JPH0786331A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH0786331A
JPH0786331A JP5225398A JP22539893A JPH0786331A JP H0786331 A JPH0786331 A JP H0786331A JP 5225398 A JP5225398 A JP 5225398A JP 22539893 A JP22539893 A JP 22539893A JP H0786331 A JPH0786331 A JP H0786331A
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conductive paste
metal foil
foil layer
semiconductor device
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JP5225398A
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Yasuhiko Horio
泰彦 堀尾
Akihito Hatakeyama
秋仁 畠山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ICチップのベアチップ実装時における高密
度化や多端子接続性を確保しながらバンプレスによる微
細接続が可能な半導体装置およびその製造方法を提供す
る。 【構成】 ICチップ1上に被圧縮性を有する多孔質基
材を圧縮してなる層間絶縁層3、ならびに層間絶縁層3
に支持された金属箔層5を有し、金属箔層5が層間絶縁
層3の孔部に埋設した導電性ペースト4を介してICチ
ップ1の電極パッド2と電気的に接続され、かつ金属箔
層5の端部に外部接続用のリード端子5aを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主面上に金属リード
を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、高密度化に伴
い、産業用にとどまらず民生用の分野においてもベアチ
ップ実装に適した半導体装置が強く要望されるようにな
ってきた。このような半導体装置では、ICチップと回
路基板とを直接実装する信頼度の高い接続構造が必要で
ある。
【0003】以下、図面を参照しながら、従来のベアチ
ップ実装用の半導体装置について説明する。図6および
図7は従来のベアチップ実装用半導体装置の構造を示す
断面図である。図6は従来のフリップチップの実装構造
を示すもので、ICチップ21は、電極パッド22上に
下地金属層(図示しない)を介して突起電極23が形成
されている。前記突起電極23には高融点の半田が一般
に使用され、還元雰囲気中で前記半田質の突起電極23
をリフローさせてセラミック等の回路基板24上にフェ
ースダウン接続して使用される。25は導体端子であ
る。
【0004】図7はテープキァリアの実装構造を示すも
ので、フリップチップと同様にICチップ21の電極パ
ッド22上には突起電極23が形成されている。前記突
起電極23は一般に金メッキで構成され、キャリアテー
プ26上の銅箔に錫メッキを施したリード端子27と前
記金の突起電極23とを熱圧着等により合金接続して半
導体装置が構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の方法は高密
度実装が可能で、多端子接続性にも優れることは知られ
ていた。しかし、これらの方法は、何れもICチップの
電極パッド上に突起電極(以下、バンプと称する)が必
要である。前記バンプの形成にはアルミ電極上への下地
金属層の形成や厚手のメッキ処理等煩雑な工程処理と高
額の設備投資を必要とする。これらが実装コスト上昇や
バンプ付きICチップを入手する上での制約となり、汎
用のパッケージIC(例えばQFP)のようには広く使
用されるに至っていない。
【0006】この発明は上記従来の課題を解決するもの
で、ベアチップ実装における高密度化や多端子接続性を
確保しながらバンプレスによる構成が可能な半導体装置
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の半導体装置は、ICチップの電極パッド
形成面に、被圧縮性を有する多孔質基材を圧縮してなる
層間絶縁層を設け、層間絶縁層のICチップ被着面と反
対側の面に、所定の導体パターンを有し端部に外部接続
のためのリード端子を有する金属箔層を被着している。
また、層間絶縁層に設けた貫通孔に、ICチップの電極
パッドと金属箔層の所定の導体パターンとを接続する導
電性ペーストを充填している。
【0008】この発明の第1の半導体装置の製造方法
は、両面に離型フィルムを張り合わせた被圧縮性を有す
る多孔質基材を予備圧縮する。ついで、予備圧縮した多
孔質基材の所定の部位に貫通孔を設ける。ついで、貫通
孔に導電性ペーストを充填する。ついで、貫通孔に導電
性ペーストを充填した多孔質基材を所定の寸法に切断し
た後離型フィルムを剥離する。ついで、多孔質基材の離
型フィルムを剥離した一方の面にICチップの電極パッ
ド形成面を、貫通孔とICチップの電極パッドとを位置
合わせして張り合わせるとともに、多孔質基材の離型フ
ィルムを剥離した他方の面に金属箔層を張り合わせる。
ついで、ICチップおよび金属箔層を張り合わせた多孔
質基材を加熱圧縮し、導電性ペースト中の導電物質を緻
密化する。ついで、金属箔層に貫通孔内の導電性ペース
トにつながる所定の導体パターンおよびリード端子を形
成する。
【0009】この発明の第2の半導体装置の製造方法
は、表面に離型フイルムを張り合わせ、裏面に金属箔層
を被着した被圧縮性を有する多孔質基材を予備圧縮す
る。ついで、予備圧縮した多孔質基材の所定の部位に金
属箔層に達する開口部を設ける。ついで、開口部に導電
性ペーストを充填する。ついで、開口部に導電性ペース
トを充填した多孔質基材を所定の寸法に切断した後離型
フィルムを剥離する。ついで、多孔質基材の離型フィル
ムを剥離した面にICチップの電極パッド形成面を、開
口部とICチップの電極パッドとを位置合わせして張り
合わせる。ついで、ICチップを張り合わせた多孔質基
材を加熱圧縮し、導電性ペースト中の導電物質を緻密化
する。ついで、金属箔層に開口部内の導電性ペーストに
つながる所定の導体パターンおよびリード端子を形成す
る。
【0010】
【作用】この発明によれば、層間絶縁層に、被圧縮性を
有し、例えば芳香族ポリアミド繊維と熱硬化性樹脂の複
合材からなる多孔質基材を使用することによって、多孔
質基材が加熱加圧されて導電性ペーストとともに圧縮さ
れ、ICチップの電極パッドと金属箔層とをバンプレス
の状態で直接接続することが可能となる。また、層間絶
縁層上の金属箔層はその端部にリード端子を備えている
ので、リード端子を利用してICのチップ状態での検査
が容易となる。さらにリード端子はICチップの周囲に
配置してあるので、回路基板に実装した時の実装状態の
確認が正確に行える。
【0011】
【実施例】以下、この発明の半導体装置の一実施例につ
いて、図面を参照しながら説明する。図1にこの発明の
半導体装置の一実施例の構造断面図を示す。この実施例
の半導体装置は、ICチップ1、ICチップの電極パッ
ド2、および層間絶縁層3、導電性ペースト4、ならび
に金属箔層5(図の場合は加工後の金属箔層、つまり所
定の導体パターンおよびリード端子を既に形成した金属
箔層を示す)および金属箔層5のリード端子5aとから
なっている。
【0012】ICチップ1は、シリコンウエハ上に回路
素子等を集積化し、チップ状に分割したもので、公知の
各種ICチップの使用が可能である。また、ICチップ
1上の電極パッド2は、微量のシリコンや銅を含むアル
ミ電極で構成してあるが、その表面にニッケル、銅、金
などの各種電極材料を設けても差し支えない。層間絶縁
層3は、被圧縮性を有する多孔質基材を圧縮してなりI
Cチップ1の電極パッド形成面に設けている。金属箔層
5は、層間絶縁層3のICチップ被着面と反対側の面に
支持され所定の導体パターンを有するとともに端部に外
部接続のためのリード端子5aを有する。導電ペースト
4は層間絶縁層3に埋設されICチップ1の電極パッド
2と金属箔層5の所定の導体パターンとを接続する。
【0013】この実施例の導電性ペースト4を用いた電
極間の接続では、多孔質基材の圧縮性を利用し、導電性
ペースト4中に含まれる金属粒子を緻密化して接続す
る。したがって、図1の層間絶縁層3としては、多孔質
で圧縮性に富む芳香族ポリアミド繊維と熱硬化性樹脂の
複合材が好ましい。導電性ペースト4はバインダとして
フェノール、エポキシなどの熱硬化性樹脂に金属粒子を
分散させたものを主に使用した。この時の導電性ペース
ト4に含まれる導電物質としては、金、銀、銀パラジウ
ム、銅およびこれらの合金の一種以上のものが使用でき
るが、導電物質の形状は球状であることが望ましい。
【0014】すなわち、導電物質として球状の金属粒子
を使用することにより、導電性ペースト4に圧力が加え
られた時、金属粒子同士の接触部が塑性変形しやすいた
めに、金属粒子同士および金属粒子と金属箔とが強固に
結合し、接続時の抵抗を極めて低くすることができる。
このときの金属箔層5および金属箔層5のリード端子5
aは銅箔が一般的である。
【0015】以上のように構成した半導体装置は、回路
基板上に位置合わせして搭載し、半田リフロー等の手段
を用いてリード端子5aを接続して使用するが、その内
容については一般的であるので省略する。つぎに、この
発明の半導体装置の製造方法の第1の実施例について、
図2(a)〜(f)を参照しながら説明する。図2
(a)〜(f)はこの発明の半導体装置の製造方法の第
1の実施例における半導体装置の製造工程を示す工程断
面図である。
【0016】まず図2(a)に示すように、両面にポリ
エステルなどの離型フィルム11を備えた多孔質基材1
2を準備する。この多孔質基材12としては、例えば芳
香族ポリアミド繊維に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させ
た内部に気泡を有する複合材からなる基材(以下、アラ
ミド・エポキシシートと称する)が用いられる。ここ
で、空孔12aのアラミド・エポキシシート12に対す
る体積の比率は10〜60%である。このアラミド・エ
ポキシシート12の厚さをt1 とする。
【0017】つぎに、図2(b)に示すように、アラミ
ド・エポキシシート12を100℃、25kg/cm2で3分
間加熱加圧して予備圧縮を行う。このときのアラミド・
エポキシシート12はその厚さがt2 に圧縮され、空孔
率が減少するとともに、空孔12aの形状も小さくな
る。この予備圧縮の目的は、離型フイルム11とアラミ
ド・エポキシシート12との密着性を向上させることに
より以降の工程において、アラミド・エポキシシート1
2とICチップ1、および金属箔層5との界面に導電性
ペースト4が侵入するのを防止することと、導電性ペー
スト4中のバインダがアラミド・エポキシシート12側
へ浸透する量を抑制することにある。
【0018】つぎに、図2(c)に示すように、アラミ
ド・エポキシシート12の所定の箇所にレーザ加工法な
どを利用して貫通孔13を形成する。つぎに、図2
(d)に示すように、貫通孔13に導電性ペースト4を
充填する。導電性ペースト4を充填する方法としては、
貫通孔13を有するアラミド・エポキシシート12を印
刷機(図示せず)のテーブル上に設置し、直接導電性ペ
ースト4を離型フィルム11の上から印刷する。このと
き、上面の離型フィルム11は印刷マスクの役割と、ア
ラミド・エポキシシート12の表面の汚染防止の役割を
果たしている。
【0019】つぎに、アラミド・エポキシシート12を
レーザ加工により所定の寸法に切断した後、アラミド・
エポキシシート12の両面から離型フィルム11を剥離
し、図2(e)に示すようにアラミド・エポキシシート
12の片側の面にICチップ1の電極パッド形成面を、
電極パッド2と貫通孔13とを位置合わせして張り付け
るとともに、もう一方の面に金属箔層5を位置合わせし
て張り付ける。この状態で加熱加圧することにより、図
2(f)に示すように、アラミド・エポキシシート12
が圧縮されるとともにアラミド・エポキシシート12と
ICチップ1および金属箔層5とが接着され、同時に導
電性ペースト4を介してICチップ1の電極パッド2と
金属箔層5とが電気的に接続される。
【0020】ここで、加熱加圧の条件は、真空中で60
kg/cm2 の圧力を加えながら室温から30分で20
0℃まで昇温し、200℃で60分保ち、その後30分
で室温まで降温する。この工程において導電性ペースト
4も圧縮されるが、そのときに導電物質間からバインダ
成分が押し出され、導電物質同士および導電物質と金属
箔間の結合が強固になるとともに、アラミド・エポキシ
シート12の厚さはt 3 に圧縮され、アラミド・エポキ
シシート12の一構成成分であるエポキシ樹脂および導
電性ペースト4が硬化する。最後に、金属箔層5をエッ
チング加工すると、図1に示した導電性ペースト4につ
ながる所定の導体パターンおよびリード端子5aが得ら
れる。
【0021】この実施例をさらに詳しく説明すると、ア
ラミド・エポキシシート12として厚さt1 が150〜
220μm、空孔率が10〜60%のアラミド・エポキ
シシートを用いた場合、図2(b)に示す加熱加圧によ
る予備圧縮工程の後の厚さ、すなわちt2 は100〜1
50μm、空孔率は10〜30%となり、空孔12aの
形状も小さくなっている。さらに、図2(f)に示す圧
縮工程の後の厚さ、すなわちt3 は90〜100μm、
空孔率は0〜5%となり、空孔12aの形状もさらに小
さくなっている。
【0022】つぎに、この発明の半導体装置の製造方法
の第2の実施例について、図3(a)〜(f)を参照し
ながら説明する。図3(a)〜(f)はこの発明の半導
体装置の製造方法の第2の実施例における半導体装置の
製造工程を示す工程断面図である。まず、図3(a)に
示すように、表面に離型フィルム11、裏面に金属箔層
4を張り付けた厚さt4 のアラミド・エポキシシート1
2を準備する。このアラミド・エポキシシート12とし
ては、半導体装置の製造方法の第1の実施例と同様に、
内部に空孔12aを有するアラミド・エポキシシートが
用いられる。
【0023】つぎに、図3(b)に示すように、アラミ
ド・エポキシシート12を100℃、25kg/cm2
で3分間加熱加圧して予備圧縮を行う。このときのアラ
ミド・エポキシシート12はその厚さがt5 に圧縮さ
れ、空孔率が減少するとともに、空孔12aの形状も小
さくなる。この予備圧縮の目的は、離型フィルム11と
アラミド・エポキシシート12との密着性を向上させる
ことにより以降の工程において、アラミド・エポキシシ
ート12とICチップ1および金属箔層5との界面に導
電性ペースト4が侵入するのを防止することと、導電性
ペースト4中のバインダがアラミド・エポキシシート1
2側へ浸透する量を抑制することにある。
【0024】つぎに、図3(c)に示すように、アラミ
ド・エポキシシート12の所定の箇所にレーザ加工法な
どを利用して金属箔層4に達する開口部14を形成す
る。つぎに、図3(d)に示すように、開口部14に導
電性ペースト4を充填する。導電性ペースト4を充填す
る方法としては、開口部14を有するアラミド・エポキ
シシート12を印刷機(図示せず)のテーブル上に設置
し、直接導電性ペースト4を離型フィルム11の上から
印刷する。このとき、上面の離型フィルム11は印刷マ
スクの役割と、アラミド・エポキシシート12の表面の
汚染防止の役割を果たしている。つぎに、アラミド・エ
ポキシシート12をレーザ加工して所定の寸法に切断し
た後、アラミド・エポキシシート12の上面から離型フ
イルム11を剥離する。
【0025】ついで、図3(e)に示すように、アラミ
ド・エポキシシート12の上面にICチップ1の電極パ
ッド2を位置合わせして張り付ける。この状態で加熱加
圧することにより、図3(f)に示すように、アラミド
・エポキシシート12が圧縮されるとともにアラミド・
エポキシシート12の上面にはICチップ1が、下面に
は金属箔がそれぞれ接着される。この工程において、導
電性ペースト4も圧縮されるが、そのときに導電物質間
からバインダ成分が押し出され、導電物質同士および導
電物質と金属箔間の結合が強固になるとともに、アラミ
ド・エポキシシート12の厚さはt6 に圧縮され、アラ
ミド・エポキシシート12の一構成成分であるエポキシ
樹脂および導電性ペースト4が硬化する。最後に金属箔
層5をエッチング加工して図1に示した導電ペースト4
につながる導体パターンならびにリード端子5aが得ら
れる。
【0026】この実施例をさらに詳しく説明すると、ア
ラミド・エポキシシート12として厚さt4 が150〜
220μm、空孔率が10〜60%のアラミド・エポキ
シシートを用いた場合、図2(b)に示す加熱加圧によ
る予備圧縮工程の後の厚さ、すなわちt5 は100〜1
50μm、空孔率は10〜30%となり、空孔12aの
形状も小さくなっている。さらに、図2(f)に示す圧
縮工程の後の厚さ、すなわちt6 は90〜100μm、
空孔率は0〜5%となり、空孔12aの形状もさらに小
さくなっている。
【0027】以上説明した半導体装置の製造方法の第1
および第2の実施例において使用する導電性ペースト4
に含有される導電物質としては、金、銀、銀パラジウ
ム、銅およびこれらの合金の一種以上のものが使用でき
る。また、導電物質の形状は球状であることが望まし
い。すなわち、導電物質として球状の金属粒子を使用す
ることにより、導電性ペースト4に圧力が加えられたと
き、金属粒子同士の接触部が塑性変形しやすいために金
属粒子同士および金属粒子と金属箔とが強固に結合し、
電気的接続を安定することができる。
【0028】つぎに、半導体装置の製造方法の第1およ
び第2の実施例において、特に重要な意味を持つ、加熱
加圧による多孔質基材の圧縮について説明する。圧縮率
は加熱加圧前の多孔質基材の厚さをT、加熱加圧後のア
ラミド・エポキシシート12の厚さをtとして式(1)
で表される。 圧縮率=(T−t)/T ・・・(1) 図4は多孔質基材を圧縮するプレス圧力と圧縮率および
厚さの関係を示す図である。さらに詳しく説明すると、
多孔質基材として厚さ200μm、空孔率40%のアラ
ミド・エポキシシートを使用し、100℃、20kg/
cm2 で3分間加圧したときのプレス圧力と圧縮率およ
び厚さとの関係を示したものである。
【0029】図4に示すように、プレス圧力の増大とと
もに多孔質基材の厚さは減少するが、プレス圧力が圧縮
率の転移点Pを越えると厚さの変化は小さくなる。圧縮
率はこの厚さの変化を式(1)に代入して求めたもので
ある。したがって、図3の実施例における図3(b)の
工程で行う予備圧縮は図4に示す圧縮率の転移点Pに達
するまでの領域で行い、図3(f)の工程および図2
(e)の工程で行う圧縮は圧縮率はの転移点P以降の領
域で行うことが望ましい。
【0030】図5は圧縮率と貫通孔に充填された導電性
ペーストの抵抗値との関係を示す図であり、縦軸は貫通
孔1個あたりの抵抗値を示している。図5の測定に使用
した試料はつぎのようにして作成した。まず多孔質基材
として厚さ200μmのアラミド・エポキシシートを使
用し、100℃、25kg/cm2 で3分間予備圧縮を
行った後、レーザ加工法を用いて直径0.2mmの貫通
孔を形成した。
【0031】つぎに、この貫通孔に、金属粒子として銀
パウダーをバインダとしての無溶剤型のエポキシ樹脂に
分散させた導電性ペーストを充填した後、アラミド・エ
ポキシシートの一方の面にICチップの電極パッドを、
もう一方の面に金属箔を張り合わせ、真空中で60kg
/cm2 の圧力を加えながら室温から30分で200℃
まで昇温し、200℃で60分間保ち、その後30分で
室温まで降温した。つぎに片面の銅箔をエッチングして
500個の貫通孔が直列に接続された回路パターンを形
成した。この回路パターンの総抵抗値を測定し、貫通孔
1個当たりの抵抗値を算出した。
【0032】図5に示すように、抵抗値は圧縮率の増加
とともに急激に減少し、その圧縮率が抵抗値の転移点R
を越えると抵抗値の変化は小さくなり、安定した電気的
接続が得られた。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば、層間絶縁層として、
被圧縮性を有し芳香族ポリアミド繊維と熱硬化性樹脂か
らなる多孔質基材を使用することによって、多孔質基材
が加熱加圧されて導電性ペーストとともに圧縮されてI
Cチップのパッドと金属箔層とをバンプを介さずに直接
接続することが可能となる。また、層間絶縁層上の金属
箔層はその端部にフィンガ状のリード端子を備えている
ので、リード端子を利用してICチップの検査、ならび
に回路基板実装時のリード端子部の接続状態の確認を正
確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の半導体装置の一実施例の断面図であ
る。
【図2】(a)〜(f)はこの発明の半導体装置の製造
方法の第1の実施例を示す工程断面図である。
【図3】(a)〜(f)はこの発明の半導体装置の製造
方法の第2の実施例を示す工程断面図である。
【図4】多孔質基材を圧縮するプレス圧力と圧縮率およ
び厚さの関係を示す特性図である。である。
【図5】圧縮率と貫通孔に充填された導電性ペーストの
抵抗値との関係を示す特性図である。
【図6】従来のフリップチップ法を示す半導体装置の断
面図である。
【図7】従来のテープキァリア法を示す半導体装置の断
面図である。
【符号の説明】
1 ICチップ 2 ICチップの電極パッド 3 層間絶縁層 4 導電性ペースト 5 金属箔層 5a 金属箔層のリード端子 11 離型フイルム 12 アラミド・エポキシシート(多孔質基材) 12a 空孔 13 貫通孔 14 開口部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ICチップと、被圧縮性を有する多孔質
    基材を圧縮してなり前記ICチップの電極パッド形成面
    に設けた層間絶縁層と、この層間絶縁層の前記ICチッ
    プ被着面と反対側の面に支持され所定の導体パターンを
    有するとともに端部に外部接続のためのリード端子を有
    する金属箔層と、前記層間絶縁層に埋設され前記ICチ
    ップの電極パッドと前記金属箔層の所定の導体パターン
    とを接続する導電性ペーストとを備えた半導体装置。
  2. 【請求項2】 多孔質基材が芳香族ポリアミド繊維と熱
    硬化性樹脂との複合材である請求項1記載の半導体装
    置。
  3. 【請求項3】 導電性ペースト中に含まれる導電物質
    が、銀、金、銅、銀パラジウム、およびこれらの合金の
    内の一種以上からなる請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 両面に離型フィルムを張り合わせた被圧
    縮性を有する多孔質基材を予備圧縮する工程と、 前記予備圧縮した多孔質基材の所定の部位に貫通孔を設
    ける工程と、 前記貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、 前記貫通孔に前記導電性ペーストを充填した前記多孔質
    基材を所定の寸法に切断した後前記離型フィルムを剥離
    する工程と、 前記多孔質基材の前記離型フィルムを剥離した一方の面
    にICチップの電極パッド形成面を、前記貫通孔と前記
    ICチップの電極パッドとを位置合わせして張り合わせ
    るとともに、前記多孔質基材の前記離型フィルムを剥離
    した他方の面に金属箔層を張り合わせる工程と、 前記ICチップおよび前記金属箔層を張り合わせた前記
    多孔質基材を加熱圧縮し、前記導電性ペースト中の導電
    物質を緻密化する工程と、 前記金属箔層に前記貫通孔内の導電性ペーストにつなが
    る所定の導体パターンおよびリード端子を形成する工程
    とを含む半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 表面に離型フイルムを張り合わせ、裏面
    に金属箔層を被着した被圧縮性を有する多孔質基材を予
    備圧縮する工程と、 前記予備圧縮した多孔質基材の所定の部位に金属箔層に
    達する開口部を設ける工程と、 前記開口部に導電性ペーストを充填する工程と、 前記開口部に前記導電性ペーストを充填した前記多孔質
    基材を所定の寸法に切断した後前記離型フィルムを剥離
    する工程と、 前記多孔質基材の前記離型フィルムを剥離した面にIC
    チップの電極パッド形成面を、前記開口部と前記ICチ
    ップの電極パッドとを位置合わせして張り合わせる工程
    と、 前記ICチップを張り合わせた前記多孔質基材を加熱圧
    縮し、前記導電性ペースト中の導電物質を緻密化する工
    程と、 前記金属箔層に前記開口部内の導電性ペーストにつなが
    る所定の導体パターンおよびリード端子を形成する工程
    とを含む半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 多孔質基材が芳香族ポリアミド繊維と熱
    硬化性樹脂との複合材である請求項4または請求項5記
    載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 導電性ペースト中の導電物質が、銀、
    金、銅、銀パラジウムおよびこれらの合金の内の一種以
    上からなる請求項4または請求項5記載の半導体装置の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7247508B2 (en) 2001-04-25 2007-07-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Semiconductor device with intermediate connector
JP2008066685A (ja) * 2005-10-17 2008-03-21 Seiko Instruments Inc 半導体装置およびその製造方法
JP2010258284A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Panasonic Corp 電子部品の実装方法および実装構造体

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