JPH0783277A

JPH0783277A - 振動キャンセラ

Info

Publication number: JPH0783277A
Application number: JP6202344A
Authority: JP
Inventors: Arno Hamaekers; ハメカースアルノ
Original assignee: Carl Freudenberg KG
Current assignee: Carl Freudenberg KG
Priority date: 1993-08-26
Filing date: 1994-08-26
Publication date: 1995-03-28
Also published as: ES2096364T3; EP0640775B1; US5549271A; BR9403332A; EP0640775A1; DE59401134D1; DE4328667C1

Abstract

(57)【要約】【目的】公知の振動キャンセラを改善し、製造技術面
及び経済面で、より簡単かつ廉価に製造できるようにす
る。【構成】振動キャンセラが形状安定的な慣性質量体１
を有し、この質量体１がゴム弾性材料製ばね部材２によ
り不動に保持されている。ばね部材２には金属製クラン
プ部材３が取付けられ、クランプ部材３と慣性質量体１
とが摩擦接続式に相互固定されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゴム弾性を有する材料
製のばね部材により保持された形状安定的な慣性質量体
を有する振動キャンセラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の振動キャンセラはＵＳ４，６１
０，４２０及びその図９により公知である。この構成の
場合、形状安定的な慣性質量体が、ゴム弾性を有する材
料製のばね部材に付加加硫されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の根底をなす課
題は、公知形式の振動キャンセラを更に開発して、製造
技術面及び経済面でより簡単かつ廉価に製造しうるよう
にすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によ
れば、ばね部材に金属製のクランプ部材を取付け、かつ
また、このクランプ部材と慣性質量体１とが摩擦接触式
に互いに固定し合うようにすることで解決された。その
場合、振動キャンセラは、２つだけの別個の構成部材か
ら成るようにするのが有利であり、しかも、ばね部材と
金属製のクランプ部材とが、前組立て可能なユニットを
形成するようにする。金属製クランプ部材は、たとえば
ばね部材内へ付加加硫しておくことができ、その場合に
はクランプ部材は、弾性変形及び又は塑性変形により摩
擦接続式に、かつ不動に慣性質量体と結合されるように
しておく。振動キャンセラの組立ては、それにより特に
簡単となる。慣性質量体は、たとえば金属材料で鋳造さ
れた、凹所を有する鋳造体により形成できる。クランプ
部材は、有利には凹所に適合した形状を有するように
し、組立て時に慣性質量体の凹所に押込まれ、凹所内に
摩擦接続式に保持される。

【０００５】慣性質量体は、有利な一構成によれば、１
つの突起を有しており、クランプ部材は、この突起に押
しはめられる押しはめ穴を有している。組立て状態で
は、この押しはめ穴に突入するこの突起により、振動キ
ャンセラの組立て時に、摩擦接続式に相互固定し合う構
成部材は、正確に空間的に相互配属せしめられる。突起
と押しはめ穴とにより、双方の構成部材は相互定心され
る。

【０００６】この突起は、また、押しはめ方向に横断面
が増大している。この横断面は、ばね部材の穴の形状と
完全に合致している。この突起の、たとえば円錐形の形
態により、慣性質量体とばね部材とが互いに徐々に定心
せしめられる。なぜなら、組立ての間、突起はその表面
の部分区域でしか、ばね部材の穴に接触しないからであ
る。したがって、組立て中の摩擦は、比較的小さい。差
込み過程が完了した後、突起は、ばね部材の穴に、突起
の全表面区域で接触し、弾性的な予荷重を受ける。慣性
質量体内でのクランプ部材の摩擦接続式の結合に加え
て、突起と穴との間の摩擦接続により、ばね部材と結合
されたクランプ部材に対する慣性質量体の相対的な変位
が、更に確実に防止される。突起形状は切頭円錐形であ
るのが、特に有利である。

【０００７】慣性質量体は、凹所を有しており、この凹
所内へクランプ部材が押しはめられる。その場合、慣性
質量体に対するばね部材の固定には、たとえば接着剤又
はねじ継手などの二次的補足手段は不要である。この構
成の振動キャンセラは、僅かの製造時間で多くの個数を
経済的に製造できる。

【０００８】この凹所は、押しはめ方向に横断面が小さ
くなっている。この措置の効果は、ばね部材に対して慣
性質量体の定心が改善される点であり、有利な一実施例
によれば、慣性質量体の凹所内部へのクランプ部材の押
しばめは、双方の構成部材が既に或る程度まで結合され
て、慣性質量体の突起が、ばね部材の穴の口をすでにふ
さいでいる状態になって初めて行なわれる。そうするこ
とにより、双方の部分の、実質的に傾きのない組付け
が、確実に行なわれる。

【０００９】更に、有利な実施によれば、クランプ部材
は、突起ないし穴の縦方向に対し、ほぼ直角方向に延び
る成形部を有している。この成形部は、押しはめ方向と
は逆方向に縁部区域が変形せしめられている。クランプ
部材と結合されたばね部材の組立ては、押しはめ方向と
は逆方向に変形せしめられた縁部区域のため、比較的僅
かの力で行なわれる。この縁部区域は、組立ての間に半
径方向内方へ弾性的にたわみ変形される。振動キャンセ
ラを規定通りに使用中、たとえば力が押しはめ方向で慣
性質量体に、もしくは押しはめ方向と逆方向でばね部材
に作用しても、クランプ部材の、押しはめ方向と逆方向
変形縁区域により、くさび効果が生じ、双方の構成部材
の摩擦接続式の拘束力が増大せしめられる。この逆鉤状
の縁部区域により、振動キャンセラの全使用期間を通じ
て、ばね部材に対する慣性質量体の定置固定が可能にな
る。

【００１０】クランプ部材は、ばね部材断面の縁部側か
ら少なくとも１つの固定突起を突出させている。クラン
プ部材は、たとえばほぼ円形のディスクによって形成で
き、このディスクが、慣性質量体の円形凹所の最も狭い
区域より大きい直径を有している。この構成により、ク
ランプ部材の全外周に沿って半径方向に極めて均等な押
圧力が生じる。この結果、相互拘束し合っている構成部
材間に変位が生じたり、摩擦接続が弛んだりすることが
ない。それによって、長期にわたる使用期間中に確実な
相互固定が可能になる。たとえば、周方向に均等に分配
された固定突起を用いる場合、少なくとも３つ、好まし
くは５つの突起を設けるようにするのが有利である。作
動により生じる振動と同時に、押しはめ方向と平行方向
に慣性質量体に対して生じるクランプ部材の相対運動
は、場合により生じる半径方向の運動に影響されること
なく、確実に防止される。

【００１１】固定突起は、ゴム弾性を有する材料から成
る層で被覆されている。製造に起因する、クランプ部材
及び又は慣性質量体凹所の公差は、この構成の場合、振
動キャンセラの組立てには影響を与えない。この点は、
振動キャンセラを簡単に機械により製造する場合、きわ
めて重要である。加えて、次のような利点が備わってい
る。すなわち、クランプ部材をゴム弾性を有する材料で
完全被覆することにより、慣性質量体とクランプ部材と
の間の接触腐食が防止される点である。

【００１２】慣性質量体は、砂型鋳造法で製造され、突
起ないし凹所の区域には切削加工を施さないでよい。そ
の場合、次のような利点が得られる。すなわち、慣性質
量体の、砂型鋳造法により生じた表面粗さが、慣性質量
体の凹所内でのクランプ部材の確実な固定に役立つとい
う利点である。完全にエラストマー材料で被覆されたク
ランプ部材と慣性質量体の凹所表面との間には、また、
慣性質量体の、加工されていない突起と、ばね部材の穴
との間には、振動キャンセラの組付け状態では、付加的
な形状接続式の掴み合いが生じ、これによってクランプ
部材と慣性質量体との摩擦接続による固定が補助され
る。砂型鋳造法により製造された慣性質量体の後加工が
不要であることにより、本発明の振動キャンセラは廉価
に製造できる。

【００１３】以下で、本発明の一実施例を図面につき説
明する。

【００１４】

【実施例】図１及び図２に示された振動キャンセラの実
施例は、実質的に慣性質量体１と、ゴム弾性を有する材
料製のばね部材２と、金属製のクランプ部材３とから成
っている。慣性質量体は鋳鉄製で、砂型鋳造法で製造さ
れ、製造後の加工は行なわれていない。ばね部材２は、
慣性質量体１の側に、ほぼディスク状に構成されたクラ
ンプ部材３を完全に包み込む状態で有しており、しかも
クランプ部材３と、ばね部材２の弾性材料とが、それぞ
れ１つの中心穴を有している。これらの穴は、慣性質量
体の突起４に適合する形態を有している。慣性質量体１
の凹所７は円形に構成され、ばね部材２と、ばね部材２
により包み込まれているクランプ部材３も同様に円形に
構成されている。凹所７は、押しはめ方向に連続的に横
断面が小さくなり、これにより、押しはめ方向６に慣性
質量体内でクランプ部材３の押圧力が増大せしめられ
る。固定突起８は、ばね部材２の縁部側から突出する縁
部区域が、押しはめ方向６とは逆方向に変形せしめられ
ており、このため、弾性変形により押しはめ方向６に比
較的簡単に組立てが可能である。たとえば、慣性質量体
１に押しはめ方向６の力が作用する場合にも、クランプ
部材３の逆鉤状の縁部区域により、互いに固定し合って
いる構成部材が半径方向に付加的に押圧される結果、双
方の部材間の相対運動は生じない。

【００１５】図１には、組立て時の慣性質量体１と、ば
ね部材２及びクランプ部材３との相対位置が示されてい
る。クランプ部材３は、慣性質量体１の凹所７内へ既に
押しはめられ始めているが、質量体１の突起４は、未だ
ばね部材２の穴の口には達していない状態である。この
図には、互いに差しはめ可能な構成部材の一時的な相互
配属位置が示されている。

【００１６】図２には、既に組立て済みの振動キャンセ
ラが示されている。ばね部材とクランプ部材２，３が、
押しはめ方向６に凹所７内へ完全に押しはめられ、ばね
部材２の端側突端が凹所７の底部に接触している。突起
４は、穴５を制限しているばね部材２により取囲まれ、
半径方向の予圧を与えられている。

【図面の簡単な説明】

【図１】振動キャンセラの個別部材の組立て中の状態を
示した図。

【図２】本発明による振動キャンセラの全体を示した
図。

【符号の説明】

１慣性質量体２ばね部材３クランプ部材４突起５穴６押しはめ方向７凹所８固定突起

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ゴム弾性材料製ばね部材により保持され
た形状安定的な慣性質量体を有する振動キャンセラにお
いて、ばね部材(２)に金属製のクランプ部材（３）が取
付けられ、かつまた、このクランプ部材（３）と慣性質
量体（１）とが摩擦接続式に相互固定せしめられている
ことを特徴とする振動キャンセラ。
【請求項２】慣性質量体（１）が突起（４）を有し、
かつまたクランプ部材（３）が差込み穴（５）を有し、
この差込み穴が突起（４）に押しはめられていることを
特徴とする、請求項１記載の振動キャンセラ。
【請求項３】突起（４）が押しはめ方向（６）に増大
する横断面を有することを特徴とする、請求項２記載の
振動キャンセラ。
【請求項４】慣性質量体（１）が凹所（７）を有し、
かつまたクランプ部材（３）が凹所（７）内へ押込まれ
ていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれ
か１項に記載の振動キャンセラ。
【請求項５】凹所（７）が押しはめ方向（６）に減少
する横断面を有することを特徴とする、請求項４記載の
振動キャンセラ。
【請求項６】クランプ部材（３）が、突起（４）ない
し凹所（７）の縦方向に対し、ほぼ直角方向に延び、縁
部区域に押しはめ方向（６）とは逆方向に変形せしめら
れた横断面を有することを特徴とする、請求項１から５
までのいずれか１項に記載の振動キャンセラ。
【請求項７】クランプ部材（３）が、ばね部材（２）
の断面縁部側から、少なくとも１つの固定突起（８）を
突出させていることを特徴とする、請求項１から６まで
のいずれか１項に記載の振動キャンセラ。
【請求項８】固定突起（８）が、ゴム弾性を有する材
料製の層（９）により被覆されていることを特徴とす
る、請求項７記載の振動キャンセラ。
【請求項９】慣性質量体（１）が、砂型鋳造法により
製造され、突起（４）ないし凹所（７）の区域が切削加
工されていないことを特徴とする、請求項１から８まで
のいずれか１項に記載の振動キャンセラ。