JPH0782387A - 透明熱収縮性フィルム - Google Patents

透明熱収縮性フィルム

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JPH0782387A
JPH0782387A JP24975293A JP24975293A JPH0782387A JP H0782387 A JPH0782387 A JP H0782387A JP 24975293 A JP24975293 A JP 24975293A JP 24975293 A JP24975293 A JP 24975293A JP H0782387 A JPH0782387 A JP H0782387A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムの経時安定性(寸法、物性劣化)、
耐衝撃性(包装機械での引張衝撃によるフィルム切
れ)、および耐屈曲強度(折り畳み屈曲部の強度)を改
良して、仕上り状態の優れたシュリンクラベル用透明熱
収縮性フィルムを提供する。 【要約】 特殊なビニル芳香族系共重合体(VSPが90℃以下
のスチレン−ブチルアクリレ−ト共重合体)と、無架橋
ゴム(スチレン−ブタジエンブロック共重合体、飽和型
スチレン系エラストマ−)と、特定粒子径かつ特定架橋
度の架橋ゴム粒子を含有するスチレン系重合体との混合
組成物を、特定の熱収縮率を保持する延伸フィルムとし
た透明熱収縮性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱収縮性フィルムに関
するものであって、更に詳しくは、瓶などの円筒状物に
対する包装用シュリンクフィルムとして好適な縦横の熱
収縮率を有し、かつ透明性、低温収縮性、耐衝撃性、経
時寸法安定性、腰強さ、および印刷後の屈曲引き裂き強
さに優れた透明熱収縮性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近炭酸飲料、ジュ−ス、ビ−ル、麦
茶、清酒などの容器として、ガラスあるいはPETを素
材とする中空瓶にシュリンクラベルを付したプレラベル
瓶が急増している。従来から、プレラベルの素材として
は、熱収縮性、強度、印刷性、包装仕上がり性に優れて
いるポリ塩化ビニルフィルムが多量に使用されている
が、しかしポリ塩化ビニルフィルムは、分子内に塩素を
含むため、使用後焼却炉等で燃焼させる際、有毒性のガ
スを発生し、そのため環境上の問題がある。そこで、分
子内に塩素を含まない、環境にやさしいスチレン系樹脂
フィルムがこの用途に使用され始めてきている。この用
途に使用されるスチレン系樹脂フィルムの技術として
は、例えば、特公昭61−25819号公報および特公
昭62−25701号公報には、(1)ビッカット軟化
温度が90℃以下のビニル芳香族炭化水素を主体とする
共重合体と(2)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重
合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロック
よりなるブロック共重合体との樹脂組成物が、50〜1
10℃の広い温度範囲で安定な延伸領域を有し、これを
延伸したフィルムは低温収縮性、透明性に優れているの
で、このシュリンクラベル用途に好適であることが開示
されている。また、特開平5−104630号公報に
は、上記(1)、(2)に加えて第3成分として、上記
ブロック共重合体(2)を水添処理した水添ブロック共
重合体(3)からなる樹脂組成物を特定の熱収縮力を有
するように延伸した樹脂フィルムが、低温収縮性、透明
性、耐衝撃性、および経時寸法安定性に優れたものであ
ることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
の技術により特定のスチレン系樹脂組成物を特定の熱収
縮力を有するように延伸成膜した樹脂フィルムが、低温
収縮性、透明性、耐衝撃性、および経時寸法安定性に優
れたものであることが見い出され、現在、当該用途に利
用され始めている。一方、当該用途においては、商品名
を表示したりあるいは商品として美麗に仕上げるため
に、樹脂フィルムの裏面に全面印刷を施したものとして
使用される場合が多いが、この際、従来の樹脂フィルム
では、印刷前後における機械的強度保持が不十分のた
め、折り曲げて保存したりあるいは運搬時あるいはまた
包装機械に装着運転したとき屈曲部分から亀裂が入るこ
とがあり、これらの品質改善が求められていた。本発明
は、低温収縮性、透明性、耐衝撃性、および経時寸法安
定性を保持しつつ、かつ印刷後においても初期の機械的
強度を実用的レベルに保持し、屈曲部分からの亀裂不良
が発生刷ることのない透明熱収縮性フィルムを提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定のスチレン系樹脂とこれと相溶性の良い特
定の無架橋型熱可塑性ゴムと特定の粒子径かつ特定の架
橋度を有する架橋型グラフトゴムを含有するスチレン系
重合体からなる樹脂組成物を、特定の熱収縮率となるよ
う延伸した樹脂フィルムが、低温収縮性、透明性、耐衝
撃性、経時寸法安定性に優れ、ならびに印刷後の機械的
強度保持率が高く、屈曲部分からの亀裂不良が発生しな
い透明熱収縮性フィルムとなることを見い出し本発明に
到達したものである。
【0005】即ち、本発明は、下記(A)(B)および
(C)からなる樹脂組成物、 (A)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
エステルとの共重合体であって、ビカット軟化温度が9
0℃以下であり、ビニル芳香族炭化水素の含有量が95
〜20重量%よりなる共重合体10〜89.5重量% (B)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロッ
クと共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブ
ロック共重合体89.5〜10重量% (C)ゴム状重合体を分散粒子として含有するゴム変性
スチレン系重合体であって、分散粒子が粒子径2〜10
μでかつ架橋度65%以上の架橋型グラフトゴムである
ゴム変性スチレン系重合体0.5〜30重量%
【0006】又は、下記(A)(B)(C)および
(D)からなる樹脂組成物、 (A)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
エステルとの共重合体であって、ビカット軟化温度が9
0℃以下であり、ビニル芳香族炭化水素の含有量が95
〜20重量%よりなる共重合体10〜88.5重量% (B)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロッ
クと共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブ
ロック共重合体88.5〜10重量% (C)ゴム状重合体を分散粒子として含有するゴム変性
スチレン系重合体であって、分散粒子が粒子径2〜10
μでかつ架橋度65%以上の架橋型グラフトゴムである
ゴム変性スチレン系重合体0.5〜30重量% (D)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロッ
クと共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブ
ロック共重合体の共役ジエン由来による不飽和結合構造
の少なくとも1部を水素添加処理した水添ブロック共重
合体1〜25重量% を必須成分とする樹脂フィルムであって、熱収縮率が8
5℃、10秒の加熱条件下のときに主延伸方向で50%
以上、該主延伸方向に対して直角方向で20%以下、厚
みを50μとした時の全光線透過率が70%以上である
ことを特徴とする透明熱収縮性フィルムである。
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明すに、まず
初めに、本発明の第1の構成要件である樹脂、および該
樹脂組成物について述べる。本発明に用いる共重合体
(A)としては、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和
カルボン酸エステルを主体とする単量体との共重合体で
あって、ビカット軟化温度が90℃以下であり、ビニル
芳香族炭化水素の含有量が95〜20重量%のものであ
る。ここで、ビニル芳香族炭化水素とは主としてスチレ
ン系の単量体のことであり、具体的には、スチレン、α
−アルキル置換スチレン類、核ハロゲン置換スチレン類
等が挙げられ、目的に応じて少なくとも1種選定され
る。また、脂肪族不飽和カルボン酸エステルとは主とし
て(メタ)アクリル酸エステル誘導体、具体的には(メ
タ)アクリル酸メチル、エチル、プロピル、ブチル・・
・・・等のアルキルアルコ−ル(C1 〜C12)とのエス
テル類、アルキレンオキサイドとのエステル類、脂環式
アルコ−ルとのエステル類等が挙げられ、これらの内か
ら少なくとも1種が選択されるが、その際、ビニル芳香
族炭化水素との共重合(A)とした時にビカット軟化温
度が90℃以下であることを満足させなければならな
い。これらの条件を満足させる範囲であれば、他の単量
体、例えば(メタ)アクリル酸、α−β不飽和ジカルボ
ン酸無水物、α−β不飽和ジカルボン酸エステル誘導
体、叉は任意のアルキル基(例えばC2 〜C12)を有す
るビニルエ−テル誘導体等を脂肪族不飽和カルボン酸エ
ステルの一成分として使用してもさしつかえない。これ
らの具体例としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン
酸等のモノおよびジエステル誘導体またはこれら酸無水
物が挙げられる。
【0008】本発明に用いる係る共重合体(A)として
は、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体、あるい
はスチレンとアクリル酸ブチルとメタアクリル酸メチル
との共重合体等が、これら単量体の入手し易さおよびコ
ストの優位性等の理由により好ましく、また係る共重合
体(A)としては、一般的なラジカル開始剤で重合され
た共重合体の他に、例えば特開平4−149211号公
報、特開平4−149212号公報に開示されている特
殊2官能性ラジカル開始剤による共重合体が、ブロック
共重合体(B)との相溶性、透明性に優れるのでさらに
好ましい。
【0009】以上の共重合体(A)は、ビカット軟化温
度がいずれも90℃以下、好ましくは80℃以下、より
好ましくは75℃以下であるものを選定するものであ
り、90℃を超えると熱収縮温度を高くする必要がある
ばかりでなく、所定の熱収縮率を有するフィルムと成す
のに安定な延伸領域温度範囲が狭いので好ましくなく、
また、下限については特に制約はないが、25℃未満で
はベトツキが発生するので好ましくは25℃以上であ
る。また、共重合体(A)中のビニル芳香族炭化水素の
含有量は、95〜20重量%、好ましくは90〜40重
量%、更に好ましくは85〜50重量%である。95重
量%を超えると脂肪族不飽和カルボン酸エステルを共重
合した効果が薄く、一方20重量%未満では硬度、加工
性の低下が起こるので好ましくない。
【0010】本発明において、共重合体(A)の配合比
率は10〜89.5重量%、好ましくは20〜80重量
%、更に好ましくは30〜70重量%であり、10重量
%未満では添加効果が発現しないので好ましくなく、ま
た89.5重量%を超えるフィルムが脆くなり実用上使
用し難いので好ましくない。本発明に用いるブロック共
重合体(B)としては、特公昭62−25701号公
報、特開平5−104630号公報、特開平4−198
244号公報等に詳細に記載されているものであり、簡
単に説明すると、スチレン、P−メチルスチレン等に代
表されるビニル芳香族炭化水素単量体の単独または2種
以上を主体とする重合体ブロックと1.3−ブタジエ
ン、イソプレン、1.3−ペンタジエン等に代表される
共役ジエンを主体とする重合体ブロックとのブロック共
重合体である。ここで共役ジエンを主体とする重合体ブ
ロックとは、共役ジエンの含有量が40重量%以上、好
ましくは50重量%以上、更に好ましくは60重量%以
上のものであり、共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
ク中に共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体
ブロック中に均一に分布しても、またテ−パ−状に分布
しても良い。ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水
素と共役ジエンとの重量比は20:80〜95:5、好
ましくは60:40〜90:10であり、ビニル芳香族
炭化水素の含有量が20重量%未満では、共重合体
(A)との相溶性が不十分で透明性が低下し、また、9
5重量%を越えると樹脂フィルムの機械的強度の不足
し、破れ易くなるので好ましくない。また、このブロッ
ク共重合体(B)の製造方法としては、例えば特公昭3
6−19286号公報、特公昭43−14979号公
報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−410
6号公報、特公昭49−36957号公報等に開示され
た製造技術が使用できる。
【0011】本発明において、ブロック共重合体(B)
の配合比率は89.5〜10重量%、好ましくは80〜
20重量%、更に好ましくは70〜30重量%であり、
10重量%未満ではフィルムが脆くなり好ましくなく、
また89.5重量%を超えるとフィルムの経時寸法安定
性、押出時のゲル化、フィルム弾性率、低温収縮性等が
不足する等のため好ましくない。本発明に用いるゴム変
性スチレン系重合体(C)としては、ゴム状重合体を分
散粒子とし、スチレン系重合体を連続相構造とするゴム
変性スチレン系重合体であり、ここで、連続相構成する
スチレン系重合体は、スチレン、P−メチルスチレン、
P−tブチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレ
ン系単量体単独または混合物を重合して得られた重合
体、叉はスチレン単量体と共重合可能な単量体例えば、
アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸、無水
マレイン酸等との共重合体である。
【0012】また、該分散粒子は、ガラス転移温度(T
g)が−30℃以下のゴム状重合体を主たる成分とし、
前記のスチレン系重合体と実質的に同一の重合体がグラ
フト重合しているものであり、ガラス転移温度(Tg)
が−30℃以下のゴム状重合体としては、例えばポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、エチレン−プロ
ピレン系共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエ
ン三元共重合体、イソプレン重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体、シリコ−ンゴム等の一種以上が用いられ
るが、ゴム状重合体の分子量、分岐度は限定されるもの
ではない。
【0013】本発明において、重要な要件であるゴム変
性スチレン系重合体(C)の分散粒子の粒径は、2〜1
0μの範囲であり、好ましくは2.5〜8μ、更に好ま
しくは3〜7μであり、2μ未満では所定の熱収縮率を
有するように延伸して樹脂フィルムとした時に、本発明
の課題である印刷後の機械的強度の保持率に不足を起こ
し、屈曲部分からの亀裂発生を十分に防止できなく、ま
た、10μを越えると、樹脂フィルムの外観不良の原因
となるので好ましくない。本発明における分散粒子の粒
子径の測定方法は、公知の技術、例えば特開平4−35
1652号公報の8ペ−ジに詳細に記載されている技
術、即ち、樹脂の超薄膜切片法による透過型電子顕微鏡
写真を撮影し、写真中の分散粒子径を測定することによ
り求めることができる。
【0014】本発明において、もう一つの重要な要件で
あるゴム変性スチレン系重合体(C)の分散粒子の架橋
度は、65%以上であり、好ましく75%以上、更に好
ましくは80%以上であり、65%未満では、本発明の
課題である印刷後の機械的強度の保持率に不足を起こ
し、印刷後の屈曲引き裂き強さが不十分のため屈曲部分
からの亀裂発生を十分に防止できないので好ましくな
い。本発明における分散粒子の架橋度の測定方法は、ゴ
ム変性スチレン系重合体(C)をメチルエチルケトンに
溶解後、遠心分離機を用いて20,000rpmで30
分間処理した後、沈澱物を分離して更にメチルエチルケ
トンで2回洗浄し、真空乾燥したものをサンプルとし、
このサンプルの赤外線吸収スペクトルよりゴム状重合体
の重量(W1)を求め、一方ゴム変性スチレン系重合体
(C)の赤外線吸収スペクトルよりゴム状重合体の重量
(W2)を求め、この比率を本発明では架橋度とする、
即ち、架橋度は式(1)で計算されるであり、架橋度が
高いほどメチルエチルケトンに対して溶解し難くなるこ
とを利用した方法である。
【0015】
【式1】 架橋度={(W1)/(W2)}×10
0 ・・・(1) ゴム変性スチレン系重合体(C)中のゴム状物質の含有
量は、特に制限はないが、1〜20重量%が通常の製造
方法で製造し得るので好ましい。本発明のゴム変性スチ
レン系重合体(C)を得るには、一般的な製造方法、例
えば、ゴム状物質をスチレン系単量体、重合溶剤、重合
開始剤からなる混合物に溶解し、撹拌機付反応機に供給
し重合を行う方法により得られ、分散粒子の粒子径制御
は撹拌羽根の回転数を変化させる等により容易に制御で
き、また、架橋度を制御するには、重合率、重合温度、
開始剤濃度、溶剤等の選択により制御でき、必要に応じ
て重合途中で単量体等を連続的あるいは間欠的に追添加
する方法も用いることができる。本発明において、ゴム
変性スチレン系重合体(C)の配合比率は、0.5〜3
0重量%、好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは
2〜15重量%であり、0.5重量%未満では印刷後の
機械的強度の保持率に不足を起こし、印刷後の屈曲引き
裂き強さが不十分のため屈曲部分からの亀裂発生を十分
に防止できないので好ましくなく、また、30重量%を
超えるとフィルムの透明性が不足するので好ましくな
い。
【0016】本発明に用いる水添ブロック共重合体
(D)としては、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重
合体ブロックと、共役ジエン誘導体を主体とする重合体
ブロックの少なくとも1部分を水添処理した重合体ブロ
ックとよりなる水添ブロック共重合体であり、ここで、
ビニル芳香族炭化水素とは、前述のブロック共重合体
(B)において用いたものと同一のグル−プから少なく
とも1種を選んだものを用いればよく、また共役ジエン
誘導体も同様にブロック共重合体(B)において用いた
ものと同一のグル−プから選ばれた少なくとも1種を用
いればよい。水添処理した重合体ブロックとは、該共役
ジエン誘導体由来の不飽和結合の少なくとも1部分を触
媒存在下で水素と反応させることにより得られたもので
あり、また、水添化比率は10%以上、好ましくは40
%以上、更に好ましくは80%以上のものがよく、水添
化比率が10%未満では、耐衝撃性向上の効果が不十分
のため好ましくなく、また、水添ブロック共重合体
(D)中のビニル芳香族炭化水素の総量は、70重量%
以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40
重量%以下である。ビニル芳香族炭化水素の総量が70
重量%を越すと樹脂フィルムの熱収縮特性が高温側にず
れてしまうか、或いは熱収縮率と熱収縮力とのバランス
がとり難い等の問題点が発生するので好ましくない。
【0017】これらの水添ブロック共重合体(D)は単
独あるいは2種以上を適宜選択して用いることもでき
る。また、(メタ)アクリル酸、フタル酸、フマル酸、
イタコン酸、無水マレイン酸等で水添ブロック共重合体
を変性したものも本発明の水添ブロック共重合体(D)
に含まれ、その際これらの変性剤は、0.5〜10重量
%の範囲にしておくことが好ましく、変性方法として
は、押出機を用いて、変性剤、少量のパ−オキサイド、
それと水添ブロック共重合体とを同時に溶融混練する方
法等により得られる。本発明においては、水添ブロック
共重合体(D)を添加することにより更に一段と品質向
上が認められ、熱収縮性、耐衝撃性、経時寸法安定性、
機械的強度、印刷後の屈曲強度等の実用物性バランスが
良好となる。その際の水添ブロック共重合体(D)の配
合比率は1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%、
更に好ましくは3〜10重量%であり、1重量%未満で
は添加効果が少なく、また、25重量%を超えるとフィ
ルムの透明性が不足するので好ましくない。
【0018】本発明の樹脂組成物には一般的な添加剤
(可塑剤、石油樹脂類、テルペン系樹脂、水添テルペン
系樹脂、帯電防止剤、滑剤、防曇剤、無機微粉体、酸化
防止剤、2次酸化防止剤、着色剤など)を混合しても良
く、特に、ブロック共重合体(B)は、比較的ゲル化し
易い重合体のため、この共重合体に効果があると報告さ
れている安定剤(例えば、特願平3−337479号公
報等に記載)を添加することは好ましいことであり、ま
た、特開平5−51503号公報に開示されているよう
に水添テルペン系樹脂を0.5〜20重量%添加する
と、主延伸方向と対直角方向のとフィルム特性異方性が
少なくなるのみならず熱安定性も改良されるので、本発
明においてもこれらの添加は好ましいことである。
【0019】次に、本発明の第2の構成要件である熱収
縮特性について述べる。包装用熱収縮性フィルムとして
シュリンクラベル等に最適収縮性を付与するには、主延
伸方向の熱収縮率が50%以上で、対直角方向の熱収縮
率が20%以下にそれぞれ調整されていることが必要で
あり、これら縦方向と横方向の熱収縮率を該範囲内にコ
ントロ−ルすることによって、初めて熱収縮性フィルム
としての性能(例えばシュリンク仕上がりが良い、シワ
が発生しない、印刷された文字が歪まない、必要以上に
縦方向に収縮して見栄不良を起こさない等)を満足する
ものとなる。本発明において、フィルムの主延伸方向の
熱収縮率は50%以上、好ましくは55%以上、更に好
ましくは65%以上である。50%未満では熱収縮させ
た後の被包装物へのフィルムのフィット性が不十分で実
用上問題がある。また、対直角方向の熱収縮率は20%
以下であり、好ましくは15%以下、更に好ましくは1
0以下であり、20%を超えると収縮時に端部がカ−ル
して印刷文字が曲がってしまったり、仕上がり寸法のバ
ラツキが大きくなるなどの不良発生の原因となる。上述
したように、本発明は、縦方向および横方向に限定され
た熱収縮性を有するように異方性延伸した樹脂フィルム
とすることによって、最適な熱収縮性フィルムを完成せ
しめたもので、相対する2方向の熱収縮率を特定化する
ことが重要な要件である。
【0020】本発明において、樹脂フィルムの光学特性
としては、厚みを50μとした場合の全光線透過率が7
0%以上である必要があり、好ましくは80%以上、更
に好ましくは85%以上であり、70%未満では、透明
度が不足のために裏面印刷された表示、文字あるいはバ
−コ−ド等が有効に見え難かったり、印刷の鮮明さが不
十分となるので好ましくない。また、同様に厚みを50
μとした場合に、そのヘ−ズは20%以下、好ましくは
10%以下、更に好ましくは5%以下であり、ヘ−ズが
20%を超えると、裏面印刷された表示、文字あるいは
バ−コ−ド等が有効に見え難かったり、印刷の鮮明さが
失われ易いので好ましくない。本発明における延伸と
は、1軸延伸あるいは2軸延伸するもので、同時2軸や
逐次2軸などで一般的に使用されている設備、例えばテ
ンタ−延伸法、バブル延伸法、ロ−ラ−延伸法等で代表
される延伸成膜設備等を用いて延伸することが可能であ
り、いかなる設備で成膜してもこれに限定されるもので
はない。また延伸温度は、一般的には70〜120℃の
範囲で延伸され、各々の樹脂組成によって適宜選択すれ
ば良く、また、本樹脂フィルムは、多層フィルムの少な
くとも1層として利用しても良く、その場合、同種多層
フィルム、異種多層フィルムの少なくとも1層として利
用しても良く、その場合、2,3,4,5,6,7層
等、自由な組み合わせが可能である。
【0021】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではな
い。以下の実施例、比較例においては、フィルムの各種
性能評価は、以下の方法に従って実施した。また、特に
ことわりのない限り成膜後3日間、23℃、湿度50%
の雰囲気下に放置後のものをサンプルとした。 (1)シュリンク仕上がり性 シュリンクラベルとしての性能を判定するもので、シュ
リンク方法には熱媒体として蒸気法と熱風法の2通りが
あり、どちらの方法でも綺麗に仕上れば最も良いと評価
した。 蒸気法:蒸気式のシュリンクトンネル(全長2m)を用
い、トンネル内温度を85℃、通過時間を10秒とし、
1.5リットルのPETボトル(30℃の水が充填され
た、最大径91mm、高さ310mmの円筒こけし状容
器)に、筒状に成形したフィルム(折り幅148mm、
高さ90mm)をセットし、トンネル内を通過させてシ
ュリンクさせたものについて、シュリンク性の仕上がり
状態を判定した。 熱風法:熱風式のシュリンクトンネル(全長2m)を用
い、トンネル内温度を125℃、通過時間を10秒と
し、1.5リットルのPETボトル(30℃の水が充填
された、最大径91mm、高さ310mmの円筒こけし
状容器)に、筒状に成形したフィルム(折り幅148m
m、高さ90mm)をセットし、トンネル内を通過させ
てシュリンクさせたものについて、シュリンク性の仕上
がり状態を判定した。 判定:◎:シワ、破れ、位置ずれ(所定の位置からずれ
てしまうこと)がなく、良好な仕上がりの状態。 ○:僅かにシワの発生が見られ、その他は上記◎と同レ
ベルであり、商品価値としては下限レベル。 △:シワの発生と位置ずれが認められた。 ×:シワ、破れ、位置ずれ、縦収縮の程度が悪く、印刷
文字が歪む、等があり商品価値がない状態。
【0022】(2)フィット性 前項のトンネルによるシュリンクテストでのサンプルを
用い、容器にセットされたフィルムを指先で円周方向に
軽く回転させてその動きの程度をみる。シュリンク仕上
がり性と同様にシュリンクラベルの重要な性能である。 判定:◎:ボトルとの間の間隔がなく、全く回転しな
い。 ○:僅かに間隔のあるものもあるが、回転はしない。 △:僅かに回転(2mm以内)する。 ×:緩くてクルクル回転する。 (3)フィルムの耐折曲強度 測定方法は、サンプルとして裏面に全面ベタ印刷したフ
ィルムと印刷しないフィルムを用い、裏面を内側にして
筒状にヒ−トシ−ルし、ASTM−D2176に準拠し
て、荷重2Kgで主延伸方向と直角方向の耐折曲強度を
測定した。 (4)フィルムの落錘衝撃強度 測定方法は、ASTM−D1709に準拠して測定し
た。 (5)フィルムの引張弾性率 測定方法は、ASTM−D882に準拠して測定した。
【0023】(6)フィルムの光学特性(全光線透過
率、ヘ−ズ) 測定方法は、ASTM−D1003に準拠して測定し
た。 (7)ビカット軟化温度 測定方法は、ASTM−D1525に準拠して、荷重1
Kg/cm2 、昇温スピ−ド2℃/minの条件で測定
した。 (8)フィルムの保存収縮率 主延伸方向の長さL0 と30℃、30日間オ−ブン中に
保管後の主延伸方向の長さL1 を求め、この比率よりフ
ィルムの保存収縮率を式(2)により計算して求めた。
【式2】 保存収縮率={(L0 −L1 )/L0 }×
100 ・・・(2) (9)総合評価 上記の(1)〜(8)までの測定評価結果をもとにシュ
リンクラベル用熱収縮性フルムとしての総合判定を行っ
た。判定基準は次の通りである。 判定:◎:最も良いレベル。特に品質的に優れる。 ○:実用上良好なレベル。 △:実用上少し問題が発生するレベル。 ×:実用上問題が残るレベル。
【0024】(実施例1〜2、比較例1〜2)共重合体
(A)として、SBA−1〔スチレン−ブチルアクリレ
−ト共重合体、スチレン=83重量%、重量平均分子量
=35万、ビカット軟化温度=75℃〕を、ブロック共
重合体(B)として、SBBC−1〔B−S−B−S型
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、分子量=20
万、含有スチレン量=70重量%、MFI=3(200
℃、5Kg)、ビカット軟化温度=82℃〕を、ゴム補
強スチレン系重合体(C)として、HIPS−1〔スチ
レン重合体、分子量=25万、ゴム含有量=9重量%、
ゴム種=ステレン−ブタジエンランダム共重合体(ブタ
ジエン=85%)、平均ゴム粒径=5.5μ、架橋度=
88%、MFI=6(210℃、5Kg)、ビカット軟
化温度=94℃〕を、水添ブロック共重合体(D)とし
て、HSB−1〔水素添加S−B−S型スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、スチレン含有量=32重量
%、MFI=8(200℃、5Kg)、比重=9.0〕
を、それぞれ表−1に示した混合組成とし、この混合物
の合計100重量部に対して、酸化防止剤〔2−ter
−ブチル−6(3−ter−ブチル−2−ヒドロキシ−
5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレ−
ト〕を0.5重量部、燐系2次酸化防止剤〔トリ(2.
4−ジ−ter−ブチル)−フェニルフォスファイト〕
を0.3重量部、紫外線吸収剤〔2−(2−ヒドロキシ
−3−ter−ブチル−5−メチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾ−ル〕を0.25重量部、帯電防止
剤〔ジグリセリンモノステアレ−ト〕を0.5重量部添
加してタンブラ−で良くブレンドした。
【0025】該混合物を65mmφ(L/D=31)押
出機で195℃の温度で溶融混合しTダイより押出し均
一なシ−トを成形した。該シ−トをロ−ル延伸機を用い
ロ−ル温度95℃でMD方向に1.15倍延伸した後、
テンタ−延伸機を用いオ−ブン温度85℃でTD方向に
6.0倍に延伸して50μの逐次2軸延伸フィルムを得
た。得られたフィルムに帯電防止剤〔SAT−5W:日
本純薬(株)製〕をコ−ティングした。実施例1で得ら
れたフィルムの主延伸方向(TD)と対直角方向(M
D)の熱収縮率は、TD方向=75%、MD方向=8%
であり、また、フィルムの光学特性は、全光線透過率=
87%、ヘ−ズ=1.2%であった。実施例2で得られ
たフィルムの主延伸方向(TD)と対直角方向(MD)
の熱収縮率は、TD方向=71%、MD方向=6%であ
り、また、フィルムの光学特性は、全光線透過率=86
%、ヘ−ズ=1.8%であった。また、比較例1は、実
施例1と同様にしてシ−トを得、これを同一設備でMD
方向に2.1倍延伸した後、TD方向に6.0倍延伸し
て熱収縮率の異なるフィルムを得、得られたフィルムの
熱収縮率は、TD方向=72%、MD方向=24%で
り、また、フィルムの光学特性は、全光線透過率=85
%、ヘ−ズ=1.9%であった。
【0026】比較例2は、実施例1と同様にしてシ−ト
を得、MD方向に1.15倍延伸した後、TD方向に
3.5倍延伸して熱収縮率の異なるフィルムを得、得ら
れたフィルムの熱収縮率は、TD方向=41%、MD方
向=7%であり、全光線透過率=85%、ヘ−ズ=2.
0%であった。これら実施例1、2および比較例1、2
のフィルムについて、シュリンク仕上り性を初めとする
各種性能を評価し、その結果をまとめて表−1に示し
た。表−1に示したとおり、該混合物を成膜したフィル
ムの主延伸方向の熱収縮率が小さ過ぎるもの(比較例
2)、また主延伸方向と対直角方向の熱収縮率が大き過
ぎるもの(比較例1)は、シュリンク仕上り性が悪くっ
た。これに対して適度の熱収縮率のもの(実施例1,
2)は、シュリンク仕上り性をはじめとする各種の優れ
た特性を有することが、はっきりと認められた。主延伸
方向の熱収縮が小さいと、引き裂き衝撃によるちぎれが
発生し易い、折り曲げに弱い、品質安定性に欠けるなど
実用上重要な特性が低下して商品価値がなくなることが
明らかである。また実施例1と実施例2とに示すよう
に、水添ブロック共重合体(D)を含む場合は、フィル
ムの諸特性に優れていることが認められる。
【0027】
【表1】
【0028】(実施例3〜7、比較例3〜6)(A)と
して、SBA−2〔スチレン−ブチルアクリレ−ト共重
合体、スチレン=74重量%、重量平均分子量=38
万、ビカット軟化温度=61℃〕、SBA−3〔スチレ
ン−ブチルアクリレ−ト共重合体、スチレン=77重量
%、重量平均分子量=25万、ビカット軟化温度=68
℃〕、SBA−4〔スチレン−エチルアクリレ−ト共重
合体、スチレン=80重量%、重量平均分子量=21
万、ビカット軟化温度=72℃〕、SBA−5〔スチレ
ン−メチルアクリレ−ト共重合体、スチレン=87重量
%、重量平均分子量=32万、ビカット軟化温度=83
℃〕、SBA−6〔スチレン−ブチルアクリレ−ト共重
合体、スチレン=96重量%、重量平均分子量=32
万、ビカット軟化温度=98℃〕を、(B)として、S
BBC−2〔B−S−B−S型スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、分子量=25万、含有スチレン量=8
0重量%、MFI=5(200℃、5Kg)、ビカット
軟化温度=85℃〕、SBBC−3〔B−S−B−S型
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、分子量=28
万、含有スチレン量=85重量%、MFI=8(200
℃、5Kg)、ビカット軟化温度=89℃〕を、
【0029】(C)として、HIPS−2〔スチレン−
ブチルアクリレ−ト共重合体、スチレン=95重量%、
分子量=25万、ゴム含有量=10重量%、平均ゴム粒
径=3.8μ、架橋度=90%、ゴム種=ステレン−ブ
タジエンランダム共重合体(ブタジエン=90重量
%)、MFI=8(210℃、5Kg)、ビカット軟化
温度=96℃〕、HIPS−3〔スチレン−シクロヘキ
シルアクリレ−ト共重合体、スチレン=95重量%、分
子量=22万、ゴム含有量=12重量%、平均ゴム粒径
=4.6μ、架橋度=88%、ゴム種=ステレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(ブタジエン=70重量%)、
MFI=5(210℃、5Kg)、ビカット軟化温度=
98℃〕、HIPS−4〔スチレン−メチルメタアクリ
レ−ト共重合体、スチレン=92重量%、分子量=20
万、ゴム含有量=10重量%、平均ゴム粒径=6.0
μ、架橋度=92%、ゴム種=ステレン−ブタジエンブ
ロック共重合体(ブタジエン=85重量%)、MFI=
4(210℃、5Kg)、ビカット軟化温度=98
℃〕、HIPS−5〔スチレン−メチルアクリレ−ト共
重合体、スチレン=92重量%、分子量=28万、ゴム
含有量=10重量%、平均ゴム粒径=4.5μ、架橋度
=96%、ゴム種=ステレン−ブタジエンブロック共重
合体(ブタジエン=70重量%)、MFI=7(210
℃、5Kg)、ビカット軟化温度=96℃〕、HIPS
−6〔スチレン−ブチルアクリレ−ト共重合体、スチレ
ン=95重量%、分子量=25万、ゴム含有量=10重
量%、平均ゴム粒径=1.2μ、架橋度=90%、ゴム
種=ステレン−ブタジエンランダム共重合体(ブタジエ
ン=90重量%)、MFI=6(210℃、5Kg)、
ビカット軟化温度=95℃〕、HIPS−7〔スチレン
重合体、分子量=22万、ゴム含有量=10重量%、平
均ゴム粒径=4.2μ、架橋度=40%、ゴム種=ステ
レン−ブタジエンランダム共重合体(ブタジエン=90
重量%)、MFI=8(210℃、5Kg)、ビカット
軟化温度=95℃〕を、
【0030】(D)として、HSB−2〔水素添加S−
B−S型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチ
レン含有量=28重量%、MFR=7(200℃、5K
g)、比重=9.2〕、HSB−3〔水素添加S−B−
S型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
含有量=40重量%、MFR=9(200℃、5K
g)、比重=9.3〕を、それぞれ表−2に示した混合
組成とし、この樹脂混合物の合計100重量部に対して
酸化防止剤〔スミライザ−GS:住友化学(株)製〕を
0.5重量部、燐系2次酸化防止剤〔ウルトラノックス
626〕を0.2重量部、光安定剤〔サノ−ルLS77
0〕を0.25重量部、帯電防止剤〔ジヒドロキシエチ
ルアルキルアミン〕を0.2重量部、添加してタンブラ
−で良くブレンドした。
【0031】該混合物を65mmφ(L/D=31)押
出機で200℃の温度で溶融混合しTダイより押出し均
一なシ−トを成形した。該シ−トを逐次2軸延伸して実
施例1と同様にして50μの延伸フィルムを得た。得ら
れたフィルムに帯電防止剤〔SAT−5W:日本純薬
(株)製〕をコ−ティングした。これらのフィルムにつ
いて、シュリンク仕上り性を初めとする各種性能を評価
した。その結果をまとめて表−3に示した。表−2,表
−3に示したように、樹脂の種類と混合組成比を本発明
の範囲で適宜選び、かつ成膜したフィルムの熱収縮率が
本発明の範囲にあるものは、シュリンク仕上り性が著し
く優れているものであった。一方、ゴム補強スチレン系
重合体(C)として、分散粒子のゴム粒子径が小さ過ぎ
るものを用いた場合(比較例4)は、フィルムの耐折曲
強度と落錘衝撃強度が弱くなった。これは実用上折曲部
の亀裂の発生あるいは破れの発生となり、特に印刷した
フィルムの耐折曲強度は更に弱く実用上使い難い。また
分散粒子のゴム架橋度が小さ過ぎるものを用いた場合
(比較例5)、比較例4と同様にフィルムの耐折曲強度
と落錘衝撃強度が弱くなった。また、ゴム補強スチレン
系重合体(C)を多量に使用した場合(比較例6)は、
光学特性が悪く裏印刷した表示が見え難くなり実用上見
栄えが悪く、或いは印刷面は表に限られるなど、当該用
途には適さないものとなった。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】(実施例8〜9、比較例7〜10)それぞ
れ表−4に示した混合組成とし、この樹脂混合物の合計
100重量部に対して酸化防止剤〔2−ter−ブチル
−6(3’−ter−ブチル−5’−メチル−2’−ヒ
ドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレ−
ト〕を0.5重量部、燐系2次酸化防止剤〔トリ(2.
4−ジ−ter−ブチル)−フェニルフォスファイト〕
を0.3重量部、帯電防止剤〔ジグリセリンモノステア
レ−ト〕を0.5重量部、添加してタンブラ−で良くブ
レンドした。該混合物を65mmφ(L/D=31)押
出機で195℃の温度で溶融混合しTダイより押出し均
一なシ−トを成形した。該シ−トをロ−ル延伸機を用い
て実施例1と同様にして60μの延伸フィルムを得た。
これらのフィルムについて、シュリンク仕上り性を初め
とする各種性能を評価した。その結果をまとめて表−5
に示した。表−4,表−5に示したように、成膜したフ
ィルムの主延伸方向と対直角方向の熱収縮率が本発明の
範囲にあり、かつ樹脂の種類と混合組成比が本発明の範
囲内にある場合に、本発明の効果が顕著に発揮されるこ
とがわかり、一方、主延伸方向と対直角方向の熱収縮率
が本発明の範囲からはずれたものでは、樹脂の種類と混
合組成比が本発明の範囲内にあっても、熱収縮特性の不
備から、熱収縮性シュリンクフィルムとして重要な性質
が発揮されないことは明かである。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【発明の効果】本発明の熱収縮性フィルムは、これまで
に詳述したように特定の共重合体(A)(B)または
(A)(B)(D)が特定組成比に限定された上で、こ
れに(C)を配合することにより平均粒子径と架橋度を
限定した特定の架橋型ゴム粒子を特定量含有しているの
で、縦横の延伸倍率が大きく異なる異方性延伸フィルム
に発生し易い低延伸方向の引き裂き弱さが改良され、こ
の組成物を特定の熱収縮特性および光学特性を有する樹
脂フィルムとしたものが、包装用シュリンクフィルムと
しての作業性、強度、保存性、外観美観に優れることを
見い出し、ここに提供できるに至ったものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53/02 LLY

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)(B)および(C)からなる
    樹脂組成物を必須成分とする樹脂フィルムであって、熱
    収縮率が85℃、10秒の加熱条件下のときに主延伸方
    向で50%以上、該主延伸方向に対して直角方向で20
    %以下、厚みを50μとした時の全光線透過率が70%
    以上であることを特徴とする透明熱収縮性フィルム。 (A)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
    エステルとの共重合体であって、ビカット軟化温度が9
    0℃以下であり、ビニル芳香族炭化水素の含有量が95
    〜20重量%よりなる共重合体10〜89.5重量% (B)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロッ
    クと共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブ
    ロック共重合体89.5〜10重量% (C)ゴム状重合体を分散粒子として含有するゴム変性
    スチレン系重合体であって、分散粒子が粒子径2〜10
    μでかつ架橋度65%以上の架橋型グラフトゴムである
    ゴム変性スチレン系重合体0.5〜30重量%
  2. 【請求項2】 下記(A)(B)(C)および(D)か
    らなる樹脂組成物を必須成分とする樹脂フィルムであっ
    て、熱収縮率が85℃、10秒の加熱条件下のときに主
    延伸方向で50%以上、該主延伸方向に対して直角方向
    で20%以下、厚みを50μとした時の全光線透過率が
    70%以上であることを特徴とする透明熱収縮性フィル
    ム。 (A)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸
    エステルとの共重合体であって、ビカット軟化温度が9
    0℃以下であり、ビニル芳香族炭化水素の含有量が95
    〜20重量%よりなる共重合体10〜88.5重量% (B)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロッ
    クと共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブ
    ロック共重合体88.5〜10重量% (C)ゴム状重合体を分散粒子として含有するゴム変性
    スチレン系重合体であって、分散粒子が粒子径2〜10
    μでかつ架橋度65%以上の架橋型グラフトゴムである
    ゴム変性スチレン系重合体0.5〜30重量% (D)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロッ
    クと共役ジエンを主体とする重合体ブロックよりなるブ
    ロック共重合体の共役ジエン由来による不飽和結合構造
    の少なくとも1部を水素添加処理した水添ブロック共重
    合体1〜25重量%
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