JPH0782637B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0782637B2
JPH0782637B2 JP62262472A JP26247287A JPH0782637B2 JP H0782637 B2 JPH0782637 B2 JP H0782637B2 JP 62262472 A JP62262472 A JP 62262472A JP 26247287 A JP26247287 A JP 26247287A JP H0782637 B2 JPH0782637 B2 JP H0782637B2
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【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート、磁気ディスク等の磁
気記録媒体に関するものである。
ロ.従来技術 最近、磁気テープ等の磁気記録媒体に対し、記録時間の
長時間化、記録の高密度化が強く要求されるに至ってい
る。記録の高密度化を達成するには、磁気記録テープの
全厚を薄くして供給リールに、より長く収納する必要が
ある。しかしテープの全厚を薄くする為にはベースフィ
ルムを薄くする必要があるものの、実際にはテープのス
ティフネスが低下して、ローディング時、アンローディ
ング時にテープエッジに傷がつき易くなったり、また瞬
間的に高引張力が加わったときテープが変形して記録に
歪が生じる場合があった。
磁気記録テープのベースフィルムとして、従来から二軸
配向ポリエチレンテレフタレートフィルムが使用されて
きていて、特に長時間記録用として走行方向のヤング率
を高めたいわゆるスーパーテンシライズフィルムが使用
されている。しかしポリエチレンテレフタレートフィル
ムにあっては、走行方向のヤング率がせいぜい800kg/mm
2が限度である。一方、走行方向ヤング率を高めようと
すると横方向のヤング率が必然的に低下する為、テープ
は走行中にエッジ部の損傷を受けやすくなる。他方、フ
ィルムの製造において幅方向ヤング率を高めようとする
と、この場合も必然的に充分な走行方向ヤング率が得ら
れず、磁気ヘッドとのタッチが悪くなり、出力変動を生
じる。
高倍率延伸を施してヤング率を高くしたベースフィルム
には、成形時に生じた歪が残存し、寸法安定性が低い問
題がある。また高倍率の延伸加工は製品歩留が低下する
という別な問題点もある。
更に、ベースフィルム製造工程又はテープ加工工程にて
弛緩熱処理とかエージング処理などの残存歪を取り除く
工程が不可欠であり製造条件の選択、組合せが煩雑であ
った。
従って、従来は磁気記録媒体の剛性にも限界があり、上
記したように媒体をより薄型化した場合には媒体の耐久
性、耐傷性、記録の保存性が不充分となっていたため、
長時間記録用の磁気記録媒体として要求される諸特性を
満足できるものではなかった。
特に、最近、カメラ−体型VTR普及に伴ない、戸外への
持ち出し、自動車内への持ち込み等の苛酷な温度条件下
にテープが置かれる場合が多く、スキュー歪みを生じな
いようなテープ寸法安定性ひいてはベースフィルムの寸
法安定性が強く要求されている。
一方、近年、磁性材料、特にビデオ、コンピューター用
記録媒体の高密度化、高S/N化に伴い、より粒子径の小
さな磁性粉が用いられるようになっている。
一般に、磁気記録媒体のS/N比は、記録・再生に関係す
る記録材料中の磁性粉の粒子数の平方根に比例すると言
われているため、同一重量の磁性粉を塗布した場合、粒
子径の小さい磁性粉を用いる程S/N向上に有利になる。
また、磁性粉を微粒子化し、そのBET値を高めると、磁
性層の表面がそれだけ平滑となり、スペーシングロスが
少なくなることから、高い電磁変換特性を得る上で有利
である。
しかしながら、磁性層表面を平滑とすると却って磁気テ
ープ等の走行性の劣化を招き、問題となっていた。即
ち、上記のような記録媒体は記録再生時に激しく磁気ヘ
ッドに摺接するため、表面の平滑化に伴う摺接面積の増
大、摩擦係数の増大により、却って走行性が劣化するの
である。これにより、繰り返し使用時の磁性層の摩耗
や、該層中に含有される磁性粉等の脱落、脱落物による
磁気ヘッドの目詰りといった好ましくない結果をも生ず
る。更に、磁気テープ自体の薄膜化、磁性層の超平滑化
によってもテープガイド等への貼り付きやテープ巻回
時、繰り返し時に貼り付きが生じ易くなり、磁気テープ
の走行性の劣化を生じ易くなる。このため、磁気テープ
等の走行耐久性が悪化し、S/N、RF出力等の電磁変換特
性に悪影響を及ぼしていた。
以上の問題は、最近の磁気テープの高品位化、長時間化
の傾向に伴っていよいよ顕著となっており、磁気記録媒
体の高密度化、テープの薄膜化と磁気テープ等の走行
性、耐久性という相反する課題の技術的解決が望まれて
いた。
ハ、発明の目的 本発明の目的は、磁気記録媒体の長時間化が可能で、耐
久性、耐傷性、走行性、繰り返し使用時の諸特性に優
れ、かつ良好な耐蝕性、保存性を有する磁気記録媒体を
提供することである。
ニ.発明の構成及びその作用効果 本発明は、ポリエチレンナフタレートからなる支持体
と;鉄−アルミニウム系金属磁性粉を含有する磁性層
と;非磁性粒子を含有するバックコート層とを有する磁
気記録媒体に係るものである。
本発明においては、ベースフィルム等の支持体にポリエ
チレンナフタレートを用いている点に特徴を有する。
即ち、ポリエチレンナフタレートは後述する如く、高ヤ
ング率を有しており、支持体を薄くした場合も、磁気記
録媒体の剛性を充分に保つことができる。従って、磁気
記録媒体を薄型化すると同時に、走行時における磁気記
録媒体のエッジ部の損傷を防止して耐傷性を良好にで
き、磁気記録媒体の耐久性を向上でき、かつ磁気記録媒
体の走行安定性をも保持して出力変動を防止できる。ま
た、スキュー歪みを改良して、磁気記録媒体の寸法安定
性をも良好に保つことができ、媒体の保存性が向上す
る。
しかしながら、前記した磁気記録媒体の薄型化に伴い、
従来技術の項で述べたように、磁気記録媒体の走行安定
性、走行耐久性が低下するおそれがある。この点、本発
明においては、非磁性粒子を有するバックコート層を設
けているので、媒体の走行安定性、走行耐久性を良好に
保つことができる。即ち、バックコート層により走行を
安定として媒体裏面側の貼り付きを防止する共に、この
バックコート層中に非磁性粒子を含有せしめているの
で、バックコート層の耐久性、耐傷性が向上し、特に繰
り返し使用時の特性が向上したのである。バックコート
層中への非磁性粒子の添加量は、磁性層の20〜70重量%
の範囲内とするのがより好ましい。
また、磁性材料として金属磁性粉を用いているために高
密度記録が可能で、高性能の媒体を提供できる。
しかも、上記金属磁性粉として鉄−アルミニウム系合金
金属磁性粉を使用していることにより、支持体へのポリ
エチレンナフタレートの採用によるスキュー歪みの低
減、媒体の寸法安定性の向上とも相まって、媒体の保存
性を向上せしめることができる。
即ち、近年のビデオテープ等の磁気記録媒体の用途は、
ポータブル化に伴い多岐にわたり、その使用条件はさま
ざまである。従って、ビデオテープ等には高い耐蝕性が
要求されることになる。この点、Fe−Al系合金金属磁性
粉は高耐蝕性を示し、かつ分散性も良好である。このこ
とは、磁性粉の比表面積を大きくしても、その分散性を
十分とすることができるために、高密度記録の実現にと
って非常に重要である。
以上述べたように、本発明の構成の採用により、磁気記
録の高密度化、磁気記録媒体の薄型化と磁気記録媒体の
耐久性、走行性、保存性の向上、なかんずく媒体の寸法
安定性、耐蝕性の向上という、互いに相反する課題が技
術的に解決されるのである。
磁気記録媒体の厚みを9μm以下とすれば、更なる長時
間記録が可能となり、有利である。また、磁性層の厚み
を2.5μm以下とすれば、磁気記録媒体の薄型化、長時
間記録に有利である。
支持体の厚みを6.0μm以下とすれば、磁気記録媒体の
薄型化に有利である。但し、支持体の厚みは、媒体の剛
性保持のため、3.5μm以上であることが好ましい。
次に、本発明のポリエチレンナフタレートについて述べ
る。
この例としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが
ある。ポリエチレン−2,6−ナフタレートは、その繰り
返し構造単位が実質的にエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレート単位から構成されているものであれば
よく、共重合されないポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートのみならず繰り返し構造単位の数10
%以下、好ましくは5%以下が他の成分で変性されたよ
うな共重合体、及び他のポリマーとの混合物、組成物を
も含むものである。
即ち、ポリエチレン−2,6−ナフタレートはナフタリン
−2,6−ジカルボン酸、またはその機能的誘導体、およ
びエチレングリコールまたはその機能的誘導体とを触媒
の存在下で適当な反応条件の下に結合せしめることによ
って合成されるが、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
は、上記ポリエチレン−2,6−ナフタレートの重合完結
前に適当な1種又は2種以上の第三成分(変性剤)を添
加し、共重合または混合ポリエステルとしたものであっ
てもよい。適当な第三成分としては、2価のエステル形
成官能基を有する化合物、例えばシュウ酸、アジピン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレ
ン−2,7−ジカルボン酸、コハク酸、ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸等のジカルボン酸、またはその低級アル
キルエステル、P−オキシ案息香酸、P−オキシエトキ
シ安息香酸の如きオキシカルボン酸、またはその低級ア
ルキルエステル、あるいはプロピレングリコール、トリ
メチレングリコールの如き2価アルコール類等の化合物
が挙げられる。ポリエチレン−2,6−ナフタレートまた
はの変性重合体は、例えば安息香酸、ベンゾイル安息香
酸、ベンジルオキシ安息香酸、メトキシポリアルキレン
グリコールなどの1官能性化合物によって末端の水酸基
及び/又はカルボキシル基を封鎖したものであってもよ
く、或いは、例えば極く少量のグリセリン、ベンタエリ
スリトールの如き3官能、4官能エステル形成化合物で
実質的に線状共重合体が得られる範囲内で変性されたも
のでもよい。
また前記基体重合体中には、二酸化チタンなどの艶消
剤、リン酸、亜リン酸及びそれらのエステル、或いはヒ
ンダードフェノールなどの安定剤、微粒状シリカ、チャ
イナクレー等の滑剤等が含まれていてもよい。
支持体をポリエチレンナフタレート製フィルムとした場
合、このフィルムは二軸配向フィルムとすることが良
い。二軸配向フィルムを得る方法として、例えば末延伸
フィルムを走行方向(縦方向)に延伸した後に幅方向
(横方向)に延伸する、いわゆる縦−横逐次延伸法、横
−縦逐次延伸法、通常の二軸延伸フィルムを再延伸する
縦−横−縦、横−縦−横延伸法、同時二軸延伸法等々が
いずれも適用できる。もっとも、これら延伸法のいずれ
かに限定されるものではない。
更に、70℃で1時間無荷重下で熱処理したときのベース
フィルムの熱収縮率は、0.09%以下、好ましくは0.07以
下とするのが好ましい。この熱収縮率が0.09%より大き
いとき、磁気テープの歪も大きくなり、受像機によって
は画面に歪が現れ、貴重な記録が台なしになる場合すら
ある為、好ましくない。
高ヤング率フィルムの熱収縮率を、このように低減せし
める為には、熱処理後のフィルムを低張力下で加熱し、
走行方向に弛緩することによって行うことができる。走
行方向に弛緩する方法としては、例えば空気力による浮
遊処理方式で加熱低張力下、非接触状態で弛緩する方
法;夫々ニップロールを有する加熱ロールと冷却ロール
間で速度差を与えることによって弛緩する方式;又はテ
ンター内でフィルムを把持したクリップの進行速度を逐
次緩めることによって走行方向に弛緩する方法等がある
が、走行方向に弛緩できる方式であればいずれの方式も
用いることができる。
次に、Fe−Al系合金金属磁性粉について述べる。
前記のFe−Al系合金磁性粉において、磁性粉のAl含有量
を0.5〜20原子%の範囲内とするのが好ましい。即ち、A
lの含有量が0.5原子%以上であれば耐蝕性及び分散性が
良好であり、また20原子%以下であればAlの割合が増え
すぎることもなく、電磁変換特性の劣化も生じない。こ
のAl含有量は更に1〜8原子%の範囲内とするのがより
好ましい。
なお、上記のアルミニウム含有量の「原子%」とは、Fe
を主成分とする磁性粉において、その金属成分の中でAl
原子の占める割合を全磁性粉の全原子に対して表わした
原子比を意味する。従って、例えばAl含有量が1原子%
とは、全磁性粉原子を100としたときに1の原子割合を
占めることを意味する。このFe−Al系金属磁性粉には他
の金属、例えばNi、Co、P、Mn、Zn、Cr等を添加しても
よい。金属磁性粉とは酸化鉄を水素等で還元した乾式還
元法によるものを指し、水素化ホウ素等で湿式還元して
得られる金属粉では本発明の高電気特性、高耐久性は得
られない。
また、本発明においては、使用する金属磁性粉の比表面
積をBET値で40m2/g以上(より好ましくは50m2/g以上)
とすることもでき、この場合には、より高密度に磁性層
中に充填することができる。即ち、これによって磁気記
録の更なる高密度化、磁性層表面の更なる平滑化が可能
となり、より高いS/N比、高出力を得ることができ、本
発明の効果を更に顕著に奏しうる。
バックコート層中へと含有せしめる非磁性粒子は、平均
粒径を10mμ〜300mμの範囲内とするとより好ましい。
上記範囲内であれば非磁性粒子が細かくなりすぎること
もなく、添加効果が良好だからである。
非磁性粒子としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、炭化カルシウム、
酸化亜鉛、α−Fe2O3、タルク、カオリン、硫酸カルシ
ウム、窒化ホウ素、フッ化亜鉛、二酸化モリブデン、炭
化カルシウム、硫酸バリウム等からなるものが挙げられ
る。また、その他にも、有機粉末、例えばベンゾグアナ
ミン系樹脂、メラミン系樹脂、フタロシアニン系顔料等
も使用可能であり、有機粉末と前記の無機粉末とを併用
することもできる。
更に、上述の非磁性粒子と共にカーボンブラックを併用
することがより好ましい。これにより媒体の走行性を更
に安定せしめ、前記した非磁性粒子の作用と相まって媒
体の耐久性を更に向上せしめることが可能である。
更に、バックコート層へのカーボンブラック含有によ
り、バックコート層の光遮蔽効果を向上せしめ、磁気記
録媒体の光学濃度を向上せしめる効果もある。これによ
り、磁性層の薄型化等も可能となり、記録の長時間化に
も更に有利となる。
また、上記カーボンブラックとして、遮光用カーボンブ
ラックを用いれば、光遮蔽の度合を高めることができ
る。遮光用カーボンブラックとしては、例えばコロンビ
アカーボン社製のラーベン2000(比表面積190m2/g、粒
径18mμ)、2100、1170、1000、三菱化製(株)製の#1
00、#75、#40、#35、#30等が使用可能である。
また、導電性カーボンブラックとしては、例えばコロン
ビアカーボン社のコンダクテックス(Conductex975)BE
T値(以下BETと略)250m2/g、DBP吸油量(以下DBPと
略)170ml/100gr、粒径24mμ)、コンダクテックス900
(BET125m2/g、粒径27mμ)、コンダクテックス40−220
(粒径20mμm)、コンダクテックスSC(BET220m2/gr、
DBP115ml/100gr、粒径20mμ)、キャボット社製のバル
カン(Cabot Vulcan)XC−72(比表面積254m2/g、粒径3
0mμ)、バルカンP(BET143m2/gr、DBP118ml/100gr、
粒径20mμ)、ラーベン1040、420、ブラックパールズ20
00(粒径15mμ)、三菱化成(株)製の#44等がある。
また、本発明で使用可能な他のカーボンブラックとして
は、コロンビアン・カーボン社製のコンダクテックス
(Conductex)−SC.(BET220m2/g、DBP115ml/100g、粒
径20mμ)、キャボット社製のバルカン(Vulcan)9(B
ET140m2/g、DBP114ml/100g、粒径19mμ)、旭カーボン
社製の#80(BET117m2/g、DBP113ml/100g、粒径23m
μ)、電気化学社製のHS100(BET32m2/g、DBP180ml/100
g、粒径53mμ)、三菱化成社製の#22B(BET55m2/g、DB
P131ml/100g、粒径40mμ)、#20B(BET56m2/g、DBP115
ml/100g、粒径400mμ)、#3500(BET47m2/g、DBP187ml
/100g、粒径40mμ)があり、その他にも、三菱化成社製
のCF−9、#4000、MA−600、キャボット社製のブラッ
ク・パールズ(Black Pearls)L、モナーク(Monarc
k)800、ブラック・パールズ700、ブラック・パールズ1
000、ブラック・パールズ880、ブラック・パールズ90
0、ブラック・パールズ1300、ブラック・パールズ200
0、スターリング(Sterling)V、コロンビアン・カー
ボン社製のラーベン(Raven)410、ラーベン3200、ラー
ベン430、ラーベン450、ラーベン825、ラーベン1255、
ラーベン1035、ラーベン1000、ラーベン5000、ケッチェ
ンブラックFC等が挙げられる。
なお、上記において、BET値(「比表面積」ともいう)
とは、単位重量あたりの表面積をいい、平均粒子径とは
全く異なった物理量であり、例えば平均粒子径は同一で
あっても、比表面積が大きなものと、比表面積が小さい
ものが存在する。比表面積の測定は、例えまず、粉末を
250℃前後で30〜60分加熱処理しながら脱気して、該粉
末に吸着されているものを除去し、その後、測定装置に
導入して、窒素の初期圧力を0.5kg/m2に設定し、窒素に
より液体窒素温度(−195℃)で吸着測定を行う(一般
にB.E.T法と称されている比表面積の測定方法。詳しく
はJ.Ame.Chem.Soc,60 309(1938)を参照)。この比表
面積(BET値)の測定装置には、湯浅電池(株)ならび
に湯浅アイオニクス(株)の共同製造による「粉粒体測
定装置(カンターソープ)」を使用することができる。
比表面積ならびにその測定方法についての一般的な説明
は「粒体の測定」(J.M.DALLAVALLE,CLYDEORR Jr共著、
弁田その他訳;産業図書社刊)に詳しく述べられてお
り、また「化学便覧」(応用編、1170〜1171頁、日本化
学会編、丸善(株)昭和41年4月30日発行)にも記載さ
れている(なお前記「化学便覧」では、比表面積を単に
表面積(m2/gr)と記載しているが、本明細書における
比表面積と同一のものである。)。
また、上記の「DBP吸油量(DBP法)」については顔料粉
末100gにDBP(Dibutyl phthalate)を少しずつ加え、練
り合わせながら顔料の状態を観察し、ばらばらに分散し
た状態から1つの塊をなす点を見出したときのDBPのml
数をDBP吸油量とする。
本発明の磁気記録媒体は、例えば第1図に示すように、
支持体1上に磁性層2を有し、この磁性層2とは反対側
の面にBC層3が設けられている構成のものである。ま
た、第2図に示すように、第1図の磁気記録媒体の磁性
層2上にオーバーコート層(OC層)4を設けてもよい。
また、第1図、第2図の磁気記録媒体は、磁性層2と支
持体1との間に下引き層(図示せず)を設けたものであ
ってよく、或いは下引き層を設けなくてもよい(以下同
様)。また支持体にコロナ放電処理を施してもよい。
磁性層2には、上述した脂肪酸以外にも、他の潤滑剤
(例えばシリコーンオイル(カルボン酸変性、エステル
変性であってもよい)、グラファイト、フッ化カーボ
ン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、脂肪酸エ
ステル、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイド等)
等を添加してよい。また、非磁性研磨材粒子も添加して
よいが、これにはアルミナ、酸化クロム、酸化チタン、
α−酸化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸
化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネ
シウム、窒化ホウ素等が使用される。この研磨材の含有
量は磁性粉100重量部に対して20重量部以下が好ましく
特に3重量部〜1重量部以下が良く、またその平均粒子
径は0.4μmがよく、0.3μm以下が更によい。
また、磁性層のバインダー樹脂として少なくともポリウ
レタンを使用できるが、これは、ポリオールとポリイソ
シアネートとの反応によって合成できる。ポリウレタン
と共に、フェノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル径共重合
体も含有せしめれば、磁性層に適用する場合には磁性粉
の分散性が向上し、その機械的強度が増大する。但、フ
ェノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合体のみでは
層が硬くなりすぎるがこれはポリウレタンの含有によっ
て防止でき、支持体又は下地層との接着性が良好とな
る。また、上記以外にも、バインダー樹脂として繊維素
系樹脂、熱可塑性樹脂、熱効果性樹脂、反応型樹脂、電
子線照射硬化型樹脂が使用されてもよい。
また、BC層3にも、上記した潤滑剤、バインダー樹脂を
使用して良く、磁性層2にカーボンブラックを含有せし
めてもよい。
第2図において、OC層4は、磁性層2を損傷等から保護
するために設けられるが、そのために滑性が十分である
必要がある。そこで、OC層4のバインダー樹脂として、
上述の磁性層2に使用したウレタン樹脂を(望ましくは
フェノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合体を併用
して)使用できる。
更に、磁性層のバインダー樹脂として、以下(A)〜
(D)のものが好ましく使用される。これらのバインダ
ー樹脂によれば、分子鎖中の極性官能基の作用により、
磁性粉の分散性を向上せしめて塗膜のゲル化等を防止で
き、また低分子量の分散剤の添加量を減らせるので塗膜
強度の改善、添加剤のブリードアウトに伴うヘッド汚れ
の防止を図ることができる。
(A)スルホン酸金属塩基を有するポリウレタン樹脂 ポリウレタン樹脂にスルホン酸金属塩基を導入する方法
としては、例えば次のような方法が挙げられる。
(1)、ポリウレタンの原料である2塩基酸、ポリオー
ル等に上記親水基を予め導入しておく方法。
(2)、2官能若しくは3官能以上の−OH基を有するポ
リウレタン樹脂を変性する方法。例えば、 (a)、ClCH2CH2SO3M(Mは塩基を表わすが、特にアル
カリ金属が好ましい)の如く、分子中に上記親水基及び
塩素を含有する化合物と、多官能−OHを有するポリウレ
タン樹脂とを、両成分が溶解性のあるジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶剤
に溶解し、ピリジン、ピコリン、トリエチルアミンなど
のアミン類;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ドなどのエポキシ化合物等の脱塩酸剤の存在下での−OH
基と塩素との脱塩酸反応により上記親水基を導入する方
法。
(a−1) R−OH+ClCH2CH2SO3M→ R−OCH2CH2SO3M+HCl (但し、R:ポリウレタン樹脂) 若干の副生成物を生じるが、次の方法でも合成可能であ
る。即ち、 (b)、HOCH2CH2SO3Mと、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶剤中で2官
能、イソシアネート化合物、例えば、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシ
アネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
MDI)とを等モル反応させ、ジイソシアネートの一方の
イソシアネート基と上記分子中の−OH基との反応による
反応生成物を得る。次に、ポリウレタン樹脂の−OH基と
残留している−NCO基とを反応させれば、本発明で使用
可能なバインダーが得られる。
(但し、Rはポリウレタン樹脂、R′は炭化水素基) 又、次のような方法でも良い。
(c)、両末端−NCOのウレタンプレポリマーとHOCH2CH
2SO3Mとを反応させる方法。
この樹脂は、数平均分子量10,000から100,000、重合度
が約200から2,000程度であってガラス転移温度が0℃〜
90℃、スルホン酸金属塩基を10〜1,000当量/100g有す
る。また、機械的特性は初期弾性率が20〜200kg/mm2
破断強度2〜10kg/mm2、破断伸度3〜800%を有する。
(B)マレイン酸を含有する塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂 この樹脂は数平均分子量8,000から100,000、平均重合度
が約250から1,000程度であり、マレイン酸の含有量が0.
2重量%から1.5重量%未満である。具体的には商品名VM
CH VMCC(U.C.C社製)、商品名MPR−TM(日信化学製)
などがある。
上記の三元重合体に加えてビニルアルコール、無水マレ
イン酸、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸エステルなどのモノマーが共重合もしく
はグラフト重合されていてもよい。これらのモノマーは
全体の0.1〜25重量%含有し得る。
塩化ビニルおよび酢酸ビニルの混合比率は、重量比で60
〜95:40〜5、好ましくは70〜90:30〜10である。
なお、(A)の「スルホン酸金属塩基を有するポリウレ
タン樹脂」と(B)「マレイン酸を含有する塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体樹脂」とを混合して使用できる。
これらのバインダー樹脂の混合比率はマレイン酸を含有
する塩酢ビ系樹脂が好ましくは20〜65重量%、更に好ま
しくは30〜55重量%であり、スルホン酸金属塩基含有ポ
リウレタンが好ましくは35〜80重量%、更に好ましくは
45〜70重量%である。
上記塩酢ビ系樹脂が20重量%未満の場合、磁性粒子の分
散性が不良となり65重量%を越える場合強度の低い磁気
テープが得られ、スクット箇所より磁性層の欠落が生ず
る。
スルホン酸金属塩基含有するポリウレタンの混合比率が
35重量%未満の場合、磁性層と指示体との接着性が劣化
し、80重量%を越す場合、表面性が劣化し、またテープ
粘着がしばしば生じる。
(C)塩化ビニル、エポキシ基を有する単量体及び必要
に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を、硫黄また
はリンを含む強酸根を有するラジカル発生剤の存在下に
重合して得られる塩化ビニル含有量が60重量%以上の共
重合体であって、この共重合体に結合している強酸根が
0.1〜4.0重量%であることを特長とする磁性塗料用樹脂
が使用可能である。
この樹脂は、塩化ビニル、エポキシ基を有する単量体、
さらに必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体
を、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過リン酸ア
ンモニウム、過リン酸ナトリウムなどの硫黄またはリン
を含む強酸根を有するラジカル発生剤の存在下に重合し
て得られる。このラジカル発生剤の使用量は、単量体に
対して通常は0.3〜9.0重量%、好ましくは、1.0〜5.0重
量%である。
この樹脂は、公知の方法によって製造できるが、硫黄ま
たはリンを含む強酸根を有するラジカル発生剤は水溶性
のものが多いので、乳化重合あるいは、メタノールに代
表される低級アルコールを重合媒体とする懸濁重合によ
るのが好都合である。さらにケトン類を溶媒とする溶液
重合も好適な方法である。
この樹脂の製造に際しては、硫黄またはリンを含む強酸
根を有するラジカル発生剤に加えて通常塩化ビニルの重
合に用いられるラジカル発生剤を使用することも可能で
ある。これらのラジカル発生剤としては、例えばラウロ
イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,
5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピ
パレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエートの如
き有機過酸化物:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,
4′−アゾビス−4−シアノバレリン酸の如きアゾ化合
物などが挙げられる。また、強酸根を有するラジカル発
生剤に、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、
亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を
組合せることも可能である。
エポキシ基を有する単量体の例としては、アリルグリシ
ジルエーテル、メタリルグリシジルエーテルなどの不飽
和アルコールのグリシジルエーテル類、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、グリシジル−P
−ビニルベンゾエート、メチルグリシジルイタコネー
ト、グリシジルエチルマレート、グリシジルビニルスル
ホネート、グリシジル(メタ)アリルスルホネートなど
の不飽和酸のグリシジルエステル類、ブタジエンモノオ
キサイド、、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、2
−メチル−5,6−エポキシヘキセンなどのエポキシドオ
レフィン類などが挙げられる。この単量体は、一般には
共重合体中のエポキシ基の量が0.5重量%以上となる範
囲で使用される。この割合が0.5重量%未満の場合に
は、強酸根導入の条件の選択が難しくなる。
塩化ビニル及びエポキシ基を有する単量体のほかに必要
に応じて使用することのできる単量体の例としては、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニル
エステル、メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル:
塩化ビニリデン、弗化ビニリデンなどのビニリデン:マ
レイン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジル、マレイ
ン酸ジ−2−ヒドロキシエチル、イタコン酸ジメチル、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
−2−ヒドロキシプロピルなどの不飽和カルボン酸エス
テル:エチレン、プロピレンなどのオレフィン:(メ
タ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル:スチレ
ン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレンなどの芳
香族ビニルなどが挙げられる。これらの単量体は、上記
の樹脂と他の樹脂との混合したときの両者の相溶性及び
軟化点を調節しつつ樹脂の溶解性を向上させる目的のほ
か、塗膜の特性や塗工工程の改善などの必要性に応じて
適当に選択される。
このようにして得られた本例の樹脂は、平均重合度が10
0〜900、好ましくは200〜500、塩化ビニルの含有量が60
重量%以上のものである。重合度が100未満では磁性層
の耐摩耗性が不充分であり、900を越えると塗料の粘度
が高く、磁性粉の分散が不充分になりやすい。一方、塩
化ビニルの含有量が60重量%より少ないと、可撓性材料
との相溶性が低下したり、塗膜の溶剤離れの低下が著し
くなったりして不都合を生ずる。
また上記の樹脂に結合した強酸根の量は−SO3、−SO4
−PO4等として0.1〜4.0重量%であることが必要であ
る。0.1重量%未満では磁性粉の分散性が不充分とな
り、4.0重量%を越えると強酸根の親水性が強くなり、
溶剤への溶解性が不充分になるばかりか、塗膜の耐湿性
が低下し、さらには磁性粉の凝集が起きてかえって分散
性が悪くなる。
なお、本例の樹脂はエポキシ基を有するので、優れた耐
熱安定性を発揮することができる。従って、信頼性に優
れた、ヘッド腐食をおこしにくい磁気記録媒体の製造が
可能になる。またエポキシ基の反応性を活用して、架橋
剤としてポリアミン化合物やポリカルボン酸化合物によ
る塗膜の架橋が可能である。しかも、これらの架橋剤を
用いた場合には、強酸根を有しない通常のエポキシ基含
有塩化ビニル共重合体に対するよりも架橋の速度が速
く、極めて効果的に架橋が進む。理由ははっきりしない
が、結合している強酸根の促進作用によるものと思われ
る。
(D)カルボキシル基、エポキシ基及び水酸基からなる
群より選ばれた一種又は二種以上の官能基を0.1meq/gr
以上含有し、かつ1分子中に平均3個以上(好ましくは
5個以上)の官能基を含有する変性ポリウレタン又は、
スルホン酸基と、水酸基及び/又はエポキシ基を含有す
る変性ポリウレタン 平均分子量としては5,000〜100,000、好ましくは8,000
〜60,000である。これらの変性ポリウレタン樹脂は従来
の熱可塑性ポリウレタン樹脂が分子の末端にだけしか、
水酸基を含まないのに対し分子側の途中に極性官能基を
有する為、特に微粒子磁性粉に良く吸着して濡れを改善
し、磁性粉の分散性に寄与する事が出来る。水酸基含有
の変性ポリウレタン樹脂として特に、エポキシ変性ポリ
ウレタン樹脂のエポキシ基をアミン類及び/又は、カル
ボン酸類で開環させて水酸基を生成せしめた分子鎖中に
水酸基を0.1meq/g以上含有する官能基数が3個以上好ま
しくは5個以上の変性ポリウレタン樹脂であり平均分子
量が5,000〜100,000好ましくは8,000〜60,000のもので
エポキシ樹脂成分が下記一般式〔I〕 (R1、R2はそれぞれ水素又はメチル基、nは0,1以上の
数を示す) で表わされる化合物が本目的に叶っている。
特にビスフェノール骨格構造の作用により塗膜の耐加水
分解性及び磁気テープの塗膜の硬さを適度に調節するこ
とが出来る。官能基が0.1meq/g未満であると微粒子磁性
粉を十分に分散させる事が出来ず本目的を叶える事が出
来ない。
カルボキシル基を含む変性ポリウレタン樹脂としては、
リジンまたはリジン塩(リジンアルカリ塩ほか有機カチ
オンとのリジネート等)による変性体や、一般式〔II〕 (式中R3は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基)−
2−ヒドロキシプロパンジオール1,3類またはその塩
(カルボキシレート)による変性体等である。リジン変
性や2−カルボキシプロパンジオール類による変性につ
いては、特公昭46−15517号、特公昭53−38760号に詳し
い。また、その他の変性体については特公昭55−41607
号に記載されている。
(A)〜(D)のうち、(A)又は(D)のポリウレタ
ンと(B)(C)の塩ビ系又は塩酢ビ系の樹脂は(A)
/(C)又は(D)/(B)又は(C)=20/80〜80/20
(wt%)の比で使用するのが良い。また、従来のウレタ
ン樹脂や塩酢ビ樹脂を併用してもよい。
次に、前期の磁性層等の塗布形成時には、試料中に架橋
剤としての多官能イソシアネートを所定量添加しておく
のが磁性層等を強固にできる点で望ましい。こうした架
橋剤としては、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、トリス−(p−イソシアネートフェニル)チオホス
ファイト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等
が挙げられる。メチレンジイソシアネート系、トリレン
ジイソシアネート系がよい。なお、磁性層を電子線照射
等で硬化させるときは、イソシアネート化合物の添加は
省略してもよいが添加してあってもよい。
ホ.実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
以下に示す成分、割合、操作順序等は、本発明の精神か
ら逸脱しない範囲において種々変更しうる。なお、下記
の実施例において「部」はすべて「重量部」を表わす。
<実験1> まず、下記の要領で支持体上に磁性層をそれぞれ形成
し、更にバックコート層を形成して第1図に示す各磁気
テープを作成した。但し、比較例−3についてはバック
コート層を設けていない。
即ち、まず、支持体である厚さ4.5μmのベースフィル
ムを下記表に示すようにポリエチレンナフタレート(PE
N)又はポリエチレンテレフタレート(PET)により成形
した。
次に、所定の合金金属磁性粉を使用し、下記表に示す各
成分を分散させた後、この磁性塗料を1μmフィルター
で濾過し、多官能イソシアネート5部を添加し、支持体
上に2.5μmに塗布してスーパーカレンダーをかけ、下
記表に表示した各種組成を有する磁性層とした。
但し、合金金属磁性粉におけるAl含有量は、それぞれ5
原子%〔以下は単に%〕(実施例1、4)、3%(実施
例2)、8%(実施例3)、5%(比較例5)とした。
又、Fe−Al系以外の強磁性金属粉末Fe−Ni(比較例
6)、Fe−Cr(比較例7)、Fe−Si(比較例8)、Fe−
Co(比較例9)、Fe−Cu(比較例10)についても、実施
例1と同様に行った。
しかる後、次の組成のBC層用塗料を磁性層の反対側の面
に乾燥厚さ0.4μmになるように塗布した。
カーボンブラック 下記表に示す (平均粒径50mμ) 無機非磁性粉 下記表に示す ニトロセルロース 25部 N−2301(日本ポリウレタン製) 25部 コロネートL( 〃 ) 10部 シクロヘキサノン 400部 メチルエチルケトン 250部 トルエン 250部 このようにして所定厚さの磁性層、BC層を有する幅広の
磁性フィルムを得、これを巻き取った。このフィルムを
8mm幅に断裁し、下記表の各ビデオテープとした(各実
施例、比較例の番号に対応する。)。但し、下記表の第
2欄以後の数値は重量部を表わす。
なお、テープの傷の発生頻度の測定の際には1/2インチ
(12.65mm)巾のビデオテープとした。
以上のようにして得られたテープの性能を測定した結果
を下記表に示す。但し、評価項目は次の基準に従って測
定され、表示されている。ルミS/N:カラービデオノイズ
メーター「Shibasoku 925 D/1」により測定した。ハイ
パスフィルターは4.2MHz、ローパスフィルターは10KHz
で行った。VTRは8mmビデオデッキを使用した。
RF出力低下:8mmビデオデッキを用いてRF出力を測定し、
100回再生後の、当初の出力に対して低下している値を
示した。(単位:dB)静止画像寿命:静止画像が2dB低下
するまでの時間を、分単位で示す。値が大きい程磁気記
録媒体の耐久性、耐摩耗性が高い。
テープの傷の発生頻度: 市販のVHS方式VTRを用い、テープをセットして1分間走
行させた。その後、走行を停止してテープを取り出し、
走行した部分、ローディング、アンローディングに使用
された部分を目視にて検査し、テープ表面に傷が有るか
否かを調査し テープの傷の発生頻度 =傷のあった回数/試験回数×100(%) として求める。試験回数は20回以上行うものとした。
飽和磁化:試料テープの飽和磁化をガウスを単位として
示した。
飽和磁化の残存率:試料テープを60℃、80%RHの雰囲気
中で1週間放置後に測定した飽和磁化が、放置前に測定
した飽和磁化の何%に相当するかをもって示した。
表に示す結果から、本発明に基づいて磁気テープを構成
することによって、テープ性能が著しく向上することが
解る。すなわち、ベースフィルムをポリエチレンナフタ
レート(PEN)により形成すること、磁性層中に鉄−ア
ルミニウム系金属磁性粉を含有せしめること、非磁性粒
子を含有するバックコート層を設けることは、テープ性
能の著しい向上をもたらすことが解る。特に、支持体を
PEN、磁性層の磁性粉をFe−Al系金属磁性粉、バックコ
ート層に非磁性粒子を含有の組み合わせは、支持体をPE
T、磁性層の磁性粉をFe−Al系金属磁性粉、バックコー
ト層に非磁性粒子を含有の組み合わせ(比較例5)、支
持体をPEN、磁性層の磁性粉をFe−Ni系金属磁性粉、バ
ックコート層に非磁性粒子を含有の組み合わせ(比較例
6)、支持体をPEN、磁性層の磁性粉をFe−Cr系金属磁
性粉、バックコート層に非磁性粒子を含有の組み合わせ
(比較例7)、支持体をPEN、磁性層の磁性粉をFe−Si
系菊族磁性粉、バックコート層に非磁性粒子を含有の組
み合わせ(比較例8)、支持体をPEN、磁性層の磁性粉
をFe−Co系金属磁性粉、バックコート層に非磁性粒子を
含有の組み合わせ(比較例9)、支持体をPEN、磁性層
の磁性粉をFe−Cu系金属磁性粉、バックコート層に非磁
性粒子を含有の組み合わせ(比較例10)の場合に比べ
て、ルミS/N、RF出力低下、静止画像寿命、テープの傷
の発生頻度いずれの特性も優れたものであることから、
支持体をPEN、磁性層の磁性粉をFe−Al系金属磁性粉、
バックコート層に非磁性粒子を含有の組み合わせには、
特異的な効果が有ることを認めなければならない。
<スキュー特性> 次に、実施例1と比較例4のビデオテープを用い、両者
のスキュー特性を測定した。スキュー特性は常温度(20
℃)、常湿下で録画したビデオテープを70℃で1時間加
熱処理した後、再び常温常湿の条件下において再生し、
ヘッドの切り換え点におけるズレの量を読み取ることに
より行った。
この結果、実施例1のビデオテープでは、16μsecであ
ったのに対し、比較例4のビデオテープでは29μsecで
あり、スキュー特性に著しい改善が見られた。
<実験2> 実験1において、実施例1、比較例2の構成及び処方を
有するビデオテープを使用し、金属磁性粉を種々変化さ
せて、以下の実験を行った。但し、実施例1の構成、処
方をもつビデオテープのデータはA(実施例)とし、比
較例2の構成、処方をもつビデオテープのデータはB
(比較例)で表した。
即ち、Fe−Al系金属磁性粉において、磁性粉中のAlの含
有率を変化せしめ、ルミS/N及び保存後の飽和磁化の残
存率を調べた結果、第3図、第4図に示すグラフを得
た。但し、第4図については、実施例1の構成、処方を
もつテープのみについて測定した。
これらの結果から解るとうり、Alの含有量を0.5〜20原
子%とすると好ましく、1〜8原子%の範囲内とすると
更に好ましいと言える。また、無機非磁性粒子をBC層に
含有せしめることによりルミS/Nが向上していることが
解る。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はそれぞ本発明の磁気記録媒体の一例を
示す部分拡大断面図である。 第3図、第4図は磁性粉中のAl含有率変化に伴う特性変
化を示すグラフである。 なお、図面に示す符号において、 1……非磁性支持体 2……磁性層 3……バックコート層(BC層) 4……オーバーコート層(OC層) である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンナフタレートからなる支持体
    と;鉄−アルミニウム系金属磁性粉を含有する磁性層
    と;非磁性粒子を含有するバックコート層とを有する磁
    気記録媒体。
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