JPH078641B2 - 車両用ブレーキ油圧制御装置 - Google Patents

車両用ブレーキ油圧制御装置

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JPH078641B2
JPH078641B2 JP32318591A JP32318591A JPH078641B2 JP H078641 B2 JPH078641 B2 JP H078641B2 JP 32318591 A JP32318591 A JP 32318591A JP 32318591 A JP32318591 A JP 32318591A JP H078641 B2 JPH078641 B2 JP H078641B2
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valve
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庄平 松田
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪ブレーキに接続さ
れる減圧室ならびに制御室に両端を臨ませた減圧ピスト
ンと、制御室の液圧低下に伴う減圧ピストンの移動に応
じて閉弁すべく構成されてマスタシリンダの出力ポート
および車輪ブレーキ間に介装される弁機構とを有する減
圧手段と;液圧源と、前記制御室に液圧源からの液圧を
作用せしめる状態ならびに制御室の液圧を解放する状態
を切換可能な制御弁とを有するアンチロック制御手段
と;を備える車両用ブレーキ油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる車両用ブレーキ油圧制御装
置では、ブレーキ操作によってマスタシリンダの出力ポ
ートから出力されるブレーキ油圧を車輪ブレーキに作用
せしめることにより制動力が得られるようになってお
り、車輪がロックしそうになったときに制御室の液圧を
解放すると、弁機構が閉弁するとともに減圧室の容積が
増大することによりブレーキ油圧が低下して車輪にロッ
ク状態が生じるのを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の車両用ブレーキ油圧制御装置では、車輪がロック
状態に入ろうとする場合を除いて、減圧ピストンの一端
が臨む制御室に、マスタシリンダの出力油圧よりも高く
かつ一定の液圧が液圧源から作用している。一方、減圧
ピストンの他端が臨む減圧室には、ブレーキ操作時にそ
の操作量に応じたマスタシリンダの出力油圧が作用して
いる。したがって車輪がロックを生じそうになったとき
に、制御室の液圧を解放して減圧ピストンを減圧室の容
積が大きくなる側に移動せしめるときに、ブレーキ操作
量が小さかった状態すなわち減圧室の油圧が比較的低か
ったときの減圧ピストンの移動開始時期が、ブレーキ操
作量が大きかった状態すなわち減圧室の油圧が比較的高
かったときの減圧ピストンの移動開始時期に比べて遅れ
ることになり、アンチロック制御の応答性がブレーキ操
作量に応じて変化することになる。
【0004】また上述のように制御室にマスタシリンダ
の出力油圧よりも高くかつ一定の液圧が作用しているこ
とにより、制御室をシールすべく減圧ピストンに設けら
れているシール部材に、大きな負荷が長時間にわたって
作用することになり、シール部材の信頼性向上のために
は、負荷の軽減が望ましい。
【0005】さらに、制御室の液圧解放後、液圧を制御
室に再度作用させるときの応答性を考慮すると、液圧解
放時にも制御室に或る程度の作動液が残っているように
することが望ましい。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、制御室に作用する液圧をマスタシリンダの出
力油圧に比例させるようにして、アンチロック制御時の
応答性をブレーキ操作量にかかわらずほぼ一定とすると
ともにシール部材等の信頼性向上を図り、しかも制御液
圧にヒステリシスをもたせるようにして制御室への制御
液圧の供給遅れを防止するとともに液圧源の消費動力低
減を図った車両用ブレーキ油圧制御装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、制御弁および液圧源間には、マス
タシリンダの出力ポートからの油圧およびばね力で開き
側にかつ出力室の液圧で閉じ側に付勢され該出力ポート
からの油圧に応じて前記液圧源からの液圧を比例的に減
圧して出力室に出力すべく作動する第1調圧弁と、リザ
ーバに通じる開放室および前記出力室間に介装され前記
出力ポートからの油圧およびばね力で閉じ側にかつ出力
室の液圧で開き側に付勢される第2調圧弁とを有する液
圧制御手段が介装される。
【作 用】 マスタシリンダの出力油圧が上昇する際に
は、その油圧上昇に応じて液圧制御手段の第1調圧弁が
液圧源からの液圧を比例的に減圧して出力室に供給し、
またマスタシリンダの出力油圧が下降する際には、その
油圧下降に応じて液圧制御手段の第2調圧弁が出力室の
液圧をリザーバ側に排出するから、出力室に連なる制御
室には、液圧源からの液圧がマスタシリンダの出力油圧
に応じて比例的に減圧されて作用すると共に、第1,第
2調圧弁の開弁特性の適宜選定により制御室の液圧変化
に所定幅のヒステリシスをもたせることができる。 かく
して、車輪がロックしそうになって制御室の液圧を解放
する際に、該制御室の液圧はマスタシリンダの出力油
圧、従って減圧室の油圧に比例したものとなっているか
ら、制御室の液圧を低下させてアンチロック制御を実行
する時の減圧ピストンの作動応答性がマスタシリンダの
出力油圧の高低に関係なく常に略一定となる。またこの
ように制御室に作用する液圧がマスタシリンダの出力油
圧に比例したものとなることで、制御室をシールするた
めのシール部材に大きな負荷が長時間に亘り作用し続け
ることが回避される。それと共に、非制動時でも制御室
にある程度の液圧が作用しているので、制動開始時の制
御室への制御液圧の供給遅れが防止される。また非制動
時および制動時にかかわらず、制御液圧は一定の幅内に
維持されるので、調圧作用が頻繁に行われずに済む。
【0008】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。
【0009】先ず本発明の第1実施例を示す図1におい
て、マスタシリンダMの出力ポート1から延出する油路
2と、車輪Wに装着された車輪ブレーキBに通じる油路
3との間に、弁函4が設けられる。この弁函4内には、
減圧手段5と、安全手段6とが設けられており、それら
の手段5,6の作動がアンチロック制御手段7および液
圧制御手段8によって制御される。
【0010】アンチロック制御手段7は、従来良く知ら
れており、液圧源11と、平時は開いている第1制御弁
12と、平時は閉じている第2制御弁13とを備える。
液圧源11は、リザーバRから作動液を汲み上げる液圧
ポンプPと、アキュムレータAcとで構成される。また
第1および第2制御弁12,13は、電磁弁であり、車
輪Wがロックしそうになったことが図示しない車輪速度
センサなどで検出されたときに第1制御弁12は閉弁
し、第2制御弁13は開弁する。
【0011】上記アンチロック制御手段7における液圧
源11と第1制御弁12との間には、液圧制御手段8が
介装される。この液圧制御手段8は、液圧源11からの
液圧をマスタシリンダMの出力油圧に応じて比例的に減
圧するものであり、液圧源11に接続された液圧路10
と、第1制御弁12を途中に備える液圧路15との間に
介装される。
【0012】液圧制御手段8のケーシング60内には、
第1調圧弁61と、第2調圧弁62とが設けられる。第
1調圧弁61は、球状の弁体63と、該弁体63を閉弁
側に付勢するばね64と、弁体63を開弁側に押圧する
ための駆動棒65を一端に備える第1プランジャ66と
を備える。弁体63およびばね64は、液圧路10に連
通してケーシング60に設けられた弁室67に収容さ
れ、第1プランジャ66は弁室67と同軸にしてケーシ
ング60に穿設された第1摺動孔68内に軸方向摺動自
在に嵌合される。第1摺動孔68の一端と第1プランジ
ャ66の一端との間には液圧路15に連通する出力室6
9が画成されており、この出力室69と弁室67との間
にわたって弁孔70が設けられる。前記駆動棒65は、
第1プランジャ66の一端に同軸に突設されており、弁
孔70を貫通して弁体63に当接可能である。
【0013】また第2調圧弁62は、出力室69に連通
して第1プランジャ66の他端に開口した弁孔71と、
該弁孔71を開閉すべく棒状に形成された弁体72を備
える第2プランジャ73と、第2プランジャ73を開弁
側に付勢するばね74とを備える。第2プランジャ73
は第1摺動孔68と同軸にしてケーシング60に穿設さ
れた第2摺動孔75内に摺動自在に嵌合され、この第2
プランジャ73の一端と第2摺動孔75の一端との間に
開放室76が画成され、開放室76は通孔77を介して
第1摺動孔68の他端側に連なる。また前記弁体72は
通孔77を貫通して弁孔71を塞ぐべく第2プランジャ
73の一端に一体的に突設される。また第2摺動孔75
の他端と第2プランジャ73との間に画成される調圧室
78は、油路9を介してマスタシリンダMの出力ポート
1に連通され、この調圧室78にはばね74が収容され
る。さらに、開放室76は解放路14を介してリザーバ
Rに連通される。
【0014】このような液圧制御手段8においては、非
制動時に出力室69の液圧PCが予め定めた最小値PL
より低下すると、ばね74による右動力と、最小値PL
に第1プランジャ66の断面積を乗じた値による左動力
とがバランスする位置まで第1プランジャ66が右動
し、第1調圧弁61が開弁する。これにより液圧源11
からの液圧が出力室69に供給されて出力室69の油圧
が上昇し、第1プランジャ66が左動して第1調圧弁6
1が再び閉じる。また出力室69の液圧が予め定めた最
大値PHよりも上昇すると、第1プランジャ66は左動
するが、第1プランジャ66は第1摺動孔68の端壁に
よりその左動を規制される。この状態で、弁孔71から
弁体72の端面に作動する出力室69の液圧により弁体
72にかかる左動力がばね74による右動力よりも大に
なると、第2調圧弁62が開口し、弁体72に作用する
液圧による左動力と、ばね74により右動力とがバラン
スするまで出力室69の液圧を開放室76からリザーバ
Rに逃す。このようにして、非制動時の出力室69の液
圧PCは最小値PLと最大値PHとの間に維持される。
【0015】また制動時には、マスタシリンダMの出力
ポート1からの油圧が調圧室78に作用し、第1および
第2プランジャ68,73を右側に付勢する。これによ
り、第1プランジャ66には、調圧室78の油圧を第2
プランジャ73の断面積に乗じた力と、ばね74のばね
力とが右動力として作用し、出力室69の液圧を第1プ
ランジャ66の断面積に乗じた力が左動力として作用す
るので、出力室69には液圧源11からの液圧が調圧室
78の油圧すなわちマスタシリンダMの出力油圧に応じ
て比例的に減圧して供給される。しかも第2調圧弁62
は、ばね74のばね力と調圧室78の油圧を第2プラン
ジャ73の断面積に乗じた力とによる弁体72の右動力
よりも、出力室69の液圧を弁体72の断面積に乗じた
力による左動力が大となったときに開弁する。
【0016】このようにして、液圧制御手段8の出力室
69からは、図2で示すように、マスタシリンダMから
の制動油圧に比例し、しかも一定の幅のヒステリシスを
有する液圧が導出される。
【0017】減圧手段5は、弁函4に設けられたシリン
ダ部17に摺合する減圧ピストン18と、減圧ピストン
18の一端が臨みばね16が収容された制御室19と、
減圧ピストン18の他端が臨む減圧室20と、減圧ピス
トン18の外周に設けられた環状溝21およびシリンダ
部17の内面で画成される入力油圧室22と、入力油圧
室22および減圧室20間に介装される弁機構23とを
備える。
【0018】シリンダ部17は、弁函4に穿設された有
底穴の開口端をキャップ24で閉塞することによって形
成され、シリンダ部17の一方の端壁と減圧ピストン1
8の一端とで制御室19が画成され、キャップ24と減
圧ピストン18の他端とで減圧室20が画成される。減
圧ピストン18の外面には、シリンダ部17の内面に摺
接する一対のシール部材90,91が環状溝21よりも
制御室19側に装着されるとともに、シリンダ部17の
内面に摺接するシール部材92が環状溝21よりも減圧
室20側に装着される。
【0019】制御室19に連通すべく前記シリンダ部1
7の端壁に穿設された接続孔25には第1制御弁12を
備える液圧路15が接続される。したがって制御室19
には液圧制御手段8からの制御液圧が導入される。また
弁函4には、入力油圧室22に常時連通する入口油路2
6が穿設されており、この入口油路26にはマスタシリ
ンダMの出力ポート1に連なる油路2が接続される。
【0020】弁機構23は、弁室27内に収容された弁
体28と、該弁体28が着座し得る弁座29を有し減圧
ピストン18に螺着される弁座部材30と、弁室27内
に収容され前記弁体28を弁座29側に向けて付勢する
ばね31とを備える。減圧ピストン18には、その他端
側から中央部付近に至る有底穴が穿設されており、その
有底穴の開口端に、弁孔32を有する基本的に円筒状の
弁座部材30を螺着することにより、弁室27が画成さ
れる。弁座部材30の弁室27に臨む端面には、減圧ピ
ストン18の他端側に向かうにつれて小径となる円錐状
の弁座29が設けられる。また、減圧ピストン18に
は、弁室27および入力油圧室22間を連通する連通孔
33が穿設されており、したかって、マスタシリンダM
の出力ポート1からの圧油は弁室27に導入される。弁
体28は、弁座部材30に挿通される支持棒34の弁室
27内に臨む端部に一体的に設けられ、弁座29側に向
けて凸の半球状に形成される。また支持棒34の長さ
は、弁孔32の長さよりも大きく設定される。減圧ピス
トン18の他端部は、減圧ピストン18がキャップ24
に当接した状態でも減圧室20を確保すべく小径とされ
ており、その小径部35および弁座部材30の端面に
は、減圧室21と弁孔32とを連通する連通溝36が穿
設される。
【0021】弁函4には、減圧手段5の入力油圧室22
に一端が常時連通する第1油路37と、減圧室20に一
端が常時連通する第2油路38とがそれぞれ穿設され
る。
【0022】安全手段6は、前記シリンダ部17と平行
に弁函4に設けられたシリンダ部39に摺合する安全ピ
ストン40と、安全ピストン40の一端が臨む液圧室4
1と、安全ピストン40の他端が臨む出力油圧室42
と、第1油路37および出力油圧室42間に介装される
第1安全弁43と、第2油路38および出力油圧室42
間に介装される第2安全弁44とを備える。
【0023】シリンダ部39は、弁函4に穿設された有
底穴の開口端をキャップ45で閉塞することによって形
成され、シリンダ部39の一方の端壁と安全ピストン4
0の一端とで液圧室41が画成され、キャップ45と安
全ピストン40の他端とで出力油圧室42が画成され
る。安全ピストン40の外面には、第1油路37に通じ
る環状溝55が設けられるとともに、該環状溝55より
も液圧室41側でシリンダ部39の内面に摺接する一対
のシール部材93,94と、環状溝55よりも出力油圧
室42側でシリンダ部39の内面に摺接するシール部材
95とが装着される。
【0024】液圧室41に連通すべく前記シリンダ部3
9の端壁に穿設された接続孔46には、第1制御弁12
よりも上流側で液圧路15から分岐した液圧路47が接
続される。これにより、液圧室41には液圧制御手段8
からの制御液圧が供給される。また弁函4には、出力油
圧室42に常時連通する出口油路48が穿設されてお
り、この出口油路48には車輪ブレーキBに通じる油路
3が接続される。
【0025】第1安全弁43は、シリンダ部39に開口
した第1油路37に連通する第1弁孔49と、第1弁孔
49の開口端で出力油圧室42に臨んで安全ピストン4
0に設けられた弁座50に着座し得る球状の弁体51
と、キャップ45に一体的に突設され前記弁体51を支
承する支持突部52とを備える。すなわち、安全ピスト
ン40の他端には、凹所53が同心に設けられ、この凹
所53内に前記支持突部52を緩挿することにより、弁
室54が画成される。第1弁孔49は、凹所53の底部
に臨んで開口されており、弁座50は凹所53の底部で
円錐状に形成される。しかも安全ピストン40の外周に
設けられている環状溝55を介して第1弁孔49が第1
油路37に常時連通する。弁体51は弁室54に収容さ
れており、安全ピストン40がその他端側に最大限変位
したときに、支持突部52に当接して移動を規制され、
弁座50に着座して第1弁孔49を閉塞する。またその
状態から安全ピストン40が一端側に変位したときに、
弁体51が弁座50から離反することが可能となり、第
1弁孔49および出力油圧室42が連通する。
【0026】第2安全弁44は、安全ピストン40自体
と、一端が出力油圧室42に連通しかつ他端が安全ピス
トン40の外周面に開口するようにして安全ピストン4
0に穿設された第2弁孔56とによって構成される。す
なわち、第2弁孔56は、安全ピストン40がその他端
側に最大限変位しているときに、シリンダ部39に開口
した第2油路38と連通し、安全ピストン40が一端側
に変位したときに第2油路38との連通が断たれるよう
にして配設される。
【0027】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、先ずアンチロック制御手段7が正常に作動してい
る場合を想定する。この場合には、車輪Wがロック状態
に入るときを除いては、減圧手段5の制御室19および
安全手段6の液圧室41にマスタシリンダMの出力油圧
に比例した制御油圧が液圧制御手段8から導入されてお
り、減圧ピストン18および安全ピストン40はそれぞ
れ他端側に付勢され、弁機構23は開き、第1安全弁4
3は閉じ、第2安全弁44は開かれている。したがっ
て、ブレーキペダルBpのブレーキ操作に応じてマスタ
シリンダMの出力ポート1から出力される油圧は、減圧
室20から第2油路38、第2弁孔56、出力油圧室4
2、出口油路48および油路3を介して車輪ブレーキB
に供給され、制動力を得ることができる。
【0028】このような状態で、車輪Wがロックしそう
になると、減圧手段5における制御室19の液圧が解放
され、減圧ピストン18はその一端側に移動する。した
がって弁機構23の弁体28が弁座29に着座して閉弁
するとともに、減圧室20の容積が大となり、その油圧
が低下する。これにより、車輪ブレーキBの油圧が低下
して制動力が弱められ、車輪Wがロック状態になるとこ
とが回避される。
【0029】ところで、液圧源11と制御弁12,13
間には、前記第1及び第2調圧弁61,62を有する液
圧制御手段8が介装されているので、マスタシリンダM
の出力ポート1からの油圧が上昇する際には、その上昇
に応じて第1調圧弁61が液圧源11からの液圧を比例
的に減圧して出力室69に供給し、また同出力ポート1
からの油圧が下降する際には、その下降に応じて第2調
圧弁62が出力室69の液圧をリザーバR側に排出し、
この結果、出力室69に連なる制御室19には、液圧源
11からの液圧をマスタシリンダMの出力油圧に応じて
比例的に減圧して作用させることができると共に、第
1,第2調圧弁61,62の開弁特性の相違により制御
室19の液圧変化に所定幅のヒステリシスをもたせるこ
とができる。かくして車輪Wがロックしそうになって制
御室19の液圧を解放する際に、その制御室19の液圧
マスタシリンダMの出力油圧、従って減圧室20の油
圧に比例したものとなっているから、制御室19の液圧
を低下させてアンチロック制御を実行するときの減圧ピ
ストン18の作動応答性をマスタシリンダMの出力油圧
にかかわらずほぼ一定とすることができる。また制御室
19および液圧室41に作用する液圧がマスタシリンダ
Mの出力油圧に対応するものとなることにより、制御室
19をシールするシール部材90ならびに液圧室41を
シールするシール部材93にかかる負荷を軽減し、それ
らのシール部材90,93の信頼性を向上することがで
きる。
【0030】それとともに、非制動時でも制御室19に
はある程度の液圧が作用しているので、制動開始時の制
御室19への制御液圧の供給遅れが防止され、誤作動を
防止することができる。また非制動時および制動時にか
かわらず、液圧制御手段8から出力される制御液圧が一
定の幅内に維持されるので、調圧作用が頻繁に行われず
にすみ、液圧源11の消費動力が低減される。
【0031】次に、アンチロック制御手段7における液
圧源11の液圧ポンプPが故障して、減圧手段5におけ
る制御室19の油圧が極端に低下したときを想定する。
この制御室19の液圧低下に応じて減圧ピストン18は
その一端側に変位し、弁機構23は閉弁する。ところ
が、液圧源11の故障に応じて、安全手段6における液
圧室41の油圧も低下するので、安全ピストン40もそ
の一端側に変位して、第1安全弁43が開くとともに、
第2安全弁44が閉じる。この状態でブレーキペダルB
pを踏んでブレーキ操作を行うと、弁機構23が閉弁し
ていても第1安全弁43が開いているので、マスタシリ
ンダMの出力ポート1からのブレーキ油圧が、油路2、
入口油路26、入力油圧室22、第1油路37、第1弁
孔49、出力油圧室42、出口油路48および油路3を
経て車輪ブレーキBに作用する。したがって、アンチロ
ック制御手段7における液圧源11の故障にもかかわら
ず、通常のブレーキ機能が確保される。
【0032】しかも、液圧源11の故障時には、第2安
全弁44が閉じられているので、出力油圧室42と減圧
室20とは遮断されており、ブレーキ油圧が減圧室20
に作用して減圧ピストン40をさらに一端側に押圧する
ことはなく、減圧室20の容積を増加させるだけのブレ
ーキ油圧を余分に供給することが防止され、マスタシリ
ンダMからのブレーキ油圧供給量の増加を抑えることが
できる。
【0033】図3は本発明の第2実施例を示すものであ
り、前述の第1実施例に対応する部分には同一の参照符
を付す。
【0034】この第2実施例では、液圧制御手段8′が
安全手段6′と協働すべく弁函4′内に設けられる。
【0035】弁函4′内で減圧手段5′の弁機構23′
は、減圧ピストン18の一端に設けられた駆動棒80で
弁体81を押圧して開弁すべく構成される。また、安全
手段6′はシリンダ部39′内に安全ピストン40′を
摺動自在に嵌合して成り、この安全ピストン40′の外
周面に軸方向に間隔をあけて第1安全弁82および第2
安全弁83が設けられる。すなわち、第1安全弁82お
よび第2安全弁83は、安全ピストン40′の外周に嵌
着されたOリングであり、シリンダ部39′の内面に摺
接した状態で閉弁し、シリンダ部39′の内面との摺接
状態が解除されたときに開弁する。
【0036】安全手段6′において、シリンダ部39′
の一端と安全ピストン40′の一端との間には、入力油
圧室84が画成されており、この入力油圧室84内には
安全ピストン40′を左側に付勢するばね74′が収容
される。しかも入力油圧室84は入口油路26および油
路2を介してマスタシリンダMの出力ポート1に連通さ
れるとともに、弁函4′に穿設された油路85を介して
弁機構23′の上流側の弁室86に連通される。
【0037】一方、弁機構23′の下流側の減圧室2
0′は油路87に連通されており、この油路87は安全
手段6′におけるシリンダ部39′の内側面に開口され
る。また該シリンダ部39′において、油路87と入力
油圧室84との間には環状凹所88が穿設されており、
この環状凹所88は出口油路48および油路3を介して
車輪ブレーキBに連通される。
【0038】安全ピストン40′の外周面には、油路8
7と環状凹所88とを連通し得る環状溝89が設けら
れ、安全ピストン40′の環状溝89から軸方向一端寄
りに第1および第2安全弁82,83が配設される。第
2安全弁83が図3で示すように環状凹所88に対応す
る位置にあるときには、減圧室20′が油路87、環状
溝89、環状凹所88、出口油路48を介して車輪ブレ
ーキBに連通される。また安全ピストン40′が図3で
示す状態から左側に移動して第2安全弁83が油路87
の開口端に対応する位置に移動したときには、油路87
が閉塞されるとともに、第1安全弁82が環状凹所88
に対応する位置に来て、環状凹所88および入力油圧室
84間が連通される。すなわち弁機構23′を迂回する
油路が形成される。
【0039】一方、液圧制御手段8′の第1調圧弁6
1′は、球状の弁体63′と、該弁体63′を閉弁側に
付勢するばね64′と、弁体63′を開弁側に押圧する
ための駆動棒65′を一体に備える第1プランジャ6
6′とを備える。弁体63′およびばね64′は液圧路
10に連通して弁函4′に設けられた弁室67′に収容
され、第1プランジャ66′は弁室76′およびシリン
ダ部39′間で同軸に設けられた摺動孔68′内に摺動
自在に嵌合される。第1プランジャ66′の弁室67′
側の端部と摺動孔68′の端壁との間には前記第1実施
例における液圧室41の機能を兼ねる出力室69′が画
成され、この出力室69′と弁室67′との間にわたっ
て弁孔70′が設けられる。前記駆動棒65′は弁孔7
0′を貫通して弁体63′に当接可能である。また出力
室69′には第1制御弁12を備える液圧路15が接続
され、この液圧路15は減圧手段5′における制御室1
9に接続される。
【0040】液圧制御手段8′の第2調圧弁62′は、
出力室69′に連通して第1プランジャ66′の他端に
開放した弁孔71′と、該弁孔71′を開閉すべく減圧
手段6′の安全ピストン40′に一体的に突設された棒
状の弁体72′とを備える。安全ピストン40′の他端
とシリンダ部39′の他端との間には開放室76′が画
成され、この開放室76′は解放路14を介してリザー
バRに連通される。また摺動孔68′と開放室76′と
の間にわたっては通孔77′が設けられており、弁体7
2′は通孔77′を貫通して弁孔71′を開閉すべく摺
動孔39′側に突出される。
【0041】この第2実施例の作用について説明する
と、液圧制御手段8′の第1調圧弁61′には、入力油
圧室84におけるばね74′のばね力と、入力油圧室8
4に導入されるマスタシリンダMからの制動油圧が開き
側に作用し、出力室69′の油圧が閉じ側に作用する。
また第2調圧弁62′は、弁孔71′から弁体72′に
作用する油圧による力が入力油圧室84内の油圧とばね
74′のばね力とによる安全ピストン40′の左動力に
打ち勝ったときに開弁する。したがって第1実施例の液
圧制御手段8と同様に、液圧制御手段8′の出力室6
9′の液圧は、マスタシリンダMからの制動油圧に比例
し、しかも一定のヒステリシスを有するように制御され
る。
【0042】また出力室69′の液圧が極端に低下する
と、ブレーキペダルBpのブレーキ操作に応じて、安全
ピストン40′が左動するので、第1安全弁82が開弁
し、第2安全弁83が閉弁する。
【0043】この第2実施例によれば、液圧制御手段
8′が安全手段6′と協働すべく弁函4′内にまとめら
れるので、前記第1実施例の効果に加えて、部品点数の
低減および重量の低減を図ることができ、コスト低減が
可能となる。
【0044】また液圧源11の故障および制御油圧の失
陥時の警報用センサとして、あるいは液圧ポンプPの駆
動開始の検知を兼ねる前記警報用センサとして、液圧路
15の途中に液圧スイッチを設けてもよく、そうすれば
液圧スイッチの信頼性が高くなり、しかも常用油圧が低
いので液圧スイッチの重量およびコストの低減が可能と
なる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、マスタシ
リンダの出力油圧が上昇する際には、その油圧上昇に応
じて液圧制御手段の第1調圧弁が液圧源からの液圧を比
例的に減圧して出力室に供給し、またマスタシリンダの
出力油圧が下降する際には、その油圧下降に応じて液圧
制御手段の第2調圧弁が出力室の液圧をリザーバ側に排
出するようにしたので、出力室に連なる制御室には、液
圧源からの液圧をマスタシリンダの出力油圧に応じて比
例的に減圧して作用させることができると共に、第1,
第2調圧弁の開弁特性の適宜選定により制御室の液圧変
化に所定幅のヒステリシスをもたせることができる。そ
の結果、車輪がロックしそうになって制御室の液圧を解
放する際に、該制御室の液圧はマスタシリンダの出力油
圧、従って減圧室の油圧に比例したものとなっているか
ら、制御室の液圧を低下させてアンチロック制御を実行
する時の減圧ピストンの作動応答性がマスタシリンダの
出力油圧の高低に関係なく常に略一定にすることがで
き、また、このように制御室に作用する液圧がマスタシ
リンダの出力油圧に比例したものとなることで、制御室
をシールするためのシール部材に大きな負荷が長時間に
亘り作用し続けることが回避されて、該シール部材の負
荷を軽減し、その信頼性を向上させることができる。
れとともに、非制動時でも制御室にある程度の液圧が作
用しているので、制動開始時の制御室への制御液圧の供
給遅れが防止され、誤作動を防止することができる。ま
た非制動時および制動時にかかわらず、制御液圧は一定
の幅内に維持されるので、調圧作用が頻繁に行われずに
すみ、液圧源の消費動力が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の縦断面図である。
【図2】液圧制御手段の特性図である。
【図3】第2実施例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 出力ポート 5,5′ 減圧手段 7 アンチロック制御手段 8,8′ 液圧制御手段 11 液圧源 12,13 制御弁 19 制御室 20,20′ 減圧室 23,23′ 弁機構 61,61′ 第1調圧弁 62,62′ 第2調圧弁 69,69′ 出力室 B 車輪ブレーキ M マスタシリンダ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪ブレーキ(B)に接続される減圧室
    (20,20′)ならびに制御室(19)に両端を臨ま
    せた減圧ピストン(18)と、制御室(19)の液圧低
    下に伴う減圧ピストン(18)の移動に応じて閉弁すべ
    く構成されてマスタシリンダ(M)の出力ポート(1)
    および車輪ブレーキ(B)間に介装される弁機構(2
    3,23′)とを有する減圧手段(5,5′)と;液圧
    源(11)と、前記制御室(19)に液圧源(11)か
    らの液圧を作用せしめる状態ならびに制御室(19)の
    液圧を解放する状態を切換可能な制御弁(12,13)
    とを有するアンチロック制御手段(7)と;を備える車
    両用ブレーキ油圧制御装置において、前記制御弁(1
    2,13)および液圧源(11)間には、前記マスタシ
    リンダ(M)の出力ポート(1)からの油圧およびばね
    力で開き側にかつ出力室(69,69′)の液圧で閉じ
    側に付勢され該出力ポート(1)からの油圧に応じて
    記液圧源(11)からの液圧を比例的に減圧して出力室
    (69,69′)に出力すべく作動する第1調圧弁(6
    1,61′)と、リザーバ(R)に通じる開放室(7
    6,76′)および前記出力室(69,69′)間に介
    装され前記出力ポート(1)からの油圧およびばね力で
    閉じ側にかつ出力室(69,69′)の液圧で開き側に
    付勢される第2調圧弁(62,62′)とを有する液圧
    制御手段(8,8′)が介装されることを特徴とする車
    両用ブレーキ油圧制御装置。
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