JPH0785174B2 - 超薄膜積層構造を有する光受容部材 - Google Patents

超薄膜積層構造を有する光受容部材

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JPH0785174B2
JPH0785174B2 JP61008772A JP877286A JPH0785174B2 JP H0785174 B2 JPH0785174 B2 JP H0785174B2 JP 61008772 A JP61008772 A JP 61008772A JP 877286 A JP877286 A JP 877286A JP H0785174 B2 JPH0785174 B2 JP H0785174B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、電子写真用感光体等に用いられる光受容部
材、特に改善された電荷注入阻止層を有する光受容部
材、および該光受容部材を製造するのに適したプラズマ
CVD法による堆積膜形成装置に関する。
〔従来技術の説明〕
従来、電子写真用感光体等に用いられる光受容部材とし
ては、その光感度領域の整合性が他の種類の光受容部材
と比べて優れているのに加えて、ピツカース硬度が高
く、公害の問題が少ない等の点から、例えば特開昭54-8
6341号公報や特開昭56-83746号公報にみられるようなシ
リコン原子を母体とする非晶質材料、いわゆるアモルフ
アスシリコン(以後、「a−Si」と表記する。)から成
る光受容部材が注目されている。
ところでこうした光受容部材は、支持体上にa−Siで構
成される感光層を有するものであるところ、該感光層が
帯電処理を受けた際に、支持体側から感光層中に電子が
注入されるのを阻止する目的で支持体と感光層との間に
電荷注入阻止層を設けることが知られている。そして、
該電荷注入阻止層について、a−Si、多結晶質シリコン
(以後、「poly-Si」と表記する)又は両者を含むいわ
ゆる非単結晶シリコン(以後、「Non-Si」と呼称する
〔尚、微結晶質シリコンと通称されるものは、a−Siに
分類される。〕に、p型不純物またはn型不純物のドー
ピングされたものを使用すことが提案されている。
ところが、p型不純物またはn型不純物をドーピングさ
せたNon-Si膜は、機能的には満足はされるものの、支持
体との密着性が悪く、支持体から剥離し易いという問題
を有し、その膜がpoly-Siである場合にはその問題はさ
らに顕著である。
この問題を解決する策として、p型不純物又はn型不純
物をドーピングさせたNon-Si膜に、更に酸素原子、炭素
原子及び窒素原子の中の一種またはそれ以上を含有せし
めることが提案されている。
しかしながら、この方法によつてみても依然問題が存在
する。即ち、この方法によれば、支持体と前記膜との密
着性が向上し、そして前記膜のバンドギヤツプが拡大さ
れるという効果が期待できはするものの、禁制帯中に欠
陥単位を作つてしまう問題がある。この欠陥単位の生起
は、Non-Si膜に、p型半導体またはn型半導体にするた
めのp型不純物またはn型不純物のドーピングを阻害す
るため、それら不純物の満足のゆくドーピングが困難に
なるという問題がある。
そしてこの問題を解決するについて、Non-Si膜中へのド
ーピング処理のために供給するp型不純物またはn型不
純物の量を多くすることが行われている。しかし、この
方法においても、供給されるそれら不純物は、全量がド
ーパントとして作用しないことから、それら不純物の反
応系への供給量を絶えず監視して調節しないかぎり、欠
陥準位の生起をもたらすところとなつてしまうという問
題が存在する。
また、上述の類の光受容部は、いずれにしろ所謂多層構
成のものであつて、その製造には一般にプラズマCVD法
による堆積膜形成装置が至適なものとして採用されてい
る。そして所望のそうした光受容部材を製造するに当つ
ては、一般には各々の層毎に至適な成膜条件を設定し、
その条件に従つて層形成操作を各別に行われている。し
たがつて従来のプラズマCVD法による装置によつては、
上述の電荷注入阻止層に係る問題の解決は、当該層の形
成工程の操作に問題解決の条件を設定し、その条件に従
つて当該層の成膜操作を実施することにより行われるこ
とから、それに引き続く層形成の操作を更に複雑にして
しまい、所望の多層構成の光受容部材の効率的に量産す
るとなると装置自体の改良が要求されるところである。
〔発明の目的〕
本発明は、構成層の中の電荷注入阻止層に係る上述の問
題を解決して所望機能を奏するものにした改善された多
層構成の、電子写真用の感光体等に用いられる、光受容
部材と、その効率的量産に適した装置を提供することを
主たる目的とするものである。
本発明の他の目的は、欠陥準位を有さずしてn型不純物
又はp型不純物が所望状態にドーピングされていて改善
された電荷注入阻止機能を奏する電荷注入阻止層を有す
る光受容部材を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、残留電位の問題がほとんどな
く、画像欠陥の問題がなくして、改善された電気的耐圧
性を有する電子写真光受容部材を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明者らは、従来の、電荷注入阻止層を有する電子写
真用感光体等に用いられる光受容部材及びその製造装置
について、前述の諸問題を解決して上述の本発明の目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、先づ前記光受容部
材について、その電荷注入阻止層として、構成原子の一
部が少くとも2種の超薄膜層を成して多数回積層されて
なるもので構成されたものを使用した場合電荷注入阻止
層についての前述の諸問題を解決できる知見を得た。そ
して、次に、従来のプラズマCVD法による堆積膜形成装
置を用いて前記知見に則つて、電荷注入阻止層の構成原
子の一部について少くとも2種の超薄膜にしてそれらを
多数回積層せしめて該電荷注入阻止層を形成するについ
ては、克服を要する問題のあることが判明した。
即ち、従来のプラズマCVD法による装置は、反応容器の
成膜室は要するに一つであることから、その成膜室に導
入する原料ガスは、各超薄膜を形成する毎に、所定のも
のに交換しなくてはならないところ、形成する層(膜)
はいずれにしろ超薄膜であつてその層厚は極めて薄いこ
とから、原料ガスの交換のタイミング、操作が重要であ
るが、従来装置によつてはこのところは容易には達成で
きない。即ち、各層毎に原料ガスの種類が異るだけでな
しに、その流量についても異なり、したがつて原料ガス
の種類と流量を頻繁に変化せねばならないが、従来装置
ではこのところの対応は困難である。
従来のプラズマCVD法による装置については、別の問題
として、成膜室に異なる組成の原料ガスが交互に導入さ
れるところ、不必要なガスが成膜室に残留することが許
されなく、したがつて一成膜操作が終了する毎に残留ガ
スを完全に排気する必要があつて、そのために余分の時
間が費され、所望の成膜効率を達成できないと同時に製
造される膜質に時として悪影響が生じるという問題があ
る。
本発明者らは、こうした問題を解決すべく研究を重ねた
結果次の知見を得た。即ち、プラズマCVD法による堆積
膜形成装置の反応容器を、仕切板により隔絶仕切りして
複数の成膜室を形成し、それぞれの成膜室に相応の成膜
用原料ガスを導入し、各成膜室にプラズマを生起せし
め、そこにあつて円筒状基体を回転せしめ、各個の成膜
室即ちプラズマ領域を該円筒状基体の表面が通過するよ
うにしたところ、所望の超薄膜の多数回積層が効率よく
行えて、所望の電荷注入阻止層を有する光受容部材が効
率よく製造でき、この装置によれば従来装置におけるよ
うな前述の問題が全くなく、且つ前記光受容部材を、成
膜工程において従来装置におけるような原料ガス交換、
排気等のために成膜操作を中断することなくして連続操
作して製造でき、しかもその量産を可能にするという知
見を得た。
本発明は、上述の実験的に確認された知見に基いて完成
せしめたものであり、支持体に極めてよく密着して剥離
することがなくして所望機能を安定して奏する特定構造
の電荷注入阻止層を有し、全体として安定した所望特性
を発揮する光受容部材と、成膜操作を原料ガス交換、排
気等のために中断する機会を必要としない前記光受容部
材の量産を可能にする装置を提供するものである。
本発明により提供される光受容部材は、支持体と、該支
持体上に層厚10Å〜150Åのシリコン原子を母体とし、
周期律表第III族または第V族に属する原子と(伝導性
を制御する物質)と、酸素原子、炭素原子及び窒素原子
の中から選ばれる少なくとも一種とを含有する非単結晶
材料で構成された層と層厚10Å〜150Åのシリコン原子
を母体とし、周期律表第III族または第V族に属する原
子(伝導性を制御する物質)を含有する非単結晶材料で
構成された層とを交互に複数回積層して構成された電荷
注入阻止層と、シリコン原子を母体とする非晶質材料で
構成された感光層とを少なくとも有することを特徴とす
るものである。
以下に、図を用いて本発明の光受容部材について説明す
る。なお、以下の記載においては、本発明の光受容部材
を電子写真用のものとする場合について説明するが、本
発明はこれにより限定されるものではない。
第1図(A)乃至(C)図は、本発明の電子写真用の光
受容部材の層構成の典型的な例を、模式的に示した図で
ある。
第1図(A)図に示す例は、支持体101上に、電荷注入
阻止層102、感光層103及び表面層104をこの順に有する
ものである。
本発明に用いる支持体101は、導電性のものであつて
も、また電気絶縁性のものであつてもよい。導電性支持
体としては、例えば、NiCr、ステンレス、Al、Cr、Mo、
Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb等の金属又はこれ等の合金
が挙げられる。
電気絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、セルロース、アセテート、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフイルム又はシ
ート、ガラス、セラミツク、紙等が挙げられる。これ等
の電気絶縁性支持体は、好適には少なくともその一方の
表面を導電処理し、該導電処理された表面側に光受容層
を設けるのが望ましい。
例えば、ガラスであれば、その表面に、NiCr、Al、Cr、
Mo、Au、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pd、In2O3、SnO2、I
TO(In2O3+SnO2)等から成る薄膜を設けることによつ
て導電性を付与し、或いはポリエステルフイルム等の合
成樹脂フイルムであれば、NiCr、Al、Ag、Pb、Zn、Ni、
Au、Cr、Mo、Ir、Nb、Ta、V、Tl、Pt等の金属の薄膜を
真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパツタリング等でその表
面に設け、又は前記金属でその表面をラミネート処理し
て、その表面に導電性を付与する。支持体の形状は無端
ベルト状又は円筒状とし、その厚さは、所望通りの光受
容部材を形成しうる様に適宜決定するが、光受容部材と
して可撓性が要求される場合には、支持体としての機能
が充分発揮される範囲内で可能な限り薄くすることがで
きる。しかしながら、支持体の製造上及び取扱い上、機
械的強度等の点から、通常は、10μ以上とされる。
本発明の光受容部材の感光層103は、シリコン原子を母
体とする非晶質材料、特にシリコン原子を母体とし、水
素原子(H)又はハロゲン原子(X)の少なくともいず
れか一方を含有するアモルフアス材料、いわゆる水素化
アモルフアスシリコン、ハロゲン化アモルフアスシリコ
ン、あるいはハロゲン含有水素化アモルフアスシリコン
〔以下これらの総称的表記として「a−Si(H,X)」と
表記する。〕で構成される層であつて、該ハロゲン原子
(X)としては、具体的にはフツ素、塩素、臭素、ヨウ
素が挙げられ、特にフツ素、塩素を好適なものとして挙
げることができる。そして感光層10中に含有せしめる水
素原子(H)の量又はハロゲン原子(X)の量、あるい
は水素原子とハロゲン原子の量の和(H+X)は、好ま
しくは1〜40atomic%、より好ましくは5〜30atomic%
とするのが望ましい。
また、本発明の光受容部材において、感光層の層厚は、
本発明の目的を効率的に達成するには重要な要因の1つ
であつて、光受容部材に所望の特性が与えられるよう
に、光受容部材の設計の際には充分な注意を払う必要が
あり、通常は3〜100μとするが、好ましくは5〜80
μ、より好ましくは7〜50μとする。
本発明の光受容部材は、前記支持体101と前記感光層103
との間に、電荷注入阻止層102を有するものであり、該
電荷注入阻止層102は、少なくとも構成原子の一部が異
なる超薄膜を、少なくとも2種類以上複数回積層してな
る超薄膜積層構造を有する層である。即ち、電荷注入阻
止効果を奏するp型不純物又はn型不純物を含有するNo
n-Si(H,X)〔以後、「Non-SiM(H,X)」と表記する。
(但し、Mはp型不純物又はn型不純物を表わす。)〕
で構成される超薄膜層と、支持体との密着効果等を奏す
る酸素原子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少
なくとも一種を含有するNon-SiM(H,X)〔以後、「Non-
SiM(O,C,N)(H,X)」と表記する。〕で構成される超
薄膜層とを、交互に複数回積層してなるものである。
上述のp型不純物としては、周期律表第III族に属する
原子(以後、単に「第III族原子」と表記する。)、具
体的には、B(硼素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリ
ウム)、In(インジウム)、Tl(タリウム)等を用いる
ことができるが、特に好ましいものは、B、Gaである。
またn型不純物としては周期律表第V族に属する原子
(以後、単に「第V族原子」と表記する。)、具体的に
は、P(燐)、As(砒素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビ
スマス)等を用いることができるが、特に好ましいもの
は、P,Asである。電荷注入阻止層102中に含有せしめる
第III族原子又は第V族原子の量は、30〜5×104atomic
ppm、好ましくは50〜1×104atomic ppm、最適には1
×102〜5×103atomic ppmとすることが望ましい。
また電荷注入阻止層102中に含有せしめる酸素原子、炭
素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも1種の
量は、0.001〜50atomic%、好ましくは0.002〜40atomic
%、最適には、0.003〜30atomic%とするのが望まし
い。
本発明の光受容部材の電荷注入阻止層102の層厚は、300
Å〜10μ、好ましくは400Å〜8μ、最適には500Å〜5
μとするのが望ましい。
また、該電荷注入阻止層102を構成する超薄膜各層の層
厚は、10〜150Å、好ましくは10〜100Å、最適には15〜
80Åとするのが望ましい。
ところで、本発明の光受容部材における電荷注入阻止層
102は、上述のごとき超薄膜積層構造を有するNon-SiM
(O,C,N)(H,X)、即ちa−SiM(O,C,N)(H,X)又はp
oly-SiM(O,C,N)(H,X)で構成されるものであるが、
後者のpoly-SiM(O,C,N)(H,X)で構成される層は、種
々の方法、例えば以下に記載するような方法により適宜
形成される。
その1つの方法は、基体温度を高温、具体的には400〜4
50℃に設定し、該基体上にプラズマCVD法により膜を堆
積せしめる方法である。
他の方法は、基体表面に先ずアモルフアス状の膜を形
成、即ち、基体温度を約250℃にした基体上にプラズマC
VD法により膜を形成し、該アモルフアス状の膜をアニー
リング処理することによりpoly化する方法である。該ア
ニーリング処理は、基体を400〜450℃に約20分間加熱す
るか、あるいは、レーザー光を約20分間照射することに
より行なわれる。
なお言うまでもないが、こうしたpoly-SiM(O,C,N)
(H,X)で構成される電荷注入阻止層102上には、通常の
プラズマCVD法(基体温度約250℃)によりa−Si(H,
X)で構成される感光層103が形成される。
本発明においては、Non-SiM(O,C,N)(H,X)で構成さ
れる電荷注入阻止層を前述のごとき超薄膜積層構造層と
することが必要とされるが、電荷注入阻止層102上に形
成される前述の感光層103についても超薄膜積層構造層
とすることができる。
即ち、a−Si(H,X)で構成される感光層103中には、感
光層の伝導性を制御する効果を奏する第III族原子又は
第V族原子を含有せしめ、感光層の光感度を向上せしめ
ることができる。また,感光層の膜品質を向上せしめる
とともに、感光層の高暗抵抗化をはかる目的で、酸素原
子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも
一種を含有せしめることができる。
a−Si(H,X)で構成される感光層中に、こうしたその
他の構成原子を含有せしめる場合、構成原子の少なくと
も一部が異なる超薄膜を少なくとも2種類以上複数回積
層した超薄膜積層構造とすることにより、バンドギヤツ
プを調整することができる。
このところについて第4(A),(B)図を用いて説明
する。
第4(A),(B)図はエネルギーバンドの説明図であ
り、図中、EFはフエルミエネルギー、Ecは伝導帯端エネ
ルギー、Evは価電子帯端エネルギー、Egはアバンドギヤ
ツプを表わしている。
第4(A)図は、バンドギヤツプの異なる二種の超薄膜
を積層した場合を説明する図である。即ち、a−Si(H,
X)中に窒素原子、炭素原子及び窒素原子の中から選ば
れる少なくとも一種を含有せしめた場合には、a−Si
(H,X)よりもバンドギヤツプが拡大することを本発明
者らは事実として確認しているところ、更に次のところ
も確認した。例えば該a−Si(H,X)で構成される超薄
膜とa−Si(O,C,N)(H,X)で構成される超薄膜のよう
に、バンドギヤツプの異なる超薄膜層を積層すると、狭
いバンドギヤツプを有する超薄膜層で、量子効果によ
り、図中破線で示すが如き、サブバンドが形成される。
該サブバンドは、伝導帯及び価電子帯の端部よりもエネ
ルギー的に高い位置に形成され、その結果、超薄膜層を
積層した感光層のバンドギヤツプは、狭いバンドギヤツ
プを有する層のバンドギヤツプよりも広がることとな
る。そして、第4(B)図は、p型不純物を含有するa
−Si(H,X)で構成される超薄膜層(以後「p型超薄膜
層」と称する。)と、n型不純物を含有するa−Si(H,
X)で構成される超薄膜層(以後「n型超薄膜層」と称
する。)とを交互に積層した場合を説明する図である。
この場合には、伝導帯側では、p型超薄膜層ではさまれ
たn型超薄膜層で、量る効果により伝導帯端エネルギー
Ecよりも高いエネルギー側にサブバンドが形成される。
また同様に、価電子帯側では、p型超薄膜層において低
電子帯端エネルギーEvよりも高いエネルギー側に量る効
果によるサブバンドが形成される。それぞれのサブバン
ドは、伝導帯側ではp型超薄膜層へ、また価電子帯側で
はn型超薄膜層へしみだしが生じる。その結果、光吸収
は、伝導帯のサブバンドと、価電子帯のしみだしたサブ
バンドの間で生じるため、p型超薄膜層とn型超薄膜層
とを積層した感光層のバンドギヤツプは、それぞれp型
超薄膜層及びn型超薄膜層固有のバンドギヤツプよりも
狭くなることとなる。
以上のことから具体的には感光層103を、例えば、a−S
i(H,X)で構成される超薄膜層とa−SiM(H,X)で構成
される超薄膜層とを交互に複数回積層した超薄膜積層構
造層、又は、a−Si(H,X)で構成される超薄膜層とa
−Si(O,C,N)(H,X)で構成される超薄膜構造層とを交
互に複数回積層した超薄膜積層構造層、あるいは、a−
SiM(H,X)で構成される超薄膜層とa−Si(O,C,N)
(H,X)で構成される超薄膜層とを交互に複数回積層し
た超薄膜積層構造層とすることができる。
本発明の光受容部材における感光層103上には、表面層1
04が設けられる。該表面層は、酸素原子、炭素原子及び
窒素原子の中から選ばれる少なくとも一種を含有するa
−Si(H,X)〔以後、「a−Si(O,C,N)(H,X)」と表
記する。〕又は窒素原子及び硼素原子を母体とする非晶
質材料〔以後、「a−BN(H,X)」と表記する。〕、あ
るいは、炭素原子を母体とする非晶質材料〔以後、「a
−C(H,X)」と表記する。〕で構成される。
本発明の光受容部材に表面層104を設ける目的は、耐湿
性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特
性、および耐久性等を向上せしめることにある。
特に、表面層としてa−Si(O,C,N)(H,X)で構成され
る層を用いた場合には、表面層と感光層を構成するアモ
ルフアス材料の各々が、シリコン原子という共通した構
成原子を有しているので、表面層104と感光層103との界
面において化学的安定性が確保できる。
こうしたa−Si(O,C,N)(H,X)で構成される表面層と
する場合、表面層中に含有せしめる酸素原子、炭素原子
又は窒素原子の量の増加に伴つて、前述の諸特性は向上
するが、多すぎると層品質が低下し、電気的および機械
的特性も低下する。こうしたことから、これらの原子の
量は、0.001〜90atomic%、好ましくは1〜90atomic
%、最適には10〜80atomic%とするのが望ましい。
また、本発明の光受容部材において、表面層104の層厚
も本発明の目的を効率的に達成するために重要な原因の
1つであり、所望の目的に応じて適宜決定されるもので
あるが、表面層に含有せしめる構成原子の量、あるいは
表面層に要求される特性に応じて相互的かつ有機的関連
性の下に決定する必要がある。更に生産性や量産性も加
味した経済性の点においても考慮する必要もある。こう
したことから、本発明の光受容部材の表面層の層厚は3
×10-3〜30μ、より好ましくは4×10-3〜20μ、特に好
ましくは5×10-3〜10μとする。
第1(B)図に示す例では、前述の第1(A)図に示す
電荷注入阻止層103に、更にゲルマニウム原子又はスズ
原子の少なくとも一方を含有せしめ、該電荷注入阻止層
103に長波長吸収層としての機能を兼ねそなえさせた例
である。即ち、支持体101と感光層103との間に設けられ
る層105は、p型不純物又はn型不純物、および酸素原
子、炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも
一種と、更にゲルマニウム原子又はスズ原子の少なくと
も一方を含有するNon-Si(H,X)〔以後、「Non-Si(Ge,
Sn)M(O,C,N)(H,X)」と表記する。〕で構成されて
いる。該層105にゲルマニウム原子又はスズ原子を含有
せしめることにより、半導体レーザ等の長波長の光源を
使用した場合において、感光層103では殆んど吸収しき
れない長波長側の光を、該層105で実質的に完全に吸収
することができるようになり、このことにより支持体10
1表面からの反射によつて生じる干渉を防止することが
できるものである。
ゲルマニウム原子又はスズ原子の少なくとも一方を含有
する、超薄膜積層構造を有する電荷注入阻止層を得るた
めには、p型不純物又はn型不純物を含有するNon-Si
(H,X)で構成される超薄膜構造層、および酸素原子、
炭素原子及び窒素原子の中から選ばれる少なくとも一種
とp型不純物又はn型不純物とを含有するNon-Si(H,
X)で構成される超薄膜構造層のいずれか一方あるいは
両方に、ゲルマニウム原子又はスズ原子の少なくとも一
方を含有せしめ、これらの層を交互に多数回積層すれば
よい。
長波長側の光を吸収するために含有せしめるゲルマニウ
ム原子又はスズ原子の量は、1〜9.5×105atomic ppm、
好ましくは1×102〜9×105atomic ppm、最適には5×
102〜8×105atomic ppmとするのが望ましい。
第1(B)図に示す例における、感光層103及び表面層1
04は、前述の第1(A)図におけるものと同じである。
最後に、第1(C)図に示す例は、長波長吸収機能を有
する層106と、電荷注入阻止機能を有する層102とを別々
の層として、支持体101上にこの順に設け、更にその上
に感光層103及び表面層104を設けたものである。該例に
おいては、層106は、ゲルマニウム原子又はスズ原子の
少なくとも一方を含有するNon-Si(H,X)〔以後、「Non
-Si(Ge,Sn)(H,X)と表記する。〕で構成されてお
り、その他の層、即ち電荷注入阻止層102、感光層103及
び表面層104は第1(A)図に示す場合と同様のもので
ある。
かくなる層構成を有する本発明の光受容部材は、電荷注
入阻止層が、p型不純物又はn型不純物を含有するNon-
Si(H,X)で構成される超薄膜構造層と、p型不純物又
はn型不純物を含有するNon-Si(O,C,N)(H,X)で構成
される超薄膜構造層とを、交互に多数回積層して得られ
る層で構成されているため、従来のごとき、p型不純物
又はn型不純物と、酸素原子、炭素原子及び窒素原子の
中から選ばれる少なくとも一種との両方を含有せしめる
場合に生ずるところのドーピング効果の低下及び欠陥準
位の形成という不都合がすべて解消されるものである。
次に、本発明の超薄膜積層構造層を有する光受容部材を
製造するのに適した、プラズマCVD法による堆積膜形成
装置について、図面により詳しく説明するが、本発明は
これらによつて限定されるものではない。
第2図は、本発明のプラズマCVD法による堆積膜形成装
置の典型例を模式的に示す図であつて、第2(A)図は
装置全体の縦断面略図、第2(B)図は装置全体の横断
面略図である。
第2図において、201は、表面にシリコン原子を母体と
するアモルフアス膜を形成するための、アルミニウム製
支持体ドラムである。(以下、単に「ドラム」と称
す。)ドラム201は回転駆動機構202によつて中心軸を軸
として回転するようになつており、ドラム201の内部に
は、加熱用ヒーター203を配置する。該加熱用ヒーター2
03は、成膜前にドラムを所定温度に加熱したり、成膜中
にドラムを所定温度に保持したり、あるいは成膜後にア
ニール処理するのに用いる。
204は、カソード電極であり、アノード電極であるドラ
ム201と同軸型の対向電極をなしている。25は高周波電
源で、カソード電極204に高周波電力を供給し、アース
されているアノード電極であるドラム201との間で放電
を生起せしめるものである。206,207は碍子であり、ア
ノード電極201とカソード電極204を絶縁している。
カソード電極204と碍子206,207で形成される気密性反応
室内は、排気バルブ209,210を介して排気装置208により
排気される。211,212は排気バルブ209,210の直前に設け
られた真空計である。
ドラム201とカソード電極204との間の放電空間は、原料
ガスを通さない絶縁体で構成された2枚の仕切板213,21
4によつて2つの領域に仕切られており、該仕切板213,2
14はカソード電極204と接しているが、ドラム201とは0.
5〜数mmのわずかな間隔を保つている。
仕切板213,214によつて形成された2つの領域には、夫
々、多数の原料ガス噴出孔を有する原料ガス供給管215,
216により、原料ガスが供給されるようにされており、
該原料ガス供給管215,216の他端は、原料ガスボンベ217
〜225,227〜235に連通している。原料ガスボンベ217〜2
25,227〜235には夫々原料ガスが密封されており、例え
ばガスボンベ217,227にはSiH4ガス、ガスボンベ218,228
にはH2ガス、ガスボンベ219,229にはCH4ガス、ガスボン
ベ220,230にはGeH4ガス、ガスボンベ221,231にはN2ボン
ベ、ガスボンベ222,232にはNOガス、ガスボンベ223,233
にはB2H6ガス、ガスボンベ224,234にはPH3ガス、ガスボ
ンベ225,235にはSiF4ガスが夫々密封されている。ガス
ボンベ217〜225,227〜235には夫々バルブ217a〜225a,22
7a〜235aが設けられており、ガス圧力レギユレーター21
7b〜225b,227b〜235b、流入バルブ217c〜225c,227c〜23
5c、マスフロコントローラー217d〜225d,227d〜235d、
及び流出バルブ217e〜225e,227e〜235eを介して夫々原
料ガス供給管215,216に原料ガスを供給するようにされ
ている。
かくなる構成の本発明のプラズマCVD装置の操作につい
て、その概略を以下に記載する。
ガスボンベ217〜225,227〜235のバルブ217a〜225a,227a
〜235aが閉じていることを確認し、さらに流入バルブ21
7c〜225c,227c〜235c及び流出バルブ217e〜225e,227e〜
235eが開いていることを確認し、排気バルブ209,210を
開いて反応室及び各原料ガス供給用配管内を真空排気
し、真空計211,212が約5×10-6torrになつた時点で流
出バルブ217e〜225e,227e〜235eを閉じる。
次にドラム201を加熱ヒーター203で50〜400℃の所定温
度になるまで加熱する。
続いて、ガスボンベ217,227よりSiH4ガス、同218,227よ
りH2ガス、同219,229よりCH4ガス、同220,230よりGeH4
ガス、同221,231よりN2ガス、同222,232よりNOガス、同
223,233よりH2ガスで3000ppmに希釈されたB2H6ガス(以
下「B2H6/H2ガス」と表記する。)、同224,234より、H
2ガスで3000ppmに希釈されたPH3ガス(以下「PH3/H2
ス」と表記する。)、同225,235よりSiF4ガスを、各々
バルブ217a〜225a,227a〜235aを開き、圧力レギユレー
タ217b〜225b,227b〜235bにより2Kg/cm2に調整した後、
流入バルブ217c〜225c,227c〜235cを徐々に開いてマス
フローコントローラー217d〜225d,227d〜235d内に夫々
流入させる。引きつづき、膜の形成に必要な原料ガスの
流出バルブを徐々に開けて、夫々のガスを2つの仕切板
213,214にり仕切られたドラム201とカソード電極204の
間に形成された領域A,Bに、原料ガス導入管215,216より
流入させる。このとき、各領域における原料ガスの流量
が所定の値になるようにマスフローコントローラー217d
〜225d,227d〜235dを設定するとともに、仕切板213,214
とドラム201の間のわずかな隙間から夫々の領域に導入
された原料ガスが混ざり合うことを防止するため、領域
A,Bのガス圧が等しく所望の値になるように、真空計21
1,212を見ながら排気バルブ209,210の開口を調整する。
そして、ドラム201の温度が所定の温度に設定されてい
ることを確認し、ドラムを回転させた後、高周波電源20
5によりカソード電極204に高周波電力を供給し、ドラム
201とカソード電極204との間にグロー放電を生起せし
め、領域Aと領域Bとで異なるプラズマ状態を形成す
る。
ヒーター203により50〜400℃の所定の温度に加熱された
ドラム201の表面は、中心軸を軸として回転し、領域A
と領域Bを交互に通過し、これによつてドラム表面にA
層とB層が交互に積層されることとなる。
A層及びB層の厚さは、ドラムの回転速度を上げること
で薄く、下げることで厚くし、又、A層とB層の厚さの
比は、仕切板213,214の位置を変えることにより各領域
A,Bの通過時間の比を変え、制御することができる。
第2(C)図は、各層の厚さを所望の値にするためのド
ラムの回転速度と仕切板の位置について説明するため
の、部分拡大図である。図中、201はドラム、204はカソ
ード電極、213,214は仕切板であり、該仕切板213,214に
より、ドラム201とカソード電極204の間の空間は領域A
と領域Bとに仕切られる。
ここで領域A,Bにおけるドラム表面の成膜速度を夫々、
a(Å/秒)、b(Å/秒)、領域A,Bにおけるドラム
の中心と仕切板213,214のつくる角度を夫々、360x
(度)、360(1−x)(度)(但し、0<x<1)、
ドラムの回転数をy(回転/秒)とすると、2つの領域
A,Bで交互に形成される層の層厚A(Å),B(Å)は、
次式; で表わされる。該2つの式から、次式; が導かれる。
すなわち、成膜操作を開始する以前に仕切板の角度を、
領域A側が になるように仕切板213,214を固定し、成膜操作中にお
いてドラムの回転数を に設定すればよいことがわかる。
ドラム表面に形成された膜の膜厚が所定の値になつたと
ころで高周波電源を止めて放電を中止し、流出バルブ21
7e〜225e,227e〜235eを閉じる。
以上の操作により超薄膜積層構造層の形成を行なうが、
超薄膜積層構造層以外の層を形成するには、領域A,B
に、同じ混合比の混合ガスを各領域の体積比に比例した
流量だけ流入して上述と同様の操作を行なえばよい。こ
の際、夫々の層を形成する際に必要な原料ガスの流出バ
ルブ以外の流出バルブを全て閉じることはいうまでもな
く、また、夫々の層を形成する際、前層の形成に使用し
た原料ガスが反応室内、及び流出バルブから反応室内に
至るガス配管内に残留することを避けるために、流出バ
ルブを閉じて、排気バルブ209,210を全開にして系内を
一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行なう。
第3図に示す他の実施例装置は、第2図に示した実施例
装置の一部を変更した装置を模式的に示すものであり第
3(A)図はその横断面略図、第3(B)図はその縦断
面略図である。
第3図に示す実施例装置は、仕切板213,214とドラム201
の間からの原料ガスの混入を完全に防止するため、仕切
板とドラムの間から排気する手段を付加するものであ
り、仕切板213,214の夫々に排気口236,237を設け、排気
バルブ238,239を介して排気装置208に連通させたもので
ある。第3図において、図中に示す他の符号は、すべて
第2図に示したものと同じものを示している。
〔実施例〕
以下、実施例1〜15により本発明についてより詳細に説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
なお、以下の実施例及び比較例により作製された各層は
いずれも非晶質材料で構成した。
実施例1 第2図に示した製造装置を用いて、シリンダー状Al基体
表面に、第1表に示す層形成条件で層形成を行ない、第
1(A)図に示す層構成の電子写真用光受容部材を得
た。
得られた光受容部材を、帯電露光実験装置に設置して、
0.5KVで0.3秒間コロナ帯電を行ない、直ちに光像を照
射した。光像の照射はタングステンランプ光源を用い、
0.7lux・secの光量を透過型のテストチヤートを通して
行なつた。
その後直ちに荷電性の現像剤で該光受容部材表面をカ
スケード現像することにより、該光受容部材表面上に良
好なトナー画像を得た。次いで該トナー画像を0.5KV
のコロナ帯電で転写紙上に転写したところ、解像力に優
れ、階調再現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られ
た。
実施例2 層形成条件を第2表に示す条件とした以外はすべて実施
例1と同様にして、第1(C)図に示す層構成の電子写
真用光受容部材を得た。
なお、本実施例においては、第1層が長波長吸収層、第
2層が電荷注入阻止層、第3層が感光層、第4層が表面
層である。
得られた光受容部材を用いて、実施例1と同様の方法で
コロナ帯電、タングステンランプによる光像照射、現
像、転写を行なつたところ、解像力に優れ、階調再現性
の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
また、この電子写真用光受容部材を用い、実施例1と同
様に帯電し、波長788nmの半導体レーザーにより画像露
光を行なつた。そして実施例1と同様に現像、転写を行
なつたところ、干渉縞のない鮮明な画像が得られた。
実施例3〜5 第1層形成時の層形成条件を第3表に示す条件とした以
外はすべて実施例1と同様にして、電子写真用光受容部
材を得た。
得られた夫々の光受容部材を用いて、実施例1と同様に
して、画像形成を行なつた(但し、実施例3において
は、帯電を帯電とし、荷電性の現像剤を用いて現像
し、帯電により転写した。)ところ、解像力に優れ、
階調再現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られ
た。) 実施例6〜11 第2層形成時の層形成条件を第4表に示す条件とした以
外はすべて実施例1と同様にして、電子写真用光受容部
材を得た。
得られた夫々の光受容部材を用いて、実施例1と同様に
して画像形成を行なつたところ、解像力に優れ、階調再
現性の良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
実施例12 第1表に示す層形成条件で層形成した電子写真用光受容
部材(即ち、第1層を超薄膜積層構造とした電子写真用
光受容部材)と、第5表に示す層形成条件で層形成した
電子写真用光受容部材(即ち、第1層を単層構造とした
電子写真用光受容部材)とにおいて、夫々の第1層の層
形成条件のうちのB2H6ガスの量のみを種々に変化させ
て、夫々の場合における帯電能の比較を行なつた。但
し、帯電能の測定は、夫々の電子写真用光受容部材を
7.5KVで0.15秒間コロナ帯電を行ない、0.2秒後に振動容
量型の表面電位で測定した。
その結果を、第5図に示す。該図から明らかなごとく、
第1層を超薄膜積層構造とした電子写真用光受容部材
(図中−・−・−で表わす。)の方が、第1層を単層構
造とした電子写真用光受容部材(図中−−−で表わ
す。)よりも、B2H6の量が低濃度の領域から高い帯電能
を示し、同じB2H6濃度では、より高い帯電能を示すこと
が判明した。
つまり、第1層を超薄膜積層構造とすることで単層構造
とした場合に較べていずれの濃度でも優れた電荷注入阻
止機能を有することがわかった。
実施例13 第2図に示した製造装置を用いて、シリンダー状Al基体
表面に、まず基体温度を400℃として第6表に示す層形
成条件で第1層の形成を行い、第2層、第3層は基体温
度を250℃として実施例1と同様な条件で層形成を行
い、第1(A)図に示す層構成の電子写真用光受容部材
を得た。また、ガラス基板(コーニング社製7059)上に
層厚を1000Åとした以外は第6表に示す第1層の作製条
件とそれぞれ同じ条件で結晶性評価用サンプルを作製し
た。
作製された結晶性評価用サンプルをX線回析により分析
したところ、いずれも28.5度付近に急峻なピークが認め
られ、多結晶材料であることが認められた。従って、第
6表の条件で作製される第1層は多結晶材料であること
がわかった。
得られた光受容部材を用いて、実施例1と同様な方法で
コロナ帯電、タングステンランプによる光像照射、現
像、転写を行ったところ、解像力に優れ、階調再現性の
良好な、鮮明な高濃度の画像が得られた。
次に、基体温度を400℃としたシリンダー状Al基体上に
第1の層を第7表に示される条件で作製した単層構成と
した以外は基体温度を250℃として上記実施例1と同様
な条件で層形成を行い電子写真用光受容部材を得た。ま
た、第1層と同じ条件でガラス基板(コーニング社製70
59)上に第7表に示す第1層と同じ条件で結晶性評価用
サンプルを作製した。
作製された結晶性評価用サンプルをX線回析により分析
したところ、28.5度付近に急峻なピークが認められ、多
結晶材料であることが認められた。従って、第7表の条
件で作製される第1層は多結晶材料であることがわかっ
た。
上記した第1層を多層構成にした光受容部材と第1層を
単層構成にした光受容部材の帯電能を比較したところ、
第1層を多層構成にした光受容部材は第1層を単層構成
にした光受容部材に比べて約1.5倍高い帯電能を示し
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光受容部材の層構成の典型的な例を
模式的に示した図である。第2図は、本発明の光受容部
材を製造するための装置の典型的実施例を模式的に示す
図であり、(A)図は横断面略図、(B)図は縦断面略
図、(C)図は(A)図の部分拡大図である。第3図
は、本発明の光受容部材を製造するための装置の他の実
施例を模式的に示す図であり、(A)図は横断面略図、
(B)図は縦断面略図である。第4(A),(B)図
は、超薄膜積層構造層におけるエネルギーバンドの説明
図である。第5図は、B2H6ガスの導入量と、帯電能の関
係を表わした図であり、縦軸は表面電位(V)、横軸は
SiH4ガスに対するB2H6ガスの割合(ppm)を示してい
る。 第1図について、 101……支持体、102……電荷注入阻止層、103……感光
層、104……表面層、105……長波長吸収層を兼ねた電荷
注入阻止層、106……長波長吸収層 第2、3図について、 201……ドラム、202……回転機構、203……加熱用ヒー
ター、204……カソード電極、205……高周波電源、206,
207……碍子、208……排気装置、209,210,238,239……
排気バルブ、211,212……真空計、213,214……仕切板、
215,216……原料ガス供給管、217〜225,227〜235……原
料ガスボンベ、217a〜225a,227a〜235a……バルブ、217
b〜225b,227b〜235b……ガス圧力レギユレーター、217c
〜225c,227c〜235c……流入バルブ、217d〜225d,227e〜
235d……マスフロコントローラー、217e〜225e,227e〜2
35e……流出バルブ、236,237……排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−177156(JP,A) 特開 昭58−134643(JP,A) 特開 昭62−154673(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、該支持体上に、層厚10Å〜150
    Åのシリコン原子を母体とし、周期律表第III族または
    第V族に属する原子と、酸素原子、炭素原子及び窒素原
    子の中から選ばれる少なくとも一種とを含有する非単結
    晶材料で構成された層と層厚10Å〜150Åのシリコン原
    子を母体とし、周期律表第III族または第V族に属する
    原子を含有する非単結晶材料で構成された層とを交互に
    複数回積層して構成された電荷注入阻止層と、シリコン
    原子を母体とする非晶質材料で構成された感光層とを少
    なくとも有することを特徴とする光受容部材。
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