JP2004234942A - 無機el素子の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機EL素子を安価に量産できる、無機EL素子の作製方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る無機EL素子の作製方法は、金属板2の表面にロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程(S2)と、プライマー層3の表面にロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程(S3)と、無機蛍光体層4の表面にロール印刷機19cでITO膜形成塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、透明電極層5を形成する工程(S4)と、透明電極層5の表面にロール印刷機19dで保護塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、保護層6を形成する工程(S5)とからなる。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明に係る無機EL素子の作製方法は、金属板2の表面にロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程(S2)と、プライマー層3の表面にロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程(S3)と、無機蛍光体層4の表面にロール印刷機19cでITO膜形成塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、透明電極層5を形成する工程(S4)と、透明電極層5の表面にロール印刷機19dで保護塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、保護層6を形成する工程(S5)とからなる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機EL素子の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminessence)素子は、電場の印加により発光する面状の発光素子であり、用いられる発光体の種類により、無機EL素子、有機EL素子に分類される。無機EL素子は、少なくとも透明電極、無機蛍光体層、裏面電極から構成されており、透明電極と裏面電極と間に交流電界を印加することで無機蛍光体層を発光させる。かかる無機EL素子の従来例には、例えば特許文献1があり、そこでは蒸着法、イオンプレーティング法、またはスパッタリング法などで透明電極が形成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−141533号公報(段落番号0023)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1にみられるように、蒸着法等を含む従来の無機EL素子の作製方法によれば、高価な蒸着装置等を要するため、設備費用が高く付き、無機EL素子の作製コストを低コスト化しようにも限界があった。
【0005】
本発明の目的は、従来形式に比べて製造コストが少なくて済み、安価に量産できる無機EL素子の作製方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、無機EL素子を構成する各層等をロールコート方式、或いはラミネート方式で形成すれば、高価な蒸着装置等を廃して設備コストの低減化を図れるのではないかと考え、試作実験を経て本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、図1に示すごとく、金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および保護層6を順に形成してなる無機EL素子の作製方法である。
【0008】
そのうえで請求項1に記載の発明方法は、図2に示すごとく、金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程(S2)と、プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程と(S3)、無機蛍光体層4の表面に、ロール印刷機19cでITO膜形成塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、透明電極層5を形成する工程と(S4)、透明電極層5の表面に、ロール印刷機19dで保護塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、保護層6を形成する工程(S5)とからなる。
【0009】
請求項2記載の本発明方法は、図3に示すごとく、金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程(S2)と、プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程と(S3)、無機蛍光体層4の表面に、ロール印刷機19cでITO膜形成塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、透明電極層5を形成する工程(S4)と、透明電極層5の表面に、ラミネーター25でラミネートフィルム8を貼着させて、保護層6を形成する工程(S6)とからなる。
【0010】
請求項3記載の本発明方法は、図4に示すごとく、金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程(S2)と、プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程(S3)と、無機蛍光体層4の表面に、ラミネーター26で透明導電性フィルム9を貼着させて、透明電極層5と保護層6を形成する工程(S7)とからなる。
【0011】
無機EL素子1を構成する金属板2および各層3・4・5・6は、具体的には次のようになっている。
(金属板)
金属板2は、耐食性、導電性および加工性に優れたものがよい。その一例として、亜鉛めっき鋼板、5%アルミ・亜鉛合金めっき鋼板、55%アルミ・亜鉛合金めっき鋼板、アルミ板、ステンレス鋼板などが挙げられる。亜鉛めっき鋼板やアルミ・亜鉛合金めっき鋼板の場合、塗料との密着性を増すために表面処理やクロメート系処理を施すと、殆ど輝度の低下がないまま塗料の密着性および耐食性が向上する。目付け、材質などのめっき条件は、蛍光体の輝度に殆ど影響を与えないが、Z27(JIS G 3302参照)以下に目付けを抑えた方が塗装金属板の加工性、密着性においてよい結果を得られる。
【0012】
(プライマー層)
従来のEL素子では、透明電極と金属板間を絶縁するための絶縁層が施されていた。本発明のプライマー層3は、絶縁性の他に金属板2の耐食性を向上させる機能、金属板2と無機蛍光体層4との密着性を向上させる機能を有しており、これにより、曲げ加工や絞り成型加工によっても無機蛍光体層4が金属板2から剥離することを効果的に防いで、安定した発光を得ることができる。プライマーは、ポリエステル系、エポキシ系などの樹脂を主体とする。金属板2として亜鉛めっき鋼板を使用する場合には、上記樹脂に、クロム系、非クロム系の防錆顔料といった無機材料を混合することができる。無機顔料で着色してもよい。一般的な塗装金属板に用いられているプライマーでもよいが、さらに比誘電率を高めるために、チタン酸バリウム(比誘電率:1200)などを含んだ高誘電率のものであることが望ましい。チタン酸ストロンチウム(比誘電率:332)、五酸化チタン(比誘電率:100)、五酸化タンタル(比誘電率:27.9)、酸化アルミニウム(比誘電率:8.5)などを含ませてもよい。また、プライマー層3の膜厚は薄いほど蛍光体層4への印加電圧を高くできるが、金属板2の耐食性、加工性、密着性および絶縁性が悪くなる。塗布量が4.5g/m2 未満だと絶縁破壊を起こすおそれがあり、13g/m2 を超えると極端に輝度が低下する。従って、プライマー層3を形成する塗料の塗布量はこの間の範囲が望ましい。
【0013】
(無機蛍光体層)
無機蛍光体層4の形成には、一般的な塗装金属板において用いられるバインダー樹脂に無機蛍光体を分散させた塗料を用いることにより、ロールコート方式による均一な蛍光体の塗布が可能となる。ここで使用されるバインダー樹脂としては、シアノエチル系、フッ素系樹脂が高誘電率であるため好適に用いられる。蛍光体は、ZnS:Mn,ZnS:Cuなどさまざまなものが存在するが、基本的にZnS系蛍光体ならば、ほぼ同様に扱うことができる。蛍光体の粒子径が大きくなると、ロールコートの際に、スジ発生等の塗装不良の原因となるので、平均粒子径は10〜40μmが望ましい。また、蛍光体の含有率、塗料の塗布量を増やすと輝度が上昇するが、加工性、密着性が悪くなる。従って、蛍光体の含有率は、20〜50wt%、塗布量は10〜30g/m2 とする。本発光体に顔料を配合することにより多少の色選択性を持たせることがもできるが、顔料は高誘電率のものが望ましい。
【0014】
(透明電極層)
透明電極層の形成には、市販のITO膜形成塗料を用いる。ここでITO膜形成塗料とは、銀を含み、更にパラジウム、銅、および金からなる群から選択された1種若しくは2種以上を含み、かつ粒径が50nm以下である導電性合金微粒子(酸化インジウム、酸化錫など)を極性溶媒に分散させた透明導電膜形成塗料をいい、具体的には住友大阪セメント(株)のS−100、S−200などが製品例として挙げることができる。塗布量が多いほど表面抵抗が低下するが、加工性、密着性が悪くなる。従って、S−100の場合塗布量は2〜10g/m2 の範囲とする。
【0015】
(保護層)
塗装金属板において用いられる公知のポリエステル系、アクリル系、エポキシ系などの熱可塑性あるいは熱硬化性のクリア樹脂を保護層6として、ロールコートで施すことでできる。折曲加工性を求めるならば、塗布量を16g/m2 以下とすることが望ましいが、無機蛍光体層5の保護を重視するならばそれ以上でもよい。かかる保護層6には、透明体、半透明体、又は有色透明であることが求められ、有色透明とする場合には、クリア樹脂に各種着色顔料を添加すればよい。保護層6は、図3に示すごとく、PETなどのラミネートフィルム8をラミネート方式で貼着することにより形成してもよい(請求項2)。また、ITO膜10と樹脂膜11とが一体形成された透明導電性フィルム9をラミネート方式で貼着してもよく(請求項3)、その場合には、ロール印刷機19cによる透明電極層5の作製工程(S4:図2、3参照)を省略することができる。ロール印刷機の数を少なくできる点でも有利である。
【0016】
【発明の作用効果】
請求項1に拠る無機EL素子の作製方法によれば、図2に示すごとく、ロール印刷機19a〜19dを用いて、金属板2上にプライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および保護層6を順にロールコート方式により形成するので、従来の蒸着法やイオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法などで各層を形成する形式では不可欠であった蒸着装置などの高価な装置を廃して、比較的安価なロール印刷機19a〜19dを使って各層3・4・5・6を形成できる。従って、設備費用の削減化が図れ、無機EL素子1を安価に量産できる。
【0017】
請求項2に拠る無機EL素子の作製方法によれば、図3に示すごとく、プライマー層3、無機蛍光体層4および透明電極層5を、ロールコート方式により形成したうえで、透明電極層5上に樹脂フィルム8をラミネート方式により貼着して保護層6を形成しているので、この場合においても従来の蒸着法やイオンプレーティング法、或いはスパッタリング法などで各層を形成する形式に比べて、無機EL素子1を安価に量産できる。
【0018】
請求項3に拠る無機EL素子の作製方法によれば、図4に示すごとく、プライマー層3と無機蛍光体層4をロールコート方式で形成したうえで、透明電極層5となるITО膜10と、保護層6となる樹脂膜11とが一体形成された導電性フィルム9を無機蛍光体層4上にラミネート方式で貼着することにより、透明電極層5と保護層6とを形成しているので、この場合にも従来の蒸着法やイオンプレーティング法、或いはスパッタリング法などの方式で各層を形成する形式に比べて、無機EL素子1を安価に量産できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態に係る無機EL素子の断面図である。この無機EL素子1は、基体となる金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および透明保護層6を順に形成してなり、透明電極層5と金属板2との間に交流電界を印加することで無機蛍光体層4を発光させるものである。無機蛍光体層5から発光した可視光は、透明電極層5および透明保護層6を通して外部へ取り出すことができる。
【0020】
(第1実施例)
図2は、第1実施例に係る無機EL素子の作製方法を示す。ここでは、ロール印刷機19a〜19dと、焼付け処理用のオーブン20a〜20dを主要構成要素とする連続ロール塗装ラインで無機EL素子が作製されている。
【0021】
図2において符号15は、金属板2(図1参照)となるロール状に巻かれた亜鉛めっき鋼板であり、金属板2上にロールコート方式により、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5、保護層6(図1参照)を順に形成して、無機EL素子1を作製する。符号16は入側アキュムレータ、符号17は出側アキュムレータであり、これら両アキュムレータ16・17で連続ロール塗装ラインにおける亜鉛めっき鋼板15の送り速度を調整する。
【0022】
具体的には、まず、前処理装置18により、亜鉛めっき鋼板15に対して酸による表面処理とクロメート処理を施す(S1)。次いで、第1のロール印刷機19aを用いて亜鉛めっき鋼板15(金属板2)上にプライマーを塗布してから、第1のオーブン20aで焼付処理を行って塗料を固化させることにより、金属板2上にプライマー層3を積層する(S2)。ここでは、チタン酸バリウムを7重量%、酸化チタンを15重量%含有したポリエステル塗料をプライマーとした。
【0023】
第2のロール印刷機19bを用いてプライマー層3上に、無機蛍光体含有塗料を塗布してから、第2のオーブン20bで焼付処理を行って塗料を固化させることにより、プライマー層3上に無機蛍光体層4を積層する(S3)。ここでは、ZnS蛍光体(OSRAM SYLBANIA社製 ANE230)を50重量%含有したポリエステル系クリア塗料を無機蛍光体含有塗料とした。
【0024】
第3のロール印刷機19cを用いて無機蛍光体層4上に、ITO膜形成塗料(住友大阪セメント(株)製、S−100)を塗布してから、第3のオーブン20cで焼付処理を行って塗料を固化させることにより、透明電極層5を積層する(S4)。
【0025】
第4のロール印刷機19dを用いて透明電極層5上に、保護塗料を塗布してから、第4のオーブン20dで焼付処理を行って塗料を固化させることにより、透明電極層5上に透明保護層6を積層する(S5)。ここでは、ポリエステル系クリア塗料を保護塗料とした。
【0026】
以上より、図1のような無機EL素子1を得ることができる。各ロール印刷機19a〜19dにおける塗料の塗布量、オーブン20a〜20bによる焼付条件、最終的に得られた各膜3・4・5・6の膜厚は、以下の表1に示す如くである。なお、本実施例においては、両アキュムレータ16・17により、鋼板の送り速度が40〜60m/分となるように調整した。
【0027】
【表1】
【0028】
最後に、得られた無機EL素子1をテンションレベラー21に通して平坦度を改善したのちロール状に巻き取った。巻き取り前に、所定の長さ寸法にカットしてもよい。
【0029】
第1実施例に係る無機EL素子の作製方法によれば、ロール印刷機19a〜19dを用いて、金属板2上にプライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および透明保護層6を順にロールコート方式により形成したので、従来の蒸着法やイオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法などで各層を形成する形式では不可欠であった蒸着装置などの高価な装置を廃して、比較的安価なロール印刷機19a〜19dを使って各層3・4・5・6を形成できた。
【0030】
以上のようにして得られた無機EL素子1に対して、曲げ試験(JIS G
3312)を行ったところ、2Tで塗膜の割れは確認されず、屈曲部の発光状態も平面部と同等であった。
【0031】
(第2実施例)
図3は本発明の第2実施例を示す。この場合の連続ロールラインは、金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4および透明電極層5となる三種の塗料を順に塗布する三つのロール印刷機19a〜19cと、各ロール印刷機19a〜19cを経た塗装板に対して焼付固化処理を施す三つのオーブン20a〜20cと、一つのラミネーター25とを主要構成要素とする。ラミネーター25は、透明電極層5上に、透明保護層6となる樹脂膜を含むラミネートフィルム8をラミネート方式で貼り合わせる(S6)。ラミネートフィルム8は、具体的には、感圧型粘着剤塗工を施したPETフィルム(45μm:帝人社製)である。各層3・4・5を構成する塗料の組成は、第1実施例と同様である。
【0032】
第2実施例に係る無機EL素子の作製方法によっても、第1実施例と同様の作用効果が得られる。すなわち、ロール印刷機19a〜19cを用いて、金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、次いで透明電極層5を順にロールコート方式により形成し、次いでラミネーター25を用いて透明電極層5上にラミネートフィルム8を貼着して、透明保護層6を形成するので、従来の蒸着法やイオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法などで各層を形成する形式では不可欠であった蒸着装置などの高価な装置を廃して、比較的安価なロール印刷機19a〜19c、およびラミネーター25を使って各層3・4・5・6を形成できる。
【0033】
(第3実施例)
図4は本発明の第3実施例を示す。この場合の連続ロールラインは、金属板2上に、プライマー層3と無機蛍光体層4となる二種の塗料を順に塗布する二つのロール印刷機19a・19bと、各ロール印刷機19a・19bを経た塗装板に対して焼付固化処理を施す二つのオーブン20a・20bと、一つのラミネーター26とを主要構成要素とする。ラミネーター26は、透明電極層5となるITО膜10と透明保護層6となる樹脂膜11とが一体に貼り合わされた透明導電性フィルム9を、無機蛍光体層4上にラミネート方式で貼着するものである(S7)。透明導電性フィルム9は、具体的には、ハイビームCF98(75μm:東レ社製)である。
【0034】
第3実施例に係る無機EL素子の作製方法によっても、第1および第2実施例と同様の作用効果が得られる。すなわち、ロール印刷機19a・19bを用いて、金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4を順にロールコート方式により形成し、次いでラミネーター26を用いて無機蛍光体層4上に透明導電性フィルム9を貼着して、透明電極層5および透明保護層6を形成するので、従来の蒸着法やイオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法などで各層を形成する形式では不可欠であった蒸着装置などの高価な装置を廃して、比較的安価なロール印刷機19a・19b、およびラミネーター26を使って各層3・4・5・6を形成できる。
【0035】
透明保護層6の形成に先立って、透明電極層5上に、文字、模様などの印刷処理を施すことができる。実施形態においては、連続ライン方式により無機EL素子1の作成していたが、切り板加工した金属板2上にプライマー層3などを積層する方法を採ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無機EL素子の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る無機EL素子の作製方法を示す構成図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る無機EL素子の作製方法を示す構成図である。
【図4】本発明の第3実施例に係る無機EL素子の作製方法を示す構成図である。
【符号の説明】
1 無機EL素子
2 金属板
3 プライマー層
4 無機蛍光体層
5 透明電極層
6 保護層(透明保護層)
8 ラミネートフィルム
9 ラミネートフィルム
19 ロール印刷機
25 ラミネーター
26 ラミネーター
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機EL素子の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminessence)素子は、電場の印加により発光する面状の発光素子であり、用いられる発光体の種類により、無機EL素子、有機EL素子に分類される。無機EL素子は、少なくとも透明電極、無機蛍光体層、裏面電極から構成されており、透明電極と裏面電極と間に交流電界を印加することで無機蛍光体層を発光させる。かかる無機EL素子の従来例には、例えば特許文献1があり、そこでは蒸着法、イオンプレーティング法、またはスパッタリング法などで透明電極が形成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−141533号公報(段落番号0023)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1にみられるように、蒸着法等を含む従来の無機EL素子の作製方法によれば、高価な蒸着装置等を要するため、設備費用が高く付き、無機EL素子の作製コストを低コスト化しようにも限界があった。
【0005】
本発明の目的は、従来形式に比べて製造コストが少なくて済み、安価に量産できる無機EL素子の作製方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、無機EL素子を構成する各層等をロールコート方式、或いはラミネート方式で形成すれば、高価な蒸着装置等を廃して設備コストの低減化を図れるのではないかと考え、試作実験を経て本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、図1に示すごとく、金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および保護層6を順に形成してなる無機EL素子の作製方法である。
【0008】
そのうえで請求項1に記載の発明方法は、図2に示すごとく、金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程(S2)と、プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程と(S3)、無機蛍光体層4の表面に、ロール印刷機19cでITO膜形成塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、透明電極層5を形成する工程と(S4)、透明電極層5の表面に、ロール印刷機19dで保護塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、保護層6を形成する工程(S5)とからなる。
【0009】
請求項2記載の本発明方法は、図3に示すごとく、金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程(S2)と、プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程と(S3)、無機蛍光体層4の表面に、ロール印刷機19cでITO膜形成塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、透明電極層5を形成する工程(S4)と、透明電極層5の表面に、ラミネーター25でラミネートフィルム8を貼着させて、保護層6を形成する工程(S6)とからなる。
【0010】
請求項3記載の本発明方法は、図4に示すごとく、金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程(S2)と、プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程(S3)と、無機蛍光体層4の表面に、ラミネーター26で透明導電性フィルム9を貼着させて、透明電極層5と保護層6を形成する工程(S7)とからなる。
【0011】
無機EL素子1を構成する金属板2および各層3・4・5・6は、具体的には次のようになっている。
(金属板)
金属板2は、耐食性、導電性および加工性に優れたものがよい。その一例として、亜鉛めっき鋼板、5%アルミ・亜鉛合金めっき鋼板、55%アルミ・亜鉛合金めっき鋼板、アルミ板、ステンレス鋼板などが挙げられる。亜鉛めっき鋼板やアルミ・亜鉛合金めっき鋼板の場合、塗料との密着性を増すために表面処理やクロメート系処理を施すと、殆ど輝度の低下がないまま塗料の密着性および耐食性が向上する。目付け、材質などのめっき条件は、蛍光体の輝度に殆ど影響を与えないが、Z27(JIS G 3302参照)以下に目付けを抑えた方が塗装金属板の加工性、密着性においてよい結果を得られる。
【0012】
(プライマー層)
従来のEL素子では、透明電極と金属板間を絶縁するための絶縁層が施されていた。本発明のプライマー層3は、絶縁性の他に金属板2の耐食性を向上させる機能、金属板2と無機蛍光体層4との密着性を向上させる機能を有しており、これにより、曲げ加工や絞り成型加工によっても無機蛍光体層4が金属板2から剥離することを効果的に防いで、安定した発光を得ることができる。プライマーは、ポリエステル系、エポキシ系などの樹脂を主体とする。金属板2として亜鉛めっき鋼板を使用する場合には、上記樹脂に、クロム系、非クロム系の防錆顔料といった無機材料を混合することができる。無機顔料で着色してもよい。一般的な塗装金属板に用いられているプライマーでもよいが、さらに比誘電率を高めるために、チタン酸バリウム(比誘電率:1200)などを含んだ高誘電率のものであることが望ましい。チタン酸ストロンチウム(比誘電率:332)、五酸化チタン(比誘電率:100)、五酸化タンタル(比誘電率:27.9)、酸化アルミニウム(比誘電率:8.5)などを含ませてもよい。また、プライマー層3の膜厚は薄いほど蛍光体層4への印加電圧を高くできるが、金属板2の耐食性、加工性、密着性および絶縁性が悪くなる。塗布量が4.5g/m2 未満だと絶縁破壊を起こすおそれがあり、13g/m2 を超えると極端に輝度が低下する。従って、プライマー層3を形成する塗料の塗布量はこの間の範囲が望ましい。
【0013】
(無機蛍光体層)
無機蛍光体層4の形成には、一般的な塗装金属板において用いられるバインダー樹脂に無機蛍光体を分散させた塗料を用いることにより、ロールコート方式による均一な蛍光体の塗布が可能となる。ここで使用されるバインダー樹脂としては、シアノエチル系、フッ素系樹脂が高誘電率であるため好適に用いられる。蛍光体は、ZnS:Mn,ZnS:Cuなどさまざまなものが存在するが、基本的にZnS系蛍光体ならば、ほぼ同様に扱うことができる。蛍光体の粒子径が大きくなると、ロールコートの際に、スジ発生等の塗装不良の原因となるので、平均粒子径は10〜40μmが望ましい。また、蛍光体の含有率、塗料の塗布量を増やすと輝度が上昇するが、加工性、密着性が悪くなる。従って、蛍光体の含有率は、20〜50wt%、塗布量は10〜30g/m2 とする。本発光体に顔料を配合することにより多少の色選択性を持たせることがもできるが、顔料は高誘電率のものが望ましい。
【0014】
(透明電極層)
透明電極層の形成には、市販のITO膜形成塗料を用いる。ここでITO膜形成塗料とは、銀を含み、更にパラジウム、銅、および金からなる群から選択された1種若しくは2種以上を含み、かつ粒径が50nm以下である導電性合金微粒子(酸化インジウム、酸化錫など)を極性溶媒に分散させた透明導電膜形成塗料をいい、具体的には住友大阪セメント(株)のS−100、S−200などが製品例として挙げることができる。塗布量が多いほど表面抵抗が低下するが、加工性、密着性が悪くなる。従って、S−100の場合塗布量は2〜10g/m2 の範囲とする。
【0015】
(保護層)
塗装金属板において用いられる公知のポリエステル系、アクリル系、エポキシ系などの熱可塑性あるいは熱硬化性のクリア樹脂を保護層6として、ロールコートで施すことでできる。折曲加工性を求めるならば、塗布量を16g/m2 以下とすることが望ましいが、無機蛍光体層5の保護を重視するならばそれ以上でもよい。かかる保護層6には、透明体、半透明体、又は有色透明であることが求められ、有色透明とする場合には、クリア樹脂に各種着色顔料を添加すればよい。保護層6は、図3に示すごとく、PETなどのラミネートフィルム8をラミネート方式で貼着することにより形成してもよい(請求項2)。また、ITO膜10と樹脂膜11とが一体形成された透明導電性フィルム9をラミネート方式で貼着してもよく(請求項3)、その場合には、ロール印刷機19cによる透明電極層5の作製工程(S4:図2、3参照)を省略することができる。ロール印刷機の数を少なくできる点でも有利である。
【0016】
【発明の作用効果】
請求項1に拠る無機EL素子の作製方法によれば、図2に示すごとく、ロール印刷機19a〜19dを用いて、金属板2上にプライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および保護層6を順にロールコート方式により形成するので、従来の蒸着法やイオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法などで各層を形成する形式では不可欠であった蒸着装置などの高価な装置を廃して、比較的安価なロール印刷機19a〜19dを使って各層3・4・5・6を形成できる。従って、設備費用の削減化が図れ、無機EL素子1を安価に量産できる。
【0017】
請求項2に拠る無機EL素子の作製方法によれば、図3に示すごとく、プライマー層3、無機蛍光体層4および透明電極層5を、ロールコート方式により形成したうえで、透明電極層5上に樹脂フィルム8をラミネート方式により貼着して保護層6を形成しているので、この場合においても従来の蒸着法やイオンプレーティング法、或いはスパッタリング法などで各層を形成する形式に比べて、無機EL素子1を安価に量産できる。
【0018】
請求項3に拠る無機EL素子の作製方法によれば、図4に示すごとく、プライマー層3と無機蛍光体層4をロールコート方式で形成したうえで、透明電極層5となるITО膜10と、保護層6となる樹脂膜11とが一体形成された導電性フィルム9を無機蛍光体層4上にラミネート方式で貼着することにより、透明電極層5と保護層6とを形成しているので、この場合にも従来の蒸着法やイオンプレーティング法、或いはスパッタリング法などの方式で各層を形成する形式に比べて、無機EL素子1を安価に量産できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態に係る無機EL素子の断面図である。この無機EL素子1は、基体となる金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および透明保護層6を順に形成してなり、透明電極層5と金属板2との間に交流電界を印加することで無機蛍光体層4を発光させるものである。無機蛍光体層5から発光した可視光は、透明電極層5および透明保護層6を通して外部へ取り出すことができる。
【0020】
(第1実施例)
図2は、第1実施例に係る無機EL素子の作製方法を示す。ここでは、ロール印刷機19a〜19dと、焼付け処理用のオーブン20a〜20dを主要構成要素とする連続ロール塗装ラインで無機EL素子が作製されている。
【0021】
図2において符号15は、金属板2(図1参照)となるロール状に巻かれた亜鉛めっき鋼板であり、金属板2上にロールコート方式により、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5、保護層6(図1参照)を順に形成して、無機EL素子1を作製する。符号16は入側アキュムレータ、符号17は出側アキュムレータであり、これら両アキュムレータ16・17で連続ロール塗装ラインにおける亜鉛めっき鋼板15の送り速度を調整する。
【0022】
具体的には、まず、前処理装置18により、亜鉛めっき鋼板15に対して酸による表面処理とクロメート処理を施す(S1)。次いで、第1のロール印刷機19aを用いて亜鉛めっき鋼板15(金属板2)上にプライマーを塗布してから、第1のオーブン20aで焼付処理を行って塗料を固化させることにより、金属板2上にプライマー層3を積層する(S2)。ここでは、チタン酸バリウムを7重量%、酸化チタンを15重量%含有したポリエステル塗料をプライマーとした。
【0023】
第2のロール印刷機19bを用いてプライマー層3上に、無機蛍光体含有塗料を塗布してから、第2のオーブン20bで焼付処理を行って塗料を固化させることにより、プライマー層3上に無機蛍光体層4を積層する(S3)。ここでは、ZnS蛍光体(OSRAM SYLBANIA社製 ANE230)を50重量%含有したポリエステル系クリア塗料を無機蛍光体含有塗料とした。
【0024】
第3のロール印刷機19cを用いて無機蛍光体層4上に、ITO膜形成塗料(住友大阪セメント(株)製、S−100)を塗布してから、第3のオーブン20cで焼付処理を行って塗料を固化させることにより、透明電極層5を積層する(S4)。
【0025】
第4のロール印刷機19dを用いて透明電極層5上に、保護塗料を塗布してから、第4のオーブン20dで焼付処理を行って塗料を固化させることにより、透明電極層5上に透明保護層6を積層する(S5)。ここでは、ポリエステル系クリア塗料を保護塗料とした。
【0026】
以上より、図1のような無機EL素子1を得ることができる。各ロール印刷機19a〜19dにおける塗料の塗布量、オーブン20a〜20bによる焼付条件、最終的に得られた各膜3・4・5・6の膜厚は、以下の表1に示す如くである。なお、本実施例においては、両アキュムレータ16・17により、鋼板の送り速度が40〜60m/分となるように調整した。
【0027】
【表1】
【0028】
最後に、得られた無機EL素子1をテンションレベラー21に通して平坦度を改善したのちロール状に巻き取った。巻き取り前に、所定の長さ寸法にカットしてもよい。
【0029】
第1実施例に係る無機EL素子の作製方法によれば、ロール印刷機19a〜19dを用いて、金属板2上にプライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および透明保護層6を順にロールコート方式により形成したので、従来の蒸着法やイオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法などで各層を形成する形式では不可欠であった蒸着装置などの高価な装置を廃して、比較的安価なロール印刷機19a〜19dを使って各層3・4・5・6を形成できた。
【0030】
以上のようにして得られた無機EL素子1に対して、曲げ試験(JIS G
3312)を行ったところ、2Tで塗膜の割れは確認されず、屈曲部の発光状態も平面部と同等であった。
【0031】
(第2実施例)
図3は本発明の第2実施例を示す。この場合の連続ロールラインは、金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4および透明電極層5となる三種の塗料を順に塗布する三つのロール印刷機19a〜19cと、各ロール印刷機19a〜19cを経た塗装板に対して焼付固化処理を施す三つのオーブン20a〜20cと、一つのラミネーター25とを主要構成要素とする。ラミネーター25は、透明電極層5上に、透明保護層6となる樹脂膜を含むラミネートフィルム8をラミネート方式で貼り合わせる(S6)。ラミネートフィルム8は、具体的には、感圧型粘着剤塗工を施したPETフィルム(45μm:帝人社製)である。各層3・4・5を構成する塗料の組成は、第1実施例と同様である。
【0032】
第2実施例に係る無機EL素子の作製方法によっても、第1実施例と同様の作用効果が得られる。すなわち、ロール印刷機19a〜19cを用いて、金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、次いで透明電極層5を順にロールコート方式により形成し、次いでラミネーター25を用いて透明電極層5上にラミネートフィルム8を貼着して、透明保護層6を形成するので、従来の蒸着法やイオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法などで各層を形成する形式では不可欠であった蒸着装置などの高価な装置を廃して、比較的安価なロール印刷機19a〜19c、およびラミネーター25を使って各層3・4・5・6を形成できる。
【0033】
(第3実施例)
図4は本発明の第3実施例を示す。この場合の連続ロールラインは、金属板2上に、プライマー層3と無機蛍光体層4となる二種の塗料を順に塗布する二つのロール印刷機19a・19bと、各ロール印刷機19a・19bを経た塗装板に対して焼付固化処理を施す二つのオーブン20a・20bと、一つのラミネーター26とを主要構成要素とする。ラミネーター26は、透明電極層5となるITО膜10と透明保護層6となる樹脂膜11とが一体に貼り合わされた透明導電性フィルム9を、無機蛍光体層4上にラミネート方式で貼着するものである(S7)。透明導電性フィルム9は、具体的には、ハイビームCF98(75μm:東レ社製)である。
【0034】
第3実施例に係る無機EL素子の作製方法によっても、第1および第2実施例と同様の作用効果が得られる。すなわち、ロール印刷機19a・19bを用いて、金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4を順にロールコート方式により形成し、次いでラミネーター26を用いて無機蛍光体層4上に透明導電性フィルム9を貼着して、透明電極層5および透明保護層6を形成するので、従来の蒸着法やイオンプレーティング法、あるいはスパッタリング法などで各層を形成する形式では不可欠であった蒸着装置などの高価な装置を廃して、比較的安価なロール印刷機19a・19b、およびラミネーター26を使って各層3・4・5・6を形成できる。
【0035】
透明保護層6の形成に先立って、透明電極層5上に、文字、模様などの印刷処理を施すことができる。実施形態においては、連続ライン方式により無機EL素子1の作成していたが、切り板加工した金属板2上にプライマー層3などを積層する方法を採ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無機EL素子の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る無機EL素子の作製方法を示す構成図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る無機EL素子の作製方法を示す構成図である。
【図4】本発明の第3実施例に係る無機EL素子の作製方法を示す構成図である。
【符号の説明】
1 無機EL素子
2 金属板
3 プライマー層
4 無機蛍光体層
5 透明電極層
6 保護層(透明保護層)
8 ラミネートフィルム
9 ラミネートフィルム
19 ロール印刷機
25 ラミネーター
26 ラミネーター
Claims (3)
- 金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および保護層6を順に形成してなる無機EL素子の作製方法であって、
金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程と、
プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程と、
無機蛍光体層4の表面に、ロール印刷機19cでITO膜形成塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、透明電極層5を形成する工程と、
透明電極層5の表面に、ロール印刷機19dで保護塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、保護層6を形成する工程とからなることを特徴とする無機EL素子の作製方法。 - 金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および保護層6を順に形成してなる無機EL素子の作製方法であって、
金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程と、
プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程と、
無機蛍光体層4の表面に、ロール印刷機19cでITO膜形成塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、透明電極層5を形成する工程と、
透明電極層5の表面に、ラミネーター25でラミネートフィルム8を貼着させて、保護層6を形成する工程とからなることを特徴とする無機EL素子の作製方法。 - 金属板2上に、プライマー層3、無機蛍光体層4、透明電極層5および保護層6を順に形成してなる無機EL素子の作製方法であって、
金属板2の表面に、ロール印刷機19aでプライマーを塗布したのち、焼付け乾燥させて、プライマー層3を形成する工程と、
プライマー層3の表面に、ロール印刷機19bで無機蛍光体含有塗料を塗布したのち、焼付け乾燥させて、無機蛍光体層4を形成する工程と、
無機蛍光体層4の表面に、ラミネーター26で透明導電性フィルム9を貼着させて、透明電極層5と保護層6を形成する工程とからなることを特徴とする無機EL素子の作製方法。
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