JPH0785899B2 - 熱成形性複合シートのプレス方法 - Google Patents

熱成形性複合シートのプレス方法

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JPH0785899B2
JPH0785899B2 JP1040810A JP4081089A JPH0785899B2 JP H0785899 B2 JPH0785899 B2 JP H0785899B2 JP 1040810 A JP1040810 A JP 1040810A JP 4081089 A JP4081089 A JP 4081089A JP H0785899 B2 JPH0785899 B2 JP H0785899B2
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composite sheet
thermoformable composite
thermoplastic resin
pressing
thermoformable
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克彦 山路
雅則 中村
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主として無機繊維を骨格とし、この無機繊維
が熱可塑性樹脂を主成分とする結着材で結合されてな
る、内部に空隙を有する熱成形性複合シートのプレス方
法に関する。
(従来の技術) 熱成形性複合シートは、無機繊維を骨格とし、この無機
繊維が熱可塑性樹脂を主成分とする結着材で結合されて
なり、このような熱成形性複合シートは加熱プレスする
ことにより、種々の形状に成形される。従来、このよう
な熱成形性複合シートをプレスするには、熱成形性複合
シートをその熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加熱し
た後、金型内にセットし、そして金型を閉じることによ
り所定形状に成形することが一般に採用されている(特
開昭62−161529号公報)。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上記プレス方法によって、コーナー部を有す
る成形品を成形する場合には、成形品のコーナー部でシ
ワが入り易いという欠点があった。特に、曲率半径の小
さいコーナー部を有する成形品においては、シワが入り
易く成形品の外観を著しく低下させていた。
本発明は上記の欠点に鑑みてなされたものであり、コー
ナー部においてもシワを生じることのない成形品を得る
ことができる熱成形性複合シートのプレス方法を提供す
ることを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明の熱成形性複合シートのプレス方法は、無機繊維
が熱可塑性樹脂を主成分とする結着材で結合されてな
る、内部に空隙を有する熱成形性複合シートをプレスす
る方法であって、該熱成形性複合シートを、前記熱可塑
性樹脂が結晶性熱可塑性樹脂である場合にはその融点
又、非結晶性熱可塑性樹脂である場合にはその軟化点以
上で面方向に引っ張る工程と、その引っ張り状態で熱成
形性複合シートをプレスする工程と、を包含しており、
そのことにより上記目的が達成される。
本発明で使用される熱成形性複合シートは無機繊維を骨
格とし、無機繊維の交叉部が熱可塑性樹脂を主成分とす
る結着材で結合されて、内部に空隙を有するものであ
る。
この熱成形性複合シートは、通常は熱可塑性樹脂を主成
分とする結着材と無機繊維とを有するマット状物を、熱
可塑性樹脂が結晶性熱可塑性樹脂である場合にはその融
点又は、非結晶性熱可塑性樹脂である場合にはその軟化
点以上に加熱し、熱可塑性樹脂で無機繊維同志を結合
後、そのマット状物を前記温度に保持しつつ、無機繊維
の弾性復元力を利用してマット状物の厚みを回復させ、
あるいは機械的にマット状物の表裏面を外側方向へ引っ
張ることにより、マット状物の厚みを回復させ、その後
冷却して熱成形性複合シートを得ることができる。な
お、熱可塑性樹脂で無機繊維同志を結合する際には、ロ
ール、プレス等で圧縮して樹脂を無機繊維間に含浸させ
るのが好ましい。
上記方法により、内部に空隙を有る空隙率の高い熱成形
性複合シートが得られ、この熱成形性複合シートは軽量
であり、かつ空隙を有するので吸音部材、断熱部材等と
して用いることができる。
上記熱成形性複合シートに用いられる無機繊維として
は、ガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維、炭素
繊維等の1種または2種以上があげられ、中でもガラス
繊維が好ましい。無機繊維は長繊維または短繊維を使用
することができる。長繊維を使用する場合には、ロービ
ングやヤーンを使用することができ、これらを一方向に
並べたものや無定方向に重ねたものを使用することがで
き、あるいは長繊維のマット状あるいはクロス状のもの
も使用することができる。短繊維を使用する場合にもマ
ットとして使用することができ、さらに繊維長さが数mm
以下である場合には結着材に練り込んでもよく、繊維長
が数十mm程度の場合には結着材を用い、あるいはニード
ルパンチを施して不織布やマットとして使用することも
できる。
無機繊維を部分的に結合する結着材は、ポリエチレン、
ポリプロピレン、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリ
スチレン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン等の熱
可塑性樹脂を主成分とするものである。この結着材の形
態は繊維、粉末、フィルム等任意の形態が可能である。
このように熱成形性複合シートにおいて、熱可塑性樹脂
を主成分とする結着材は不織布、マット、クロス等の無
機繊維間に含浸された状態で存在する。
次に、熱成形性複合シートのプレス方法を説明する。
第1図(a)は、一対の長尺な挟持部材1a、1aからなる
固定部材1を用いて熱成形性複合シートの引っ張りを行
うものである。すなわち、挟持部材1a、1aを熱成形性複
合シート2の対向する両端部の上下面に配置させて両挟
持部材1a、1aで熱成形性複合シート2の両端部を挟持
し、次いで第2図(b)に示すように、熱成形性複合シ
ート2を両挟持部材1a、1aで保持した状態で加熱する。
加熱は熱風炉3内(オーブン内)での雰囲気加熱や赤外
線ヒーター等による輻射加熱で行うことができる。この
加熱は熱成形性複合シート2の熱可塑性樹脂が結晶性熱
可塑性樹脂である場合にはその融点又は、非結晶性熱可
塑性樹脂である場合にはその軟化点以上に加熱するもの
である。次いで、第2図(c)に示すように、熱可塑性
樹脂が結晶性可塑性樹脂である場合にはその融点又は、
非結晶性熱可塑性樹脂である場合にはその軟化点以上の
温度において、熱可塑性樹脂の融点又は軟化温度以下に
設定された上下金型4a、4b打に上記熱成形性複合シート
2をセットする。ここで、熱成形性複合シート2中の熱
可塑性樹脂は上記加熱によって軟化しているため熱成形
性複合シート2の中央部が垂れ下がるが、挟持部材1a、
1aを熱成形性複合シート2の面方向へ移動することによ
り、熱成形性複合シート2に張力を作用させる。次い
で、上金型4aを閉じることにより、熱成形性複合シート
2をプレス成形して製品を得るものである。
固定部材1を移動させるには、第3図に示すように、固
定部材1にエアシリンダー5を取り付けて、適宜時期に
エアシリンダー5を空気に供給することにより、固定部
材1を引っ張るようにしてもよく、このようにエアシリ
ンダー5を用いた場合には、その空気圧を調整すること
により、熱成形性複合シート2に作用する張力を調節す
ることができる。熱成形性複合シート2に作用させる張
力は熱成形性複合シート2の目付量によって異なるが、
例えばその目付量が700g/m2であるならば0.3〜5Kg/cmが
適当である。熱成形性複合シート2の目付量が小さくな
ればそれに作用する張力は小さく、目付量が大きくなれ
ば張力は大きくする必要がある。熱成形性複合シート2
に作用する張力が上記範囲より小さ過ぎると効果が小さ
く、得られる成形品のコーナー部にシワが発生し易くな
り、張力が上記範囲より大き過ぎると、熱成形性複合シ
ート2が引き延ばされて薄くなり、切断するおそれがあ
る。なお、エアシリンダー5に代えて、引張りバネ等の
引張り部材を用いてもよい。
また、熱成形性複合シート2に張力を作用させるには、
上記熱成形性複合シート2の両端部に固定した固定部材
1を一定距離だけ広げてもよい。この場合には熱成形性
複合シート2の幅の1〜5%が適当である。熱成形性複
合シート2を広げる距離が1%より小さければ効果は小
さく、5%より大きすぎると熱成形性複合シート2が薄
くなり切断するおそれがある。
第1図(b)は固定部材1として、枠材10に多数の釘状
突起11、11…を設けて構成したものであり、図に示すよ
うに、釘状突起11を熱成形性複合シート2の両端部下面
より突き刺し、両固定部材1、1を離間する方向へ移動
させることにより、熱成形性複合シート2に張力を作用
させることができる。
第1図(c)は、固定部材1として枠材12に多数のクラ
ンプ13、13…を設けて構成したものであり、クランプ13
で熱成形性複合シート2の両端部の表面を引っかけ、そ
の状態で第1図(a)と同様に両固定部材1、1を離間
する方向へ移動させることにより熱成形性複合シート2
に張力を作用させることができる。
なお、上記では熱成形性複合シートの両側端部から熱成
形性複合シートを引っ張るようにしたが、四周から熱成
形性複合シート2を引っ張りプレスしてもよい。また、
熱成形性複合シート2の片面もしくは両面にポリエチレ
ン、ポリプロピレン、飽和ポリエステル等の熱可塑性樹
脂フィルムや、発泡体あるいは織布、不織布等の化粧用
表皮材を積層した積層シートをプレスする際にも本発明
は適用することができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例1 ガラス繊維(直径11μm、長さ50mm)とポリエチレン繊
維(外径6デニール(約30μm)、長さ50mm、融点135
℃)とを重量比2対1の割合でカードマシンに供給して
解繊及び混繊し、ニードルパンチ(20箇所/cm2)を施し
て厚み7mm、密度0.5g/cm3のマットを作成した。次に、
このマットの両面に厚さ150μmのポリエチレンフィル
ム(融点135℃)をそれぞれ一枚積層してマット状物を
得た。
そのマット状物のガラス繊維間に溶融したポリエチレン
を含浸させた後、マット状物表裏面のテトラフルオロエ
チレンシートの外面に、多数の細孔を有する真空吸着板
をそれぞれ吸着させ、次いで両真空吸着板を外方へ移動
させることにより熱成形性複合シートの厚みを増加させ
た。次に、テトラフルオロエチレンの両外面から冷却
(空冷)し、テフロンシートを剥離して厚さ7mmの熱成
形性複合シートを得た。熱成形性複合シートの空隙率は
90%であった。
次に、得られた熱成形性複合シートを赤外線ヒーターで
200℃に加熱して(赤外線ヒーターの表面温度300℃、45
秒加熱)、この状態を維持しつつ、熱成形性複合シート
に1.5Kg/cm2の引っ張り張力を加えて金型内にセット
し、この状態で3Kg/cm2の圧力でプレスして第4図
(a)(b)に示す成形品を得た。金型温度は30℃と
し、上下金型間のクリアランスは5mmに設定した。な
お、第4図(a)(b)において成形品6の各部の寸法
単位はミリを示し、コーナー部6aの曲率半径Aが20、3
0、40mmの3種類の成形品について実施した。また、熱
成形性複合シートの両端部を固定した固定部材1の幅寸
法は50mmとした。成形品6のコーナー部6aのシワの入り
具合いを目視にて観察し、その結果を表1に示した。表
1において、コーナー部6aにシワが認められないものを
○、わずかにシワが入ったものを△、シワが大きく入っ
たものを×とした。
比較例1 実施例1において、熱成形性複合シートに引っ張り張力
を作用させないほかは、実施例1と同様にプレス成形し
た。成形された成形品のシワの状態を観察して表1に示
した。
この表1からも張力を作用させた状態でプレスすること
により、シワの入らない成形品が得られることがわか
る。
(発明の効果) このように、本発明の熱成形性複合シートのプレス方法
は、内部に空隙を有する熱成形性複合シートを所定状態
で面方向に引っ張り、その引っ張り状態で熱成形性複合
シートをプレスするので曲率半径の小さいコーナー部を
有する成形品を成形する場合においても、コーナー部で
シワの生じない成形品を得ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)(c)はそれぞれ本発明に用いられ
る熱成形性複合シートの両端部に固定部材を取り付けた
状態を示す斜視図、第2図(a)(b)(c)は本発明
の熱成形性複合シートのプレス方法を示す説明図、第3
図はその熱成形性複合シートを引っ張っている状態を示
す要部平面図、第4図(a)は実施例1及び2で得られ
た成形品の平面図、第4図(b)は第4図(a)のA−
A′線断面図、第5図は比較例1及び2で得られた成形
品の平面図である。 1……固定部材、2……熱成形性複合シート、4……金
型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 309:00 B29L 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機繊維が熱可塑性樹脂を主成分とする結
    着材で結合されてなる、内部に空隙を有する熱成形性複
    合シートをプレスする方法であって、 該熱成形性複合シートを、前記熱可塑性樹脂が結晶性熱
    可塑性樹脂である場合にはその融点又、非結晶性熱可塑
    性樹脂である場合にはその軟化点以上で面方向に引っ張
    る工程と、 その引っ張り状態で熱成形性複合シートをプレスする工
    程と、 を包含する熱成形性複合シートのプレス方法。
JP1040810A 1989-02-20 1989-02-20 熱成形性複合シートのプレス方法 Expired - Lifetime JPH0785899B2 (ja)

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