JP3157294B2 - レーザ切断方法および装置 - Google Patents

レーザ切断方法および装置

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JP3157294B2 JP20127492A JP20127492A JP3157294B2 JP 3157294 B2 JP3157294 B2 JP 3157294B2 JP 20127492 A JP20127492 A JP 20127492A JP 20127492 A JP20127492 A JP 20127492A JP 3157294 B2 JP3157294 B2 JP 3157294B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切断されるワークの品
質を向上することができるレーザ切断方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光を利用した切断加工は、機械、
電子、半導体の多方面の分野で利用されており、特に、
レーザ切断装置による薄板の高精度な切断加工は広く普
及している。従来のレーザ切断装置の構成およびその要
部である加工ヘッドの光学系の各々の構成を、図6によ
り説明する。
【0003】図6に示すように、従来のレーザ切断装置
は、レーザ光を出力するレーザ発振器51、被加工物で
あるワーク52を搭載し水平面内(X軸方向およびY軸
方向)に移動自在なXYテーブル53、レーザ発振器5
1を上下方向(Z軸方向)に移動させるZテーブル5
4、レーザ発振器51に付設された加工ヘッド55、加
工ヘッド55底面にワーク52に臨むように付設された
ノズル56、レーザ発振器51でのレーザ発振出力を供
給する電源57、XYテーブル53の水平面内(X軸方
向及びY軸方向)の移動動作、Zテーブル54の上下方
向の移動動作、及びレーザ発振器51の発振動作を自動
または手動で制御するコントローラ58を備えている。
【0004】このような構成を有するレーザ切断装置に
おいて、レーザ発振器51から加工ヘッド55にレーザ
光が入射し、このレーザ光が加工ヘッド55 内部の光
学系を構成するベンディングミラー(図示せず)によっ
てノズル56に誘導される。ノズル56では、ワーク5
2の加工面での切断を可能にする所要のエネルギ密度を
有するように、集光レンズ(図示せず)によって充分に
集光される。集光されたレーザ光は、ノズル56の先端
部から外部に出力され、ワーク52に照射される。ま
た、図示していないが、このノズル56の先端部からは
アシストガスがレーザ光と同軸的に噴出される。
【0005】上記レーザ光を用いた切断加工は次のよう
に行なわれる。まず、集光されたレーザ光の焦点位置が
ワーク52の加工面に来るように、Zテーブル54を上
下方向に動作させ調整することにより位置設定を行う。
次に、コントローラ58の制御の下で、アシストガスを
供給し、レーザ発振器51を発振動作させレーザ光をワ
ーク52上に照射する。このレーザ光は充分な熱エネル
ギになるまで集光されており、ワーク52表面の照射さ
れた部分が溶融し、これが熱源となってこの溶融が表面
から順次深さ方向に向って進行し、やがてワーク52を
貫通してワーク52に穴があけられる。そして、コント
ローラ58の制御の下でXYテーブル53を所要の軌跡
で移動させ、切断すべき部分に沿ってレーザ光を移動さ
せることにより切断加工が行われる(以上、第1の従来
技術という)。
【0006】上記のように、レーザ光による切断加工に
おいては、レーザ光を集光させ溶融したワーク52の表
面が熱源となってその溶融が進行し、最終的に貫通する
が、この時の溶融物のほとんどはレーザ光と同軸的に噴
出されるアシストガスによって吹き飛ばされる。しか
し、この溶融物(以下、ドロスということがある)は完
全に吹き飛ばされるのではなく、一部がワーク52切断
面の裏面の縁の両側に付着し、これが冷えてバリを形成
する。このようなバリが存在すると、加工したワーク5
2をそのまま製品に組み込む場合に寸法的な誤差を生じ
る原因となったり、特に電子部品に組み込む場合には、
このバリが脱落して電子回路をショートさせる恐れがあ
るという問題点があった。従って、多くの場合、このよ
うな弊害を避けるためさらに2次加工が必要となる。
【0007】また、上記レーザ光による切断加工の段階
において、溶融がワーク表面から裏面に到達する以前に
ワーク表面にスパッタが飛散することが多く、切断した
製品の表面の品質が劣化することがあった。
【0008】上記のような問題点に対し、特開昭56−
74388号公報に記載の従来技術おいては以下のよう
に切断加工した製品にドロスを付着させない切断(ドロ
スレス切断)方法を開示している。即ち、図7のよう
に、レーザ光61の光軸とノズル62の軸とを偏心さ
せ、レーザ光61の光軸とアシストガス流の中心とを偏
心させており、アシストガスが及ぼす外力を利用しドロ
ス63を切断部分64の片側に押しやっている。このよ
うにレーザ光61の光軸とアシストガス流の中心とが偏
心している場合にはドロス63はアシストガス流の強い
方のワーク65切断面の裏面の縁に付着する。図7にお
いては、図中右側の材料にドロスを付着させず、図中左
側の材料にドロスを付着させている。そして、右側の材
料を製品として使用し、左側の材料を捨材とすることに
より、ドロスの付着していない健全な材料を製品とする
ことができる(以上、第2の従来技術という)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の従来技術に
よれば、ドロスがワーク切断面の裏面の縁の両側に付着
し、これが冷えてバリとなり、製品に組み込む場合の寸
法的な誤差の原因となったり、特に電子部品に組み込む
場合における電子回路のショートの原因となるという問
題点があった。また、このような弊害を避けるためには
2次加工が必要であった。さらに、ワーク表面にスパッ
タが飛散することがあり、これにより製品の表面品質が
劣化することもあった。
【0010】また、上記第2の従来技術によれば、捨材
の方にドロスを付着させることにより、ドロスの付着し
ていない健全な材料を製品とすることができる。しか
し、図7のように、製品として使用する側がワーク表面
に対して垂直な切断面、即ちストレートな切断面になら
ず、これが寸法誤差の原因になることがあった。
【0011】また、この場合、図8に断面図で示すよう
にアシストガス流の強い方に切断面が曲がることが多
く、これによっても製品の切断面がストレートな切断面
とならなかった。
【0012】さらに、この技術においても、ワーク表面
にスパッタが飛散する問題が解決されていない。
【0013】尚、図9に示すように、第1の従来技術を
利用してレーザ光の入射角及びノズルを共に同一の角度
だけ傾斜させる方法も考えられ、この場合もドロスを捨
材の方に付着させることができるが、やはり製品の切断
面がストレートな切断面とはならない。
【0014】本発明の目的は、切断面にドロスが付着せ
ず、表面にスパッタが飛散せず、かつ切断面が表面に対
して垂直であるような健全な製品が得られるレーザ切断
方法及び装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるレーザ切断方法においては、レーザ発
振器より発振するレーザ光を移動テーブルに載置したワ
ークに誘導し、集光レンズによって前記レーザ光を前記
ワークに集光させ、前記ワーク上の前記レーザ光の集光
部をシールドするアシストガスを噴出しながら前記移動
テーブルを移動させて前記ワークを切断するレーザ切断
方法において、前記レーザ光の前記ワークへの入射角及
び前記アシストガスを前記ワークへ噴出させる噴出角を
前記ワークの法線に対して傾斜させ、かつ両者を相対的
に対向させる。
【0016】ここで好ましくは、さらに前記レーザ光の
前記ワークへの入射角及び前記アシストガスの噴出角が
調整可能である。
【0017】また、好ましくは、さらに前記レーザ光の
前記ワークへの入射方向が前記ワークの切断方向に応じ
て変更可能である。
【0018】また、好ましくは、前記ワーク上に集光す
る前記レーザ光の焦点位置は、前記レーザ光の前記ワー
クへの入射角及び入射方向の変更によって不変である。
【0019】上記目的を達成するため、本発明によるレ
ーザ切断装置においては、レーザ発振器と、ワークを載
置し前記ワークを移動させる移動テーブルと、前記レー
ザ発振器から出力されるレーザ光を前記ワーク誘導する
誘導手段と、前記ワークに誘導された前記レーザ光を集
光させる集光レンズと、前記ワーク上の前記レーザ光の
集光部をシールドするアシストガスを噴出するアシスト
ガス噴出手段と、前記誘導手段による前記レーザ光の前
記ワークへの照射および前記移動テーブルの移動を制御
する制御手段とを備え、前記レーザ光を前記ワーク上に
集光させ移動テーブルを移動させて前記ワークを切断す
レーザ切断装置において、前記レーザ光の前記ワーク
への入射角及び前記アシストガスを前記ワークへ噴出さ
せる噴出角を前記ワークの法線に対して傾斜させ、かつ
両者を相対的に対向させる傾斜手段を有する。
【0020】ここで好ましくは、さらに前記レーザ光の
前記ワークへの入射角を調整する入射角調整手段と、前
記アシストガスの噴出角を調整する噴出角調整手段とを
有する。
【0021】また、好ましくは、さらに前記レーザ光の
前記ワークへの入射方向を前記ワークの切断方向に応じ
て変更する入射方向変更手段を有する。
【0022】また、好ましくは、前記入射角調整手段及
び前記入射方向変更手段は、前記ワーク上に集光する前
記レーザ光の焦点位置を不変とする。
【0023】
【作用】上記のように構成した本発明においては、アシ
ストガスをワークへ噴出させる噴出角をワークの法線に
対して傾斜させることにより、アシストガス流が及ぼす
外力によってドロスが切断されるワークの片側方向に押
しやられ、切断されたワークの片方の切断面に付着す
る。また、上記アシストガス流が及ぼす外力によって、
スパッタはドロスが付着した側のワークの表面だけに飛
散し、他方のワークの表面には飛散しない。
【0024】また、ワーク上に集光するレーザ光は、ワ
ーク表面に焦点を結ぶよう円錐形の光線となるため、レ
ーザ光の入射角がワーク表面に垂直であると加工される
ワークにあけられる穴内面は円錐面となり、切断面は斜
めになる。本発明においては、レーザ光のワークへの入
射角をワークの法線に対して傾斜させることにより、こ
の入射角を適当に選べば、上記円錐面の穴が傾斜するの
で、切断されたワークの片方の切断面がワーク表面に対
して垂直な切断面、即ちストレートな切断面となり、他
方がストレートでない斜めの切断面となる。
【0025】さらに、アシストガスをワークへ噴出させ
る噴出角とレーザ光のワークへの入射角とを相対的に対
向させることにより、切断されるワークのうち、切断面
がストレートでない側にドロスが付着し、スパッタが飛
散し、一方、切断面がストレートである側にはドロスが
付着したりスパッタが飛散したりしない。前記切断面が
ストレートでドロスが付着したりスパッタが飛散したり
しない側のワークが製品として使用され、他方の切断面
がストレートでなくドロスが付着しスパッタが飛散した
側のワークが捨材にされる。従って、切断された製品は
健全なものとなる。
【0026】また、レーザ光のワークへの入射角及びア
シストガスの噴出角を調整することにより、製品側の切
断面が垂直になり、ドロスが捨材側に確実に押しやら
れ、スパッタが確実に捨材側に飛散する。
【0027】また、レーザ光のワークへの入射方向をワ
ークの切断方向に応じて変更することにより、切断を実
施するのに従ってその切断方向が変化してもその変化に
レーザ光の入射方向が追従し、レーザ光の入射角がワー
ク表面に対して最適になる。
【0028】また、ワーク上に集光するレーザ光の焦点
位置が、レーザ光のワークへの入射角及び入射方向が変
更されても不変であることにより、ずれや誤差なく正確
に所望の切断位置が切断される。
【0029】
【実施例】本発明の一実施例によるレーザ切断装置及び
方法についてを図1がら図5を参照しながら説明する。
まず、本実施例によるレーザ切断装置の構成について説
明する。図1は本装置の構成の概略図である。図1に示
すように、本装置は、レーザ光を出力するレーザ発振器
1、被加工物であるワーク2を搭載し水平面内(X軸方
向およびY軸方向)に移動自在なXYテーブル3、レー
ザ発振器1を上下方向(Z軸方向)に移動させるZテー
ブル4、レーザ発振器1に付設された加工ヘッド5、加
工ヘッド5の底面にワーク2に臨むように付設されたノ
ズル部6、レーザ発振器1でのレーザ発振のための電力
を供給する電源7、XYテーブル3の水平面内(X軸方
向及びY軸方向)の移動動作、Zテーブル4の上下方向
の移動動作、及びレーザ発振器1の発振動作を自動また
は手動で制御するコントローラ8を備えている。
【0030】図2は図1に示すレーザ切断装置によるワ
ークへのレーザ光の照射の原理を説明する図である。
尚、この図は原理図であって、加工ヘッド及びノズル部
の詳細な構成及び機能については図3を用いて後述す
る。図2において、レーザ発振器1から加工ヘッド5に
対し、レーザ光9が入射する。加工ヘッド5の内部の光
学系には、ベンディングミラー10が設けられ、レーザ
光9を反射させてワーク2の方向に誘導する。また、ワ
ーク2に臨むように位置するノズル6の内部には集光レ
ンズ11が配設されており、ワーク2の加工面での切断
を可能にする所要のエネルギ密度を有するように、この
集光レンズ11によって充分に集光される。集光された
レーザ光9は、ノズル6の先端部から外部に出力され、
ワーク2上の加工位置Aに照射される。さらに、ノズル
6にはアシストガス供給口24が設けられており、ノズ
ル6の先端部からはアシストガスが上記レーザ光9と同
軸的に加工位置Aに噴出される。
【0031】上記の構成において、レーザ光9による切
断加工は次のように行なわれる。集光レンズ11によっ
て集光されたレーザ光9が集光レンズ11によってワー
ク2の加工面上の位置Aで焦点を結ぶようにZテーブル
4(図1参照)を動作させ、上下方向の位置関係を調整
することにより位置設定を行う。その後、コントローラ
8の制御の下で、アシストガスを供給し、レーザ発振器
1を発振動作させ、レーザ光9をワーク2上に照射す
る。このレーザ光9は充分な熱エネルギになるまで集光
されており、ワーク2表面の照射された部分が溶融し、
これが熱源となってこの溶融が表面から順次深さ方向に
向って進行し、やがてワーク2を貫通してワーク2の穴
があけられる。そして、コントローラ8の制御の下でX
Yテーブル3を所要の軌跡で移動させ、切断すべき部分
に沿ってレーザ光9を移動させることによりワーク2の
切断加工が行われる。
【0032】図3は加工ヘッド及びノズル部の構成図で
ある。図3に示すように、ノズル部6は、加工ヘッド5
底部に固定された固定外筒21a、固定外筒21aに2
箇所の軸受22a及び22bで回転自在に支持された回
転内筒21b、回転内筒21bにプーリー23a及び2
3bに架けられたベルト23cを介して回転を伝えるモ
ータ23、アシストガスをノズル部6に供給するアシス
トガス供給口24を備えている。また、回転内筒21b
には、球面軸受25に支持されレーザ光の入射方向を平
行移動させて変更するビームパラレル26、ビームパラ
レル26を2点で支えその傾斜角度を調整するビームパ
ラレル操作ネジ27、上記ビームパラレル26からのレ
ーザ光をワーク上に集光させる集光レンズ11、球面軸
受28に支持されアシストガスを噴出するノズル29、
ノズル29を2点で支えその傾斜角を調整するノズル操
作ネジ30が取り付けられている。また、回転内筒21
bのアシストガス供給口24に対面する位置の全周にシ
ール部材31が設けられ、この部分がスイベルジョイン
トとなっており、このスイベルジョイントを介してアシ
ストガスが回転内筒21b内部に供給されノズル29よ
り噴出される。
【0033】上記のような構成において、前述のように
レーザ光9はベンディングミラー10によって反射し下
方(ワーク2の方向)に誘導され、ビームパラレル26
に入射する。ビームパラレル26に入射したレーザ光9
はその入射方向が平行移動し、集光レンズ11の軸に対
してその光軸がずれた状態で平行に入射する。このビー
ムパラレル26の傾斜角度はビームパラレル操作ネジ2
7によって手動で調整され、レーザ光9の平行移動の移
動量が調整される。集光レンズ11に入射したレーザ光
9はワーク2上に集光されるが、上記のように集光レン
ズ11の軸に対して平行に入射するので、集光レンズ1
1で集光されるレーザ光9は集光レンズ11の焦点位
置、即ち所望の切断位置に正しく集光される。また、レ
ーザ光9は集光レンズ11の軸、従ってワーク2の法線
に対して傾斜して入射するが、この入射角はビームパラ
レル26の傾斜角度をビームパラレル操作ネジ27によ
って調整し、レーザ光9の平行移動の移動量を変更する
ことによって調整される。ワーク2上に集光するレーザ
光は、一般にワーク表面に焦点を結ぶよう円錐形の光線
となるため、レーザ光の入射角がワーク表面に垂直であ
ると加工されるワークにあけられる穴内面は円錐面とな
り、切断面は斜めになる。しかし、本実施例において
は、レーザ光9が集光レンズ11の軸、従ってワーク2
の法線に対して傾斜して入射するので、この入射角を適
当に選べば、切断されたワーク2の片方の切断面をワー
ク表面に対して垂直な切断面、即ちストレートな切断面
とすることができ、他方をストレートでない斜めの切断
面とすることができる。
【0034】また、アシストガスはアシストガス供給口
24よりスイベルジョイントを介して回転内筒21b内
部に供給され、ノズル29より噴出される。ノズル29
の傾斜角度はノズル操作ネジ30によって手動で調節さ
れ、アシストガスをワーク2へ噴出させる噴出角が調整
される。このノズル29の傾斜角度、即ちアシストガス
の噴出角は、集光レンズ11の軸、即ちワーク2の法線
に対して傾斜し、かつレーザ光9と相対的に対向するよ
うに設定される。これにより、図4に示すように、切断
面がストレートでない側のワークにドロスが付着した
り、スパッタが飛散するようにし、一方、切断面がスト
レートである側にはドロスが付着したりスパッタが飛散
したりしないようにできる。尚、図4においては飛散し
たスパッタは描かれていない。このうち後者の切断面が
ストレートでドロスが付着したりスパッタが飛散したり
しない側のワークが製品として使用され、他方の切断面
がストレートでなくドロスが付着しスパッタが飛散した
側のワークが捨材にされる。従って、切断された製品は
健全なものとなる。
【0035】また、回転内筒21bは、モータ23の回
転がプーリー23a及び23bに架けられたベルト23
cを介して伝えられることにより回転する。回転内筒2
1bには前述のようにビームパラレル26、集光レンズ
11、ノズル29が備えられており、これらは回転内筒
21bの回転によって、上記ビームパラレル26と集光
レンズ 11との光学的角度関係及びノズル29の傾斜
角度が不変のままで集光レンズ11の軸のまわりに回転
する。つまり、ワーク2へのレーザ光9の入射方向が回
転し変更される。このことにより、ワーク2の切断を実
施するのに従ってその切断方向が変化しても、その変化
にレーザ光9の入射方向を追従させて変更させることが
でき、レーザ光9の入射角がワーク2表面に対して最適
になる。さらに上記のようなレーザ光9の入射方向の変
更によっても、レーザ光9は集光レンズ11の軸と常に
平行に入射するので、集光レンズ11で集光されるレー
ザ光9は集光レンズ11の焦点位置、即ち所望の切断位
置に正しく集光される。
【0036】以下に、上記のようなレーザ切断装置を用
いた加工例について説明する。図5に示すように、斜線
部を製品40aとし、外側の部分を捨材40bとしてレ
ーザ光により切断加工するものとする。また、図中の矢
印の方向に加工軌跡41を取り、その切断方向である速
度ベクトルを42で表す。図に示した位置においては、
ノズル29を速度ベクトル42の方向より反時計まわり
に90°回転した方向である43Aの方向に傾斜させ、
一方、レーザ光9を速度ベクトル42の方向より時計ま
わりに90°回転した方向である43Bの方向に傾斜さ
せ、両者を対向させる。これら傾斜角度は予め予備実験
で、ワーク2の材質及び厚さ、アシストガスのガス圧等
を考慮して最適な条件が選択される。これにより、アシ
ストガスが及ぼす外力によりドロスが43Aの方向に押
しやられ捨材40bの方に付着し、スパッタも43Aの
方向即ち捨材40bに飛散する。また、レーザ光9が4
3Bの方向に傾斜するので、製品40aの切断面がスト
レートな切断断面となる。この状態で図に示す位置から
加工軌跡41に沿って切断加工が行われるが、その際、
切断方向である速度ベクトル42の変化に対応させてモ
ータ23を制御することにより回転内筒21bを回転さ
せ、レーザ光9の切断位置への入射方向をこの切断方向
に追随させる。従って、切断加工中のレーザ光9の入射
角がワーク2表面に対して常に最適になり、切断された
製品40aはドロスの付着やスパッタの飛散がなく、か
つ切断面がストレートで健全なものとなる。尚、上記モ
ータはコントロ−ラ8によって制御することができる。
【0037】以上説明したように本実施例によれば、ノ
ズル29の傾斜角度を調整しアシストガスの噴出角をワ
ーク2の法線に対して傾斜させ、かつアシストガスの噴
出角とレーザ光9の入射角とを相対的に対向させるの
で、ドロスが捨材40bの切断面に付着し、スパッタも
ドロスが付着したのと同じ捨材40bのワークの表面に
飛散する。従って製品40aへのドロスの付着やスパッ
タの飛散を防止することができる。
【0038】また、レーザ光9のワーク2への入射角を
その法線に対して傾斜させるので、製品40aの切断面
をワーク2表面に対して垂直な切断面、即ちストレート
な切断面とすることができる。
【0039】また、レーザ光9のワーク2への入射方向
を回転内筒21bを回転させて、ワーク2の切断方向に
応じて変更するので、切断を実施するのに従ってその切
断方向が変化してもその変化にレーザ光9の入射方向が
追従し、その入射角をワーク2表面に対して最適にする
ことができる。
【0040】また、集光レンズ11に入射するレーザ光
9を集光レンズ11の軸に平行にして、その焦点位置を
レーザ光9の入射角及び入射方向が変更されても不変と
するので、ずれや誤差なく正確に所望の切断位置を切断
することができる。
【0041】尚、上記捨材は、必ずしも廃棄する必要は
なく、付着したドロスや飛散したスパッタを取り除き、
切断面をストレートに検索するなどして修復し、製品と
することができ、また、表面や端面の健全さあまり厳格
でない場合にはそのまま利用することもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、アシストガスの噴出角
をワークの法線に対して傾斜させ、かつアシストガスの
噴出角とレーザ光の入射角とを相対的に対向させるの
で、製品の切断面にドロスが付着したり、製品の表面に
スパッタが飛散することを防止することができる。ま
た、レーザ光の入射角をワークの法線に対して傾斜させ
るので、製品の切断面をワーク表面に対して垂直な切断
面、即ちストレートな切断面とすることができる。従っ
て、健全な製品を得ることができる。
【0043】また、レーザ光の入射角及びアシストガス
の噴出角を調整可能とするので、製品側の切断面を垂直
にすることができ、ドロスを捨材側に確実に押しやるこ
とができ、スパッタを確実に捨材側に飛散させることが
できる。
【0044】また、レーザ光の入射方向をワークの切断
方向に応じて変更するので、切断を実施するのに従って
その切断方向が変化してもレーザ光の入射方向をそれに
追従させることができ、レーザ光の入射角をワーク表面
に対し最適にすることができる。
【0045】また、集光レンズによるレーザ光の焦点位
置を、レーザ光の入射角及び入射方向の変更に対しても
不変とするので、ずれや誤差なく正確に所望の切断位置
を切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるレーザ切断装置の構成
を示す概略図である。
【図2】図1のレーザ切断装置によるワークへのレーザ
光の照射の原理を説明する図である。
【図3】図1のレーザ切断装置における加工ヘッド及び
ノズル部の構成図である。
【図4】図1のレーザ切断装置によるレーザ光の照射及
びアシストガスの噴出の状況を示す図である。
【図5】図1のレーザ切断装置を用いた加工例を示す図
である。
【図6】第1の従来技術のレーザ切断装置の構成を示す
概略図である。
【図7】第2の従来技術のレーザ切断装置によるレーザ
光の照射及びアシストガスの噴出の状況を示す図であ
る。
【図8】第2の従来技術のレーザ切断装置による切断加
工後の断面図である。
【図9】第1の従来技術を利用してレーザ光の入射角及
びノズルを共に同一の角度だけ傾斜させる方法を示す図
である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 ワーク 3 XYテーブル 4 Zテーブル 5 加工ヘッド 6 ノズル部 8 コントロ−ラ 9 レーザ光 11 集光レンズ 21a 固定外筒 21b 回転内筒 22a,22b 軸受 23 モータ 23a,23b プーリー 23c ベルト 24 アシストガス供給口 25 球面軸受 26 ビームパラレル 27 ビームパラレル操作ネジ 28 球面軸受 29 ノズル 30 ノズル操作ネジ 31 シール部材 40a 製品 40b 捨材 41 加工軌跡 42 速度ベクトル(切断方向)
フロントページの続き (72)発明者 多田 信彦 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (72)発明者 下村 義昭 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (56)参考文献 特開 平2−284789(JP,A) 特開 昭59−218289(JP,A) 特開 昭63−281790(JP,A) 実開 昭61−65415(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 - 26/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ発振器より発振するレーザ光を移動
    テーブルに載置したワークに誘導し、集光レンズによっ
    て前記レーザ光を前記ワークに集光させ、前記ワーク上
    の前記レーザ光の集光部をシールドするアシストガスを
    噴出しながら前記移動テーブルを移動させて前記ワーク
    を切断するレーザ切断方法において、前記レーザ光の前
    記ワークへの入射角及び前記アシストガスを前記ワーク
    へ噴出させる噴出角を前記ワークの法線に対して傾斜さ
    せ、かつ両者を相対的に対向させることを特徴とするレ
    ーザ切断方法。
  2. 【請求項2】さらに前記レーザ光の前記ワークへの入射
    角及び前記アシストガスの噴出角が調整可能であること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ切断方法。
  3. 【請求項3】さらに前記レーザ光の前記ワークへの入射
    方向が前記ワークの切断方向に応じて変更可能であるこ
    とを特徴とする請求項2記載のレーザ切断方法。
  4. 【請求項4】前記ワーク上に集光する前記レーザ光の焦
    点位置は、前記レーザ光の前記ワークへの入射角及び入
    射方向の変更によって不変であることを特徴とする請求
    項2または3記載のレーザ切断方法。
  5. 【請求項5】レーザ発振器と、ワークを載置し前記ワー
    クを移動させる移動テーブルと、前記レーザ発振器から
    出力されるレーザ光を前記ワーク誘導する誘導手段と、
    前記ワークに誘導された前記レーザ光を集光させる集光
    レンズと、前記ワーク上の前記レーザ光の集光部をシー
    ルドするアシストガスを噴出するアシストガス噴出手段
    と、前記誘導手段による前記レーザ光の前記ワークへの
    照射および前記移動テーブルの移動を制御する制御手段
    とを備え、前記レーザ光を前記ワーク上に集光させ移動
    テーブルを移動させて前記ワークを切断するレーザ切断
    装置において、前記レーザ光の前記ワークへの入射角及
    び前記アシストガスを前記ワークへ噴出させる噴出角を
    前記ワークの法線に対して傾斜させ、かつ両者を相対的
    に対向させる傾斜手段を有することを特徴とするレーザ
    切断装置。
  6. 【請求項6】さらに前記レーザ光の前記ワークへの入射
    角を調整する入射角調整手段と、前記アシストガスの噴
    出角を調整する噴出角調整手段とを有することを特徴と
    する請求項5記載のレーザ切断装置。
  7. 【請求項7】さらに前記レーザ光の前記ワークへの入射
    方向を前記ワークの切断方向に応じて変更する入射方向
    変更手段を有することを特徴とする請求項6記載のレー
    ザ切断装置。
  8. 【請求項8】前記入射角調整手段及び前記入射方向変更
    手段は、前記ワーク上に集光する前記レーザ光の焦点位
    置を不変とすることを特徴とする請求項6または7記載
    のレーザ切断装置。
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