JPH0783607B2 - 電力変換装置の制御装置 - Google Patents

電力変換装置の制御装置

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JPH0783607B2
JPH0783607B2 JP2063803A JP6380390A JPH0783607B2 JP H0783607 B2 JPH0783607 B2 JP H0783607B2 JP 2063803 A JP2063803 A JP 2063803A JP 6380390 A JP6380390 A JP 6380390A JP H0783607 B2 JPH0783607 B2 JP H0783607B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主スイッチング素子として自己消弧素子を用
いてなるコンバータやインバータなどの電力変換装置に
係り、特に主スイッチング素子を駆動制御して所望の電
力変換を行なわせる制御装置に関する。
〔従来の技術〕
インバータ装置は電圧、電流、周波数を可変できること
から、誘導電動機の駆動・制御装置等に広く用いられて
いる。例えば、エレベータの巻上げ機駆動用の誘導電動
機を制御する装置として、インバータ装置が用いられて
いる。
一般に、インバータ装置などの電力変換装置は、スイッ
チング素子をブリッジ接続して変換主回路を形成し、そ
れらのスイッチング素子をパルス幅変調(PWM)方式の
ゲートパルスによりオン・オフ駆動して、所望の電圧又
は電流の交流出力や直流出力を得るようにしている。例
えば、文献「半導体電力変換回路、P211〜P215(電気学
会)1987年3月31日発行)」に記載されたものによれ
ば、あらかじめ記憶装置に記憶した正弦波PWMパルス列
を、電源周波数又は出力する周波数に応じて読み出し、
PWMパルスを発生する方式の制御装置が知られている。
また、特願昭61-2876号公報に記載の制御装置は、ワン
チップマイクロコンピュータを用いて、基準となる正弦
波データを記憶し、このデータを基に正弦波PWMパルス
を演算して求める方式を採用している。なお、特開昭56
-49693号公報、特開昭62-114472号公報、特開昭62-2071
73号公報に記載されてPWMパルス制御についても、上記
と同様な方式を採用している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来技術におけるPWMパルスの作成
方法は、電力変換主回路を構成するパワートランジスタ
などの主スイッチング素子に加わっている電圧や、主ス
イッチング素子に流れている電流の大きさが配慮されて
いない。
すなわち、電力変換主回路のトランジスタ等の主スイッ
チング素子は、そのバイアス状態により転流条件が異な
ってくる。また、電流の大きさにより主スイッチング素
子のオフ時間が異なってくる。そのため、ゲートに与え
るPWMパルスと一致した駆動が行えないという問題があ
った。したがって、従来の制御装置では、駆動される電
力変換主回路の出力電流・電圧をPWMパルスパターン生
成時に期待したような精度のよい正弦波にすることが困
難である。これによって、制御される誘導電動機にはト
ルクリプルが発生するとともに、エレベーターに適用し
た場合には振動要因となる不具合がある。
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決すること、言
い換えれば、主スイッチング素子を真のPWMパルスパタ
ーンに一致させて駆動することができる電力変換装置の
制御装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の電力変換装置の制御装置は、上記目的を達成す
るため、複数のスイッチング素子をブリッジ接続してな
る電力変換主回路と、与えられる出力指令に応じて前記
スイッチング素子を駆動制御するPWMパルス列を生成す
るPWMパルス生成手段と、該生成されたPWMパルス列を所
定の順序に従って前記スイッチング素子に分配するパル
ス分配手段とを備えてなる電力変換装置の制御装置にお
いて、転流時における前記スイッチング素子の印加電圧
の方向に基づく転流遅れの有無を判定する手段と、この
転流遅れ有無判定手段の出力に応じて転流遅れに基づく
パルス幅の変動を修正するように前記PWMパルス列を補
正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
〔作用〕
このように構成されることから、本発明によれば、次の
作用により上記目的が達成される。
その転流時の交流側電圧関係と、その転流時にオフされ
るべき一のスイッチング素子がまた導通していることの
ために、その転流時にオンされるべき他のスイッチング
素子が逆バイアス(印加電圧が逆方向)にあるうちは転
流できず、その転流は遅れる。
そこで、本発明は、前記遅れを補うようにスイッチング
素子の転流時の印加電圧の方向に基づく転流遅れの有無
に応じて前記転流時のPWMパルス列を補正することによ
り、真のPWMパルス幅に近付ける。
これにより、リップルなどの少ない所望の正弦波状の出
力電圧、電流、または直流電圧、電流等を得ることがで
きる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
第1図に本発明を適用してなる電流形電力変換装置のブ
ロック構成図を示す。本実施例の電力変換装置は、図示
のように、3相の交流電源1に接続されるコンバータ2
と、このコンバータ2の出力に接続されたインバータ3
とを有してなり、インバータ3の出力により例えば誘導
電動機4を駆動制御するものである。コンバータ2はス
イッチング素子Rp,Sp,Tp,Rn,Sn,Tnをブリッジ接続して
なり、同様にインバータ3はスイッチング素子Up,Vp,W
p,Un,Vn,Wnをブリッジ接続してなる。各スイッチング素
子は公知の自己消弧形スイッチング素子が適用可能であ
り、図示例はパワートランジスタとダイオードからなる
トランジスタモジュールを用いた例を示す。以下、本実
施例の説明上、各スイッチング素子をトランジスタと呼
び代えて説明する。コンバータ2とインバータ3の接続
部には平滑りアクトル5が挿入されている。コンバータ
2とインバータ3の交流端にそれぞれ平滑コンデンサ6,
7が接続されている。
上記のコンバータ2とインバータ3を制御するため、そ
れぞれコンバータ制御装置13とインバータ制御装置14と
が設けられている。コンバータ制御装置13は、電圧ゼロ
クロス検出器8から交流電源1の各相のゼロクロス検出
信号θが入力され、また直流電流検出器9により検出
されたコンバータ出力電流Idと与えられる電流指令Idr
との偏差が電圧指令vdとして入力され、さらに交流電源
1の角周波数ωが入力され、これらに基づいて前記ト
ランジスタRp〜Tnを駆動するPWMパルスを生成する。一
方、インバータ制御装置14は、電圧ゼロクロス検出器10
からインバータ出力電圧の各相のゼロクロス検出信号と
周波数指令11とが入力され、これらに基づいて前記トラ
ンジスタUp〜Wnを駆動するPWMパルスを生成する。コン
バータ制御装置13とインバータ制御装置14は、それぞれ
ワンチップマイコンにより形成されている。
次に、コンバータ制御装置13の詳細な機能構成を動作と
ともに説明する。第1図に示すように、コンバータ制御
装置13は関数発生手段131と、総合位相作成手段132と、
PWMパルスのパルスパターン演算手段133と、パルスパタ
ーン補正手段134と、パルス分配手段135とを含んで構成
される。前記関数発生手段131は電圧指令vdを取り込
み、通流率指令γと位相指令αを発生する。この場合に
おいて電圧指令vdの絶対値が小さい領域では位相制御が
動作し、vdの絶対値が大きい領域ではパルス幅制御が動
作する。総合位相作成手段132は、電源1の周波数指令
ωをトランジスタRp〜Tnのチョッピング周期に対応す
るTc(=Δt)ごとに加算して、今回制御周期の位相θ
=∫ω・Δtを求め、これから位相指令αを減算し
て、総合位相指令θを求める。ここで、位相θは交流
電源1の相電圧の電気角であり、電圧ゼロクロス検出器
8の出力に応じ電源同期補正(相電圧の電気角60°毎の
補正)を行っているので、相電圧と一致した位相とな
る。パルスパターン演算手段133は、前記総合位相指令
θと通流率指令γから、PWMパルスを生成する演算処
理を行う。この処理内容について第2図と第3図を用い
て説明する。
始めに、総合位相指令θを第2図に示すように、60°
毎の6つの制御モードMDに分割し、各制御モード毎に0
°〜60°で表わすパルスパターン位相指令θに変換す
る。すなわち、制御モードM1(0<θ<60°)でのパ
ルスパターン位相指令θはθ=θ、制御モードM2
(60°<θ<120°)でのθはθ=θ−120°の
変換を行う。同様にして各制御モードに対応するθ
求めることができる。次に、第3図の(a)はパルスパ
ターン位相指令θに対応する正弦波データHU,HV,HW
示している。この正弦波データから同図(b)に示すパ
ルスパターンPU,PV,PWを求める。ここで、パルスパター
ンPU,PV,PWのパルス幅TU,TV,TWは次式の関係の演算で求
める。
TU=γ・HU(θ)・TC TV=γ・HV(θ)+(1−γ)・TC TW=γ・HW(θ)・TC なお、パルスパターンの出力順序は図示の方法に限定さ
れるものではないが、以下の説明では図示のようにPV,P
W,PUの順序で出力されるものとして説明する。
以上のようにして演算されたパルスパターンPU,PV,PW
補正する本発明の特徴部のパルスパターン補正手段134
に移行するが、説明の都合上パルス分配手段135を先に
説明する。なお、ここでは、パルス分配手段135に入力
される補正後のパルスパターンPUH,PVH,PWHを補正前の
パルスパターンPU,PV,PWにおきかえて説明を行う。
さて、パルス分配手段135では制御モードMD(M1〜M6)
にもとづいて、パルスパターンPU,PV,PWを第4図に示す
ような分配処理を行う。図において制御モードM1ではト
ランジスタRP,SP,TPにそれぞれPU,PV,PWのパルスパター
ンを割り当てる。また、この制御モードM1の期間、トラ
ンジスタRn,Tnにはオフ信号を、トランジスタSnにはオ
ン信号を割り当てる。また、制御モードM2ではトランジ
スタRn,Sn,Tnに対し、PV,PW,PUのパルスパターンを割り
当てるとともに、トランジスタRpにはオン信号、トラン
ジスタSp,Tpにはオフ信号を割り当てる。以下、同様に
各制御モードに対応する図示のパルスパターンを各トラ
ンジスタに割り当てることにより、トランジスタには第
5図に示す正弦波PWMパルスが与えられる。
以上のようにコンバータ制御装置13で作成された正弦波
PWMパルスによりトランジスタRp〜Tp、Rn〜Tnが駆動さ
れる。しかし、トランジスタはコレクタ・エミッタ間の
印加電圧の状態如何でオン期間が異なるため、前記パル
スパターンに一致した駆動が行えない。すなわち、順バ
イアス状態(エミッタに対しコレクタの電位が高い場
合)では、トランジスタに与えられるゲートパルス(オ
ン信号)とほぼ同時刻でオンする。しかし、逆バイアス
状態(エミッタに対しコレクタの電位が低い場合)では
ゲートが与えられてもオンすることはできない。この場
合は、他のトランジスタがオンすることで電位の移動が
生じて順バイアス状態になりオンする。
これらの関係から、ブリッジ回路のトランジスタがター
ンオン、ターンオフするときの転流動作は、第6図に示
すように4つの条件に区分することができる。第6図の
条件Bの場合のように、転流される(オンする)トラン
ジスタがその転流時に順バイアスにあり、そのトランジ
スタのターンオフにより次に転流される(オンする)ト
ランジスタがその転流時に逆バイアスにあるときは、先
のトランジスタが実際にターンオフして順バイアスに変
るまで、次のトランジスタはゲートパルスを与えられて
もオンできない。このため、先のトランジスタのオン時
間がゲートに与えられるPWMパルスの幅よりも長くな
る。一方、同図条件Cの場合のように、転流されるトラ
ンジスタがその転流時に逆バイアスにあり、そのトラン
ジスタのターンオフにより次に転流されるトランジスタ
がその転流時に順バイアスにあるときは、先の逆バイア
スのトランジスタは上述と同様遅れてオンされる一方、
次に転流されるトランジスタは直ちにオンされるので、
先のトランジスタのオン時間がPWMパルスの幅よりも短
くなる。
ここで、コンバータ2を構成するトランジスタの場合、
ターンオンする以前のバイアス状態は第7図に示す関係
にある。すなわち、トランジスタRpには線間電圧e
RT(トランジスタRpがターンオンする以前にはトランジ
スタTpがオンしている関係にあるため)が印加されるこ
となる。したがって、トランジスタRpのバイアス状態は
電気角30°〜210°の間順バイアス状態、0°〜30°間
及び210°〜360°間、逆バイアス状態にある。同様に他
のトランジスタにおいても図示のように、180°周期で
順バイアス状態と逆バイアス(斜線部)状態が生じる。
一例として、PWMパルスパターンとトランジスタのオン
期間の関係を第8図に示す。図示したパターンは電気角
0°〜30°間のパターンである。第7図に示す関係か
ら、トランジスタRp,Sp,Tpの転流条件は第6図に示すD,
C,Bにそれぞれ対応する。したがって、トランジスタSp
のオン期間はパルスパターンPVのパルス幅TVに対してト
ランジスタRpのオフ遅れTHだけ減少する。また、トラン
ジスタTpのオン期間はパルスパターンPWのパルス幅TW
対してトランジスタのオフ遅れTHだけ増加する。このよ
うに、トランジスタのバイアス状態により、トランジス
タのオン期間が異なるのである。したがってトランジス
タをパルスパターンに同期させて駆動するためには、第
6図に示す転流条件において、Bの場合はパルス幅を減
算補正し、Cの場合はパルス幅を加算補正する補正を行
うことで可能になる。
ここで、転流条件を把握するための各トランジスタのバ
イアス状態の検出(電圧検出手段)について説明する。
各トランジスタのターンオン前に加わる電圧相(線間電
圧)は、これまでに説明したようにパルスパターンを出
力する順番から分かる。したがって、この電圧相の位相
角を検知できればトランジスタのバイアス状態が分か
る。そこで、各トランジスタに加わる電圧相の位相角を
次のような処理により求める。すなわち、総合位相作成
手段132において、制御する電圧相の位相θ(=∫ω・
Δt)を求めており、この位相θは電圧ゼロクロス検出
器8からの3相交流電源1における相電圧の電気角60°
毎に出力される信号θによって修正される。このた
め、位相θは実測の電圧位相角と一致した位相角とな
る。つまり、基準電圧相を第7図に示す相電圧eRにした
ときには、相電圧eRの電気角が位相θに一致する。した
がって、位相θの値から各トランジスタに加わる電圧の
電気角を求め、バイアス状態を検出するようにした。
このようにして、コンバータ2を構成する各トランジス
タの転流条件(第6図)は、パルスパターンを出力する
順序(第4図)と、オン時前のバイアス状態(第7図)
の関係から決まる。例えば、制御モードM1における転流
条件を説明すると総合位相指令θが0<θ<30°間
において、パルスパターンPUで駆動されるトランジスタ
の転流条件は第4図,第7図から分かるように第6図に
示すDになる。同様にパルスパターンPV,PWで駆動され
るトランジスタの転流条件はそれぞれ第6図に示すC,B
にあたる。
また、30°<θ<60でのパルスパターンPU,PV,PWで駆
動されるトランジスタの転流条件はそれぞれ第6図に示
すB,C,Aにあたる。以下制御モードM2〜M6におけるトラ
ンジスタの転流条件は制御モードM1と同一になる。これ
は、第7図(b)に示すようにパルスパターンに対応す
るトランジスタのバイアス状態が点線で示す各制御モー
ドとも同一であるためである。
上述したパルス幅補正の原理に基づき、パルスパターン
補正手段134は第9図の補正モードと第10図に示すフロ
ーチャートの手順に沿って、パルスパターン演算手段13
3によって求められたパルスパターンの各パルス幅を補
正する。
まず、第9図のように、パルス補正を行う領域θ(=
θ+α)は制御モード対応のパルスパターン位相指令
の60°と位相指令αの180°を加算した240°になる。ま
た、パルス補正は、図示するように、5つのモード(補
正モード)に区分される。このことから、パルスパター
ン補正手段133では第10図に示す処理手順のようにステ
ップ1330でパルスパターン位相指令θと制御位相指令
αを加算しパルス補正位相θを求める。そして、ステ
ップ1331〜1334でパルス補正位相θから補正モードを
判定し、補正モードに対応すパルス幅補正処理ステップ
1335〜1339に移行する。例えば、α=0°、θ=10°
の条件では、θ=10°でありステップ1331の判定処理
からステップ1335の補正モードH1の下記の演算を行う。
TUH(PUH)=TU(PU) TVH(PVH)=TV(PV)+TH TWH(PWH)=TW(PW)−TH ここで、PU,PV,PWは、補正前のパルスパターンTU,TV,TW
はパルスパターンPU,PV,PWのパルス幅、PUH,PVH,PWH
補正後のパルスパターン、TUH,TVH,TWHはパルスパター
ンPUH,PVH,PWHのパルス幅、THはパルス補正値である。
以下、同様に補正モードに対応した図示の演算を行い、
パルス幅補正処理を終了し、パルス分配手段135の処理
に移行する。
第11図にパルス幅補正したパルスパターンにより駆動さ
れるトランジスタのオン期間の一例を示す。条件は制御
位相指令α=0でθ=0〜30°の間である。同図
(a)は補正前のパルスパターン、同図(b)は補正後
のパルスパターン、同図(c)は(b)に示す補正後の
パルスパターンにより駆動されるトランジスタのオン期
間を示す。図示のごとく、トランジスタは補正後のパル
スパターンで駆動することにより、あらかじめ演算した
(a)に示すパルスパターン(出力を正弦波状に制御す
るようにしたパターン)と同一のオン期間が得られる。
このように、トランジスタに加わる電圧の状態(バイア
ス状態)に応じて正弦波PWMパルスのパルス幅を補正す
ることにより、正弦波状の出力電圧・電流が得られる。
以上、コンバータ制御装置13で作成するPWMパルスにつ
いて、説明したが、インバータ制御装置14で作成するPW
Mパルスについても同一である。
また、トランジスタに加わる電圧検出手段は電力変換主
回路の交流入力端電圧を検出し、かつトランジスタの駆
動順序を基に検出する方式としたが、これに限定される
ことなく、トランジスタの端子電圧を直接検出してもよ
い。
また、パルスパターンのパルス幅の補正は、トランジス
タのバイアス状態による補正方法に加え、トランジスタ
に流れる電流の大きさによりパルス幅の補正値THを変え
るようにすることが望ましい。すなわち、トランジスタ
のオフ遅れはトランジスタに流れる電流の大きさに依存
するとともに、このオフ遅れは逆バイアス状態のトラン
ジスタに転流するときのトランジスタのオフ時に生ず
る。
そこで、まずトランジスタのオフ遅れをTd(i)とした
とき、Td(i)を関数あるいはデータとしてあたえてお
く。そして、第6図に示す転流条件において、バイアス
状態による補正のほかにBの転流条件ではTd(i)減算
し、Cの転流条件ではTd(i)加算するパルス幅の補正
を行えばよい。
この場合の電流の検出方法は、第1図に示すように、直
流電流検出器9の帰還値Idを制御装置13,14に入力する
ことで検出できる。
また、電流の検出方法は、上記の方法に限定することな
く、電力変換器を構成するコンバータの入力側(交流
側)又は出力側、インバータの入力側又は出力側(交流
側)の少なくとも1箇所の電流の大きさを検出するよう
にしてもよい。
また、パルスパターンのパルス幅の補正値THはトランジ
スタに流れる電流の大きさにより定めるようにしてもよ
い。
また、上記パルス幅の補正は、電力変換主回路を構成す
るコンバータ2とインバータ3の少なくとも一方の制御
装置に適用しても、出力電圧、電流の正弦波化に効果が
ある。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、次の効果が得ら
れる。
(1)リップルなどの少ない所望の正弦波状の出力電
圧、電流、または直流電圧、電流を得るPWM電力変換装
置の制御装置を提供することができる。
(2)本発明を誘導電動機の制御装置に適用すれば、出
力電圧のリップルが少ないので、トルクリップルの少な
い速度制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電力変換装置の一実施例を示す全体構
成図、第2図は総合位相指令と制御モードの関係の説明
図、第3図はパルスパターン演算手段におけるPWMパル
スパターン生成原理の説明図、第4図はパルス分配手段
におけるパルス分配方法を示す説明図、第5図はパルス
分配処理によってトランジスタに割り当てられる正弦波
PWMパルスの説明図、第6図はトランジスタの転流条件
の説明図、第7図はコンバータを構成するトランジスタ
に加わる電圧状態の説明図、第8図は従来方式のパルス
パターンにより駆動されるトランジスタのオン期間の説
明図、第9図はパルスパターン補正手段におけるパルス
幅の補正方法の説明図、第10図はパルスパターン補正処
理手順を示すフローチャート、第11図はパルスパターン
補正処理後のパルスパターンにより駆動されるトランジ
スタのオン期間説明図である。 符号の説明 1……三相交流電源、2……コンバータ、3……インバ
ータ、4……誘導電動機、8,10……電圧零クロス検出
器、9……直流電流検出器、13……コンバータ制御装
置、14……インバータ制御装置、133……パルスパター
ン演算手段、134……パルスパターン補正手段、135……
パルス分配手段、θ……総合位相指令、θ……パル
スパターン位相指令、PU,PV,PW……パルスパターン、P
UH,PVH,PWH……補正後のパルスパターン、MD……制御モ
ード、TH……パルス幅の補正値、Rp,Sp,Tp,Rn,Sn,Tn…
…コンバータのトランジスタ、Up,Vp,Wp,Un,Vn,Wn……
インバータのトランジスタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 博美 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 安藤 武喜 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 日 立エレベータサービス株式会社内 (72)発明者 紺谷 雅宏 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 日 立エレベータサービス株式会社内 (72)発明者 大内 尚乏 茨城県日立市幸町3丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のスイッチング素子をブリッジ接続し
    てなる電力変換主回路と、与えられる出力指令に応じて
    前記スイッチング素子を駆動制御するPWMパルス列を生
    成するPWMパルス生成手段と、該生成されたPWMパルス列
    を所定の順序に従って前記スイッチング素子に分配する
    パルス分配手段とを備えてなる電力変換装置の制御装置
    において、転流時における前記スイッチング素子の印加
    電圧の方向に基づく転流遅れの有無を判定する手段と、
    この転流遅れ有無判定手段の出力に応じて転流遅れに基
    づくパルス幅の変動を修正するように前記PWMパルス列
    を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする電力変
    換装置の制御装置。
  2. 【請求項2】前記PWMパルス列補正手段は、前記転流時
    の2つのスイッチング素子への2つのPWMパルス間の切
    り替わり時点を補正する手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の電力変換装置の制御装置。
  3. 【請求項3】前記PWMパルス列補正手段は、第1の転流
    によってオンし、第1の転流に引き続く第2の転流によ
    ってオフする1つのスイッチング素子への1パルスの時
    間幅を補正する手段を備えたことを特徴とする請求項1
    記載の電力変換装置の制御装置。
  4. 【請求項4】前記PWMパルス列補正手段は、補正する時
    間幅を一定時間に設定する手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1、2または3記載の電力変換装置の制御装
    置。
  5. 【請求項5】前記スイッチング素子に流れる電流を検出
    する電流検出手段と、その出力に応じて前記補正時間幅
    を調整する手段とを備えたことを特徴とする請求項1,2,
    3または4記載の電力変換装置の制御装置。
  6. 【請求項6】前記印加電圧の方向に基づく転流遅れの有
    無を判定する手段は、前記電力変換主回路の交流端の電
    圧位相を判定する手段を備えたことを特徴とする請求項
    1,2,3,4または5記載の電力変換装置の制御装置。
  7. 【請求項7】前記印加電圧の方向に基づく転流遅れの有
    無を判定する手段は、前記電力変換主回路の交流端の電
    圧位相を判定する手段と、該判定された電圧位相と前記
    PWMパルス列のパルス出力順序から前記印加電圧の方向
    を検出する手段とを備えたことを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5または6記載の電力変換装置の制御装置。
  8. 【請求項8】複数のスイッチング素子をブリッジ接続し
    てなる電力変換主回路と、与えられる出力指令に応じて
    前記スイッチング素子を駆動制御するPWMパルス列を生
    成するPWMパルス生成手段と、該生成されたPWMパルス列
    を所定の順序に従って前記スイッチング素子に分配する
    パルス分配手段とを備えてなる電力変換装置の制御装置
    において、転流時における前記スイッチング素子の印加
    電圧の方向を検出する手段と、前記PWMパルス列のパル
    ス幅を補正する手段とを備え、このパルス幅補正手段
    は、前記印加電圧方向検出手段の検出結果に基づき転流
    時にオフされる一のスイッチング素子が順バイアスにあ
    り該転流時にオンされる他のスイッチング素子が逆バイ
    アスにあるとき、前記一のスイッチング素子のオンパル
    ス幅を縮める補正手段と、前記一のスイッチング素子が
    逆のバイアスにあり前記他のスイッチング素子が順バイ
    アスにあるとき、前記一のスイッチング素子のオンパル
    ス幅を拡げる補正手段とを備えたことを特徴とする電力
    変換装置の制御装置。
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