JPH0784323B2 - ハイドロキシアパタイト微細結晶及びその製造方法 - Google Patents
ハイドロキシアパタイト微細結晶及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0784323B2 JPH0784323B2 JP2131063A JP13106390A JPH0784323B2 JP H0784323 B2 JPH0784323 B2 JP H0784323B2 JP 2131063 A JP2131063 A JP 2131063A JP 13106390 A JP13106390 A JP 13106390A JP H0784323 B2 JPH0784323 B2 JP H0784323B2
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- Japan
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- calcium phosphate
- slurry
- fine crystals
- compound
- hap
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ハイドロキシアパタイト微細結晶及びその製
造方法に関し、更に詳しくは、カラムクロマトグラフィ
ーのカラム内充填固定相剤、細胞培養・分離用担体材料
等のバイオ関連材料として有用なハイドロキシアパタイ
ト部際結晶及びその製造方法に関する。
造方法に関し、更に詳しくは、カラムクロマトグラフィ
ーのカラム内充填固定相剤、細胞培養・分離用担体材料
等のバイオ関連材料として有用なハイドロキシアパタイ
ト部際結晶及びその製造方法に関する。
<従来の技術> 従来、ハイドロキシアパタイト(以下HApと称す)結晶
粒子は、カラムクロマドグラフィーのカラム内充填固定
相剤として優れたクロマト分離能(物質分離展開能)を
有し、バイオテクノロジー分野での物質の高純度分離精
製等に不可欠な材料として応用されている。
粒子は、カラムクロマドグラフィーのカラム内充填固定
相剤として優れたクロマト分離能(物質分離展開能)を
有し、バイオテクノロジー分野での物質の高純度分離精
製等に不可欠な材料として応用されている。
前記HAp粒子及びその製造方法としては、例えば特開昭6
3−284号公報において、水溶性高分子化合物の水溶液に
HApを均一に分散し、得られた分散液を紡糸ノズルを配
列したダイスより押し出し成型した後焼成し、HAp繊維
体を得る方法が、また特開昭62−202808号公報におい
て、ブルシャイト結晶粒子の懸濁水を脱水相転移温度か
ら懸濁水の沸点の範囲で加熱し、脱水相転移させて得た
モネタイト懸濁水にアルカリを作用させて煮沸処理する
ことにより、出発物質であるブルシャイト結晶粒子の形
状を保持した板状HAp結晶粒子を合成する方法が提案さ
れている。しかしながら、前記方法により得られる合成
体は、いずれもHAp結晶粒子の多結晶凝集体が得られる
にすげず、それを構成するHAp1次粒子の形態を制御した
ものではないので、カラム内充填固定相剤、細胞培養・
分離用担体材料等として用いる場合に、高精度の物質分
離展開能が得られないという欠点がある。
3−284号公報において、水溶性高分子化合物の水溶液に
HApを均一に分散し、得られた分散液を紡糸ノズルを配
列したダイスより押し出し成型した後焼成し、HAp繊維
体を得る方法が、また特開昭62−202808号公報におい
て、ブルシャイト結晶粒子の懸濁水を脱水相転移温度か
ら懸濁水の沸点の範囲で加熱し、脱水相転移させて得た
モネタイト懸濁水にアルカリを作用させて煮沸処理する
ことにより、出発物質であるブルシャイト結晶粒子の形
状を保持した板状HAp結晶粒子を合成する方法が提案さ
れている。しかしながら、前記方法により得られる合成
体は、いずれもHAp結晶粒子の多結晶凝集体が得られる
にすげず、それを構成するHAp1次粒子の形態を制御した
ものではないので、カラム内充填固定相剤、細胞培養・
分離用担体材料等として用いる場合に、高精度の物質分
離展開能が得られないという欠点がある。
また特開昭61−242968号公報においては、オートクレー
ブを用い、加圧下水硬反応を行うことにより六角柱状HA
p結晶粒子を合成する方法が提案されているが、前記方
法により合成されるHAp結晶粒子は、アスペクト比2.5〜
3.0の六角柱状1次粒子であるが、該HAp結晶粒子は、湿
式合成により得られるHAp前駆体を、800℃付近で仮焼し
て得られるHAp粒子と形状内に同じにすぎず、従って1
次粒子がより精密に形状抑制されたHAp結晶粒子の開発
が望まれている。
ブを用い、加圧下水硬反応を行うことにより六角柱状HA
p結晶粒子を合成する方法が提案されているが、前記方
法により合成されるHAp結晶粒子は、アスペクト比2.5〜
3.0の六角柱状1次粒子であるが、該HAp結晶粒子は、湿
式合成により得られるHAp前駆体を、800℃付近で仮焼し
て得られるHAp粒子と形状内に同じにすぎず、従って1
次粒子がより精密に形状抑制されたHAp結晶粒子の開発
が望まれている。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、1次粒子の形状を精密に抑制し、より
高精度の物質分離展開能等を有するHAp微細結晶粒子及
びその製造方法を抵抗することにある。
高精度の物質分離展開能等を有するHAp微細結晶粒子及
びその製造方法を抵抗することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明によれば、pH=6以下に調整したリン酸カルシウ
ム化合物スラリー、若しくはカルシウムイオンと錯体を
形成する化合物又はリン酸カルシウム以外のPO4 3-イオ
ンを含む化合物からなる添加剤を含むリン酸カルシウム
化合物スラリーを、スラリー溶媒の沸点以上の温度にお
いて、飽和蒸気圧下、水熱処理して得られるアスペクト
比(c/a)4.0以上のハイドロキシアパタイト微細結晶が
提供される。
ム化合物スラリー、若しくはカルシウムイオンと錯体を
形成する化合物又はリン酸カルシウム以外のPO4 3-イオ
ンを含む化合物からなる添加剤を含むリン酸カルシウム
化合物スラリーを、スラリー溶媒の沸点以上の温度にお
いて、飽和蒸気圧下、水熱処理して得られるアスペクト
比(c/a)4.0以上のハイドロキシアパタイト微細結晶が
提供される。
また本発明によれば、リン酸カルシウム化合物スラリー
のpHを、pH=6以下に調整したスラリー、若しくはカル
シウムイオンと錯体を形成する化合物又はリン酸カルシ
ウム以外のPO4 3-イオンを含む化合物からなる添加剤を
含むリン酸カルシウム化合物スラリーを、スラリー沸点
以上の温度において、飽和蒸気圧下、水熱処理すること
により得られるアスペクト比(c/a)4.0以上のハイドロ
キシアパタイト微細結晶の製造方法が提供される。
のpHを、pH=6以下に調整したスラリー、若しくはカル
シウムイオンと錯体を形成する化合物又はリン酸カルシ
ウム以外のPO4 3-イオンを含む化合物からなる添加剤を
含むリン酸カルシウム化合物スラリーを、スラリー沸点
以上の温度において、飽和蒸気圧下、水熱処理すること
により得られるアスペクト比(c/a)4.0以上のハイドロ
キシアパタイト微細結晶の製造方法が提供される。
以下、本発明を更に微細に説明する。
本発明のHAp微細結晶は、特定方法により微細結晶、好
ましくは六方晶計結晶のc軸を選択的に成長させて得ら
れる特定のアスペクト比を有することを特徴とする好ま
しくは針状の結晶である。本発明では、例えばカラム内
充填固定相剤、細胞培養・分離溶担体等として用いる場
合に、細胞等の分離又は培養能率を高めるために、微細
結晶のa面又はb面を選択的に成長させ、微細結晶のア
スペクト比(c/a)を4.0以上とした結晶である。アスペ
クト比が4.0未満の場合には、カラム内充填固定相剤と
して用いる場合、吸着率特性が低下する恐れが生ずる。
本発明において、微細結晶のa面又はb面とは、六角系
結晶を単位格子スペクトルa,b,cによって表わした場
合、b軸とc軸とによって決められる面をa面、a軸c
軸とによって決められる面をb面として規定した面であ
る。
ましくは六方晶計結晶のc軸を選択的に成長させて得ら
れる特定のアスペクト比を有することを特徴とする好ま
しくは針状の結晶である。本発明では、例えばカラム内
充填固定相剤、細胞培養・分離溶担体等として用いる場
合に、細胞等の分離又は培養能率を高めるために、微細
結晶のa面又はb面を選択的に成長させ、微細結晶のア
スペクト比(c/a)を4.0以上とした結晶である。アスペ
クト比が4.0未満の場合には、カラム内充填固定相剤と
して用いる場合、吸着率特性が低下する恐れが生ずる。
本発明において、微細結晶のa面又はb面とは、六角系
結晶を単位格子スペクトルa,b,cによって表わした場
合、b軸とc軸とによって決められる面をa面、a軸c
軸とによって決められる面をb面として規定した面であ
る。
また本発明のHAp微細結晶におけるa軸及びc軸の長さ
は、造粒を容易とし、カラム内充填固定相剤等に用いる
場合に、目づまり等が生じないように、a軸方向の結晶
の長さを10〜100nm、c軸方向の結晶の長さを50〜2000n
mとするのが好ましい。
は、造粒を容易とし、カラム内充填固定相剤等に用いる
場合に、目づまり等が生じないように、a軸方向の結晶
の長さを10〜100nm、c軸方向の結晶の長さを50〜2000n
mとするのが好ましい。
次に本発明のHAp微細結晶を製造方法により更に詳細に
説明する。
説明する。
本発明のHAp微細結晶を製造するには、まず、pH=6以
下、好ましくはpH=4〜5に調整したリン酸カルシウム
化合物スラリー、若しくはカルシウムイオンと錯体を形
成する化合物又はリン酸カルシウム以外のPO4 3-イオン
を含む化合物からなる添加剤を含むリン酸カルシウム化
合物スラリーを調整する。該pH=6以下に調整したリン
酸カルシウム化合物スラリーを調製するには、例えばCa
(OH)2とH3PO4とを公知の方法により湿式合成するこ
とによりスラリーを得、次いで例えば塩酸、硫酸、臭
酸、ヨウ酸等のpH調整剤を添加することにより得ること
ができる。この際スラリー中のリン酸カルシウム化合物
と水との重量配合割合は、1:1〜100範囲であるのが好ま
しい。前記リン酸カルシウム化合物スラリーのpHが6を
超える場合には、水熱領域におけるHAp微細結晶の形成
・成長過程において、c軸の成長に必要な構成イオンの
溶解析出を助長することができず、またa面又はb面に
水素イオンを吸着させ、c軸の相対的な成長度を速める
ことができない。また、pHが調整されたリン酸カルシウ
ム化合物スラリーとは別に、カルシウムイオンと錯体を
形成する化合物又はリン酸カルシウム以外のPO4 3-イオ
ンを含む化合物からなる添加剤を加えることにより、ア
スペクト比(c/a)が4以上のHAp微細結晶を作ることも
できる。前記添加剤を含むリン酸カルシウム化合物スラ
リーを調製するには、前記リン酸カルシウム化合物の調
製時、調製後又は調製時と調製後の両方に添加剤を加え
ることにより得ることができる。該添加剤は、HAp微細
結晶のa面又はb面に陽イオンを吸着させることにより
又はこれらの面を溶解させることにより、c軸の成長を
速めることが可能であるEDTA、クエン酸等のカルシウム
イオンと錯体を形成する化合物、リン酸カルシウム、リ
ン酸アンモニウム等のリン酸カルシウム以外のPO4 3-イ
オンを含む化合物を用いる。この際添加剤の添加量は、
リン酸カルシウム化合物スラリー100重量部に対して1
〜50重量部の範囲であるのが好ましい。
下、好ましくはpH=4〜5に調整したリン酸カルシウム
化合物スラリー、若しくはカルシウムイオンと錯体を形
成する化合物又はリン酸カルシウム以外のPO4 3-イオン
を含む化合物からなる添加剤を含むリン酸カルシウム化
合物スラリーを調整する。該pH=6以下に調整したリン
酸カルシウム化合物スラリーを調製するには、例えばCa
(OH)2とH3PO4とを公知の方法により湿式合成するこ
とによりスラリーを得、次いで例えば塩酸、硫酸、臭
酸、ヨウ酸等のpH調整剤を添加することにより得ること
ができる。この際スラリー中のリン酸カルシウム化合物
と水との重量配合割合は、1:1〜100範囲であるのが好ま
しい。前記リン酸カルシウム化合物スラリーのpHが6を
超える場合には、水熱領域におけるHAp微細結晶の形成
・成長過程において、c軸の成長に必要な構成イオンの
溶解析出を助長することができず、またa面又はb面に
水素イオンを吸着させ、c軸の相対的な成長度を速める
ことができない。また、pHが調整されたリン酸カルシウ
ム化合物スラリーとは別に、カルシウムイオンと錯体を
形成する化合物又はリン酸カルシウム以外のPO4 3-イオ
ンを含む化合物からなる添加剤を加えることにより、ア
スペクト比(c/a)が4以上のHAp微細結晶を作ることも
できる。前記添加剤を含むリン酸カルシウム化合物スラ
リーを調製するには、前記リン酸カルシウム化合物の調
製時、調製後又は調製時と調製後の両方に添加剤を加え
ることにより得ることができる。該添加剤は、HAp微細
結晶のa面又はb面に陽イオンを吸着させることにより
又はこれらの面を溶解させることにより、c軸の成長を
速めることが可能であるEDTA、クエン酸等のカルシウム
イオンと錯体を形成する化合物、リン酸カルシウム、リ
ン酸アンモニウム等のリン酸カルシウム以外のPO4 3-イ
オンを含む化合物を用いる。この際添加剤の添加量は、
リン酸カルシウム化合物スラリー100重量部に対して1
〜50重量部の範囲であるのが好ましい。
HAp微細結晶を製造するには、次いで前記pH=6以下に
調整したリン酸カルシウム化合物スラリー、若しくはカ
ルシウムイオンと錯体を形成する化合物又はリン酸カル
シウム以外のPO4 3-イオンを含む化合物からなる添加剤
を含むリン酸カルシウム化合物スラリーを、スラリー溶
媒の沸点以上の温度において、好ましくは100〜300℃に
おいて、飽和蒸気圧下、好ましくは0.1〜20MPa下、水熱
処理することにより得ることができる。該水熱処理は公
知のオートクレープ等を用いて、前記条件下行えば良
く、更に好ましくは水熱処理を0.1〜24時間行うことに
よって、所望のアスペクト比を有するHAp微細結晶を得
ることができる。該水熱処理における反応温度がスラリ
ー溶媒の沸点温度未満の場合には、反応が進行せず、ま
た圧力が飽和蒸気圧未満の場合には、結晶性が向上しな
い。
調整したリン酸カルシウム化合物スラリー、若しくはカ
ルシウムイオンと錯体を形成する化合物又はリン酸カル
シウム以外のPO4 3-イオンを含む化合物からなる添加剤
を含むリン酸カルシウム化合物スラリーを、スラリー溶
媒の沸点以上の温度において、好ましくは100〜300℃に
おいて、飽和蒸気圧下、好ましくは0.1〜20MPa下、水熱
処理することにより得ることができる。該水熱処理は公
知のオートクレープ等を用いて、前記条件下行えば良
く、更に好ましくは水熱処理を0.1〜24時間行うことに
よって、所望のアスペクト比を有するHAp微細結晶を得
ることができる。該水熱処理における反応温度がスラリ
ー溶媒の沸点温度未満の場合には、反応が進行せず、ま
た圧力が飽和蒸気圧未満の場合には、結晶性が向上しな
い。
本発明のHAp微細結晶は、必要に応じ公知の方法により
精製処理して使用することができる。
精製処理して使用することができる。
<発明の効果> 本発明のHAp微細結晶は、特定方法により製造され、ア
スペクト比(c/a)が4.0以上であり、しかもリン酸基が
表面により多く存在する微細結晶のa面若しくはb面を
選択的に成長させ、相対的に多く露出させているため、
リン酸基に親和性を有する生化学物質、細胞等の分離又
は培養能率を選択的に高めることができ、従って、カラ
ム内充填固定相剤、細胞培養・分離用担体材料等に極め
て有用である。また本発明の製造方法では、特定の条件
下、単に水熱処理することによりHAp微細結晶を得るこ
とができるので、工業的にも極めて有用である。
スペクト比(c/a)が4.0以上であり、しかもリン酸基が
表面により多く存在する微細結晶のa面若しくはb面を
選択的に成長させ、相対的に多く露出させているため、
リン酸基に親和性を有する生化学物質、細胞等の分離又
は培養能率を選択的に高めることができ、従って、カラ
ム内充填固定相剤、細胞培養・分離用担体材料等に極め
て有用である。また本発明の製造方法では、特定の条件
下、単に水熱処理することによりHAp微細結晶を得るこ
とができるので、工業的にも極めて有用である。
<実施例> 以下本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 Ca(OH)2と85重量%H3PO4とを湿式合成して、リン酸
カルシウム化合物10重量%スラリーを得た。得られたリ
ン酸カルシウム化合物スラリー500mlに、pH調整剤とし
てHC1を添加溶解し、pH=6,5,4のものを夫々調整した。
次いで得られた各スラリーをオートクレーブに充填し、
200℃,2MPa,5時間の同一条件で水熱処理した。処理終了
後、得られたスラリーを蒸留水1を用いて洗浄し、濾
過した後、乾燥器にて100℃にて乾燥した。得られたハ
イドロキシアパタイト微細結晶の形状をX線回折法によ
り解析したところ、結晶子径が、pH=6ではa軸方向の
結晶の長さ50nm、c軸方向の結晶の長さ200nm、アスペ
クト法(c/a)が4.0、pH=5,4ではa軸方向の結晶の長
さ40nm、c軸方向の結晶の長さ200nm、アスペクト比(c
/a)が5.0の針状単結晶であった。
カルシウム化合物10重量%スラリーを得た。得られたリ
ン酸カルシウム化合物スラリー500mlに、pH調整剤とし
てHC1を添加溶解し、pH=6,5,4のものを夫々調整した。
次いで得られた各スラリーをオートクレーブに充填し、
200℃,2MPa,5時間の同一条件で水熱処理した。処理終了
後、得られたスラリーを蒸留水1を用いて洗浄し、濾
過した後、乾燥器にて100℃にて乾燥した。得られたハ
イドロキシアパタイト微細結晶の形状をX線回折法によ
り解析したところ、結晶子径が、pH=6ではa軸方向の
結晶の長さ50nm、c軸方向の結晶の長さ200nm、アスペ
クト法(c/a)が4.0、pH=5,4ではa軸方向の結晶の長
さ40nm、c軸方向の結晶の長さ200nm、アスペクト比(c
/a)が5.0の針状単結晶であった。
実施例2 pH調整剤HC1の代わりに、添加剤EDTAを5g添加混合した
以外は、実施例1と同様にして結晶子径が、a軸方向の
結晶の長さ25nm,c軸方向の結晶の長さ190nm,アスペクト
比(c/a)が7.6の針状HAp単結晶が得られた。
以外は、実施例1と同様にして結晶子径が、a軸方向の
結晶の長さ25nm,c軸方向の結晶の長さ190nm,アスペクト
比(c/a)が7.6の針状HAp単結晶が得られた。
比較例1 リン酸カルシウム化合物スラリーにpH調整剤又は添加剤
を加えない以外は、実施例1と同様にして結晶子径が、
a軸方向の結晶の長さ50nm,c軸方向の結晶の長さ140nm,
アスペクト比(c/a)が2.8の六角柱状のHAp単結晶を得
た。
を加えない以外は、実施例1と同様にして結晶子径が、
a軸方向の結晶の長さ50nm,c軸方向の結晶の長さ140nm,
アスペクト比(c/a)が2.8の六角柱状のHAp単結晶を得
た。
試験例 実施例1(pH=5に調整したスラリーを用いて得られた
微細結晶),2及び比較例1で得られたHAp微細結晶乾燥
物を、それぞれ粉砕・分級し、144μm以下の凝集粉体
とした。得られた粉対にバインダーとして、商品名「マ
クセロン」(信越化学株式会社製)を粉体に対して5重
量%添加混合し、金型で加圧成形した後、粉砕・分級
し、粒径0.3〜0.5mmの顆粒を得た。更に得られた顆粒を
電気炉にて、900℃、3時間、昇降温速度5℃/分にて
焼成し、微細培養用カラム充填材をそれぞれ25g得た。
この充填材を容量で各3mlカラムに詰め、フト2倍体繊
維芽細胞WI3-8の細胞懸濁液(105〜106個程度)1mlをカ
ラムに投入した。次いでカラムを密閉系にし、展開溶媒
として商品名「α−MEM」(ヘーゼルトン社製)を用
い、ポンプで培地を5ml/分の密出速度で流した。カラム
から溶出させた培地10mlを小試験管に回収し、血球計算
板(萓垣製作所製)によってカウントされた溶出細胞数
から吸着率を算出した。その結果を表−1に示す。表−
1の結果から細胞培養用カラム充填材としての吸着率特
性は、アスペクト比(c/a)に比例して、すなわちa面
又はb面の有効面積に比例して増大することがわかっ
た。
微細結晶),2及び比較例1で得られたHAp微細結晶乾燥
物を、それぞれ粉砕・分級し、144μm以下の凝集粉体
とした。得られた粉対にバインダーとして、商品名「マ
クセロン」(信越化学株式会社製)を粉体に対して5重
量%添加混合し、金型で加圧成形した後、粉砕・分級
し、粒径0.3〜0.5mmの顆粒を得た。更に得られた顆粒を
電気炉にて、900℃、3時間、昇降温速度5℃/分にて
焼成し、微細培養用カラム充填材をそれぞれ25g得た。
この充填材を容量で各3mlカラムに詰め、フト2倍体繊
維芽細胞WI3-8の細胞懸濁液(105〜106個程度)1mlをカ
ラムに投入した。次いでカラムを密閉系にし、展開溶媒
として商品名「α−MEM」(ヘーゼルトン社製)を用
い、ポンプで培地を5ml/分の密出速度で流した。カラム
から溶出させた培地10mlを小試験管に回収し、血球計算
板(萓垣製作所製)によってカウントされた溶出細胞数
から吸着率を算出した。その結果を表−1に示す。表−
1の結果から細胞培養用カラム充填材としての吸着率特
性は、アスペクト比(c/a)に比例して、すなわちa面
又はb面の有効面積に比例して増大することがわかっ
た。
フロントページの続き (72)発明者 岡本 健吾 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱鉱業セメント株式会社セラミックス研究 所内
Claims (4)
- 【請求項1】pH=6以下に調整したリン酸カルシウム化
合物スラリーを、スラリー溶媒の沸点以上の温度におい
て、飽和蒸気圧下、水熱処理して得られるアスペクト比
(c/a)4.0以上のハイドロキシアパタイト微細結晶。 - 【請求項2】カルシウムイオンと錯体を形成する化合物
又はリン酸カルシウム以外のPO4 3-イオンを含む化合物
からなる添加剤を含むリン酸カルシウム化合物スラリー
を、スラリー溶媒の沸点以上の温度において、飽和蒸気
圧下、水熱処理して得られるアスペクト比(c/a)4.0以
上のハイドロキシアパタイト微細結晶。 - 【請求項3】リン酸カルシウム化合物スラリーのpHを、
pH=6以下に調整し、スラリー溶媒の沸点以上の温度に
おいて、飽和蒸気圧下、水熱処理することにより得られ
るアスペクト比(c/a)4.0以上のハイドロキシアパタイ
ト微細結晶の製造方法。 - 【請求項4】カルシウムイオンと錯体を形成する化合物
又はリン酸カルシウム以外のPO4 3-イオンを含む化合物
からなる添加剤を含むリン酸カルシウム化合物スラリー
を、スラリー溶媒の沸点以上の温度において、飽和蒸気
圧下、水熱処理することにより得られるアスペクト比
(c/a)4.0以上のハイドロキシアパタイト微細結晶の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2131063A JPH0784323B2 (ja) | 1990-05-21 | 1990-05-21 | ハイドロキシアパタイト微細結晶及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2131063A JPH0784323B2 (ja) | 1990-05-21 | 1990-05-21 | ハイドロキシアパタイト微細結晶及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0426508A JPH0426508A (ja) | 1992-01-29 |
JPH0784323B2 true JPH0784323B2 (ja) | 1995-09-13 |
Family
ID=15049140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2131063A Expired - Lifetime JPH0784323B2 (ja) | 1990-05-21 | 1990-05-21 | ハイドロキシアパタイト微細結晶及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0784323B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4595081B2 (ja) * | 2002-02-26 | 2010-12-08 | オステム インプラント コ.リミテッド | リン酸カルシウムコロイド、ドット、アイランド、薄膜または、グラニュール、およびその調製 |
FR2872810B1 (fr) * | 2004-07-07 | 2006-11-10 | Rhodia Chimie Sa | Procede de preparation de granules de phosphates de calcium de type hydroxyapatite |
JP5162749B2 (ja) * | 2006-09-14 | 2013-03-13 | 国立大学法人 岡山大学 | アパタイト複合体及びその製造方法 |
JP5286100B2 (ja) * | 2009-02-06 | 2013-09-11 | 日本碍子株式会社 | 膜型素子の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53111000A (en) * | 1977-03-11 | 1978-09-28 | Tokyo Ika Shika Daigakuchiyou | Method of making caoop205 base apatite |
-
1990
- 1990-05-21 JP JP2131063A patent/JPH0784323B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53111000A (en) * | 1977-03-11 | 1978-09-28 | Tokyo Ika Shika Daigakuchiyou | Method of making caoop205 base apatite |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0426508A (ja) | 1992-01-29 |
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