JPH0785974A - 分散型エレクトロルミネッセント素子 - Google Patents

分散型エレクトロルミネッセント素子

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JPH0785974A
JPH0785974A JP5227714A JP22771493A JPH0785974A JP H0785974 A JPH0785974 A JP H0785974A JP 5227714 A JP5227714 A JP 5227714A JP 22771493 A JP22771493 A JP 22771493A JP H0785974 A JPH0785974 A JP H0785974A
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JP
Japan
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resin
back electrode
isocyanate
nickel
conductive particles
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JP5227714A
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English (en)
Inventor
Shinichi Abe
真一 阿部
Kenichi Suzuki
憲一 鈴木
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Hokuriku Toryo KK
Original Assignee
Hokuriku Toryo KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 背面電極が、(A)ニッケル、ニッケル−ホ
ウ素合金、アルミニウム、クロム、タンタル、チタン、
チタン合金およびステンレスより選ばれる、少なくとも
一部がりん片状であり、平均粒子寸法が0.1〜30μ
m である導電粒子;および(B)フッ素樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂より選ばれ
るイソシアナート硬化性樹脂および/またはポリハロゲ
ン化ビニリデンである有機樹脂を含む導電ペーストを用
いて形成されることを特徴とする分散型エレクトロルミ
ネッセント素子。 【効果】 複雑な形状のものも容易に作製でき、発光効
率に優れ、耐湿性で特性変化がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面型ランプ、バック
ライトなどの発光素子として有用な分散型ルミネッセン
ト素子に関し、さらに詳しくは、導電ペーストを硬化さ
せて得られ、マイグレーションの発生が少なく、発光効
率に優れてその経時変化が少ない背面電極を有する分散
型ルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】透明電極、発光層および背面電極を積層
させた分散型エレクトロルミネッセント素子は知られて
いる。その背面電極としては、アルミニウム箔などの金
属フィルムが用いられている。しかし、このような金属
フィルムは、それに接する層、たとえば発光層や誘電体
層に対する密着性が悪く、また文字、数字のような任意
の複雑な形状のものを得ることが困難である。
【0003】一方、銀やニッケルのような金属粒子を有
機樹脂に分散させた背面電極も知られている。しかし、
このような背面電極層は、隣接する基材、発光層または
誘電体層との間が剥離したり、用いる導電粒子によって
は、マイグレーション(電圧を印加した際に、水分およ
びイオンの存在で、金属が負側に移行する現象)を生じ
てデンドライトを形成するなどの問題がある。
【0004】たとえば、特開昭62−17993号公報
には、アルミニウム、銅、鉄またはニッケルの粉末を導
電粒子として用いて背面電極を形成した分散型エレクト
ロルミネッセント素子を開示している。ここに記載され
た発明では、導電粒子のバインダーについては特に規定
されていない。実施例に用いられているシアノエチルプ
ルランは透湿性が大きく、別に例示されているエポキシ
樹脂は応力による剥離を起こしやすいという問題があ
る。
【0005】特開平4−255694号公報には、ニッ
ケルを導電粒子とするアクリル系導電塗料に、銀をコー
ティングしたガラスビーズのような球体を共存させた背
面電極を用いるエレクトロルミネッセント素子を開示し
ている。しかし、通常の熱可塑性アクリル系バインダー
を用いる場合、応力剥離によって積層構造が損なわれる
という問題がある。また、ガラスビーズ表面の銀の存在
は、マイグレーションの原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、文字・数
字のような複雑な素子が形成でき、湿度によって剥離や
マイグレーションを生じない分散型エレクロトルミネッ
セント素子は、得られていない。本発明の目的は、印刷
により、複雑な形状に形成することが可能であり、導電
性に優れ、その経時変化が少なく、耐湿性に優れ、マイ
グレーションによるデンドライトの発生がなく、また剥
離を生じない背面電極を有する分散型エレクトロルミネ
ッセント素子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するために検討を重ねた結果、背面電極を形成す
るための導電ペーストを、特定の導電粒子と特定の有機
高分子とを組み合わせて調製することにより、課題を解
決しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の分散型エレクトロルミ
ネッセント素子は、透明電極、発光層および背面電極を
有する分散型エレクトロルミネッセント素子において、
該背面電極が、 (A)(1)ニッケル、ニッケル−ホウ素合金、アルミ
ニウム、クロム、タンタル、チタン、チタン合金および
ステンレスより選ばれる少なくとも1種からなり、
(2)少なくとも一部分がりん片状であり、(3)平均
粒子寸法が0.1〜30μm である導電粒子;および (B)フッ素樹脂、ポリエステエル樹脂、アクリル樹脂
およびエポキシ樹脂より選ばれる少なくとも1種のイソ
シアナート硬化型樹脂および/またはポリハロゲン化ビ
ニリデンである有機樹脂を含む導電ペーストを用いて形
成されることを特徴とする。
【0009】本発明の分散型エレクトロルミネッセント
素子は、透明電極、発光層および背面電極を有する。ま
た、このほか、必要に応じて基材層、誘電体層、接着材
層などが存在しても差支えない。これらの層は、それぞ
れ、公知の物質で形成してよい。透明電極および発光層
は、ポリエステルのような基材または他の任意の層の表
面への印刷、塗布もしくは蒸着、または相互の接着積層
など、任意の方法で形成される。
【0010】本発明に用いられる背面電極は、導電粒子
(A)および有機樹脂またはその前駆体(B)を含む導
電ペーストを、任意の層、たとえば発光層または誘電体
層の表面に印刷し、硬化または乾燥によって、任意の形
状に形成できる。
【0011】本発明で用いられる(A)の導電粒子とし
ては、ニッケル、アルミニウム、クロム、タンタルおよ
びチタンの粒子が挙げられる。それに加えて、チタンと
上記のうちのチタン以外の金属との合金、ニッケル−ホ
ウ素合金およびステンレスのような合金粒子が挙げられ
る。これらの導電粒子は、1種を単独に用いても、2種
以上を混合物として併用してもよく、ニッケル、ニッケ
ル−ホウ素合金またはステンレスが好ましい。このよう
な導電粒子を用いることにより、印刷性能も良く、マイ
グレーションや表面酸化のような経時変化のない背面電
極が形成される。
【0012】導電粒子は、優れた接触抵抗が得られるこ
とから、少なくとも一部分、好ましくは20容量%以
上、さらに好ましくは45容量%以上がりん片状であ
る。残余の導電粒子は、球状、針状または枝状のよう
な、任意の形状であっても差支えない。実質的にすべて
の導電粒子がりん片状であることが、とくに好ましい。
【0013】導電粒子の平均粒子寸法は、0.1〜30
μm であり、好ましくは0.5〜30μm 、さらに好ま
しくは2〜20μm である。0.1μm 未満では接触抵
抗が大きく、30μm を越えると、導電ペーストの印刷
適性が劣り、また印刷によって得られた塗膜の均一性が
劣る。なお、導電粒子がりん片状の場合、平均粒子寸法
とは、粒子薄片の長径の平均をいう。
【0014】本発明で用いられる(B)の有機樹脂とし
ては、多官能性イソシアナート化合物のイソシアナト基
との反応で硬化するフッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂またはエポキシ樹脂が挙げられる。また、別
の有機樹脂としてポリハロゲン化ビニリデンも用いるこ
とができる。これらの有機樹脂は、1種を単独で用いて
も2種以上を併用してもよく、イソシアナート硬化型の
フッ素樹脂、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂(後
述のフェノキシ樹脂を包含する)がとくに好ましい。
【0015】これらのうち、イソシアナート硬化型の有
機樹脂は、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはアミ
ノ基のような、イソシアナト基と反応しうる官能基を分
子中に有するベースポリマーが、架橋剤である多官能性
イソシアナート化合物(後述のような誘導体であっても
よい)とともに前駆体として、必要に応じてそれらを溶
解する有機溶媒とともに、導電ペーストに含まれる。
【0016】イソシアナート硬化型のフッ素樹脂として
は、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、フッ化ビニ
リデン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレンまた
は1,1−ビス(トリフルオロメチル)エチレンのよう
なフッ素含有オレフィンの1種または2種以上と、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸もしくはイタコン酸
のような不飽和酸、またはそれらのヒドロキシエチルエ
ステル、ヒドロキシプロピルエステルなどのヒドロキシ
ル基含有エステルとを共重合させて得られる、側鎖にカ
ルボキシル基やヒドロキシル基のような官能基を有する
フッ素含有共重合体が例示される。
【0017】イソシアナート硬化型のポリエステル樹脂
としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸また
はアジピン酸のメチルエステルと、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、また
は1,6−ブタンジオールのようなグリコール類;およ
び必要に応じてそれに加えてグリセリン、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、エリトリトール、
ペンタエリトリトールまたはソルビトールのような三価
以上の多価アルコールとの共重合体;またはポリカプロ
ラクトンなどの、イソシアナト基と反応しうるヒドロキ
シル基またはカルボキシル基を有する、比較的低分子量
のポリエステルが例示される。
【0018】イソシアナート硬化型のアクリル樹脂は、
アクリル酸もしくはメタクリル酸;それらのヒドロキシ
エチルエステル、ヒドロキシプロピルエステルなどのヒ
ドロキシル基含有エステル;アミドなどの単独重合体ま
たは共重合体のように、カルボキシル基、ヒドロキシル
基またはアミノ基など、イソシアナト基と反応しうる官
能基を有する(メタ)アクリル系重合体であり、分子中
に、このような官能基をもたない重合単位、たとえば、
メチルアクリラート、エチルアクリラート、ブチルアク
リラートおよびこれらに対応するメタクリラートに由来
する、上記の官能基のない重合単位を含む共重合体であ
っても差支えない。
【0019】イソシアナート硬化型のエポキシ樹脂は、
多官能性イソシアナートのイソシアナト基と、エポキシ
樹脂中の存在するヒドロキシル基との反応によって硬化
するものである。エポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA−グリシジルエーテル型、ビスフェノールF−グリ
シジルエーテル型などの、分子鎖中にエポキシ基の開環
によって生じたヒドロキシル基を有するエポキシ樹脂が
例示され、フェノキシ樹脂もこれに包含される。フェノ
キシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の、とく
に高分子量のものを指す。また、ポリシロキサンによっ
て変性された、同様にヒドロキシル基を有するエポキシ
樹脂も包含される。これらは、ヒドロキシル基とイソシ
アナト基の比率を任意に調整することによって、任意の
架橋密度を有し、優れた耐応力剥離性を含む任意の物性
の硬化物層を形成できる。
【0020】上述のイソシアナート硬化型重合体の硬化
剤として用いられる多官能性イソシアナート化合物とし
ては、p−フェニレンジイソシアナート、ポリメチレン
ポリ(フェニルイソシアナート)、2,4−および2,
6−トルエンジイソシアナート、ビス(4−イソシアナ
トフェニル)メタン、ビス(3−メチル−3−イソシア
ナトフェニル)メタンのような芳香族性イソシアナト基
を有するイソシアナート化合物;ヘキサメチレンジイソ
シアナート、1,4−および1,3−シクロヘキサンジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、テトラ
メチルキシリレンジイソシアナート、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアナートのような脂肪族性イソシアナト
基を有するジイソシアナート;それらの三量体のような
オリゴマー;ならびにそれらの多官能性イソジナート化
合物とポリエーテルポリオールのような末端反応性ポリ
マーとの反応生成物であるプレポリマーが例示される。
このような遊離のイソシアナト基を有するイソシアナー
ト化合物は、常温でも、前述のフッ素樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂および/またはエポキシ樹脂と反
応して硬化生成物を生ずる。
【0021】さらに、上述のようなイソシアナト基を有
するイソシアナート化合物である硬化剤を混合した系の
常温における安定性を増し、一包装系として保存するに
は、これらのイソシアナト基を、フェノール化合物、イ
ミダゾール化合物、ラクタム化合物、オキシム化合物な
どのようなブロック剤で保護したイソシアナート誘導体
も、硬化剤として好適に用いられる。このようなイソシ
アナート誘導体は、常温では反応性を示さず、加熱によ
って遊離のイソシアナート化合物を生じて、前述のイソ
シアナート硬化型樹脂のベースポリマーとの反応にあず
かる。本発明において、イソシアナート化合物とは、こ
のようなブロック剤によって安定化したイソシアナート
誘導体をも包含し、作業性からは該イソシアナート誘導
体が好ましい。
【0022】これらのイソシアナート化合物は、1種で
も、2種以上を併用しても差支えない。
【0023】ポリハロゲン化ビニリデンは、前述のイソ
シアナート硬化型の有機樹脂とは異なり、線状重合体の
ままで本発明の(B)成分として用いられるもので、ポ
リフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデンが例示さ
れ、通常、有機溶媒とともに用いられる。
【0024】このような有機樹脂を導電粒子のバインダ
ーとして用いることにより、基板のポリエステルが劣化
しない130℃以下の温度で、耐湿性で、かつ抵抗の低
い導電性の塗膜を形成できる。
【0025】背面電極を構成する上記の導電性塗膜にお
いて、導電粒子と有機樹脂との構成比は、体積分率とし
て25:75〜50:50の範囲が一般的であり、好ま
しくは導電粒子が30〜45体積%である。導電粒子の
量が25体積%未満、または50体積%を越えると、塗
膜抵抗が大きく、発光効率の点で不利である。なお、イ
ソシアナート硬化型有機樹脂の場合、ここで有機樹脂の
量には、イソシアナート化合物のような、硬化体の一部
を構成する硬化剤をも含める。
【0026】有機樹脂を溶解するために任意に用いられ
る溶媒としては、該有機樹脂の種類に応じて、トルエ
ン、キシレン、メシチレンおよびテトラリンのような芳
香族炭化水素類;テトラヒドロフランのようなエーテル
類;2−ピリロドンおよび1−メチル−2−ピロリドン
のようなラクトン類;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルのようなエーテルアルコール類;ならびにそれら
に対応する酢酸エステルのようなエステル類が例示され
る。溶媒の使用量は、用いられる導電粒子および有機樹
脂の種類と量比、ならびに導電ペーストを印刷する方法
などにより、任意に選択される。
【0027】導電ペーストには、このほか、必要に応じ
て、アミン類のような硬化触媒、シランカップリング
剤、分散助剤、表面処理剤などを配合してもよい。
【0028】導電ペーストは、これらの配合成分を、ら
いかい機、プロペラ撹拌機、ニーダー、ロールなどによ
って均一に混合して調製し、スクリーン印刷、グラビア
印刷、ディスペンスなど、任意の方法で印刷または塗布
することができる。印刷または塗布の後、有機溶媒を用
いる場合は、常温で、または加熱によって、該溶媒を揮
散させる。それとともに、硬化剤として分子中に遊離の
イソシアナト基を有するイソシアナート化合物を用いる
場合は、常温でも硬化反応が進行し、背面電極層を形成
する。硬化剤としてイソシアナト基がブロックされたイ
ソシアナート誘導体を用いる場合は、50〜130℃、
好ましくは100〜125℃の加熱によって硬化して、
背面電極層を形成する。一方、有機樹脂として非反応性
のポリハロゲン化ビニリデンを用いた場合は、溶媒の揮
散によって、硬化反応を伴わずに背面電極層を形成す
る。
【0029】さらに、必要に応じて、形成された背面電
極の表面に、湿気を遮断するための保護層を形成しても
よい。保護層としては、透湿性の小さいことと、背面電
極層への密着性から、前述の導電ペーストに含まれる有
機樹脂、すなわちイソシアナート硬化性のフッ素樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂;
ならびにポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンの
ようなポリハロゲン化ビニリデンが好適に用いられ、ま
たエチレン−酢酸ビニル共重合体も好適である。これら
は、1種でも2種以上を併用しても差支えない。湿気遮
断効果が優れていることから、イソシアナート硬化性樹
脂のうちのフッ素樹脂またはポリエステル樹脂;ならび
にポリハロゲン化ビニリデンがとくに好ましい。
【0030】保護層の形成方法もまた、それぞれの樹脂
に応じて、背面電極層の形成と同様に行うことができ
る。すなわち、たとえばこれらの有機樹脂を有機溶媒に
溶解させて得られた溶液で背面電極の表面を処理し、乾
燥または硬化によって保護層を形成する。この場合、美
観上の理由などにより、煙霧質シリカ、沈殿シリカ、酸
化チタンのような無機微粉末を、溶液に添加してもよ
い。また、必要に応じて、これらの無機微粉末の表面
を、あらかじめヘキサメチルジシラザンのような疎水化
剤によって疎水化したものを用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明の分散型エレクトロルミネッセン
ト素子は、印刷によって形成できるので、複雑な形状の
ものを容易に作製することができる。さらに、背面電極
の抵抗が低いので発光効率に優れ、また耐湿性があり、
湿気によるマイグレーションの発生や特性の変化がな
い。とくにイソシアナート硬化型の樹脂を用いる場合
は、類似の基本構造をもつが硬化機構の異なる樹脂を用
いる場合と比較して、背面電極層の形成が容易で、密着
性に優れ、とくにエポキシ樹脂の場合は従来のものより
耐応力剥離性が優れるなど、多くの利点が得られる。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。
【0033】実施例および比較例には、下記のようにし
て作成したものを共通の素材として用いた。すなわち、
ポリエステルフィルムを基材として用い、その一方の表
面にインジウム−スズ酸化物(ITO)を蒸着して、透
明電極を形成した。ついで、その上に、硫化亜鉛系の発
光体をシアノエチルセルロースに分散させたものを塗布
して発光体層を形成し、さらに、チタン酸バリウムの粉
末をシアノエチルセルロースに分散させたものを塗布し
て誘電体層をとした。この誘電体層の表面に、各種の導
電ペーストをスクリーン印刷して加熱することにより、
背面電極層を形成して、背面電極としての評価を行っ
た。さらに保護層を印刷、加熱により形成して、分散型
エレクトロルミネッセント素子とし、評価を行った。
【0034】背面電極の形成 導電粒子と有機樹脂を用いて、導電性ペーストを調製し
た。たとえば背面電極E−1の場合、分子中にアクリル
酸−2−ヒドロキシエチル単位を含有するフッ素樹脂系
共重合体、およびフェノール化合物でイソシアナト基が
ブロックされたヘキサメチレンジイソシアナート誘導体
を、後者が固形分中の30重量%になる硬化性樹脂混合
物を調製した。これをジエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテートに溶解して、固形分が30重量%に
なるような溶液を調製した。ついでこの溶液10部と、
平均粒子寸法が5μm のりん片状ニッケルとを、プロペ
ラ撹拌機を用いて混練することにより、表1に示す組成
の導電性ペーストを調製した。
【0035】この導電ペーストを前述の誘電体層にスク
リーン印刷し、溶媒を揮散させた後、120℃に30分
加熱して、フッ素樹脂系共重合体をイソシアナート化合
物によって硬化させることにより、背面電極E−1を得
た。
【0036】同様の方法により、表1に示す導電粒子と
有機樹脂を用い、表1に示す導電粒子の体積分率を有す
る背面電極E−2〜E−19を得た。ただし、E−2〜
E−7は上記の背面電極E−1より導電粒子の種類を変
え、E−8〜E−10はニッケル粒子の体積分率を変
え、または一部に球状粒子を用い、E−11〜E−15
は有機樹脂を変え(E−15はさらに導電粒子も変え)
たものであり、E−16〜E−19は比較のための背面
電極である。
【0037】
【表1】
【0038】背面電極の評価 上述のようにして得られた背面電極の比抵抗およびマイ
グレーションの発生時間を測定した。マイグレーション
の発生時間は、次のようにして測定した。すなわち、前
述のようなスクリーン印刷法によって形成された、1.
5mmの間隙を有するくさび形の背面電極の間隙部分に、
口径1mmのスポイドで1滴の水滴を置き、45V の電圧
をかけて、通電するまでの時間を測定した。ただし、測
定を1時間で打切り、それに耐える試料のマイグレーシ
ョン発生時間を>3,600秒と表した。
【0039】
【表2】
【0040】保護層の形成 上述のようにして形成した背面電極E−1〜E−19の
表面に保護層を形成して、実施例1〜15および比較例
1〜4の分散型エレクトロルミネッセント素子とした。
すなわち、前述の背面電極E−1を用いた実施例1の分
散型エレクトロルミネッセント素子を例にとると、ポリ
フッ化ビニリデンを1−メチル−2−ピロリドンに溶解
させて固形分25重量%の溶液とし、これに煙霧質シリ
カ2重量%およびチタン白10重量%を分散させて、ペ
ーストを調製した。これを背面電極E−1の表面にスク
リーン印刷し、温度120℃で乾燥させて保護層を得
た。各実施例および比較例に組み合わせて用いられた背
面電極と保護層を、表3に示す。
【0041】素子の発電効率の評価 上述のようにして形成した分散型エレクトロルミネッセ
ント素子の発光効率を評価した。すなわち、初期の発光
効率を測定した後、温度85℃、湿度85%RHの高温恒
湿槽中で500時間エージングした後の発光効率を測定
した。その結果を表3に示す。
【0042】なお、比較例5として、導電ペーストを用
いずにアルミニウム箔を積層させて背面電極とし、これ
に保護層としてポリエステルフィルムを積層して作製し
た、従来法のエレクトロルミネッセント素子を用いて、
同様の評価を行った。その結果も併せて表3に示す。
【0043】
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極、発光層および背面電極を有す
    る分散型エレクトロルミネッセント素子において、該背
    面電極が、 (A)(1)ニッケル、ニッケル−ホウ素合金、アルミ
    ニウム、クロム、タンタル、チタン、チタン合金および
    ステンレスより選ばれる少なくとも1種からなり、
    (2)少なくとも一部分がりん片状であり、(3)平均
    粒子寸法が0.1〜30μm である導電粒子;および (B)フッ素樹脂、ポリエステエル樹脂、アクリル樹脂
    およびエポキシ樹脂より選ばれる少なくとも1種のイソ
    シアナート硬化型樹脂および/またはポリハロゲン化ビ
    ニリデンである有機樹脂を含む導電ペーストを用いて形
    成されることを特徴とする分散型エレクロトルミネッセ
    ント素子。
JP5227714A 1993-09-14 1993-09-14 分散型エレクトロルミネッセント素子 Pending JPH0785974A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010110280A1 (ja) 2009-03-27 2010-09-30 富士フイルム株式会社 有機電界発光素子用塗布液
WO2010110279A1 (ja) 2009-03-26 2010-09-30 富士フイルム株式会社 無機材料、デバイス及び有機電界発光素子
WO2010110347A1 (ja) 2009-03-27 2010-09-30 富士フイルム株式会社 有機電界発光素子及び有機電界発光素子の製造方法
WO2010116867A1 (ja) 2009-03-30 2010-10-14 富士フイルム株式会社 導電性ポリマー組成物、導電性硬化膜、及び、有機電界発光素子

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