JPH0786146B2 - 撥水撥油防汚性被膜及びその製造方法 - Google Patents
撥水撥油防汚性被膜及びその製造方法Info
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- JPH0786146B2 JPH0786146B2 JP3036773A JP3677391A JPH0786146B2 JP H0786146 B2 JPH0786146 B2 JP H0786146B2 JP 3036773 A JP3036773 A JP 3036773A JP 3677391 A JP3677391 A JP 3677391A JP H0786146 B2 JPH0786146 B2 JP H0786146B2
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Description
ス、セラミック、金属、プラスチック製品およびそれら
製品の製造方法に関するものである。
ラス、光学レンズ、眼鏡用レンズ、建物の窓ガラス等の
ガラス製品、また衛生陶器、食器、花器、水槽等のセラ
ミック製品、またサッシ、ドアなどの建材、建物の外壁
等の金属製品、また家具やカバー用フィルム、化粧版、
パネル等のプラスチック製品で代表されるガラス、セラ
ミック、金属、プラスチック製品およびそれら製品など
には、撥水撥油防汚性が従来から要求されている。
チック製品の汚れを防止するためには、表面をできるだ
け滑らかにするしか方法がなかった。また、ガラス表面
の曇を防止するには、親水性のポリマーをコートする方
法が用いられているが、効果は一時的なものであった。
また金属などにおいては、表面をフッ素樹脂などでコー
トする方法がある。この場合、フッ素樹脂は弗素エナメ
ルを薄く塗布した後、焼き付け塗装することにより、コ
ーティングする手段がとられる。またそのほかの樹脂コ
ーティングにおいては、溶剤に溶解または懸濁させた塗
料を塗布して溶剤を乾燥するとか、焼き付け硬化させる
手段などが採られる。また、特開昭58−147483
号公報、同60−40254号公報、特開平2−248
480号公報にはシロキサン結合を介してフッ素を含む
被膜を結合形成することが提案されている。
フッ素樹脂をコートする方法では、表面が数十ミクロン
オーダーのなだらかな凸凹となるので、光沢が優れたも
のを得ることが困難であり、また基体との密着が悪く高
耐久性のものが得られなかった。さらにコート厚みを薄
くすることができなかった。また、ほかの樹脂コーティ
ングも同様に密着強度が弱く、耐久性に問題があるとい
う課題があった。これは基体との接着力が、物理吸着に
よることに起因する。また、特開昭58−147483
号公報、同60−40254号公報、特開平2−248
480号公報の方法は、基材表面の 凸凹処理をしていな
いので撥水撥油防汚性が十分でなく、さらに高い被膜の
撥水撥油防汚性が要請されていた。
め、光沢に優れ、汚れが付着しないか、付着しても簡単
に除去されるような防汚効果の高い被膜を提供すること
を目的とする。
め、本発明の撥水撥油防汚性被膜は、400nm未満の
凸凹が形成された基体の表面に、少なくともシロキサン
結合を介してフッ素を含む化学吸着単分子膜が形成され
ており、表面に400nm未満の凸凹を持つという構成
を有する。
ラス、セラミック、金属、プラスチックのいずれかを含
むことが好ましい。
表面に400nm未満の凸凹を形成する工程と、一端に
クロルシラン基(SiCln X3-n 基、n=1,2,
3、Xは官能基)を有し、他の一端にフッ化炭素基を有
するクロロシラン系界面活性剤を溶かした非水系有機溶
媒中に、前記基体を浸漬し、前記活性剤よりなる化学吸
着単分子膜を基体表面に形成する工程を含むものであ
る。
の表面に400nm未満の凸凹を形成する工程と、クロ
ル基を複数個含むシラン化合物を混合した非水系溶媒に
接触させて、前記基体表面の水酸基と前記シラン化合物
のクロロ基とを脱塩化水素反応させて、前記化合物を前
記基体表面に析出させる工程と、非水系有機溶媒を用い
前記基体上に残った未反応シラン化合物を洗浄除去した
後、水と反応させて、前記基体上にシラノール基を含む
物質よりなる単分子膜を形成する工程と、一端にクロル
シリル基(SiCln X3-n 基、n=1,2,3、Xは
官能基)を有し、他の一端に直鎖状フッ化炭素基を含む
クロロシラン系界面活性剤を基体上に化学吸着し、単分
子吸着膜を累積する工程とを含むものである。
凸凹が形成された基体の表面に、少なくともシロキサン
結合を介してフッ素を含む化学吸着単分子膜が形成され
ているので、光沢に優れ、汚れが付着しないか、付着し
ても簡単に除去されるような防汚効果の高い撥水撥油被
膜を得ることができる。すなわち、シロキサン結合が基
体(基材)側と化学結合し、表層にはフッ素基を含む部
分が存在するという極薄の化学吸着単分子膜なので、光
沢に優れ、防汚効果に優れたものとすることができる。
ク、金属、プラスチックのいずれかを含むという本発明
の構成によれば、従来防汚効果を付与するのが困難であ
った物品に優れた防汚効果を付与できる。
親水性であるため表面に水酸基を含む。そこで、一端に
クロルシリル基(SiCln X3-n 基、n=1,2,
3、Xは官能基)を有する直鎖状炭素鎖を含む分子、例
えばフッ化炭素基及びクロロシリル基を含むクロロシラ
ン系界面活性剤混合した非水系溶媒に接触させて前記製
品表面の水酸基と前記クロロシリル基を脱塩化水素反応
させて単分子膜を前記製品表面に析出させる、あるいは
クロロシリル基を複数個含む物質を混ぜた非水系溶媒に
接触させて前記製品表面の水酸基と前記クロロシリル基
を複数個含む物質のクロロシリル基を反応させて前記物
質を前記製品表面に析出させる工程と、非水系有機溶媒
を用い前記製品表面に残った未反応クロロシリル基を複
数個含む物質を洗浄除去し、前記製品の基体表面にクロ
ロシリル基を複数個含む物質よりなるシロキサン系単分
子膜を形成し、表面に親水性の水酸基を付与する工程
と、一端にクロルシリル基を有するフッ化直鎖状炭素鎖
を含むシラン系界面活性剤を製品の基体表面に化学吸着
し単分子吸着膜を累積する工程とにより製品表面にフッ
化炭素系化学吸着単分子累積膜を形成できる。このと
き、化学吸着工程の前に基体表面に可視光の波長(約4
00nm)未満の凸凹を形成しておくことで、製品の光
沢を損なうことなく表面の撥水撥油性を大幅に向上でき
る。
ネート樹脂等のプラスチックの場合には、表面をプラズ
マ処理して表面を酸化し親水性とすることで、同様の技
術を用いることが可能となる。
水撥油防汚性の単分子膜を形成し、内面に親水性水酸基
を有する単分子膜を作成することで防曇性をも付与でき
る。
nm未満、さらに好ましくは0.3〜0.01ミクロン
の凸凹を形成して、さらにきわめて薄いナノメータレベ
ルの膜厚のフッ化炭素系単分子膜で製品表面を被うこと
で、製品本来の光沢を損なうことなく表面の撥水撥油防
汚効果を高めることが可能となる。従って、撥水撥油防
汚効果の高い高性能製品を提供することができる。
ウインドーガラスやフロントガラス、光学レンズ、眼鏡
用レンズ、建物の窓ガラス等のガラス製品、また衛生陶
器、食器、花器、水槽等のセラミック製品、またサッ
シ、ドアなどの建材、建物の外壁等の金属製品、また家
具やカバー用フィルム、化粧版、プラスチックパネル等
のプラスチック製品があるが、代表例としてガラス板お
よびアルミ板を取り上げ順に説明する。なお、以下とく
に示していない限り%は重量%を示す。
浄した後、表面をサンドブラスト処理して表面に0.1
ミクロン程度凸凹を形成する(図1)。なお、ガラスな
どの表面を粗面化する手段としては、この方法以外にフ
ッ酸を用いた化学エッチング法やサンドペーパーによる
ラビング法が利用できる。また凸凹の粗さは、可視光の
波長レベル未満であれば実質的に可視光はすべて透過す
るため問題はない。
含む物質を混ぜた非水系の溶媒、例えば、CF3 (CF
2 )7 (CH2 )2 SiCl3 を用い、1%程度の濃度
で溶かした80%n−ヘキサデカン(トルエン、キシレ
ン、ジシクロヘキシルでもよい)、12%四塩化炭素、
8%クロロホルム溶液を調整し、前記ガラス板を2時間
程度浸漬すると、ガラス板の表面は自然酸化膜が形成さ
れており、その酸化膜表面には水酸基が多数含まれてい
るので、フッ化炭素基及びクロロシリル基を含む物質の
SiCl基と前記水酸基が反応し、脱塩酸反応が生じ、
ガラス表面全面に亘り、CF3 (CF2 )7 (CH2 )
2 Si(O−)3 の結合が生成され、フッ素を含む単分
子膜2がガラス板の表面と化学結合した状態で約15オ
ングストローム(1.5nm)の膜厚で形成できた(図
2)。なお、単分子膜はきわめて強固に基材表面とシロ
キサン化学結合しているので全く剥離することがなかっ
た。なお、ガラス板の材質が、アクリル樹脂やポリカー
ボネート樹脂等のプラスチックの場合には、表面をプラ
ズマ処理(300W、10分程度)して表面を酸化し親
水性とすること、および吸着液をフレオン溶剤に換える
ことで同様の技術を用いることが可能であつた。
理しないものに比べて汚物の付着を大幅に低減できた、
また、たとえ付着した場合にもブラシでこする程度で簡
単に除去できた。このとき、傷は全く付かなかった。ま
た、油脂分汚れでも除去は水洗のみで可能であった。ま
た、水に対する濡れ性は蓮の葉並みであり、濡れ角度は
約155度であった。
場合、表面を電解エッチングしてして表面に0.2ミク
ロン程度凸凹を形成する。なお、この方法以外にフッ酸
を用いた化学エッチング法やサンドペーパーによるラビ
ング法が利用できる。またこの場合も凸凹の粗さは、可
視光の波長レベル未満であれば実質的に可視光はすべて
透過するため問題はない。また金属ならすべて同じよう
に使用可能であるが、材質が、アクリル樹脂やポリカー
ボネート樹脂等のプラスチックの場合には、表面を荒し
た後、200W、10分程度プラズマ処理して表面を酸
化し親水性とすることで、同様の技術を用いることが可
能となる。
(例えば、SiCl4 、またはSiHCl3 、SiH2
Cl2 、Cl−(SiCl2 O)n −SiCl3 (nは
整数)。特に、SiCl4 を用いれば、分子が小さく水
酸基に対する活性も大きいので、アルミ板表面を均一に
親水化する効果が大きい)を混ぜた非水系溶媒、例えば
クロロホルム溶媒に1重量パーセント溶解した溶液に3
0分間程度浸漬すると、アルミ板表面11には親水性の
OH基12が多少とも存在するので(図3)、表面で脱
塩酸反応が生じ前記シラン化合物の単分子膜が形成され
る。
4 を用いれば、アルミ板11表面には少量の親水性のO
H基が露出されているので、表面で脱塩酸反応が生じ、
Cl3 SiO−及び/またはCl2 Si(O−)2 の様
に、分子が−SiO−結合を介して表面に固定される。
で洗浄して、さらに水で洗浄すると、アルミ板と反応し
ていないSiCl4 分子は除去され、アルミ板表面に
(OH)3 SiO−及び/または(OH)2 Si(O
−)2 等のシロキサン単分子膜13が得られる(図
4)。
ミ板とは−SiO−の化学結合を介して完全に結合され
ているので剥がれることが全く無い。また、得られた単
分子膜は表面にシラノール結合(SiOH結合)を数多
く持つ。当初の水酸基の約3倍程度の数が生成される。
ラン基を含む物質を混合した非水系の溶媒、例えば、C
F3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl3 を用い、1%
程度の濃度で溶かした80%n−ヘキサデカン、12%
四塩化炭素、8%クロロホルム溶液を調整し、前記表面
にSiOH結合を数多く持つ単分子膜の形成されたアル
ミ板を1時間程度浸漬すると、アルミ板表面にCF
3 (CF2 )7 (CH2 )2 Si(O−)3 の結合が生
成され、フッ素を含む単分子膜14が下層のシロキサン
単分子膜と化学結合した状態でアルミ板表面全面に亘り
約15オングストロームの膜厚で形成できた(図5)。
なお、単分子膜は剥離試験を行なっても全く剥離するこ
とがなかった。また、水に対する濡れ角度は155度で
あった。
系界面活性剤としてCF3 (CF2)7 (CH2 )2 S
iCl3 を用いたが、フッ化炭素系界面活性剤として上
記のもの以外にもCF3 CH2 O(CH2 )15SiCl
3 、CF3 (CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )15
SiCl3 、F(CF2 )4 (CH2 )2 Si(C
H3 )2 (CH2 )9 SiCl3 、CF3 COO(CH
2 )15SiCl3 、CF3(CF2 )5 (CH2 )2 S
iCl3 等が利用できる。
代わりにガラス板を用い、フッ化炭素基及びクロロシリ
ル基を含む物質を化学吸着する際、防曇効果を付与する
ため親水性のままで残したい面(例えば内面)に有機溶
媒不溶性の親水性被膜(例えば、ポバールやプルランの
水溶液を塗布し数ミクロン厚さのとする)を形成してお
くことで、吸着終了後前記親水性被膜を水洗除去して、
図6に示したような表面が撥水撥油防汚性単分子膜14
で、内面が親水性の水酸基を有する単分子膜(シロキサ
ン膜)13の透光ガラスが得られた。このガラスで防曇
効果を確かめたが、親水性のままで残したガラス面は、
水に対してきわめて濡れ易く全く曇ることがなかった。
の2種を混合して(たとえば、F(CF2 )8 (C
H2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )9 Si(OC
H3 )3 、とF(CF2 )8 (CH2 )2 Si(C
H3 )2 (CH2 )6 Si(OCH3 )3、あるいは、
CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl3 とCF
3 (CF2 )5(CH2 )2 SiCl3 の組合せで、組
成を3:1〜1:3とする)吸着すれば、部材表面を分
子レベルで凸凹にする事が可能であり、撥水撥油性がさ
らに良くなり、防汚効果がさらに大きくなる。
ス板などの基材の表面に0.1ミクロン程度の凸凹を形
成し、次に例えばフッ素を含むクロロシラン系界面活性
剤を有機溶媒に希釈したものに浸漬すると、ガラス板の
表面は自然酸化膜が形成されており、その酸化膜表面に
は水酸基が多数含まれているので、脱塩酸反応が生じ、
フッ化炭素系単分子膜がシロキサン結合を介して基体表
面に形成される。これにより、基材の表面に可視光の波
長(400nm)未満の凸凹を形成し、ナノメータレベ
ルの膜厚のフッ化炭素系単分子膜をシロキサン結合を介
して基体表面に形成され、基体本来の光沢を損なうこと
なく極めて撥水撥油防汚効果の高い膜を得ることができ
る。
めて薄いナノメータレベルの膜厚のフッ化炭素系単分子
膜を400nm未満の凸凹を形成した基体表面に形成す
るため、透光ガラス本来の光沢を損なうことがない。ま
た、このフッ化炭素系単分子膜は、表面に400nm未
満の微細な凸凹を持ち、これは可視光線の波長の未満で
あるので、一般の塗膜に比べて撥水撥油性に優れてお
り、製品表面の撥水撥油防汚効果を高めることが可能と
なる。また、ガラス板表面を本願発明の方法で処理する
ことにより、きわめて撥水撥油防曇防汚効果の高い高性
能透光ガラスを提供することができる。
ス板の断面図。
ス板の表面を分子レベルまで拡大した断面概念図。
ミ板の表面を分子レベルまで拡大した処理前の断面工程
概念図。
図。
で内面が防曇性の透光ガラス板の表面を拡大した断面概
念図。
基、 13…シロキサン単分子膜、 15…水滴、 1
6…水膜。
Claims (4)
- 【請求項1】 400nm未満の凸凹が形成された基体
の表面に、少なくともシロキサン結合を介してフッ素を
含む化学吸着単分子膜が形成されており、表面に400
nm未満の凸凹を持つ撥水撥油防汚性被膜。 - 【請求項2】 基体が、ガラス、セラミック、金属、プ
ラスチックのいずれかを含む請求項1記載の撥水撥油防
汚性被膜。 - 【請求項3】 基体表面に400nm未満の凸凹を形成
する工程と、一端にクロルシラン基(SiCln X3-n
基、n=1,2,3、Xは官能基)を有し、他の一端に
フッ化炭素基を有するクロロシラン系界面活性剤を溶か
した非水系有機溶媒中に、前記基体を浸漬し、前記活性
剤よりなる化学吸着単分子膜を基体表面に形成する工程
を含む表面に400nm未満の凸凹を持つ撥水撥油防汚
性被膜の製造方法。 - 【請求項4】 基体の表面に400nm未満の凸凹を形
成する工程と、クロル基を複数個含むシラン化合物を混
合した非水系溶媒に接触させて、前記基体表面の水酸基
と前記シラン化合物のクロロ基とを脱塩化水素反応させ
て、前記化合物を前記基体表面に析出させる工程と、非
水系有機溶媒を用い前記基体上に残った未反応シラン化
合物を洗浄除去した後、水と反応させて、前記基体上に
シラノール基を含む物質よりなる単分子膜を形成する工
程と、一端にクロルシリル基(SiCln X3-n 基、n
=1,2,3、Xは官能基)を有し、他の一端に直鎖状
フッ化炭素基を含むクロロシラン系界面活性剤を基体上
に化学吸着し、単分子吸着膜を累積する工程とを含む表
面に400nm未満の凸凹を持つ撥水撥油防汚性被膜の
製造方法。
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- 1991-02-05 JP JP3036773A patent/JPH0786146B2/ja not_active Expired - Lifetime
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