JP2001150168A - レーザ開先切断装置 - Google Patents

レーザ開先切断装置

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JP2001150168A
JP2001150168A JP33082799A JP33082799A JP2001150168A JP 2001150168 A JP2001150168 A JP 2001150168A JP 33082799 A JP33082799 A JP 33082799A JP 33082799 A JP33082799 A JP 33082799A JP 2001150168 A JP2001150168 A JP 2001150168A
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torch
lens
groove
mirror
laser beam
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JP33082799A
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English (en)
Inventor
Kumeo Iida
久米男 飯田
Yoichi Maruyama
要一 丸山
Keiichi Shinoda
慶一 信田
Takashi Kawaguchi
貴史 川口
Akira Kojo
昭 古城
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Koike Sanso Kogyo Co Ltd
Koike Sanso Kogyo KK
Original Assignee
Koike Sanso Kogyo Co Ltd
Koike Sanso Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被切断材に向けてレーザ光を照射して開先切断
するレーザ開先切断装置に於いて、レンズを通過したレ
ーザ光を屈折させることでトーチ部分の小型化をはか
る。 【解決手段】ハウジング5に嵌挿した筒体3を旋回部材
6によって旋回可能に構成する。筒体3にレンズ4を軸
方向に移動可能に配置し、該筒体3の下端に設けた取付
部7を介して開先トーチA,Bを着脱可能に取り付け
る。開先トーチAはミラー11を設けた上部筒体13とミラ
ー12を設けると共に目的の開先角度に対応した傾斜部14
bを持った下部筒体14からなり、ミラー11とミラー12の
距離を変更し得るように構成する。同一のキャリッジ23
に開先トーチAと開先トーチBを配置し、光路25に夫々
の開先トーチA,Bと対向させてミラー31,32を配置す
る。一方のミラー31を光路25に進入,離脱させることで
トーチを選択して稼働させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ発振器から
出射されたレーザ光を傾けた状態で被切断材に照射して
開先切断を行なうレーザ開先切断装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】レーザ発振器から出射されたレーザ光を
レンズを介して集光して被切断材に照射しつつ照射点を
移動させることで、照射された被切断材の一部を溶融,
蒸発して母材から排除して連続した溝を形成して切断す
ることが行なわれている。このようなレーザ切断装置で
は、被切断材の材質を限定することなく、多くの材質に
対して切断することが可能である。
【0003】レーザ切断法では、レーザ光をレンズによ
って集光し、このエネルギ密度の高い集光点を被切断材
の表面、或いは被切断材の厚さ方向に侵入させた位置に
形成してエネルギ効率を向上させている。この場合、レ
ンズはレーザ光の光路の一部を構成する筒体に取り付け
られ、該筒体を含んでトーチが構成される。
【0004】最近ではレーザ発振器の出力が増加し、厚
さが厚い被切断材に対しても切断することが可能になっ
ている。レーザ切断法によって鋼板を切断する場合、ガ
ス切断法を実施する場合とに比較して切断速度を上昇さ
せることが出来るため、比較的厚い鋼板を切断する造船
メーカーや橋梁メーカー等の工場でも利用されつつあ
る。
【0005】ところで、造船や橋梁では切断した鋼板を
溶接する作業が必須であり、鋼板の厚さが厚くなるのに
従って、開先による溶接を行なうことが必要となる。開
先切断を実施する場合、ガス切断装置やプラズマ切断装
置では、切断トーチを扇型のトーチブロック、或いはリ
ンク機構を採用したトーチブロックに取り付けると共に
これらのトーチブロックを利用して切断トーチの傾斜角
度を目的の開先角度に対応させて設定し、この状態で切
断トーチを移動させることで行なわれる。
【0006】またレーザ切断装置では、例えば特開閉3-
23093号公報に開示されるように、レンズを含む切断ト
ーチよりも上流側でレーザ光を屈折させることによっ
て、切断トーチを上記ガス切断装置やプラズマ切断装置
に於ける場合と同様にして切断トーチを傾斜させるのが
一般的である。この場合、レンズから鋼板に至る光軸は
直線に保持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】上記の如く、レーザ切断装置による開先切
断の必要が生じた場合、一般的にはガス切断やプラズマ
切断の場合と同様にレンズを含む切断トーチを開先角度
に対応させて傾斜させることになる。この場合、レンズ
を含むトーチは直線を維持することとなり、レンズに入
射する以前のレーザ光を屈折させることになる。このた
め、レンズの直前に傾斜に対応させるミラーを設ける必
要があり、レンズよりも上流側に於ける部分が大型化し
てしまうという問題がある。
【0009】本発明の目的は、トーチ部分の小型化をは
かり、且つ合理的な開先切断を実施し得るレーザ開先切
断装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るレーザ開先切断装置(以下、「開先切断
装置」という)は、レーザ発振器から出射されたレーザ
光を集光するレンズと、前記レンズを通過したレーザ光
を屈折させる複数のミラーを設けたトーチと、前記トー
チを前記レンズの光軸を中心として旋回させる旋回部材
と、を有し、前記トーチから外部に照射されたレーザ光
が前記レンズの光軸の延長線と交差するように構成され
るものである。
【0011】上記開先切断装置では、レンズを通過した
レーザ光を屈折させる複数のミラーを設けたトーチを有
し、このトーチから外部に照射されたレーザ光がレンズ
の光軸と交差するように構成したので、照射されたレー
ザ光と光軸との交差角度によって開先角度を設定するこ
とが出来、且つトーチ周辺の小型化をはかることが出来
る。
【0012】上記開先切断装置に於いて、トーチに設け
た複数のミラーに於けるレンズから最も近くに配置され
た第1ミラー又は前記レンズをレーザ光の光軸に沿って
移動可能に構成し、第1ミラーとレンズとの距離を変化
させることでトーチから照射されたレーザ光の焦点位置
を変化させるように構成することが好ましい。
【0013】またトーチに設けた複数のミラーに於ける
レンズから最も離隔して配置された最終ミラー又は該最
終ミラーの第1ミラー側に隣接した隣接ミラーをレーザ
光の光軸に沿って移動可能に構成し、前記最終ミラーと
隣接ミラーとの距離を変化させることでトーチから照射
されたレーザ光の前記レンズの光軸の延長線に対する交
差位置を変化させるように構成することが好ましい。
【0014】上記の如く構成した開先切断装置では、レ
ンズからレーザ光の集光点までの距離は一定である。こ
のため、レンズと第1ミラーとの距離を変化させたと
き、トーチから照射されたレーザ光の焦点位置を変化さ
せることが出来る。従って、照射されたレーザ光とレン
ズの光軸との交差角度を保持した状態で焦点の位置のみ
を変化させることが可能となり、被切断材に於けるレー
ザ光の集光点の位置を変化させることが出来る。
【0015】また最終ミラーと隣接ミラーとの距離を変
化させた場合には、トーチから照射されたレーザ光とレ
ンズの光軸との交差角度を保持した状態で、両者の交点
の位置を変化させることが出来る。
【0016】また上記開先切断装置に於いて、レンズを
筒体に取り付けると共に該レンズの下流側に取付部を形
成し、レーザ光を屈折させる複数のミラーを配置して所
定の角度に形成されたトーチを前記筒体に形成された取
付部に着脱可能に取り付けることが好ましい。
【0017】上記の如く構成した開先切断装置では、予
め異なる角度を持って屈折させた光路を有する複数のト
ーチを形成しておき、これらの中から目的の開先切断に
応じて最適なものを選択して筒体の取付部に取り付ける
ことで、開先切断を実施することが出来る。
【0018】また他の発明に係る開先切断装置は、レー
ザ発振器から出射されたレーザ光の光路に配置された複
数の選択ミラーと、前記複数の選択ミラー毎に対向して
配置された複数のレンズと、前記複数のレンズ毎に配置
され照射されたレーザ光のレンズの光軸の延長線に対す
る交差角度が互いに異なる複数のトーチと、を有し、切
断すべき開先角度に対応したトーチを選択すると共に該
トーチに対応する選択ミラーをレーザ光の光路に位置さ
せ、且つ選択されたトーチ以外のトーチに対応する選択
ミラーをレーザ光の光路から離脱させるように構成した
ものである。
【0019】上記開先切断装置では、予め配置された複
数のトーチの中から、目的の開先角度に対応するトーチ
を選択すると共に該トーチに対向した選択ミラーをレー
ザ光路内に位置させることで、目的の開先角度に対応し
たトーチを選択的に稼働させて開先切断を行なうことが
出来る。
【0020】上記開先切断装置に於いて、複数のトーチ
の内の一つは、レンズを通過したレーザ光を屈折させる
ミラーを有することのない垂直切断専用のトーチである
ことが好ましい。開先切断装置をこのように構成するこ
とによって、被切断材に対する垂直切断と開先切断を選
択的に行なうことが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、上記開先切断装置の好まし
い実施形態について図を用いて説明する。図1は第1実
施例に係る開先切断装置の構成を説明する図である。図
2は第1実施例に係る開先切断装置に用いる開先角度の
異なる開先トーチの構成を説明する図である。図3は第
2実施例に係る開先切断装置の構成を説明する図であ
る。図4は第3実施例に係る開先切断装置の構成を説明
する図である。図5はレーザ切断装置の構成を説明する
図である。
【0022】本発明に係る開先切断装置は、レンズを通
過したレーザ光を複数のミラーを介して目的の開先角度
に屈折させて被切断材に照射することで、該被切断材を
開先切断し得るように構成したものであり、レンズの焦
点距離という限定された距離の範囲で屈折処理すること
で、小型で且つ合理的な開先切断装置を実現したもので
ある。
【0023】図1,図2は第1実施例に係る開先切断装
置の構成を説明する図である。図に於いて、開先切断装
置は、内部にレーザ光1の光路2を形成した筒体3と、
筒体3の内部に配置されレーザ光1を集光するレンズ4
と、筒体3に着脱可能に形成され且つ予め設定された角
度でレーザ光1を屈折させるように構成した開先トーチ
A,Bと、ハウジング5に取り付けられ該ハウジング5
内に配置した筒体3を旋回させる旋回部材6と、を有し
て構成されている。
【0024】筒体3はハウジング5の内部に設けた軸受
3aを介して回転可能に嵌挿され、且つ後述するレーザ
発振器に接続されてレーザ光1の光路2の一部を構成し
ている。また筒体3の下端には取付部7が形成されてお
り、該取付部7を介してトーチA,Bを着脱可能に取り
付けることが可能なように構成されている。
【0025】レンズ4はレーザ光1の光軸1aに沿って
移動し得るように構成されており、この移動に伴って開
先トーチA,Bから照射されたレーザ光1の集光点の位
置を光軸1aに於ける所望の位置に調整し得るように構
成されている。このため、レンズ4はホルダー4aによ
って保持されており、該ホルダー4aを筒体3に固定し
たモーター4bによって駆動することで、レンズ4を光
軸1aに沿った所望の位置に移動させるように構成され
ている。
【0026】上記構成に於いて、レンズ4の焦点距離を
Lとした場合、該レンズ4からレーザ光1の集光点1b
までの距離は一定であるため、例えばレンズ4を上昇さ
せた場合、集光点1bの位置は光軸1aに沿って上昇
(トーチA,Bのノズル8に接近する方向に移動)する
こととなり、下降させた場合には集光点1bはノズル8
から離隔することとなる。
【0027】上記の如く、集光点1bの位置を光軸1a
に沿って移動させた場合、この移動に伴って被切断材C
の厚さ方向に対するレーザ光1の最大エネルギの投入位
置が変化することとなり、被切断材Cの厚さの変更に対
応することが可能となる。
【0028】旋回部材6は、ハウジング5に固定された
旋回モーター6aと、旋回モーター6aの出力軸に固定
されたプーリ6bと、筒体3に固定されたプーリ6c
と、各プーリ6b,6c間に巻き掛けられたベルト6
d、とを有して構成されている。このため、旋回モータ
ー6aを目的の切断形状に対応させて回転させること
で、目的の形状を切断すると共に開先切断を実行するよ
うに筒体3を旋回させることが可能である。
【0029】開先トーチA,Bは夫々予め設定された角
度を持って構成され、該角度に対応する開先切断を実施
する専用のトーチとして構成されている。即ち、同図
(a)に示す開先トーチAは角度が30度の開先切断を
実施する専用のトーチとして構成され、同図(b)に示
す開先トーチBは角度が45度の開先切断を実施する専
用のトーチとして構成されている。各開先トーチA,B
は基本的な構成は同様である。このため、以下代表して
開先角度を30度に設定した開先トーチAの構成につい
て説明する。
【0030】開先トーチAは複数のミラー11,12を有し
ており、これらのミラー11,12によってレンズ4を通過
したレーザ光1を目的の角度に屈折させている。ミラー
11は第1ミラーとなるものでありレンズ4に接近させて
配置され、ミラー12は最終ミラーとなるものでありレー
ザ光の照射側の最も下流側の位置に配置されている。ま
た各ミラー11,12は互いに隣接して配置されている。
【0031】また開先トーチAは、上端部に筒体3の下
端に設けた取付部7に取り付けられるフランジ13aを設
けると共にレンズ4の光軸(レーザ光の光軸1aと一致
する軸)と一致した軸心を有する垂直部13b及び該垂直
部13bに対し直交する水平部13cと有する上部筒体13
と、上部筒体13の水平部13cと嵌合する水平部14a及び
該水平部14aに対し30度の角度を持って接続された傾
斜部14bと、傾斜部14bの先端部であってレーザ光1の
光軸1aと一致して形成されたノズル8とを有する下部
筒体14と、を有して構成されている。
【0032】そして、上部筒体13の垂直部13bと水平部
14bとの交差部にミラー11がレンズ4の光軸に対して4
5度の角度を持って配置されており、下部筒体14の水平
部14aと傾斜部14bとの交差部にミラー12が垂直線に対
し30度の角度を持って配置されている。
【0033】従って、レンズ4を通過したレーザ光1は
垂直方向に直進してミラー11によって90度屈折し、水
平方向にミラー12に向かって進行する。ミラー12に入射
したレーザ光1は該ミラー12によって屈折してノズル8
に向かい、該ノズル8から外部に照射される。このと
き、ミラー12が垂直方向に対して30度の傾斜角度を有
するため、ノズル8の延長上に配置された被切断材Cに
対し30度の角度で照射される。従って、被切断材Cを
30度の角度で開先切断を実施することが可能である。
【0034】開先トーチAはフランジ13aを介して筒体
3の取付部7に取り付けられる。取付部7の構成は特に
限定するものではなく、例えば本実施例では、筒体3の
下端面に複数のネジ穴を形成すると共にフランジ13aに
貫通孔を形成し、この貫通孔に複数のネジ7aを挿通し
て筒体3のネジ穴に螺合して締結することで開先トーチ
Aを筒体3に取り付けると共に、ネジ7aを緩めて外す
ことで開先トーチAを筒体3から離脱させるように構成
している。
【0035】本実施例の開先トーチAでは、上部筒体13
に配置したミラー11は、該上部筒体13に於ける垂直部13
bと水平部13cの交差部に固定されている。しかし、こ
の構成に限定するものではなく、ミラー11をレンズ4の
光軸に沿って垂直方向に移動し得るように構成しても良
い。この場合、レンズ4を筒体3に固定しても、ミラー
11をレンズ4に対し離隔或いは接近させるように移動さ
せて、開先トーチAから照射されたレーザ光1の集光点
1bの位置を光軸1aに沿って移動させることが可能で
ある。
【0036】即ち、開先トーチAから照射されたレーザ
光1の集光点1bを光軸1aに沿って移動させる場合、
レンズ4とミラー11との間の距離を変更させれば良い。
従って、レンズ4とミラー11の相対的な位置を変更し得
るように構成されていれば良く、本実施例のように、レ
ンズ4を筒体3の軸方向に移動可能に構成することで、
集光点1bを開先トーチAのノズル8から所望の距離の
位置に移動させることが可能である。
【0037】上記の如くしてレーザ光1の集光点1bの
位置を光軸1aに沿って移動させて開先トーチAのノズ
ル8から所望の距離に設定することによって、図1に示
すように、被切断材Cの厚さ方向に対する集光点1bの
位置を調整することが可能となり、これにより、例えば
被切断材Cの表面に形成された塗膜の除去或いは酸化層
の除去等の表面の清掃作業を実施したり、或いは被切断
材Cの厚さの変化に対応させることが可能である。
【0038】上部筒体13の水平部13cに対して下部筒体
14の水平部14aが嵌合している。特に、下部筒体14は水
平部14aがミラー11によって屈折したレーザ光1の光軸
1aに沿って移動し得るように構成されており、この移
動に伴ってレーザ光1の集光点1bの位置を、光軸1a
に沿ってノズル8に離隔或いは接近させる方向に及び水
平方向に移動させることが可能である。下部筒体14の上
部筒体13に対する移動機構は特に限定するものではな
く、手動或いはネジ機構を採用することが可能である。
【0039】上記の如くしてレーザ光1の集光点1bの
位置を水平方向に移動させることによって、図1に点線
で示すように、集光点1bのレンズ4の光軸からの水平
距離を所望の値に設定することが可能である。
【0040】また開先トーチBでは、上部筒体13及び該
上部筒体13に於けるミラー11の構成は開先トーチAと略
同様であり、下部筒体14の水平部14aと傾斜部14bのな
す角が垂直線に対し22.5度に設定されている点で開
先トーチAと異なる。しかし、他の部分では開先トーチ
Aと開先トーチBは略同一に構成されている。
【0041】上記の如く構成された開先切断装置は、例
えば自走式台車に搭載されて切断することが可能であ
る。この場合、被切断材Cの上面に走行レールを載置す
ると共に該走行レールに開先切断装置を搭載した自走式
台車を走行させ、この走行に伴ってレーザ発振器から出
射されたレーザ光1を開先トーチAのノズル8から被切
断材Cに向けて照射することで、該被切断材Cに角度3
0度の開先切断を実行することが可能である。
【0042】しかし、開先切断装置をより効果的に使用
するには図5に示す数値制御(NC)切断装置Dに搭載
することが好ましい。ここで、NC切断装置Dの構成に
ついて簡単に説明する。
【0043】NC切断装置Dは、平行に敷設された一対
のレール21に走行可能に載置されたフレーム22を有して
構成されている。フレーム22は、サドル22aとレール21
に対し直交方向に配置されたガーター22bとからなり、
走行モーター22cに駆動されてレール21に沿って走行し
得るように構成されている。ガーター22bには、開先ト
ーチA(B)を取り付けた開先切断装置を搭載し、且つ
横行モーター23aに駆動されてレール21に直交する方向
に横行するキャリッジ23が配置されている。
【0044】サドル22aにはレーザ発振器24が取り付け
られ、該レーザ発振器24と開先トーチAとの間にレーザ
発振器24から出射されたレーザ光1の光路25が形成され
ている。前記レーザ発振器24は炭酸ガスレーザの発振器
であり、光路25としてはレーザ光1を通過させるジャバ
ラ等の筒状体によって構成されている。
【0045】サドル22aには操作盤26が設けられてお
り、該操作盤26にNC装置や、該NC装置に必要な情報
を入力する入力装置、或いはNC切断装置の稼働状況を
表示し、或いは切断に必要な情報の入力状態を表示すデ
ィスプレイ等の機器類が収容され、或いは表面に取り付
けられている。
【0046】またサドル22aに於ける操作盤26の取付側
にはオペレータが昇降するデッキ27が設けられている。
【0047】上記の如く構成されたNC切断装置Dで
は、予め被切断材Cに切断すべき開先角度に対応させた
開先トーチAを選択し、この開先トーチAを光路25の一
部を構成する筒体3の下端に取り付けておき、操作盤26
を介して被切断材Cの材質や板厚或いは開先角度等の切
断条件に応じて設定された切断条件を入力すると共に切
断すべき図形の情報を入力すると、予め設定された切断
プログラムに従って、走行モーター22c,横行モーター
23aの駆動データ、及び旋回モーター6aの駆動データ
が演算される。
【0048】そしてレーザ発振器24を駆動してレーザ光
1を出射させると、このレーザ光1は開先トーチAのノ
ズル8から被切断材Cに向けて照射され、光軸1a上で
あって被切断材Cの厚さ方向の所定位置に集光点1bを
形成する。このため、レーザ光1の集光点1aの近傍が
溶融及び蒸発して母材から除去され、該被切断材Cに貫
通した孔を形成する。このとき、溶融物及び蒸発物の母
材からの除去を促進し、且つ溶融部分を起点として母材
の燃焼を惹起し得るように、開先トーチAの内部に例え
ば酸素ガスからなるアシストガスを供給してノズル8か
ら噴射することが好ましい。このアシストガスの噴射エ
ネルギによって溶融物や蒸発物を除去することが可能で
あり、またアシストガスが酸素ガスであることから、燃
焼温度以上に昇温した母材の燃焼を促進することが可能
である。
【0049】被切断材Cの厚さ方向に貫通した孔が形成
された後、上記駆動データに従って各モーター22c,23
a,6aを駆動することで、被切断材Cから目的の図形
を切断すると共に該図形の外周に開先を形成することが
可能である。
【0050】また開先を形成すべき切断線が直線である
ような場合、開先トーチA或いは開先トーチBを用い
て、これらの開先トーチA,Bの傾斜角度以外の角度の
開先を切断することが可能である。
【0051】即ち、例えば開先トーチAを筒体3に取り
付けた場合、旋回モーター6aを駆動して開先トーチA
を旋回させることで、切断の進行方向に対し直交方向の
面に対する見掛け上の光軸1aの角度を変更することが
可能である。従って、開先トーチAの旋回過程で目的の
角度に設定することが可能であり、この角度を維持する
ことで、直線状の切断線に対する開先切断を実施するこ
とが可能であり、且つ前記角度を維持して開先トーチA
を旋回させることで開先と伴う型切断を実施することも
可能である。
【0052】次に、第2実施例に係る開先切断装置の構
成について図3により説明する。この実施例は、例えば
図4に示すNC切断装置Dに於けるキャリッジ23に、異
なる角度を持った2個の開先トーチ(開先トーチA,開
先トーチB)を予め設定された距離だけ離隔させて配置
しておき、被切断材Cに対して開先切断を実施するに際
し、目的の開先角度に対応したトーチを選択して使用し
得るように構成したものである。
【0053】光路25には開先トーチA及び開先トーチB
に対向してミラー31,32が配置されており、これらのミ
ラー31,32によって光路25に沿って照射されるレーザ光
1を開先トーチA方向に、或いは開先トーチB方向に屈
折し得るように構成されている。特に、光路25の上流側
に配置されたミラー31は該光路25に対し出没し得るよう
に構成されており、また下流側に配置されたミラー32は
光路25に対して固定されている。
【0054】従って、ミラー31に対向して配置された開
先トーチAを使用する場合、ミラー31を光路25内に進入
させて該光路25に沿って照射されるレーザ光1を全て開
先トーチAの方向に屈折させる。またミラー32に対向し
て配置された開先トーチBを使用する場合、ミラー31を
光路25から離脱させて全てのレーザ光1をミラー32に入
射させると共に入射したレーザ光1を開先トーチBに屈
折させる。
【0055】上記の如く構成した開先切断装置では、切
断の開始に先立って、操作盤26を介して被切断材Cに対
する開先角度を入力すると、この入力に従ってミラー31
が光路25に進入、或いは離脱し、これにより開先トーチ
A,Bを選択して目的の開先角度に応じた開先切断を実
施することが可能である。
【0056】尚、ミラー31を光路25に進入させ、或いは
離脱させる機構は特に限定するものではなく、小形エア
シリンダーによる往復直進運動やモーターを用いてネジ
を駆動することによる往復直進運動等の動きを利用する
ことが可能である。
【0057】図4は第3実施例に係る開先切断装置の構
成を説明する図であり、前述の第2実施例に於ける開先
トーチBを垂直切断を実施するトーチEに代えたもので
ある。尚、図に於いて前述の各実施例と同一の部分及び
同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を
省略する。
【0058】図に於いて、トーチEは被切断材Cを垂直
に切断するためのトーチであり、公知のレーザ切断トー
チを用いている。このトーチEは、当然のことながら旋
回機能を有することなく、直線状の筒体の内部にレンズ
(図示せず)を設けて構成されている。この開先切断装
置では、第2実施例と同様に、光路25に於ける上流側に
配置したミラー31を光路25に進入或いは離脱させること
で、開先トーチAとトーチEを選択的に稼働し得るよう
に構成されている。
【0059】上記の如く構成された開先切断装置では、
ミラー31を光路25に進入させ或いは離脱させることで、
被切断材Cを開先切断し、或いは垂直切断することが可
能である。
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
開先切断装置では、レンズを通過したレーザ光を複数の
ミラーによって屈折させて目的の開先角度に設定するの
で、レンズを通過した後の光路長は該レンズの焦点距離
の範囲内であり、小形化をはかった切断装置を実現する
ことが出来る。
【0061】またレーザ切断装置では、レンズからレー
ザ光の集光点までの距離は一定であるため、レンズと第
1ミラーとの処理を変化させたとき、トーチから照射さ
れたレーザ光の焦点位置を変化させることが出来る。従
って、照射されたレーザ光とレンズの光軸との交差角度
を保持した状態で焦点の位置のみを変化させて被切断材
に於けるレーザ光の集光点の位置を変化させることが出
来る。
【0062】また最終ミラーと隣接ミラーとの距離を変
化させた場合には、トーチから照射されたレーザ光とレ
ンズの光軸との交差角度を保持した状態で、両者の交点
の位置を変化させることが出来る。
【0063】また予め異なる角度を持って屈折させた光
路を有する複数のトーチを形成しておき、これらの中か
ら目的の開先切断に応じて最適なものを選択して筒体の
取付部に取り付けることで、異なる角度を持った開先切
断を容易に実施することが出来る。
【0064】またキャリッジに予め配置された複数のト
ーチの中から、目的の開先角度に対応するトーチを選択
すると共に該トーチに対向した選択ミラーをレーザ光路
内に位置させることで、目的の開先角度に対応したトー
チを選択的に稼働させて開先切断を行なうことが出来
る。
【0065】また上記複数のトーチの内の一つをレンズ
を通過したレーザ光を屈折させるミラーを有することの
ない垂直切断専用のトーチとすることによって、被切断
材に対する垂直切断と開先切断を選択的に行なうことが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る開先切断装置の構成を説明す
る図である。
【図2】第1実施例に係る開先切断装置に用いる開先角
度の異なる開先トーチの構成を説明する図である。
【図3】第2実施例に係る開先切断装置の構成を説明す
る図である。
【図4】第3実施例に係る開先切断装置の構成を説明す
る図である。
【図5】レーザ切断装置の構成を説明する図である。
【符号の説明】
A,B 開先トーチ C 被切断材 D NC切断装置 E トーチ 1 レーザ光 1a 光軸 1b 集光点 2,25 光路 3 筒体 3a 軸受 4 レンズ 4a ホルダー 4b モーター 5 ハウジング 6 旋回部材 6a 旋回モーター 6b,6c プーリ 6d ベルト 7 取付部 7a ネジ 8 ノズル 11,12 ミラー 13 上部筒体 13a フランジ 13b 垂直部 13c 水平部 14 下部筒体 14a 水平部 14b 傾斜部 21 レール 22 フレーム 22a サドル 22b ガーター 22c 走行モーター 23 キャリッジ 23a 横行モーター 24 レーザ発振器 26 操作盤 27 デッキ 31,32 ミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 信田 慶一 東京都江戸川区西小岩3−35−16 小池酸 素工業株式会社内 (72)発明者 川口 貴史 東京都江戸川区西小岩3−35−16 小池酸 素工業株式会社内 (72)発明者 古城 昭 東京都江戸川区西小岩3−35−16 小池酸 素工業株式会社内 Fターム(参考) 4E068 AE00 CB05 CD12 CD14 CD15 CD16 CE03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振器から出射されたレーザ光を
    集光するレンズと、前記レンズを通過したレーザ光を屈
    折させる複数のミラーを設けたトーチと、前記トーチを
    前記レンズの光軸を中心として旋回させる旋回部材と、
    を有し、前記トーチから外部に照射されたレーザ光が前
    記レンズの光軸の延長線と交差するように構成されるこ
    とを特徴とするレーザ開先切断装置。
  2. 【請求項2】 前記トーチに設けた複数のミラーに於け
    るレンズから最も近くに配置された第1ミラー又は前記
    レンズをレーザ光の光軸に沿って移動可能に構成し、第
    1ミラーとレンズとの距離を変化させることでトーチか
    ら照射されたレーザ光の焦点位置を変化させるように構
    成したことを特徴とする請求項1に記載したレーザ開先
    切断装置。
  3. 【請求項3】 前記トーチに設けた複数のミラーに於け
    るレンズから最も離隔して配置された最終ミラー又は該
    最終ミラーの第1ミラー側に隣接した隣接ミラーをレー
    ザ光の光軸に沿って移動可能に構成し、前記最終ミラー
    と隣接ミラーとの距離を変化させることでトーチから照
    射されたレーザ光の前記レンズの光軸の延長線に対する
    交差位置を変化させるように構成したことを特徴とする
    請求項1又は2に記載したレーザ開先切断装置。
  4. 【請求項4】 前記レンズを筒体に取り付けると共に該
    レンズの下流側に取付部を形成し、レーザ光を屈折させ
    る複数のミラーを配置して所定の角度に形成されたトー
    チを前記筒体に形成された取付部に着脱可能に取り付け
    たことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した
    レーザ開先切断装置。
  5. 【請求項5】 レーザ発振器から出射されたレーザ光の
    光路に配置された複数の選択ミラーと、前記複数の選択
    ミラー毎に対向して配置された複数のレンズと、前記複
    数のレンズ毎に配置され照射されたレーザ光のレンズの
    光軸の延長線に対する交差角度が互いに異なる複数のト
    ーチと、を有し、切断すべき開先角度に対応したトーチ
    を選択すると共に該トーチに対応する選択ミラーをレー
    ザ光の光路に位置させ、且つ選択されたトーチ以外のト
    ーチに対応する選択ミラーをレーザ光の光路から離脱さ
    せるように構成したことを特徴とするレーザ開先切断装
    置。
  6. 【請求項6】 前記複数のトーチの内の一つは、レンズ
    を通過したレーザ光を屈折させるミラーを有することの
    ない垂直切断専用のトーチであることを特徴とする請求
    項5に記載したレーザ開先切断装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010214421A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Mitsubishi Electric Corp レーザ加工装置
WO2013145682A1 (ja) * 2012-03-27 2013-10-03 川崎重工業株式会社 パターニング用レーザ加工装置
KR101373839B1 (ko) * 2012-05-18 2014-03-18 한국기계연구원 콘 형상 가공용 광학 헤드 및 이를 이용한 레이저 가공 장치
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CN104353934A (zh) * 2014-09-27 2015-02-18 昆山允升吉光电科技有限公司 一种限位旋转式激光切割装置
CN104400230A (zh) * 2014-09-27 2015-03-11 昆山允升吉光电科技有限公司 一种激光切割装置切割掩模板的方法
WO2020107925A1 (zh) * 2018-11-28 2020-06-04 太仓中璟机械设备有限公司 一种板材加工用激光切割机

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