JPH0784424B2 - チロシン誘導体及びその用途 - Google Patents

チロシン誘導体及びその用途

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JPH0784424B2
JPH0784424B2 JP9289487A JP9289487A JPH0784424B2 JP H0784424 B2 JPH0784424 B2 JP H0784424B2 JP 9289487 A JP9289487 A JP 9289487A JP 9289487 A JP9289487 A JP 9289487A JP H0784424 B2 JPH0784424 B2 JP H0784424B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/77Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D307/78Benzo [b] furans; Hydrogenated benzo [b] furans
    • C07D307/82Benzo [b] furans; Hydrogenated benzo [b] furans with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to carbon atoms of the hetero ring
    • C07D307/84Carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen
    • C07D307/85Carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen attached in position 2

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規チロシン誘導体およびそれを有効成分と
して含有する吸収性付与剤に関し、その目的とするとこ
ろは、例えばインスリン等の薬剤の吸収性を付与または
増強することにある。
従来の技術 従来より知られている吸収性付与剤はフェニルアラニル
誘導体(特開昭59−190926号明細書参照。)、ベンゾイ
ルピペラジン誘導体(特開昭59−5115号明細書参照)及
びヒドロキシベンゾエイト誘導体(Biochimica et Biop
hysica Acta.775(1984)269−271)等があるが、本発
明のチロシン誘導体はこれとは母核を別としており、さ
らに既存のチロシン誘導体のうちで吸収増強活性を示す
ものは全く知られていない。
発明が解決しようとする問題点 インスリンに代表されるポリペプチド系薬剤は、経口投
与の際消化液中の各種蛋白分解酵素による不活性化及び
高分子量等の理由から腸管において吸収されず、そのた
めこのような薬剤の投与法は注射に限られている。しか
し注射投与は長期治療の際、患者に与える肉体的、精神
的苦痛が大きい等の欠点があり、近年、毒性の低い吸収
性付与剤の開発が望まれている。
問題点を解決するための手段 本発明は、下記一般式(I): で示される新規チロシン誘導体、そのエステル及びその
塩、及びその誘導体及びその誘導体の無毒性塩の少なく
とも一種を有効成分として含有する新規吸収性付与剤又
は吸収性増強剤に関する。
ただし、前記式中、R1は、メチル、エチル等の炭素数1
〜5の低級アルキル基、又は、メトキシ基等の炭素数1
〜7のアルキルオキシ基で置換された低級アルキル基
を、XはCO又はSO2を、−Y−は直接結合、低級アルキ
レン基、置換又は未置換のビニレン基例えば弗素置換ビ
ニレン基、又は式−CHR3−O−若しくは−O−CHR3−で
示される基、R2は置換(例えば塩素等のハロゲン、ニト
ロ基、メチル、エチル、トリフルオロメチル等の低級ア
ルキル基あるいはメトキシ基の低級アルキルオキシ基で
置換)又は未置換のフェニル、ナフチル基又は2−ベン
ゾフラニル基を、R3は水素又は低級アルキル基を、或い
は式(I)中、R2−Y−COはN−ベンジルオキシカルボ
ニルフェニルアラニル、N−ベンジルオキシカルボニル
−4−ハロゲノ(例えばフルオロ)フェニルアラニル又
はN−(m−メトキシシンナモイル)フェニルアラニル
基を、それぞれ表わす。
すなわち、上記チロシン誘導体又はその医薬上許容され
得る塩を、例えば医薬活性物質とともに投与するとその
医薬活性物質が経口又は非経口(例えば経直腸)的に吸
収されるか或いはその吸収性が増大する。
前記式(I)で示されるO−アルキルチロシン誘導体は
特異なものであり、例えばO−アルキルチロシン自体又
はN−アセチル−O−アルキルチロシン、さらに式
(I)で示される酸の低級アルキルアミド等は、いずれ
も吸収性付与剤として有用でない。
また式(I)で示されるO−アルキルチロシン誘導体は
新規であるが、常法によるN−アシル化反応や造塩工程
さらには後記製造例を利用して調製することができる。
下記一般式(II)で示される誘導体そのエステル又はそ
の塩は新規化合物である。
(ただし、式中、R1、R2、及びYは前記と同じ意味を有
する。) なお、前記式(II)及び式(I)で示されるO−アルキ
ルチロシン誘導体には不斉炭素原子が存在するが、置換
基の組合わせにより、L体、D体、DL体いずれでもよ
い。
上記O−アルキルチロシン誘導体は塩の形態であっても
よい。例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カル
シウム等金属塩、或いは有機塩基例えば、アンモニア、
ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルコサミ
ンやリジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩が挙
げられ、医薬用途には医薬上許容されうる塩が使用され
る。
上記O−アルキルチロシン誘導体又はその医薬上許容さ
れうる塩は、吸収性を付与するものとして例えば医薬活
性物質とともに経口又は非経口(例えば経直腸)投与す
ることができる。例えば、インシュリンの場合、経口又
は直腸の吸収効果を示すとともに、インシュリンを分解
するタンパク質分解酵素であるトリプシン及び/又はキ
モトリプシンに体する抑制効果を示す。
特に、糖尿病のインシュリン療法のなかで、経口又は経
直腸投与によるインシュリン治療は実用の域に達してお
らず、長期連用でも安全性の高いインシュリン投与吸収
性付与剤の開発が臨床上必要とされているので、本発明
には極めて期待が大きい。
更に上記O−アルキルチロシン誘導体の毒性は低く、例
えばO−メチル−N−(4−メチルシンナモイル)−L
−チロシン(S−1)、O−メチル−N−(α−フルオ
ロ−4−メチルシンナモイル)L−チロシン(S−
5)、O−メチル−N−(β−クロロ−4−メチルシン
ナモイル)−L−チロシン(S−9)をマウスに経口投
与した場合のLD50は3.0g/kg以上である。
上記医薬活性物質としては、例えば、当該補助薬(O−
アルキルチロシン誘導体あるいはその塩)との間に非共
有結合型の相互作用が可能な空間配置をとり得る二個以
上の疎水性アミノ酸残基が、一箇所以上近接または集合
して存在するようなポリペプチドあるいはそれら誘導
体、及びこれら両群の類縁体が挙げられる。さらに、具
体的例として水溶性球状タンパク質の表面に疎水性アミ
ノ酸残基の集合が存在するもの(インスリン、インスリ
ン様成長因子I(IGF−I)、インスリン様成長因子II
(IGF−II)、膵臓ポリペプチド等);二個以上の疎水
性アミノ酸残基が隣接又は近接して存在する環状ペプチ
ド;水溶液中、本発明で使用する吸収性付与剤の共存下
に形成される優位コンホメーションにおいて、二個以上
の疎水性アミノ酸残基が一箇所以上近接または集合して
いるものが挙げられる。
本発明に使用する吸収性付与剤は、医薬品例えばインス
リン25単位あたり0.1〜2,000mg好ましくは0.2〜500mgの
範囲で使用すればよい。
この吸収性付与剤と医薬活性物質とは、例えば錠剤、カ
プセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤あるいは
懸濁液剤の形で使用すればよい。
本発明のO−アルキルチロシン誘導体は上記医薬ととも
に治療を必要とする患者に対して患者当り0.1〜1,000mg
の用量範囲で一般に数回に分けて1日当り0.2〜2,000mg
の全日用量で投与することができる。用量は病気の重
さ、患者の体重および当業者が認める他の因子によって
変化させる。上記で示した典型的な併用は下で検討され
る通り製薬組成物に処方する。本発明に使用するチロシ
ン誘導体または生理学的に認められる塩の化合物または
混和物約0.2〜500mgは生理学的に認められるベヒクル、
担体、賦形剤、結合剤、防腐剤、安定剤、香味剤などと
ともに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量
形態で混和される。これらの組成物または製剤における
活性物質の量は指示された範囲の適当な用量が得られる
ようにするものである。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる具体的な
薬剤は次に示すものである。トラガント、アラビアゴ
ム、コーンスターチまたはゼラチンのような結合剤;微
晶性セルロースのような賦形剤;コーンスターチ、前ゼ
ラチン化デンプン、アルギン酸などのような膨化剤;ス
テアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;ショ糖、乳糖
またはサッカリンのような甘味剤;ペパーミント、アカ
モノ油またはチェリーのような香味剤、調剤単位形態が
カプセルである場合には上記のタイプの材料にさらに油
脂のような液状担体を含有することができる。種々の他
の材料は被覆剤としてまた調剤単位の物理的形態を別の
方法で変化させるために存在させることができる。例え
ば、錠剤はシェラック、砂糖またはその両方で被覆する
ことができる。シロップまたはエリキシルは活性化合
物、甘味剤としてショ糖、防腐剤としてメチルおよびプ
ロピルパラベン、色素およびチェリーまたはオレンジ香
味のような香味剤を含有することができる。
特にインスリンについては腸溶製剤とすることが好まし
く、例えばヒドロキシフェニルメチルセルロースの8%
水溶液を被覆前処理剤とし、またヒドロキシプロピルメ
チルセルロースフタレートの10%水溶液およびポリアセ
チンの3%水溶液を被覆剤とし、それぞれ使用し常法に
より腸溶製剤とすればよい。
本発明のチロシン誘導体の具体例は下記の通りである。
S−1 O−メチル−N−(4−メチルシンナモイル)
−L−チロシン S−2 O−エチル−N−(4−メチルシンナモイル)
−L−チロシン S−3 O−(2−メトキシエチル)−N−(4−メチ
ルシンナモイル)−L−チロシン S−4 O−メチル−N−(α−フルオロシンナモイ
ル)−L−チロシン S−5 O−メチル−N−(α−フルオロ−4−メチル
シンナモイル)−L−チロシン S−6 O−エチル−N−(α−フルオロ−4−メチル
シンナモイル)−L−チロシン S−7 O−メチル−N−(α−クロロ−4−メチルシ
ンナモイル)−L−チロシン S−8 O−メチル−N−(α−クロロ−4−メチルシ
ンナモイル)−D−チロシン S−9 O−メチル−N−(β−クロロ−4−メチルシ
ンナモイル)−L−チロシン S−10 O−メチル−N−(β−クロロ−4−メチルシ
ンナモイル)−D−チロシン S−11 O−メチル−N−(6−メチルベンゾ〔b〕フ
ラン−2−カルボニル)−L−チロシン S−12 O−メチル−N−(5−メチルベンゾ〔b〕フ
ラン−2−カルボニル)−L−チロシン 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例 実施例1 化合物S−1〜4の製造 L−チロシン83.8gと水酸化ナトリウム20.8gを水200ml
とアセトン270mlの混合溶媒に溶解し、これに0℃に冷
却下、塩化チオニルより常法によって調製された4−メ
チルシンナモイルクロライド55.7gのアセトン溶液100ml
と3.5N水酸化ナトリウム溶液100mlを同時に30分間で滴
下した。室温下、引き続き30分間撹拌後、反応液を塩酸
で酸性にし、酢酸エチルで抽出後得られた有機層を飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧留去後得られた残渣を酢酸エチル−石油エーテルより
再結晶してN−(4−メチルシンナモイル)−L−チロ
シン75.0g(収率74.8%)を得た。
N−(4−メチルシンナモイル)−L−チロシン25.0g
と水酸化ナトリウム11.3gとを、水100mlとアセトン100m
lの混合溶媒に溶解し、ヨウ化メチル28.7mlを加え、50
℃下、5時間撹拌した。過剰のヨウ化メチル及びアセト
ンを減圧下に留去した後、水酸化ナトリウム4.2g、水50
ml、及びアセトン100mlを加え、室温で30分間撹拌し
た。反応液を濃塩酸で酸性にし、水200mlを加え析出し
た結晶をろ取し、水で洗った。さらに、アセトン−水よ
り再結晶して、目的物S−1を結晶として22.1g(収率8
4.8%)得た。
他の化合物S−2〜4も上記と同様の反応、処理により
製造した。
実施例2 化合物S−5〜8,S−11及びS−12の製造 N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−チロシン52.2
gと水酸化ナトリウム24.4gとを、水200mlとアセトン100
mlの混合溶媒に溶かしヨウ化メチル61.8mlを加え、50℃
下、5時間撹拌した。過剰のヨウ化メチル及びアセトン
を減圧下に留去した後、水酸化ナトリウム10.5g、アセ
トン100mlを加え、室温下、30分間撹拌した。水200mlを
加え、濃塩酸で反応液を酸性にし、析出した結晶をろ取
し、水で洗い、O−メチル−N−(ベンジルオキシカル
ボニル)−L−チロシンの粗結晶を得た。
これをメタノール500mlにとかし、酢酸20ml、水50ml、
5%パラジウムカーボン5.0gを加え、水素雰囲気下に常
圧、室温で3日間撹拌した。パラジウムカーボンをろ過
して除き、さらにパラジウムカーボンを2N塩酸溶液100m
lで洗った。ろ液を減圧下約200mlに濃縮して、酢酸エチ
ル100mlで洗った。水層を10N水酸化ナトリウム溶液で中
和して析出する結晶をろ取して水洗し、減圧乾燥して、
O−メチル−L−チロシン19.2g(収率59.3%)を得
た。
0℃に保ったメタノール300ml、チオニルクロライド100
mlの混合溶液にO−メチル−L−チロシン19.2gを加え
た後、60℃で30分間撹拌した。溶剤を減圧下に留去した
後、エーテルで洗浄してO−メチル−L−チロシン−メ
チルエステル塩酸塩24.1g(収率99.6%)を得た。
α−フルオロ−4−メチルシンナミックアシッド5.6g、
O−メチル−L−チロシン−メチルエステル塩酸塩7.7g
をジオキサン200mlに懸濁させ、反応液を0℃に保っ
た。これに、トリエチルアミン4.4ml、HOBt5.7g、DCC7.
7gを加え室温で1夜撹拌後、酢酸4.0mlを加え、室温で
2時間撹拌した。不溶物をろ過して除き、反応液を減圧
下に濃縮した。残渣を酢酸エチル250mlに溶かし、5%N
aHCO3溶液、0.5N塩酸溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を減圧留去後、得ら
れた残渣をシリカゲルクロマドグラフィーで分離精製
し、酢酸エチル−n−ヘキサン(2:1)溶出部よりO−
メチル−N−(α−フルオロ−4−メチルシンナモイ
ル)−L−チロシンメチルエステル11.4gを結晶として
得た。
上記のメチルエステル体11.4gとアセトン50mlと水25ml
の混合溶媒に懸濁させ、2N水酸化ナトリウム溶液23.0ml
を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水150mlを加
え、濃塩酸で酸性にして析出した固体をろ取し水で洗っ
た。アセトン−水より再結晶を行ない目的物S−5の結
晶9.3g(収率83.9%)を得た。
化合物S−6〜8及びS−11〜12も上記と同様の反応、
処理により製造した。
実施例3 化合物S−9及びS10の製造 実施例2で得られたO−メチル−L−チロシン6.9gと水
酸化ナトリウム1.6gを水60mlとアセトン120mlの混合溶
媒に溶解し、0℃冷却下、SOCl2より常法によって調製
されたβ−クロロ−4−メチルシンナモイルクロライド
6.6gのアセトン溶液と2N水酸化ナトリウム16.8mlを同時
に30分間で滴下した。室温下引き続き30分間撹拌後、反
応液に水200mlを加え、濃塩酸で酸性にし、酢酸エチル
で抽出後得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。減圧留去後得られた残渣を
酢酸エチル−石油エーテルより再結晶して目的物S−9
の結晶7.5g(収率65.8%)を得た。
化合物S−10も同様の反応、処理により製造した。
以上の如くして製造された本発明のチロシン誘導体の物
性値を表1に示した。
実施例4 活性試験 前記表1に示す本発明による賦活剤を、0.5%CMC−0.05
MトリスHCl緩衝液(pH7.8)に懸濁させ、インシュリン
を混合して、雌のICR−CD−1マウス(5.7週令)にイン
スリン0.5U/10g(体重)、賦活剤3mg/10g(体重)を経
口投与し、所定時間後、対照群に体する血糖降下率
(%)と、血中インシュリンの増加倍数を測定した。
それらの各結果を下記表2に示す。
なお、効果の数値中、上段は1)血糖降下率(%)を、
そして下段の括弧内は2)インシュリン増加倍数を示
す。
また、表中、+は血糖降下が観察されなかったことを、
−は血中インシュリン量の増加が観察されなかったこと
を示す。
前記表には経口投与例について説明したが、本発明によ
る賦活剤は、通常の坐剤形態にしてインシュリンと併用
することにより、同様の賦活効果を示す。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、インシュ
リンの経口又は非経口(例えば直腸)投与の実用化の途
が開かれたものであって、その効果は顕著なものであ
る。
実施例5 製剤例 〔錠剤例〕 豚インスリン0.577g(15,000ユニット、亜鉛含量0.5
%)を0.05規定塩酸30mlに溶解後、蒸留水を加えて300m
lに希釈した。
化合物S−5を6g0.1規定水酸化ナトリウム200mlに溶解
した後0.1規定塩酸でpH値を7.5に調整した。これにリン
酸緩衝液(0.02M、pH7.5)を加えて600mlに希釈した。
化合物S−5の溶液を20℃に保って激しく撹拌しなが
ら、インスリン溶液を滴下し、pH値を7.5に調整後直ち
に凍結乾燥に付した。
錠剤として前記凍結乾燥品の粉末25mg、前ゼラチン化デ
ンプン82mg、微晶性セルロース82mgおよびステアリン酸
マグネシウム1mgを含有させた。ヒドロキシフェニルメ
チルセルロース(8%)水溶液を被覆前処理剤として、
次にヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
(10%)水溶液及びポリアセチル(3%)水溶液を被覆
剤として、それぞれ使用し常法により腸溶製剤を製造し
た。同様の方法で、上記O−アルキルチロシン誘導体
(S−5)に代って前記に記載した他の誘導体を前ゼラ
チン化デンプン、微晶性セルロースおよびステアリン酸
マグネシウムとともに同様に処方することができた。
〔カプセル剤例〕
氷酢酸250mlに、化合物S−5を30g加えて加温溶解後20
℃に冷却し、撹拌しながら豚インスリン2g(52,200ユニ
ット、亜鉛含量0.5%)を少量宛添加溶解した。同温度
において酢酸を減圧留去した。
得られた固体残渣にn−ヘキサン100mlを加えて粉砕後
濾取、洗浄し、付着n−ヘキサンを減圧留去した。さら
に、固体水酸化ナトリウムの存在下に減圧乾燥に付し
た。
1カプセル当り活性成分50mgを含有する乾式充填カプセ
ルを調製した。
上記乾燥粉末 50mg ラクトース 149mg ステアリン酸マグネシウム 1mg カプセル(サイズNo.1) 200mg 乾燥粉末(50mg)をNo.60粉末とした後、ラクトースお
よびステアリン酸マグネシウムNo.60ふるい布を通過せ
しめ上記粉末上に通し、次に十分混合した。これをNo.1
乾燥ゼラチンカプセルに充填した。このとき混合する粉
末の一部あるいは全部を前記の如く腸溶製剤として充填
することもできる。
発明の効果 以上の結果から、本発明のチロシン誘導体、そのエステ
ル又は塩は、例えば医薬活性物質特にインスリンの吸収
性付与あるいは吸収性増強剤として有用であるチロシン
誘導体又はその医薬上許容し得る塩に容易に変換するこ
とができ、またそれによって得られる吸収性付与剤は医
薬品として期待できることがわかる。
従って、本発明は医薬産業上極めて重要である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 237/20 7106−4H 237/22 7106−4H 311/17 7419−4H C07D 307/85 C07K 5/06 8318−4H (72)発明者 戸井 浤二 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 審査官 佐藤 修

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) で示されるO−アルキルチロシン誘導体、そのエステル
    及びその塩。 ただし、式中、R1はアルキルオキシ基で置換されていて
    もよい低級アルキル基を、XはCO又はSO2を、−Y−は
    直接結合、低級アルキレン基、置換又は未置換のビニレ
    ン基、或いは−CHR3−O−若しくは−O−CHR3−で示さ
    れる基を、R2は置換又は未置換のフェニル基、ナフチル
    基又は2−ベンゾフラニル基を、R3は水素又は低級アル
    キル基を、或いは式(I)中、R2−Y−COはN−ベンジ
    ルオキシカルボニルフェニルアラニル、N−ベンジルオ
    キシカルボニル−4−ハロゲノフェニルアラニル、又は
    N−(m−メトキシシンナモイル)フェニルアラニル基
    を、それぞれ表わす。
  2. 【請求項2】下記一般式(I): で示されるO−アルキルチロシン誘導体及びその無毒性
    塩の少なくとも一種を有効成分として含有する吸収性付
    与剤。 ただし、式中、R1はアルキルオキシ基で置換されていて
    もよい低級アルキル基を、XはCO又はSO2を、−Y−は
    直接結合、低級アルキレン基、置換又は未置換のビニレ
    ン基、或いは−CHR3−O−若しくは−O−CHR3−で示さ
    れる基を、R2は置換又は未置換のフェニル基、ナフチル
    基、又は2−ベンゾフラニル基を、R3は水素又は低級ア
    ルキル基を、或いは式(I)中、R2−Y−COはN−ベン
    ジルオキシカルボニルフェニルアラニル、N−ベンジル
    オキシカルボニル−4−ハロゲノフェニルアラニル、又
    はN−(m−メトキシシンナモイル)フェニルアラニル
    基を、それぞれ表わす。
  3. 【請求項3】吸収性付与の対象化合物がインスリンであ
    る特許請求の範囲第2項記載の吸収性付与剤。
JP9289487A 1987-04-15 1987-04-15 チロシン誘導体及びその用途 Expired - Fee Related JPH0784424B2 (ja)

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