ光
12が斜めに照射されてもなんら問題はない。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、アシストガスの放出方
向を樹脂モールドの方に傾けるので、リードにはえぐれ
部ができなくなり、アウターリードの曲げ整形加工時に
リードの折れ等の不具合の発生を防ぐことができる。
【0040】また、ノズルを樹脂モールドの厚みに関係
なくダムバーに接近させることができるので、アシスト
ガスの溶融物除去作用の効果を有効に利用して、ドロス
付着量を低減させることができ、ドロス付着による加工
品質の悪化や、加工工程における不具合の発生を防止す
ることができる。
【0041】さらに、ノズルを回転させる回転手段を有
するので、樹脂モールドがどんな方向にあっても、アシ
ストガスの放出方向を常に樹脂モールドの方に傾くよう
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるレーザ加工装置に備え
られたノズルの詳細な構成図である。
【図2】図1のノズルを備えたレーザ加工装置の全体構
成図である。
【図3】図2に示したレーザ加工装置におけるレーザ発
振器、加工ヘッド及びノズルの内部の光学系を模式的に
示す図である。
【図4】図3に示したノズルより放出されるアシストガ
スの挙動を説明する図である。
【図5】従来のレーザ加工装置のノズルより放出される
アシストガスの挙動を説明する図である。
【図6】(a)は、図5の方法によりダムバーが切断さ
れた状態を裏面から見た拡大図であり、(b)は(a)
のB−B方向の断面図である。
【図7】図4の方法によりダムバーが切断された状態を
示す拡大図であって、裏面から見た拡大図である。
【図8】本発明の他の実施例を説明する図であって、ノ
ズルより放出されるアシストガスの挙動について説明す
る図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 半導体装置 3 XYテーブル 4 加工ヘッド 5 ノズル 5a ノズル先端部 5c ノズル先端部 6 Zテーブル 7 電源 8 コントローラ 9 ベンディングミラー 10 集光レンズ 11 アシストガス供給口 12 レーザ光 21 樹脂モールド 22 ダムバー 23 リード 24 ドロス 51 軸受 52 回転内筒 53 軸受 54 モータ 55 回転軸 56,57 プーリ 58 ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 義昭 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 奥村 信也 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リードフレームに半導体チップを搭載し
    樹脂モールドで一体に封止した半導体装置を製造する際
    に、前記樹脂モールドを堰止めるダムバーを、ノズルよ
    りアシストガスを放出しながらレーザ光を照射し切断す
    るダムバー切断方法において、 前記アシストガスの放出方向を前記樹脂モールドの方に
    傾けることを特徴とするダムバー切断方法。
  2. 【請求項2】 リードフレームに半導体チップを搭載し
    樹脂モールドで一体に封止した半導体装置を製造する際
    に、前記樹脂モールドを堰止めるダムバーを、ノズルよ
    りアシストガスを放出しながらレーザ光を照射し切断す
    るレーザ加工装置において、 前記レーザ光及び前記アシストガスを放出する前記ノズ
    ルの先端が前記樹脂モールドの方に傾斜して開口してい
    ることを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のレーザ加工装置におい
    て、前記ノズルの先端の開口が前記樹脂モールドが位置
    する方向を向くように回転させる回転手段を有すること
    を特徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 リードフレームに半導体チップを搭載し
    樹脂モールドで一体に封止した半導体装置を製造する際
    に、前記樹脂モールドを堰止めるダムバーを、ノズルよ
    りアシストガスを放出しながらレーザ光を照射し切断す
    るレーザ加工装置において、 前記レーザ光及び前記アシストガスを放出するノズルが
    前記樹脂モールドの方に傾斜して配置されていることを
    特徴とするレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のレーザ加工装置におい
    て、前記ノズルが前記樹脂モールドが位置する方向を向
    くように回転させる回転手段を有することを特徴とする
    レーザ加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013214775A (ja) * 2013-07-17 2013-10-17 Renesas Electronics Corp 半導体装置の製造方法

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